JPH1143805A - パンティストッキング - Google Patents

パンティストッキング

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JPH1143805A
JPH1143805A JP20043897A JP20043897A JPH1143805A JP H1143805 A JPH1143805 A JP H1143805A JP 20043897 A JP20043897 A JP 20043897A JP 20043897 A JP20043897 A JP 20043897A JP H1143805 A JPH1143805 A JP H1143805A
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JP
Japan
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stitch
same
pantyhose
knitted
leg
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Application number
JP20043897A
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English (en)
Inventor
Satoshi Hiraga
平賀  敏
Eiji Sato
栄二 佐藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浮腫や疲れの予防効果が得られるパンストの
提供。 【解決手段】 カバリング弾性糸を用いたパンストの脚
部の少なくとも一部に、脚部の長さ方向において同一コ
ース内が同一編目長で編成された部分に挟まれて同一コ
ース内が2種以上の異なる編目長で編成された部分が2
箇所以上連続して存在し、かつ、同一コース内が同一編
目長で編成された部分が1〜40コースである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパンティストッキン
グ、詳しくは脚部のウエル方向、すなわち脚部周方向に
着圧差を設けた脚部の浮腫や疲れを予防するパンティス
トッキング(以下、パンストという)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、脚部を構成する原糸がポリウレタ
ン弾性糸を芯糸にしそのまわりにポリアミドなどの非弾
性糸を巻き付けたカバリング弾性糸を用いるフィットタ
イプのパンストがフィット性の良さからパンストの主流
となっている。このフィットタイプのパンストは、脚各
部位に応じた締め付け力の付与を行うことにより、脚各
部位のフィット性の向上が試みられている。さらに、締
め付け力を上げることで脚部の浮腫や疲れを予防するこ
とを目的とした商品も展開されている。
【0003】また、このような締め付け力を上げたパン
ストは、欧州等の諸外国においては静脈瘤の予防や治療
等、フットケア分野で利用されている。ところで、パン
ストの脚各部位への締め付け力は、その脚部位に相当す
るパンスト部位のパンスト編地の伸長率により決定され
る。ここでパンスト編地の伸長率は、パンストを構成す
る糸の種類、デニールなど糸の要因、編組織要因により
決定されるが、その足部位において、パンスト編地が、
同一糸使い、同一編組織の場合は、パンスト編地の編目
長によって決定される。
【0004】従来、パンストの脚各部位に応じた締め付
け力は、その脚部位において、パンスト編地が、同一糸
使い、同一編組織の場合、脚の各部位に応じて、パンス
ト丸編機の編針の引き込み深さを表す度目を変え、パン
スト編地の編目長が変化するよう編成を行う、いわゆる
ファッショニングにより付与されている。例えば、一般
のパンストは、太股部、ふくらはぎ部、アンクル部など
脚部長さ方向(コース方向)の部位において、太股部で
締め付け力が最も弱く、太股部、ふくらはぎ部、アンク
ル部の順に締め付け力が強くなるよう、編目長を変化さ
せて、編成されている。
【0005】さらには、太股部、ふくらはぎ部、アンク
ル部以上に、脚の部位を細分割して締め付け力に強弱を
付けたパンストも、商品化されている。これらは、その
部位の分割が、いずれも足長方向(コース方向)の輪切
り部位に限られており、各部位内における、脚部周方向
(ウエル方向)の編目は同一の編目長であり、同一の締
め付け力であった。
【0006】しかしながら、脚部周方向(ウエル方向)
の編目が同一の編目長で同一の締め付け力で脚部を締め
付ける場合、締め付け力が高いと皮膚表面の血流を阻害
する可能性があり、かえって疲れや浮腫を生じる可能性
が高いのが現状あった。皮膚表面の血流を阻害すること
無く、十分な締め付け力を得るには、脚部周方向(ウエ
ル方向)に着圧差を生じさせることが必要である。これ
は、着圧差を生じさせることで、低着圧部で皮膚表面の
血流を逃がし、高着圧部で締め付けることにより、皮膚
表面の血流を阻害すること無く、十分な締め付け力が得
られるからである。このためには、例えば、伸長率の違
う編地を縫い合わせる方法があるが、パンストのような
生地厚みが薄く、外観上透明感、見栄えを重視する商品
では、縫製部の強度面、見栄え面から問題がある。
【0007】また、脚部周方向(ウエル方向)に着圧差
を生じさせるためには、特開平9−78307号公報、
及び特開平9−78308号公報に記載されるように同
一コース内で伸長率の違うループ、すなわち編目長の異
なるループを存在させてもよいが、編目長の違う部分を
適当に配置するだけでは、着圧差が小さく、皮膚表面の
血流を阻害することなく、脚部の筋ポンプ作用を補助
し、浮腫や疲れ、ひいては静脈瘤等の脚部の障害を予防
するようなパンストは得られない。
【0008】ここで脚部の筋ポンプ作用というのは、脚
部の静脈血を心臓に戻すための補助機能であり、筋肉の
収縮を利用し、血管を圧迫することで補助を行う。脚部
の静脈血を心臓に戻すためには、重力に逆行するため血
圧だけでは不十分である。このため、長時間の立ち作業
等を行うと、脚部、特に下腿部、すなわちふくらはぎ以
下の脚部に浮腫が生じることがある。筋ポンプ作用とい
うのは、これを防ぐための上記作用である。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膚表面
の血流を阻害することなく、脚部の筋ポンプ作用を補助
し、浮腫や疲れ、ひいては静脈瘤等の脚部の障害を予防
するようなパンストを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記従来技
術の欠点を克服するため鋭意検討した結果、皮膚表面血
流を阻害せず、脚部筋ポンプの作用を補助するために
は、脚部周方向(ウエル方向)において着圧差を設け、
低着圧部で皮膚表面血流を逃がし、高着圧部で脚部筋ポ
ンプ作用を補助することが有効であり、同一編目長で編
成された部分と2種以上の異なる編目長を有する部分と
の位置関係、有効な着圧及び着圧差について検討し、皮
膚表面の血流を阻害することなく、脚部の筋ポンプ作用
を補助できるような効果が得られることを見出し、本発
明に到達した。
【0011】すなわち、本発明は、ポリウレタン弾性糸
を芯糸にし、そのまわりに非弾性糸を巻き付けたカバリ
ング弾性糸を用いたパンティストッキングであって、脚
部の少なくとも一部に、同一コース内が同一編目長で編
成された1〜40コースの部分に挟まれた同一コース内
が2種以上の異なる編目長で編成された部分が脚部の長
さ方向に少なくとも2箇所以上連続して存在しているこ
とを特徴とするパンティストッキングであり、好ましく
は、同一コース内が2種以上の異なる編目長で編成され
た部分に隣接する同一コース内が同一編目長で編成され
た部分1〜40コース内における最大編目長をAmax、
最小編目長をAminとした時にAmax/Aminが1.05
以上であることを特徴とするパンティストッキングであ
り、また好ましくは、同一コース内が同一編目長で編成
された1〜40コースの部分及びこれらに挟まれた同一
コース内が2種以上の異なる編目長で編成された部分内
の最大着圧をPmax、最小着圧をPminとした時に、Pma
xが20mmHg以上で、PmaxとPminとの差が10mmHg以
上であることを特徴とするパンティストッキングであ
る。
【0012】以下、本発明について説明する。本発明に
おける脚部とは、パンストを実着用した状態にあって、
足にあたる部分、いわゆる太股(レッグ)、ふくらはぎ
(カーフ)、足首(アンクル)、つま先(トウ)のいず
れかを指すものである。本発明における編目長とはひと
つの編目を形成するのに必要な長さを意味し、本発明に
よるパンスト編地の一実施例のモデルループ図である図
1において、斜線で示したようにニードルループとシン
カーループの和で表す。
【0013】本発明のパンストには、着圧差を設けるた
めに同一コース内が2種以上の異なる編目長で編成され
た部分が必要である。パンストの脚各部位への締め付け
力は、パンスト編地の伸長率で決定されるため、パンス
ト編地が同一糸使い、同一編組織の場合、パンスト編地
の編目長によって決定され、同一コース内に2種以上の
異なる編目長で編成することで脚部周方向に締め付け
力、すなわち着圧の違うパンストを得ることが可能であ
る。
【0014】本発明のパンストは上記構造に加え、同一
コース内が同一編目長で編成された部分に挟まれた同一
コース内が2種以上の異なる編目長で編成された部分が
少なくとも2箇所以上連続して存在する構造が必要であ
る。これは、同一コース内が同一編目長で編成された部
分、同一コース内が2種以上の異なる編目長で編成され
た部分、同一コース内が同一編目長で編成された部分が
少なくとも2箇所存在する構造を意味する。
【0015】これは、同一コース内が2種以上の異なる
編目長で編成された部分で生じる着圧差を同一コース内
が同一編目長で編成された部分で挟み、拘束することに
より、着圧差を拡大させ、皮膚表面の血流を逃がしつ
つ、脚部の筋ポンプ作用を補助するために必要な構造で
ある。同一コース内に編目長の違うループが存在する
と、ループの伸張率が異なるため着圧差が生じるが、実
際の着用の場合、編目長の短いループは伸張しづらいた
め、必要以上に編目長の長いループが伸張され、結果と
して編目長が大きい部分の着圧は高くなり、編目長の短
い部分の着圧が低くなり、全体として脚部周方向で着圧
が均一化される傾向となり、差圧差が生じにくくなる。
【0016】着用の仕方を工夫することによって、編目
長の短い部分を積極的に伸張して着用すれば、本来の編
目長の長短に基づく着圧差が生じるが、短い編目長部分
の収縮力が高いため、歩行等の運動によりズレが生じ、
結果として編目長の長いループが伸張され、上記と同様
の現象となり、着圧差が生じにくくなる。しかるに、同
一編目長で編成された部分で2種以上の編目長で編成さ
れた部分を挟むと、同一編目長で編成された部分で2種
以上の編目長で編成された部分が拘束されるため、編目
長の長いループの必要以上の伸張が抑制され、各部分の
伸張率が本来のループの伸張率に近づくため、着圧差が
拡大するのである。
【0017】また、この場合の同一コース内が2種以上
の異なる編目長で編成された部分は、1コース以上、好
ましくは20コース以上600コース以下、さらに好ま
しくは50コース以上300コース以下で連続して存在
する部分をいう。同一コース内が2種以上の異なる編目
長で編成された部分が600コースを越えると同一コー
ス内が同一編目長で編成された部分が拘束点としての役
割を十分に果たし得ず、従って着圧差が不充分となり、
皮膚表面の血流を阻害することなく脚部の筋ポンプ作用
を補助する効果が得られない。
【0018】また、本発明のパンストは、前述の同一コ
ース内が2種以上の異なる編目長で編成された部分を挟
んでいる同一コース内が同一編目長で編成された部分が
1〜40コースであることを特徴とする。拘束点として
存在する同一コース内が同一編目長で編成された部分が
40コースを越えると通常のパンストと同様に脚部周方
向を均一に締め付け皮膚表面の血流を阻害し、目的とす
る効果が得られない。
【0019】さらに、同一コース内が2種以上の異なる
編目長で編成された部分において、同一コース内におけ
る異なる編目長の比、すなわち最も短い編目長と最も長
い編目長の比が1.05以上であることが望ましい。一
般に、パンストの脚各部位への締め付け力は、パンスト
を構成する糸の種類、デニールなど糸の要因、編組織要
因が除かれた同一糸使い、同一編組織であるならば、編
目長によって決定される。したがって、同一コース内の
全ての編目が同一編目長である従来のパンストの締め付
け力は、脚部周方向に同一であり、編目長が長いほどそ
の締め付け力は小さくなる。
【0020】それに対して、本発明のパンストの場合、
パンストの脚部位への締め付け力は、同一コース内の2
種以上の異なる編目長を持つ各々の編目部分について異
なり、その締め付け力は、各々の編目部分の編目長と編
目数によって決定される。例えば、同一コース内が2種
以上の異なる編目長で編成された部分において、編目長
が長い編目部分の着圧は編目長が短い編目部分に比べ低
く、両者の着圧差はその編目長の差により決定され、編
目長の差が大きいほど着圧差は大きくなる。両者の編目
長の差は、編目長が短い方の編み目長を1としたとき、
1より大きければ着圧差が生じることになる。
【0021】ただし、測定値として着圧差がとらえられ
るには、編目長の比が1:1.05以上、着用時に人体
が着圧差を感じ、ひいては疲れにくい等の効果の違いが
感じられるには、1:1.1以上の編目長比の差が好ま
しく、これ未満であると着圧差は生じるものの若干小さ
くなる。さらに、同一コース内が2種以上の異なる編目
長を有する編目部分における編目長の違いにより生じる
着圧差の人体脚部への配置は特に限定はされないが、皮
膚表面の血流を阻害せず、筋ポンプを有効に作用させる
べく配置することが望ましい。
【0022】すなわち、脚部の場合、一般的に脚部前面
を低着圧(長い編目長で編成された部分)に、脚部後面
の筋肉が存在する部分を高着圧(短い編目長で編成され
た部分)にすることが望ましい。例えば、ふくらはぎ部
においては、前面に着圧の低い部分(長い編目長で編成
された部分)を、後面に着圧の高い部分(短い編目長で
編成された部分)を配置することで、前面のすね部で皮
膚表面血流を逃がし、後面のふくらはぎ部で筋ポンプの
作用を補助できる。
【0023】同一コース内が2種以上の異なる編目長で
編成された部分において同一コース内で最も短い編目長
を有するループ以外のループは、この部分における連続
するコース方向で菱形、または三角形に配置することが
好ましい。ここでいう菱形とは四角形の頂点を結ぶ2本
の線の内、1本がウエル方向と平行である菱形をいい、
三角形とは1辺がウエル方向と平行である三角形をい
う。
【0024】同一コース内で最も短い編目長を有するル
ープ以外のループを菱形、または三角形に配置するとそ
のコース方向の頂点や底辺に隣接して存在する同一コー
ス内が同一編目長で編成された部分での拘束力が増し、
着圧差が生じやすくなるためである。本発明のパンスト
は、同一コース内が2種以上の異なる編目長で編成され
た部分に隣接する同一コース内が同一編目長で編成され
た1〜40コースの部分における最大編目長をAmax、
最小編目長をAminとした時にAmax/Aminが1.05
以上であることが好ましく、1.1以上であると更に好
ましい。これは着圧差を大きく設けるためである。
【0025】Amax、Aminの編目長を有するループの配
置については、2種以上の異なる編目長で編成された部
分で編目長の長いループ数の多いコースに隣接する同一
編目長で編成された部分がAmaxであることが好まし
く、2種以上の異なる編目長で編成された部分で編目長
の長いループ数の少ないコースに隣接する同一編目長の
部分がAminであることが好ましい。
【0026】これは、編目長の長いループ数の多いコー
スでは、伸張率が大きいため低着圧となるが、これを更
に助長するするには隣接する同一編目長の部分がAmax
であることが好ましく、編目長の長いループ数の少ない
コースでは編目長の長いループの多いコースに比べて伸
張率が小さくなり高着圧となるため、これを更に助長す
るには隣接する同一編目長の部分がAminであることが
好ましい。
【0027】また、本発明のパンストは、同一コース内
が同一編目長で編成された1〜40コースの部分及びこ
れらに挟まれた同一コース内が2種以上の異なる編目長
で編成された部分内の最大着圧をPmax、最小着圧をPm
inとした時に、Pmaxが20mmHg以上で、PmaxとPmin
との差が10mmHg以上であることが好ましい。ここで、
着圧Pmax、Pminの測定は以下の方法で実施する。
【0028】パンストの脚部を80cmに伸長し、10
cm毎にマークする。もし、伸長しない状態でのパンス
トの脚部の長さが80cm以上の場合は脚部の長さを8
等分し、それぞれの位置にマークする。直径10cm、
厚さ5mmのアクリル製の円筒にパンストをマーク間が
10cmになるように伸長状態でセットし、編目長を肉
眼で確認し、同一コース内が2種以上の異なる編目長で
編成された部分、及びそれに隣接する同一コース内が同
一編目長で編成された1〜40コースの部分において、
エアパック方式の着圧計(エイエムアイ社製衣服圧測定
器、型式3037)を用い、最大着圧Pmax、最小着圧
Pminを測定する。
【0029】80cmに伸長するのは、標準体型人体お
よびM寸マネキンのつま先から股部のパンストを着用し
た際の伸長値に相当することによる。直径10cmの円
周は標準体型人体のふくらはぎ部の周長に相当する。ま
ず、測定で得られた最大着圧Pmaxが20mmHg以上
であることは、脚部の浮腫や疲れ、静脈瘤の予防や治療
等には十分な締め付け力で、脚部の筋ポンプを補助する
ことが必要である。20mmHg未満の着圧では締め付
け力が不十分で脚部の筋ポンプの補助効果が減少し、浮
腫や疲れ、静脈瘤の予防や治療等の効果が得られ難い。
【0030】また、着圧差、すなわち測定で得られた最
大着圧Pmax、最小着圧Pminとの差が10mmHg以上
であることは、皮膚表面の血流を逃がすために必要であ
る。10mmHg未満の着圧差であると、全体が均一に
締め付けられる従来の製品のように皮膚表面の血流が全
体の着圧が高いために阻害されるか、全体の着圧が低い
ために筋ポンプの補助効果が減少し、浮腫や疲れ、静脈
瘤の予防や治療等の効果が得られ難い。
【0031】最大着圧Pmaxを20mmHg以上にする
ためには、特に限定されないが、例えば同一コース内が
2種以上の異なる編目長を持つコースにおける最小の編
目長を小さくするか、ポリウレタン弾性繊維のパワーの
強いもの、太いデニール、例えば40デニール以上のも
を使用してもよい。また、脚部周方向に着圧の違いを生
じさせる部分は、特に限定はされないが、上記の条件を
満足すれば脚部全体に配置させる必要はなく、必要な部
分、例えばふくらはぎや土踏まず等で部分的に実施して
もよい。
【0032】パンスト内において最大着圧Pmaxを発現
する場所については、同一コース内が2種以上の異なる
編目長で編成された部分内の編目長の短いループ部分も
しくは同一コース内が同一編目長で編成された編目長の
短いループ部分が好ましく、同一コース内が2種以上の
異なる編目長で編成された部分内の編目長の短いループ
部分のみが最大着圧Pmaxを発現する場合が更に好まし
い。また、最小着圧Pminについては、同一コース内が
2種以上の異なる編目長で編成された部分中の編目長の
長いループ部分が好ましい。
【0033】前述した本発明におけるパンストの全体的
な着圧分布を規制するファッショニングは特に限定はさ
れないが、太股部は編目長を長く編み着圧を低く、ふく
らはぎ部、すなわち、くるぶしから膝下までの部分は編
目長を短く編み着圧を高くすることが好ましい。太股部
を必要以上に締め付けると脚部全体の血流を阻害する可
能性が高い。
【0034】本発明のパンストは、現在、編成カムの上
下動で同一コース内で編目長を変え得る装置が備えられ
た丸編機を用いて製造される。一般的な丸編機は、その
軸を中心に回転運動を行う円筒(シリンダー)に、縦の
溝が複数彫られ、この溝の各々の中に針が1本ずつセッ
トされており、その針が溝に沿って動く仕組みになって
いる。この針の1本、1本にはシリンダーに対して放射
状に突起部(バット)が少なくとも1個ついており、こ
のバットが針の横に設けられた複数のカムによって形成
される上昇、下降の走行路に沿って走行することによ
り、針が上下する。糸が供給される箇所において針が上
昇したとき、供給された糸が針にキャッチされ、針が下
降したとき、キャッチされた糸が先に形成された前コー
スの編目を抜けることで新しい編目が形成される。
【0035】糸が供給される箇所に在るカムは、糸の供
給箇所の上手にあって、糸案内装置によって供給される
糸を針がキャッチできる高さまで針を上昇させるカム
と、糸の供給箇所の下手にあって、糸をキャッチした後
の針を下げて先に形成された前コースの編目を抜けて新
しい編目を形成する針下げカムとの一対のカムから成
る。
【0036】一般にパンスト用丸編機にて行われる、コ
ース方向に編針の引き込み深さである度目を変えて編成
を行う、いわゆるファッショニングはこの一対のカムに
対してシリンダー、すなわち針全体をを軸方向に移動さ
せることで編針の引き込み深さを変えることによって行
われる。それに対して、本発明のパンストは、上記の針
下げカムが同一コース内で任意に移動する丸編機より得
られ、同一コース内において1回以上、針下げカムが移
動することにより、針下げカムの元の位置と、1回以上
移動した位置においてそのカム上を針が通過する間、針
下げカムが移動した距離(一般に1.00mm以下)に
応じた編目長を持つ編目部分が形成されることで得られ
る。したがって、針下げカムが移動した位置で、そのカ
ムを針が通過する時間をコントロールすることで、1ウ
エル以上、編機針本数未満のウエル数の任意のウエル間
で、針下げカムの移動する距離に応じた編目長を持つ編
目部分を設定できる。また同一コース内において針下げ
カムの移動、元の位置に戻すことは任意に行うことが可
能であるため、同一コース内に、2種以上の異なる編目
長を持つ編目部分をそれぞれ単独であったり、交互に繰
り返したり、任意に設けることができる。
【0037】また、針下げカムは、シリンダーとは個別
に作動するため、ファッショニングが行われていても、
その各々のコースの度目に応じた編目の編目長に対し、
針下げカムの移動する距離を設定することが可能であ
り、同一コース内に任意の異なる編目長を持つ編目部分
を設けることができる。以上から、1ウエル以上、編機
針本数未満の任意ウエル数の異なる編目長を持つ編目部
分を、任意コース数編成することにより、コース、ウエ
ル方向に異なる編目長を持つ任意編目範囲を作ることが
できる。
【0038】編目長は、針下げカムの移動する距離に応
じて決定されるが、針下げカムが針頭に対して下方位置
に移動したとき、その距離に応じて、針下げカムが移動
する前の元の位置にて編成された同一コース内の編目に
比較して、編目長の長い編目部分が得られる。編機は、
同一コース内で編目長を変える装置が備えられた丸編機
であれば、特に限定するものではないが、パンストの場
合は、針本数は300本から600本、釜径(釜の直
径)は3inchから5inchが好ましい。
【0039】本発明で脚部に用いる編組織は、ニット、
タック、ウェルトの組み合わせで編成される組織であっ
て、特に限定されない。着圧差を設けた同一コース内の
編目部分、もしくはコース、ウエル両方向の任意編目範
囲の糸使い、編組織も特に限定されないが、同一糸使
い、同一編組織においても着圧差を設けることができる
ことが本発明の利点の一つであるから、同一糸使い、同
一編組織であることが好ましい。
【0040】本発明で脚部に用いる糸の構成、糸の種
類、デニールについては、糸の構成が、そのフィット力
から、本発明の目的である、脚部周方向の着圧差、すな
わち、締め付け力の違いがより一層明確になることか
ら、ポリウレタン弾性糸を芯糸にし、そのまわりに非弾
性糸を巻き付けた、カバリング弾性糸を編成糸に用いた
フィットタイプであること以外は、特に限定されるもの
ではない。なお、カバリング弾性糸は、ポリウレタン弾
性糸を芯糸に、そのまわりに非弾性糸を一重にカバリン
グしてあるシングルカバリング弾性糸、そのまわりに非
弾性糸を二重にカバリングしてあるダブルカバリング弾
性糸のどちらでも良い。
【0041】フィットタイプは、カバリング弾性糸と、
とも糸であるポリアミドなどのフィラメント糸を交互編
成してなる交編パンスト、カバリング弾性糸100%か
らなるゾッキパンストなどが主流であるが、いずれの場
合も、弾性繊維としては3デニール〜240デニール、
効果を得るに十分な着圧を得るために好ましくは40デ
ニールから140デニールのポリウレタン繊維が用いら
れ、カバリング糸には、3デニール〜70デニール、好
ましくは、5デニールから50デニールのポリアミド繊
維やポリエステル繊維、天然もしくは再生セルロース繊
維などのフィラメント糸やウーリー加工糸などの捲縮
糸、混繊糸、紡績糸が用いられる。交編パンストの場
合、とも糸の素材、デニールも特に限定されないが、3
デニールから150デニール、好ましくは、5デニール
から100デニールのポリアミド繊維、ポリエステル繊
維、天然もしくは再生セルロース繊維などのフィラメン
ト糸やウーリー加工糸などの捲縮糸、混繊糸、紡績糸が
用いられる。
【0042】以上の通り、本発明は、脚部長さ方向での
適正着圧に加え、脚部周方向に着圧差を設け、人体脚部
への配置位置を適正化することで皮膚表面の血流を阻害
すること無く、筋ポンプの補助を行い、疲労軽減、浮腫
軽減、ひいては静脈瘤の予防に有効なパンストを提供で
きる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、実施例および比較例を用い
て本発明を具体的に説明する。なお、得られた製品の評
価は次の方法で行った。 (着圧測定)パンストの脚部を80cmに伸長し、10
cmづつマークする。もし、伸長しない状態でのパンス
トの脚部の長さが80cm以上の場合は脚部の長さを8
等分し、それぞれの位置にマークする。
【0044】直径10cm、厚さ5mmのアクリル製の
円筒にパンストを、マーク間が10cmになるように伸
長状態でセットした。編目長の違いから着圧差が生じる
ものについては、編目長を肉眼で確認し、同一コース内
が2種以上の異なる編目長で編成された部分、及びそれ
に隣接する同一コース内が同一編目長で編成された1〜
40コースの部分において、エアパック方式の着圧計
(エイエムアイ社製衣服圧測定器、型式3037)を用
い、最大着圧Pmax、最小着圧Pminを測定する。 (官能評価)着用者が実際に着用を行い静止時、運動時
(5分間の踏み台昇降を1分間の休憩をはさんで3回繰
り返し)におけるフィット感、着用快適感、運動終了後
の疲労感について官能テストを行った。
【0045】パネラーは10名とし、各項目について5
段階評価を行った。フィット感、着用快適感について
は、「非常に良好」を5、「良好」を4、「どちらとも
いえない」を3、「やや不良」を2、「不良」を1、疲
労感については、「疲れを感じさせない」を5、「疲れ
を感じさせにくい」を4、「どちらでもない」を3、
「疲れを感じさせやすい」を2、「疲れを感じさせる」
を1とし、10名の平均を評価値とした。
【0046】なお、着用に際しては、編目長の違いから
低着圧になる部分を脚部前面に、高着圧になる部分を脚
部後面にするように着用した。着圧差が生じないないも
のについては着用時の方向性は規定しなかった。
【0047】
【実施例1〜6】40デニールのポリウレタン弾性糸を
3.2倍に伸長しつつ、カバリング糸として、8デニー
ル、4フィラメントのナイロン66糸を用いて通常のカ
バリング機で下撚数2100T/M、上撚数1700T
/Mでダブルカバードヤーンを得た。このダブルカバー
ドヤーンを用いて、針本数400本、釜径4inch
の、針下げカムが任意に移動するパンスト用丸編機に
て、天竺組織にて脚部を編成し、パンストを作成した。
なお、度目は、標準サイズのパンストのファッショニン
グに設定した。脚部長さ方向全部位において針本数40
0本の内、表1〜2に示すように針下げカムを、同コー
スの他の位置に対して0.6mm下げて編成し、実施例
1〜6のパンストとした。その後、通常の方法で染色、
仕上げ、型板セットして、製品とした。
【0048】得られた製品性能結果を表5に示す。
【0049】
【実施例7〜9】70デニールのポリウレタン弾性糸を
3.9倍に伸長しつつ、カバリング糸として、14デニ
ール、5フィラメントのナイロン66糸を用いて通常の
カバリング機で下撚数2000T/M、上撚数1700
T/Mでダブルカバードヤーンを得た。このダブルカバ
ードヤーンを用いた以外は実施例1と同様の方法でパン
ストを作成し、評価した。針下げカムの方法を表3に、
得られた製品性能結果を表5に示す。
【0050】
【比較例1】足部全部位において針下げカムを通常位置
として編成した以外は、実施例1と同様の方法でパンス
トを作成し、評価した。針下げカムの方法を表4に、得
られた製品性能結果を表5に示す。
【0051】
【比較例2】針下げカムを0.6mm下げて編成を行う
針下げカム下げ範囲を、脚部長さ方向、全コースにわた
り、針本数400本の内200ウエル間実施し、残りの
200ウエルを通常の度目で編成した以外は実施例1と
同様の方法でパンストを作成し、評価した。針下げカム
の方法を表4に、得られた製品性能結果を表5に示す。
【0052】
【比較例3】15デニールのポリウレタン弾性糸を2.
8倍に伸長しつつ、カバリング糸として、10デニー
ル、4フィラメントのナイロン66糸を用いて通常のカ
バリング機で撚数1600T/Mでシングルカバードヤ
ーンを得た。このシングルカバードヤーンを用いた以外
は実施例1と同様の方法でパンストを作成し、評価し
た。針下げカムの方法を表4に、得られた製品性能結果
を表5に示す。
【0053】着圧の測定、及び着用評価結果から明らか
なように、本発明は、筋ポンプを補助出来るふくらはぎ
部の高着圧部が存在し、脚部周方向で着圧差を設け、脚
部前面を低圧側に、後面を高圧側にして着用すること
で、運動をしやすく、かつ、脚部の血流を阻害させない
ため、運動終了時に疲れにくいという特徴が見られた。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】
【発明の効果】本発明のパンティストッキングは、脚部
長さ方向に加え、脚部周方向に着圧差を設け、人体脚部
への配置位置を適正化することで皮膚表面の血流を阻害
すること無く、筋ポンプの補助を行い、疲労軽減、浮腫
軽減、ひいては静脈瘤の予防に極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパンスト編地の一実施例のモデル
ループ図である。本発明で言う編目長を斜線で示す。
【符号の説明】
1:脚部長さ方向(コース方向) 2:脚部周方向(ウエル方向)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン弾性糸を芯糸にし、そのま
    わりに非弾性糸を巻き付けたカバリング弾性糸を用いた
    パンティストッキングであって、脚部の少なくとも一部
    に、同一コース内が同一編目長で編成された1〜40コ
    ースの部分に挟まれた同一コース内が2種以上の異なる
    編目長で編成された部分が脚部の長さ方向に少なくとも
    2箇所以上連続して存在していることを特徴とするパン
    ティストッキング。
  2. 【請求項2】 同一コース内が2種以上の異なる編目長
    で編成された部分に隣接する同一コース内が同一編目長
    で編成された部分1〜40コース内における最大編目長
    をAmax、最小編目長をAminとした時にAmax/Aminが
    1.05以上であることを特徴とする請求項1記載のパ
    ンティストッキング。
  3. 【請求項3】 同一コース内が同一編目長で編成された
    1〜40コースの部分及びこれらに挟まれた同一コース
    内が2種以上の異なる編目長で編成された部分内の最大
    着圧をPmax、最小着圧をPminとした時に、Pmaxが2
    0mmHg以上で、PmaxとPminとの差が10mmHg以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載のパンティストッキン
    グ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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