JPH1138135A - 距離測定装置 - Google Patents

距離測定装置

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JPH1138135A
JPH1138135A JP9197369A JP19736997A JPH1138135A JP H1138135 A JPH1138135 A JP H1138135A JP 9197369 A JP9197369 A JP 9197369A JP 19736997 A JP19736997 A JP 19736997A JP H1138135 A JPH1138135 A JP H1138135A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 距離測定装置による距離の測定精度を向上す
る。 【解決手段】 発光部2から出射した測定光の反射光を
受光部4で受光し、受光信号を増幅器14,STC回路
18で増幅してコンパレータ24に入力することによ
り、コンパレータ24で反射光の受光を検出する装置に
おいて、反射光の検出感度を上げるために、増幅器14
の増幅率を変化させることにより、コンパレータ24で
ノイズが誤検出されない条件下で最大増幅率をn回探索
する。そして、探索により得られたn個の中から最小の
増幅率を選択し、この増幅率を、m回(n<m)探索し
た際に得られる最小の増幅率に換算し、その換算した増
幅率を、増幅器14の増幅率として設定する。この結
果、少ない探索回数で増幅率を最適値に設定でき、距離
の測定精度を向上できる。また、探索時間を短くできる
ので、距離測定の頻度を上げ、障害物検出等を良好に行
うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルス状の測定光
を出射し、その反射光が戻ってくるまでの時間を計測す
ることにより、外部の物標までの距離を測定する距離測
定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、距離測定装置として、例えば
特開平7−71957号公報に開示されているように、
レーザダイオードをパルス状の駆動信号で駆動して、発
光部からレーザ光(測定光)を出射させ、その測定光が
外部の物標に当たって反射してくる反射光を、フォトダ
イオード等からなる受光部で受光することにより、発光
部の発光時刻から受光部による反射光の受光時刻までの
時間△T(図7(a)参照)を測定し、その時間△Tに
基づき、物標までの距離を算出するように構成された装
置が知られている。
【0003】そしてこの種の装置では、受光部における
反射光の受光時刻(受光タイミング)を正確に検出する
必要があることから、受光部からの受光信号を処理する
信号処理系には、通常、図7(b)に示すように、受光
部からの受光信号を増幅する増幅器52、増幅器52か
らの出力を更に増幅するSTC(Sensitivity Time Con
trol )回路54、及び、STC回路54からの出力が予
め設定された受光判定レベルVth以上か否かによって、
受光部による反射光の受光を判定するコンパレータ56
が設けられ、このコンパレータ56による判定結果に基
づき、受光部における反射光の受光タイミングを検出す
るようにされている。
【0004】尚、増幅器52及びSTC回路54は、夫
々、受光部から出力される受光信号の内、物標から反射
してくる反射光の信号成分(つまり発光部から測定光を
出射させるのに用いたパルス状の駆動信号の周波数に対
応した交流信号成分)のみを増幅して、後段のSTC回
路54及びコンパレータ56に出力するためのものであ
り、上記各回路は、通常、直流信号成分カット用のカッ
プリングコンデンサにて接続される。
【0005】また、STC回路54は、図示しない制御
回路から出力されるSTC信号(図9(a)参照)によ
り、発光部を発光させて測定光を出射してからの時間の
経過に伴い信号の出力レベルが大きくなるように、増幅
率が制御されるものである。つまり、受光部からの受光
信号は、図7(a)に示すように、測定光を反射する物
標との距離が短い程(換言すれば、測定光の出射後、反
射光が受光部に入射するまでの時間が短い程)、信号レ
ベルが高くなる。このため、受光部からの受光信号を常
に一定の増幅率で増幅するようにしていると、例えば、
発光部から出射した測定光が物標を測定すべき方向とは
異なる方向に漏れ出し、その方向に位置する測定装置付
近の物体で反射された微弱な光が受光部に入射した場合
であっても、或いは、測定光が雨等で反射した微弱な光
が受光部に入射した場合であっても、コンパレータ56
には受光判定レベルVth以上の高レベルの信号が入力さ
れることになり、本来検出すべき物標からの反射光を検
出できず、物標までの距離を正確に測定することができ
なくなってしまう。
【0006】そこで、距離測定装置では、通常、受光信
号の信号処理系にSTC回路54を設けることにより、
測定光出射後の経過時間が短い領域での受光信号の増幅
率を抑え、近距離領域での微弱な反射光を、距離測定す
べき物標からの反射光として検出してしまうのを防止し
ているのである。
【0007】また、STC回路54の前段に設けられる
増幅器52は、コンパレータ56による反射光の検出感
度を調整して、受光信号の信号処理系を流れるノイズ信
号成分が反射光として誤検出されない範囲内で、測定可
能距離を最大にするためのものである。
【0008】つまり、受光部からの受光信号は、物標と
の距離が長い程信号レベルが低くなることから、測定可
能距離を長くするには、受光信号の増幅率を大きくし
て、コンパレータ56による反射光の検出感度を高くす
ればよいが、受光信号の信号処理系では、ノイズ信号成
分も増幅されるので、受光信号の増幅率を大きくしすぎ
ると、そのノイズ信号成分が受光判定レベルVthを越え
て、コンパレータ56により反射光の受光が誤検出され
ることになる。
【0009】そこで、距離測定装置では、通常、上記S
TC回路54とは別に、増幅率を調整可能な増幅器(所
謂可変利得増幅器)52を設け、この増幅器52の増幅
率を、図示しない制御回路からのゲインコントロール信
号にて調整することにより、コンパレータ56による反
射光の検出感度を、ノイズ信号成分を反射光として誤検
出しない範囲内で、最大感度に設定できるようにしてい
るのである。
【0010】また次に、コンパレータ56は、上記のよ
うにSTC回路54からの出力と受光判定レベルVthと
を比較し、STC回路54からの出力が受光判定レベル
Vth以上であるときに、受光部による反射光の受光を判
定するものであるが、距離の算出に必要な反射光の受光
タイミングは、その判定結果から、例えば、次のように
検出される。
【0011】即ち、受光信号は、物標との距離によって
信号レベルが異なることから、STC回路54からの出
力が受光判定レベルVth以上となって、コンパレータ5
6からの出力が変化した時刻を、受光タイミングとして
検出すると、受光信号のレベルの違いによって、検出し
た受光タイミングがずれてしまう。そこで、図7(a)
に示す如く、STC回路54からの出力が受光判定レベ
ルVthを越えた時刻T1から、その後、STC回路54
からの出力が受光判定れべるVthを下回る時刻T2まで
の時間を受光信号のパルス幅Wとして検出し、そのパル
ス幅Wから、受光信号の中心時刻T3 を算出し、これを
反射光の受光タイミングとする。
【0012】そして、物標までの距離を算出する際に
は、発光部から出射させた測定光の中心時刻T0 から、
上記のように求めた反射光の受光タイミングT3 までの
時間を求め、この時間を距離に換算する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に受光タイミングを検出するようにした場合、距離測定
精度は、ある程度改善されるものの、コンパレータ56
に実際に入力される信号波形のピーク(真の受光中心)
Poは、図8(a)に示すように、受光信号のパルス幅
Waから得られる受光中心よりも前方(時間が短い方
向)に変位しており、上記のように受光タイミングを検
出すると、計測時間が、実際の値よりも△Waだけ長く
なることが解った。
【0014】そこで、本願出願人は、この問題を解決す
るために、受光信号のパルス幅Waの中心を受光タイミ
ングとして検出した後、更にこの受光タイミングを、パ
ルス幅Waから得られる補正値で補正することにより、
真の受光中心Poを受光タイミングとして検出できるよ
うにすることを提案した(特願平8−291651
号)。
【0015】そして、この提案の装置によれば、発光部
から出射した測定光のピークから受光部で受光した反射
光のピークまでの時間を正確に求めることができ、距離
の測定精度を向上できる。しかし、上述のSTC回路5
4を備えた距離測定装置では、STC回路54の増幅率
が変化しているときに、反射光が受光されると、図8
(a)に示すように、コンパレータ56への入力信号
が、TSC回路54における増幅率の変化に対応して歪
んでしまい、その信号から得られるパルス幅Wbの中心
と真の受光中心(ピーク)とは、TSC回路の増幅率が
安定している場合に比べて、更に大きくずれてしまうと
いった問題があった。
【0016】そして、上記提案の技術では、このずれ△
Wbを充分補正できないことから、上記提案の技術を適
用してパルス幅Wbから求めた受光中心を補正しても、
得られる受光タイミングと真の受光中心とには誤差△W
xが生じてしまう。そして、この誤差△Wxは、図8
(b)に示すように、STC回路54の増幅率が変化す
る近距離測定領域で発生し、物標との距離が短い程大き
く、且つ、パルス幅Wbが大きい程大きくなるので、特
に、近距離領域での距離測定精度が低下する。
【0017】尚、図7(a)及び図8(a)において、
受光信号波形の上部を破線で記載しているのは、近距離
領域での受光信号はレベルが高く、増幅器52による信
号増幅によって飽和してしまうためである。一方、従来
の距離測定装置においては、上記のように、STC回路
54の前段に増幅器52を設け、この増幅器52の増幅
率を調整することにより、コンパレータ56による反射
光の検出感度を最適感度に設定できるように構成される
が、受光信号の信号処理系を流れるノイズ信号レベル
は、使用環境(特に温度)によって変化することから、
受光部による反射光の受光を誤検出しない範囲内で受光
感度を最大するには、増幅器52の増幅率を頻繁に更新
する必要がある。
【0018】そして、その増幅率を最適値に更新するに
は、例えば、増幅器52への信号入力を遮断して、増幅
器52にてノイズ信号成分のみを増幅させ、そのときコ
ンパレータ56で反射光の受光が検出されない範囲内
で、増幅器52の増幅率が最大となる最大増幅率を複数
回探索し、その探索により得られた最大増幅率の内の最
も小さい値を、増幅器52の増幅率として設定するよう
にすればよい。また、こうした増幅率の学習動作で、よ
り誤検出の少ない最適な増幅率を設定するには、最大増
幅率を探索(学習)する回数をできるだけ多くすればよ
い。
【0019】つまり、受光信号の信号処理系を流れるノ
イズ信号は、距離測定装置の内部回路が動作することに
より発生する熱雑音等、距離測定装置自体が発生するノ
イズの他、距離測定装置を使用する装置(例えば自動車
等の移動体)が発生するノイズや、周囲の施設から一時
的或いは周期に入力される外乱ノイズ等、各種ノイズか
ら構成されるため、最大増幅率の探索を1回或いは数回
行っただけでは、これらのノイズの影響を受けることな
く反射光の受光を検出できる最大増幅率を見つけること
は困難である。従って、最大増幅率の学習回数はできる
だけ多くすることが望ましい。
【0020】しかし、学習回数を増加させればさせる
程、増幅率の更新に要する時間がかかることから、距離
測定装置本来の機能である距離測定を充分実行できなく
なってしまう。そして、距離測定を頻繁に行う必要があ
る場合には、増幅率更新のための学習回数を減らさずを
得ず、この場合には、増幅器52の増幅率を最適値に設
定することができず、距離測定精度が低下してしまう。
【0021】本発明は、こうした問題を解決するための
ものであり、距離測定装置において、距離の測定精度を
高め、近距離領域に存在する物標から遠距離領域に存在
する物標まで、広範囲に距離を測定できるようにするこ
とを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の距離測定装置において
は、距離算出手段が動作しているときには、まず、発光
手段が、距離算出手段からのパルス状の駆動信号を受け
て、測定光を出射する。そして、その出射した測定光が
外部の物標に当たって反射してくると、その反射光を受
光手段が受光し、反射光の強度に対応した受光信号を出
力する。すると第1増幅手段が、その受光信号を増幅
し、判定手段が、その増幅された受光信号の内の交流信
号成分を取り込み、その信号レベルが予め設定された受
光判定レベル以上になったか否かを判定する。
【0023】そして、判定手段にて第1増幅手段からの
信号レベルが受光判定レベル以上であると判定される
と、時間幅検出手段が、そのときの時刻から、次に判定
手段にて信号レベルが受光判定レベルを下回ったと判定
されるまでの時間幅を検出し、受光時刻算出手段が、時
間幅検出手段にて検出された時刻及び時間幅から、反射
光が最大となる時刻を求め、その時刻を反射光の受光時
刻として設定する。すると、距離算出手段が、発光手段
にパルス状の駆動信号を出力して発光手段から測定光を
出射させたときの中心時刻から、受光時刻算出手段が設
定した受光時刻までの時間を求め、その時間に基づき物
標までの距離を算出する。
【0024】一方、距離算出手段が動作を停止している
ときには、増幅率探索手段が、判定手段による判定結果
を監視しながら第1増幅手段の増幅率を変化させて、判
定手段にて信号レベルが受光レベル以上であると判定さ
れない条件下での最大増幅率を、n回探索する。そし
て、増幅率探索手段が探索動作をn回実行すると、増幅
率選択手段が、その探索動作によって得られたn個の最
大増幅率の中から最小値を選択し、最小値換算手段が、
その選択された最大増幅率の最小値を、予め設定された
換算データに基づき、最大増幅率の探索をm回(m>
n)行った際に得られるm個の最大増幅率の最小値に換
算し、増幅率設定手段が、最小値換算手段の換算動作に
より得られた最小値を、第1増幅手段の増幅率として設
定する。
【0025】つまり、既述したように、増幅率探索手段
にて探索されたn個の最大増幅率の中から最小値を選択
して、それを第1増幅手段の増幅率として設定するよう
にした場合、判定手段がノイズ信号により受光を誤判定
しない条件下で最大感度が得られるように増幅率を設定
するには、増幅率探索手段による増幅率の学習回数nを
例えば数十〜数百回に設定する必要があり、第1増幅手
段の増幅率の更新に時間がかかる。
【0026】そこで、本発明では、増幅率探索手段で探
索されたn個の最大増幅率の中から得られる最小の増幅
率を、最大増幅率の探索をm回(m>n)行った際に得
られるm個の最大増幅率の最小値に換算し、その換算に
より得られた最小値を、第1増幅手段の増幅率として設
定することにより、増幅率探索手段における増幅率の学
習回数nを多くすることなく、第1増幅手段の増幅率
を、判定手段がノイズ信号により受光を誤判定しない条
件下で最大感度を実現し得る最適増幅率に設定できるよ
うにしているのである。
【0027】このため、本発明によれば、ノイズ信号に
よる判定手段の誤動作を防止しつつ、受光信号を最大感
度で判定し得る最適な増幅率を、短時間で更新すること
ができ、距離測定の頻度を減少させることなく、距離測
定精度を向上することができる。
【0028】尚、増幅率探索手段で探索されたn個の最
大増幅率の最小値を、最大増幅率の探索をm回行った際
に得られる最大増幅率の最小値に換算できるのは、最大
増幅率の探索回数と、探索により得られた最大増幅率の
最小値とに相関関係があるためである。そして、例え
ば、この相関関係を実際の距離測定装置を用いて実験的
に求め、その結果を換算データとしてマップ或いは計算
式等で設定しておけば、その換算データを用いて、極め
て簡単に、第1増幅手段の増幅率を設定することができ
る。
【0029】次に、請求項2に記載の距離測定装置にお
いては、第1増幅手段からの出力信号が、第2増幅手段
にて更に増幅されて、判定手段に入力される。そして、
第2増幅手段の増幅率は、発光手段が測定光を出射する
のと同時に距離算出手段により起動される増幅率制御手
段によって、発光手段が測定光を出射してからの時間の
経過に伴い大きくなるように制御される。つまり、第2
増幅手段は、前述のSTC回路として働き、判定手段に
て、近距離からの不要な反射光の受光が検出されるのを
防止する。そして、増幅率探索手段は、その第2増幅手
段の増幅率を、増幅率制御手段が距離測定時に制御する
最大の増幅率に設定して、最大増幅率の探索を行う。
【0030】即ち、受信信号の信号処理系にSTC回路
として機能する第2増幅手段が設けられている場合、判
定手段には、第1及び第2増幅手段にて増幅された受光
信号が入力されることから、最大増幅率の探索を行う際
に、第2増幅手段の増幅率が低く設定されていると、反
射光の受光判定の妨げとなるノイズ信号レベルも低く抑
えられることになる。
【0031】そして、この状態で第1増幅手段に対する
最大増幅率の探索を行い、前述の手順で第1増幅手段の
増幅率を設定するように構成すると、その後、第2増幅
手段の増幅率が増大した際に、ノイズ信号が増幅されて
しまうことから、判定手段が、そのノイズ信号から受光
手段による反射光の受光を誤判定してしまうことが考え
られる。
【0032】そこで、本発明では、受信信号の信号処理
系にSTC回路として機能する第2増幅手段が設けられ
ている場合には、第2増幅手段の増幅率を最大の増幅率
に設定して、最大増幅率の探索を行うことにより、こう
した問題が発生するのを防止しているのである。
【0033】一方、請求項3に記載の距離測定装置にお
いては、まず、発光手段が、距離算出手段からのパルス
状の駆動信号を受けて、測定光を出射する。そして、そ
の出射した測定光が外部の物標に当たって反射してくる
と、その反射光を受光手段が受光し、反射光の強度に対
応した受光信号を出力する。すると第2増幅手段が、そ
の受光信号を増幅し、判定手段が、その増幅された受光
信号の内の交流信号成分を取り込み、その信号レベルが
予め設定された受光判定レベル以上になったか否かを判
定する。
【0034】また、距離算出手段は、発光手段にパルス
状の駆動信号を出力すると同時に、増幅率制御手段を起
動し、増幅手段の増幅率を時間の経過と共に増大させる
ことから、第2増幅手段は、STC回路として働き、判
定手段にて、近距離からの不要な反射光の受光が検出さ
れるのを防止する。
【0035】そして、判定手段にて第2増幅手段からの
信号レベルが受光判定レベル以上であると判定される
と、時間幅検出手段が、そのときの時刻から、次に判定
手段にて信号レベルが受光判定レベルを下回ったと判定
されるまでの時間幅を検出し、受光時刻算出手段が、時
間幅検出手段にて検出された時刻及び時間幅から、反射
光が最大となる時刻を求め、その時刻を反射光の受光時
刻として設定する。すると、距離算出手段は、発光手段
にパルス状の駆動信号を出力して発光手段から測定光を
出射させたときの中心時刻から、受光時刻算出手段が設
定した受光時刻までの時間を求め、その時間に基づき物
標までの距離を算出する。
【0036】また、距離算出手段にて距離が算出される
と、距離補正手段が動作し、距離算出手段で算出された
距離と時間幅検出手段にて検出された時間幅とに基づ
き、第2増幅手段の増幅率変化に伴う受光波形歪みに起
因した距離算出誤差に対する補正値を求め、その補正値
を用いて、距離算出手段で算出された距離を補正し、補
正後の距離を物標までの実距離として設定する。
【0037】つまり、本発明(請求項3)のように、S
TC回路として機能する第2増幅手段を備えた距離測定
装置では、増幅率制御手段の制御によって第2増幅手段
の増幅率が変化しているときに、受光手段にて反射光が
受光されると、判定手段に入力される信号波形は、反射
光受光時の通常波形とはならず、第2増幅手段の増幅率
変化に応じて歪むことになる。そして、このように判定
手段に入力される信号波形が歪むと、受光時刻算出手段
にて反射光の受光時刻を正確に求めることができず、距
離算出手段にて算出される距離に誤差が生じる。そこ
で、本発明では、こうした第2増幅手段の増幅率変化に
伴い生じる距離測定誤差を補正するため、その測定誤差
を補正するための補正値を、測定した距離と受光信号の
パルス幅(つまり時間幅)から求め、測定した距離を補
正するようにしている。この結果、本発明によれば、第
2増幅手段の増幅率変化によって生じる距離測定誤差を
なくし、物標までの距離を高精度に測定できることにな
る。
【0038】尚、距離の補正値を、測定した距離と受光
信号のパルス幅から求めるのは、図8(b)に示したよ
うに、距離の測定結果と実距離との偏差(つまり測定誤
差)は、物標との距離が短い程大きく、パルス幅が大き
い程大きくなるからである。ところで、距離測定装置
を、例えば車両に搭載して、車両前方の先行車両や障害
物までの距離を測定するような場合、装置が故障して距
離測定が不可能になると、その旨を速やかに検出して、
車両運転者等に報知することが望ましく、修理の手間を
考慮すると、単に装置の異常を検出できるだけでなく、
異常発生箇所を特定できることが望ましい。
【0039】そこで、本発明(請求項1〜3)の距離測
定装置としては、請求項4に記載のように、受光手段か
ら後段の増幅手段に至る信号経路を遮断して、増幅手段
にパルス状の疑似受光信号を入力する疑似受光信号入力
手段と、受光手段に対して疑似反射光を出射する第2発
光手段とを設け、異常検出手段により、距離算出手段が
距離測定動作を停止しているときに、疑似受光信号入力
手段及び第2発光手段を個々に動作させ、疑似受信信号
入力手段の動作時には、判定手段による判定結果に基づ
き受光手段よりも後段の受光信号系の異常の有無を判定
し、第2発光手段の動作時には、判定手段による判定結
果に基づき受光手段を含む受光信号系の異常の有無を判
定し、それら各異常判定結果を記憶するように構成する
とよい。
【0040】そしてこのようにすれば、異常検出手段
が、受光手段よりも後段の受光信号系の異常の有・無及
び受光手段を含む受光信号系の異常の有・無を夫々判定
し、その判定結果を記憶するので、その記憶した異常有
・無の判定結果を使用者に報知したり、或いは、必要に
応じて判定結果を読み込むことができ、車両等の移動体
に搭載した場合には、移動体の走行安全性を向上でき
る。また特に、本発明では、異常検出手段にて異常が判
定された場合には、その判定結果から、異常発生箇所が
受光手段側であるか、受光手段よりも後段の増幅手段側
であるかを特定できることから、修理の際に異常箇所を
探索する手間を省き、作業性を向上できる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施例を図面と
共に説明する。まず図1は、本発明が適用された自動車
用距離測定装置の構成を表すブロック図である。
【0042】図1に示す如く、本実施例の自動車用距離
測定装置は、駆動回路2により通電されてレーザ光(測
定光)を車両前方に出射するレーザダイオードからなる
発光部(発光手段)4、及び、発光部4が出射したレー
ザ光が先行車両6等の車両前方の物標に当たって反射し
てくる反射光を受光するフォトダイオードからなる受光
部(受光手段)8を備える。
【0043】そして、受光部8からの受光信号は、増幅
器10で増幅され、信号切換回路12を介して、第1増
幅手段としての可変利得増幅器(以下、単に増幅器とい
う)14に入力される。尚、この増幅器14は、図7
(b)に示した増幅器52と同様のものであり、CP
U,ROM,RAM等を中心に構成された周知のマイク
ロコンピュータ(以下、単にCPUという)30から出
力されるゲインコントロール信号VGCにより増幅率が制
御される。
【0044】また、信号切換回路12は、増幅器14の
入力を受光部8側の受光信号入力経路に接続するか、或
いはフィルタ16に接続するかを切り換えるためのもの
であり、CPU30からの切換信号により、その内のい
ずれかに切り換えられる。尚、信号切換回路12は、通
常は、受光部8側に切り換えられており、後述の異常検
出処理実行時等に一時的にフィルタ16側に切り換えら
れる。また、フィルタ16は、抵抗・コンデンサ等から
なる微分回路にて構成されており、CPU30から制御
信号(Highレベル)が入力されると、これを微分して、
パルス状の疑似受光信号を発生する。そして、本実施例
では、このフィルタ16と信号切換回路12とが、本発
明の疑似受光信号入力手段として機能する。
【0045】次に、増幅器14からの出力信号はSTC
回路(第2増幅手段)18に入力される。STC回路1
8は、CPU30からSTC電圧発生回路22を介して
入力されるSTC電圧Vstc により、増幅率が時間の経
過と共に増大するように制御されるものであり、STC
回路18からの出力信号は、判定手段としてのコンパレ
ータ24に入力される。そして、コンパレータ24は、
STC回路18からの出力信号と受光判定レベルVthと
を大小比較し、STC回路18からの出力が受光判定レ
ベルVthよりも大きいときに出力端子からHighレベルの
信号を出力し、反転出力端子からLow レベルの信号を出
力する。
【0046】またコンパレータ24の各出力端子は、時
間計測IC26に接続されている。そして、時間計測I
C26では、各出力端子からの出力信号の立上がりを監
視し、図7(a)に示した時刻T1 ,T2 を測定する。
つまり、コンパレータ24への入力信号が受光判定レベ
ルVth以上となって出力端子からの出力が立上がる時刻
T1 、及び、コンパレータ24への入力信号が受光判定
レベルVthよりも小さくなって反転出力端子からの出力
が立ち上がる時刻T2 を、夫々検出する。
【0047】尚、CPU30は、駆動回路2にパルス状
の駆動信号を出力して、発光部4から車両前方にレーザ
光を出射させると同時に、時間計測IC26を起動する
ことから、時間計測IC26では、実際には、レーザ光
を出射した時刻(図7(a)に示した時刻T0 )からの
経過時間が測定される。
【0048】また、受光部8の近傍には、第2発光部2
8が設けられ、CPU30がこの第2発光部28を駆動
することにより、受光部8に光を照射し、受光部8の動
作状態を確認できるようにされている。尚、第2発光部
28は、請求項4に記載の第2発光手段に相当するもの
であり、発光ダイオード(LED)28aと、LED2
8aへの通電・非通電を切り換えるためのトランジスタ
28bと、電流制限用の抵抗28cとから構成されてい
る。
【0049】このように構成された本実施例の自動車用
距離制御装置は、CPU30による制御の下に動作す
る。そこで次に、CPU30の制御動作をフローチャー
トに沿って説明する。図2は、CPU30において繰り
返し実行されるメインルーチンを表す。図2に示す如
く、電源投入等によりCPU30が起動されると、S1
00(Sはステップを表す)にて初期化の処理を行った
後、S110以降の処理を実行する。
【0050】S110では、後述の異常検出処理で当該
装置の異常(本実施例では、受光信号の信号処理系の異
常)が検出され、その異常内容が不揮発性メモリ等に記
憶されているか否かを判断する。そして、装置の異常が
検出されていれば、S120に移行して、その異常内容
をメモリから読み込み、車両に搭載された表示装置等に
出力することによって、車両乗員に異常を報知する。
【0051】また、S110にて、装置の異常が検出さ
れていないと判断されると、S130に移行して、現
在、距離測定を行う計測タイミングであるか否かを判断
する。そして、現在、計測タイミングであれば、S14
0に移行して、後述の距離の計測処理を所定回(本実施
例では100回)行った後、S150に移行し、現在、
計測タイミングでなければ、S150に移行する。尚、
S120で異常内容を表示装置等に出力した際には、装
置に何らかの異常があり、距離計測は不可能であるの
で、S130,S140の処理は実行されず、そのまま
S150に移行する。
【0052】S150では、現在、増幅器14の増幅率
(換言すればゲインコントロール信号VGC)を制御する
学習タイミングであるか否かを判断する。そして、現
在、学習タイミングでなければ、再度S110に移行
し、学習タイミングであれば、S160に移行して、ゲ
インコントロール信号VGCの学習処理を実行し、続くS
170にて、信号処理系の異常を検出する異常検出処理
を実行し、更に続くS180にて、信号処理系で生じる
受光信号の遅延時間を測定する遅延時間計測処理を実行
した後、S110に移行する。
【0053】尚、計測タイミング及び学習タイミングの
判定は、前回距離計測処理或いは学習処理を実行してか
ら所定時間が経過したか否かを判断することにより行わ
れ、本実施例では、距離計測処理は1.67msec.毎に
行い、学習処理は100msec.毎に行うように、各タイ
ミングが設定されている。
【0054】次に、S140にて実行される距離計測処
理について説明する。図3に示す如く、この処理が開始
されると、まず、S210にて、駆動回路2にパルス状
の駆動信号を出力することにより、発光部4からレーザ
光を出射させると共に、STC電圧発生回路22に駆動
信号を出力することにより、STC電圧発生回路22か
ら、時間の経過に伴い増大するSTC電圧Vstc を出力
させる。この結果、発光部4からレーザ光が出射される
と同時に、STC回路18の増幅率が最小の増幅率に設
定され、この増幅率は、その後、時間の経過と共に除々
に増大することになる。尚、本実施例では、STC回路
18の増幅率が、STC電圧発生回路22の起動後、約
200nsec.程度で最大の増幅率になるよう、STC電
圧発生回路22の時定数が設定されている。
【0055】そして、このようにS210にて発光部4
からレーザ光を出射させると、車両前方に先行車両や障
害物が存在すれば、発光部4から出射したレーザ光がそ
れらの物標に当たって反射し、その反射光が受光部8で
受光されて、コンパレータ24からの出力が変化するこ
とになるので、続くS220では、時間計測IC26を
起動して、レーザ光の出射後、コンパレータ24にて受
光信号が検出されるまでの時間(前述の時刻T1 ,T2
)を計測させ、各時刻T1 ,T2 を読み込む。尚、車
両前方に距離測定可能な物標がいなければ、コンパレー
タ24にて受光信号が検出されず、時間計測IC26か
ら時刻T1 ,T2 を読み込むことはできないので、S2
20では、時間計測IC26にて所定時間以上時刻T1
,T2 が計測されなければ、当該距離計測処理を終了
する。
【0056】次に、S220にて、各時刻T1 ,T2 が
読み込まれると、S230に移行して、各時刻T1 ,T
2 の時間差から、受光信号のパルス幅Wを算出する、時
間幅検出手段としての処理を実行する。そして、続くS
240では、その算出したパルス幅Wから、パルス幅W
の中心時刻(受光中心)を求めると共に、図6(a)に
示したマップを用いて、パルス幅Wに対応した受光中心
の補正値を求め、その補正値でパルス幅Wから求めた受
光中心を補正する、といった手順で、受光信号が最大と
なる真の受光中心T3 を算出する、受光時刻算出手段と
しての処理を実行する。
【0057】また続くS250では、この算出した受光
中心(時刻)T3 とレーザ光の出射時刻(中心時刻)T
0 とから、レーザ光を出射してからその反射光が受光部
8で受光されるまでの計測時間を算出する。尚、この計
測時間の算出は、レーザ光の出射時刻(出射時の中心の
時刻)T0 とS240で求めた受光中心(時刻)T3と
の時間差を求め、この時間差から、S180にて測定さ
れた信号処理系での受光信号の遅延時間を減じる、とい
った手順で行われる。
【0058】つまり、本実施例では、S180におい
て、第2発光部28を発光させて、その後、コンパレー
タ24からの出力が変化(受光検出)するまでの時間を
測定することにより、信号処理系での受光信号の遅延時
間を測定し、S250において、計測時間を算出する際
には、出射時刻T0 と受光中心(時刻)T3 との時間差
からこの遅延時間を減じることにより、レーザ光を出射
してからその反射光が受光部8で受光されるまでの時間
を正確に算出できるようにしている。
【0059】またこのようにS250にて真の計測時間
が算出されると、今度はS260にて、その計測時間か
ら距離Lmを算出し、続くS270にて、その算出した
距離Lmに対する補正値αstcを算出する。この補正値
αstcは、STC回路18の増幅率が変化しているとき
に反射光が受光された際に生じる受光波形歪みに起因し
た測定誤差(図8(a)で説明した△Wx)を補正する
ためのものであり、図8(b)に示した実距離と測定結
果との関係に基づき予め設定された、距離Lmをパラメ
ータとするマップ(図6(b)参照)を用いて算出され
る。
【0060】そして、このように距離Lm及びその補正
値αstc が算出されると、続くS280にて、補正値α
stc を用いて距離Lmを補正して、補正後の距離を物標
までの計測距離(L=Lm−αstc )として設定する。
また、続くS290では、上記S210〜S280によ
る一連の計測処理回数Nをカウントし、その計測処理回
数Nが100回に達したか否かを判断する。そして、計
測処理回数Nが100回に満たない場合には、S210
に戻って、上記一連の計測処理を再度実行し、計測回数
Nが100回に達した場合には、本距離計測処理を終了
する。
【0061】尚、本実施例では、S250及びS260
の処理が本発明の距離算出手段に相当し、S270及び
S280の処理が本発明の距離補正手段に相当する。次
に、S160にて実行される、ゲインコントロール信号
VGC(換言すれば増幅器14の増幅率)の学習処理につ
いて説明する。
【0062】図4に示す如く、この処理が開始される
と、まずS310にて、時間計測IC26に入力される
コンパレータ24からの出力変化を監視しながら、増幅
器14の増幅率を変化させることにより、コンパレータ
24にて入力信号が受光判定レベルVth以上であると判
定されない条件下(つまりコンパレータ24にて受光信
号が検出されない条件下)で、増幅率が最大となって最
大感度が得られるゲインコントロール信号VGCを探索す
る。
【0063】尚、この探索には、ゲインコントロール信
号VGCを制御するデータ(例えば8ビット)の上位ビッ
トから順に変化させて、コンパレータ24にて受光信号
が検出されない条件下で増幅率が最大となる点を探索す
る、所謂二分探索の手法が用いられる。また、この探索
は、STC回路18の増幅率を最大増幅率に保持した状
態で行う。
【0064】そして、この探索動作によって、上記条件
下で増幅器14が最大増幅率となるゲインコントロール
信号VGCが探索されると、続くS320にて、その探索
は、n回(例えば10回)実行されたか否かを判断し、
n回実行されていなければ、再度S310に移行する、
といった手順で、S310の探索動作をn回実行させ
る。こうして、上記条件下で増幅器14が最大増幅率と
なるゲインコントロール信号VGCがn回探索されると、
S320にて肯定判断されて、続くS330に移行し、
n回の探索動作で得られたn個のゲインコントロール信
号VGCの中から、増幅率が最も小さくなる最小のゲイン
コントロール信号VGCmin を選択する。
【0065】そして、続くS340では、上記条件下で
の学習回数とゲインコントロール信号VGCとの関係を測
定した図6(c)に示す特性データ、或いは、この特性
データから作成したマップ又は演算式を用いて、S33
0で選択した最小のゲインコントロール信号VGCmin か
ら、前記探索動作の実行回数(学習回数)をm回(例え
ば100回)に増やしたときに得られるゲインコントロ
ール信号VGCの最小値(m回学習相当値)を求め、続く
S350にて、ゲインコントロール信号VGCをm回学習
相当値に設定して、当該処理を終了する。
【0066】尚、上記学習処理において、S310及び
S320の処理は本発明の増幅率探索手段に相当し、S
330の処理は本発明の増幅率選択手段に相当し、S3
40の処理は本発明の最小値換算手段に相当し、S35
0の処理は増幅率設定手段に相当する。
【0067】次に、S170にて実行される異常検出処
理について説明する。尚、この処理は、受光部8からコ
ンパレータ24に至る受光信号の信号処理系の異常を検
出するための処理であり、本発明の異常検出手段に相当
する。そして、図5に示すように、この処理が開始され
ると、まずS410にて、第2発光部28にパルス状の
駆動信号を出力することにより、トランジスタ28bを
オンさせ、LED28aを発光させ、続くS420に
て、時間計測IC26に入力されるコンパレータ24か
らの出力変化から、LED28aの発光により、受光部
8から受光信号が出力されて、コンパレータ24にてそ
の旨が検出されたか否かを判定する。
【0068】そして、コンパレータ24にて受光信号が
検出されなければ、S430にてその旨を表す受光異常
Aを記憶し、逆に受光信号が検出されていれば、S44
0にて正常Aを記憶する。尚、「A」は、受光部8から
コンパレータ24に至る信号処理系の全経路に対する符
号であり、受光異常Aは全経路のどこかに異常があるこ
とを表し、正常Aは全経路が正常であることを表す。
【0069】こうして、S430又はS440にて信号
処理系全経路での異常又は正常が記憶されると、S45
0に移行して、信号切換回路12を、通常時の受光部8
側から、フィルタ16側に切り換え、フィルタ16に制
御信号を出力して、フィルタ16から疑似受光信号を発
生させる。この結果、増幅器14にはフィルタ16から
疑似受光信号が入力され、増幅器14からコンパレータ
24に至る信号処理系の一部の経路が正常であれば、コ
ンパレータ24にて受光信号が検出されることになる。
【0070】そこで、続くS460では、時間計測IC
26に入力されるコンパレータ24からの出力変化か
ら、増幅器14への疑似受光信号の入力により、コンパ
レータ24にて受光信号が検出されたか否かを判定す
る。そして、コンパレータ24にて受光信号が検出され
なければ、S470にてその旨を表す受光異常Bを記憶
し、逆に受光信号が検出されていれば、S480にて正
常Bを記憶し、当該異常検出処理を終了する。尚、
「B」は、受光部8からコンパレータ24に至る信号処
理系の増幅器14以降の経路に対する符号であり、受光
異常Bはその経路のどこかに異常があることを表し、正
常Bはその経路が正常であることを表す。
【0071】以上説明したように、本実施例では、距離
測定時には、S210〜S260の一連の処理で車両前
方の先行車両や障害物までの距離Lmを測定した後、そ
の距離Lmを用いて補正値αstc を求め、距離Lmを補
正値αstc で補正することにより、最終的な計測距離L
を求めるようにしている。このため、本実施例によれ
ば、STC回路18の増幅率が変化しているときに、反
射光が受光部8に入射した場合(つまり近距離領域に車
両や障害物がある場合)であっても、STC回路18の
動作の影響を受けることなく距離測定を行うことがで
き、距離を極めて高精度に測定できることになる。
【0072】また、本実施例では、コンパレータ24に
よる受光信号の受光感度が最適になるように、増幅器1
4の増幅率を調整する際には、コンパレータ24がノイ
ズを誤検出しない範囲内での増幅器14の最大増幅率
(具体的にはゲインコントロール信号VGC)をn回探索
して、その最小値を選択した後、その値を、最大増幅率
をより多く(m回)探索した際に得られる最小値に換算
し、その換算後の値で増幅器14の増幅率を設定するよ
うにしている。このため、増幅率の学習回数を少なくし
ても、増幅器14の増幅率を最適値に設定することが可
能になり、距離測定の頻度を低下させることなく、距離
の測定精度を向上できる。
【0073】また更に、本実施例では、異常検出処理に
よって、受光信号の信号処理系での動作を、受光部8を
含む全経路と、増幅器14よりも後段の経路との2系統
でチェックし、各経路での異常の有無を記憶するように
している。このため、各経路で異常が発生した場合に
は、その旨を異常発生箇所を含めて、車両乗員等に報知
できる。従って、距離測定装置故障時の安全性を向上で
きると共に、故障個所を特定し易いので、修理の際の作
業性も向上できる。
【0074】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、
種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例で
は、本発明を自動車用距離測定装置に適用した場合につ
いて説明したが、本発明は、航空機等、他の移動体用の
距離測定装置であっても、或いは、固定局から測定光を
出射して周囲の移動体等を監視する固定局用の距離測定
装置であっても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の距離測定装置全体の構成を表すブロ
ック図である。
【図2】 実施例のCPUにて実行されるメインルーチ
ンの処理を表すフローチャートである。
【図3】 図2のステップ140にて実行される距離計
測処理を表すフローチャートである。
【図4】 図2のステップ160で実行されるゲインコ
ントロール電圧の学習処理を表すフローチャートであ
る。
【図5】 図2のステップ170で実行される異常検出
処理を表すフローチャートである。
【図6】 CPUが距離計測処理及び学習処理の実行時
に使用するマップを説明する説明図である。
【図7】 従来の距離測定装置の構成及び動作を説明す
る説明図である。
【図8】 従来の距離測定装置の問題点を説明する説明
図である。
【符号の説明】
4…発光部 8…受光部 12…信号切換回路
14…増幅器 16…フィルタ 18…STC回路 22…STC
電圧発生回路 24…コンパレータ 26…時間計測IC 28…
第2発光部 30…CPU(マイクロコンピュータ)
フロントページの続き (72)発明者 帆足 善明 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 白井 孝昌 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 森川 勝博 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定光を出射する発光手段と、 該発光手段が出射した測定光が外部の物標に当たって反
    射してくる反射光を受光し、受光信号を出力する受光手
    段と、 該受光手段からの受光信号を増幅する第1増幅手段と、 該第1増幅手段から出力される交流信号成分を取り込
    み、該信号レベルが予め設定された受光判定レベル以上
    になったか否かを判定する判定手段と、 該判定手段にて前記信号レベルが該受光判定レベル以上
    であると判定されると、その時刻から、次に前記判定手
    段にて前記信号レベルが前記受光判定レベルを下回った
    と判定されるまでの時間幅を検出する時間幅検出手段
    と、 該時間幅検出手段にて検出された時刻及び時間幅から、
    前記反射光が最大となる時刻を求め、該時刻を前記反射
    光の受光時刻として設定する受光時刻算出手段と、 前記発光手段にパルス状の駆動信号を出力して前記発光
    手段から測定光を出射させると共に、その後、前記受光
    時刻算出手段にて受光時刻が算出されると、前記駆動信
    号を出力した中心時刻から該受光時刻までの時間を求
    め、該時間に基づき前記物標までの距離を算出する距離
    算出手段と、 を備えた距離測定装置において、 前記距離算出手段が動作を停止しているときに、前記判
    定手段による判定結果を監視しながら前記第1増幅手段
    の増幅率を変化させて、前記判定手段にて前記信号レベ
    ルが受光レベル以上であると判定されない条件下での最
    大増幅率をn回探索する増幅率探索手段と、 該増幅率探索手段によるn回の探索動作によって得られ
    たn個の最大増幅率の中から最小値を選択する増幅率選
    択手段と、 該増幅率選択手段にて選択された最大増幅率の最小値
    を、予め設定された換算データに基づき、前記最大増幅
    率の探索を前記n回よりも多いm回行った際に得られる
    m個の最大増幅率の最小値に換算する最小値換算手段
    と、 該最小値換算手段の換算動作で得られた最小値を、前記
    第1増幅手段の増幅率として設定する増幅率設定手段
    と、 を設けたことを特徴とする距離測定装置。
  2. 【請求項2】 前記第1増幅手段からの信号を増幅して
    前記判定手段に出力する第2増幅手段と、 該第2増幅手段の増幅率を、該増幅率が時間の経過に伴
    い大きくなるように制御する増幅率制御手段と、 を備え、 前記距離算出手段は、前記発光手段にパルス状の駆動信
    号を出力すると同時に前記増幅率制御手段を起動して、
    前記第2増幅手段の増幅率を時間の経過に伴い増大さ
    せ、 前記増幅率探索手段は、前記第2増幅手段の増幅率を、
    前記増幅率制御手段が距離測定時に制御する最大の増幅
    率に設定して、前記最大増幅率の探索を行うことを特徴
    とする請求項1に記載の距離測定装置。
  3. 【請求項3】 測定光を出射する発光手段と、 該発光手段が出射した測定光が外部の物標に当たって反
    射してくる反射光を受光し、受光信号を出力する受光手
    段と、 該受光手段からの受光信号を増幅する第2増幅手段と、 該第2増幅手段の増幅率を、該増幅率が時間の経過に伴
    い大きくなるように制御する増幅率制御手段と、 該第2増幅手段から出力される交流信号成分を取り込
    み、該信号レベルが予め設定された受光判定レベル以上
    になったか否かを判定する判定手段と、 該判定手段にて前記信号レベルが該受光判定レベル以上
    であると判定されると、その時刻から、次に前記判定手
    段にて前記信号レベルが前記受光判定レベルを下回った
    と判定されるまでの時間幅を検出する時間幅検出手段
    と、 該時間幅検出手段にて検出された時刻及び時間幅から、
    前記反射光が最大となる時刻を求め、該時刻を前記反射
    光の受光時刻として設定する受光時刻算出手段と、 前記発光手段にパルス状の駆動信号を出力して前記発光
    手段から測定光を出射させると共に、前記増幅率制御手
    段を起動し、その後、前記受光時刻算出手段にて受光時
    刻が算出されると、前記駆動信号を出力した中心時刻か
    ら該受光時刻までの時間を求め、該時間に基づき前記物
    標までの距離を算出する距離算出手段と、 を備えた距離測定装置において、 前記距離算出手段にて距離が算出されると、該距離と前
    記時間幅とに基づき、前記第2増幅手段の増幅率変化に
    伴う受光波形歪みに起因した距離算出誤差に対する補正
    値を求め、該補正値を用いて、前記距離算出手段で算出
    された距離を補正し、前記物標までの実距離として設定
    する距離補正手段を設けたことを特徴とする距離測定装
    置。
  4. 【請求項4】 前記受光手段から後段の増幅手段に至る
    信号経路を遮断して、該増幅手段にパルス状の疑似受光
    信号を入力する疑似受光信号入力手段と、 前記受光手段に対して疑似反射光を出射する第2発光手
    段と、 前記距離算出手段が距離測定動作を停止しているとき
    に、前記疑似受光信号入力手段及び第2発光手段を個々
    に動作させ、前記疑似受信信号入力手段の動作時には、
    前記判定手段による判定結果に基づき前記受光手段より
    も後段の受光信号系の異常の有無を判定し、前記第2発
    光手段の動作時には、前記判定手段による判定結果に基
    づき前記受光手段を含む受光信号系の異常の有無を判定
    し、各異常判定結果を記憶する異常検出手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか
    記載の距離測定装置。
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