JPH1147188A - 使いすて着用物品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 着用者の脚周り開口部の圧迫感が適当で、股
下からの漏れを防ぐ脚周りギャザーを有する使いすて着
用物品の提供。 【解決手段】 液透過性のトップシートおよび液不透過
性のバックシートと前記トップシートと前記バックシー
トとの間に設けられる吸収体と、吸収体の長手方向両側
縁近傍に形成されている伸縮弾性部材を含む脚周りギャ
ザーを有する使いすて着用物品において、前記脚周りギ
ャザーを形成する伸縮弾性部材は、複数本の線状材にて
形成されており、かつ前記伸縮弾性部材は、着用者の股
下領域を境とした後身頃側の相互の配列間隔が、前身頃
側の相互の配列間隔よりも広くなるように並んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明はおむつ、失禁パンツ、トレーニン
グパンツなどの使いすて着用物品に関し、さらに詳しく
は、着用者の脚周り開口部に圧迫感が少ない脚周りギャ
ザーを形成し得る使いすて着用物品に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の使いすて着用物品は、液透過性の
トップシートと液不透過性のバックシートの間に吸収体
を介在し、吸収体の長手方向両側縁近傍に伸縮弾性部材
を配設することによって脚周りギャザーを形成してお
り、これによって着用物品を保持し、また脚周りからの
***物の漏れを防ぐ役目を果たしている。そのため、こ
の脚周りギャザーに関して、伸縮弾性部材の配設方法等
の工夫が数多くなされており、例えば特開平４−１２２
２５７号公報、特開平４−３１７６４９号公報、あるい
は特開平４−３１７６５０号公報等で周知の通りであ
る。

【０００３】通常、この脚周りの伸縮弾性材は、複数本
の相互に平行な線状材をそれぞれ帯状になすバックシー
ト連続体およびトップシート連続体の間に設けられた吸
収体の長手方向両側縁近傍にＳ字状に蛇行するように配
設されており、トラバーサーに保持された脚周り伸縮弾
性材の供給装置の向きによってあらかじめ決まる。

【０００４】このように、従来の着用物品では脚周りギ
ャザーを構成する複数本の線状材の相互の配列間隔がそ
の全長にわたって一定ではなく、線状材の相互の配列間
隔が広くなるとその圧迫域が分散し、逆に狭くなると圧
迫域が集中する傾向にある。また、着用者の脚部から臀
部、腹部にかけての部位は、着用者の動きによって身体
に与える圧迫の度合いが変化する。そのため、線状材の
相互の配列間隔が適切でないと圧迫する力が強すぎて着
用者に不快感を与えたり、圧迫する力が弱すぎてフィッ
ト性が悪化するために漏れを引き起こす可能性がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、脚周り開口
部に適切な圧迫域を設け、この脚周り開口部のフィット
性を高めて漏れを防止し得るとともに、装着感の優れた
使いすて着用物品を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、液透過性のト
ップシートおよび液不透過性のバックシートと前記トッ
プシートと前記バックシートとの間に設けられる吸収体
と、吸収体の長手方向両側縁近傍に形成されている伸縮
弾性部材を含む脚周りギャザーを有する使いすて着用物
品において、前記脚周りギャザーを形成する伸縮弾性部
材は、複数本の線状材にて形成されており、かつ前記伸
縮弾性部材は、着用者の股下領域を境とした後身頃側の
相互の配列間隔が、前身頃側の相互の配列間隔よりも広
くなるように並んでいることを特徴とする使いすて着用
物品に関する。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の使いすて着用物品は、脚
周りギャザーを構成する複数本の線状材が脚周り開口部
に沿って着用者の股下領域を境とした後身頃の相互の配
列間隔が前身頃の相互の配列間隔よりも広くなるように
並んでいる。このことから、脚周り開口部の前身頃側は
線状材の相互の配列間隔が狭いため、脚周りギャザーの
フィット性が良くなると共に、着用者が太股部を引き上
げたり上半身を折り曲げたりするような、脚周り前面の
動きを阻害することがないため、動きによって股下に隙
間が生じることが原因で起こる股下からの漏れを防ぐ効
果がある。

【０００８】また、後身頃側は線状材の相互の配列間隔
を広くしているので圧迫域が分散し、また伸縮弾性部材
が股部から臀部を包み込むような形態となるために、適
度な力で広い領域にわたってフィットさせることができ
る。これによって、着用時のずり落ちを防止することが
できる。

【０００９】さらに、脚周りギャザーを構成する複数本
の線状材において、吸収体から最も遠い位置（最外部）
に配置される線状材と吸収体から最も近い位置（最内
部）に配置される線状材との相互の配列間隔は、前身頃
側で０〜２０ｍｍ（０ｍｍの場合は束状になって相互に
接している状態）、好ましくは５〜１５ｍｍ、後身頃側
では２０〜５０ｍｍ、好ましくは２５〜４５ｍｍである
ことが上記の効果を得るためには好ましい。ここで、前
身頃側の相互の配列間隔が２０ｍｍより広いと、脚周り
前面の動きを阻害するために着用者に不快感を与えた
り、圧迫の力が不足するために十分なフィット性が得ら
れず、股下からの漏れを引き起こす恐れがある。

【００１０】また、後身頃側の間隔が２０ｍｍより狭い
と、脚周りへの圧迫の力が高すぎてゴム痕がついてしま
いかぶれの原因となる恐れがあり、さらに、人体の臀部
と太股部の境にはくびれが少なく臀部にかけて太くなっ
ているために、圧迫力が集中することにより脚周りギャ
ザーが上方にずれてしまい臀部を包み込むことができな
くなる可能性がある。間隔が５０ｍｍより広いと、圧迫
域が分散しすぎてフィット感が不足するために隙間が生
じ、股下からの漏れが生じる恐れがある。

【００１１】なお、脚周りギャザーを構成する複数本の
線状材の相互の配列間隔は、股下領域を境にして前身頃
側が狭く、後身頃側が広くなっていれば前記の効果につ
いては十分に得られるものであり、前身頃または後身頃
それぞれの部位中における線状材の相互の配列間隔につ
いては等間隔であっても、不等間隔であってもかまわな
いが、効果を最も有効に得るためには、腹側から背側に
かけて徐々に広くなるように配置されることが好まし
い。

【００１２】

【実施例】以下に添付図面を参照にして本発明について
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等
制限されるものではない。図１は本発明の着用物品をパ
ンツ型おむつに応用した一実施例について、その外観を
表すものであり、図２にこれを展開した平面形状を表す
ものを示す。

【００１３】すなわち、本実施例におけるパンツ型おむ
つ１は、ウエストの部分に対応するウエスト周り開口部
２と、両脚の太股部分に対応する一対の脚周り開口部３
と、後述する液透過性のトップシートと共にこれら開口
部２，３を形成する液不透過性のバックシート４と、ウ
エスト周り開口部２を絞ってウエストギャザー５を形成
するためのウエスト周り伸縮弾性部材６と、脚周り開口
部３を絞って脚周りギャザー７を形成するための脚周り
伸縮弾性部材８と、脚周り開口部３の間の股下部分から
腹側及び背側にそれぞれ延びる吸収体９とを有する。ま
た、バックシート４はその脇腹部分に位置する接合フラ
ップ部１０を剥離することにより、図２に示すように展
開可能に接合されている。

【００１４】つまり、図２に示す展開上体からバックシ
ート４の前後の接合フラップ部１０を重ね合わせ、これ
らの当接部分をホットメルト接着法、加圧溶融接着法、
あるいは超音波溶融接着法などを単独または適宜組み合
わせて接合することによって図１に示すパンツ型おむつ
１を得ることができる。

【００１５】前記吸収体９は、バックシート４の幅方向
中央部に配置されている。また、この吸収体９の幅方向
両側端部には、左右一対のサイドトップシート１１の幅
方向内端側が重ね合わされ、これらサイドトップシート
１１の幅方向外端部がバックシート４に接合されてい
る。また、サイドトップシート１１の幅方向内端部に
は、吸収体９に重ね合わされるセンタートップシート１
２の幅方向両端側が一体的に接合され、これらサイドト
ップシート１１とセンタートップシート１２により本発
明のトップシートが構成される。

【００１６】前記センタートップシート１２の幅方向両
端部は、立体ギャザーを形成するためのインナーフラッ
プ１３となっている。そして、センタートップシート１
２の幅方向両端部が折り返され、ここに伸縮弾性部材１
４が伸張状態で巻き込まれ、インナーフラップ１３の先
端部をその長手方向に沿って引き締め、着用者の肌に密
着するようにしている。

【００１７】前記脚周りギャザー７を形成するための脚
周り伸縮弾性部材８は、複数本の線状材にて形成され、
これらは着用者の股下領域を境とした後身頃側２１の相
互の配列間隔が前身頃側２０の相互の配列間隔よりも広
くなる様に並んで脚周り開口部３に沿ってバックシート
４と左右一対のサイドトップシート１１との間に伸張状
態で接合されている。

【００１８】ここで、複数本の脚周り伸縮弾性部材８
は、前身頃側２０で０〜２０ｍｍ（０ｍｍの場合は束状
になって相互に接している状態）、後身頃側２１で２０
〜５０ｍｍであることが望ましく、本実施例では、無負
荷状態で直径が０．４ｍｍの糸ゴム４本の吸収体９から
最も遠い位置（最外部）と吸収体９から最も近い位置
（最内部）との間隔を脚周り開口部３の前身頃側２０に
おけるおむつ長手方向端部で５ｍｍとし、徐々に広げて
いくことによって後身頃側２１におけるおむつ長手方向
端部が４０ｍｍとなるように配設することで、漏れ防止
を確実にすると共にフィット感を良好に保持している。

【００１９】同様に、ウエストギャザー５を形成するた
めのウエスト周り伸縮弾性部材６も、ウエスト周り開口
部２に沿ってバックシート４とサイドトップシート１１
及びセンタートップシート１２との間に伸張状態で接合
されている。

【００２０】ここで前記バックシート４としては、液不
透過性のポリエチレン製のシートなどを採用することが
できる。より好ましくは、蒸れを防止するために液体分
子を透過させない程度の多数の微孔を設けた２０〜４０
μｍ程度の厚さのポリエチレン製シートや、熱可塑性樹
脂にフィラーを加えて延伸した透湿性のある液不透過性
シート、あるいはこれらのシートの外側に不織布を貼り
合わせた複合シートが、おむつ内の余分な水分をおむつ
外に放出することができ、蒸れやかぶれが起きにくくな
り、透湿性や肌触りなどの点で快適なものである。

【００２１】また、前記吸収体９はフラッフパルプを主
材に高吸収性ポリマーを併用したものが好ましく、その
ほかに吸収紙単独、または熱融着繊維等の混合物や積層
物が用いられる。また、層状をなす上下のフラッフパル
プの間に高吸収性ポリマーを混合または積層し、全体を
ティシュで包み込んだ積層構造とすることが好ましく、
吸収体９の形状は砂時計型でも矩形でもよいが、砂時計
型の方がより良好なフィット性が得られる。

【００２２】前記サイドトップシート１１としては、ポ
リエチレンやポリプロピレン、ポリエステル、あるいは
その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維の不織布を
用いるが、このサイドトップシート１１は撥水性である
ことが望ましく、この不織布に熱可塑性樹脂を原料とし
たフィルムをラミネートし、液不透過性としたものであ
ってもよい。

【００２３】また、センタートップシート１２として
は、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステル、あ
るいはそのほかの熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維の
液透過性不織布シートを用いるが、立体ギャザーを形成
するインナーフラップ１３となるセンタートップシート
１２の両側端部のみ、撥水性を持たせるような加工をほ
どこすことがより好ましい。

【００２４】さらにウエスト周り開口部２に沿って設け
られるウエスト周り伸縮弾性部材６や脚周り開口部３に
沿って設けられる脚周り伸縮弾性部材８を構成する複数
本の線状材、あるいは立体ギャザーを形成するための伸
縮弾性部材１４としては、ウレタン糸やウレタンテー
プ、あるいは糸ゴム、生ゴム等をそのまま使用すること
が可能であり、これらはバックシート４やセンタートッ
プシート１２の所定位置にスパイラルスプレーやカーテ
ンコートにより間欠的に塗布されるホットメルト接着剤
に沿ってそれぞれ伸張状態で接着固定される。

【００２５】従って、脚周り伸縮弾性部材８を構成する
複数本の線状材を、着用者の股下領域を境とした後身頃
側２１の相互の配列間隔が前身頃側２０の相互の配列間
隔よりも広くなるように配設することで、脚周り開口部
８に適切な圧迫域を設けることができ、脚周りに沿った
所定面積の領域が着用者の脚周りに程良く密着し、脚周
りからの漏れを最小限に抑えることができると共にフィ
ット性を良好に保持することができる。

【００２６】上述した実施例では、パンツ型おむつにつ
いて説明したが、展開型おむつに本発明を応用すること
も可能である。

【００２７】このような本発明による別な実施例の外観
を図３に示すと共にその平面形状を図４に示すが、先の
実施例と同一機能の部材には、これと同一の符号を記す
に止め、その説明は省略するものとする。すなわち、本
実施例における展開型おむつ１５は、液透過性のトップ
シートを形成するセンタートップシート１２及びこのセ
ンタートップシート１２の幅方向左右両端部に接合され
るサイドトップシート１１と、これらセンタートップシ
ート１２及びサイドトップシート１１に重ね合わされる
液不透過性のバックシート４と、このバックシート４と
前記センタートップシート１２との間に設けられる吸収
体９と、この吸収体９を挟んで前記サイドトップシート
１１およびバックシート４の幅方向両側に半円弧状に形
成され、着用時に脚周り開口部３を形成するための一対
の抉れ部１６と、吸収体９の長手方向一端側のセンター
トップシート１２およびサイドトップシート１１とバッ
クシート４との間に狭持され、着用時に脚周り開口部３
となる脚周りギャザー７を形成するための脚周り伸縮弾
性部材８とを有する。

【００２８】この場合、ウエスト周り伸縮弾性部材６
は、吸収体９の長手方向一端側にのみ形成され、また、
脚周り弾性部材８を構成する複数本（図示例では４本）
の線状材は、着用者の股下領域を境とした後身頃側の相
互の配列間隔が前身頃側の相互の配列間隔よりも広くな
る様に並んで抉れ部１６に沿って円弧状に配設されてい
る。さらに吸収体９の長手方向両端側に位置するサイド
トップシート１１およびバックシート１４には、この吸
収体９の幅方向外側に拡がるサイドフラップ部１７が形
成されており、一端側のサイドフラップ部１７の幅方向
両側には、他端側のサイドフラップ部に重ね合わせてこ
れらをつなぐための左右一対の粘着テープ１８がベース
テープ１９と共に装着されている。

【００２９】

【発明の効果】以上、本発明における使いすて着用物品
では、脚周り伸縮弾性部材を着用者の股下領域を境とし
た後身頃側の相互の配列間隔が前身頃側の相互の配列間
隔よりも広くなる様に並ぶ複数本の線状材にて形成した
ので、脚周り開口部に適切な圧迫域を設けることがで
き、脚周りに沿った所定面積の領域が着用者の脚周りに
程良く密着し、脚周りからの漏れを最小限に抑えること
ができると共にフィット性を良好に保持することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による使いすて着用物品をパンツ型おむ
つに応用した一実施例の外観を表す斜視図。

【図２】図１に示したパンツ型おむつの接合フラップ部
を引き剥がして平板状に展開した状態の平面図。

【図３】本発明による使いすて着用物品を展開型おむつ
に応用した一実施例の外観を表す斜視図。

【図４】図３に示した展開型おむつを展開した状態の平
面図である。

【符号の説明】

１：パンツ型おむつ ２：ウエスト周り開口部 ３：脚周り開口部 ４：バックシート ５：ウエストギャザー ６：ウエスト周り伸縮弾性部材 ７：脚周りギャザー ８：脚周り伸縮弾性部材 ９：吸収体 １０：接合フラップ部 １１：サイドトップシート １２：センタートップシート １３：インナーフラップ １４：伸縮弾性部材 １５：展開型おむつ １６：抉れ部 １７：サイドフラップ部 １８：粘着テープ １９：ベーステープ ２０：前身頃側 ２１：後身頃側

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液透過性のトップシートおよび液不透過
   性のバックシートと前記トップシートと前記バックシー
   トとの間に設けられる吸収体と、吸収体の長手方向両側
   縁近傍に形成されている伸縮弾性部材を含む脚周りギャ
   ザーを有する使いすて着用物品において、 前記脚周りギャザーを形成する伸縮弾性部材は、複数本
   の線状材にて形成されており、かつ前記伸縮弾性部材
   は、着用者の股下領域を境とした後身頃側の相互の配列
   間隔が、前身頃側の相互の配列間隔よりも広くなるよう
   に並んでいることを特徴とする使いすて着用物品。