JPH11354064A - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JPH11354064A
JPH11354064A JP10163678A JP16367898A JPH11354064A JP H11354064 A JPH11354064 A JP H11354064A JP 10163678 A JP10163678 A JP 10163678A JP 16367898 A JP16367898 A JP 16367898A JP H11354064 A JPH11354064 A JP H11354064A
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Seiji Ogata
誠司 小方
Toshihisa Kunibe
利寿 国部
Hidekazu Yokoo
秀和 横尾
Tsutomu Nishibashi
勉 西橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板サイズが大型になっても装置が大型化せ
ず、エネルギー汚染や分布異常の少ないイオン注入装置
を提供する。 【解決手段】質量分離したイオンを所定のエネルギーに
加速もしくは減速し、ビームの基準軸を含む走査面内で
のイオンビームの電磁的走査と、該走査面に直交する直
線に沿ってイオン注入される基板を移動させる機械的走
査とを組み合わせたイオン注入装置に於いて、該イオン
ビームの経路に質量分離を行うための第1の扇形電磁石
2と質量分離スリット3を設け、該質量分離スリットの
前方にビームを走査するための静電偏向器4と複数の円
弧状の電極を備えた加速管6とを順次設け、さらに該加
速管の前方に偏向面が該静電偏向器の偏向面に一致する
第2の扇形電磁石7を設置し、該加速管の円弧状の電極
の曲率中心と、該第2の扇形電磁石の入口側焦点とを、
それぞれ該静電偏向器の偏向中心に一致させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として半導体集
積回路の製造工程に於いて、イオン化し且つ質量分離し
た化学元素を、基板への入射角度を一定に保ったまま、
基板面上での注入量の分布として1%以下の均一性を保
ちながら、数keVから数百keV程度のエネルギーで大径の
基板に打ち込むためのイオン注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中電流型イオン注入装置として例
えば図7に示した構成の装置が知られている。この装置
は、それぞれ独立した電位の与えられるイオン源aおよ
び質量分離のための第1扇形電磁石bが配置され、該第
1扇形電磁石bの前方には第1光軸cに沿って質量分離
スリットd、円筒状の加速管e、多極電極からなる第1
静電偏向器f、同じく多極電極からなる第2静電偏向器
gが配置され、さらにその前方には固定された基板hが
配置された構成を有する。
【0003】このイオン注入装置は、イオン源aから例
えば30keVのエネルギーで引き出されたイオンは、第
1扇形電磁石bと質量分離スリットdを通過することに
より所定の質量のイオンのみに選別された後、第1光軸
cに沿って飛行し、加速管eで数keVから数百keVの所定
のエネルギーまで加速または減速される。所定のエネル
ギーに達したイオンは、第1静電偏向器fで第1光軸c
を含むある面内で偏向され、第2静電偏向器gで第1静
電偏向器fとはほぼ逆の方向に偏向され、固定された基
板hに入射する。第1静電偏向器f及び第2静電偏向器
gでの偏向角及び偏向面を変化させて2次元的に走査す
ることにより、基板hに注入される角度を一定に保った
まま均一性良くイオンを注入することができる。
【0004】一般にイオン注入装置において、飛行中の
イオンは、残留ガスとの衝突などによってその一部は電
気的に中性となり、電磁的に制御できなくなる可能性が
ある。このような中性粒子を除去する目的で、第2静電
偏向器gと基板hは、第1光軸cに対して例えば7度程
度ずらした第2光軸iを基準に設置されている。
【0005】また、従来の中電流型イオン注入装置の他
の例として、加速管より前方の構成が図8に示す構成と
したものも知られている。同図において、図示してない
加速管を通過した質量分離され且つ所定のエネルギーと
なったイオンは、走査用電磁石jにおいて一定の面内で
走査される。該走査用電磁石jの前方には、その偏向面
が走査用電磁石jでの走査面に一致するように第2扇形
電磁石kが設けられ、基板hはその走査面に直交する方
向に機械的に駆動されるプラテンlの上に設置されてい
る。扇形電磁石は、一般にはイオンビームに対して凸レ
ンズ作用を営むが、第2扇形電磁石kの入口側の焦点を
走査用電磁石jでの偏向中心に一致させることにより、
基板hに照射されるイオンの入射角度は、走査用電磁石
jでの走査角度に関わりなく一定となる。走査用電磁石
jでのイオンビームの走査とプラテンlの機械的走査を
併用することにより、基板hに注入される角度を一定に
保ったままで均一性良くイオンを注入することができ
る。
【0006】従来の中電流型イオン注入装置の更に他の
例として、図9に示す構成のものが知られている。この
装置では、質量分離スリットdの前方に一対の電極から
なる静電偏向器mが設けられ、該静電偏向器mの前方に
はイオンビームに対して強い凸レンズ作用を持たせた収
束電磁石nを設け、その前方には静電偏向器mでの走査
面に長手方向が一致する矩形加速管oが設けられる。基
板hは、静電偏向器mでの走査面に直交する方向に機械
的に駆動されるプラテンlの上に設置されている。該収
束電磁石nの入口側焦点を静電偏向器mでの偏向中心に
一致させることにより、矩形加速管oに入射するビーム
の角度が走査角に関わらず一定となる。一般に加速管は
イオンビームに対してレンズ作用を持つが、矩形の加速
管の場合はその長手方向に関するレンズ作用は小さい。
従って、矩形加速管oの長手方向を静電偏向器mでの偏
向面に一致させることにより、基板hに照射されるイオ
ンの入射角度は、静電偏向器mでの走査角度に関わりな
く一定となる。静電偏向器mでのイオンビームの走査と
プラテンlの機械的走査を併用することにより、基板h
に注入される角度を一定に保ったままで均一性良くイオ
ンを注入することが出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】半導体集積回路は、デ
バイスの高速化に伴って集積度が年々高くなると同時
に、製造に用いられる基板の大きさが直径150mmから
200、300mmへと年々大きくなっている。
【0008】半導体集積回路の製造で用いられるイオン
注入装置の場合、飛行中のイオンが残留ガスとの衝突な
どによる荷電変換が原因となり、所定のエネルギーとは
異なるエネルギーで注入されてしまういわゆるエネルギ
ー汚染や、基板上で空間的に偏って化学元素が注入され
る分布異常などが、生産性を悪化させる大きな問題にな
っている。半導体デバイスの集積度が高くなるのに従っ
て、エネルギー汚染や分布異常を低減させる要求が強く
なっている。
【0009】さらに、基板サイズの大型化が生産性の向
上を主目的としているものであり、基板サイズが大きく
なるにも関わらず基板1枚あたりの処理時間を短縮する
ことの要望が存する。イオン注入装置の場合、基板サイ
ズが大型化するのに伴いイオンビームの電流も増大する
必要があるが、その増大で基板に投入される熱量は増大
し、脱ガスは増える傾向になるため、エネルギー汚染や
分布異常はますます深刻な問題となりつつある。
【0010】一方、イオン注入装置は半導体製造装置の
中でも比較的大型であるため、装置が大型になることは
量産工場のレイアウトからは望ましくない。基板サイズ
が大型になるのに伴って、エンドステーションは必然的
に大きくならざるを得ないので、イオンビームが飛行す
る領域を出来るだけ小さくしなければこの要望に応えら
れない。
【0011】図7の従来のイオン注入装置において、第
2静電偏向器gを通過中のイオンの荷電変換は、基板h
での異常分布につながる。一方、第2静電偏向器gの内
径はほぼ基板hのサイズと同等もしくはそれ以上に大き
いため、基板からの脱ガスはただちに第2静電偏向器g
の内部に拡散しやすく、この領域での圧力が増加しやす
い傾向を持つ。したがって、ビーム電流の増加にともな
って基板から脱ガスが増え、分布異常を引き起こしやす
い不都合がある。
【0012】また、図8で示す従来のイオン注入装置に
おいては、走査電磁石jでの走査角度に関わらず一定の
角度でイオンが基板hに注入されるためには、走査電磁
石jは第2扇形電磁石kの入口側焦点におかれている必
要がある。第2扇形電磁石kを通過するイオンのエネル
ギーは注入エネルギーに等しい。代表的な注入イオンで
ある燐(P)を300keVで注入することを想定して第
2扇形電磁石kに要求される仕様の例を挙げると、磁束
密度が0.3ステラ、偏向角度が45度、軌道半径が1
メートル、電磁石の入口から入口側焦点までの距離が1
メートルとなる。その結果、走査電磁石jから基板hま
でに必要な距離は3メートルにもなる。
【0013】さらに図9に示す構成のイオン注入装置も
公知であり、この装置においては、収束電磁石nを通過
するイオンのエネルギーはイオン源から引き出された際
のエネルギーに等しいので、一般には30keV程度と比
較的低い。したがって収束電磁石nは比較的小型で済
み、図8の従来装置のように走査用電磁石jから第2扇
形電磁石kまでの距離が長くなると言った問題は起こら
ない。しかし図9の装置では、基板hからの脱ガスは比
較的容易に矩形加速管oの内部へ拡散しやすい構造のた
め、矩形加速管oにおいて加速もしくは減速されるイオ
ンがガスとの衝突により荷電変換をおこし、所定のエネ
ルギーとは異なったエネルギーで基板に注入され、エネ
ルギー汚染を引き起こしやすい。
【0014】本発明は、上記の問題を解決し、基板サイ
ズが大型になっても装置が大型化せず、エネルギー汚染
や分布異常の少ないイオン注入装置を提供することを目
的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明では、質量分離し
たイオンを所定のエネルギーに加速もしくは減速し、ビ
ームの基準軸を含む走査面内でのイオンビームの電磁的
走査と、該走査面に直交する直線に沿ってイオン注入さ
れる基板を移動させる機械的走査とを組み合わせたイオ
ン注入装置に於いて、該イオンビームの経路に質量分離
を行うための第1の扇形電磁石と質量分離スリットを設
け、該質量分離スリットの前方にビームを走査するため
の静電偏向器と複数の円弧状の電極を備えた加速管とを
順次設け、さらに該加速管の前方に偏向面が該静電偏向
器の偏向面に一致する第2の扇形電磁石を設置し、該加
速管の円弧状の電極の曲率中心と、該第2の扇形電磁石
の入口側焦点とを、それぞれ該静電偏向器の偏向中心に
一致させることにより、上記の目的を達成するようにし
た。該静電偏向器の代わりに走査用電磁石を設けること
も可能であり、該質量分離スリットと該静電偏向器また
は走査用電磁石との間に、偏向面が上記走査面と一致す
る第3の扇形電磁石を設けることが好ましい。該静電偏
向器の代わりに偏向面が上記走査面に一致する第3の扇
形電磁石を設け、上記イオンビームの通過する真空チャ
ンバーのうちで該第3の扇形電磁石が設けられている部
分を電気的に独立させ、さらに該第3の扇形電磁石を通
過するイオンの電位を変調させることにより該走査面内
でイオンビームを走査してもよい。更に、該第3の扇形
電磁石の偏向面を、質量分離を行うための上記第1の扇
形電磁石の偏向面と一致させ、且つ該第3の扇形電磁石
での磁場の向きを該第1の扇形電磁石での磁場の向きと
逆にすることにより、この部分でのビームの基準軸をS
字もしくはZ字型とすることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明すると、図1に於いて符号1はイオンをビーム状
に出射するイオン源を示し、該イオン源1の前方にはイ
オンビーム中から特定のイオンのみを質量分離するため
の第1の扇形電磁石2と質量分離スリット3が設けら
れ、該スリット3の前方には一定の面内でイオンビーム
を走査するための一対の電極4a、4bからなる静電偏
向器4が設けられる。これらは電気的にグランドレベル
から独立した電位にある高電圧ターミナル5の内部に置
かれる。該静電偏向器4の前方には、その曲率中心が静
電偏向器4における偏向中心4cに一致する円弧状の電
極からなる加速管6が設けられ、その前方には、その入
口側焦点が偏向中心4cに一致する位置に第2の扇形電
磁石7を設け、さらにその前方に該静電偏向器4での走
査面に直交する直線すなわち紙面に垂直方向の直線に沿
って機械的に駆動できるプラテン9を設け、イオン注入
されるべき基板8を該プラテン9に固定した。尚、静電
偏向器4の代わりに走査用の電磁石(図示せず)を用い
てもよい。
【0017】該加速管6は、図2に示したように、同心
円筒の一部からなる円弧状の3枚の電極6a、6b、6
cから構成されたもので、その第1の電極6aは高電圧
ターミナル5と同電位であり、最終の電極6cは電気的
にグランドレベルにある。中間の電極6bの電位は任意
であり、さらに同図においては中間の電極6bが1枚で
あるが必要に応じて2枚以上で構成してもよい。ただ
し、全ての電極は、走査器である静電偏向器4の偏向面
4dにおける曲率中心が、該偏向器4での偏向中心4c
に合致していることが必要である。
【0018】この例では、同心円筒の一部からなる円弧
状の電極6a、6b、6cにより作られる電場は、そこ
に形成される電位に関わりなく、同心円の周方向(即ち
角度の方向)の成分を持たない。従って、静電偏向器4
で走査面4d内で走査された荷電粒子は、加速管6での
加速もしくは減速に関わらず、走査面4d内での軌道は
変化しないで直線運動を続ける。さらに、第2扇形電磁
石7の入口側焦点が該偏向器4の偏向中心4cに一致し
ているので、第2扇形電磁石7を通過して基板8に入射
するイオンは、該偏向器4での走査角および加速管6で
の加速もしくは減速に関わらず、基板8に対し一定の角
度になる。この電磁的なビームの走査と同時に、走査面
4dに直交する直線に沿ってプラテン9が基板8を機械
的に走査することにより、基板8に対する角度を一定に
保ったまま、均一性良くイオンを基板8に注入すること
が出来る。
【0019】一般に分布異常は、基板8にイオンビーム
が照射される際に生じる脱ガスによって引き起こされ
る。本発明はこの分布異常を解消することを一課題とし
ており、これに関する影響を説明すれば以下の通りであ
る。基板8のサイズが直径300mmの場合、ビームの走
査する幅はほぼ40cm程度は必要である。この場合、図
7に示した従来の装置における第2静電偏向器gの開口
面積は1170cm2程度以上となるが、本発明の図1
の例では、第2扇形電磁石7の開口の高さは10cm以
下で十分であるので、その開口面積は400cm2程度
となり、従来例の1/3程度になる。従って、第2扇形
電磁石7の内部においてイオンビームが残留ガスと衝突
して荷電変換を起こし、所定の軌道からずれて分布異常
を引き起こす程度は、従来の第2静電偏向器gの場合に
比べて数分の1以下となる。
【0020】本発明は加速もしくは減速の際に生じる荷
電変換によって引き起こされるエネルギー汚染を解消す
ることも課題としており、エネルギー汚染に関する影響
を説明すれば次の通りである。一般に扇形電磁石の内部
における荷電粒子の軌道半径Rは、R=(2Mφ/e)
1/2/Bで与えられる。ここでMは荷電粒子の質量、φ
は静電ポテンシャル、eは電荷、Bは扇形電磁石の磁束
密度である。加速もしくは減速の途中で荷電変換を起こ
した場合、荷電粒子の電荷eや静電ポテンシャルφが大
きく変化する。従って、これらの粒子の第2扇形電磁石
7における軌道は所定のものと大きく異なり、その大部
分は基板8に到達しないと予測される。また、基板8と
加速管6の間に第2扇形電磁石7が存在するため、基板
8から発生した脱ガスが加速管6の内部にまで拡散する
程度は図9の従来例に比べて圧倒的に小さくなる。従っ
て、本発明によれば、エネルギー汚染が従来のものより
圧倒的に少なくなる。
【0021】更に、本発明の装置では、静電偏向器4と
第2扇形電磁石7との間に加速管6が組み込まれている
ので、従来装置のように加速管を静電偏向器とイオン源
の間、もしくは収束電磁石と基板との間に置く必要がな
く、この間の距離が有効に活用されている。また、図8
の装置では、基板に注入されるエネルギーにまで加速さ
れているイオンビームを走査するものであり、最高では
300keV程度の高エネルギーのイオンビームを数度程
度偏向する必要があるが、本発明の装置では、イオンビ
ームのエネルギーが30keV程度と比較的小さい状態で
偏向するから、静電偏向器4の大きさは図8の装置の第
2走査用電磁石jの半分以下の大きさでよい。一般に加
速管の長さは0.5mないし1.0m程度であり、30
0keV程度のイオンビームを偏向する偏向器の長さも
0.5m程度は必要である。本発明の場合、装置のビー
ム系の長さを図8のものに比べて少なくとも1m程度は
短く実現することができる。
【0022】図3に示した装置は、本発明の他の実施例
であり、これに於いては質量分離スリット3と静電偏向
器4との間に第3の扇形電磁石10を設けた構成が図1
のものと相違する。この第3の扇形電磁石10のイオン
光学上の意味を図4a及び図4bに基づき原理的に説明
すると以下の通りである。イオン注入装置においては、
既に述べたように、基板への入射角度を一定に保ったま
まビームを基板上で走査する必要がある。これと同時
に、イオンが均一性良く基板に照射されるためには、基
板上でのビームスポットの大きさが基板の大きさに比較
して十分に小さいことが望ましい。この二つの要件を満
たすためには、質量分離スリット、ビームを走査する偏
向器の偏向中心、凸レンズとしての第2扇形電磁石、基
板、が図4aのような関係にあることが要求される。即
ち、質量分離スリットAの凸レンズCによる像A’が基
板D上に結像し、かつ偏向中心Bが凸レンズCの入口側
焦点Eに一致することが必要である。この原理図4aか
ら明らかなように、上記の条件は、質量分離スリットA
と偏向中心Bはある程度の距離だけ離れていないと実現
できない。これに対して、図4bに示したように、質量
分離スリットAと偏向中心Bとの間に第2の凸レンズF
を挿入することにより、この距離を大幅に短縮すること
が出来る。さらにイオンビームに対するレンズとして、
図3のように第3の扇形電磁石10を採用することによ
り、質量分離スリット3と偏向器4との距離を短縮でき
るだけでなく、図3に示したように高電圧ターミナル5
の内部におけるビームの基準軸がU字型となり、装置の
全長を大幅に短縮することが出来る。
【0023】図5に示した装置は、本発明の更に他の実
施例であり、これに於いては第3の扇形電磁石10に囲
まれる真空チャンバー部分が電気的に独立とされ、且つ
静電偏向器4が除かれた構成が図3のものと相違する。
この例では、イオンビームの通過する真空チャンバーの
うちで、前記第3扇形電磁石10を設けているチャンバ
ー部分13を絶縁碍子12および絶縁碍子14により電
気的に独立させた。このチャンバー部分13の電位を高
電圧ターミナル5に対して変調することにより、第3扇
形電磁石10での偏向角を変化させ、これによりビーム
を走査することが出来る。この実施例では、図3の実施
例で扇形電磁石10の前方に設けられていた偏向器4を
省略することができるので、図3の例よりも更に装置の
全長を短くすることが出来る。
【0024】図6は本発明の更に他の実施例を示し、こ
れに於いては第1扇形電磁石2でのビーム偏向方向を第
3扇形電磁石10のそれと逆にした。イオン注入装置に
おいて最も頻繁にメンテナンスを必要とするのはイオン
源1であり、図3の例ではイオン源1の着脱は高電圧タ
ーミナル5と図示してないエンドステーションの間の空
間から行う必要があるが、この図6の実施例では、イオ
ン源1の着脱は装置の外側から行える。従ってこの場合
は、装置を大型にすることなくイオン源のみを突出させ
て装置を構成することが出来ると共にメンテナンスが容
易になる。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によるときは、イオ
ンビームの電磁的走査と基板の機械的走査とを組み合わ
せたイオン注入装置にのイオンビーム経路に、第1扇形
電磁石、質量分離スリット、静電偏向器、複数の円弧状
からなる加速管、偏向面が該静電偏向器の偏向面に一致
する第2の扇形電磁石を設置し、該加速管の円弧状の電
極の曲率中心と、該第2の扇形電磁石の入口側焦点と
を、それぞれ該静電偏向器の偏向中心に一致させたの
で、基板サイズが大型でも基板にイオンの分布異常やエ
ネルギー汚染の少ないイオン注入を行え、装置を小型に
構成できメンテナンスの容易なイオン注入装置が得られ
る等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す一部切断平面図
【図2】図1の加速管の模式的な斜視図
【図3】本発明の他の実施の形態を示す一部切断平面図
【図4】図3の例での光学的な原理の説明図
【図5】本発明の更に他の実施の形態を示す一部切断平
面図
【図6】本発明の更に他の実施の形態を示す一部切断平
面図
【図7】従来の中電流型イオン注入装置の説明図
【図8】従来の他の中電流型イオン注入装置の説明図
【図9】従来の更に他の中電流型イオン注入装置の説明
【符号の説明】
1 イオン源、2 第1の扇形電磁石、3 質量分離ス
リット、4 静電偏向器、5 高電圧ターミナル、6
加速管、7 第2の扇形電磁石、8 基板、9プラテ
ン、10 第3の扇形電磁石、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西橋 勉 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量分離したイオンを所定のエネルギーに
    加速もしくは減速し、ビームの基準軸を含む走査面内で
    のイオンビームの電磁的走査と、該走査面に直交する直
    線に沿ってイオン注入される基板を移動させる機械的走
    査とを組み合わせたイオン注入装置に於いて、該イオン
    ビームの経路に質量分離を行うための第1の扇形電磁石
    と質量分離スリットを設け、該質量分離スリットの前方
    にビームを走査するための静電偏向器と複数の円弧状の
    電極を備えた加速管とを順次設け、さらに該加速管の前
    方に偏向面が該静電偏向器の偏向面に一致する第2の扇
    形電磁石を設置し、該加速管の円弧状の電極の曲率中心
    と、該第2の扇形電磁石の入口側焦点とを、それぞれ該
    静電偏向器の偏向中心に一致させたことを特徴とするイ
    オン注入装置。
  2. 【請求項2】イオンビームを電磁的に走査する手段とし
    て、上記静電偏向器の代わりに走査用電磁石を設けたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  3. 【請求項3】上記質量分離スリットと上記静電偏向器ま
    たは上記走査用電磁石との間に、偏向面が上記走査面と
    一致する第3の扇形電磁石を設けたことを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載のイオン注入装置。
  4. 【請求項4】イオンビームを電磁的に走査する手段とし
    て、上記静電偏向器の代わりに偏向面が上記走査面に一
    致する第3の扇形電磁石を設け、上記イオンビームの通
    過する真空チャンバーのうちで該第3の扇形電磁石が設
    けられている部分を電気的に独立させ、さらに該第3の
    扇形電磁石を通過するイオンの電位を変調させることに
    より該走査面内でイオンビームを走査させることを特徴
    とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  5. 【請求項5】上記第3の扇形電磁石の偏向面を、質量分
    離を行うための上記第1の扇形電磁石の偏向面と一致さ
    せ、且つ該第3の扇形電磁石での磁場の向きを該第1の
    扇形電磁石での磁場の向きと逆にすることにより、この
    部分でのビームの基準軸をS字もしくはZ字型としたこ
    とを特徴とする請求項3または請求項4に記載のイオン
    注入装置。
JP16367898A 1998-06-11 1998-06-11 イオン注入装置 Expired - Lifetime JP4138946B2 (ja)

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