JPH113797A - グリッド制御回転陽極型x線管 - Google Patents

グリッド制御回転陽極型x線管

Info

Publication number
JPH113797A
JPH113797A JP15220397A JP15220397A JPH113797A JP H113797 A JPH113797 A JP H113797A JP 15220397 A JP15220397 A JP 15220397A JP 15220397 A JP15220397 A JP 15220397A JP H113797 A JPH113797 A JP H113797A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anode
filaments
filament
grid
ray tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15220397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4208271B2 (ja
Inventor
Masataka Ueki
雅敬 植木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP15220397A priority Critical patent/JP4208271B2/ja
Publication of JPH113797A publication Critical patent/JPH113797A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4208271B2 publication Critical patent/JP4208271B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • X-Ray Techniques (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、より多くの画像情報を含んだX線
画像を提供し、画像処理によるパルス透視画像の高画質
化を可能なX線像撮像装置およびこの撮像装置に適した
X線管装置を提供することにある。 【解決手段】この発明のX線発生装置は、高真空中の容
器に熱電子を放出するフィラメント51a,51b,5
2とこれに対向する陽極43を設け、熱電子を高電圧で
加速して陽極に衝突させ、制動輻射によりX線を発生さ
せるX線発生装置において、それぞれのフィラメントに
対応し、材質、角度の異なる陽極の電子衝撃軌道47,
48,49を設け、フィラメントからの熱電子放出を独
立に制御可能であって、陽極を回転可能としたものにお
いて、フィラメントの少なくとも1つをパルス透視用
に、ほかの少なくとも1つのフィラメントをX線像撮影
用に用いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医用診断により
有効な画像情報を提供するためのX線を発生するX線管
装置ならびにこのX線管装置を用いたX線像撮像装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】X線像撮像装置は、人体や物体の内部を
調べるために有用であり、人体や物体に照射されたX線
の透過濃度分布あるいはX線像を、電気的画像信号に変
換し、例えばモニタ装置に、X線の透過濃度分布あるい
はX線像をリアルタイムで表示するものである。
【0003】X線像撮像装置は、X線を発生するX線発
生器と、被撮像対象物すなわち人体を通過したX線発生
器からのX線を検出するX線検出器と、X線検出器を介
してX線から変換された画像信号をリアルタイムでモニ
タ可能とするモニタ装置と、を有している。
【0004】X線発生器から放射されたX線は、人体を
通過し、透過濃度分布またはX線像としてX線検出器に
入射する。透過濃度分布またはX線像は、X線検出器に
より電気的画像信号に変換され、画像処理装置により所
定の画像処理が施された後、モニタ装置に出力される。
【0005】ところで、被検査対象すなわち検体として
の人体に照射されるX線量は少ないほど人体への影響が
少なく、また最適なタイミングでの撮影を可能とするた
め、カテーテル治療における患者への被爆を低減する方
法として、X線源から放射されるX線のグリッド制御と
X線像増強管により得られたX線像をCCDセンサによ
り電気信号に変換することにより、CCDセンサによる
読み出し時間中は、X線照射を休止することを高速で繰
り替えすパルス透視方法が実現されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高いコ
ントラストの画像を得るためには、低エネルギーで吸収
線量の多いX線を大量に照射する必要があり、患者の被
爆線量が多くなる問題がある。
【0007】また、患者の被爆線量を低減するために、
エネルギーサブトラクションの技術を用い、CRスクリ
ーンの間に挟んだ金属板の固有ろ過に基づいて、上下の
CRスクリーンにエネルギー特性の異なる画像を写し、
2つスクリーンのCRの像を取り出して画像処理する方
法も実現されているが、エネルギーサブトラクション画
像を、実時間で観ることはできない。
【0008】この発明の目的は、より多くの画像情報を
含んだX線画像を提供し、画像処理によるパルス透視画
像の高画質化を可能なX線像撮像装置およびこの撮像装
置に適したX線管装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記問題点
に基づきなされたもので、高真空中の容器に熱電子を放
出するフィラメントと電子を集束する集束電極とこれに
対向する陽極を設け、熱電子を高電圧で加速して陽極に
衝突させ、制動輻射によりX線を発生させるものであっ
て、前記フィラメントと前記集束電極との間にバイアス
電圧を印加することにより、電界強度の変化でフィラメ
ントからの熱電子放出を制御可能であるグリッド制御回
転陽極型X線管において、熱電子放出用のフィラメント
を2以上配置し、それぞれのフィラメントごとに加熱用
電源およびバイアス電圧発生回路を独立に接続し、全て
のフィラメントのバイアス電圧を所定時間内に0Vない
し数千Vの範囲で任意に設定可能可能としたことを特徴
とするグリッド制御回転陽極型X線管を提供するもので
ある。
【0010】またこの発明は、高真空中の容器に熱電子
を放出するフィラメントと電子を集束する集束電極とこ
れに対向する陽極を設け、熱電子を高電圧で加速して陽
極に衝突させ、制動輻射によりX線を発生させるもので
あって、前記フィラメントと前記集束電極との間にバイ
アス電圧を印加することにより、電界強度の変化でフィ
ラメントからの熱電子放出を制御可能であって、陽極を
回転可能としたものグリッド制御回転陽極型X線管にお
いて、パルス透視用のフィラメントと単純撮影用のフィ
ラメントとを有し、これらを独立にグリッド制御可能な
電子銃を有することを特徴とするグリッド制御回転陽極
型X線管を提供するものである。
【0011】さらにこの発明は、所定の半径および角度
が与えられた第1の電子衝撃軌道面とこの第1の電子衝
撃軌道面の半径、角度あるいは材質の少なくとも一つが
変化された第2の電子衝撃軌道面を一体に有し、回転可
能に形成された回転陽極と、この回転陽極に向けて熱電
子を放出可能、かつ回転陽極の回転軸と平行な方向に、
前記回転陽極のそれぞれの電子衝撃軌道面のそれぞれに
対して独立に設けられ、熱電子を放出する複数のフィラ
メントを一体的に有する陰極と、前記陰極と前記回転陽
極との間に設けられ、前記それぞれのフィラメントから
放出された熱電子が前記回転陽極の前記それぞれのフィ
ラメントに対応する電子衝撃軌道面に到達する量を変更
する制御電極と、前記フィラメントのそれぞれを独立に
加熱するための電源と、前記それぞれの制御電極に独立
にバイアス電圧を供給するバイアス電圧回路と、前記回
転陽極の前記第1および第2の電子衝撃軌道面の内の内
周側に位置する電子軌道面と対応する前記陰極のフィラ
メントによりパルス透視のためのX線を発生し、前記の
フィラメントの内の残りのフィラメントと対応する回転
陽極電子軌道面により撮像用のX線を発生することを特
徴とするグリッド制御回転陽極型X線管を提供するもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について詳細に説明する。図1は、この発
明のX線管装置が組み込まれるX線像撮像装置を示す概
略図である。
【0013】図1に示されるように、X線像撮像装置1
は、X線を発生するX線発生器11と、被検査対象とし
ての人体Oを通過したX線発生器11からのX線すなわ
ちX線像を可視光像に変換するX線像増強管13と、X
線像増強管13により可視光像に変換された出力像をモ
ニタ可能するモニタ装置21、並びにモニタ装置21に
対してX線像増強管13により可視光像に変換された出
力像を表示させるために、X線像増強管13の出力像を
撮像して電気的画像信号を出力する撮像装置31を有し
ている。
【0014】X線発生器11から放射されたX線は、人
体Oを通過し、X線像としてX線像増強管13の入力窓
15に入力される。入力窓15に入力されたX線像は、
X線像増強管13により増強され、X線像増強管13の
出力面17により可視光像に変換されて出力面17から
出力される。
【0015】X線像増強管13の出力面17の出力像
は、撮像装置31のレンズ33によりカメラ35の撮像
素子37の撮像面に投影される。撮像素子37の撮像面
に投影された可視光像は、撮像素子37により画像信号
に変換され、画像処理装置39により所定の画像処理が
施されて、モニタ装置21に表示される。
【0016】図2は、図1に示したX線像撮像装置1に
組み込まれるX線発生管を説明する概略図である。図2
に示されるように、X線発生器41は、熱電子を発生す
る陰極電子銃42、陰極電子銃42から発生された熱電
子を加速して被撮像対象である人体に向けて連続的に放
射する陽極ターゲットすなわち回転陽極43、回転陽極
43を回転可能に保持するとともに回転陽極43を所定
の速度で回転させるためのモータ機構の一部を構成する
ロータ44、ロータ44に所定方向の駆動力を与えるス
テータ45、及びステータ45を除く要素を真空中に維
持する真空外囲器46等により構成されている。
【0017】回転陽極43には、撮影用電子衝撃軌道面
47と、パルス透視用電子衝撃軌道面48,49が設け
られ、図2に示されるような位置関係で陰極電子銃42
から発生された熱電子を真空外囲器46の外部に向けて
放射可能に配置されている。なお、パルス透視用電子衝
撃軌道面48,49は、それぞれ、例えばW(タングス
テン),Mo(モリブデン)あるいはRh(ロジウム)
等により形成される。
【0018】陰極電子銃42は、図3に詳述するよう、
第1および第2のフィラメント51a,51bおよび第
3のフィラメント52を有し、第1および第2のフィラ
メント51a,51bは、回転陽極43のパルス透視用
電子衝撃軌道面48、49と組み合わせて、パルス透視
時に利用される。なお、第1および第2のフィラメント
51a,51bは、図3に示されるように、同一箇所に
焦点を結ぶように設計されている。また、陰極電子銃4
2とフィラメント51a,51bとを電気的に絶縁し、
相互間に所定のバイアス電圧を印加することで、回転陽
極43に入射される電子が制御される。
【0019】回転陽極43の撮影用電子衝撃軌道面47
は、第3のフィラメント52と組み合わせてX線撮影に
利用される。また、回転陽極43のパルス透視用電子衝
撃軌道面48,49は、それぞれ異なる角度に形成さ
れ、第1および第2のフィラメントが焦点を結ぶこと
で、異なる実効焦点長さを提供する。なお、2つのパル
ス透視用電子衝撃軌道面48,49は、必要により材質
が変更されてもよい。すなわち上述したW,Moあるい
はRhが、任意の組み合わせにより用いられてもよい。
【0020】図4は、図1に示したX線像撮像装置1の
制御系を概略的に示すブロック図である。図4に示され
るように、X線発生器11の陰極電子銃42の第1およ
び第2のフィラメント51a,51bは、加熱用電源6
0に接続されている。
【0021】グリッド電極を兼ねる陰極電子銃42に
は、パルス発生回路61に接続されたバイアス電源回路
62に接続されている。なお、バイアス電源回路62は
グリッドバイアス電圧を、1ミリ秒以下の時間内で、0
Vないし数千Vまで任意に変化可能に形成されている。
また、バイアス電源回路62は、それぞれのフィラメン
ト毎に独立に設置されていることから、万一、一方のフ
ィラメントが断線しても、制御装置側でこれを検知して
その系統を切り離せば、残ったフィラメントは継続使用
可能となり、フェイルセーフ性を提供できる。
【0022】パルス発生回路61には、基本クロック発
生回路63と分周回路64により所定の周波数に低減さ
れた透視用パルスP1,P2が供給される。なお、通
常、透視用パルスP1,P2は、同一間隔すなわち同一
周波数に設定され、それぞれが発生されるタイミングが
1/2パルス分ずらされている。すなわち、図5(a)
および図5(b)を用いて以下に説明するよう、一方の
パルスがオンのとき他方のパルスがオフとなり、実質的
に第1および第2のフィラメント51a,51bのそれ
ぞれを交互に駆動するよう、設定されている。また、バ
イアス電源回路62は、パルスP1,P2が供給される
ごとに所定期間、印加されるバイアス電圧出力を低下さ
せることで、対応するフィラメントからの透視用X線の
ための熱電子を、回転陽極43のパルス透視用電子衝撃
軌道面48、49に到達可能とする。これにより、X線
発生器41の外部に、透視用X線が放射される。
【0023】透視用X線が放射されると、撮像装置31
のカメラ35により撮像素子37に結像されたX線像が
モニタ装置21に表示される。再び図4を参照すれば、
X線発生器11の陰極電子銃42の第3のフィラメント
52は、モニタ装置21の近傍に設けられた撮影スイッ
チ23がオンされたことをトリガとしてバイアス電源回
路63から印加されるバイアス電圧出力所定期間を低下
されることで、第3のフィラメント52からの撮影用X
線のための熱電子を回転陽極43の撮影用電子衝撃軌道
面47に到達可能とし、撮影用電子衝撃軌道面47から
外部に向けて放射されるX線によりX線像が撮影され
る。なお、バイアス電源回路65はグリッドバイアス電
圧を、1ミリ秒以下の時間内で、0Vないし数千Vまで
任意に変化可能に形成されている。また、この撮影時に
は、撮像装置31による画像取り込みおよびモニタ装置
21への画像の表示は停止される。
【0024】以下、図1ないし図5に示したX線像撮像
装置の動作の一例を説明する。第1のフィラメント51
aが透視用X線のための熱電子を出力するタイミング
を、回転陽極43の角度の深い軌道面49の回転周期
に、第2のフィラメント51bが透視用X線のための熱
電子を出力するタイミングを角度が浅い軌道面48の回
転周期に、それぞれに合わせ、図5に示したバイアス制
御すなわちグリッド電圧制御を行えば、第1のフィラメ
ント51aで大きな焦点、第2のフィラメント51bで
小さな焦点を交互に結像させることができる。なお、同
一焦点を作ることもできる。この場合、それぞれのフィ
ラメント51a,51bからの熱電子は、電子集束電極
の第1および第2の軌道面47,48に向けて加速さ
れ、陽極に衝突した時点で制動輻射によりX線を発生す
ることは、周知の通りである。
【0025】また、第1のフィラメント51aにより熱
電子が発生される時と第2のフィラメント51bにより
熱電子が発生される時の管電圧を変化させることが可能
であれば、異なるエネルギーによる画像を交互に収集可
能となる。
【0026】いずれの場合も、画像取り込み系は、回転
陽極43の1回転ごとに出力される同期信号に同期して
画像を収集する。なお、パルス透視から撮影に移る場合
は、第3のフィラメント52への電源の接続すなわちフ
ィラメントの加熱の開始および電子集束電極の回転の起
動に従いパルス透視用のX線の発生タイミングが変化し
てしまい、サブトラクション映像の収集が困難となるた
め、画像処理を停止するものとする。この場合、像影剤
の陰影が見えれば問題ないので、第1および第2のフィ
ラメント51a,51bとも、小焦点に切り換えること
が望ましい。
【0027】一方、撮影時には、第3のフィラメント5
2の加熱と、グリッドバイアス電圧の印加、および電子
集束電極の回転を立ち上げにつづいて、所定のタイミン
グでグリッドバイアスを0にすることで、X潜像が撮影
される。
【0028】以上説明したように、医用X線管装置に利
用する場合、小焦点による高周波成分の多い画像、大焦
点による低周波成分の多い画像、さらにターゲット材質
の違いにより、高エネルギー成分による画像、低エネル
ギー成分による画像を、所定の順で収集可能となり、こ
れらの画像を高周波強調、低周波強調画像の足し算、引
き算や、高エネルギー成分の多いX線と低エネルギー成
分の多いX線による画像の足し算、引き算(エネルギー
サブトラクション)により、邪魔になる骨、または臓器
陰影の消去、ガン病巣部の種留陰影、微小石灰像の強
調、血管内カテーテル治療の場合は、カテーテル陰影の
強調等、より高度な画像処理を行える画像情報の収集が
実時間で可能となる。
【0029】また、造影剤を用いた血管撮影でパルス透
視からフィルム撮影への切り替え時、単純撮影用焦点を
グリッド制御することで、造影剤投入前に電子集束電極
の陽極回転速度を低速回転から高速回転へ起動すると同
時に、高電圧を維持したままで単純撮影用フィラメント
の本加熱が可能で、フィラメントの加熱立ち上がり時間
が短縮し、造影剤が流れる瞬間の撮影タイミングを逃す
ことがない。
【0030】なお、上述したX線発生器においては、少
なくとも2個以上設けられた熱電子放出用フィラメント
の陽極に対する取り付け位置を互いに電子集束電極の径
方向にずらし、個々のフィラメントに合わせて異なった
電子衝撃軌道面を形成する、あるいは電子衝撃軌道面の
角度を軌道面毎に変えることにより、任意のX線を得る
ことができる。また、特性X線の利用が有効な場合は、
軌道面の材質を変えることも可能である。
【0031】さらに、電子衝撃軌道面の一部、特に内側
の軌道面については2分割、またはそれ以上に区切り、
各分割位置ごとに角度、さらに必要であれば材質を変え
ることも可能である。
【0032】またさらに、陽極の回転位置を光学的、ま
たは磁気的、電気的方法にて検出し、陽極の回転に同期
して電子銃のグリッドバイアス電圧を制御し、電子集束
電極の電子衝撃軌道面の場所により異なる角度を選ぶこ
とで焦点の長さ方向寸法を変化させることも可能であ
る。
【0033】さらにまた、幅方向寸法について弱いグリ
ッドバイアス電圧をかけることで制御し、同一のフィラ
メントで軌道面の角度とグリッドバイアス電圧を変化さ
せることで2種類以上の焦点寸法を作り出すことができ
る。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のX線管
装置は、陽極の回転に同期した任意のグリッドバイアス
電圧制御と、軌道面の角度、材質を2種類とすること
で、線質と焦点寸法の異なるX線を高速で切り替えなが
ら発生させることができる。
【0035】これによるX線像を、X線像増強管とCC
Dカメラによりデジタル画像として取り込み、画像情報
の高周波成分と低周波成分、エネルギーの高いX線によ
る画像と、低いX線による画像とで、サブトラクション
等の画像処理を行うことにより、邪魔になる骨、または
臓器陰影の消去、ガン病巣部の種留陰影、微小石灰像の
強調、血管内カテーテル治療の場合は、カテーテル陰影
の強調等、より高度な画像処理を行える画像情報の収集
が実時間で可能となり、より質の高い診断画像を得るこ
とができる。
【0036】また、造影剤を用いた血管撮影において
は、パルス透視からフィルム撮影への切り替え時、単純
撮影用焦点をグリッド制御することで、造影剤投入前に
電子集束電極の陽極回転速度を低速回転から高速回転へ
起動すると同時に、単純撮影用フィラメントの本加熱が
可能で、フィラメントの加熱立ち上がり時間が短縮し、
造影剤が流れる瞬間の撮影タイミングを逃すことを低減
できる。
【0037】さらに、パルス透視用のフィラメントは、
従来タイプのX線管の電子銃によく見られる様に、V溝
型の電子収束電極構造とすれば、同じ構造のフィラメン
トを2個備えることも可能で、どちらのフィラメントで
も2種類の焦点寸法を構成できる。この場合、左右交互
に使用することでフィラメント寿命の延長をはかった
り、あるいは片方が断線しても、片方の焦点で使用を継
続したりすることが可能となる。
【0038】グリッドバイアス電源を独立して持ってい
るため、片方のフィラメントが断線して電子収束電極と
接触しても、システム側でこれを検知してその系統を切
り離せば、残った焦点はグリッド制御が可能でありフェ
イルセーフ性を提供できる。これにより、被撮像対象で
ある人体の患部に、不所望なX線が照射される時間およ
びX線エネルギー量を低減でき、患者をX線被爆から保
護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態であるX線発生管が組み
込まれるX線像撮影装置を示す概略図。
【図2】図1に示したX線像撮像装置に組み込まれるX
線発生管を説明する概略図。
【図3】図2に示したX線発生管の電子集束電極と陰極
電子銃の相対位置関係を示す概略図。
【図4】図1に示したX線像撮像装置の制御系を概略的
に示すブロック図。
【図5】図2に示したX線発生管の各フィラメントの出
力を電子集束電極に到達させるためのバイアス電圧の制
御タイミングを示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1 …X線像撮像装置、 11 …X線発生器、 13 …X線像増強管、 21 …モニタ装置、 31 …撮像装置、 42 …陰極電子銃、 43 …電子集束電極、 47 …撮影用電子衝撃軌道面、 48 …パルス透視用電子衝撃軌道面、 49 …パルス透視用電子衝撃軌道面、 51a…第1のフィラメント、 51b…第2のフィラメント、 52 …第3のフィラメント、 60 …加熱用電源、 61 …パルス発生回路、 62 …バイアス電源回路、 65 …バイアス電源回路。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高真空中の容器に熱電子を放出するフィラ
    メントと電子を集束する集束電極とこれに対向する陽極
    を設け、熱電子を高電圧で加速して陽極に衝突させ、制
    動輻射によりX線を発生させるものであって、前記フィ
    ラメントと前記集束電極との間にバイアス電圧を印加す
    ることにより、電界強度の変化でフィラメントからの熱
    電子放出を制御可能であるグリッド制御回転陽極型X線
    管において、 熱電子放出用のフィラメントを2以上配置し、それぞれ
    のフィラメントごとに加熱用電源およびバイアス電圧発
    生回路を独立に接続し、全てのフィラメントのバイアス
    電圧を所定時間内に0Vないし数千Vの範囲で任意に設
    定可能可能としたことを特徴とするグリッド制御回転陽
    極型X線管。
  2. 【請求項2】前記フィラメントは、回転陽極の径方向に
    ずらして配置されることを特徴とする請求項1に記載の
    グリッド制御回転陽極型X線管。
  3. 【請求項3】前記回転陽極は、前記フィラメントのそれ
    ぞれに対応して形成された2以上の電子衝撃軌道面を含
    むことを特徴とする請求項1または2のいづれかに記載
    のグリッド制御回転陽極型X線管。
  4. 【請求項4】前記フィラメントは、2以上の焦点寸法を
    提供可能であることを特徴とする請求項1ないし3のい
    づれかに記載のグリッド制御回転陽極型X線管。
  5. 【請求項5】前記回転陽極は、前記フィラメントのそれ
    ぞれに対応して形成された2以上の同心円上の円弧また
    は互いに重なることのない複数の曲線状に形成され、少
    なくとも内側に位置する軌道面については2それ以上に
    区切りられていることを特徴とする請求項3または4の
    いづれかに記載のグリッド制御回転陽極型X線管。
  6. 【請求項6】高真空中の容器に熱電子を放出するフィラ
    メントと電子を集束する集束電極とこれに対向する陽極
    を設け、熱電子を高電圧で加速して陽極に衝突させ、制
    動輻射によりX線を発生させるものであって、前記フィ
    ラメントと前記集束電極との間にバイアス電圧を印加す
    ることにより、電界強度の変化でフィラメントからの熱
    電子放出を制御可能であって、陽極を回転可能としたも
    のグリッド制御回転陽極型X線管において、 パルス透視用のフィラメントと単純撮影用のフィラメン
    トとを有し、これらを独立にグリッド制御可能な電子銃
    を有することを特徴とするグリッド制御回転陽極型X線
    管。
  7. 【請求項7】前記フィラメントは、回転陽極の径方向に
    ずらして配置されることを特徴とする請求項6に記載の
    グリッド制御回転陽極型X線管。
  8. 【請求項8】前記回転陽極は、前記フィラメントのそれ
    ぞれに対応して形成された2以上の電子衝撃軌道面を含
    むことを特徴とする請求項6または7のいづれかに記載
    のグリッド制御回転陽極型X線管。
  9. 【請求項9】前記フィラメントは、2以上の焦点寸法を
    提供可能であることを特徴とする請求項6ないし8のい
    づれかに記載のグリッド制御回転陽極型X線管。
  10. 【請求項10】前記回転陽極は、前記フィラメントのそ
    れぞれに対応して形成された2以上の同心円上の円弧ま
    たは互いに重なることのない複数の曲線状に形成され、
    少なくとも内側に位置する軌道面については2それ以上
    に区切りられていることを特徴とする請求項8または9
    のいづれかに記載のグリッド制御回転陽極型X線管。
  11. 【請求項11】陰極側高電圧に浮いたグリッドバイアス
    電圧のモニタ信号を光ファイバーケーブルで伝送するこ
    とを特徴とするグリッド制御装置を含むことを特徴とす
    る請求項1または2または6または7のいづれかに記載
    のグリッド制御回転陽極型X線管。
  12. 【請求項12】所定の半径および角度が与えられた第1
    の電子衝撃軌道面とこの第1の電子衝撃軌道面の半径、
    角度あるいは材質の少なくとも一つが変化された第2の
    電子衝撃軌道面を一体に有し、回転可能に形成された回
    転陽極と、 この回転陽極に向けて熱電子を放出可能、かつ回転陽極
    の回転軸と平行な方向に、前記回転陽極のそれぞれの電
    子衝撃軌道面のそれぞれに対して独立に設けられ、熱電
    子を放出する複数のフィラメントを一体的に有する陰極
    と、 前記陰極と前記回転陽極との間に設けられ、前記それぞ
    れのフィラメントから放出された熱電子が前記回転陽極
    の前記それぞれのフィラメントに対応する電子衝撃軌道
    面に到達する量を変更する制御電極と、 前記フィラメントのそれぞれを独立に加熱するための電
    源と、 前記それぞれの制御電極に独立にバイアス電圧を供給す
    るバイアス電圧回路と、 前記回転陽極の前記第1および第2の電子衝撃軌道面の
    内の内周側に位置する電子軌道面と対応する前記陰極の
    フィラメントによりパルス透視のためのX線を発生し、
    前記のフィラメントの内の残りのフィラメントと対応す
    る回転陽極電子軌道面により撮像用のX線を発生するこ
    とを特徴とするグリッド制御回転陽極型X線管。
JP15220397A 1997-06-10 1997-06-10 グリッド制御回転陽極型x線管 Expired - Lifetime JP4208271B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15220397A JP4208271B2 (ja) 1997-06-10 1997-06-10 グリッド制御回転陽極型x線管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15220397A JP4208271B2 (ja) 1997-06-10 1997-06-10 グリッド制御回転陽極型x線管

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH113797A true JPH113797A (ja) 1999-01-06
JP4208271B2 JP4208271B2 (ja) 2009-01-14

Family

ID=15535323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15220397A Expired - Lifetime JP4208271B2 (ja) 1997-06-10 1997-06-10 グリッド制御回転陽極型x線管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4208271B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005168712A (ja) * 2003-12-10 2005-06-30 Toshiba Corp X線ct装置
JP2006320464A (ja) * 2005-05-18 2006-11-30 Hitachi Medical Corp 放射線撮影装置、画像処理方法
JP2008117613A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd イオン源
JP2010148920A (ja) * 2010-03-24 2010-07-08 Toshiba Corp X線ct装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005168712A (ja) * 2003-12-10 2005-06-30 Toshiba Corp X線ct装置
JP2006320464A (ja) * 2005-05-18 2006-11-30 Hitachi Medical Corp 放射線撮影装置、画像処理方法
JP2008117613A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd イオン源
JP2010148920A (ja) * 2010-03-24 2010-07-08 Toshiba Corp X線ct装置
JP4665055B2 (ja) * 2010-03-24 2011-04-06 株式会社東芝 X線ct装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4208271B2 (ja) 2009-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101639374B1 (ko) 토모신테시스 및 마모그래피 영상 촬영을 위한 x선 초점의 특성을 제어하기 위한 시스템 및 방법
JP5433334B2 (ja) X線ct装置
RU2399907C1 (ru) Устройство генерирования множества рентгеновских лучей и устройство формирования рентгеновского изображения
JP4510754B2 (ja) X線コンピュータ断層撮影装置
US8155262B2 (en) Methods, systems, and computer program products for multiplexing computed tomography
EP2443643B1 (en) X-ray tube for generating two focal spots and medical device comprising same
US8320521B2 (en) Method and system for operating an electron beam system
US4712226A (en) Stereoscopic x-ray tube
KR20160096024A (ko) 다중-스펙트럼 x-선 공급원을 사용하는 파노라마 촬상
US20090154649A1 (en) X-ray tube whose electron beam is manipulated synchronously with the rotational anode movement
US8130897B2 (en) X-ray CT system having a patient-surrounding, rotatable anode with an oppositely rotatable x-ray focus
JP2004357724A (ja) X線ct装置、x線発生装置及びx線ct装置のデータ収集方法
WO2007038306A2 (en) Methods, systems, and computer program products for multiplexing computed tomography
JPS58118733A (ja) ラジオグラフイ装置
JP2004136021A (ja) 集中照射型放射線治療装置
JP4208271B2 (ja) グリッド制御回転陽極型x線管
CN110946606B (zh) 层析摄影装置及其工作方法
JP5622371B2 (ja) X線管及びそれを用いたx線ct装置
US4228356A (en) Optimum contrast panoramic dental radiography and methods of providing therefor
JP5337437B2 (ja) X線ct装置及びx線ct装置のデータ収集方法
JP4220589B2 (ja) X線撮影装置
JP5716069B2 (ja) X線ct装置
RU178295U1 (ru) Многолучевая рентгеновская трубка с вращающимся анодом
JP4161578B2 (ja) X線撮影装置
JP3210357B2 (ja) X線断層撮影装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070416

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080304

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080507

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080722

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081014

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081021

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131031

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term