JPH114500A - ホームシアターサラウンドサウンドスピーカシステム - Google Patents

ホームシアターサラウンドサウンドスピーカシステム

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JPH114500A
JPH114500A JP9212044A JP21204497A JPH114500A JP H114500 A JPH114500 A JP H114500A JP 9212044 A JP9212044 A JP 9212044A JP 21204497 A JP21204497 A JP 21204497A JP H114500 A JPH114500 A JP H114500A
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speaker
signal
sound
satellite
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JP9212044A
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Hal P Greenberger
ハル・ピー・グリーンバーガー
William F Clack
ウイリアム・エフ・クラック
Jerome E Ruzicka
ジェローム・イー・ルージィッカ
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REP Investment LLC
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REP Investment LLC
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一貫性のある雄大な感じの3次元音場を維持
する一方で、視聴エリア全域の視聴者に対して、会話を
ビデオスクリーンに集中させるビデオ映像を提供しつ
つ、リアル感及び臨場感のある音場を形成すること。 【解決手段】 サウンド(特に、ビデオイメージを伴う
会話を含むステレオ信号に基づくサウンド)をリアルに
再生するシステム10である。このシステム10は、ビ
デオイメージの近傍に置かれ、オーディオ信号の左右の
チャンネル成分の和信号に基づいて音響出力を出す前部
中央スピーカ20を有する。後部スピーカ26は視聴覚
エリアの後方に位置され、左右のチャンネルの差信号
(L−R)または(R−L)に基づいて音響出力を出
す。左右のサテライトスピーカ22、24はそれぞれ視
聴覚エリアの左右に位置される。左右のサテライトスピ
ーカ22、24により左右チャンネル用のオーディオ信
号をそれぞれ再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は広くはステレオサウ
ンドの再生に係り、より詳しくは、会話がビデオ画像に
集中するように、ビデオ画像に付随するステレオサウン
ドを再生すること、並びに、視聴者(リスナ)にリアリ
ティのある(または臨場感のある)3次元の音場(soun
d field )の中にいるように感じさせる方式で環境(雰
囲気)及び音響効果が再生されるように、ビデオ画像に
付随するステレオサウンドを再生することに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】過去に
おいて、高い再生忠実度で音響再生を行うために多数の
モノラル及びステレオサウンドシステムが開発されてき
た。初期の試み、努力及び研究により、モノラル方式に
よるオーディオサウンドの再生を高忠実度で行うという
コンセプトは顧みられなくなった。即ち、初期の試みや
研究では、測定可能な音響特性(例えば、周波数応答、
歪み及びダイナミックレンジ)により決定される公演条
件(再生条件)や基準に合致するスピーカエンクロージ
ャ(speaker enclosure :スピーカの囲い、ケーシン
グ)を製造することに焦点が当てられていた。スピーカ
は、全可聴周波数範囲の音を再生するために1つまたは
多数のアコースティックトランスデューサ及びクロスオ
ーバーネットワーク(crossover networks)を含むエン
クロージャを備えている。このような複トランスデュー
サ・クロスオーバーネットワーク構造の1例である3ウ
エイスピーカシステムは、低周波数音を再生するウーフ
ァートランスデューサと、中周波数音を再生する中域ト
ランスデューサと、高周波数音を再生するツイータート
ランスデューサとを有する。
【0003】上記したクロスオーバーネットワークの典
型的なものは、複数のスピーカトランスデューサの音響
出力をブレンドする(組み合わせる)ことにより、1つ
のトランスデューサの音響出力を他のトランスデューサ
の音響出力へスムースに移行させることによって特徴づ
けられる良いトーンバランスを得られるようにしてい
る。このような良いトーンバランスを得るための1つ方
法は、対称的なクロスオーバーネットワークを採用する
ことであり、このクロスオーバーネットワークはフィル
タとして作用する。このフィルタは1つのトランスデュ
ーサのレスポンス減少(response drop-off )を確保す
るためのものである。なぜなら、移行域(transition r
egion )での周波数の上昇は、サウンドの近隣高周波数
帯域を再生する付随トランスデューサのレスポンス増加
のミラーイメージだからである。この構造・構成の適切
な実施には、複数のトランスデューサとクロスオーバー
ネットワークの組み合わせにより可聴人工音(不自然な
音質)が作られないということが条件となる。可聴人工
音(不自然な音質)は不規則な周波数応答や位相削除
(phase cancellation)効果により生ずる。不規則な周
波数応答等の発生は1つのスピーカエンクロージャに複
数のトランスデューサを収容することに起因している可
能性がある。
【0004】モノラル可聴音信号・オーディオ信号(au
dio signal)と3ウエイクロスオーバーネットワークと
により高忠実度再生を達成しようとする上記初期の試み
は、次第にステレオ音再生に道を譲るようになった。初
期のステレオシステムは空間的に分離配置された一対の
同一の高忠実度スピーカを備え、2つのチャンネルの可
聴音信号を再生した。このように、2つのスピーカエン
クロージャを空間的に離して配置することは、ステレオ
サウンド再生のコンセプトには基本的なことである。ス
テレオイメージは、上記一対のスピーカからの音響出力
が融合し、サウンドの水平パノラマ(horizontal panor
ama of sound)として知覚される1つのステレオイメー
ジになるときに生ずる。この音のパノラマは、視聴者
(リスナ)に対して、上記2つのスピーカの間の空間に
亘るステレオサウンドイメージを形成する。適切なステ
レオ効果は、上記2つのスピーカの間に延びると共に、
上記スピーカの面に垂直な線に沿って位置する視聴者に
体験される。
【0005】ステレオシステムに組み込まれるスピーカ
のほとんどは、スピーカから視聴者へ直線的に音を発す
る(直接放射と呼ばれる)。ステレオイメージを広げる
ため、設計者は直接音と反射音の組み合わせを発する
(放射する)スピーカの対を用いた。このような構造の
ものでは、ステレオイメージが、2つのスピーカの間の
空間を越えて広がる。
【0006】幾つかのより現代的なステレオサウンドシ
ステムは、3ピース型のサブサテライト(three-piece
sub-satellite )スピーカシステムを採用している。こ
のシステムでは、上述した従来の一対のフルレンジ(fu
ll range)スピーカエンクロージャの代わりに、サブウ
ーファーバスユニット(sub-woofer bass unit)と一対
のサテライトスピーカとの組み合わせが用いられてい
る。かかる3ピース型スピーカシステムにおいては、サ
テライトスピーカが広い範囲の中及び高周波数音を再生
し、バスユニット(bass unit )が非常に低い周波数の
音のみを再生する。低音(バス)の再生をサブウーファ
ーバスユニットによってのみ行うようにしたので、サテ
ライトスピーカは伝統的な大きなサイズのステレオスピ
ーカボックスに比べ比較的小さくすることができる。上
記伝統的なスピーカボックスは、良い低音レスポンスを
達成するために必要な大きなトランスデューサとエンク
ロージャとにより、大きなサイズになることを余儀なく
されていた。多くの消費者は、このような伝統的な一対
のフルレンジのスピーカエンクロージャより、上記小さ
なサテライトスピーカ構造を好む。バスユニットは視界
の外に位置することができ、サテライトスピーカはより
容易に室内装飾に合わせる(融合・融和させる)ことが
できる。しかしながら、他の消費者は、上記の幾らか小
さなサテライトスピーカボックスが視界に入らないよう
に、また、邪魔にならないように家の中の物や装飾等に
融和させて設置することは難しいと考える。
【0007】現代にあってはスピーカの全般的な音質が
改善されてきたが、最も精巧なシステム(それが一対の
ステレオスピーカであろうと、3ピース型サブサテライ
トスピーカシステムであろうと)による全般的な音質の
改善であっても、多くの消費者は、現代のサウンドシス
テムはライブサウンドに付随するソニックリアリズム
(sonic realism )・臨場感に欠けると感じている。各
サウンド再生システムは、周波数応答、歪み及びダイナ
ミックレンジに関する量的な音響パフォーマンス(音響
再生)条件は満たしているものの、質的な観点からのソ
ニックリアリズム(音響的リアル感・臨場感)について
は広い範囲の視聴者に不満を感じさせる。よりリアルな
音を出すように設計された幾つかのシステムでは、再生
された音に広々とした感じや雄大さ・ゆったり感(spac
iousness)を感ずることができることが知られている。
このような設計は、再生音の空間的な質を向上すると共
に、全体の音響体験(sonic experience)を減損する
(不自然な)人工的音響の発生を回避することにおい
て、音響分野における大きな進歩の基礎となった。
【0008】上記の3ピース型サブサテライトスピーカ
システムは、スピーカ部品(ステレオ式の一対のスピー
カ等)を空間的に分離配置・分散配置するという概念を
拡張するものである。この概念は、知覚される雄大さを
さらに増大するためにリスニング環境において音を再生
する点源(ポイントソース:point source)をかなりの
数で空間的に分散配置することにより、さらに拡張する
ことが出来る。空間的に分散配置された複数の音点源を
加えることにより、雄大さをより知覚することが出来る
が、その一方で、誇張された少し行き過ぎた空間的な感
じが作られてしまう。これにはリアリズム・臨場感がな
い。このような不自然なサウンド再生により、視聴者は
しばしば音響的疲労感を感じてしまう。よって、完全に
視聴者を満足させるためには、上記強化された雄大さ
は、作成される音場の知覚される音響リアリズムとバラ
ンスしていなければならない。
【0009】このバランスはホームシアタ(家庭用シア
タ:in home theater )サウンドシステムの場合、特に
重要である。ホームシアタサウンドシステムの音響条件
(必要とされる要件)がステレオ音楽のサウンド再生の
音響条件とは異なるからである。ホームシアタサウンド
システムの重要な目的は、(1)サウンドトラックに捕
らえられる環境(雰囲気)及びサウンド効果オーディオ
信号(ambience and sound effect audio signals )に
基づいて、納得できるサラウンドサウンド音響雰囲気
(surround sound acoustic atmosphere)を形成確立す
ること、(2)視聴者の前でサウンドのステレオイメー
ジパノラマを維持すること、及び(3)ビデオスクリー
ンに集中する会話を室内の全視聴者に再生することであ
る。要するに、満足のいく音響パフォーマンス(音響再
生)とは、視聴者がビデオスクリーン上のビジュアルな
映像に関連して(との関係で)本物であると知覚できる
3次元空間クオリティを有する音場の中にいるときにで
きるものである。
【0010】ホームシアタサウンドを作ろうとする初期
の試みにあっては、中央に置いたビデオディスプレイの
両側に一対の伝統的なスピーカを配置していた。このよ
うなシステムは、典型的なテレビに内蔵されているスピ
ーカのサウンドより良いサウンドを出すことができる。
しかしながら、このようなシステムの性能は少なくとも
2つの理由により市場では受け入れ難いとされた。その
第1の理由は、2つのスピーカの間の中央線上にいない
視聴者にとっては、会話がスクリーンに集中していると
は感じられない(即ち、会話がスクリーンのみから来る
ように感じない)。会話は通常、左右のチャンネル信号
において均等に記録されている。よって、会話が集中が
するところは、2つのスピーカから等しい距離の点であ
る。つまり、2つのスピーカの間の中央線上にいる視聴
者だけに会話の集中が知覚される。もし視聴者が上記中
央線から外れると、視聴者は一方のスピーカに近づき、
他方のスピーカから遠ざかる。会話の集中は、最初に到
達した信号が来た方向へシフトする。つまり、近い方の
スピーカへシフトする。視聴者が上記中央線から外れる
ように動くと、会話は近い方のスピーカに萎む・潰れる
・コラプス(collapse)・崩壊する。上記中央線上にい
ない視聴者にとっては、会話の集中はビデオイメージの
位置から動き、スクリーン上の人物が実際に上記中央線
上にいない視聴者に喋っているという幻覚・錯覚は崩れ
る。第2の理由は、ビジュアルディスプレイの両側に置
かれた一対のステレオスピーカは、2つのスピーカによ
り決定される平面内の視聴者の前の空間に音場を閉じ込
めてしまう。従って、視聴者は音場の中にいる・浸って
いるといった感じを全く体験しない。つまり、サウンド
が視聴者の横あるいは後ろで、また、あるときには前で
生じていると感ずることはない。
【0011】多くのシステムが上記課題を解決すべく開
発された。例えば、米国特許第3,697,692 号(発明者・
特許権者:Hafler) では、環境回復(ambience-recover
y )技術の使用について議論がなされている。上記米国
特許は、サラウンドサウンド情報が実質的に全てのステ
レオオーディオ信号(音楽録音であろうと、ビデオプロ
グラム材料のサウンドトラックであろうと)に存在し、
回復可能であるという事実を利用している。回復は、左
右のチャンネルの差信号(L−R)を得ること(実質的
に信号の環境部分(ambience portion of the signal)
のみを残すこと)により得られる。リスニングルームの
後部に置かれたスピーカにより再生される上記左チャン
ネル信号から右チャンネル信号を引いて得られる差信号
(L−R)により、回復されたサラウンドサウンド情報
が提供される。
【0012】他の初期のホームシアタサウンドシステム
は中央チャンネルを加え、左チャンネル信号と右チャン
ネル信号とを足した和信号(L+R)を再生することに
より、会話サウンド再生の質を改善している。中央チャ
ンネルは、左チャンネル信号−右チャンネル信号(L−
R)の差信号を再生する(複数の)後部サラウンドスピ
ーカと組み合わされる。これは、上記環境回復スピーカ
と同様である。このようなシステムの一例はDOLBY SURR
OUND(ドルビーサラウンド)という名称で米国のDolby
Laboratoriesにより開発された。
【0013】上記ドルビーサラウンドシステムで商品化
されたような和信号(L+R)を再生する中央スピーカ
は、上記スピーカ間の中央線上にいない視聴者のため
に、会話の集中効果を理想的なものにする点で成果を挙
げている。しかしながら、(L+R)の中央チャンネル
再生は、上記スピーカ間の中央線上にいない視聴者が聴
覚イメージと視覚イメージとの間にズレ・不一致を感ず
るという問題点を完全に解決していない。これらシステ
ムもまた、会話についての集中に誤差が生ずるという問
題点(及び和信号に他の信号が符号化されるという問題
点)を有している。なぜなら、ドルビーサラウンドのよ
うな受動的な復合化装置は最大3dBの隣接チャンネル分
離しかできないからである。(ここで隣接チャンネルと
は、中央と右、中央と左、左とサラウンド、及び、右と
サラウンドである。)中央チャンネルの会話と左右のチ
ャンネルの会話との間の3dBというレベル差は、典型的
なリスニングルーム全域のリスニング位置で、中央チャ
ンネルスピーカの位置に集中を限定するには不十分であ
る。スピーカ間の中心線上にいない視聴者にとっては、
集中はやはり近い方のスピーカにシフトしてしまう。会
話が近い方のスピーカでコラプスしてしまうことは、全
ての従来の受動的な復合化システムに共通する課題であ
る。
【0014】ドルビーサラウンドシステムに関する別の
例としては、T型構造のものが米国特許第4,612,663 号
(発明者・特許権者:Holbrook) により提案されてい
る。このシステムはステレオ信号を受動的に復合するこ
とによりサラウンドサウンドを生成している。このT型
構造のシステムは、左右の信号をそれぞれ再生する左右
のスピーカと、上記左右のスピーカの間に位置され且つ
左右のスピーカの面と同一平面に位置され、差信号(L
−R)を再生する第3のスピーカと、視聴者の後方に位
置され、差信号を再生する第4のスピーカとを備える。
しかしながら、このシステムは、ステレオ信号が一時的
に左または右のチャンネルに片寄ったエネルギを有する
場合、合理的な・理性のある音響イメージ(rational s
onic image)を維持することができない。また、上記シ
ステムでは、近い方のスピーカ(左または右のスピー
カ)から会話が発せられているという知覚を禁じえな
い。
【0015】(L−R)及び(R−L)差信号を利用す
るさらに別のシステムが米国特許第5,027,403 号(発明
者・特許権者:Short その他)に示されている。この米
国特許には、前方を向いた左右のチャンネルを利用し
て、視聴者の方向にサウンド出力を出すことについての
記載がある。また、この米国特許には、(L+R)バス
信号(bass signal )をビデオ鑑賞エリアの通常の面か
ら後方に向ける・送ることについての記載がある。さら
に、この米国特許には、(L−R)及び(R−L)信号
をビデオ画像の近傍から後方または側方に向ける・送る
ことについての記載がある。しかし、この米国特許は、
スピーカから発せられる全てのサウンドがビデオ画像か
ら発せられるという欠点を有している。このようなほぼ
平面的なサウンド放射では、環境及びサラウンドサウン
ド効果を完全には提供することができない。
【0016】ほぼ平面的な配置で複数のスピーカを有す
るシステムの他の例が米国特許第4,497,064 号(発明者
・特許権者:Polk) に開示されている。この米国特許で
も、左右のメインスピーカとサブスピーカを設けること
が記載されている。サブスピーカはメインスピーカの近
傍に位置される。この構成により、ステレオサウンドが
再生されると、視聴者には広がりのある・拡張された
(expanded)音響イメージが提供される。しかし、この
米国特許のシステムは特定の厳しい制限・要件を必要と
する。例えば、スピーカは視聴者から等距離でなければ
ならない。これは、サウンドが所定時間内に視聴者へ到
達するようにするためである。上記米国特許はまた、一
方のメインスピーカ信号を反転したものを高域通過フィ
ルタリングして、反対側のサブスピーカからの出力とし
て用いることについて述べている。高域通過フィルタリ
ングを行うと、反対側のメインスピーカ成分がキャンセ
ルされる。もし高域通過フィルタリングを行わなけれ
ば、上記成分は、フィルタリングされた側の視聴者の耳
に届いてしまう。しかし、高域通過フィルタは、ビデオ
画像に対する音声情報の集中を維持するべく、低周波数
成分をキャンセル(除去)するものではない。上記米国
特許ではさらに、全てのシステムスピーカがほぼ同一の
平面に位置され続けねばならないこと、及び、視聴者の
方向に放射を行わなければならないことが特に要求され
る。加えて、この米国特許のシステムは、2つのスピー
カの中央線上にいない視聴者のために、左右のチャンネ
ルに等しく録音されたプログラム材料を2つのスピーカ
の中央のエリアに集中させ続けることができない。この
ような信号の集中は、2つのスピーカの中央線上にいな
い視聴者にとっては、近い方のスピーカの方へシフトし
てしまう。
【0017】非平面的なスピーカ配置構成の例が米国特
許第4,443,889 号(発明者・特許権者:Norgaard) に開
示されている。この米国特許では、左前スピーカと右前
スピーカとを用いて、左右のチャンネルのステレオ信号
をそれぞれ再生することが述べられている。また、上記
米国特許では、後部スピーカを介して(L−R)差信号
を利用し、環境信号(ambience singal )を生成するこ
とが述べられている。しかし、その他の事項の内、上記
米国特許は会話をビデオ画像により良く集中させるべ
く、中央スピーカを介して(L+R)和信号を組み合わ
せることは考えていない。
【0018】米国特許第5,181,247 号(発明者・特許権
者:Holl) には、(L−R)及び(R−L)差信号を利
用することについて同じ様な概念が開示されている。し
かし、この米国特許には1つのスピーカを用いて(L+
R)和信号を出力することは教示されていない。また、
この米国特許には環境スピーカ(ambience s
peakers)への信号入力に対して帯域制限・バン
ド制限(band limiting )をすることも
示されていない。
【0019】米国特許第4,819,269 号(発明者・特許権
者:Klayman) には、限定的な分散パターン(dispersi
on pattern)で和信号に基づいてサウンドを放射するこ
と、及び、広い分散パターンで差信号に基づいてサウン
ドを放射することが記載されている。放射された信号
は、リスニングエリアのステレオサウンドを改善すべく
音響的に組み合わされる。しかし、この米国特許では、
上記した所望の効果を得るためには、専用の・特別な広
い分散パターンの複数のホーン型スピーカ(horn)また
は複数のトランスデューサからなるアレイ(array )が
必要とされる。さらに、上記米国特許では、会話を中央
スピーカにより集中させるためにボーカルエネルギ(vo
cal energy)の主要周波数(primary frequency )範囲
を任意のスピーカの出力から排除することが記載されて
いない。
【0020】その他のサラウンドサウンドタイプのシス
テムは、左、中央、右及びサラウンドチャンネルの間の
明かな分離を改善するために、複雑な信号処理を必要と
している。今日用いられているこのタイプの最も一般的
なシステムはDOLBY PRO-LOGIC (ドルビープロロジッ
ク)復合化システムである。このシステムは、上記した
多くの従来の受動的な復合化システムの基本的な問題点
の解決手段を改善する。能動的な(active)電子回路を
用いて、マトリックス符号化された(matrix-encoded)
オーディオ信号を復合化し、時間遅れを導入し、自動ゲ
イン制御回路(auto-gain control circuitry )を介し
てチャンネル間の舵取りをする。しかし、このように性
能を改善するためにはかなりの費用が必要となる。なぜ
なら、ドルビープロロジックシステムは、少なくとも4
つの別個の増幅用チャンネルを必要とするからである。
【0021】また、その性質上、能動的な電子信号処理
システムではレスポンスに人工的な音響(sonic artifa
ct:リアル感・臨場感を破壊する不自然なサウンドクオ
リティ)が入ってしまう虞がある。ドルビープロロジッ
クシステムにおける上記人工的な音響の一つは、信号か
ら引かれる隣接チャンネル信号の量を変える能動的な舵
取り回路から発生する。例えば、会話が存在し、この会
話を中央に集中したい場合、中央チャンネル信号は左右
のチャンネル信号から引かれ、会話エネルギをこれらチ
ャンネルから取り除く。この変化し得る引き算はチャン
ネル分離をダイナミックに変え、特定の方向における主
な集中を維持する。会話がシーン(場面)に入ったり出
たりすると、視聴者は環境(ambience:これにより、オ
ーディオビデオ上演(audio-video presentation)に雰
囲気が形成される)が来たり行ったりするのを頻繁に聞
くことができる。会話の導入及び停止を伴う環境の縮減
(shrinking down)及び復帰(growing back)は視聴者
の気持ち・注意を散らす。よって、この能動的な電子信
号処理システムはホームシアタのサウンド再生には明ら
かに不適当であることがわかる。
【0022】ドルビープロロジックシステムの他の問題
点は、符号化されたプログラム材料が無ければ適切に作
動することができない点である。符号化されていない材
料、または何らかの理由で劣化・低品位化した材料は論
理回路を混乱させ、意図しない形でデコーダ(復合器)
が集中(localization)の舵取りをすると、奇妙で極端
な空間的効果(spatial effects )を生じさせる。能動
的なドルビープロロジック復合化システムの他の大きな
問題点は、消費者にとってはコストが高いこと、及びそ
の性質上複雑であるので、消費者にとってシステムを適
切に取り付けて使用するのが難しいことである。
【0023】より最近にあっては、あまり複雑でない低
価格の受動型サラウンドサウンドシステムを作ろうとす
る回帰的な試みがなされている。そのようなシステムの
一例が米国特許第5,386,473 号(発明者・特許権者:Ha
rrison) に開示されている。この米国特許は、スピーカ
を駆動するのに必要な高レベル信号を生成するためにさ
らに増幅が必要なラインレベルステレオテレビジョン出
力信号(line level stereo television output signa
l)を受動的に複合化するトランス(transformer )を
使用するものである。トランスは入力左及び右チャンネ
ル信号を受取り、左前、右前、左後(L−R)、右後
(R−L)、中央(L+R)及びサブウーファ(sub-wo
ofer)チャンネルを形成する。この米国特許は、特に低
レベル信号を変換することにより、高レベルアンプ出力
に接続されたスピーカを使用することから生ずる問題点
を解決してサラウンドサウンド効果を得ようとしてい
る。しかしながら、上記米国特許では、受動的なサラウ
ンドサウンドシステムを高レベル信号で適切に可動させ
ることは難しい。本発明は、特に高レベル信号を用いて
サラウンドサウンドを提供すると共に、上記米国特許に
記載されている高レベルシステムに関する問題点(例え
ば、高性能部品の費用の問題、バランスの問題その他)
を解決するものである。
【0024】受動的な複合化に関するその他の最近の試
みとしては、Dynaco社が製造しているQD−1シリーズ
IIのデコーダがある。QD−1シリーズIIのデコーダは
ステレオアンプから信号を受取る。そして、デコーダは
4つ(または5つ)の信号を生成する(2つの前部スピ
ーカ、2つの後部スピーカ、及びオプションとして設け
られる中央チャンネルスピーカ用)。第2の同様なデコ
ーダは、Chase Technologies社により製造されているH
TS−1デコーダである。QD−1と同じように、Chas
e 社のデコーダはアンプから信号を受取り、その後、一
対の前部スピーカ及び一対の後部スピーカのための信号
を生成する。Chase 社のデコーダもまた、オプションと
して設けられる増幅された中央チャンネルスピーカ用の
信号を生成する。
【0025】上記した2つの受動型デコーダは2つの大
きな欠点を有する。第1の欠点は、中央チャンネルのた
めに(L+R)信号を生成するために使用されるレジス
タネットワーク(resistor network)がエネルギを分散
・散逸してしまうので、このエネルギ損失を補うために
十分高い出力の(高性能の)レシーバまたはステレオア
ンプが必要になることである。システムの全てのスピー
カが比較的低出力のアンプ(例えば、信号合算レジスタ
ネットワーク(signal summing resistor networks)に
おいて全くパワー(エネルギ)が浪費されないタイプの
ポータブルブームボックス(portable boom-box )また
はテレビで使用されているアンプ)により駆動されるよ
うなシステムを提供することが好ましい。このような従
来のシステムの一つでは、中央スピーカの物理的な位置
において会話集中を維持するという所望の機能を発揮さ
せるためには、中央チャンネルスピーカに給電しなけれ
ばならない。第2の欠点は、ある量の(L+R)信号が
後部サラウンドスピーカに供給されるので、後部サラウ
ンドスピーカから発せられる会話に人工音響が含まれて
しまうことである。よって、意図した環境効果のリアル
感・臨場感が失われてしまう。
【0026】従って、スピーカシステムのコストを制限
することによりリーズナブルなコストで市場に大きくア
ピールするスピーカシステムを提供するために、比較的
シンプルで受動的な電子部品を用いて作動するホームシ
アタ用サラウンドサウンドスピーカシステムに対する要
望は依然存在する。これらシステムで特に重要なこと
は、スピーカシステムが首尾一貫した(一定の)環境音
場(ambient sound field )を提供すると共に、聴取エ
リア(listening area)及び観察エリア(viewing are
a)の全ての位置において、ビデオ画像に会話を集中さ
せ続けることである。会話とビジュアルイメージもビデ
オ画像で一致することが好ましく、また、特定のスピー
カの方向に移動しないことが好ましい。
【0027】さらに、オーディオ設計者は、3次元サラ
ウンドサウンド音響効果を作るために、ステレオ信号の
左右チャンネルオーディオ信号を再生するスピーカシス
テムを設計することにかなりのまた特別な注意を払って
きた。しかし、オーディオエンジニアはほとんどモノラ
ルサウンドの市場を無視した。多くの消費者は未だにモ
ノラル式のテレビを有しており、この形式のテレビは、
ステレオ信号の左右のチャンネル成分ではなく、1つの
モノラルチャンネルしか出力しない。このことにより、
現在モノラル式テレビを有している消費者は、テレビの
位置からのみ発せされるサウンドを聞くことができるだ
けである。また、AMステレオが継続して研究され、数少
ない限られた局により採用されているのに対して、AM放
送の大部分は引き続きモノラル方式を使っている。さら
に、テレビ、VCR (ビデオカセットレコーダ)、ケーブ
ル、衛星放送その他のステレオ式のオーディオ/ビデオ
信号配給システムで視聴することができる多くのプログ
ラムはモノラル式のサウンドトラックを有している。
【0028】幾つかのステレオ及びホームシアタのオー
ディオ/ビジュアルレシーバは信号処理技術をモノラル
サウンド信号に適用して(施して)、模擬(simulated
)ステレオまたは強化(enhanced)空間サウンド効果
を作り出している。このような信号処理には、通常、別
の複雑な位相シフト、フィルタリング(filtering )及
びデジタル信号処理回路が必要とされる。従って、模擬
ステレオまたは3次元空間効果をモノラルオーディオ信
号から得るためには、消費者は上記のようなレシーバ、
サラウンドサウンドデコーダまたはその他のサウンド処
理電子装置及び適当なスピーカネットワークを購入する
ための費用を負担しなければならない。よって、納得で
きる3次元音響効果を作り出せるようにモノラルオーデ
ィオ信号を効率的に再生するための低コストなシステム
に対する要望がある。
【0029】上記の利点を全て備えるホームシアタのサ
ラウンドサウンドシステムの提案が望まれるのは当然で
あるが、より現実的で理論的な問題がホームシアタシス
テムには存在する。即ち、ホームシアタシステムが進歩
改良し続けるので、通常、別途必要になる部品の数が増
えていく。このような部品にはしばしば、能動的な電子
制御装置、数多くのスピーカ接続部品、補助的な制御モ
ジュール、及び別個のオーディオシステム相互連結部品
が含まれれる。このような厄介な部品はしばしばその取
付の際、平均的な消費者を困惑させる。部品の取付をよ
りユーザーフレンドリにし、取り付け作業を容易にしよ
うとする製造業者の数多くの試みにも拘らず、多くのユ
ーザはシステム・部品を正しく取り付けようとする際に
困難を経験する。取り付けプロセスを容易にしようとす
る最も最近の試みでは、ユーザが目で見てわかるよう
に、接続ジャックにラベル付けをすることに加えて、ス
ピーカ及びオーディオ信号源の接続部・接続箇所に色付
きの符号・略号を付けることが行われている。こうする
ことにより、詳しいと共に完全な取り付け手順・方法を
提示することができる。しかし、多くの理由により、上
記の手法は十分に且つ簡単にホームシアタサウンドシス
テムを正しく取り付ける方法として消費者に受け入れら
れなかった。そして、多くの消費者は専門のサービスマ
ン等の専門業者に有償で取り付けを依頼しなけれならな
かった。
【0030】従って、取り付けを格段に容易化でき、消
費者が比較的短時間で容易に且つ正確にシステムの取り
付け及び操作を行うことができ、よって、市場に大きく
アピールすることができるホームシアタサラウンドサウ
ンドシステムを提供することに対する要望がある。
【0031】本発明は、新規な手法で種々の音響設計原
理を応用・利用すると共に、隣接チャンネル分離(adja
cent channel separation )と個々のチャンネル作動帯
域幅(individual channel operating bandwidth)とを
新規な形で組み合わせることにより、多くの目的を達成
する。
【0032】本発明の目的は、一貫性のある雄大な(一
定の広々とした感じのある)3次元音場を維持する一方
で、視聴エリア全域の視聴者に対して、会話をビデオス
クリーンに集中させるビデオ映像を提供しつつ、リアル
感・臨場感のある音場を形成することである。
【0033】本発明の他の目的は、複雑で高価な能動的
電子マルチチャンネルサラウンドサウンドマトリックス
複合化システム(active electronic multi-channel su
rround-sound matrix-decoding system )のサラウンド
サウンドと同等またはそれより優れる、本物の映画館の
ようなサラウンドサウンドを作ることが出来る低コスト
のサウンド再生スピーカシステムを提供することであ
る。
【0034】本発明の他の目的は、能動的な電子信号処
理に伴う環境不安定化人工音の発生を回避すると共に、
画像及び音響イメージを納得のいくレベルで一体化して
見せるべく、会話と環境オーディオ信号の再生を受動的
に分離することである。
【0035】本発明の他の目的は、補助的なマトリック
ス復合化電子部品(matrix decoding electronics )を
用いること無く、従来のオーディオ信号源(例えば、2
チャンネルステレオまたはマトリックス符号化ステレオ
信号(matrix-encoded stereo signal))を使用して、
広々とした感じのあるサウンド再生をすることである。
本発明の他の目的は、モノラルオーディオ信号につい
ても、空間的に強化されたサラウンドサウンド音響効果
を作り出すことができるサウンド再生スピーカシステム
を提供することである。
【0036】本発明の他の目的は、取り付け及び操作が
平均的な消費者にとって比較的容易・平易なスピーカシ
ステムを提供することである。これには、消費者が比較
的短時間で間違いなく部品を接続できるようにすること
が含まれる。
【0037】本発明の他の目的は、別のオーディオビデ
オレシーバ(audio-video receiver)またはアンプを用
いることなく、ステレオ式テレビに容易に且つ直接接続
できるスピーカシステムを提供することである。
【0038】本発明の他の目的は、低ワットのパワーア
ンプまたは市場化されているステレオ式テレビ内にある
同等なものを用いて、映画館のサラウンドサウンドを通
常の家庭のリスニングレベルで提供することである。
【0039】本発明の他の目的は、非常に小さなサイズ
を有し、且つ、音響性能に影響を及ぼすことなく、家庭
内環境において目につかないように配置できる小さなサ
テライトスピーカで十分なサウンド再生が可能なスピー
カシステムを提供することである。
【0040】
【課題を解決するための手段】本発明の技術思想によれ
ば、ホームシアタサラウンドサウンドスピーカシステム
はオーディオ/ビデオ映像(audio/video presentatio
n)のステレオオーディオ部分を新規な方式で再生する
ことにより、会話をビデオ画像に集中し、視聴者はビジ
ュアルイメージとの関係で完壁であると知覚できる音場
の中にいるに(音場の中に浸っている)ように感ずる。
【0041】本発明の第1の好適な態様においては、受
動的な高出力化してない・無給電の(passive unpowere
d )スピーカシステムは前部スピーカ、左スピーカ、右
スピーカ及び後部スピーカを有し、各スピーカは電気入
力信号を受取り、この電気入力信号に基づいて音響出力
を出す。前部スピーカはビデオイメージの近くに置か
れ、ステレオ信号の左右のチャンネルの左+右(L+
R)の合計に基づいて音響出力を出す。よって、会話は
ビデオイメージに集中すると共に一致する。右左のスピ
ーカは前部スピーカと同一平面内に置いてもよいが、好
ましくは、視聴者と前部スピーカの間に位置され、且
つ、視聴エリアの左側及び右側に位置される。左右のス
ピーカはそれぞれ左右のステレオチャンネルに基づいて
音響出力を出す。後部スピーカは視聴エリアの後方に置
かれ、ステレオチャンネル信号同士の差、つまり左−右
(L−R)または右−左(R−L)という差信号に基づ
いて音響出力を出す。この差信号は会話をほぼ取り除
き、環境及びサラウンドサウンドオーディオ情報(ambi
ence and surround sound audio information )を提供
する。左右のスピーカへそれぞれ入力される左右のチャ
ンネル電気信号入力はバンド(帯域)制限され、所定の
しきい値周波数未満の周波数成分の全てをほぼ取り除
く。バンド制限により、会話は前部スピーカに集中され
る。なぜなら、フィルタリングにより、音響的に再生さ
れている左右のチャンネル信号から、音声信号範囲(sp
eech signal range )の信号エネルギがほぼ取り除かれ
るからである。
【0042】本発明の第2の好適な態様においては、受
動的な高出力化していない・無給電のスピーカシステム
は前部スピーカ、左スピーカ、右スピーカ及び後部スピ
ーカを有し、各スピーカは電気入力信号を受取り、この
電気入力信号に基づいて音響出力を出す。前部スピーカ
はビデオイメージの近くに置かれ、ステレオ信号の左右
のチャンネルの左+右(L+R)の合計に基づいて音響
出力を出す。よって、会話はビデオイメージに集中する
と共に一致する。左スピーカは前部スピーカと同一平面
内に置いてもよいが、好ましくは、視聴者と前部スピー
カの間に位置され、且つ、視聴エリアの左側に位置され
る。左スピーカは例えば、電気入力差信号(L−βR)
に基づいて音響出力を出す。ここで、βは0と1の間で
変化するゲインファクタ(gain factor )または0と1
の間で固定されたゲインファクタである。同様に、右ス
ピーカは、好ましくは、視聴者と前部スピーカの間に位
置され、且つ、視聴エリアの右側に位置される。右スピ
ーカは例えば、差信号(R−βL)に基づいて音響出力
を出す。ここで、βは0と1の間で変化するゲインファ
クタまたは0と1の間で固定されたゲインファクタであ
る。後部スピーカは視聴エリアの後方に置かれ、ステレ
オチャンネル信号同士の差の少なくとも一方、つまり左
−右(L−R)または右−左(R−L)という差信号の
少なくとも一方に基づいて音響出力を出す。この差信号
を利用すると、オーディオ信号の会話部分がほぼ取り除
かれ、よって、差信号の中に環境サウンド(ambient so
unds)が残される。この第2の好適な実施態様では、左
右のスピーカへそれぞれ入力される差信号は必要ならば
バンド制限され、所定のしきい値周波数未満の周波数成
分の全てをほぼ取り除く。差信号をバンド制限すること
により、差信号の低周波数成分がほぼ取り除かれ、よっ
て、差信号は非常に小さなコンパクトスピーカを用いて
再生することができる。
【0043】本発明の第3の好適な態様においては、高
出力化された・給電されたスピーカシステムは前部スピ
ーカ、左スピーカ、右スピーカ及び後部スピーカを有
し、各スピーカは電気入力信号を受取り、この電気入力
信号に基づいて音響出力を出す。能動的な電子部品によ
りステレオ信号の左右のチャンネルを前処理し増幅する
ことによって、例えば、左+右の和信号(L+R)と差
信号(L−R)を作る。得られた和信号と差信号によ
り、スピーカシステムの個々のスピーカを駆動する。前
部スピーカはビデオイメージの近くに置かれ、和信号に
基づいて音響出力を出す。よって、会話はビデオイメー
ジに集中すると共に一致する。左スピーカは視聴エリア
の左側に位置され、例えば、差信号(L−R)に基づい
て音響出力を出す。右スピーカは、視聴エリアの右側に
位置され、例えば、差信号(R−L)に基づいて音響出
力を出す。後部スピーカは視聴エリアの後方に置かれ、
差信号に基づいて音響出力を出す。この第3の好適な実
施態様では、差信号は、特定のスピーカに与えられる極
性を逆転することにより、反転されてもよい。またこの
第3の好適な実施態様では、左右のスピーカにそれぞれ
入力される差信号は、必要ならば、バンド制限され、所
定のしきい値未満の周波数成分の全てをほぼ取り除く。
このことにより、差信号の再生は非常に小さなコンパク
トスピーカを用いて行うことができる。
【0044】本発明の第4の好適な態様においては、ス
ピーカシステムは前部スピーカ、左スピーカ、右スピー
カ及び後部スピーカを有し、各スピーカは電気入力信号
を受取り、モノラル電気入力信号に基づいてモノラルの
音響出力を出す。前部スピーカはビデオイメージの近く
に置かれ、モノラル信号に基づいて音響出力を出す。左
スピーカは前部スピーカと同一平面内に置かれてもよい
が、好ましくは、視聴者と前部スピーカの間に位置さ
れ、且つ、視聴エリアの左側に位置される。左スピーカ
は、モノラル電気入力信号に基づいてモノラル音響出力
を出す。同様に、右スピーカは、好ましくは視聴者と前
部スピーカの間に位置され、且つ、視聴エリアの右側に
位置される。右スピーカは、モノラル電気入力信号に基
づいてモノラル音響出力を出す。後部スピーカは視聴エ
リアの後方に置かれ、モノラル入力信号に基づいてモノ
ラル音響出力を出す。モノラル信号を用いるので、モノ
ラル式のオーディオ出力源しか持っていないユーザで
も、強化された空間音響イメージ(enhanced spatial s
onic image)またはモノラル信号に基づいた音響サウン
ド効果(sonic sound effect)を得ることができる。左
右のスピーカへそれぞれ入力されるモノラル信号は上記
の如くバンド制限され、所定のしきい値周波数未満の周
波数成分の全てがほぼ取り除かれる。モノラル信号をバ
ンド制限することにより、モノラル信号の低周波数成分
がほぼ取り除かれ、よって、信号は比較的小さくてコン
パクトなサテライトスピーカ(satellite speakers)を
用いて再生することができる。また、バンド制限をする
ことにより、中央スピーカが主な(大きな)ボーカルエ
ネルギの再生をしないようにする(制限する)こともで
きる。
【0045】本発明はまた、左右の入力信号を受け取っ
て増幅し、左右のスピーカへそれぞれ出力するパワーア
ンプにも関する。一体型のアンプを有する高出力化・給
電形式のものでは、システム設計者は、自らが選択した
特定のスピーカに合わせて調整された増幅出力信号を発
生させることができる。このような一体化構造のものに
よれば、システムの音響出力の最適化を容易に行うこと
が出来る。
【0046】本発明はさらに、ステレオ信号の低周波数
成分を再生するための別個の(追加用)バススピーカ
(bass speaker)にも関する。バススピーカは視聴エリ
アのどこかに位置していればよく、(R+L)和信号の
低周波数成分に基づいて音響出力を出す。
【0047】本発明はまた、ユーザによる取り付け及び
操作を容易にする相互連結モジュールにも関する。相互
連結モジュールは、所定数の端子を有する入力及び出力
ジャック(jack)からなる。所定数の端子は、どんな信
号がそのジャックにより入力あるいは出力されるかを示
す。例えば、3つの端子を有する出力ジャックは左、右
及び共通の接地用電気信号をそれぞれ出力する。入力及
び出力ジャックのこのような構造によれば、システムを
適切に取り付けることが出来る。なぜなら、ユーザは1
つの特定の形式・方法でスピーカシステムを組み立てる
だけでよいからである。スピーカシステムは追加の独立
した部品として上記相互連結モジュールを有してもよい
し、あるいは、相互連結モジュール回路を既存の部品の
1つ(例えば、バススピーカまたは前部スピーカ)に内
臓・付設してもよい。
【0048】本発明は、上記システムのワイヤレス化に
も関連している。ワイヤレス化した場合、電気オーディ
オ信号接続により、オーディオ信号がオーディオ信号源
から相互連結モジュールに供給される。相互連結モジュ
ールは、差信号と和信号の双方を生成するための能動的
な電子部品を有する。無線送信機(トランスミッタ)が
差信号を受取り、送信する。左、右及び後部スピーカの
各々は無線送信機の周波数に同調した無線受信機(レシ
ーバ)を有している。この受信機はその後、付随のスピ
ーカにより音響出力を生成するのに適切な増幅電気信号
を供給する(付随のスピーカが音響出力を生成しやすい
ように増幅した電気信号を供給する)。添付図面と共に
読まれるべき以下の詳細な説明及び特許請求の範囲か
ら、本発明のその他の目的及び利点は当業者には理解で
きるであろう。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態を詳細に説明する。
【0050】以下の好適な実施形態の説明は単に例示的
なものであり、本発明の技術的範囲またはその適用・利
用範囲を限定する意図はない。本明細書及び図面では、
同様な構造及び作用を有する部品・要素には同じ様な符
号を付けてある。
【0051】ここに記載される実施形態は従来技術を幾
つかの点で改善するものであり、まずはじめに簡単に説
明する。第1に、本発明では、広々とした感じ(spacio
usness)を視聴者に知覚させるために、リスングルーム
のあちらこちらに幾つかのスピーカを空間的に分散配置
する。空間的な分散配置とは、左側及び右側スピーカ、
後部スピーカ、前部(または中央)スピーカ、並びにサ
ブウーファを設けることを含む。第2に、本発明では、
サウンド放射パターンを前部または中央スピーカに集中
させることにより、所定の音がそのスピーカから出てく
るように視聴者に思わせる。本発明ではまた、部屋全体
に環境サラウンドサウンド(ambient surround sound)
を形成すべく特定の音を再生する。このようなサウンド
は好ましくは前部または中央スピーカ以外のスピーカか
ら発せられる。第3に、本発明では、左右のサテライト
スピーカにより作られる特定の可聴周波数を除去すべ
く、周波数帯域制限を行う。帯域制限をする周波数は、
サテライトスピーカから出力されるボーカルエネルギを
除去するという意図の下に決定・選択される。第4に、
本発明では、複数のスピーカ部品の周波数レンジ(rang
es)を通常とは異なる形でオーバーラップさせる。従っ
て、前部、後部及び側部スピーカの各々は、比較的広い
オーバーラップ周波数レンジを有する。第5に、本発明
では、受動的に信号を生成する幾つかの種類の異なる手
段を用いて、左チャンネル、右チャンネル、左+右チャ
ンネル、及び左−右チャンネルの音響信号を受動的に出
力する。
【0052】図1は本発明の原理・技術思想に基づいて
配置されたホームシアタサラウンドサウンドスピーカシ
ステム(「サラウンドサウンドシステム」と称すること
もある)10を図式的に表したものである。サラウンド
サウンドシステム10は、適当に増幅されたステレオ信
号の発信源・ソース(図1ではテレビTV12として示
されている)を有する。このステレオオーディオソース
は数多くのオーディオ信号ソースのいずれでもよい。従
って、ステレオオーディオ信号ソースはここではテレビ
12として示されているが、オーディオ信号ソースはス
テレオレシーバ、カーステレオ、ポータブルコンパクト
ディスクもしくはテーププレーヤ、ポータブルブームボ
ックス型(boom-box type )ステレオ(1つ又は複数の
ラジオ,CDプレーヤ及びカセットテープデッキが一体
的に組合わされている、いわゆるカセットCDラジカセ
のようなもの)、またはその他の如何なるステレオ信号
ソースであってもよい。
【0053】テレビ12は増幅されたオーディオ信号を
相互連結モジュール14に多心ケーブル16を介して出
力する。多心ケーブル16は典型的には、テレビ12か
ら出力されたステレオ信号の左右のチャンネルを相互連
結モジュール14へ伝えるための2組の心線を有する。
相互連結モジュール14はオーディオ信号をテレビ12
から受け取り、成分(たる)左右チャンネル信号を組み
合わせて、サラウンドサウンドシステム10の特定の部
品(たる)スピーカに選択的に分配する。
【0054】部品スピーカは典型的には、フルレンジの
(で)左右信号を受け取るがオーディオ信号の低周波数
成分しか再生しないサブウーファ18を有する。相互連
結モジュール14も、オーディオ信号を前部中央スピー
カ20へ出力する。前部中央スピーカ20はステレオ信
号の左右の成分信号の双方を受け取り、(L+R)和信
号を再生する。好ましくは、前部中央スピーカ20はテ
レビ12の近傍に位置され、視聴者(リスナ)28に向
かって(L+R)和信号の音響出力を発する。
【0055】相互連結モジュール14は、左サテライト
スピーカ22へ左チャンネル信号を出力すると共に、右
サテライトスピーカ24へ右チャンネル信号を出力す
る。左サテライトスピーカ22と右サテライトスピーカ
24は比較的小さなスピーカでよく、中レンジ及び/ま
たは高周波数信号を再生するだけでよい。左右のサテラ
イトスピーカは好ましくは、スピーカの主放射軸が垂直
軸に沿って上に向くように方向づけられている。しか
し、サテライトスピーカがその他の方向に向けられて
も、十分な性能・公演・映写(performance )が得られ
る。相互連結モジュール14は、オーディオ信号を後部
環境スピーカ26へも出力する。後部環境スピーカ26
は典型的には、オーディオ信号を左チャンネル−右チャ
ンネル(L−R)または右チャンネル−左チャンネル
(R−L)の差信号の形で受け取る。この詳細な説明に
より明らかになると思うが、ここに記載された本発明の
幾つかの実施形態では、相互連結モジュール14は色々
な信号を生成して、左サテライトスピーカ22、右サテ
ライトスピーカ24及び/または後部環境スピーカ26
へ出力することができる。尚、スピーカという用語は、
電気入力信号を音響出力信号に変換するシステムを意味
することをまず明記しておく。ここでシステムには、1
つまたは複数のクロスオーバネットワーク(crossover
networks)及び/またはトランスデューサが含まれる。
【0056】図1に示された部品は典型的には、視聴者
28の聴取体験(listening experience)を強化・向上
すべくサラウンドサウンド効果を最適にするように配置
される。視聴者28は典型的には、テレビ12の方を向
いており、テレビ12はその近傍に前部中央スピーカ2
0を有している。よって、前部中央スピーカ20とテレ
ビ12はそれぞれオーディオ及びビデオ出力を視聴者2
8の方へ放射する。左サテライトスピーカ22は典型的
には視聴者28の左側に位置し、右サテライトスピーカ
24は視聴者28の右側に位置する。これら2つのサテ
ライトスピーカは典型的には視聴者28とテレビ12の
ほぼ中央に位置する。後部環境スピーカ26は広々とし
た(spacious)音響効果を形成するのに貢献するスピー
カであり、典型的には視聴者28の後に位置する。後部
環境スピーカ26は1つのスピーカとして描かれている
が、本発明のシステムは複数の後部環境スピーカ26を
有してもよい。
【0057】図2は本発明の好適な実施形態の拡大ブロ
ック図を示している。この拡大ブロック図には、部分的
な回路及び配線図が示されており、本明細書ではブロッ
ク図、回路図または配線図と称される。ホームシアタサ
ラウンドサウンドスピーカシステム100(「サラウン
ドサウンドシステム」と称することもある)は、左側サ
テライトスピーカ102(「左サイドまたはサテライト
スピーカ」と称することもある)と、右側サテライトス
ピーカ104(「右サイドまたはサテライトスピーカ」
と称することもある)と、前部中央スピーカ106と、
サラウンドまたは後部スピーカ108と、サブウーファ
スピーカ110とからなる。左チャンネルアンプ112
は増幅された左チャンネル信号を出力する。この信号は
前部中央スピーカ106のボイスコイル114aの正端
子に入力される。前部中央スピーカ106のボイスコイ
ル114aの負端子には左チャンネルアンプ112の負
端子が接続される。同様に、右チャンネルアンプ116
は増幅された右チャンネル信号を出力する。この信号は
前部中央スピーカ106のボイスコイル114bの正端
子に入力される。前部中央スピーカ106のボイスコイ
ル114bの負端子には右チャンネルアンプ116の負
端子が接続される。従って、左右のチャンネル信号は前
部中央スピーカ106の2つのボイスコイル114a、
114bへ同じ位相で(同期して)接続される。よっ
て、前部中央スピーカ106の出力は左右のチャンネル
信号の合計(以下、「L+R」と記す)となる。
【0058】左チャンネルアンプ112の正端子から
は、増幅された左チャンネル信号がフィルタ118を介
して左側スピーカ102の正端子へ出力される。左チャ
ンネルアンプ112の負端子は、左側スピーカ102の
負端子へ接続される。同様に、右チャンネルアンプ11
6の正端子からは、増幅された右チャンネル信号がフィ
ルタ120を介して右側スピーカ104の正端子へ出力
される。右チャンネルアンプ116の負端子は、右側ス
ピーカ104の負端子へ接続される。よって、図2の実
施形態では、増幅された左右のチャンネル信号がそれぞ
れ左側及び右側のスピーカに出力される。
【0059】左側スピーカ102と右側スピーカ104
は好ましくはバンド制限されて、高い周波数のみを再生
する。これは図示されるように、左高域通過フィルタ1
18と右高域通過フィルタ120を用いて行う。左右の
スピーカ102、104にそれぞれ高域通過フィルタ1
18、120を用いるので、左右のスピーカ102、1
04の音響出力を高周波数に限定することが出来る。図
4Aと図4Bを用いて後に詳述するように、サテライト
スピーカ102、104を上記の如くバンド制限するこ
とにより、ボーカルエネルギの主要周波数レンジ(prim
ary frequencyrange )を排除することができる。よっ
て、視聴者はビデオイメージの近傍に位置された前部ス
ピーカ20のみから会話音が来るように感ずる。このよ
うな高域通過フィルタの例は後に図4A及び図4Bに基
づいて詳細に説明する。
【0060】サラウンドサウンドスピーカシステム10
0は後部スピーカ108も有している。後部スピーカ1
08へ入力を行うと、左−右の差信号(L−R)が作ら
れる。この差信号をもたらすために、左チャンネルアン
プ112の正端子は増幅された左チャンネル信号を後部
スピーカ108の正端子に出力し、右チャンネルアンプ
116の正端子は増幅された右チャンネル信号を後部ス
ピーカ108の負端子に出力する。上記のような後部ス
ピーカ108への接続を行うと、所望の(L−R)差信
号が得られる。後部スピーカ108はポテンショメータ
109も有している。ポテンショメータ109により、
後部スピーカの音響出力を上記システムのその他のスピ
ーカの出力に対して調節することができる。このような
出力は典型的には後部スピーカが視聴者にどれだけ近い
かに基づいて調節される。当業者であれば、後部スピー
カ108への接続の極性を反転すると、(L−R)差信
号ではなく(R−L)差信号が得られることは理解でき
るであろう。後部スピーカから放射される差信号の極性
は、サラウンドサウンドスピーカシステム100の性能
にあまり影響しないので、どちらを選択しても良い。
【0061】サラウンドサウンドスピーカシステム10
0はサブウーファ110も有している。左チャンネルア
ンプ112の正端子は増幅された左チャンネル信号を左
サブウーファスピーカ122の正端子に出力する。左チ
ャンネルアンプ112の負端子は左サブウーファスピー
カ122の負端子に接続されている。同様に、右チャン
ネルアンプ116の正端子は増幅された右チャンネル信
号を右サブウーファスピーカ124の正端子に出力す
る。右チャンネルアンプ116の負端子は右サブウーフ
ァスピーカ124の負端子に接続されている。従って、
図2の実施形態では、左チャンネル信号が左サブウーフ
ァスピーカ122を駆動し、右チャンネル信号が右サブ
ウーファスピーカ124を駆動する。よって、左右のサ
ブウーファスピーカからの出力は音響的に合計される。
当業者であれば、中央チャンネルスピーカ108を代替
利用して全周波数レンジ(バスレンジ(bass range)を
含む)で作動させることにより、サブウーファを設けな
い構成にしてもよいことは理解できるであろう。
【0062】上記の好適な実施形態の変形例にあって
は、左右のアンプ112、116は上記システムに一体
化される。例えば、左右のチャンネルアンプ112、1
16は一般には本明細書を通じて上記オーディオ信号ソ
ースに通常用いられている出力アンプであると考えられ
るが、上記サラウンドサウンドシステム100の一部を
形成するように特別に選択されたアンプであってもよ
い。この変形例のアンプ112、116はオーディオ信
号ソースから低レベルの入力信号を受け取る。アンプ1
12、116は入力信号をさらに増幅して上記サラウン
ドサウンドスピーカシステムへ出力する。このような構
成にするために、出力アンプ112、116を相互連結
モジュール14(図1)に組み込んでもよい。相互連結
モジュール14は好ましくは独立給電されてアンプ11
2、116を駆動する。この変形例の大きな利点は、出
力アンプ112、116をスピーカの電気力学特性に合
うように設計できることである。
【0063】上記サラウンドサウンドシステム100の
1つの好適な実施形態は、前部中央スピーカ106を有
する。前部中央スピーカ106は約50立方インチ(約
819立方センチ)の密閉エンクロージャ(sealed enc
losure)からなり、この中に、市場で入手可能な直径3
インチ(7.62センチ)のデュアル8オームボイスコ
イルダイナミックトランスデューサ(voice coil elect
rodynamic transducer)を収容している。一対の100
ミクロファラドキャパシタが左右のチャンネル信号のそ
れぞれの正出力に直列接続され、これによりクロスオー
バ機能が行われる。前部中央スピーカ106は約150
Hzより高い作動帯域幅を有する。後部スピーカ108
は同様な構造を有するが、デュアルボイスコイルトラン
スデューサではなくシングルボイスコイルトランスデュ
ーサを使用する。後部スピーカ108は約50立方イン
チの密閉エンクロージャからなり、この中に、市場で入
手可能な直径3インチのシングル8オームボイスコイル
ダイナミックトランスデューサを収容している。ポテン
ショメータ109は8オームの15ワットLパッドまた
は、25オームの3ワット巻き線型ポテンショメータで
ある。ポテンショメータ109により、後部スピーカ1
08の出力レベルに変化をつけられる。68マイクロフ
ァラドキャパシタはボイスコイルの正端子への入力に直
列接続されており、これがクロスオーバ機能を行う。後
部スピーカ108の公称周波数帯域は150Hzから8
KHzである。後部スピーカ108は図2に基づいて説
明したように、(L−R)差信号を再生する。サイドス
ピーカ102、104の各々は約2立方インチ(約33
立方センチ)の密閉エンクロージャからなり、この中
に、市場入手可能な公称4オームインピーダンスの直径
1.5インチ(3.81センチ)のプラスチックコーン
ツィータ(plastic cone tweeter)を収容している。一
対の4.7マイクロファラドキャパシタはサイドスピー
カ102、104への正入力に直列接続されており、こ
れが左高域通過フィルタ118及び右高域通過フィルタ
120のための高域通過フィルタリングを行う。これら
高域通過フィルタ118、120により、サイドスピー
カ102、104からの出力が約4KHzから15KH
zの公称周波数帯域を有する。サブウーファ110は通
常の2つの部分からなるエンクロージャ構造を有し、こ
の構造は、公称580立方インチ(約9504立方セン
チ)の密閉部分と、一対の直径5.25インチ(13.
34センチ)の4オームボイスコイルダイナミックトラ
ンスデューサに連動する公称450立方インチ(737
4立方センチ)のポート付き部分とからなる。一対の
0.8ミリヘンリのインダクタ(誘導子)は各トランス
デューサへの正入力に直列接続され、クロスオーバ機能
を行う。サブウーファバスユニット110は公称50H
zから200Hzの周波数帯域で作動する。尚、上記ス
ピーカの各々において、クロスオーバネットワークは付
随するスピーカのエンクロージャに一体化されている。
さらに、バンド制限(帯域制限)フィルタ118、12
0はそれぞれスピーカ102、104に一体化されてい
る。このように、バンド制限装置とこれに付随するサテ
ライトスピーカは一体的なユニットを形成する。こうす
ることにより、図1の相互連結モジュール14を単に適
当に配線された入力及び出力ジャックから構成できると
いう別の利点が生じる。
【0064】図3Aは本発明の第2の好適な実施形態を
示している。図3Aのホームシアタサラウンドサウンド
スピーカシステム(「サラウンドサウンドシステム」と
称することもある)200は、図2のサラウンドサウン
ドシステム100と同様な部品を備えており、これら同
様な部品には200番台の符号を付けた。図3Aのサラ
ウンドサウンドシステム200は図2に示されたものと
ほぼ同じであるが、左サイドスピーカ202と右サイド
スピーカ204がそれぞれ差信号(L−R)と(R−
L)を再生するように構成されている点で異なる。左チ
ャンネルアンプ212の正端子は増幅された左チャンネ
ル信号をフィルタ218を介して左サイドスピーカ20
2の正端子に出力する。右チャンネルアンプ216の正
端子は増幅された右チャンネル信号を左サイドスピーカ
202の負端子に出力する。同様に、右チャンネルアン
プ216の正端子は増幅された右チャンネル信号をフィ
ルタ220を介して右サイドスピーカ204の正端子に
出力する。左チャンネルアンプ212の正端子は増幅さ
れた左チャンネル信号を右サイドスピーカ204の負端
子に出力する。このような接続にすることにより、(L
−R)差信号が左サイドスピーカ202に入力され、
(R−L)差信号が右サイドスピーカ204に入力され
る。
【0065】図1で説明したように、左高域通過フィル
タ218と右高域通過フィルタ220はそれぞれ左サイ
ドスピーカ202と右サイドスピーカ204への入力信
号の低周波数成分を消去・除去する。サテライトスピー
カが入力として差信号を受け取る場合、図2に示した差
信号用の高域通過フィルタを設けるかどうかはオプショ
ンとなる(設けても設けなくてもよい)。しかし、(L
−R)差信号を高域通過フィルタリングすると、2つの
利点が生ずる。第1に、サイドスピーカの物理的サイズ
を小さくしておくことができる。第2に、左右のチャン
ネル信号ゲインのミスマッチ(不一致)により会話が差
信号に漏れたとしても、差信号をバンド制限すると、主
要ボイス周波数レンジにおけるこの漏れ信号が除去され
て、会話の集中が前部中央スピーカの位置にとどめられ
る。これは、たとえ左右のチャンネルの信号が正確に等
しくなく、会話が差信号に漏れても言える。
【0066】第2の好適な実施形態の1つの変形例にあ
っては、差信号の極性を反転すると、(L−R)差信号
が右サイドスピーカ204に供給され、(R−L)差信
号が左サイドスピーカ202に供給される。別の変形例
にあっては、(L−R)差信号を両サイドスピーカ20
2、204に供給すること、あるいは、(R−L)差信
号を両サイドスピーカ202、204に供給することが
できる。差信号がバンド制限されている場合、サイドス
ピーカに供給される差信号の特定の極性は本システムの
性能に大きな影響を与えない。なぜなら、サイドスピー
カは公称約1KHz以上(音響差が聞こえない範囲)で
作動するからである。また、この周波数レンジのサウン
ド信号波長が比較的短いため、リスニング位置での信号
合成に関しては、サイドスピーカ202と204の相対
的な位置における小さな変化の方が、両サイドスピーカ
に供給される信号の相対的な極性より影響が大きい。
【0067】左サイドスピーカ202及び右サイドスピ
ーカ204を差信号((L−R)または(R−L))で
駆動することによる大きな利点は、差信号が左右のチャ
ンネルに等しく記録されたサウンド成分を取り除き、効
果的に会話と環境サラウンドサウンドの再生を分離する
ことである。左右のチャンネル信号がそれぞれ左右のサ
イドサテライトスピーカに出力されるシステムを考える
と、残りのボーカルエネルギ高調波(harmonics )はよ
り高い周波数で左右の信号に残ってしまい(例えば、倍
音)、歯擦音として聞こえる。このような歯擦音がサテ
ライトスピーカにより再生されると、サテライトスピー
カは指向的な合図(directional cue )を出し、これが
会話中における不自然な息継ぎ・呼吸となり、音響イメ
ージを害してしまう。しかし、差信号は、環境サラウン
ドサウンドから会話エネルギを跡形もなく消去すること
により、これら問題を解決できる。ほぼ環境サラウンド
サウンド情報しか含まない差信号をバンド制限すること
により別の利点が得られる。即ち、差信号をバンド制限
することにより、より小さなサテライトスピーカを使用
することができる。なぜなら、サテライトスピーカは高
周波数音響出力しか再生する必要がないからである。従
って、差信号をバンド制限すると共にこれを利用するこ
とにより、会話と環境サウンドの再生を分離することが
できる。このことにより、一貫性のある環境音場を維持
する一方で、会話をビデオイメージに集中させることが
できる。上記の分離により、本発明の受動的なシステム
と能動的なサラウンドサウンド復合化システムとの基本
的な相違が生ずる。本発明の受動的なシステムは、会話
がサラウンドトラックに記録録音された環境音場に入っ
たり出たりするとき、如何なる人工音響も生じさせな
い。従って、会話をビデオスクリーンに集中させ続ける
一方で、一貫性のある環境音場を形成することができ
る。図3Aの前部中央スピーカ、サブウーファ及び後部
スピーカの接続は図2で説明したものと同じである。左
チャンネルアンプ212は増幅された左チャンネル信号
を出力し、この信号が前部中央スピーカ206のボイス
コイル214aの正端子に入力される。前部中央スピー
カ206のボイスコイル214aの負端子は左チャンネ
ルアンプ212の負端子に接続される。同様に、右チャ
ンネルアンプ216は増幅された右チャンネル信号を出
力し、この信号が前部中央スピーカ206のボイスコイ
ル214bの正端子に入力される。前部中央スピーカ2
06のボイスコイル214bの負端子は右チャンネルア
ンプ216の負端子に接続される。よって、左右のチャ
ンネル信号は前部中央スピーカ206の2つのボイスコ
イル214a、214bに同位相で入力され、従って、
前部中央スピーカ206の出力は左右の合計信号であ
る。
【0068】図2A(及び図3)を再び参照する。左サ
イドスピーカ102(202)と右サイドスピーカ10
4(204)は左右のチャンネルアンプ112(21
2)、116(216)から出力された増幅信号をそれ
ぞれ受け取る。しかし、サイドスピーカ102(20
2)、104(204)の作動帯域幅は制限されてい
る。本発明におけるサイドスピーカ102(202)、
104(204)の帯域幅は、前部中央スピーカ106
(206)から出力される会話またはボイス信号の主要
周波数レンジよりほぼ上の周波数レンジに制限されてい
る。より詳しくは、スピーチ信号の主要エネルギは約1
50Hzから1KHzの周波数レンジに含まれている。
そして、サイドスピーカ102(202)、104(2
04)はそれぞれ、高域通過フィルタ118(21
8)、120(220)により帯域幅制限され、少なく
とも約1KHz以上の周波数レンジで作動する。
【0069】図3Bは本発明の第2の好適な実施形態の
変形例を示している。図3Bのホームシアタサラウンド
サウンドスピーカシステム(「サラウンドサウンドシス
テム」と称することもある)200’は、図2及び図3
Aのサラウンドサウンドシステム100及び200と同
様な部品を備えており、これら同様な部品には同じ符号
を付けた。図3Bのサラウンドサウンドシステム20
0’は図3Aに示されたものとほぼ同じであるが、左サ
イドスピーカ202と右サイドスピーカ204がそれぞ
れ差信号(L−βR)と(R−βL)を作るように構成
されている点で異なる。図3Aに示されるように、左チ
ャンネルアンプ212の正端子は増幅された左チャンネ
ル信号をフィルタ218を介して左サイドスピーカ20
2の正端子に出力する。右チャンネルアンプ216の正
端子は増幅された右チャンネル信号を減衰器270を介
して左サイドスピーカ202の負端子に出力する。同様
に、右チャンネルアンプ216の正端子は増幅された右
チャンネル信号をフィルタ220を介して右サイドスピ
ーカ204の正端子に出力する。左チャンネルアンプ2
12の正端子は増幅された左チャンネル信号を減衰器2
72を介して右サイドスピーカ204の負端子に出力す
る。
【0070】減衰器270、272は、引かれた信号が
サイドスピーカ202、204の負端子にそれぞれ入力
される前に、これを減少する。よって、左サイドスピー
カ202から差信号(L−βR)が出力され、右サイド
スピーカ204から差信号(R−βL)が出力される。
ここで、βは減衰器270、272のそれぞれのゲイン
である。減衰器270、272のゲインβは好ましくは
0と1の間の値を有する。また、当業者であれば理解で
きるであろうが、減衰器270、272のゲインβは固
定値でも変数でもよい。変数にするか固定値にするかは
その応用例・適用例による。さらに、各減衰器270、
272は異なるゲインを有してもよい。この場合、減衰
器270はゲインβ1 を有し、減衰器272はゲインβ
2 を有する。当業者であれば容易に気付くであろうが、
ゲインβを有する(提供する)減衰器270、272と
しては色々な形式のものが考えられる。例えば、比較的
小さな構成の場合、アンプ270、272として、レジ
スタまたはポテンショメータを用いてもよい。より複雑
な構成では、減衰器270、272として、当業者には
公知の多数のアンプのいずれかを利用していよい。
【0071】図4Aは図2及び図3の左サイドスピーカ
102(202)と右サイドスピーカ104(204)
への入力信号に高域通過フィルタリングを行うための一
対の第1次高域通過ネットワークを示している。左高域
通過フィルタ118(218)と右高域通過フィルタ1
20(220)はそれぞれキャパシタ150、152を
有し、これらキャパシタ150、152はサイドスピー
カ102(202)、104(204)にそれぞれ直列
接続されている。このようなフィルタリング構造を第1
次高域通過フィルタと称する。図4Bは第2次高域通過
ネットワークとして設けられた左高域通過フィルタ11
8(218)と右高域通過フィルタ120(220)を
示している。キャパシタ154、156がサイドスピー
カ102(202)、104(204)の正端子にそれ
ぞれ直列接続され、インダクタ158、160がサイド
スピーカ102(202)、104(204)の正及び
負端子の間に(を結ぶように)分岐・並列接続されてい
る。図4Aと図4Bに示された高域通過ネットワークの
動作は当業者であれば十分に理解できるはずであり、こ
こではその説明を省略する。
【0072】当業者であれば、高域通過フィルタ118
(218)、120(220)として、当該技術分野で
公知の多くのもののいずれを用いても良いことは理解で
きるであろう。受動的高域通過フィルタの使用が、信号
をバンド制限する1つの手法でることは容易に理解でき
るであろう。また、当業者であれば、カットオフ周波数
はその適用例に応じて変化することも理解できるであろ
う。
【0073】サイドスピーカ102(202)、104
(204)への入力信号の周波数レンジを帯域幅制限す
ることにより、サイドスピーカ102(202)、10
4(204)から会話集中合図信号(dialog localizat
ion cues)をほぼ取り除くことができ、よって、主要会
話集中合図信号はビデオイメージに近い前部中央スピー
カ106(206)によってのみ再生される。サイドス
ピーカ102(202)、104(204)の帯域幅制
限をすることにより、前部中央スピーカ106の位置へ
会話が集中する。なぜなら、本システムのスピーカの
内、中央チャンネルだけが基本的な会話集中合図信号を
再生するスピーカとなるからである。左サイドスピーカ
102(202)と右サイドスピーカ104(204)
はそれぞれ左右のチャンネルの高周波数情報(これは通
常、主要スピーチの周波数レンジより高い)を再生す
る。従って、サイドスピーカ102(202)、104
(204)はスピーチサウンドの集中を変えること無
く、広々とした感じ(spaciousness)を強化するのに役
立つ。コンサートホールの音響効果に関する数多くの研
究により、広々とした感じを作り出すことと側部反射の
存在との間には相関関係があることがわかっている。即
ち、広々とした感じを受けることと、リスニングスペー
スの側部からリスニング位置へ届くエネルギとの間には
相関関係がある。サイドスピーカ102(202)、1
04(204)をリスニングルームの側部に位置し、放
射の主軸を垂直上方に向けると、サイドスピーカ102
(202)、104(204)はリスニング位置でかな
りの側方(側部)エネルギを発生する。よって、広々と
した感じを強くすることができる。また、本発明のサイ
ドスピーカ102(202)、104(204)はバン
ド制限され、会話集中合図信号をかなり小さくしている
ので、従来のスピーカよりさらに視聴者の側方に位置す
ることができる。さらに、サイドスピーカ102(20
2)、104(204)をバンド制限することにより、
大きく側方に移動しても、視聴者の側方でのサウンドイ
メージを損なうことはない。もし全周波数レンジサイド
スピーカがその位置に置かれたなら、視聴者の側方のサ
ウンドイメージは損なわれるであろう。このことによ
り、乱れたサウンドイメージを生成・形成することな
く、広々感を最大にする位置にサイドスピーカを配置す
ることができる。
【0074】サイドスピーカをバンド制限することによ
る他の利点は、サイドスピーカの物理的サイズを比較的
小さく出来る点である。約1KHz以上にサイドスピー
カをバンド制限すると、典型的なサテライト/サブウー
ファシステムとは大きく異なるものができる。ほとんど
のサテライト/サブウーファシステムでは、サテライト
スピーカはかなり大きな周波数レンジ(典型的には、1
50Hzという低い周波数までがその範囲に入る)で作
動する。従って、このようなスピーカは、低周波数で十
分なエネルギを発生するために本発明のサイドスピーカ
よりかなり大型になってしまう。本発明では、サイドス
ピーカはかなり限定された周波数レンジでの再生を行
う。
【0075】図5Aは図2及び図3に示されたデュアル
ボイスコイル114a、114b(214a、214
b)とシングルトランスデューサ115(215)とか
らなる前部中央スピーカ106(206)を示してい
る。増幅された左チャンネル信号はボイスコイル114
a(214a)に供給され、増幅された右チャンネル信
号はボイスコイル114b(214b)に供給される。
この構成では、左右のチャンネル信号はトランスデュー
サ115(215)内で電磁的に合計される。
【0076】本発明の他の特筆すべき利点は、特に図5
Aの構成で得ることが出来る。図5Aでは、アンプ11
2、116によりそれぞれ出力される左右のチャンネル
信号は個々にトランスデューサ115のボイスコイル1
14a、114bへ供給され、電磁的に(L+R)和信
号を作る。よって、図5Aの前部中央スピーカは和信号
を受動的に生成する。この際、電力を消費し、システム
のコストを上げ、システムを複雑にするレジスタディバ
イダネットワーク(resistor divider network)は不要
である。本発明が左右のチャンネル信号を比較的低電力
(出力)のアンプソース(例えば、典型的なステレオ式
テレビやブームボックス型のポータブルステレオ)から
得る場合、このような電力節約は特に注目すべきであ
る。スピーカ自身内での左+右の合算により、余分な
(別個の)部品及びそれに付随するコストが不要にな
る。
【0077】図5Bに示された別の中央チャンネルの構
成では、左右のチャンネル信号は個々の(独立した)左
右のトランスデューサ117、119を駆動する。左チ
ャンネルの増幅信号はボイスコイル114a(214
a)を駆動し、これにより、左トランスデューサ117
が駆動される。右チャンネルの増幅信号はボイスコイル
114b(214b)を駆動し、これにより、トランス
デューサ119が駆動される。
【0078】図5Bの構成では、トランスデューサ11
7と119は比較的近くに位置しなければならない。こ
れはトランスデューサ117、119の双方からの出力
を、可能な限り最大の周波数レンジで音響的に合計する
ためである。効果的な音響合計を行うには、2つのトラ
ンスデューサが互いの波長の約1/4以内に位置してい
なければならない。このような近接配置は、現実的には
全可聴周波数レンジで行うことはできない。高い周波数
では、2つのトランスデューサからの組み合わせ音響出
力にいくらかのくし形フィルタリング(comb filterin
g)が生ずる。モノラル信号の場合、2つのトランスデ
ューサが同じ信号を放射し、また、空間的に隔てられて
いるので、リスニング位置と各トランスデューサの間の
経路長の差は、高周波数の場合、波長の大きな分数また
は波長の何倍かになる。従って、2つの部品の距離を最
小にすると、発生するくし形フィルタリングの量が最小
になる。
【0079】図6は、図2及び図3の後部スピーカ10
8(208)から(L−R)差信号を得るための2つの
変形実施形態を示している。差信号は典型的には環境及
びサラウンドサウンド情報を含んでいる。図6Aは受動
的なシステムで(L−R)差信号を得るための好適な実
施形態に係る回路図を示している。左チャンネルアンプ
112(212)は増幅された左チャンネル信号を出力
し、これが後部スピーカ108(208)のボイスコイ
ル130の正端子に入力される。右チャンネルアンプ1
16(216)は増幅右チャンネル信号をボイスコイル
130の負端子に出力する。従って、後部スピーカ10
8(208)は、トランスデューサ134を介して左右
のチャンネル信号の差(L−R)に応じた音を出力す
る。図6Bは(L−R)差信号を得るための別の構成に
係る回路図を示している。後部スピーカ108はデュア
ルボイスコイル132a、132bを有する。ボイスコ
イル132aはその正端子に、左チャンネルアンプ11
2(212)からの増幅左チャンネル信号を受け取る。
ボイスコイル132aの負端子は左チャンネルアンプ1
12(212)の負端子に接続されている。ボイスコイ
ル132bはその負端子に、右チャンネルアンプ116
(216)からの増幅右チャンネル信号を受け取る。ボ
イスコイル132bの正端子は右チャンネルアンプ11
6(216)の負端子に接続されている。従って、この
構成では、接続・結合の極性が反転され、トランスデュ
ーサ134は(L−R)信号を出力する。
【0080】図7は本発明の第3の好適な実施形態を示
しており、このホームシアタサラウンドサウンドスピー
カシステム300は、アンプ302、304による増幅
の前に低レベル信号処理を行っている。左チャンネル正
信号306と右チャンネル正信号308は足し算アンプ
310(当該技術分野では公知の上記信号を電子的に足
すための足し算アンプのいずれでもよい)に供給され
る。足し算アンプ310の出力は(L+R)和信号であ
り、これがパワーアンプ302に入力される。アンプ3
02の正出力は増幅された(L+R)信号であり、中央
スピーカ312の正端子へ入力される。中央スピーカ3
12の負端子はアンプ302の負端子に接続されてい
る。
【0081】パワーアンプ302の正端子はサブウーフ
ァ314の正端子に駆動信号を出力する。サブウーファ
314はシングルトランスデューサ及びボイスコイルか
らなる。中央スピーカ312と同様に、(L+R)信号
がサブウーファ314を駆動するので、サブウーファ3
14は左右の信号の低周波数部分を出力するためには、
シングルボイスコイル及びトランスデューサしか必要な
い。当業者であれば、本システムの作用にほとんど影響
を及ぼすことなく、上記以外の構造のサブウーファを本
発明に用いることが可能であることは理解できるであろ
う。
【0082】サラウンドサウンドスピーカシステム30
0はまた、差信号を能動的に生成する。アンプ304に
よる増幅の前に、左チャンネル正信号306と右チャン
ネル正信号308は引き算アンプ316に供給される。
引き算アンプ316の出力端子からは左−右(L−R)
差信号が出力される。この(L−R)差信号はパワーア
ンプ304に入力される。そして、パワーアンプ304
の正出力は後部スピーカ318の正端子を駆動する。後
部スピーカ318の負端子はパワーアンプ304の負端
子に接続されている。従って、アンプ304から出力さ
れる(L−R)差信号が後部スピーカ318を駆動す
る。
【0083】パワーアンプ304の正端子からは、高域
通過フィルタ324を介して駆動信号が左サイドスピー
カ320の正端子に出力される。左サイドスピーカ32
0の負端子はパワーアンプ304の負端子に接続され
る。同様に、パワーアンプ304の正端子からは、高域
通過フィルタ326を介して駆動信号が右サイドスピー
カ322の負端子に出力される。右サイドスピーカ32
2の正端子はパワーアンプ304の負端子に接続され
る。上記のような左サイドスピーカ320への接続によ
り、(L−R)駆動信号がスピーカに供給される。ま
た、上記のような右サイドスピーカ322への接続によ
り、(R−L)信号がスピーカに供給される。左サイド
スピーカ320、右サイドスピーカ322及び後部スピ
ーカ318の各々に供給される信号の極性は逆にしても
よく、この場合でも本システムの作用効果は変わらな
い。上記2つのサイドスピーカ及び後部スピーカへの差
信号の相対的な極性関係はどのように置換してもよく、
また、本システムの作用効果に変化を生じさせない。高
域通過フィルタ324、326は図2及び図3により説
明したのと同じように作動する。
【0084】このような構成は特に、高電力応用例・高
パワー応用例(powered variation)に適している。即
ち、相互連結モジュールが内部アンプを有し、この内部
アンプにより電気入力信号を増幅して、それぞれのスピ
ーカを駆動するために当該増幅電気信号を出力する応用
例に適している。内部で高パワー化された相互連結モジ
ュールの特に優れた点は、適切に作動するにはより大き
なエネルギを必要とするスピーカがより高いパワーの入
力信号を受け取ることができるように、出力信号を非同
期的に増幅しても良いというオプションを与えてくれる
ことである。例えば、中央及びバススピーカへ入力され
る和信号は、サテライト及び後部環境スピーカへ出力さ
れる差信号よりかなり高いパワーレベルで出力されても
よい。こうすることにより、サイド及び後部スピーカを
駆動するのに十分な低パワーはそのままにしておく一方
で、バス及び前部スピーカを駆動するための高パワーを
供給することができる。例えば、10ワット+10ワッ
トのステレオアンプ構成ではなく、18ワット+2ワッ
トのアンプ構成を用いて、通常入手可能な電力をより効
果的に利用することができる。
【0085】図8は本発明の第4の好適な実施形態を示
している。図8のホームシアタサラウンドサウンドスピ
ーカシステム(以下「サラウンドサウンドシステム」と
称する場合もある)400は、図2のサラウンドサウン
ドシステム100の部品と同様なものを備えており、こ
れら部品には400番台の符号を付けた。図8のサラウ
ンドサウンドシステム400は図2のシステムとほぼ同
じ構造を有するが、ステレオ信号の成分たる左右チャン
ネル信号ではなく、モノラル信号を受取り出力する点で
異なる。サラウンドサウンドシステム400は、左サイ
ドサテライトスピーカ402(「左サイドスピーカまた
は左サテライトスピーカ」と称することもある)と、右
サイドサテライトスピーカ404(「右サイドスピーカ
または右サテライトスピーカ」と称することもある)
と、前部中央スピーカ406と、サラウンドまたは後部
スピーカ408と、サブウーファスピーカ410とから
なる。アンプ412はモノラル信号を受け取り、増幅モ
ノラル信号を出力する。この増幅モノラル信号は前部中
央スピーカ406のボイスコイル414の正端子に入力
される。前部中央スピーカ406のボイスコイル414
の負端子はアンプ412の負端子に接続される。前部中
央スピーカ406のボイスコイル414はトランスデュ
ーサ415を駆動し、前部中央スピーカ406からサウ
ンドを出力させる。アンプ412の正端子はフィルタ4
18を介して左サイドスピーカ402の正端子に増幅信
号を出力すると共に、フィルタ420を介して右サイド
スピーカ404の正端子にも増幅信号を出力する。図示
されるように、左高域通過フィルタ418と右高域通過
フィルタ420を用いて、左サイドスピーカ402と右
サイドスピーカ402はバンド制限され、高周波数のみ
しか再生しない。左高域通過フィルタ418と右高域通
過フィルタ420の作動は既に説明した通りである。
【0086】サラウンドサウンドシステム400は後部
スピーカ408も有している。この後部スピーカ408
はアンプ412からの増幅出力を受け取る。後部スピー
カ408はポテンショメータ409を有し、これによ
り、後部スピーカ408へ入力される増幅信号のための
アースラインを形成する。ポテンショメータ409によ
り、後部スピーカ408の音響出力を本システムのその
他のスピーカの出力に対して調節することができる。後
部スピーカ408は好ましくは、後部スピーカ408に
より視聴者の位置で発生される音圧レベルがその位置で
前部スピーカ415により発生される音圧レベルより小
さくなるように調節される。こうすることにより、視聴
者はフロントステージからの会話を、サウンド再生の順
位・優先・先行効果(precedence effect )に基づいて
知覚する。即ち、2つの同じ様なサウンドが放射された
場合、人間の聞き取りプロセス・聴覚は、最初に到達し
た一方のサウンドの方向を上記2つのサウンドが発せら
れた方向であると解釈する。時間強度交換(time-inten
sity trading)として知られる音響心理学現象により、
視聴者は高レベルのサウンドの方が先に到達したと感ず
る。従って、後部スピーカ408からの出力を前部スピ
ーカ406の出力より十分低いレベルに変化させること
により、音響イメージが前にあるように感じ、しかし、
後部スピーカ408からの音響エネルギが追加の音響情
報を提供する。聞き取りプロセス・聴覚は、この追加情
報を環境またはサラウンドサウンドとして知覚する。当
業者には、公知の多数の手法のいずれかによりレベル調
節を行うことができることは理解できるであろう。ま
た、図8の実施形態は1チャンネルの増幅しか使用して
いないので、2チャンネルを使用するステレオ式のもの
に比べ、視聴者は所望の音圧レベルを得るために、典型
的にはシステム全体のボリュームを増加する。
【0087】図8の第4の実施形態の変形例として、図
3Aの構成においてアンプ216の正入力に入力信号を
供給せずに、モノラル信号をアンプ212に供給した場
合にも同じ様な作用効果が得られる。この変形例でも同
様に、モノラル入力信号に基づいてサラウンドサウンド
効果を得ることができ、よって、図3Aに示されたサラ
ウンドサウンドシステムをステレオ信号とモノラル信号
の双方で使用できる。つまり、図3Aのシステムの応用
範囲を広げることができる。
【0088】ほとんどのサラウンドサウンドシステムで
特に望まれる特徴は、取り付け及び操作が容易であるこ
とである。これは素人のユーザがその購入・使用を躊躇
しないようにするためである。本発明は、ホームシアタ
用の相互連結モジュール14に接続ジャックを設けるこ
とにより、ほとんどの取り付けに関する困難性を解決し
ている。接続ジャックを設けることにより、(L−R)
差信号がサイドスピーカに出力される構成において、サ
ラウンドサウンドシステムは1つまたは1組のスピーカ
接続部しか有さない。図9は図1の相互連結モジュール
14内の相互連結ジャックを示す配線図であり、以下、
図1で説明した部品に基づいて説明をする。
【0089】相互連結モジュール14は、テレビ12か
ら相互連結モジュール14へ入力される左右のチャンネ
ル信号(成分信号)を受け取るための4端子入力ジャッ
ク30を備える。左右のチャンネル信号は、4端子入力
ジャック30に適宜連結された4端子コネクタまで延び
る4導線を介して受信される。左右のチャンネルの負入
力は相互連結モジュール14内で結ばれ、入力及び出力
接続部の各々のための共通の接地信号として用いられ
る。前部中央スピーカ20(図1)への出力は3端子出
力ジャック32を介して供給される。3端子出力ジャッ
ク32の3つの端子は、左チャンネル信号、右チャンネ
ル信号及び共通接地信号からなる出力を供給する。第2
の3端子サブウーファ出力ジャック34は、同様な出力
信号をサブウーファ18へ供給する。サブウーファ出力
ジャック34も同様に、左チャンネル信号、右チャンネ
ル信号及び共通接地信号をそれぞれの端子へ供給する。
【0090】3つの2端子出力ジャック36a、36
b、36cは、左チャンネル信号を一方の端子に供給
し、右チャンネル信号を他方の端子に供給する。これら
ジャックの各々は、後部スピーカ26、左サテライトス
ピーカ22及び右サテライトスピーカ24の1つに接続
されたケーブルに連結されている。これらスピーカに供
給される信号は左−右の差信号である。従って、上記相
互連結モジュール14の構成は、左サテライトスピーカ
22、右サテライトスピーカ24及び後部スピーカ26
が入力として差信号を受け取る図3Aに示された好適な
実施形態に特に適している。当業者であれば、出力ジャ
ック36a、36b、36cは相互交換(置換)可能で
あることが理解できるであろう。なぜなら、各ジャック
は実質上同一な信号を出力するからである。
【0091】相互連結モジュール14の優れた特徴の1
つは、前部中央スピーカ出力ジャック32とサブウーフ
ァ出力ジャック34が、各端子に同一の信号を出力する
同一のジャックであってもよいことである。従って、取
付の際、作業者はこのシステムをただ1つの形でしか組
み立てることができない。作業者は前部中央スピーカ2
0または後部スピーカ26用のケーブルコネクタ(図示
せず)を、出力ジャック36a、36b、36cの1つ
に接続することができない。同様に、出力ジャック36
a、36b、36cは各端子に同一の信号を供給する。
即ち、全ての同じように形成された出力(及び入力)ジ
ャックは同じ信号を供給する(受け取る)。同様に、作
業者はサテライトまたは後部スピーカ用のケーブルコネ
クタを、前部中央スピーカ出力ジャック32またはサブ
ウーファ出力ジャック34に接続することができない。
作業者はケーブルコネクタを、特定のスピーカ用に適切
な信号を出力する複数のジャックのうちの1つにしか接
続することができない。加えて、本発明の作用により、
相互連結モジュール14の構成・組立が容易になり、取
付を容易にしている。本発明の他の有利な特徴は、相互
連結モジュール14が低コスト製造を容易にする(可能
にする)標準の2、3及び4心線ケーブルに特に適合し
ていることである。なぜなら、これら部品は容易に入手
できるからである。
【0092】どのようなホームシアタサラウンドサウン
ドスピーカシステムであれ、その改良は部品数の減少に
よって達成することができる。部品数を減少する1つの
手法は、可能な箇所で部品を整理統合することである。
例えば、図1を参照すると、相互連結モジュール14と
サブウーファ18は理論的には1つの部品に統合するこ
とができる。図10は、図1のホームシアタサラウンド
サウンドスピーカシステム10の部品を上記のように整
理統合した構成(変形例)を示している。図10のホー
ムシアタサラウンドサウンドスピーカシステム(「サラ
ウンドサウンドシステム」と称することもある)10’
の構成は図1のものとほぼ同じであり、同様な部品には
同じ様な符号を付けた。図10に示されるように、テレ
ビ12は一体化した相互連結モジュールとサブウーファ
バススピーカ(一体型バスユニット)40にオーディオ
信号を出力する。一体型バスユニット40は図1の相互
連結モジュール14とサブウーファ18の双方の作用を
行う。相互連結モジュール14はサブウーファバススピ
ーカのハウジングに収容・内臓され、部品数を減少する
と共に配線を少なくし、よって、組立を容易にしてい
る。一体型バスユニット40は、前部中央スピーカ2
0、左サテライトスピーカ22、右サテライトスピーカ
24及び後部環境スピーカ26の各々に適切な信号を分
配する相互連結部を有する。一体型バスユニット40は
また、一体型バスユニット40に収容されている相互連
結回路に直接配線されたサブウーファも有する。このよ
うに、このシステムではケーブルの数が1つ少ない(相
互連結モジュールとサブウーファバススピーカとの間の
ケーブルがない)。また、独立した部品の数が1つ少な
い(相互連結モジュールが別個独立した形では設けられ
てない)。
【0093】図11は一体型バスユニット40の一例の
斜視図を示している。一体型バスユニット40は、入力
及び出力ジャックを有する相互連結モジュール42を備
えている。入力及び出力ジャックは、入ってくるオーデ
ィオ信号を受取り、左、右及び差信号を適切なスピーカ
に分配するものである。相互連結モジュール42は4心
線を介して左右のチャンネル信号を受け取るための4端
子入力ジャック44を有する。相互連結モジュール42
はまた、1つの3端子中央スピーカ出力ジャック46
と、3つの2端子出力ジャック48a、48b、48c
を有する。この相互連結モジュール42は図9の相互連
結モジュール14とほぼ同じ構成を有し、図9で説明し
た原理は図11のものにも等しく適用できる。
【0094】図12の相互連結モジュール42と図9の
相互連結モジュール14の1つの大きな違いは、相互連
結モジュール42がサブウーファバススピーカに一体的
に収容されているので、この相互連結モジュール42は
サブウーファ出力ジャックを必要としない点である(図
9の相互連結モジュール14はそれを必要とする)。左
チャンネル信号、右チャンネル信号及び共通の接地信号
は一体型サブウーファユニット40のクロスオーバーネ
ットワークへ直接供給される。
【0095】本発明の別の変形例による優れた作用効果
により、多くの典型的な消費者の視聴覚用の部屋に共通
する問題点(容易に相互連結モジュールをサテライトス
ピーカ及び後部環境スピーカへ配線接続できないこと)
が解決される。典型的にはホームシアタサラウンドサウ
ンドシステムの配線接続にあっては、部屋の側部壁や後
部壁に沿ってケーブルを設けること、または、床あるい
は床下にドリル等で孔をあけてケーブルを床下に引き込
み、その後、各スピーカの位置の所で再び床下から部屋
内にケーブルを引き上げることが必要となる。
【0096】図13に示されるように、本発明は特にワ
イヤレス式のホームシアタサラウンドサウンドスピーカ
の通信システム50に適している。テレビ(TV)51
はステレオオーディオ信号の左右のチャンネルを相互連
結モジュール52に供給する。相互連結モジュール52
は左右のチャンネル信号をそれぞれ適切なスピーカに供
給することにより、所望のシステムを構築する。図13
に示された実施形態では、相互連結モジュール52はテ
レビ51、前部中央スピーカ54及びサブウーファ70
に直接配線されている。オーディオ信号を適切なスピー
カに伝送するために、相互連結モジュール52は、オー
ディオ信号を左サテライトスピーカ64、右サテライト
スピーカ66及び後部環境スピーカ68へ伝送するトラ
ンスミッタ56を有する。上記スピーカ64、66、6
8の各々は、相互連結モジュール52のトランスミッタ
56により無線供給される出力信号を受け取るレシーバ
56’を有する。レシーバ56’は供給された信号を受
け取り、その信号を当該スピーカに適したオーディオ信
号に変換する。当業者であれば、レシーバ56’は、上
記変換された信号をスピーカへ供給する前にアンプへ出
力するように構成されてもよいことは理解できるであろ
う。
【0097】トランスミッタ56及びレシーバ56’は
好ましくは1つのチャンネルで作動する。1チャンネル
式のトランスミッタ/レシーバ構造を用いるために、相
互連結モジュール52は好ましくは1つのオーディオ信
号のみを各スピーカに出力する。このような望ましい構
成にするときに、図7のホームシアタサラウンドサウン
ドスピーカシステム300は、図13のワイヤレスサラ
ウンドサウンドシステム50を具現化するのに好ましい
実施形態である。かかる実施形態では、相互連結モジュ
ール52は能動的な信号加算及び減算(図7で説明した
もの)を行い、それぞれのスピーカへの伝送の前に差及
び和信号を生成する。この構成によれば、ワイヤレスシ
ステムを多チャンネル通信ではなく、1チャンネル通信
に制限することができる。さらに、当業者であれば、左
サテライトスピーカ320、右サテライトスピーカ32
2及び後部スピーカ318は実質上同一の差信号により
駆動することができるので、相互連結モジュール52は
1つのトランスミッタ(例えば、符号56のトランスミ
ッタ)を用いて駆動オーディオ信号を各スピーカに供給
できることは理解できるであろう。このことにより、か
なりのコストダウンが可能になる。また、当業者であれ
ば、同じように構成されたレシーバ及びトランスミッタ
を使用して、スピーカを上記した有線接続と同様にワイ
ヤレス接続することができることは理解できるであろ
う。
【0098】上記の説明から、本発明は従来技術が有す
る幾つかの問題点を解決できること及び本発明の目的を
達成できることが理解されたと思う。従って、本発明は
効果的で(効率の良い・有能な)、低コストで、取付が
簡単なホームシアタサラウンドサウンドシステムを提供
することができる。前部、後部、左、右及びバススピー
カは、ステレオ信号の左右のチャンネル信号の組み合わ
せにより作られる適切な和及び差信号の供給に応じて所
望のサウンド出力を出す。和及び差信号は所望の会話及
び環境音響を適切なスピーカから出力させる。
【0099】本発明は上記において特定の好適な実施形
態に基づいて説明されてきたが、これらに対する変形及
び改良は特許請求の範囲の精神及び範囲内においてなし
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理に従って配置されたホームシア
タサラウンドサウンドスピーカシステムのブロック図で
ある。
【図2】 図1のホームシアタサラウンドサウンドスピ
ーカシステムの第1の好適な実施形態の拡大ブロック図
である。
【図3A】 図1のホームシアタサラウンドサウンドス
ピーカシステムの第2の好適な実施形態の拡大ブロック
図であり、差信号が左右のサテライトスピーカに出力さ
れる場合を示している。
【図3B】 図1のホームシアタサラウンドサウンドス
ピーカシステムの第2の好適な実施形態の変形例の拡大
ブロック図であり、差信号を作るために引かれる信号が
引き算の前に減衰させられる(attenuated)場合を示し
ている。
【図4A】 左右のサテライトスピーカへの入力信号を
帯域幅制限するための第1次高域通過フィルタの回路図
である。
【図4B】 左右のサテライトスピーカへの入力信号を
帯域幅制限するための第2次高域通過フィルタの回路図
である。
【図5A】 シングルトランスデューサ構造を使用し
て、前部中央スピーカに左+右の和信号(L+R)を供
給するための回路図である。
【図5B】 デュアルトランスデューサ構造を使用し
て、前部中央スピーカに左+右の和信号(L+R)を供
給するための回路図である。
【図6A】 シングルボイスコイル構造とデュアルボイ
スコイル構造を使用して、ホームシアタサラウンドサウ
ンドスピーカシステムの後部スピーカへ左−右の差信号
(L−R)を供給するための回路図である。
【図6B】 シングルボイスコイル構造とデュアルボイ
スコイル構造を使用して、ホームシアタサラウンドサウ
ンドスピーカシステムの後部スピーカへ左−右の差信号
(L−R)を供給するための回路図である。
【図7】 ホームシアタサラウンドサウンドスピーカシ
ステムの第3の好適な実施形態の拡大ブロック図であ
り、左右のチャンネルの差信号及び和信号が、スピーカ
へ出力される前に能動的に生成される場合を示してい
る。
【図8】 ホームシアタサラウンドサウンドスピーカシ
ステムの第4の好適な実施形態の拡大ブロック図であ
り、モノラル信号が各スピーカへ出力される場合を示し
ている。
【図9】 ホームシアタサラウンドサウンドスピーカシ
ステムを間違いなく取り付けて操作できるようにするた
めに用いられる上記システム用の相互連結モジュールの
配線図である。
【図10】 図1のホームシアタサラウンドサウンドス
ピーカシステムの変形例を示すブロック図である。
【図11】 一体型のサブウーファバスユニットと相互
連結モジュールの斜視図(サブウーファバスユニットと
相互連結モジュールとを一体化した構成の斜視図)であ
る。
【図12】 ホームシアタサラウンドサウンドスピーカ
システムの取り付け及び操作が間違いなくできるように
するために用いられる、図11の上記システム用のサブ
ウーファバスユニットと一体化された相互連結モジュー
ルの配線図である。
【図13】 ホームシアタサラウンドサウンドスピーカ
システムをワイヤレス化した場合のブロック図である。
【符号の説明】
10 ホームシアタサラウンドサウンドスピーカシステ
ム 12 テレビ 14 相互連結モジュール 18 サブウーファ 20 前部中央スピーカ 22 左サテライトスピーカ 24 右サテライトスピーカ 26 後部環境スピーカ 28 視聴者 40 一体型バスユニット 51 テレビ 52 相互連結モジュール 54 前部中央スピーカ 56 トランスミッタ 56’レシーバ 64 左サテライトスピーカ 66 右サテライトスピーカ 68 後部環境スピーカ 70 サブウーファ 100 ホームシアタサラウンドサウンドスピーカシス
テム 102 左側サテライトスピーカ 104 右側サテライトスピーカ 106 前部中央スピーカ 108 後部スピーカ 110 サブウーファスピーカ 122 左サブウーファスピーカ 124 右サブウーファスピーカ 200 ホームシアタサラウンドサウンドスピーカシス
テム 202 左サイドスピーカ 204 右サイドスピーカ 206 中央スピーカ 208 後部スピーカ 300 ホームシアタサラウンドサウンドスピーカシス
テム 306 左チャンネル正信号 308 右チャンネル正信号 312 中央スピーカ 314 サブウーファ 318 後部スピーカ 320 左サイドスピーカ 322 右サイドスピーカ 400 ホームシアタサラウンドサウンドスピーカシス
テム 402 左サイドサテライトスピーカ 404 右サイドサテライトスピーカ 406 中央スピーカ 408 後部スピーカ 410 サブウーファスピーカ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04S 5/02 H04S 5/02 P X G10K 15/00 M (71)出願人 597111729 2757 44th Street, S. W., Suite 306, Grand Rapids, Michigan, United States of Am erica (72)発明者 ハル・ピー・グリーンバーガー アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ホ ープデール ローレルウッド・ドライブ 182 (72)発明者 ウイリアム・エフ・クラック アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ス トウ グリーゾンデール・ロード 459 (72)発明者 ジェローム・イー・ルージィッカ アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ス トウ アダムス・ドライブ 33

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーディオ信号源により生成されるモノ
    ラルオーディオ信号を再生するためのスピーカシステム
    であって、 上記モノラルオーディオ信号に応じて音響出力を出す前
    部スピーカと、 上記モノラルオーディオ信号に応じて音響出力を出す後
    部スピーカと、 左サテライトスピーカへの上記モノラルオーディオ信号
    入力をフィルタリングして、低域及び中域の音響周波数
    を実質上除去する手段と、 実質上上記フィルタリングされたモノラルオーディオ信
    号のみに応じて音響出力を出す左サテライトスピーカ
    と、 右サテライトスピーカへの上記モノラルオーディオ信号
    入力をフィルタリングして、低域及び中域の音響周波数
    を実質上除去する手段と、 実質上上記フィルタリングされたモノラルオーディオ信
    号のみに応じて音響出力を出す右サテライトスピーカ
    と、 上記モノラルオーディオ信号に応じて低周波数音響出力
    を出すバススピーカと、 からなるスピーカシステム。
  2. 【請求項2】 上記モノラルオーディオ信号を受け取
    り、各スピーカに供給する前にこれら信号を増幅するア
    ンプをさらに有する請求項1記載のスピーカシステム。
  3. 【請求項3】 上記左右のサテライトスピーカへの入力
    をフィルタリングする手段が実質的に同一の手段であ
    り、第1次フィルタをさらに有する請求項1記載のスピ
    ーカシステム。
  4. 【請求項4】 上記左右のサテライトスピーカへの入力
    をフィルタリングする手段が実質的に同一の手段であ
    り、第2次フィルタをさらに有する請求項1記載のスピ
    ーカシステム。
  5. 【請求項5】 左サテライトスピーカへ、所定のしきい
    値周波数よりほぼ大きなモノラルオーディオ信号のオー
    ディオ周波数を通過させる左高域通過フィルタと、 右サテライトスピーカへ、所定のしきい値周波数よりほ
    ぼ大きなモノラルオーディオ信号のオーディオ周波数を
    通過させる右高域通過フィルタと、 をさらに備える請求項1記載のスピーカシステム。
  6. 【請求項6】 上記左右の高域通過フィルタが実質上同
    一であり、サテライトスピーカに供給されるオーディオ
    信号の正入力端子に直列接続されるキャパシタをさらに
    備える請求項5記載のスピーカシステム。
  7. 【請求項7】 上記左右の高域通過フィルタが実質上同
    一であり、各サテライトスピーカの正端子に直列接続さ
    れるキャパシタと、各サテライトスピーカの正負端子に
    並列接続されるインダクタとをさらに備える請求項5記
    載のスピーカシステム。
  8. 【請求項8】 オーディオ信号源により生成されるステ
    レオオーディオ信号を再生するためのスピーカシステム
    であって、 (L+R)入力信号に応じて音響出力を出す前部スピー
    カと、 左右のチャンネル信号の差により決定される入力信号に
    応じて音響出力を出す後部スピーカと、 左右の信号の差により決定される可変差信号((L−β
    R)または(R−βL))を形成する手段と、 左サテライトスピーカへの上記可変差信号入力をフィル
    タリングして、低域及び中域の音響周波数を実質上除去
    する手段と、 実質上上記可変差信号のみに応じて音響出力を出す左サ
    テライトスピーカと、 右サテライトスピーカへの上記可変差信号入力をフィル
    タリングして、低域及び中域の音響周波数を実質上除去
    する手段と、 実質上上記可変差信号のみに応じて音響出力を出す右サ
    テライトスピーカと、 (L+R)入力信号に応じて低周波数音響出力を出すバ
    ススピーカと、 からなるスピーカシステム。尚、Lはステレオ信号の左
    チャンネル信号、Rはステレオ信号の右チャンネル信
    号、βはそれぞれの信号のゲインファクタを示す。
  9. 【請求項9】 上記可変差信号の引き算された左右のチ
    ャンネルのステレオオーディオ信号を受け取って減衰す
    るアンプを少なくとも1つさらに有する請求項8記載の
    スピーカシステム。尚、アンプゲインβは0から1まで
    の間で変化する値を有する。
  10. 【請求項10】 上記左サテライトスピーカが(L−β
    R)または(R−βL)の一方により決定される第1可
    変差信号を受け取り、上記右サテライトスピーカが(L
    −βR)または(R−βL)の他方により決定される可
    変差信号を受け取る請求項8記載のスピーカシステム。
  11. 【請求項11】 上記左右のサテライトスピーカへの入
    力をフィルタリングする手段が実質的に同一の手段であ
    り、第1次フィルタをさらに有する請求項8記載のスピ
    ーカシステム。
  12. 【請求項12】 上記左右のサテライトスピーカへの入
    力をフィルタリングする手段が実質的に同一の手段であ
    り、第2次フィルタをさらに有する請求項8記載のスピ
    ーカシステム。
  13. 【請求項13】 上記左サテライトスピーカへの可変差
    信号入力をフィルタリングする左高域通過フィルタと、 上記右サテライトスピーカへの可変差信号入力をフィル
    タリングする右高域通過フィルタと、 をさらに備える請求項8記載のスピーカシステム。
  14. 【請求項14】 上記βは0から1までの間で変化する
    請求項8記載のスピーカシステム。
  15. 【請求項15】 オーディオ信号源により生成され、ビ
    デオ信号を伴うステレオオーディオ信号を再生するため
    のスピーカシステムであって、 L及びR入力信号に基づいて和信号(R+L)及び差信
    号((R−β1 L)または(L−β2 R))を生成出力
    する信号再処理器と、 上記和出力信号に応じて音響出力を出す第1スピーカ
    と、 上記差出力信号をフィルタリングして、低域及び中域の
    音響周波数を実質上除去する第1手段と、 実質上上記第1のフィルタリングされた差出力信号のみ
    に応じて音響出力を出す第2スピーカと、 上記差出力信号をフィルタリングして、低域及び中域の
    音響周波数を実質上除去する第2手段と、 実質上上記第2のフィルタリングされた差出力信号のみ
    に応じて音響出力を出す第3スピーカと、 上記差出力信号に応じて音響出力を出す第4スピーカ
    と、 からなるスピーカシステム。尚、Lはステレオ信号の左
    チャンネル信号、Rはステレオ信号の右チャンネル信
    号、β1 及びβ2 はそれぞれ引き算された信号のゲイン
    を示す。
  16. 【請求項16】 上記和出力信号に応じて低周波数音響
    出力を出す第5スピーカをさらに有する請求項15記載
    のスピーカシステム。
  17. 【請求項17】 それぞれゲインβ1 及びβ2 を有し、
    それぞれ左右のチャンネル入力信号を受取って増幅し、
    それぞれ引き算の前にβ1 L信号及びβ2 R信号を生成
    して差信号を作る一対のアンプをさらに有する請求項1
    5記載のスピーカシステム。
  18. 【請求項18】 上記β1 とβ2 が等しい請求項15記
    載のスピーカシステム。
  19. 【請求項19】 上記β1 とβ2 が0と1の間で変化す
    る請求項18記載のスピーカシステム。
  20. 【請求項20】 上記β1 とβ2 の各々が独立して変化
    する請求項15記載のスピーカシステム。
  21. 【請求項21】 上記第1及び第2のフィルタリング手
    段が実質的に同一の手段であり、第1次フィルタをさら
    に有する請求項15記載のスピーカシステム。
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