JPH11351161A - スクロール圧縮機 - Google Patents
スクロール圧縮機Info
- Publication number
- JPH11351161A JPH11351161A JP16659798A JP16659798A JPH11351161A JP H11351161 A JPH11351161 A JP H11351161A JP 16659798 A JP16659798 A JP 16659798A JP 16659798 A JP16659798 A JP 16659798A JP H11351161 A JPH11351161 A JP H11351161A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tip seal
- scroll
- ptfe
- scroll compressor
- seal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Rotary Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】高速，高面圧下で長期の使用に対してもシール
性能を維持でき信頼性が高く、ドライスクロール圧縮機
の出現が望まれていた。 【解決手段】ドライスクロール圧縮機において、チップ
シールの材質をＰＴＦＥを主成分とし、このチップシー
ルと摺動するスクロールの鏡板表面にＰＴＦＥ−ＰＡＩ
−ＭｏＳ2 系を主成分とするコーティングを塗布するこ
とにある。
性能を維持でき信頼性が高く、ドライスクロール圧縮機
の出現が望まれていた。 【解決手段】ドライスクロール圧縮機において、チップ
シールの材質をＰＴＦＥを主成分とし、このチップシー
ルと摺動するスクロールの鏡板表面にＰＴＦＥ−ＰＡＩ
−ＭｏＳ2 系を主成分とするコーティングを塗布するこ
とにある。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮ガス供給用と
して使用されるスクロール圧縮機に係わるものであり、
特に、圧縮ガスの漏れを防止するチップシールを備えた
ドライのスクロール圧縮機に関する。
して使用されるスクロール圧縮機に係わるものであり、
特に、圧縮ガスの漏れを防止するチップシールを備えた
ドライのスクロール圧縮機に関する。
【０００２】
【従来の技術】スクロール圧縮機用のチップシールは、
長期運転中にそれが接触摺動するラップ鏡板によって摩
耗し、チップシールの厚みが減少する。従って長期の圧
縮機運転に際してもチップシールの信頼性を維持するた
めには、チップシールが対向する鏡板方向に伸びるか浮
上する必要があるが、基本的にチップシールの耐摩耗性
が極めて良好であることは前提であり重要である。
長期運転中にそれが接触摺動するラップ鏡板によって摩
耗し、チップシールの厚みが減少する。従って長期の圧
縮機運転に際してもチップシールの信頼性を維持するた
めには、チップシールが対向する鏡板方向に伸びるか浮
上する必要があるが、基本的にチップシールの耐摩耗性
が極めて良好であることは前提であり重要である。
【０００３】上記問題を解決すべく考案されたスクロー
ル圧縮機用チップシールに関する公知技術としては、例
えば以下のものがある。
ル圧縮機用チップシールに関する公知技術としては、例
えば以下のものがある。
【０００４】特公昭63−32991号公報 スクロールの全ての表面に硬化層を形成させ、その上か
らなじみ性のある物質をスクロールの全面に亘ってコー
ティングする方法は、特公昭63−32991 号公報に開示さ
れているが、この場合は、互いのスクロール間のラジア
ルクリアランスおよびアキシァルクリアランス方向に対
する洩れおよびかじりの防止を目的としている。
らなじみ性のある物質をスクロールの全面に亘ってコー
ティングする方法は、特公昭63−32991 号公報に開示さ
れているが、この場合は、互いのスクロール間のラジア
ルクリアランスおよびアキシァルクリアランス方向に対
する洩れおよびかじりの防止を目的としている。
【０００５】特開平3−11101号公報 この公知技術によるチップシールは、チップシール表面
に対して斜めに細かい刻みを位置ずれさせて入れ、圧縮
機が作動してチップシール周囲が高圧になった際に、高
圧ガスが上記刻み内部に侵入して刻みを立てることでチ
ップシールを浮上させ、シール性能を高めるものであ
る。
に対して斜めに細かい刻みを位置ずれさせて入れ、圧縮
機が作動してチップシール周囲が高圧になった際に、高
圧ガスが上記刻み内部に侵入して刻みを立てることでチ
ップシールを浮上させ、シール性能を高めるものであ
る。
【０００６】特開昭62−113882号公報 これはシール部材を有機充填剤入りの四フッ化エチレン
樹脂に溶射成形可能なＰＦＡなどのフッ素樹脂粉末を添
加した材料で形成したものである。
樹脂に溶射成形可能なＰＦＡなどのフッ素樹脂粉末を添
加した材料で形成したものである。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】しかし、引例１のアキ
シァルクリアランス方向の洩れに対してチップシールを
使用しているスクロール圧縮機の場合は、コーティング
を、チップシールの先端が摺接する端板内面にも行う
と、チップシールの摩耗の点から問題となる。
シァルクリアランス方向の洩れに対してチップシールを
使用しているスクロール圧縮機の場合は、コーティング
を、チップシールの先端が摺接する端板内面にも行う
と、チップシールの摩耗の点から問題となる。
【０００８】すなわち、チップシールとの摺動面の端板
内面にコーティングを行うと、コーティングによる圧縮
熱の断熱が大きくなり、チップシールの摺動面の温度が
上昇し、樹脂成分がＰＴＦＥのみではチップシールの摩
耗が早期に大となる。
内面にコーティングを行うと、コーティングによる圧縮
熱の断熱が大きくなり、チップシールの摺動面の温度が
上昇し、樹脂成分がＰＴＦＥのみではチップシールの摩
耗が早期に大となる。
【０００９】この点、引例１は、たとえば２００℃以上
の高温になった場合のコーティングの耐摩耗性，耐久性
について積極的配慮がされていない。
の高温になった場合のコーティングの耐摩耗性，耐久性
について積極的配慮がされていない。
【００１０】次に、上記公知技術には以下の課題があ
る。
る。
【００１１】公知技術においては、チップシール表面
に対して斜めに切り込まれた刻みが小さいのでラップ鏡
板方向への浮上量（伸び量）が小さい。よって、チップ
シールが長期にわたる使用で摩耗する分を補って浮上さ
せるのは困難であり、長期使用に対する信頼性の向上が
困難である。
に対して斜めに切り込まれた刻みが小さいのでラップ鏡
板方向への浮上量（伸び量）が小さい。よって、チップ
シールが長期にわたる使用で摩耗する分を補って浮上さ
せるのは困難であり、長期使用に対する信頼性の向上が
困難である。
【００１２】また、斜めの切り込みに圧力を導入してチ
ップシール全体を浮上させる構造上、導入した圧力をす
べて浮上方向に作用させることができず、例えば導入圧
力の一部は切り込みを開くために下方へ向かって作用す
るので、圧力を浮上に十分有効に利用していない。した
がって結果的に、浮上（伸び）に要する周囲圧力がある
程度大きい必要があり、雰囲気圧力が構造上高くないス
クロール外周部のチップシールとしては実際上は適用困
難である。
ップシール全体を浮上させる構造上、導入した圧力をす
べて浮上方向に作用させることができず、例えば導入圧
力の一部は切り込みを開くために下方へ向かって作用す
るので、圧力を浮上に十分有効に利用していない。した
がって結果的に、浮上（伸び）に要する周囲圧力がある
程度大きい必要があり、雰囲気圧力が構造上高くないス
クロール外周部のチップシールとしては実際上は適用困
難である。
【００１３】また、上記公知技術においては、以下の
課題がある。
課題がある。
【００１４】すなわち、シール部材を有機充填材入り四
フッ化エチレン樹脂に、溶射成形可能なフッ素樹脂粉末
（ＰＦＡ）を添加した材料で形成するわけである。
フッ化エチレン樹脂に、溶射成形可能なフッ素樹脂粉末
（ＰＦＡ）を添加した材料で形成するわけである。
【００１５】しかしながら、ＰＦＡを添加すると、それ
だけ耐摩耗性が低下することが挙げられる。したがっ
て、少なくとも２〜３年の長期耐摩耗性を期待されるチ
ップシールとしては、溶射成形可能とした点は評価され
るが反面、長期耐久性が失なわれるのでは、実用上問題
である。
だけ耐摩耗性が低下することが挙げられる。したがっ
て、少なくとも２〜３年の長期耐摩耗性を期待されるチ
ップシールとしては、溶射成形可能とした点は評価され
るが反面、長期耐久性が失なわれるのでは、実用上問題
である。
【００１６】本発明の目的は、上記従来型のチップシー
ルが抱えている上記課題を解決するために発明されたも
のである。その目的は、長期の使用に対しても耐摩耗性
が良好でシール性能を維持でき信頼性が高く、またチッ
プシール周囲圧力が小さい場合でも確実に浮上してシー
ル可能であり、さらに製作上難しくなく量産に適し、従
って、数年間の長期に亘り圧縮効率の低下を防止するこ
とができる圧縮機を提供することにある。
ルが抱えている上記課題を解決するために発明されたも
のである。その目的は、長期の使用に対しても耐摩耗性
が良好でシール性能を維持でき信頼性が高く、またチッ
プシール周囲圧力が小さい場合でも確実に浮上してシー
ル可能であり、さらに製作上難しくなく量産に適し、従
って、数年間の長期に亘り圧縮効率の低下を防止するこ
とができる圧縮機を提供することにある。
【００１７】
【課題を解決するための手段】引例の代表的公知技術か
ら明らかなように、チップシールのみ、あるいはスクロ
ール鏡板部のみを対象としている点従来の開発は、チッ
プシールの長期耐久性確保という点で一方的な見方によ
るものであった。
ら明らかなように、チップシールのみ、あるいはスクロ
ール鏡板部のみを対象としている点従来の開発は、チッ
プシールの長期耐久性確保という点で一方的な見方によ
るものであった。
【００１８】しかしながら、現実の問題は単に１つの課
題を解決しただけでは（あたかも、もぐら叩きのよう
に）、今度は別の問題点が浮上するのである。
題を解決しただけでは（あたかも、もぐら叩きのよう
に）、今度は別の問題点が浮上するのである。
【００１９】すなわち、ドライスクロール圧縮機におい
て真にチップシールを長期に亘って、無交換で使用でき
るようにするかという点については、引例のようにチ
ップシールの成分のみの改良では限界がある。
て真にチップシールを長期に亘って、無交換で使用でき
るようにするかという点については、引例のようにチ
ップシールの成分のみの改良では限界がある。
【００２０】なぜならば、摩耗というものは相互に摺動
する２つの物体があるために発現される現象であるか
ら、この場合、チップシールが接触摺動する相手材とし
てのスクロール鏡板面の性状が問題である。そして、ス
クロール鏡板面の性状次第で、同一成分のチップシール
でも、耐摩性を大きく異にすることが明らかとなった。
する２つの物体があるために発現される現象であるか
ら、この場合、チップシールが接触摺動する相手材とし
てのスクロール鏡板面の性状が問題である。そして、ス
クロール鏡板面の性状次第で、同一成分のチップシール
でも、耐摩性を大きく異にすることが明らかとなった。
【００２１】同様に、引例のスクロール表面へのなじ
み性物質のコーティングであるが、これもチップシール
の材質，成分の如何によっては効果があったり，なかっ
たりする。
み性物質のコーティングであるが、これもチップシール
の材質，成分の如何によっては効果があったり，なかっ
たりする。
【００２２】さらに、引例のようにチップシールの形
状構造に関するものもチップシール材の材質によって
は、本引例のような形状構造のものがチップシール本来
のその機能を発揮しない場合がある。たとえば、引例
のものは、軟質材でないと、予め設定された切り込みが
ひらかずシール効果をもたらさない等である。
状構造に関するものもチップシール材の材質によって
は、本引例のような形状構造のものがチップシール本来
のその機能を発揮しない場合がある。たとえば、引例
のものは、軟質材でないと、予め設定された切り込みが
ひらかずシール効果をもたらさない等である。
【００２３】本発明は、ドライスクロール圧縮機におい
て実際に高性能かつ、高耐久性を長期間維持するために
は、単に、そのうちの一部品の一仕様、たとえばチップ
シールの成分のみを規定しただけでは、極めて不十分で
あることに鑑みなされたものである。
て実際に高性能かつ、高耐久性を長期間維持するために
は、単に、そのうちの一部品の一仕様、たとえばチップ
シールの成分のみを規定しただけでは、極めて不十分で
あることに鑑みなされたものである。
【００２４】すなわち、チップシール材としてはＰＴＦ
Ｅを主成分として、機械的性質を向上させるために炭素
せんい，グラスファイバーなどの無機物を添加、さらに
耐熱性の向上のためにポリイミドなどをフィラーとして
配合する。シール形状としては一般の形状を基礎とする
が好ましくは矩形２分割の組合せ形状とする。
Ｅを主成分として、機械的性質を向上させるために炭素
せんい，グラスファイバーなどの無機物を添加、さらに
耐熱性の向上のためにポリイミドなどをフィラーとして
配合する。シール形状としては一般の形状を基礎とする
が好ましくは矩形２分割の組合せ形状とする。
【００２５】次にスクロール鏡板表面は硬質アルマイト
処理を施したのちにＰＴＦＥ−PAI−ＭｏＳ2 系を主成
分とするコーティングを施す。
処理を施したのちにＰＴＦＥ−PAI−ＭｏＳ2 系を主成
分とするコーティングを施す。
【００２６】すなわち、これによってチップシールの摩
耗を大幅に減らすことができるからである。なお、この
成分のうち、ＰＡＩはイミド基を成分要素としており、
熱硬化性を併せて有している。すなわち加熱と共に架橋
反応が促進され、３５０℃付近まで高温に、加熱されれ
ば一層強度向上をもたらす特質を有する。従って、スク
ロール圧縮機では高温（２５０℃付近）にさらされる空
気吐出口付近ほど、皮膜強度が向上する。従って、引例
に懸念されるような問題点はない、のみならず却って
長所となる。
耗を大幅に減らすことができるからである。なお、この
成分のうち、ＰＡＩはイミド基を成分要素としており、
熱硬化性を併せて有している。すなわち加熱と共に架橋
反応が促進され、３５０℃付近まで高温に、加熱されれ
ば一層強度向上をもたらす特質を有する。従って、スク
ロール圧縮機では高温（２５０℃付近）にさらされる空
気吐出口付近ほど、皮膜強度が向上する。従って、引例
に懸念されるような問題点はない、のみならず却って
長所となる。
【００２７】一般に、相手材料としてのアルマイトとＰ
ＴＦＥ系の摺動摩耗は、相手材表面にＰＴＦＥ成分が移
着するか否かによって大きく異なる。以下、このことを
実施例によって説明する。
ＴＦＥ系の摺動摩耗は、相手材表面にＰＴＦＥ成分が移
着するか否かによって大きく異なる。以下、このことを
実施例によって説明する。
【００２８】
【発明の実施の形態】〔実施例１〕すなわち、図１に示
すように、アルマイト表面にＰＴＦＥが移着し摺動範囲
が平滑化するように図２の相手材表面の粗さ変化からも
明らかである。チップシール材としてＰＴＦＥが移着し
ない場合は図３ののように摩耗はリニアに増加するの
で、チップシールの耐久時間は極めて短い。
すように、アルマイト表面にＰＴＦＥが移着し摺動範囲
が平滑化するように図２の相手材表面の粗さ変化からも
明らかである。チップシール材としてＰＴＦＥが移着し
ない場合は図３ののように摩耗はリニアに増加するの
で、チップシールの耐久時間は極めて短い。
【００２９】しかしながら、移着が十分になされる場合
は、同図ののように、移着が完了する迄の一定時間
（図のｔ）は、初期摩耗として摩耗カーブは急である
が、その後は、定常摩耗状態となり極めて僅かずつしか
摩耗は進行しない。
は、同図ののように、移着が完了する迄の一定時間
（図のｔ）は、初期摩耗として摩耗カーブは急である
が、その後は、定常摩耗状態となり極めて僅かずつしか
摩耗は進行しない。
【００３０】従って、チップシールの耐久時間は極めて
長期となり数年間の連続使用に耐えることになる。
長期となり数年間の連続使用に耐えることになる。
【００３１】〔実施例２〕以上の理論は、一般的に正し
いけれども問題は実機において、このような移着がなさ
れているかという点であるが、実機の場合は殆ど移着し
ない。
いけれども問題は実機において、このような移着がなさ
れているかという点であるが、実機の場合は殆ど移着し
ない。
【００３２】特に、移着が望まれる中間部及び中心部で
は移着量はゼロである。すなわち実機の場合は、空気の
圧縮過程で差圧が生じるため、それによって強い空気の
流れが生じる。そのために生成された摩耗粉は、スクロ
ール鏡板のアルマイト表面に移着する以前に圧風によっ
て吹きとばされ、吐出口より外部に排出されてしまうの
である。
は移着量はゼロである。すなわち実機の場合は、空気の
圧縮過程で差圧が生じるため、それによって強い空気の
流れが生じる。そのために生成された摩耗粉は、スクロ
ール鏡板のアルマイト表面に移着する以前に圧風によっ
て吹きとばされ、吐出口より外部に排出されてしまうの
である。
【００３３】〔実施例３〕この点を要素実験的に明らか
にするために、行った結果を図４に示す。この図４のよ
うに、空気吐出ありの場合（）は、ＰＴＦＥの移着は
ゼロであり、吐出なしの場合（）は、試験開始後に移
着は急速に進行し、時間ｔ′でほぼ飽和状態となった。
そして、図１における時間ｔと図４におけるｔ′は、時
間的にほぼ均一のｔ≒ｔ′の関係であった。
にするために、行った結果を図４に示す。この図４のよ
うに、空気吐出ありの場合（）は、ＰＴＦＥの移着は
ゼロであり、吐出なしの場合（）は、試験開始後に移
着は急速に進行し、時間ｔ′でほぼ飽和状態となった。
そして、図１における時間ｔと図４におけるｔ′は、時
間的にほぼ均一のｔ≒ｔ′の関係であった。
【００３４】〔実施例４〕前実施例より、実機における
摩耗の急速な進行はＰＴＦＥの移着がないことを推定さ
せるものであるが、これを更に要素実験的に明らかにす
ると共に、移着に代わるＰＴＦＥのプレコートの効果を
調べるために行った実験結果を図５に示す。
摩耗の急速な進行はＰＴＦＥの移着がないことを推定さ
せるものであるが、これを更に要素実験的に明らかにす
ると共に、移着に代わるＰＴＦＥのプレコートの効果を
調べるために行った実験結果を図５に示す。
【００３５】これより、空気吹出し−相手材ＰＴＦＥプ
レコート無し（）に比べて、空気吹出し−相手材への
ＰＴＦＥプレコート（）の効果が極めて大きいことが
判る。
レコート無し（）に比べて、空気吹出し−相手材への
ＰＴＦＥプレコート（）の効果が極めて大きいことが
判る。
【００３６】なお、上記は、空気吹出しなし−ＰＴＦ
Ｅ移着あり（図３の）と比べても以下の点ですぐれて
いる。
Ｅ移着あり（図３の）と比べても以下の点ですぐれて
いる。
【００３７】すなわち、図３のは、定常摩耗開始迄は
ＰＴＦＥの摩耗が急速に進行するが、図５のの場合
は、それすらもなく従って、その耐久時間は極めて長
く、実機では数年間の耐摩耗性は容易である。
ＰＴＦＥの摩耗が急速に進行するが、図５のの場合
は、それすらもなく従って、その耐久時間は極めて長
く、実機では数年間の耐摩耗性は容易である。
【００３８】〔実施例５〕次に、実機に要素試験の結果
を適用した耐久性を試験結果を図７に示す。このよう
に、長期の連続使用においても、チップシールの摩耗は
僅かであり、このカーブから逆算して、スクロ−ル表面
にＰＴＦＥ系コ−トを施した場合のチップシールの可使
時間は数年間であると推定された。
を適用した耐久性を試験結果を図７に示す。このよう
に、長期の連続使用においても、チップシールの摩耗は
僅かであり、このカーブから逆算して、スクロ−ル表面
にＰＴＦＥ系コ−トを施した場合のチップシールの可使
時間は数年間であると推定された。
【００３９】
【発明の効果】本発明によればチップシールの摩耗は経
時的に極めて少なく、数年間は性能を発揮するので、こ
れを付設したドライスクロール圧縮機の信頼性は極めて
高いと共に、長い年月（数年）の連続使用に耐える。
時的に極めて少なく、数年間は性能を発揮するので、こ
れを付設したドライスクロール圧縮機の信頼性は極めて
高いと共に、長い年月（数年）の連続使用に耐える。
【図１】（１）及び（２）は摩耗試験片ディスク表面の
平面図及びディスク表面へのＰＴＦＥの移着を示す特性
図である。
平面図及びディスク表面へのＰＴＦＥの移着を示す特性
図である。
【図２】ＰＴＦＥ移着による相手材アルマイト表面の粗
さ変化を示す特性図である。
さ変化を示す特性図である。
【図３】要素試験におけるチップシール材の摩耗を示す
特性図である。
特性図である。
【図４】（ａ）及び（ｂ）は要素試験機の断面図及び要
素試験におけるディスクへのＰＴＦＥの移着状況を示す
特性図である。
素試験におけるディスクへのＰＴＦＥの移着状況を示す
特性図である。
【図５】チップシ−ルの摩耗深さに及ぼすＰＴＦＥコー
トの効果を示す特性図である。
トの効果を示す特性図である。
【図６】空気吹出し摩耗試験後の相手材の表面粗さを示
す特性図である。
す特性図である。
【図７】実機と要素試験の摩耗特性の比較を示す特性図
である。
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 喜重 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 ▲吉▼富 雄二 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 町田 茂 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 椎木 和明 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内
Claims (6)
- 【請求項１】略渦巻き状の旋回スクロール部材および固
定スクロール部材と、前記旋回スクロール部材のうち前
記固定スクロールの鏡板部と対向する部位、および前記
固定スクロール部材のうち前記旋回スクロールの鏡板部
と対向する部位に、前記略渦巻き方向に沿って形成され
たチップシール挿入用溝と、前記チップシール挿入用溝
に装着されて、高圧側から低圧側へのガスの漏れを防止
するチップシールと、を備えたスクロール圧縮機におい
て、前記スクロールのチップシールはＰＴＦＥを主成分
とし、このチップシールと摺動する相手側の少なくとも
鏡板表面にPTFE−ＰＡＩ−ＭｏＳ2 系を主成分とするコ
ーティングを塗布したことを特徴とするスクロール圧縮
機。 - 【請求項２】請求項１において、前記チップシールの前
記略渦巻き方向に、互いの連通が略阻止された複数個の
圧力室を設け、かつ、それぞれの前記圧力室が設けられ
た渦巻き方向位置における高圧側圧力を、該圧力室に導
入することを特徴とするスクロール圧縮機。 - 【請求項３】請求項２記載のスクロール圧縮機におい
て、前記チップシールは、前記チップシール挿入用溝の
底部側に装着される下部部材と、この下部部材の上に載
置される上部部材との２つに分割された構造となってお
り、かつ、前記複数の圧力室は、前記下部部材と前記上
部部材との間に形成されていることを特徴とするスクロ
ール圧縮機。 - 【請求項４】請求項３記載のスクロール圧縮機におい
て、前記上部部材の下面及び前記下部部材の上面にそれ
ぞれ略矩形状の凹凸を形成してこれらを略嵌合させ、こ
の略嵌合した間隙部分に前記複数の圧力室を構成したこ
とを特徴とするスクロール圧縮機。 - 【請求項５】請求項１において、前記チップシールは、
ＰＴＦＥを主成分とし、これにＭｏＳ2 ，Ｃせんい，黒
鉛，ＢＮなどの粉末もしくは繊維のうち、１つまたは２
つ以上のものをフィラーとして添加したものであり、こ
のチップシールを付設したことを特徴とするスクロール
圧縮機。 - 【請求項６】請求項１において、前記コーティングはＰ
ＴＦＥを第１主成分とするときはこれに、ＰＡＩ，Ｍｏ
Ｓ2 ，黒鉛，Ｃせんい、などをフィラーとして添加、ま
たＰＡＩを主成分とすることは、これにＰＴＦＥ，Ｍｏ
Ｓ2 ，黒鉛，Ｃせんい、などをフィラーとして添加した
ものであり、上記いずれかのコーティングを少なくとも
鏡板面に塗布したものであることを特徴とするスクロー
ル圧縮機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16659798A JPH11351161A (ja) | 1998-06-15 | 1998-06-15 | スクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16659798A JPH11351161A (ja) | 1998-06-15 | 1998-06-15 | スクロール圧縮機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11351161A true JPH11351161A (ja) | 1999-12-21 |
Family
ID=15834249
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16659798A Pending JPH11351161A (ja) | 1998-06-15 | 1998-06-15 | スクロール圧縮機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11351161A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2021188553A (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-13 | 株式会社豊田自動織機 | スクロール型圧縮機 |
-
1998
- 1998-06-15 JP JP16659798A patent/JPH11351161A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2021188553A (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-13 | 株式会社豊田自動織機 | スクロール型圧縮機 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4873120B2 (ja) | オイルシール | |
| EP2623780B1 (en) | Swash plate of swash plate compressor and swash plate compressor | |
| JP2012067878A (ja) | ターボ回転機械用の自動調整シール | |
| WO2009081825A1 (ja) | スラスト軸受用摺動部材 | |
| JPH0444116B2 (ja) | ||
| JPH11351161A (ja) | スクロール圧縮機 | |
| JP2011144847A (ja) | シールリング及びシール装置 | |
| JPH09133222A (ja) | メカニカルシール用摺動材 | |
| EP1411109B1 (en) | Solid lubricant and method for covering a sliding member | |
| JPS6215280A (ja) | リツプシ−ル材 | |
| JP2007071309A (ja) | 回転軸シール | |
| JPH08261171A (ja) | スクロール形圧縮機 | |
| JP2005036198A (ja) | シール材及びそれを備えたスクロール流体機械 | |
| US11739842B2 (en) | High pressure compressor seal-ring with improved wear resistance | |
| WO2009139270A1 (ja) | ロータリコンプレッサ | |
| JP2004277610A (ja) | 摺動部材及び非摺動部材並びにスクロール流体機械 | |
| JP4128442B2 (ja) | シール材及びそれを備えたスクロール流体機械 | |
| JPH1045989A (ja) | 樹脂組成物 | |
| JPH02108885A (ja) | スクリュー真空ポンプ | |
| JPS6325341Y2 (ja) | ||
| US11193384B2 (en) | Low friction, wear resistant dry face carbon seal—seal seat assembly | |
| JP2004044745A (ja) | 回転軸シール | |
| JPH0693988A (ja) | ドライスクリュ圧縮機 | |
| JPH10246192A (ja) | 圧縮機内摺動部材用複層乾性潤滑被膜およびその被膜を用いた装置 | |
| JP2022056878A (ja) | 軸シール |