JPH1138346A - 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ - Google Patents

動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ

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JPH1138346A
JPH1138346A JP9207105A JP20710597A JPH1138346A JP H1138346 A JPH1138346 A JP H1138346A JP 9207105 A JP9207105 A JP 9207105A JP 20710597 A JP20710597 A JP 20710597A JP H1138346 A JPH1138346 A JP H1138346A
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shaft
yoke plate
dynamic pressure
bearing
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Yukio Itami
幸男 伊丹
Mitsuo Suzuki
光夫 鈴木
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2380/00Electrical apparatus
    • F16C2380/26Dynamo-electric machines or combinations therewith, e.g. electro-motors and generators

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  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Brushless Motors (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は動圧空気と磁気力を利用し超高速回転
を可能とした高信頼性の小型で安価な動圧空気軸受型ポ
リゴンスキャナを提供する。 【解決手段】動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30は、
中空回転軸38の中空部内に固定軸33が挿入され、面
対向型モータ52により中空回転軸38が回転されると
発生する空気の動圧により固定軸33が中空回転軸38
を径方向に支持し、中空回転軸38の上端側のミラー押
さえ40に固定され軸方向に着磁された円柱状永久磁石
の吸引型磁気軸受回転部43が固定軸33の上端凹部3
3c内に埋設されたリング状の吸引型磁気軸受固定部3
4に挿入されたアキシャル軸受により固定軸33が中空
回転軸38を軸方向に浮上支持する。吸引型磁気軸受固
定部34は軸方向に2極に着磁されたリング状の永久磁
石35と永久磁石35を挟んで上下に配設された1対の
リング状第1及び第2固定ヨーク板36、37で形成さ
れ、第1及び第2固定ヨーク36、37はその中心円が
永久磁石35の中心円よりも小さくかつ中空回転軸38
の軸中心と一致する状態で形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧空気軸受型ポ
リゴンスキャナに関し、詳細には、ラジアル動圧空気軸
受と吸引型アキシャル磁気軸受を利用した動圧空気軸受
型ポリゴンスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル複写機やレーザープリンタ等
のレーザー書込系を用いた電子写真方式の記録装置は、
その印字品質が良好なこと、印字速度が速いこと及び騒
音が低いこと等の特徴と低価格化が進んできたことか
ら、近時、急速に普及してきている。
【0003】この電子写真方式の記録装置のレーザー書
込系に用いられているポリゴンスキャナには、記録装置
のプリント速度及び画素密度に応じた回転速度でポリゴ
ンミラーを回転させることが要求され、特に、近年、プ
リント速度の高速化及び画素密度の高密度化にともな
い、ポリゴンスキャナには、20000rpm以上の超
高速回転が要求される。
【0004】このような超高速回転の要求されるポリゴ
ンスキャナには、従来のボールベアリングタイプの軸受
装置では、軸受寿命や軸受騒音などの面から要求される
画像品質を満足させることができない。
【0005】そこで、従来から、超高速回転の要求され
るポリゴンスキャナには、動圧空気を利用した動圧空気
軸受が用いられている。
【0006】このような動圧空気軸受を使用した装置と
しては、例えば、特開昭60−244913号公報に記
載されている回転体支持装置が提案されている。この回
転体支持装置は、第1の磁気部材及びこの第1の磁気部
材を囲続する状態に設けられた第2の磁気部材を有し、
いずれか一方の磁気部材に回転体が回転可能に取着され
た磁気スラスト軸受により上記回転体のスラスト方向の
支持を行うようにした回転体支持装置であって、上記第
1、第2の磁気部材の両側をそれぞれ強磁性体で挟んだ
ことを特徴としている。
【0007】この回転体支持装置をポリゴンスキャナに
適用すると、回転体に固定され鉄板等の強磁性材料から
なる板状リングで上下から挟まれた内側磁気リングと、
モータハウジングに固定され鉄板等の強磁性材料からな
る板状リングで上下から挟まれた外側磁気リングと、か
ら構成される吸引型の磁気軸受と動圧空気軸受でポリゴ
ンミラーを支持することになる。
【0008】また、特開昭61−269115号公報に
記載されている回転体支持装置は、磁性材料からなる固
定軸と、この固定軸にジャーナル軸受部を介して外嵌さ
れ、前記固定軸を中心として回転するモータロータを備
えた回転組立体と、この回転組立体を回転させる駆動機
構部とからなる回転支持装置において、スラスト荷重支
持用磁気軸受は内輪が前記固定軸に設けられ、この内輪
に対向する外輪が回転組立体の内側に固着され、かつ前
記内輪と前記固定軸の支持部端部の間に0.5mm以上
のギャップが形成されていることを特徴としている。
【0009】この回転支持装置をポリゴンスキャナに適
用すると、回転軸の支持部に固定された固定側磁気リン
グと回転体を構成するシリンダの内側に固定された回転
側磁気リングとから構成される吸引型の磁気軸受と動圧
空気軸受でポリゴンミラーを支持することになる。
【0010】さらに、特開平5−71532号公報に記
載されている軸受装置は、固定軸にスリーブが嵌合し、
該スリーブに設けた一方のラジアル軸受面が固定軸に設
けた他方のラジアル軸受面と対向し、前記一方のラジア
ル軸受面と他方のラジアル軸受面との少なくとも一方に
ヘリングボーン状の溝を設け、前記固定軸に取り付けた
磁石部材がスリーブに取り付けた磁石部材または磁性体
部材と非接触に対向して磁気軸受を構成し、前記スリー
ブの外周面にロータマグネット部材とミラーとを取り付
けたことを特徴としている。
【0011】また、本出願人は、先に、動圧流体軸受に
よって支持され、一体的に構成されたモータの駆動によ
り回転する装置において、回転体に使用される接着剤を
90℃で400MPa以上のヤング率で構成してなるブ
ラシレスモータの回転体装置、すなわち、ラジアル方向
には、動圧空気軸受が構成され、アキシャル方向には、
上下反発型の磁気軸受が構成され、回転体を回転自在に
支持するブラシレスモータの回転体装置を提案している
(特開平8−266030号公報参照)。
【0012】すなわち、この軸受装置は、具体的には、
例えば、図8に示すように、ポリゴンスキャナの軸受装
置1に適用され、ポリゴンスキャナの軸受装置1は、ハ
ウジング2に圧入固着あるいは焼きばめ等の方法で堅固
に固定された固定軸3と、固定軸3が挿入された中空回
転軸4と、を備えている。
【0013】中空回転軸4は、図9に示すように、軸方
向途中に外方(径方向)に突出して図示しない光学ハウ
ジングへの取付基準面となる鍔部4aが形成されてお
り、当該鍔部4aの上面にポリゴンミラー5が載置され
ている。ポリゴンミラー5は、ミラー押さえ6により中
空回転軸4の鍔部4aに押さえ付けられるとともに、ミ
ラー押さえ6がネジ7により中空回転軸4に固定される
ことにより、中空回転軸4に固定されている。ミラー押
さえ6は、永久磁石8を保持しており、マグネットホル
ダーとしての機能も有している。
【0014】この永久磁石8に対向する上方の位置に
は、図8に示すように、ハウジング2に固定された上カ
バー9に保持された永久磁石10が所定の微小間隔を開
けて配設されており、永久磁石8に対向する下方の位置
には、固定軸3の上端に固定された永久磁石11が所定
の微小間隔を開けて配設されている。永久磁石10及び
永久磁石11は、それぞれ永久磁石8に対して相互に向
かい合う面が同極となるように配設されており、永久磁
石8に対してそれぞれ反発力が作用する。上カバー9に
は、図示しないが半導体レーザからのレーザー光の入出
射用の開口部が形成されており、当該開口部には、両面
テープあるいは接着剤等でガラスが設けられて、上カバ
ー9及びハウジング2内が密閉されている。
【0015】そして、ミラー押さえ6には、図示しない
上下振動減衰用連通穴が形成されており、この上下振動
減衰用連通穴は、後述するアキシャル軸受に適切なダン
ピング特性を持たせている。
【0016】中空回転軸4の鍔部4aの下面であって中
空回転軸4の外周面には、図8及び図9に示すように、
周状にロータマグネット12が取り付けられており、ロ
ータマグネット12は、中空回転軸4に対して内周部を
嵌合させ、内周部と軸方向上面を中空回転軸4及び鍔部
4aに直接接着等で固着することにより、中空回転軸4
に固着されている。
【0017】上記ロータマグネット12は、軽量かつ機
械的耐力(引張強度)の高いアルミ−マンガン系の金属
磁石により形成されており、中空回転軸4と固定軸3
は、軽量化と高速回転のために、比重の小さいアルミニ
ウム合金で形成されているとともに、起動停止時の摩耗
を防止するために、軸受表面には、無電界複合ニッケル
メッキの表面処理が施されている。また、ポリゴンミラ
ー5及びミラー押さえ6は、アルミニウム合金で形成さ
れている。
【0018】上記ポリゴンミラー5、ミラー押さえ6及
びロータマグネット12等の取り付けられた中空回転軸
4は、回転体13を構成している。
【0019】そして、上記ロータマグネット12に対向
する下方の位置に、図8に示すように、プリント基板1
4を挟んでコイル部15とホール素子16が配設されて
おり、これらプリント基板14、コイル部15及びホー
ル素子16は、ハウジング2に取り付けられている。プ
リント基板14は、コネクタ17及びハーネス18を介
して回路基板19に接続されており、これらロータマグ
ネット12、プリント基板14、コイル部15、ホール
素子16、コネクタ17、ハーネス18及び回路基板1
9の制御回路等により、アキシャルギャップ(面対向)
型のモータ20が構成されている。このモータ20は、
制御回路(回路基板)19により励磁切り換えを行うこ
とにより、回転体13を回転させる。
【0020】そして、上記ミラー押さえ6には、回転体
13の不釣り合い修正用のバランス修正溝6aが形成さ
れており、ロータマグネット12には、回転体13の不
釣り合い修正用のバランス修正溝12aが形成されてい
る。バランス修正用溝12aは、ロータマグネット12
の内周面の一部を周状に切り欠くことにより形成されて
おり、ロータマグネット12のバランス修正用溝12a
以外の内周面は、中空回転軸4に精度良く嵌合されてい
る。
【0021】また、固定軸3の外周面には、図8に示す
ように、ヘリングボーン溝3a、3bが上下2対形成さ
れており、モータ20の駆動により回転体13が回転す
ると、中空回転軸4と固定軸3の隙間の圧力が高まり、
中空回転軸4、固定軸3及びヘリングボーン溝3a、3
bにより動圧空気を利用したラジアル軸受として機能し
て、非接触でラジアル方向に回転体13を支持する。
【0022】一方、上記ミラー押さえ6に保持された磁
石8、上カバー9に保持された磁石10、固定軸3の上
端に固定された磁石11及びミラー押さえ6に形成され
た上下振動減衰用連通穴は、磁石10と磁石11がミラ
ー押さえ6に保持された磁石8に上下双方から反発力を
付与して、磁石8及び磁石8を保持するミラー押さえ6
を介して回転体13を反発浮上させるアキシャル軸受と
して機能して、回転体13を軸方向に非接触で支持す
る。
【0023】すなわち、この軸受装置1は、ラジアル方
向に動圧軸受を用い、アキシャル方向に磁石反発型の磁
気軸受を用いており、モータ方式として、アキシャル方
向に磁気ギャップを持った、いわゆる面対向型を採用し
ている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の軸受装置にあっては、ポリゴンスキャナ等の
高速回転の軸受としては、なお、改良の余地があった。
【0025】すなわち、特開昭60−244913号公
報記載の回転支持装置は、回転体に固定される内側磁気
リングの機械的強度が低いため、この回転支持装置をポ
リゴンスキャナに適用した場合、高速回転によって遠心
応力が働くと、破壊されやすく、特に、外径が保持され
ていない場合には、破壊されやすい。また、板状リング
で上下から挟まれた内側磁気リングが回転体に接着固定
されているため、高温と低温に繰り返し曝されると、線
膨張率が異なる材料同士の接着部分に剪断応力がかか
り、接着部分が徐々に劣化して、回転体のバランスが崩
れ、周りを振動させて、騒音を発生させたり、書込画像
の画像品質を悪化させて、信頼性を低下させるという問
題があった。
【0026】また、特開昭61−269115号公報記
載の回転体支持装置にあっては、回転体を固定軸に嵌合
する際にむき出しになっている永久磁石同士が接触して
しまうため、その接触で発生した微小なゴミやもともと
永久磁石に付着していたゴミ等が回転支持装置の組み立
て中に軸受隙間内に侵入して、正常に回転しなくなると
いう問題がある。また、一般に、永久磁石は、寸法精度
が悪いため、リング状永久磁石の外径または内径の一方
を位置決めに利用し、他方を磁気ギャップとして利用し
ようとすると、接触を避けるために磁気ギャップを比較
的大きくする必要があるが、磁気ギャップを大きくする
と、吸引力が低下し、意図する吸引力を確保するには、
磁気軸受部を半径方向に大型化する必要があり、装置が
大型化するという問題があった。さらに、永久磁石は、
機械的な強度が小さいため、接着により永久磁石を接着
部に固定するのが一般的であるが、永久磁石の接着部が
高温と低温に繰り返し曝されると、線膨張率の異なる材
料同士の接着部分に剪断応力がかかり、接着部分が徐々
に劣化して、回転体のバランスが崩れる。その結果、こ
の回転体支持装置をポリゴンスキャナに適用すると、ポ
リゴンミラーの取り付けられる回転体の不釣り合い振動
が発生し、回転体の取り付けられている周りの部材を振
動させて、騒音を発生させたり、書込画像の画像品質を
悪化させて、信頼性を低下させるという問題があった。
【0027】さらに、特開平5−71532号公報記載
の軸受装置にあっては、磁気軸受部の固定部が固定軸の
先端に突出して配置されており、磁気ギャップを小さく
して大きな吸引力を得ようとすると、必然的に外径部が
むき出しになった状態で、動圧空気軸受の軸受隙間へと
つながる空間に配置・固定される。その結果、回転体を
固定軸に嵌合する際に接触しやすく、その接触で発生し
た微小なゴミやもともと永久磁石に付着していたゴミが
装置の組立中または回転中に動圧空気軸受の軸受隙間内
に脱落、侵入し、正常に回転しなくなるという問題があ
った。
【0028】また、特開平8−266030号公報記載
のブラシレスモータの回転体装置にあっては、磁気軸受
が反発型であるため、以下のような改良の余地があっ
た。
【0029】すなわち、上下反発型の磁気軸受では、3
個の永久磁石8、10、11が必要であり、装置が大型
化して、コストが高くなる。また、3個の永久磁石8、
10、11を固定するためには、3箇所の接着作業が必
要であり、作業工程が多く、コストが高くなる。さら
に、寒冷地での保存や実使用での温度上昇を含めると、
高温と低温に繰り返し曝されることがあるが、この場
合、線膨張率が異なる材料同士の接着となるため、硬化
した接着剤に剪断応力がかかり、剪断破壊が生じるおそ
れがあり、接着部分の信頼性を向上させる上で改良の余
地があった。特に、回転体13に固定される永久磁石1
0の接着部で剪断破壊が生じて、永久磁石10が回転軸
中心から半径方向にずれると、回転体13のバランスが
崩れてしまい、周囲を振動させて、騒音を発生したり、
書込画像の画像品質を低下させるおそれがあった。
【0030】また、ポリゴンミラー5がミラー押さえ6
を介してネジ7により中空回転軸4に固定されていたた
めに、中空回転軸4にネジ穴の加工が必要であり、単純
にネジ穴加工の分だけ、加工コストが高くなるととも
に、ネジ穴加工時に使用する切削油がネジ穴に残りやす
く、ネジ穴に残った切削油が中空回転軸4の高速回転時
に、ネジ穴から外側に飛散して、ポリゴンミラー5や窓
ガラス等の光学部品を汚して、ポリゴンスキャナとして
の品質を低下させるおそれがあるとともに、当該ポリゴ
ンスキャナの品質低下を防止するために、ネジ穴の入念
な洗浄が必要であり、ネジ穴の加工コストに加えて、ネ
ジ穴の洗浄コストもかかり、ポリゴンスキャナのコスト
がさらに上昇するおそれがあった。
【0031】さらに、ポリゴンミラー5やミラー押さえ
6は、その材料としてアルミニウム合金が用いられる
が、ネジの締め付け力のバラツキが大きかったり、ミラ
ー押さえ6の端面の精度が悪いと、ポリゴンミラー5の
ミラー面の面精度を悪化させることとなり、光学特性を
悪化させるおそれがあった。
【0032】そこで、請求項1記載の発明は、軸方向に
中空部を有する中空回転軸にポリゴンミラーが固定され
た回転体の中空回転軸の中空部内に固定軸が挿入され、
回転体が回転されると発生する空気の動圧を利用したラ
ジアル動圧空気軸受と吸引型磁気力を利用したアキシャ
ル軸受により、回転体を半径方向及び軸方向に回転自在
に支持し、中空回転軸の一端側に中空部を閉止する保持
部材が取り付けられ、固定軸の当該保持部材側の先端部
に、軸方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石を軸
方向に挟むとともに、当該リング状の永久磁石の内径よ
りも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング
状の第1固定ヨーク板及び第2固定ヨーク板がそれぞれ
の中心円が中空回転軸に対して同軸となる状態で配置さ
れた吸引型磁気軸受固定部を固定し、保持部材に、吸引
型磁気軸受固定部内に挿入され、吸引型磁気軸受固定部
の第1固定ヨーク板及び第2固定ヨーク板の内周面との
間に所定の磁気ギャップを形成する円形の外周部を備
え、当該外周部が中空回転軸に対して同軸になる状態で
配置された吸引型磁気軸受回転部を固定することによ
り、吸引型磁気軸受回転部の外周部を固定軸に固定され
た吸引型磁気軸受固定部で覆った状態として、アキシャ
ル軸受に付着したゴミが組み立て時や組立後の回転中及
び輸送中等にラジアル動圧空気軸受の軸受隙間内に脱落
・侵入して、回転異常が発生することを防止し、また、
加工が容易で寸法精度の高い第1及び第2固定ヨーク板
と吸引型磁気軸受固定部との間に磁気ギャップを高精度
に形成して、吸引型磁気軸受固定部の永久磁石の磁気力
を有効利用し、信頼性が高く画像品質の良好な小型で安
価な動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを提供することを
目的としている。
【0033】請求項2記載の発明は、吸引型磁気軸受回
転部を、強磁性材料で形成することにより、吸引型磁気
軸受回転部として加工精度の高い強磁性材料を使用する
とともに、永久磁石を削減して、より一層信頼性が高く
画像品質の良好なより一層小型で、より一層安価な動圧
空気軸受型ポリゴンスキャナを提供することを目的とし
ている。
【0034】請求項3記載の発明は、固定軸を、非磁性
材料で形成するとともに、保持部材側の端部に円筒状の
凹部を形成し、当該凹部内に吸引型磁気軸受固定部を埋
設することにより、吸引型磁気軸受回転部を覆う吸引型
磁気軸受固定部を固定軸に形成された凹部内に埋設し
て、固定軸と中空回転軸の嵌合の際に、中空回転軸の動
圧空気軸受面と吸引型磁気軸受固定部が接触するのを防
止し、アキシャル軸受に付着したゴミが組み立て時や組
立後の回転中及び輸送中等にラジアル動圧空気軸受の軸
受隙間内に脱落・侵入して、回転異常が発生することを
防止するとともに、固定軸と中空回転軸の嵌合作業を容
易なものとし、より一層小型・安価で信頼性が高く画像
品質の良好な動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを提供す
ることを目的としている。
【0035】請求項4記載の発明は、第1固定ヨーク板
と第2固定ヨーク板のうち、保持部材側に位置する第1
固定ヨーク板あるいは第2固定ヨーク板のみを、固定軸
の凹部の内周面に固定して、吸引型磁気軸受固定部を凹
部内に埋設・固定することにより、簡単、かつ、容易に
吸引型磁気軸受固定部を固定軸の凹部内に埋設固定する
とともに、固定した第1固定ヨーク板あるいは第2固定
ヨーク板以外の固定ヨーク板と永久磁石が、凹部内で移
動可能な状態として、温度変化による固定軸の先端部分
の変形を抑制し、より一層安価で、かつ、動圧空気軸受
特性の良好な動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを提供す
ることを目的としている。
【0036】請求項5記載の発明は、吸引型磁気軸受固
定部のリング状の永久磁石の内径を、Dmi、その外径
を、Dmo、第1及び第2固定ヨーク板の内径を、Dy
i、その外径を、Dyo、固定軸に形成された凹部の内
径を、Ds、としたとき、永久磁石、第1固定ヨーク
板、第2固定ヨーク板及び固定軸の凹部を、Dmi+D
mo>Dyi−Dyo+2Dsなる関係を満足するよう
に形成することにより、リング状の永久磁石の内径が第
1固定ヨーク板及び第2固定ヨーク板の内径の内側には
み出すことを適切に防止し、永久磁石と第1固定ヨーク
板及び第2固定ヨーク板との特別な位置決め作業を行う
ことなく、吸引型磁気軸受固定部を簡単に組み立てて、
より一層安価で、吸引型磁気軸受特性の良好な動圧空気
軸受型ポリゴンスキャナを提供することを目的としてい
る。
【0037】請求項6記載の発明は、保持部材を、固定
軸の凹部の形成された先端部が進入可能な略カップ状に
形成し、中空回転軸の保持部材側の端部に略リング状の
カシメ部を設け、カップ状の保持部材を、当該カシメ部
により中空回転軸の一端部に固定することにより、回転
体の構成部品のうち、線膨張率の異なる材料同士が接着
される部分を削減して、長期にわたる使用により回転体
が高温と低温に繰り返し曝された場合に、回転体の回転
バランスが崩れて、周囲の部品を振動させて騒音が発生
するのを防止し、かつ、書込画像の画像品質の良好なも
のとするとともに、保持部材を中空回転軸に取り付ける
ためのネジ穴加工とその後の洗浄処理を省いて、より一
層安価で、小型の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを提
供することを目的としている。
【0038】請求項7記載の発明は、保持部材を円盤状
に形成し、中空回転軸の保持部材側の端部に略リング状
のカシメ部を設け、円盤状の保持部材を、当該カシメ部
により中空回転軸の一端部に固定することにより、回転
体の構成部品のうち、線膨張率の異なる材料同士が接着
される部分を削減して、長期にわたる使用により回転体
が高温と低温に繰り返し曝された場合に、回転体の回転
バランスが崩れて、周囲の部品を振動させて騒音が発生
するのを防止し、かつ、書込画像の画像品質の良好なも
のとするとともに、保持部材を中空回転軸に取り付ける
ためのネジ穴加工とその後の洗浄処理を省いて、より一
層安価な動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを提供するこ
とを目的としている。
【0039】請求項8記載の発明は、固定軸の凹部の形
成された部分の外周面と当該外周面に半径方向で対向す
る中空回転軸の内周面との間に、動圧空気軸受面の軸受
隙間よりも所定量大きい隙間を有する変形許容空間部を
形成することにより、長期にわたる使用により回転体が
高温と低温に繰り返し曝された場合に、温度変化により
固定軸と吸引型磁気軸受固定部の線膨張率の違いから固
定軸の凹部の形成された先端側が多少膨らんでも、変形
許容空間部で当該変形を吸収し、動圧空気軸受特性を良
好なものとして、騒音の発生を防止するとともに、書込
画像の画像品質の良好な動圧空気軸受型ポリゴンスキャ
ナを提供することを目的としている。
【0040】請求項9記載の発明は、カップ状の保持部
材の内周面と固定軸の凹部の形成された部分の外周面と
の間に、動圧空気軸受面の軸受隙間よりも所定量大きい
隙間の変形許容空間部を形成することにより、長期にわ
たる使用により回転体が高温と低温に繰り返し曝された
場合に、温度変化により固定軸と吸引型磁気軸受固定部
の線膨張率の違いから固定軸の凹部の形成された先端側
が多少膨らんでも、変形許容空間部で当該変形を吸収
し、動圧空気軸受特性を良好なものとして、騒音の発生
を防止するとともに、書込画像の画像品質の良好な動圧
空気軸受型ポリゴンスキャナを提供することを目的とし
ている。
【0041】請求項10記載の発明は、リング状のカシ
メ部の内周側に付加重りを付加して、回転体の回転バラ
ンスを修正することにより、中空回転軸及び保持部材に
回転バランス修正専用の修正溝等を形成することなく、
回転体の回転バランスを修正し、製造が容易で、安価な
動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを提供することを目的
としている。
【0042】請求項11記載の発明は、中空回転軸の外
周部に所定幅で所定量外方に突出した鍔部を形成し、ポ
リゴンミラーを、中空回転軸の外周部に圧入・固定され
る略リング状の板ばねにより鍔部に弾性的に押し付けて
中空回転軸に固定することにより、中空回転軸にネジ穴
を形成することなく、ポリゴンミラーを中空回転軸に固
定し、中空回転軸のネジ穴加工とその後の洗浄処理を省
いて、より一層製造が容易で、安価な動圧空気軸受型ポ
リゴンスキャナを提供することを目的としている。
【0043】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の動
圧空気軸受型ポリゴンスキャナは、軸方向に中空部を有
する中空回転軸にポリゴンミラーの固定された回転体の
前記中空回転軸の前記中空部内に固定軸が挿入され、前
記中空回転軸の一端側に前記中空部を閉止して所定の空
気溜まりを形成する状態で所定の保持部材が取り付けら
れ、前記回転体がモータにより回転され、前記回転体が
前記モータに回転されることにより発生する空気の動圧
を前記中空回転軸の内周面と前記固定軸の外周面からな
る動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と吸引
型磁気力を利用したアキシャル軸受により前記回転体を
半径方向方向及び軸方向に回転自在に支持する動圧空気
軸受型ポリゴンスキャナであって、前記アキシャル軸受
は、前記固定軸の前記保持部材側の先端部に固定された
リング状の吸引型磁気軸受固定部と、前記中空回転軸に
取り付けられた前記保持部材に固定され前記リング状の
吸引型磁気軸受固定部内に挿入された吸引型磁気軸受回
転部と、を備え、前記吸引型磁気軸受固定部は、前記軸
方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石と、前記リ
ング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され
強磁性材料からなるリング状の第1固定ヨーク板と、前
記リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成
され強磁性材料からなるリング状の第2固定ヨーク板
と、を備え、前記第1固定ヨーク板と前記第2固定ヨー
ク板は、前記リング状の永久磁石を前記軸方向に挟むと
ともに、それぞれの中心円が前記中空回転軸に対して同
軸に配置され、前記吸引型磁気軸受回転部は、前記吸引
型磁気軸受固定部の前記第1固定ヨーク板及び前記第2
固定ヨーク板の内周面との間に所定の磁気ギャップを形
成する円形の外周部を備え、前記外周部が前記中空回転
軸に対して同軸に配置されていることにより、上記目的
を達成している。
【0044】上記構成によれば、軸方向に中空部を有す
る中空回転軸にポリゴンミラーが固定された回転体の中
空回転軸の中空部内に固定軸が挿入され、回転体が回転
されると発生する空気の動圧を利用したラジアル動圧空
気軸受と吸引型磁気力を利用したアキシャル軸受によ
り、回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持し、
中空回転軸の一端側に中空部を閉止する保持部材が取り
付けられ、固定軸の当該保持部材側の先端部に、軸方向
に2極が着磁されたリング状の永久磁石を軸方向に挟む
とともに、当該リング状の永久磁石の内径よりも小さい
中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第1固
定ヨーク板及び第2固定ヨーク板がそれぞれの中心円が
中空回転軸に対して同軸となる状態で配置された吸引型
磁気軸受固定部を固定し、保持部材に、吸引型磁気軸受
固定部内に挿入され、吸引型磁気軸受固定部の第1固定
ヨーク板及び第2固定ヨーク板の内周面との間に所定の
磁気ギャップを形成する円形の外周部を備え、当該外周
部が中空回転軸に対して同軸になる状態で配置された吸
引型磁気軸受回転部を固定しているので、吸引型磁気軸
受回転部の外周部を固定軸に固定された吸引型磁気軸受
固定部で覆った状態として、アキシャル軸受に付着した
ゴミが組み立て時や組立後の回転中及び輸送中等にラジ
アル動圧空気軸受の軸受隙間内に脱落・侵入して、回転
異常が発生することを防止することができ、また、加工
が容易で寸法精度の高い第1固定ヨーク板及び第2固定
ヨーク板と吸引型磁気軸受固定部との間に磁気ギャップ
を高精度に形成して、吸引型磁気軸受固定部の永久磁石
の磁気力を有効利用することができ、動圧空気軸受型ポ
リゴンスキャナを信頼性が高く画像品質の良好なものと
することができるとともに、小型で安価なものとするこ
とができる。
【0045】この場合、例えば、請求項2に記載するよ
うに、前記吸引型磁気軸受回転部は、強磁性材料により
形成されていてもよい。
【0046】上記構成によれば、吸引型磁気軸受回転部
を、強磁性材料で形成しているので、吸引型磁気軸受回
転部として加工精度の高い強磁性材料を使用するととも
に、永久磁石を削減することができ、動圧空気軸受型ポ
リゴンスキャナをより一層信頼性が高く画像品質の良好
なものとすることができるとともに、より一層小型で、
より一層安価なものとすることができる。
【0047】また、例えば、請求項3に記載するよう
に、前記固定軸は、非磁性材料で形成されているととも
に、前記保持部材側の端部に円筒状の凹部が形成され、
前記吸引型磁気軸受固定部は、当該固定軸の凹部内に埋
設されていてもよい。
【0048】上記構成によれば、固定軸を、非磁性材料
で形成するとともに、保持部材側の端部に円筒状の凹部
を形成し、当該凹部内に吸引型磁気軸受固定部を埋設し
ているので、吸引型磁気軸受回転部を覆う吸引型磁気軸
受固定部を固定軸に形成された凹部内に埋設して、固定
軸と中空回転軸の嵌合の際に、中空回転軸の動圧空気軸
受面と吸引型磁気軸受固定部が接触するのを防止するこ
とができるとともに、アキシャル軸受に付着したゴミが
組み立て時や組立後の回転中及び輸送中等にラジアル動
圧空気軸受の軸受隙間内に脱落・侵入して、回転異常が
発生することを防止することができ、固定軸と中空回転
軸の嵌合作業を容易なものとすることができるととも
に、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナをより一層小型
で、より一層安価なものとすることができる。
【0049】さらに、例えば、請求項4に記載するよう
に、前記吸引型磁気軸受固定部は、前記第1固定ヨーク
板と前記第2固定ヨーク板のうち、前記保持部材側に位
置する前記第1固定ヨーク板あるいは前記第2固定ヨー
ク板のみが、前記固定軸の前記凹部の内周面に固定さ
れ、前記凹部内に埋設・固定されていてもよい。
【0050】上記構成によれば、第1固定ヨーク板と第
2固定ヨーク板のうち、保持部材側に位置する第1固定
ヨーク板あるいは第2固定ヨーク板のみを、固定軸の凹
部の内周面に固定して、吸引型磁気軸受固定部を凹部内
に埋設・固定しているので、簡単、かつ、容易に吸引型
磁気軸受固定部を固定軸の凹部内に埋設固定することが
できるとともに、固定した第1固定ヨーク板あるいは第
2固定ヨーク板以外の固定ヨーク板と永久磁石が、凹部
内で移動可能な状態として、温度変化による固定軸の先
端部分の変形を抑制することができ、動圧空気軸受型ポ
リゴンスキャナを、より一層安価で、かつ、動圧空気軸
受特性が良好なものとすることができる。
【0051】また、例えば、請求項5に記載するよう
に、前記吸引型磁気軸受固定部の前記リング状の永久磁
石の内径を、Dmi、前記リング状の永久磁石の外径
を、Dmo、前記第1固定ヨーク板及び第2固定ヨーク
板の内径を、Dyi、前記第1固定ヨーク板及び第2固
定ヨーク板の外径を、Dyo、前記固定軸に形成された
前記内筒状の凹部の内径を、Ds、としたとき、前記永
久磁石、前記第1固定ヨーク板、第2固定ヨーク板及び
前記固定軸の凹部は、 Dmi+Dmo>Dyi−Dyo+2Ds なる関係を満足するものであってもよい。
【0052】上記構成によれば、吸引型磁気軸受固定部
のリング状の永久磁石の内径を、Dmi、その外径を、
Dmo、第1及び第2固定ヨーク板の内径を、Dyi、
その外径を、Dyo、固定軸に形成された凹部の内径
を、Ds、としたとき、永久磁石、第1固定ヨーク板、
第2固定ヨーク板及び固定軸の凹部を、Dmi+Dmo
>Dyi−Dyo+2Dsなる関係を満足するように形
成しているので、リング状の永久磁石の内径が第1固定
ヨーク板及び第2固定ヨーク板の内径の内側にはみ出す
ことを適切に防止することができ、永久磁石と第1固定
ヨーク板及び第2固定ヨーク板との特別な位置決め作業
を行うことなく、吸引型磁気軸受固定部を簡単に組み立
てて、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを、より一層安
価で、吸引型磁気軸受特性の良好なものとすることがで
きる。
【0053】さらに、例えば、請求項6に記載するよう
に、前記保持部材は、前記吸引型磁気軸受回転部が固定
されるとともに、前記固定軸の前記凹部の形成された先
端部が進入可能な略カップ状に形成され、前記中空回転
軸は、前記保持部材側の端部に略リング状のカシメ部を
有し、前記カップ状の保持部材は、前記カシメ部により
前記中空回転軸の一端部に固定されていてもよい。
【0054】上記構成によれば、保持部材を、固定軸の
凹部の形成された先端部が進入可能な略カップ状に形成
し、中空回転軸の保持部材側の端部に略リング状のカシ
メ部を設け、カップ状の保持部材を、当該カシメ部によ
り中空回転軸の一端部に固定しているので、回転体の構
成部品のうち、線膨張率の異なる材料同士が接着される
部分を削減して、長期にわたる使用により回転体が高温
と低温に繰り返し曝された場合に、回転体の回転バラン
スが崩れて、周囲の部品を振動させて騒音が発生するの
を防止することができ、かつ、書込画像の画像品質の良
好なものとすることができるとともに、保持部材を中空
回転軸に取り付けるためのネジ穴加工とその後の洗浄処
理を省くことができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ
をより一層安価で、小型のものとすることができる。
【0055】また、例えば、請求項7に記載するよう
に、前記保持部材は、前記吸引型磁気軸受回転部に固定
されるとともに円盤状に形成され、前記中空回転軸は、
前記保持部材側の端部に略リング状のカシメ部を有し、
前記円盤状の保持部材は、前記カシメ部により前記中空
回転軸の一端部に固定されていてもよい。
【0056】上記構成によれば、保持部材を円盤状に形
成し、中空回転軸の保持部材側の端部に略リング状のカ
シメ部を設け、円盤状の保持部材を、当該カシメ部によ
り中空回転軸の一端部に固定しているので、回転体の構
成部品のうち、線膨張率の異なる材料同士が接着される
部分を削減して、長期にわたる使用により回転体が高温
と低温に繰り返し曝された場合に、回転体の回転バラン
スが崩れて、周囲の部品を振動させて騒音が発生するの
を防止することができ、かつ、書込画像の画像品質の良
好なものとすることができるとともに、保持部材を中空
回転軸に取り付けるためのネジ穴加工とその後の洗浄処
理を省くことができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ
をより一層安価なものとすることができる。
【0057】さらに、例えば、請求項8に記載するよう
に、前記動圧空気軸受型ポリゴンスキャナは、前記固定
軸の前記凹部の形成された部分の外周面と当該外周面に
半径方向で対向する前記中空回転軸の内周面との間に、
前記動圧空気軸受面の軸受隙間よりも所定量大きい隙間
を有する変形許容空間部が形成されていてもよい。
【0058】上記構成によれば、固定軸の凹部の形成さ
れた部分の外周面と当該外周面に半径方向で対向する中
空回転軸の内周面との間に、動圧空気軸受面の軸受隙間
よりも所定量大きい隙間を有する変形許容空間部を形成
しているので、長期にわたる使用により回転体が高温と
低温に繰り返し曝された場合に、温度変化により固定軸
と吸引型磁気軸受固定部の線膨張率の違いから固定軸の
凹部の形成された先端側が多少膨らんでも、変形許容空
間部で当該変形を吸収することができ、動圧空気軸受特
性を良好なものとして、騒音の発生を防止することがで
きるとともに、書込画像の画像品質を向上させることが
できる。
【0059】また、例えば、請求項9に記載するよう
に、前記動圧空気軸受型ポリゴンスキャナは、前記カッ
プ状の保持部材の内周面と前記固定軸の前記凹部の形成
された部分の外周面との間に、前記動圧空気軸受面の軸
受隙間よりも所定量大きい隙間の変形許容空間部が形成
されていてもよい。
【0060】上記構成によれば、カップ状の保持部材の
内周面と固定軸の凹部の形成された部分の外周面との間
に、動圧空気軸受面の軸受隙間よりも所定量大きい隙間
の変形許容空間部を形成しているので、長期にわたる使
用により回転体が高温と低温に繰り返し曝された場合
に、温度変化により固定軸と吸引型磁気軸受固定部の線
膨張率の違いから固定軸の凹部の形成された先端側が多
少膨らんでも、変形許容空間部で当該変形を吸収するこ
とができ、動圧空気軸受特性を良好なものとして、騒音
の発生を防止することができるとともに、書込画像の画
像品質を向上させることができる。
【0061】さらに、例えば、請求項10に記載するよ
うに、前記動圧空気軸受型ポリゴンスキャナは、前記リ
ング状のカシメ部の内周側に付加重りが付加されて、前
記回転体の回転バランスの修正が行われていてもよい。
【0062】上記構成によれば、リング状のカシメ部の
内周側に付加重りを付加して、回転体の回転バランスを
修正しているので、中空回転軸及び保持部材に回転バラ
ンス修正専用の修正溝等を形成することなく、回転体の
回転バランスを修正することができ、動圧空気軸受型ポ
リゴンスキャナを製造が容易で、安価なものとすること
ができる。
【0063】また、例えば、請求項11に記載するよう
に、前記中空回転軸は、その外周部に所定幅で所定量外
方に突出した鍔部が形成され、前記ポリゴンミラーは、
前記中空回転軸の外周部に圧入・固定される略リング状
の板ばねにより前記鍔部に弾性的に押し付けられて前記
中空回転軸に固定されていてもよい。
【0064】上記構成によれば、中空回転軸の外周部に
所定幅で所定量外方に突出した鍔部を形成し、ポリゴン
ミラーを、中空回転軸の外周部に圧入・固定される略リ
ング状の板ばねにより鍔部に弾性的に押し付けて中空回
転軸に固定しているので、中空回転軸にネジ穴を形成す
ることなく、ポリゴンミラーを中空回転軸に固定するこ
とができ、中空回転軸のネジ穴加工とその後の洗浄処理
を省いて、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナをより一層
製造が容易で、安価なものとすることができる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0066】図1〜図3は、本発明の動圧空気軸受型ポ
リゴンスキャナの第1の実施の形態を示す図であり、図
1は、本発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの第1
の実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャ
ナ30の正面断面図である。
【0067】図1において、動圧空気軸受型ポリゴンス
キャナ30は、ハウジング31とハウジング31上にネ
ジ固定された上カバー32により、その外観が形成さ
れ、ハウジング31の底部中央部に、固定軸33が圧入
固着あるいは焼きばめ等の方法で固定されている。
【0068】固定軸33は、その周壁部の適切な位置に
2対のヘリングボーン溝33a、33bが形成されてお
り、固定軸33の上端部中央部は、円柱状の上端凹部3
3c(図3参照)が形成されている。この上端凹部33
c内には、アキシャル方向(軸方向)に所定長さを有し
たリング状の吸引型磁気軸受固定部34が埋設されてお
り、吸引型磁気軸受固定部34は、図2に示すように、
所定の大きさの中心円がその中心部に形成されアキシャ
ル方向に2極に着磁されてアキシャル方向に磁極が向い
たリング状の永久磁石35と、永久磁石35のアキシャ
ル方向両端(軸方向両端)に固定され永久磁石35の中
心円(内径)よりも小さい中心円がその中心部に形成さ
れた強磁性材料からなる一対の第1固定ヨーク板36及
び第2固定ヨーク板37と、で形成されている。第1固
定ヨーク板36は、その外周面に所定量径方向に突出し
た凸部36aが形成されており、吸引型磁気軸受固定部
34は、第2固定ヨーク板37及び永久磁石35を固定
軸33の上端凹部33c内に収納した後、第1固定ヨー
ク板36を、上端凹部33c内に圧入して、第1固定ヨ
ーク板36の凸部36aを上端凸部33cの内周壁に係
合させることにより、永久磁石35を第1固定ヨーク板
36と第2固定ヨーク板37で固定軸33の軸方向に挟
んだ状態で、かつ、第1固定ヨーク板36の中心円と第
2固定ヨーク板37の中心円が固定軸33の軸中心と一
致する(同軸となる)状態で、固定軸33の上端凹部3
3c内に埋設されている。上記第2固定ヨーク板37
は、固定軸33の上端凹部33cの内周面に密接する外
径を有しており、上記第1固定ヨーク板36及び第2固
定ヨーク板37は、鉄鋼系の板材が用いられている。ま
た、永久磁石35は、例えば、主に希土類系の永久磁石
が用いられている。
【0069】固定軸33は、図1に示すように、中空回
転軸38の中空内に挿入されており、中空回転軸38
は、その軸方向途中に外方(径方向)に突出する鍔部3
8aが形成されている。この鍔部38aの上面にポリゴ
ンミラー39が載置されており、ポリゴンミラー39
は、ミラー押さえ(保持部材)40により中空回転軸3
8の鍔部38aに押さえつけられるとともに、ミラー押
さえ40がネジ41により中空回転軸38に固定される
ことにより、中空回転軸38に固定されている。ミラー
押さえ40は、中空回転軸38の上方の中空部を閉止す
る状態で中空回転軸38に取り付けられており、固定軸
33の上端とミラー押さえ40により閉止された中空回
転軸38の中空部に空気溜まり42が形成されている。
【0070】ミラー押さえ40の中央部には、図2に示
す吸引型磁気軸受回転部43が固定されており、吸引型
磁気軸受回転部43は、アキシャル方向(中空回転軸3
8の軸方向)に2極に着磁された永久磁石で形成されて
いる。吸引型磁気軸受回転部43は、その着磁方向が吸
引型磁気軸受固定部34の永久磁石35の着磁方向と逆
方向、すなわち、半径方向で相対向する面が逆極性とな
る方向に着磁されている。吸引型磁気軸受回転部43
は、ミラー押さえ40に固定された状態でミラー押さえ
40が中空回転軸38に固定されると、上記固定軸33
の上端凹部33cに埋設された吸引型磁気軸受固定部3
4の中心円内に侵入し、少なくとも吸引型磁気軸受固定
部34に侵入する部分が、吸引型磁気軸受固定部34の
長さと同じ長さを有した円柱状あるいは円筒状に形成さ
れて、吸引型磁気軸受固定部34の第1固定ヨーク板3
6及び第2固定ヨーク板37と対向する磁気ギャップを
形成している。この吸引型磁気軸受固定部34の第1固
定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37と吸引型磁気
軸受回転部43との磁気ギャップは、約0.1mm〜
0.5mmの微細間隔に設定されている。吸引型磁気軸
受回転部43は、円柱状に形成されて部分の軸芯が、中
空回転軸38の回転中心と一致する状態、すなわち、中
空回転軸38と同軸となるように配設されている。
【0071】吸引型磁気軸受回転部43は、アルミマン
ガン磁石あるいは希土類系の樹脂成形磁石等のように、
寸法精度の高い材料で形成されている。また、上記固定
軸33、中空回転軸38及びミラー押さえ40は、アル
ミニウム合金等の非磁性材料で形成されており、吸引力
を発生する吸引型磁気軸受固定部34と吸引型磁気軸受
回転部43のギャップ中に磁束漏れが発生することを抑
制して、後述するアキシャル軸受に効率よくアキシャル
吸引力を発生させる。
【0072】また、ミラー押さえ40には、図1に示す
ように、空気溜まり42を中空回転軸38の外部に連通
する微細穴40aが吸引型磁気軸受回転部43の周囲に
形成されており、微細穴40aは、微細穴40aを通過
する空気の粘性抵抗により、後述するアキシャル軸受に
適切なダンピング特性を持たせている。
【0073】中空回転軸38の鍔部38aの下面であっ
て中空回転軸38の外周面には、図1に示すように、周
状にロータマグネット44が取り付けられており、ロー
タマグネット44は、中空回転軸38に対して内周部を
嵌合させ、内周部と軸方向上面を中空回転軸38及び鍔
部38aに直接接着等で固着することにより、中空回転
軸38に固着されている。上記ロータマグネット44
は、例えば、軽量かつ機械的耐力(引張強度)の高いア
ルミ−マンガン系の金属磁石により形成されている。
【0074】上記ポリゴンミラー39、ミラー押さえ4
0及びロータマグネット44等の取り付けられた中空回
転軸38は、回転体45を構成している。
【0075】上記ロータマグネット44に対向する下方
の位置には、プリント基板46を挟んでコイル部47と
ホール素子48が配設されており、プリント基板46
は、コネクタ49及びハーネス50を介して回路基板5
1に接続されている。これらプリント基板46、コイル
部47及びホール素子48等は、ハウジング31に取り
付けられており、これらロータマグネット44、プリン
ト基板46、コイル部47、ホール素子48、コネクタ
49、ハーネス50及び回路基板51の制御回路等によ
り、アキシャルギャップ(面対向)型のモータ52が構
成されている。このモータ52は、制御回路(回路基
板)51により励磁切り換えを行うことにより、回転体
45を回転させる。
【0076】そして、上記ミラー押さえ40には、回転
体45の不釣り合い修正用のバランス修正溝40bが形
成されており、ロータマグネット44には、回転体45
の不釣り合い修正用のバランス修正溝44aが形成され
ている。バランス修正溝44aは、ロータマグネット4
4の内周面の一部を周状に切り欠くことにより形成され
ており、ロータマグネット44のバランス修正溝44a
以外の内周面は、中空回転軸38に精度良く嵌合されて
いる。ロータマグネット44の外周面は、開放されてお
り、面対向型モータの欠点であるイナーシャをできる限
り小さくしている。また、ロータマグネット44の軸方
向面側は、ロータヨークなどが設けられておらず、磁気
的に開放されている。
【0077】上記固定軸33の外周面には、上述のよう
に、ヘリングボーン溝33a、33bが形成されている
ため、モータ52の駆動により回転体45が回転する
と、中空回転軸38と固定軸33の隙間の圧力が高ま
り、中空回転軸38、固定軸33及びヘリングボーン溝
33a、33bにより中空回転軸38と固定軸33のヘ
リングボーン溝33a、33bの形成された面を動圧空
気軸受面として動圧空気を利用したラジアル軸受として
機能して、非接触でラジアル方向(半径方向)に回転体
45を支持する。
【0078】また、上記ミラー押さえ40に固定された
永久磁石からなる吸引型磁気軸受回転部43、固定軸3
3の上端凹部33c内に埋設・固定された永久磁石3
5、第1固定ヨーク板36と第2固定ヨーク板37から
なる吸引型磁気軸受固定部34は、ミラー押さえ40の
吸引型磁気軸受回転部43と固定軸33に埋設・固定さ
れた吸引型磁気軸受固定部34にアキシャル方向の吸引
力が発生して、回転体45を浮上させるアキシャル軸受
として機能して、回転体45を軸方向に非接触で支持す
る。
【0079】そして、ハウジング32には、図示しない
半導体レーザからのレーザー光の入出射用の開口部にガ
ラス窓が両面テープまたは接着剤で固定されて、内部が
密閉されている。
【0080】次に、本実施の形態の作用を説明する。動
圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30は、ハウジング31
に固定された固定軸33が中空回転軸38に挿入され、
固定軸33の上端部中央部に上端凹部33cが形成され
て、この上端凹部33c内に吸引型磁気軸受固定部34
が埋設されている。吸引型磁気軸受固定部34は、アキ
シャル方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石35
を上下(アキシャル方向)の1対のリング状の第1固定
ヨーク板36と第2固定ヨーク板37で挟んだ状態に形
成され、第1固定ヨーク板36と第2固定ヨーク板37
の中心円は、永久磁石35の中心円よりも小さく形成さ
れているとともに、中空回転軸38の軸芯と一致する状
態で配設されている。
【0081】この固定軸33は、中空回転軸38の中空
内に挿入されており、中空回転軸38には、ポリゴンミ
ラー39、ミラー押さえ40及びロータマグネット44
等が取り付けられて、回転体45を構成している。
【0082】ミラー押さえ40には、固定軸33の上端
凹部33cに埋設された吸引型磁気軸受固定部34の中
心円内に侵入する吸引型磁気軸受回転部43が設けられ
ており、吸引型磁気軸受回転部43は、アルミマンガン
磁石あるいは希土類系の樹脂成形磁石等のように、寸法
精度の高い材料で、吸引型磁気軸受固定部34の長さと
同じ長さを有した円柱状あるいは円筒状に形成されて、
吸引型磁気軸受固定部34の第1固定ヨーク板36及び
第2固定ヨーク板37と対向する磁気ギャップを形成し
ている。
【0083】吸引型磁気軸受回転部43は、アキシャル
方向に吸引型磁気軸受固定部34の永久磁石35と逆極
性の2極に着磁されており、図2に示すように、吸引型
磁気軸受固定部34の永久磁石35、第1固定ヨーク板
36、吸引型磁気軸受回転部43及び第2固定ヨーク板
37へと向かい、再び永久磁石35へと向かう閉ループ
状に磁力線が形成されて、固定軸33の上端凹部33c
に埋設された吸引型磁気軸受固定部34とミラー押さえ
40を介して中空回転軸38に固定された吸引型磁気軸
受回転部43との間にアキシャル方向の吸引力が発生し
て、ミラー押さえ40に固定された吸引型磁気軸受回転
部43と固定軸33の上端部の上端凹部33c内に埋設
された吸引型磁気軸受固定部34は、回転体45を浮上
させるアキシャル軸受として機能して、回転体45を軸
方向に非接触で支持する。
【0084】また、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ3
0は、ロータマグネット44に対向する下方の位置に、
プリント基板46を挟んでコイル部47とホール素子4
8が配設されており、これらプリント基板46、コイル
部47、ホール素子48及び回路基板51の制御回路等
は、アキシャルギャップ(面対向)型のモータ52を構
成して、制御回路(回路基板)51により励磁切り換え
を行うことにより、回転体45を回転させる。
【0085】上記固定軸33の外周面には、ヘリングボ
ーン溝33a、33bが形成されており、モータ52の
駆動により回転体45が回転すると、中空回転軸38と
固定軸33の隙間の圧力が高まって、中空回転軸38、
固定軸33及びヘリングボーン溝33a、33bが、動
圧空気を利用したラジアル軸受として機能して、非接触
でラジアル方向に回転体45を支持する。
【0086】このように、動圧空気軸受型ポリゴンスキ
ャナ30は、アキシャル軸受が回転体45を非接触で軸
方向に支持し、モータ52により回転体45を回転駆動
することにより、動圧空気を利用したラジアル軸受が、
非接触で回転体45をラジアル方向に支持する。
【0087】そして、このアキシャル軸受がミラー押さ
え40に固定された吸引型磁気軸受回転部43と固定軸
33の上端部の上端凹部33c内に埋設された吸引型磁
気軸受固定部34との間に作用するアキシャル方向の吸
引力により、回転体45をアキシャル方向に支持してお
り、吸引型磁気軸受固定部34が、アキシャル方向に2
極に着磁されたリング状の永久磁石35と、この永久磁
石35の中心円よりも小さい中心円を有し永久磁石35
をアキシャル方向から挟む状態で配設されたリング状の
第1固定ヨーク板36と第2固定ヨーク板37と、で形
成され、吸引型磁気軸受回転部43が、この第1固定ヨ
ーク板36及び第2固定ヨーク板37と微細間隔、例え
ば、約0.1mm〜0.5mmの磁気ギャップを空けて
配設されている。したがって、吸引型磁気軸受回転部4
3と吸引型磁気軸受固定部34の磁力線を有効に利用す
ることができるとともに、吸引型磁気軸受回転部43と
吸引型磁気軸受固定部34を固定軸33の上端凹部33
c内に収納することができ、動圧空気軸受型ポリゴンス
キャナ30を小型化することができる。また、ミラー押
さえ40に固定された吸引型磁気軸受回転部43と固定
軸33の上端部の上端凹部33c内に埋設された吸引型
磁気軸受固定部34との間に組立バラツキ等により、偏
心が発生しすると、偏心方向に吸引力が強くなるが、第
1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37は、鋼板
材を用いて高い寸法精度で製作することができるので、
組立バラツキによる偏心量を小さく抑えて、吸引力の偏
りを小さくすることができる。その結果、摩耗粉の発生
を極力低減させることができ、軸受にロックが発生する
ことを防止することができる。
【0088】さらに、吸引型磁気軸受固定部34が固定
軸33の上端凹部33c内に埋設され、この吸引型磁気
軸受固定部34内に吸引型磁気軸受回転部43が挿入さ
れているので、吸引型磁気軸受固定部34や吸引型磁気
軸受回転部43に付着したゴミが組立時や組立後の回転
中あるいは輸送中等に動圧空気軸受であるラジアル軸受
の軸受隙間内に脱落、侵入して、回転異常となるのを防
止することができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ3
0の信頼性を向上させることができる。
【0089】また、ミラー押さえ40に、空気溜まり4
2と中空回転軸38の外部とを連通する微細穴40aが
形成され、微細穴40aによりアキシャル軸受に適切な
ダンピング特性を持たせているので、外乱振動に対し
て、減衰効果を発揮させることができ、より一層軸受ロ
ックを防止して、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30
の信頼性を向上させることができる。
【0090】さらに、吸引型磁気軸受回転部43の取り
付けられているミラー押さえ40及び吸引型磁気軸受固
定部34の埋設されている固定軸33が、上述のよう
に、アルミ合金等の非磁性材で形成されているため、吸
引力を発生する吸引型磁気軸受回転部43と吸引型磁気
軸受固定部34の磁気ギャップ中に磁束漏れが発生する
ことを抑制することができ、アキシャル軸受に効率よく
アキシャル吸引力を発生させることができる。その結
果、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30をより一層小
型化することができる。
【0091】また、第1固定ヨーク板36に凸部36a
を形成して、第2固定ヨーク板37及び永久磁石35を
固定軸33の上端凹部33cに収納した後、第1固定ヨ
ーク板36を固定軸33の上端凹部33cに圧入して、
当該上端凹部33cの内周壁に凸部36aを係合させる
ことにより、吸引型磁気軸受固定部34を固定軸33の
上端凹部33c内に埋設・固定しているので、吸引型磁
気軸受固定部34を容易に固定軸33の上端凹部33c
に埋設・固定することができるとともに、第1固定ヨー
ク板36のみを圧入により固定軸33の上端凹部33c
内に固定しているので、温度変化により固定軸33の上
端凹部33cと吸引型磁気軸受固定部34の構成部品で
ある永久磁石35と第2固定ヨーク板37の上端凹部3
3c内での移動を可能にして、動圧空気軸受の特性を向
上させることができる。すなわち、吸引型磁気軸受固定
部34の全ての部品(永久磁石35と第1及び第2固定
ヨーク板36、37)を圧入あるいは接着により固定軸
33の上端凹部33cに固定すると、例えば、温度上昇
により接着剤が膨張したとき、固定軸33の外周部がラ
ジアル方向に膨らんだり、第1及び第2固定ヨーク板3
6、37及び永久磁石35と固定軸33の線膨張率の差
によって、低温時に固定軸33の外周部が膨らむことが
あるが、第1固定ヨーク板36のみを固定軸33の上端
凹部33cに圧入固定すると、温度変化により固定軸3
3と吸引型磁気軸受固定部34との寸法変化が生じて
も、永久磁石35と第2固定ヨーク板37が半径方向
(ラジアル方向)に移動することができ、固定軸33の
外周部の膨らみを、固定軸33の先端の小さい範囲に押
さえることができる。したがって、温度変化による固定
軸33の先端部の変形が固定軸33動圧空気軸受面に及
ぶことを防止することができ、動圧空気軸受特性を向上
させることができる。その結果、安定して高速に回転体
45を回転させることができ、書込画像の画像品質を向
上させることができる。
【0092】また、固定軸33の上端凹部33cの形成
された部分の外周部分の外径をヘリングボーン溝33
a、33bの形成された動圧空気軸受面と同径に形成す
ると、当該外周部分を固定軸33の外径加工時の案内面
として利用することができ、固定軸33の動圧空気軸受
面の外径研削加工(センタレス加工)を容易に行うこと
ができる。
【0093】そして、吸引型磁気軸受固定部34と吸引
型磁気軸受回転部43との磁気ギャップを適切に微細な
ギャップとするには、以下のようにする。
【0094】すなわち、いま、図3に示すように、吸引
型磁気軸受固定部34のリング状の永久磁石35の内径
を、Dmi、永久磁石35の外径を、Dmo、第1固定
ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37の内径を、Dy
i、第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37の
外径を、Dyo、固定軸33の上端凹部33cの内径
を、Dsとすると、永久磁石35の内径が第1固定ヨー
ク板36及び第2固定ヨーク板37の内径部分よりも内
側に入らないようにするためには、まず、第1固定ヨー
ク板36及び第2固定ヨーク板37の外径Dyoと固定
軸33の上端凹部33cの内径Dsとの間に隙間が全く
ない場合には、図3において、第1固定ヨーク板36及
び第2固定ヨーク板37の外接部と中心円のうち当該外
接部から最も遠い位置までの距離Lyと、永久磁石35
の外接部と中心円のうち当該外接部から最も遠い位置ま
での距離Lmと、がLm>Lyの関係にあればよい。
【0095】ここで、Lm>Lyの関係に、上記永久磁
石35の内径Dmi、外径Dmo、第1固定ヨーク板3
6及び第2固定ヨーク板37の内径Dyi、外径Dyo
を代入すると、 Dmi/2+Dmo/2>Dyi/2+Dyo/2 となり、これを整理すると、次式(1)のようになる。
【0096】 Dmi+Dmo>Dyi+Dyo・・・(1) したがって、(1)式を満足するように、吸引型磁気軸
受固定部34の永久磁石35と第1固定ヨーク板36及
び第2固定ヨーク板37を形成することにより、吸引型
磁気軸受固定部34の永久磁石35と第1固定ヨーク板
36及び第2固定ヨーク板37を固定軸33の上端凹部
33c内に固定した際に、例え、偏心した状態で組み立
てられても、永久磁石35の内径部分が第1固定ヨーク
板36及び第2固定ヨーク板37の内径部分よりも内側
にはみ出すことを防止し、第1固定ヨーク板36及び第
2固定ヨーク板37の内径部分を、永久磁石35の内径
部分の内側に常に位置させて、吸引型磁気軸受回転部4
3との間に適切な微小の磁気ギャップを形成することが
できる。
【0097】また、第1固定ヨーク板36及び第2固定
ヨーク板37の外径Dyoと固定軸33の上端凹部33
cの内径Dsとの間に多少の隙間がある場合には、Lm
>Lyの右辺に、隙間分(Ds−Dyo)を追加する
と、第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37の
内径部分を、永久磁石35の内径部分よりも内側に常に
位置させることができる。
【0098】すなわち、Lm>Ly+(Ds−Dyo)
の関係に、上記永久磁石35の内径Dmi、外径Dm
o、第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37の
内径Dyi、外径Dyoを代入すると、 Dmi/2+Dmo/2>Dyi/2+Dyo/2+
(Ds−Dyo) となり、これを整理すると、次式(2)のようになる。
【0099】 Dmi+Dmo>2Ds+Dyi−Dyo・・・(2) この(2)式を、DmoまたはDyoについて整理する
と、(3)式及び(4)式のようになる。
【0100】 2Ds+Dyi−Dyo−Dmi<Dmo<Ds・・・(3) 2Ds+Dyi−Dmo−Dmi<Dyo<Ds・・・(4) したがって、吸引型磁気軸受固定部34の永久磁石35
の外径Dmoと第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨー
ク板37の外径Dyoを、上記(3)式あるいは(4)
式に示す条件を満足するように設定すると、第1固定ヨ
ーク板36及び第2固定ヨーク板37の外径Dyoと固
定軸33の上端凹部33cの内径Dsとの間に隙間があ
る場合にも、第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク
板37の内径部分を、永久磁石35の内径部分よりも内
側に常に位置させることができ、永久磁石35の内径部
分が第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37の
内径部分よりも内側にはみ出すことを防止することがで
きる。
【0101】ただし、第1固定ヨーク板36を固定軸3
3の上端凹部33cに圧入する場合には、第1固定ヨー
ク板36の外径Dyoを固定軸33の上端凹部33cの
内径Dsよりも大きく設定する。
【0102】このように吸引型磁気軸受固定部34の永
久磁石35の内径が第1固定ヨーク板36及び第2固定
ヨーク板37の内径の内側にはみ出すことがないので、
永久磁石35と第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨー
ク板37の固定軸33の上端凹部33cへの埋設時に、
永久磁石35と第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨー
ク板37の特別な位置決め作業を行うことなく、吸引型
磁気軸受固定部34の組立作業を簡単、かつ、速やかに
行うことができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30
を安価で、組立作業の容易なものとすることができる。
【0103】なお、上記実施の形態においては、吸引型
磁気軸受回転部43を永久磁石で形成しているが、吸引
型磁気軸受回転部43としては、永久磁石である必要は
なく、図4に示すように、強磁性体により形成した回転
ヨーク43aであってもよい。吸引型磁気軸受回転部4
3としての回転ヨーク43aは、例えば、鉄鋼系の強磁
性体で形成することができ、永久磁石で形成する場合よ
りも、その寸法精度を向上させることができる。
【0104】このように、吸引型磁気軸受回転部43を
強磁性体の回転ヨーク43aで形成すると、上述のよう
に、その寸法精度を向上させることができ、より一層吸
引型磁気軸受回転部43と吸引型磁気軸受固定部34の
磁気ギャップを適切なものとして、より一層動圧空気軸
受型ポリゴンスキャナ30を小型で、安価なものとする
ことができる。
【0105】また、この回転ヨーク43aは、上記第1
の実施の形態の吸引型磁気軸受回転部43と同様に、円
柱状であってもよいし、図4に示すように、第1固定ヨ
ーク板36及び第2固定ヨーク板37と対向する部分
に、リング状の外筒凸部43bが形成されていてもよ
い。このようにすると、当該外筒凸部43bと吸引型磁
気軸受固定部34との磁気ギャップの精度を向上させる
ことができる。
【0106】さらに、上記実施の形態においては、第1
固定ヨーク板36に凸部36aを形成して、第2固定ヨ
ーク板37及び永久磁石35を固定軸33の上端凹部3
3cに収納した後、第1固定ヨーク板36を固定軸33
の上端凹部33cに圧入して、当該上端凹部33cの内
周壁に凸部36aを係合させることにより、吸引型磁気
軸受固定部34を固定軸33の上端凹部33c内に埋設
・固定しているが、吸引型磁気軸受固定部34の上端凹
部33cへの埋設・固定方法は、上記方法に限るもので
はなく、例えば、図4に示すように、少なくとも第1固
定ヨーク板36の外径全体を固定軸33の上端凹部33
cの内径よりも多少大きく形成して、第1固定ヨーク板
36を上端凹部33cに圧入するものであってもよい
し、第1固定ヨーク板36を接着してもよい。
【0107】図5は、本発明の動圧空気軸受型ポリゴン
スキャナの第2の実施の形態を示す図であり、図5は、
本発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの第2の実施
の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60
の正面断面図である。
【0108】本実施の形態は、中空回転軸の上部開放端
を閉止するとともに吸引型磁気軸受回転部を保持するカ
ップ状の保持部材をカシメ等で固定し、ポリゴンミラー
を板ばねで固定したものである。
【0109】なお、本実施の形態は、上記第1の実施の
形態と同様の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナに適用し
たものであり、本実施の形態の説明においては、上記第
1の実施の形態の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナと同
様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説
明を省略する。
【0110】図5において、動圧空気軸受型ポリゴンス
キャナ60は、固定軸33、固定軸33の上端部の上端
凹部33c及び当該上端凹部33c内に埋設される吸引
型磁気軸受固定部34は、上記第1の実施の形態と同様
の構成である。
【0111】動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60は、
その中空回転軸61が、図6に示すように、固定軸33
の挿入される中空を有するとともに、鍔部61aを備
え、上端部に、リング状のカシメ部61bを備えてい
る。このリング状のカシメ部61bの内周側には、リン
グ状の平面部61cが形成されており、リング状のカシ
メ部61bの内側の平面部61c上にカップ状の保持部
材62が嵌合されて、中空回転軸61の開放上端部が、
図5に示すように、固定軸33との間に空気溜まり63
を形成した状態で閉止される。保持部材62は、カシメ
部61bが内側にカシメられる(塑性変形される)こと
により、中空回転軸61の上端の平面部61cに固定さ
れ、カップ状の保持部材62の内周部62aは、その径
が中空回転軸61の固定軸33との動圧空気軸受面の内
径よりも大きく形成されている。保持部材62の中心部
の中空回転軸61側には、吸引型磁気軸受回転部43と
して図4に示した強磁性材料で形成された回転ヨーク4
3aが固定されており、固定軸33の上端凹部33c内
に埋設されている吸引型磁気軸受固定部34の第1固定
ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37と適切な微細磁
気ギャップを形成している。
【0112】保持部材62の回転ヨーク43aの周辺に
は、空気溜まり63と中空回転軸61の外部とを連通す
る微細穴62bが形成され、微細穴62bは、微細穴6
2bを通過する空気の粘性抵抗により、後述するアキシ
ャル軸受に適切なダンピング特性を持たせている。ま
た、中空回転軸61のカシメ部61bは、カップ状の保
持部材62との嵌合部よりも軸方向に長く形成されてお
り、カップ状の保持部材62との間に形成されるリング
状の溝61dを利用して回転のバランス修正が行われ
る。すなわち、このリング状の溝61dに付加重りを付
加して、回転バランスの調整を行うことができる。
【0113】そして、中空回転軸61の鍔部61aの上
面にポリゴンミラー39が載置され、ポリゴンミラー3
9は、板ばね64を中空回転軸61のカシメ部61bよ
りも下側の部分に固定して、ポリゴンミラー39を中空
回転軸61の鍔部61aに軸方向に弾性的に押さえつけ
ることにより、固定されている。すなわち、板ばね64
は、略リング状に形成されるとともに、その中央部に、
中空回転軸61のカシメ部61bよりも下側の部分の外
径よりもわずかに小さい内径となる位置まで突出した突
出固定部64aが複数形成され、その外周部に、中空回
転軸61に固定された際に軸方向下側に弾性力を発生さ
せる複数の押さえ部64bが突出固定部64aの内接円
を中心として放射状に形成されている。この押さえ部6
4bは、突出固定部64aの内接円の接線と平行な線で
下方に折り曲げられており、板ばね64は、中空回転軸
61の上方からカシメ部61bよりも下側の部分まで押
し込まれると、突出固定部64aが当該中空回転軸61
に圧縮されて、中空回転軸61に固定されるとともに、
軸方向に弾性力が発生して、押さえ部64bがポリゴン
ミラー39を中空回転軸61の鍔部61aに押し付けて
固定する。
【0114】上記ポリゴンミラー39、保持部材62、
板ばね64及びロータマグネット44等の取り付けられ
た中空回転軸61は、回転体65を構成している。
【0115】このように、本実施の形態の動圧空気軸受
型ポリゴンスキャナ60は、中空回転軸61の上端部に
リング状のカシメ部61bを形成し、吸引型磁気軸受回
転部43aの取り付けられたカップ状の保持部材62を
当該カシメ部61bをカシメて固定している。
【0116】したがって、回転体65を構成する材料の
うち、線膨張率の異なる材料同士の接着部分を減らすこ
とができ、長期にわたる使用により回転体65が高温と
低温に繰り返し曝されても、回転体65のバランスが崩
れるのを防止することができる。その結果、回転体65
の不釣り合い振動を防止することができ、当該不釣り合
い振動により回転体65の周囲の部材が振動することに
よる騒音を防止することができるとともに、書込画像の
画像品質を向上させることができる。
【0117】また、カップ状の保持部材62の内周部6
2aは、その径が中空回転軸61の固定軸33との動圧
空気軸受面の内径よりも大きく形成されているので、温
度変化により固定軸33の上端凹部33cの外周部がラ
ジアル方向に膨らんだり、第1及び第2固定ヨーク板3
6、37と固定軸33の線膨張率の差によって、低温時
に固定軸33の外周部が膨らんでも、この変形を吸収す
ることができ、動圧空気軸受特性を向上させることがで
きる。
【0118】さらに、吸引型磁気軸受回転部43aを当
該カシメにより固定される保持部材62に固定している
ので、中空回転軸61にネジ穴を形成する必要がなく、
中空回転軸61のネジ穴加工とネジ穴加工後の洗浄処理
を省くことができ、中空回転軸61の加工コスト及び動
圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60のコストを低減する
ことができる。
【0119】さらに、ポリゴンミラー39を板ばね64
を用いて中空回転軸61に固定しているので、中空回転
軸61にネジ穴を設ける必要がなく、中空回転軸61の
ネジ穴加工とネジ穴加工後の洗浄処理を省くことがで
き、中空回転軸61の加工コスト及び動圧空気軸受型ポ
リゴンスキャナ60のコストを低減することができる。
【0120】また、中空回転軸61のカシメ部61bと
カップ状の保持部材62との間に形成されるリング状の
溝61dを利用して、例えば、当該溝61dに付加重り
を付加することにより、回転体65の回転バランスの修
正を行うことができ、中空回転軸61及び保持部材62
にバランス修正専用の溝を形成する必要がなく、コスト
を低減することができる。
【0121】図7は、本発明の動圧空気軸受型ポリゴン
スキャナの第3の実施の形態を示す図であり、図7は、
本発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの第3の実施
の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ70
の正面断面図である。
【0122】本実施の形態は、中空回転軸の上部開放端
を閉止するとともに吸引型磁気軸受回転部を保持する保
持部材をカシメ等で固定し、ポリゴンミラーを板ばねで
固定し、さらに、固定軸の先端部と中空回転軸との間に
隙間を形成したものである。
【0123】なお、本実施の形態は、上記第1の実施の
形態及び第2の実施の形態と同様の動圧空気軸受型ポリ
ゴンスキャナに適用したものであり、本実施の形態の説
明においては、上記第1の実施の形態及び第2の実施の
形態の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナと同様の構成部
分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略す
る。
【0124】図7において、動圧空気軸受型ポリゴンス
キャナ70は、固定軸33、固定軸33の上端部の上端
凹部33c及び当該上端凹部33c内に埋設される吸引
型磁気軸受固定部34は、上記第1の実施の形態と同様
の構成である。
【0125】動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ70は、
その中空回転軸71が、固定軸33の挿入される中空を
有するとともに、鍔部71aを備え、上端部が、固定軸
33の上端面よりも上方に長く形成されて、当該上端
に、リング状のカシメ部71bが形成されている。この
リング状のカシメ部71bの内周側には、リング状の平
面部71cが形成されており、リング状のカシメ部71
bの内側の平面部71c上に円盤状の保持部材72が嵌
合されて、中空回転軸71の開放上端部が、固定軸33
との間に空気溜まり73を形成した状態で閉止される。
保持部材62は、カシメ部71bが内側にカシメられる
(塑性変形される)ことにより、中空回転軸71の上端
の平面部71cに固定され、保持部材72の中心部の中
空回転軸71側には、吸引型磁気軸受回転部43として
図4に示した強磁性材料で形成した回転ヨーク43aが
固定されており、固定軸33の上端凹部33c内に埋設
されている吸引型磁気軸受固定部34の第1固定ヨーク
板36及び第2固定ヨーク板37と適切な微細磁気ギャ
ップを形成している。
【0126】保持部材72の回転ヨーク43aの周辺に
は、空気溜まり73と中空回転軸71の外部とを連通す
る微細穴72aが形成され、微細穴72aは、微細穴7
2aを通過する空気の粘性抵抗により、後述するアキシ
ャル軸受に適切なダンピング特性を持たせている。ま
た、中空回転軸71のカシメ部71bは、円盤状の保持
部材72との嵌合部よりも軸方向に長く形成されてお
り、円盤状の保持部材72との間に形成されるリング状
の溝71dを利用して、例えば、付加重りを付加するこ
とにより、回転のバランス修正が行われる。
【0127】また、上記中空回転軸71は、固定軸33
の上端凹部33cの形成された部分の外周部にラジアル
方向で対向する内周部分71dが、図7に示すように、
固定軸33との動圧空気軸受面の内径よりも大きく形成
されている。
【0128】そして、中空回転軸71の鍔部71aの上
面にポリゴンミラー39が載置され、ポリゴンミラー3
9は、板ばね64を中空回転軸71のカシメ部71bよ
りも下側の部分に固定して、ポリゴンミラー39を中空
回転軸71の鍔部71aに軸方向に弾性的に押さえつけ
ることにより、固定されている。
【0129】上記ポリゴンミラー39、保持部材72、
板ばね64及びロータマグネット44等の取り付けられ
た中空回転軸71は、回転体74を構成している。
【0130】このように、本実施の形態の動圧空気軸受
型ポリゴンスキャナ70は、中空回転軸71の上端部に
リング状のカシメ部71bを形成し、吸引型磁気軸受回
転部43aの取り付けられた円盤状の保持部材72を当
該カシメ部71bをカシメて固定している。
【0131】したがって、回転体74を構成する材料の
うち、線膨張率の異なる材料同士の接着部分を減らすこ
とができ、長期にわたる使用により回転体74が高温と
低温に繰り返し曝されても、回転体74のバランスが崩
れるのを防止することができる。その結果、回転体74
の不釣り合い振動を防止することができ、当該不釣り合
い振動により回転体74の周囲の部材が振動することに
よる騒音を防止することができるとともに、書込画像の
画像品質を向上させることができる。
【0132】また、中空回転軸71の固定軸33の上端
凹部33cの形成された部分の外周部にラジアル方向で
対向する内周部分71dが、固定軸33との動圧空気軸
受面の内径よりも大きく形成されているので、温度変化
により固定軸33の上端凹部33cの外周部がラジアル
方向に膨らんだり、第1及び第2固定ヨーク板36、3
7と固定軸33の線膨張率の差によって、低温時に固定
軸33の外周部が膨らんでも、この変形を吸収すること
ができ、動圧空気軸受特性を向上させることができる。
【0133】さらに、吸引型磁気軸受回転部43aを当
該カシメにより固定される円盤状の保持部材72に固定
しているので、中空回転軸71にネジ穴を形成する必要
がなく、中空回転軸71のネジ穴加工とネジ穴加工後の
洗浄処理を省くことができ、中空回転軸71の加工コス
ト及び動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ70のコストを
低減することができる。特に、中空回転軸71の上部開
放端を閉止するのに、円盤状の保持部材72を使用して
いるため、上記第2の実施の形態のようにカップ状の保
持部材62を使用した場合よりも、より一層加工を容易
なものとすることができ、コストをより一層低減するこ
とができる。
【0134】また、ポリゴンミラー39を板ばね64を
用いて中空回転軸71に固定しているので、中空回転軸
71にネジ穴を設ける必要がなく、中空回転軸71のネ
ジ穴加工とネジ穴加工後の洗浄処理を省くことができ、
中空回転軸71の加工コスト及び動圧空気軸受型ポリゴ
ンスキャナ70のコストを低減することができる。
【0135】さらに、中空回転軸71のカシメ部71b
と円盤状の保持部材72との間に形成されるリング状の
溝71dを利用して、例えば、付加重りを付加すること
により、回転体74の回転バランスの修正を行うことが
でき、中空回転軸71及び保持部材72にバランス修正
専用の溝を形成する必要がなく、コストを低減すること
ができる。
【0136】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0137】例えば、上記各実施の形態においては、モ
ータとして、アキシャルギャップ型のブラシレスモータ
を使用した場合について説明したが、モータとしては、
アキシャルギャップ型のブラシレスモータに限るもので
はなく、例えば、ラジアルギャップ型のブラシレスモー
タ(アウターロータ型やインナーロータ型)であっても
よい。
【0138】
【発明の効果】請求項1記載の発明の動圧空気軸受型ポ
リゴンスキャナによれば、軸方向に中空部を有する中空
回転軸にポリゴンミラーが固定された回転体の中空回転
軸の中空部内に固定軸が挿入され、回転体が回転される
と発生する空気の動圧を利用したラジアル動圧空気軸受
と吸引型磁気力を利用したアキシャル軸受により、回転
体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持し、中空回転
軸の一端側に中空部を閉止する保持部材が取り付けら
れ、固定軸の当該保持部材側の先端部に、軸方向に2極
が着磁されたリング状の永久磁石を軸方向に挟むととも
に、当該リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円
が形成され強磁性材料からなるリング状の第1固定ヨー
ク板及び第2固定ヨーク板がそれぞれの中心円が中空回
転軸に対して同軸となる状態で配置された吸引型磁気軸
受固定部を固定し、保持部材に、吸引型磁気軸受固定部
内に挿入され、吸引型磁気軸受固定部の第1固定ヨーク
板及び第2固定ヨーク板の内周面との間に所定の磁気ギ
ャップを形成する円形の外周部を備え、当該外周部が中
空回転軸に対して同軸になる状態で配置された吸引型磁
気軸受回転部を固定しているので、吸引型磁気軸受回転
部の外周部を固定軸に固定された吸引型磁気軸受固定部
で覆った状態として、アキシャル軸受に付着したゴミが
組み立て時や組立後の回転中及び輸送中等にラジアル動
圧空気軸受の軸受隙間内に脱落・侵入して、回転異常が
発生することを防止することができ、また、加工が容易
で寸法精度の高い第1固定ヨーク板及び第2固定ヨーク
板と吸引型磁気軸受固定部との間に磁気ギャップを高精
度に形成して、吸引型磁気軸受固定部の永久磁石の磁気
力を有効利用することができ、動圧空気軸受型ポリゴン
スキャナを信頼性が高く画像品質の良好なものとするこ
とができるとともに、小型で安価なものとすることがで
きる。
【0139】請求項2記載の発明の動圧空気軸受型ポリ
ゴンスキャナによれば、吸引型磁気軸受回転部を、強磁
性材料で形成しているので、吸引型磁気軸受回転部とし
て加工精度の高い強磁性材料を使用するとともに、永久
磁石を削減することができ、動圧空気軸受型ポリゴンス
キャナをより一層信頼性が高く画像品質の良好なものと
することができるとともに、より一層小型で、より一層
安価なものとすることができる。
【0140】請求項3記載の発明の動圧空気軸受型ポリ
ゴンスキャナによれば、固定軸を、非磁性材料で形成す
るとともに、保持部材側の端部に円筒状の凹部を形成
し、当該凹部内に吸引型磁気軸受固定部を埋設している
ので、吸引型磁気軸受回転部を覆う吸引型磁気軸受固定
部を固定軸に形成された凹部内に埋設して、固定軸と中
空回転軸の嵌合の際に、中空回転軸の動圧空気軸受面と
吸引型磁気軸受固定部が接触するのを防止することがで
きるとともに、アキシャル軸受に付着したゴミが組み立
て時や組立後の回転中及び輸送中等にラジアル動圧空気
軸受の軸受隙間内に脱落・侵入して、回転異常が発生す
ることを防止することができ、固定軸と中空回転軸の嵌
合作業を容易なものとすることができるとともに、動圧
空気軸受型ポリゴンスキャナをより一層小型で、より一
層安価なものとすることができる。
【0141】請求項4記載の発明の動圧空気軸受型ポリ
ゴンスキャナによれば、第1固定ヨーク板と第2固定ヨ
ーク板のうち、保持部材側に位置する第1固定ヨーク板
あるいは第2固定ヨーク板のみを、固定軸の凹部の内周
面に固定して、吸引型磁気軸受固定部を凹部内に埋設・
固定しているので、簡単、かつ、容易に吸引型磁気軸受
固定部を固定軸の凹部内に埋設固定することができると
ともに、固定した第1固定ヨーク板あるいは第2固定ヨ
ーク板以外の固定ヨーク板と永久磁石が、凹部内で移動
可能な状態として、温度変化による固定軸の先端部分の
変形を抑制することができ、動圧空気軸受型ポリゴンス
キャナを、より一層安価で、かつ、動圧空気軸受特性が
良好なものとすることができる。
【0142】請求項5記載の発明の動圧空気軸受型ポリ
ゴンスキャナによれば、吸引型磁気軸受固定部のリング
状の永久磁石の内径を、Dmi、その外径を、Dmo、
第1及び第2固定ヨーク板の内径を、Dyi、その外径
を、Dyo、固定軸に形成された凹部の内径を、Ds、
としたとき、永久磁石、第1固定ヨーク板、第2固定ヨ
ーク板及び固定軸の凹部を、Dmi+Dmo>Dyi−
Dyo+2Dsなる関係を満足するように形成している
ので、リング状の永久磁石の内径が第1固定ヨーク板及
び第2固定ヨーク板の内径の内側にはみ出すことを適切
に防止することができ、永久磁石と第1固定ヨーク板及
び第2固定ヨーク板との特別な位置決め作業を行うこと
なく、吸引型磁気軸受固定部を簡単に組み立てて、動圧
空気軸受型ポリゴンスキャナを、より一層安価で、吸引
型磁気軸受特性の良好なものとすることができる。
【0143】請求項6記載の発明の動圧空気軸受型ポリ
ゴンスキャナによれば、保持部材を、固定軸の凹部の形
成された先端部が進入可能な略カップ状に形成し、中空
回転軸の保持部材側の端部に略リング状のカシメ部を設
け、カップ状の保持部材を、当該カシメ部により中空回
転軸の一端部に固定しているので、回転体の構成部品の
うち、線膨張率の異なる材料同士が接着される部分を削
減して、長期にわたる使用により回転体が高温と低温に
繰り返し曝された場合に、回転体の回転バランスが崩れ
て、周囲の部品を振動させて騒音が発生するのを防止す
ることができ、かつ、書込画像の画像品質の良好なもの
とすることができるとともに、保持部材を中空回転軸に
取り付けるためのネジ穴加工とその後の洗浄処理を省く
ことができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナをより一
層安価で、小型のものとすることができる。
【0144】請求項7記載の発明の動圧空気軸受型ポリ
ゴンスキャナによれば、保持部材を円盤状に形成し、中
空回転軸の保持部材側の端部に略リング状のカシメ部を
設け、円盤状の保持部材を、当該カシメ部により中空回
転軸の一端部に固定しているので、回転体の構成部品の
うち、線膨張率の異なる材料同士が接着される部分を削
減して、長期にわたる使用により回転体が高温と低温に
繰り返し曝された場合に、回転体の回転バランスが崩れ
て、周囲の部品を振動させて騒音が発生するのを防止す
ることができ、かつ、書込画像の画像品質の良好なもの
とすることができるとともに、保持部材を中空回転軸に
取り付けるためのネジ穴加工とその後の洗浄処理を省く
ことができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナをより一
層安価なものとすることができる。
【0145】請求項8記載の発明の動圧空気軸受型ポリ
ゴンスキャナによれば、固定軸の凹部の形成された部分
の外周面と当該外周面に半径方向で対向する中空回転軸
の内周面との間に、動圧空気軸受面の軸受隙間よりも所
定量大きい隙間を有する変形許容空間部を形成している
ので、温度変化により固定軸と吸引型磁気軸受固定部の
線膨張率の違いから固定軸の凹部の形成された先端側が
多少膨らんでも、変形許容空間部で当該変形を吸収する
ことができ、動圧空気軸受特性を良好なものとして、騒
音の発生を防止することができるとともに、書込画像の
画像品質を向上させることができる。
【0146】請求項9記載の発明の動圧空気軸受型ポリ
ゴンスキャナによれば、カップ状の保持部材の内周面と
固定軸の凹部の形成された部分の外周面との間に、動圧
空気軸受面の軸受隙間よりも所定量大きい隙間の変形許
容空間部を形成しているので、温度変化により固定軸と
吸引型磁気軸受固定部の線膨張率の違いから固定軸の凹
部の形成された先端側が多少膨らんでも、変形許容空間
部で当該変形を吸収することができ、動圧空気軸受特性
を良好なものとして、騒音の発生を防止することができ
るとともに、書込画像の画像品質を向上させることがで
きる。
【0147】請求項10記載の発明の動圧空気軸受型ポ
リゴンスキャナによれば、リング状のカシメ部の内周側
に付加重りを付加して、回転体の回転バランスを修正し
ているので、中空回転軸及び保持部材に回転バランス修
正専用の修正溝等を形成することなく、回転体の回転バ
ランスを修正することができ、動圧空気軸受型ポリゴン
スキャナを製造が容易で、安価なものとすることができ
る。
【0148】請求項11記載の発明の動圧空気軸受型ポ
リゴンスキャナによれば、中空回転軸の外周部に所定幅
で所定量外方に突出した鍔部を形成し、ポリゴンミラー
を、中空回転軸の外周部に圧入・固定される略リング状
の板ばねにより鍔部に弾性的に押し付けて中空回転軸に
固定しているので、中空回転軸にネジ穴を形成すること
なく、ポリゴンミラーを中空回転軸に固定することがで
き、中空回転軸のネジ穴加工とその後の洗浄処理を省い
て、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナをより一層製造が
容易で、安価なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの第
1の実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキ
ャナの正面断面図。
【図2】図1の吸引型磁気軸受固定部及び吸引型磁気軸
受回転部の分解斜視図及び正面断面図。
【図3】図1の吸引型磁気軸受固定部と固定軸の上端凹
部の寸法関係を示す図。
【図4】図1の吸引型磁気軸受固定部及び吸引型磁気軸
受回転部の他の例の分解斜視図及び正面断面図。
【図5】本発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの第
2の実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキ
ャナの正面断面図。
【図6】図5の回転体の分解斜視図及び正面断面図。
【図7】本発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの第
3の実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキ
ャナの正面断面図。
【図8】従来の軸受装置の正面断面図。
【図9】図8の回転体の分解斜視図及び正面断面図。
【符号の説明】
30 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ 31 ハウジング 32 上ケース 33 固定軸 33a、33b ヘリングボーン溝 33c 上端凹部 34 吸引型磁気軸受固定部 35 永久磁石 36 第1固定ヨーク板 37 第2固定ヨーク板 38 中空回転軸 38a 鍔部 39 ポリゴンミラー 40 ミラー押さえ 40a 微細穴 40b バランス修正溝 41 ネジ 42 空気溜まり 43 吸引型磁気軸受回転部 43a 回転ヨーク 44 ロータマグネット 44a バランス修正溝 45 回転体 46 プリント基板 47 コイル部 48 ホール素子 49 コネクタ 50 ハーネス 51 回路基板 52 モータ 60 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ 61 中空回転軸 61a 鍔部 61b カシメ部 61c 平面部 62 保持部材 62a 内周部 62b 微細穴 63 空気溜まり 64 板ばね 64a 突出固定部 64b 押さえ部 65 回転体 70 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ 71 中空回転軸 71a 鍔部 71b カシメ部 71c 平面部 71d 溝 72 保持部材 72a 微細穴 73 空気溜まり 74 回転体

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向に中空部を有する中空回転軸にポリ
    ゴンミラーの固定された回転体の前記中空回転軸の前記
    中空部内に固定軸が挿入され、前記中空回転軸の一端側
    に前記中空部を閉止して所定の空気溜まりを形成する状
    態で所定の保持部材が取り付けられ、前記回転体がモー
    タにより回転され、前記回転体が前記モータに回転され
    ることにより発生する空気の動圧を前記中空回転軸の内
    周面と前記固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受
    けるラジアル動圧空気軸受と吸引型磁気力を利用したア
    キシャル軸受により前記回転体を半径方向方向及び軸方
    向に回転自在に支持する動圧空気軸受型ポリゴンスキャ
    ナであって、前記アキシャル軸受は、前記固定軸の前記
    保持部材側の先端部に固定されたリング状の吸引型磁気
    軸受固定部と、前記中空回転軸に取り付けられた前記保
    持部材に固定され前記リング状の吸引型磁気軸受固定部
    内に挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備え、前記
    吸引型磁気軸受固定部は、前記軸方向に2極に着磁され
    たリング状の永久磁石と、前記リング状の永久磁石の内
    径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリ
    ング状の第1固定ヨーク板と、前記リング状の永久磁石
    の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からな
    るリング状の第2固定ヨーク板と、を備え、前記第1固
    定ヨーク板と前記第2固定ヨーク板は、前記リング状の
    永久磁石を前記軸方向に挟むとともに、それぞれの中心
    円が前記中空回転軸に対して同軸に配置され、前記吸引
    型磁気軸受回転部は、前記吸引型磁気軸受固定部の前記
    第1固定ヨーク板及び前記第2固定ヨーク板の内周面と
    の間に所定の磁気ギャップを形成する円形の外周部を備
    え、前記外周部が前記中空回転軸に対して同軸に配置さ
    れていることを特徴とする動圧空気軸受型ポリゴンスキ
    ャナ。
  2. 【請求項2】前記吸引型磁気軸受回転部は、強磁性材料
    により形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ。
  3. 【請求項3】前記固定軸は、非磁性材料で形成されてい
    るとともに、前記保持部材側の端部に円筒状の凹部が形
    成され、前記吸引型磁気軸受固定部は、当該固定軸の凹
    部内に埋設されていることを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ。
  4. 【請求項4】前記吸引型磁気軸受固定部は、前記第1固
    定ヨーク板と前記第2固定ヨーク板のうち、前記保持部
    材側に位置する前記第1固定ヨーク板あるいは前記第2
    固定ヨーク板のみが、前記固定軸の前記凹部の内周面に
    固定され、前記凹部内に埋設・固定されていることを特
    徴とする請求項3記載の動圧空気軸受型ポリゴンスキャ
    ナ。
  5. 【請求項5】前記吸引型磁気軸受固定部の前記リング状
    の永久磁石の内径を、Dmi、前記リング状の永久磁石
    の外径を、Dmo、前記第1固定ヨーク板及び第2固定
    ヨーク板の内径を、Dyi、前記第1固定ヨーク板及び
    第2固定ヨーク板の外径を、Dyo、前記固定軸に形成
    された前記内筒状の凹部の内径を、Ds、としたとき、
    前記永久磁石、前記第1固定ヨーク板、第2固定ヨーク
    板及び前記固定軸の凹部は、 Dmi+Dmo>Dyi−Dyo+2Ds なる関係を満足することを特徴とする請求項3または請
    求項4記載の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ。
  6. 【請求項6】前記保持部材は、前記吸引型磁気軸受回転
    部が固定されるとともに、前記固定軸の前記凹部の形成
    された先端部が進入可能な略カップ状に形成され、前記
    中空回転軸は、前記保持部材側の端部に略リング状のカ
    シメ部を有し、前記カップ状の保持部材は、前記カシメ
    部により前記中空回転軸の一端部に固定されていること
    を特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の
    動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ。
  7. 【請求項7】前記保持部材は、前記吸引型磁気軸受回転
    部に固定されるとともに円盤状に形成され、前記中空回
    転軸は、前記保持部材側の端部に略リング状のカシメ部
    を有し、前記円盤状の保持部材は、前記カシメ部により
    前記中空回転軸の一端部に固定されていることを特徴と
    する請求項1から請求項5のいずれかに記載の動圧空気
    軸受型ポリゴンスキャナ。
  8. 【請求項8】前記動圧空気軸受型ポリゴンスキャナは、
    前記固定軸の前記凹部の形成された部分の外周面と当該
    外周面に半径方向で対向する前記中空回転軸の内周面と
    の間に、前記動圧空気軸受面の軸受隙間よりも所定量大
    きい隙間を有する変形許容空間部が形成されていること
    を特徴とする請求項3から請求項5または請求項7のい
    ずれかに記載の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ。
  9. 【請求項9】前記動圧空気軸受型ポリゴンスキャナは、
    前記カップ状の保持部材の内周面と前記固定軸の前記凹
    部の形成された部分の外周面との間に、前記動圧空気軸
    受面の軸受隙間よりも所定量大きい隙間の変形許容空間
    部が形成されていることを特徴とする請求項6記載の動
    圧空気軸受型ポリゴンスキャナ。
  10. 【請求項10】前記動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ
    は、前記リング状のカシメ部の内周側に付加重りが付加
    されて、前記回転体の回転バランスの修正が行われてい
    ることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに
    記載の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ。
  11. 【請求項11】前記中空回転軸は、その外周部に所定幅
    で所定量外方に突出した鍔部が形成され、前記ポリゴン
    ミラーは、前記中空回転軸の外周部に圧入・固定される
    略リング状の板ばねにより前記鍔部に弾性的に押し付け
    られて前記中空回転軸に固定されていることを特徴とす
    る請求項1から請求項10のいずれかに記載の動圧空気
    軸受型ポリゴンスキャナ。
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