JPH11351113A - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火時期制御装置

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JPH11351113A
JPH11351113A JP10157431A JP15743198A JPH11351113A JP H11351113 A JPH11351113 A JP H11351113A JP 10157431 A JP10157431 A JP 10157431A JP 15743198 A JP15743198 A JP 15743198A JP H11351113 A JPH11351113 A JP H11351113A
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JP
Japan
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ignition timing
crank pulse
cycle
ignition
pulse
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JP10157431A
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English (en)
Inventor
Kazutoshi Seki
和俊 関
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン低回転時における回転変動にかかわ
らず、高精度で点火時期の時間を算出してタイマーセッ
トし、所望のタイミングで点火でき、さらに、点火時期
を高精度で制御することによりエンジン回転変動を抑制
できる内燃機関の点火時期制御装置を提供する。 【解決手段】 所定のクランク角度ごとにクランクパル
スを発信し、所定のクランクパルスを検出してから所定
のクランク角度後に点火パルスを駆動して点火する4サ
イクル複数気筒エンジンの点火時期制御装置において、
圧縮行程のクランクパルスの周期をそれ以前の行程のク
ランクパルスの周期に基づいて予測し、この予測した周
期に基づいて、前記所定のクランクパルスを検出してか
ら所定のクランク角度後に点火パルスを駆動するまでの
時間を演算し、この演算された時間に基づいて点火パル
スを駆動することを特徴とする内燃機関の点火時期制御
装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は4サイクル複数気筒
内燃機関の点火時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの点火時期制御の例として、エ
ンジン回転数やスロットル開度等の運転状態に応じてマ
ップ演算により最適点火時期に対応するクランク角度を
求め、このクランク角度に対応する時間をエンジン回転
数から演算して、この演算時間をタイマーにより基準ク
ランクパルスからカウントし、タイマー時間経過後に点
火パルスを駆動して点火プラグを動作させ点火を行って
いる。この場合、クランクパルスは、クランク軸の回転
に伴い所定のクランク角度ごとに発信され、このクラン
クパルスに基づいてエンジン回転数が検出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アイド
ル時等のエンジン低回転時においては、燃焼が不安定で
エンジン回転が変動し不規則な脈動が起こって、クラン
ク軸の回転変動が大きくなり、タイマーでセットした点
火時期と実際の点火時期とがずれてしまい、精度よく所
望の点火時期のタイミングで点火することができない。
このため、従来エンジン低回転時においては、点火時期
を固定して、所定のクランク角度のクランクパルスをト
リガーとして一定のクランク角度位置で点火を行ってい
た。しかしながら、この場合にもエンジン回転変動や脈
動の問題は解消せず、アイドル運転は不安定のままであ
る。
【0004】特に自動二輪車(あるいは三輪車)やスク
ータ等のモーターサイクルにおいては、クランク質量が
小さいため、エンジン1サイクルの各行程(吸入、圧
縮、爆発、排気)間の回転の変化が大きく、この回転変
化の影響を受けて、前述のように基準クランクパルスか
ら点火時期までの時間を算出して点火タイマーをセット
する方法では高精度に点火設定できない。
【0005】この点に対処するために、クランク角パル
ス間隔を短くして回転変動の影響を低減させる方法があ
るが、この場合特にモーターサイクルにおいては、エン
ジン回転数のダイナミックレンジが大きいために安価な
磁気ピックアップでは出力信号の取得が困難となり、そ
のためロータリーエンコーダや高精度で高価な光センサ
式のピックアップが必要となり、コストの増大や搭載上
の制約等の困難を来していた。
【0006】本発明は上記の点を考慮したものであっ
て、エンジン低回転時における回転変動にかかわらず、
高精度で点火時期の時間を算出してタイマーセットし、
所望のタイミングで点火でき、さらに、点火時期を高精
度で制御することによりエンジン回転変動を抑制できる
内燃機関の点火時期制御装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、所定のクランク角度ごとにクランクパ
ルスを発信し、所定のクランクパルスを検出してから所
定のクランク角度後に点火パルスを駆動して点火する4
サイクル複数気筒エンジンの点火時期制御装置におい
て、圧縮行程のクランクパルスの周期をそれ以前の行程
のクランクパルスの周期に基づいて予測し、この予測し
た周期に基づいて、前記所定のクランクパルスを検出し
てから所定のクランク角度後に点火パルスを駆動するま
での時間を演算し、この演算された時間に基づいて点火
パルスを駆動することを特徴とする内燃機関の点火時期
制御装置を提供する。
【0008】この構成によれば、特に回転が低下して回
転変動が大きくなる圧縮行程において、タイマーセット
の基準となるクランクパルスを検出後、タイマーがセッ
トされるその後の周期について、基準クランクパルスに
対応する変動があった前回の行程のクランクパルス周期
に基づいて、今回の周期を予測演算式から求め、この変
動を予測した周期を基に点火タイミングの時間が算出さ
れる。したがって、エンジン回転変動にかかわらず、運
転状態に対応した最適タイミングで高精度で点火させる
ことができる。
【0009】好ましい構成例では、同一気筒における前
回の圧縮行程でのクランクパルスの周期に基づいて今回
の圧縮行程のクランクパルス周期を予測することを特徴
としている。
【0010】この構成によれば、複数気筒の各気筒に関
し、同じ気筒の前回の圧縮行程でのクランクパルス周期
に基づいて今回の圧縮行程のクランクパルス周期が予測
演算式に基づいて算出される。
【0011】別の好ましい構成例では、直前に点火され
た気筒の圧縮行程でのクランクパルスの周期に基づいて
今回の圧縮行程のクランクパルス周期を予測することを
特徴としている。
【0012】この構成によれば、順番に点火される複数
の気筒について、点火すべき気筒の直前に点火された気
筒の圧縮行程でのクランクパルス周期に基づいて今回の
圧縮行程のクランクパルス周期が予測演算式に基づいて
算出される。
【0013】さらに好ましい構成例では、予め求めた定
数を基に補正項を算出し、この補正項をクランクパルス
周期の予測演算式に付加して予測を行うことを特徴とし
ている。
【0014】この構成によれば、予め実験等により求め
た定数を基にして、実測された最新の周期データから補
正項を算出し、この補正項を予測演算式に付加して予測
周期がさらに精度よく算出される。
【0015】さらに別の好ましい構成例では、予め定め
た関数を基に補正項を算出し、この補正項をクランクパ
ルス周期の予測演算式に付加して予測を行うことを特徴
としている。
【0016】この構成によれば、例えば特定クランク角
度のクランクパルスの平均値をパラメータとする関数を
予め実験等により求め、この関数を基にして補正項を算
出し、この補正項を予測演算式に付加して予測周期がさ
らに精度よく算出される。
【0017】さらに好ましい構成例では、予測したクラ
ンクパルス周期の偏差を学習して学習補正項を算出し、
この学習補正項をクランクパルス周期の予測演算式に付
加して予測を行うことを特徴としている。
【0018】この構成によれば、予測周期と実測周期の
偏差を学習して、偏差がなくなるように学習補正項を算
出し、予測演算式に付加されるため、さらに高精度の予
測が行われる。
【0019】さらに好ましい構成例では、所定のクラン
クパルス周期の平均値の偏差が小さくなるように基本点
火時期に対するオフセット値を付加することを特徴とし
ている。
【0020】この構成によれば、点火時期を、基本点火
時期に対し、エンジン回転変動に基づくクランクパルス
周期の平均値の偏差が小さくなるようにオフセットさせ
るため、エンジン全体の回転変動を抑制することができ
る。
【0021】さらに別の好ましい構成例では、所定のク
ランクパルス周期の目標値に対し、各気筒のクランクパ
ルス周期のずれ量を算出し、これに応じて各気筒ごとに
基本点火時期に対するオフセット値を付加することを特
徴としている。
【0022】この構成によれば、複数気筒の各気筒ごと
に所定のクランクパルス周期の平均値を求め、この平均
値を目標値と比較して偏差を求め、この偏差に応じて各
気筒ごとに基本点火時期に対するオフセット値が定ま
り、気筒間の回転変動のばらつきを小さくすることがで
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態に係
る点火時期制御装置の全体構成図である。この点火時期
制御装置1は、正確なタイマーセットのタイミングでエ
ンジン回転変動にかかわらず点火時期を設定する点火時
期設定装置2と、精度よく設定された点火時期をエンジ
ン全体の変動を考慮して調整し低回転時の変動を抑制す
る点火時期調整装置3とにより構成される。
【0024】点火時期設定装置2は、クランク軸周囲に
所定間隔(例えば45度)で設けた歯から送られるクラ
ンク角に応じたクランクパルス信号を検出するクランク
パルス検出手段4と、このクランクパルスに基づいて周
期を演算する周期演算手段7と、各クランクパルスの気
筒を判別するためのカム信号検出手段5と、クランク角
度を検出するための角度検出手段6とを含み、これらに
基づいて、後述のように、予測周期時間算出手段8によ
り、点火パルスを発する周期の時間を予測する。この予
測された周期時間に対しさらに、後述の学習補正項を付
加するために、点火時期誤差学習補正項算出手段9が備
わる。学習補正を行った後、点火時期設定手段10によ
り点火時期が設定される。
【0025】点火時期調整装置3は、アイドル状態検出
手段11と、クラッチスイッチ検出手段12と、クラッ
チ状態に応じて補正を施すクラッチスイッチ補正手段1
3とを含み、さらに前述のクランクパルスの周期演算手
段7に接続された回転変動手段14と、回転変動を考慮
して後述のように点火時期を算出する点火時期算出手段
15と、算出した点火時期に一定範囲の制限を加える設
定点火時期制限手段16とを具備し、この設定点火時期
制限手段16が前述の予測周期時間算出手段8に接続さ
れ、前述の学習補正項算出手段9および点火時期設定手
段10を介して点火時期を設定する。
【0026】図2は、本発明に係るエンジンのクランク
パルスの説明図である。このエンジンは、4サイクル4
気筒(#1〜#4)エンジンであり、45度クランク角
度ごとにクランクパルスが入力される。各気筒は、18
0度のクランク角度周期ごとに、圧縮上死点前5度、5
0度、95度、140度に対応して、4つのクランクパ
ルスを発し、それぞれT5、T50、T95、T140
の周期をもつ。点火パルスは、T50の周期を検出した
後、T5の周期を予測してこのT5の周期内のタイミン
グで駆動される。
【0027】以下この各クランクパルス間周期T5、T
50、T95、T140の定義に基づいて本発明の実施
形態について説明する。図3は、本発明に係る点火時期
設定装置2(図1)の動作を示すフローチャートであ
る。図示したように、点火パルスセットのフローは、ま
ず実測値T50を検出した後、T5を後述の演算式から
予測し(ステップS1)、その後、後述のように基本点
火時期に対する学習補正によるオフセット値を算出する
(ステップS2)。次に、クランク角度がBTDC(圧
縮上死点前)140度になったかどうかを判定し(ステ
ップS3)、BTDC140度であれば点火パルスを立
ち上げる(ステップS4)。点火はこの点火パルスの立
ち下がり時点で行われる。クランク軸が回転してBTD
C50度になると(ステップS5)、点火パルス立ち下
がりのタイミング時間をセットする(ステップS6)。
この点火タイミング時間IGM-TMGは、図に表示したよう
に、IGN-TMG=予想T5×(CLA-LNG−IG-T+5)÷CLA-
LNG+STY-OFSTで表わされる。ここで、予想T5は、前
記ステップS1で予測した周期T5であり、CLA-LNG
は、クランクパルス間隔であり、本実施形態では45度
である。IG-Tは、運転状態に応じてマップ演算により求
めた点火すべき基本点火時期(度)又は、アイドル時回
転変動を低減させるための最適点火時期(度)である。
またSTY-OFSTは、前記ステップS2で算出した学習補正
項である。このような演算式により点火パルスがセット
される。以下図4から図11を参照して、上記演算式で
用いる予測T5(ステップS1)の算出式の4つの実施
例について説明する。図4は第1実施例を示し、図5は
そのフローチャートである。BTDC50度およびBT
DC5度は、ともに圧縮行程のクランク角であり、これ
ら圧縮行程のクランクパルス周期T5およびT50に基
づいて予測演算が行われる。第1実施例の演算式は、 T5=a×T50+b b=m×a+n で表わされる。ここでm,nは、実験から求まった定数
である。
【0028】この第1実施例は、同一気筒について、7
20度前のT5およびT50を基に、今回のT5を予測
するものである。すなわち、720度前のT5およびT
50の実測データを基におよび式からaおよびbを
算出する。aおよびbが求まったら、今回のBTDC5
0度のクランクパルスを検出してT50の実測データが
得られた時点で、上記式から予測T5を演算する。
【0029】すなわち、図5のフローチャートに示すよ
うに、BTDC50度になったら(ステップS7)、実
際の検出時間T50を求め(ステップS8)、T5が実
測される前に、この実測T50を式に代入してT5を
予測する(ステップS9)。さらに、BTDC5度にな
ったら(ステップS10)、実際の検出時間T5を求め
(ステップS11)、これらの最新の実測T5およびT
50をおよび式に代入してa,bを算出する(ステ
ップS12)。このa,bは720度後の次回の予測に
用いるおよび式の数値である。なお、BTDC14
0度の判断(ステップS13)は、点火パルス立ち上げ
のための判断ステップである。上記図5のフローチャー
トは、#1気筒についてのものであるが、他の気筒#2
〜#4についても同様である。
【0030】図6は第2実施例を示し、図7はそのフロ
ーチャートである。この実施例では、点火すべき気筒の
直前の気筒のT5およびT50に基づいて点火すべき気
筒のT5を予測する。すなわち、点火順序が例えば、#
1→#2→#4→#3気筒の順番であれば、#1気筒に
ついては#3気筒の実測データを用いて、前記および
式において、180度前(すなわち#3気筒)のT5
およびT50の実測データに基づいてa,bを算出し、
これに基づいて予測演算を行う。
【0031】図7のフローチャートにおいて、例えば#
1気筒については、前述の第1実施例と同様に、BTD
C50度を検出したら(ステップS7)、T50の実測
データを求め(ステップS8)、このT50を式に代
入してT5を予測する(ステップS9’)。このステッ
プS9’の式のa,bの算出基準が180度前の#3
気筒のT5およびT50である点が第1実施例と異なる
点である。BTDC5度を検出したら(ステップS1
0)、第1実施例と同様に、T5を実測し(ステップS
11)、および式からa,bを求める(ステップS
12’)。この#1気筒のデータから演算したa,b
は、次の180度後の#2気筒の予測演算に用いられ
る。
【0032】図8は第3実施例を示し、図9はそのフロ
ーチャートである。この実施例は予測演算式に補正項を
付加したものである。実測されたT95およびT140
のデータから補正項cとして、 c=k×(T140−T95)+l を算出する。ここで、kおよびlは実験から求めた定数
である。この補正項cを前述の予測演算式に付加して
T5を予測する。すなわち、 予測T5=a×T50+b+c となる。
【0033】図9のフローチャートにおいて、BTDC
140度になったら(ステップS23)、点火パルスを
立ち上げるとともに、補正項算出のためのT140を実
測する(ステップS24)。続いて、BTDC95度に
なったら(ステップS14)、T95を実測し(ステッ
プS15)、前記式の補正項を算出する(ステップS
16)。さらに、BTDC50度になったら(ステップ
S17)、T50を実測し(ステップS18)、前記式
を用いてT5の予測演算を行う(ステップS19)。
続いて、BTDC5度になったら(ステップS20)、
T5を実測し(ステップS21)、前記および式か
らa,bを算出してこれを更新し、次回の予測演算に用
いる(ステップS22)。
【0034】図10は第4実施例を示し、図11はその
フローチャートである。この実施例は、前記第3実施例
と同様に補正項式を算出するものである。この第4実
施例においては、式中の、kおよびlについて、kは
第3実施例と同様に実験から求めた定数であるが、lは
図の式に示すように、T95の平均値をパラメータと
する関数であり、この関数は実験から求められる。した
がって、図11のフローチャートにおいて、BTDC9
5度になったら(ステップS14)、T95を実測し
(ステップS15)、このT95のN回平均値を算出し
(ステップS25)、このN回平均値をパラメータとす
る関数f(AVE-T95)から式中のlを算出し(ステッ
プS26)、このlに基づいて補正項cを算出する(ス
テップS16)。その他の構成は前記第3実施例と同様
である。
【0035】図12は学習補正の説明図である。前述の
図3のフローチャートに示したように、予測周期T5を
上記第1〜第4実施例のいずれかにより算出後(ステッ
プS1)、学習補正が行われる(ステップS2)。この
学習補正は、図12に示すように、BTDC5度の時点
で実測したT5のデータと、BTDC50度の時点で予
測演算したT5の予測値とを比較してその偏差に対応し
た点火時期の誤差を学習し、これを学習項として予測演
算の式に付加するものである。
【0036】図13は学習補正のフローチャートであ
る。前述のようにT5を予測し(ステップS27)、実
際のT5を検出し(ステップS28)、実測値と予測値
とを比較して偏差を算出し(ステップS29)、偏差の
平均値を算出するために平均回数Xに達したかどうかを
判定し(ステップS30)、X回に達したらX回の平均
値を算出する(ステップS31)。この平均値が所定の
値より大きければ、学習補正量(図3のSTY-OFST)から
実験により予め決められた単位学習補正量(KSTY)を
差引いて学習補正量を更新し(ステップS34)、平均
値が所定の値より小さければ、学習補正量に前記単位学
習補正量を加えて学習補正量を更新する(ステップS3
3)。なお、X=1として平均をとらずに毎回偏差を算
出してもよい。
【0037】図14は、点火時期調整装置3(図1)の
第1実施例のブロック図である。この実験値はT95の
偏差に応じた最適な点火時期をPID調節器によって算
出するものである。これにより回転変動を抑制すること
ができる。
【0038】エンジンからのクランク角信号に基づい
て、T95の実測データを求め、そのM回の移動平均を
求めて目標値を算出する。この目標値に対し、Mより回
数の少ない最新のN回の移動平均をとって偏差を算出す
る。この偏差に対し、PID調節期により、比例制御
(Kp)および積分制御(Ki/s)を施すとともに、
最新のT95のデータと1回前のT95のデータの差を
とって微分制御(Kd・s)を施し、点火時期のオフセ
ット値を算出する。このオフセット値を、運転状態に応
じてマップ演算により求めた基本点火時期に付加する。
このようにして算出された点火時期に対し、クラッチの
状態に応じてクラッチ補正(Kclt)を施し、さらに点
火時期が所定の範囲内に納まるように制限を付加して最
終的な点火時期を設定する。
【0039】図15は、図14に示した点火時期調整装
置の第1実施例のフローチャートである。まず、アイド
ル状態かどうかを判別し(ステップS35)、アイドル
運転のときBTDC95度になったら(ステップS3
6)、T95の実測データを求める(ステップS3
7)。この実測値データのM回の平均から目標値を算出
する(ステップS38)。さらに最新のN回のT95の
平均値を算出し(ステップS39)、M回平均値とN回
平均値の偏差を算出する(ステップS40)。続いて、
偏差の総和を算出する(ステップS41)。さらに、T
95とその1回前のT95との差をとって気筒間偏差を
算出する(ステップS42)。
【0040】次に、前記ステップS40の偏差に対し比
例制御を施して比例成分を算出する(ステップS4
3)。また、前記ステップS41の偏差総和に対し積分
制御を施して積分成分を算出する(ステップS44)。
さらに、前記ステップS42の気筒間偏差に対し微分制
御を施して微分成分を算出する(ステップS45)。こ
れらの比例成分、積分成分および微分成分を基本点火時
期に付加して点火時期を算出する(ステップS46)。
この点火時期に対し、クラッチの状態に応じてクラッチ
補正を施し(ステップS47)、点火時期が所定の範囲
を越えないように制限を加え(ステップS48)最終的
な点火時期を設定する。さらに、次回の演算処理のため
に最新のT95を保存する(ステップS49)。
【0041】図16は、点火時期調整装置3(図1)の
第2実施例の説明図である。この実施例は、気筒ごとに
T95の平均値を求めて目標値と比較し、偏差を求めて
これに応じてオフセット値を算出するものである。これ
により、気筒間の出力のばらつきを抑制し、回転変動を
低減することができる。
【0042】図16に示すように、各気筒ごとにエンジ
ンのクランク角信号ωからT95の実測データを求め、
そのN回のデータを平均化して、T95の目標周期と比
較して偏差を求める。この偏差に応じてオフセット値を
算出し、1サイクル前の点火時期に付加して点火時期を
算出する。この点火時期に対し、所定の範囲を越えない
ように制限を付加して最終的な点火時期を設定する。
【0043】図17は図16の第2実施例のフローチャ
ートである。まず、#1気筒についてアイドル状態かど
うかを判別し(ステップS50)、アイドル運転でBT
DC95度になったら(ステップS51)、T95の実
測値を求める(ステップS52)。この実測値をN回以
上算出したら(ステップS53)、T95のN回の平均
値を算出する(ステップS54)。この平均値に応じて
点火時期を調整する。例えば、平均値が所定の値より大
きければ点火時期を所定値だけ進角させ(ステップS5
6)、平均値が所定の値より小さければ点火時期を所定
値だけ遅角させる(ステップS57)。その後、点火時
期が所定の範囲を越えないように制限を加え(ステップ
S58)、N回のカウンタをクリアする(ステップS5
9)。さらに、#2、#3、#4気筒についても同じ手
順を繰り返す。
【0044】図18から図21は、上記本発明の実施形
態の効果を示す図である。図18に示すように、本発明
による点火時期設定手段でタイミング時間となるT5を
予測して点火時期を設定することにより、T5の予測な
しのタイマー時間のみで設定した時間角度演算に比べ、
点火時期誤差が大幅に減少し点火精度が向上した。
【0045】前述の図10、図11に示した第4実施例
によれば、図19に示すように、アイドル設定回転数が
変化しても高精度で点火設定ができた。
【0046】図20は、図14、図15に示した点火時
期調整装置3の第1実施例の効果を示すものであり、本
発明によるアイドル時の点火時期設定制御(IDC)に
より、従来の固定式のハード点火に比べ、5Hz以下の
回転変動が低減され、アイドル安定性が向上して、ライ
ダーが感じる不快な振動や騒音が減少した。
【0047】図21は、図16、図17に示した点火時
期調整装置の第2実施例の効果を示すものであり、本発
明の気筒間ばらつき補正制御により、従来の固定式ハー
ド点火に比べ、気筒間の出力のばらつきが低減されアイ
ドル安定性が向上して、ライダーが感じる不快な振動や
騒音が減少した。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、特に回転が低下して回転変動が大きくなる圧縮行程
において、タイマーセットの基準となるクランクパルス
を検出後、タイマーがセットされるその後の周期につい
て、基準クランクパルスに対応する変動があった前回の
行程のクランクパルス周期に基づいて、今回の周期を予
測演算式から求め、この変動を予測した周期を基に点火
タイミングの時間が算出される。したがって、エンジン
回転変動にかかわらず、運転状態に対応した最適タイミ
ングで高精度で点火させることができる。
【0049】さらに、点火時期を高精度で制御できるこ
とにより、アイドル等の低回転時に点火時期を回転変動
に対応させて設定することにより、エンジン全体の出力
変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る点火時期制御装置の全体構成
図。
【図2】 本発明に係るクランクパルスの説明図。
【図3】 図1の点火時期設定装置の構成図。
【図4】 図3の予測周期算出手段の第1実施例の説明
図。
【図5】 図4の第1実施例のフローチャート。
【図6】 図3の予測周期算出手段の第2実施例の説明
図。
【図7】 図6の第2実施例のフローチャート。
【図8】 図3の予測周期算出手段の第3実施例の説明
図。
【図9】 図8の第3実施例のフローチャート。
【図10】 図3の予測周期算出手段の第4実施例の説
明図。
【図11】 図10の第4実施例のフローチャート。
【図12】 本発明に係る学習補正の説明図。
【図13】 本発明に係る学習補正のフローチャート。
【図14】 図1の点火時期調整装置の第1実施例のブ
ロック図。
【図15】 図14の実施例のフローチャート。
【図16】 図1の点火時期調整装置の第2実施例の説
明図。
【図17】 図16の実施例のフローチャート。
【図18】 本発明に係る予測周期による点火時期設定
手段の効果のグラフ。
【図19】 本発明の予測周期算出手段の第4実施例の
効果のグラフ。
【図20】 図1の点火時期調整装置の第1実施例の効
果のグラフ。
【図21】 図1の点火時期調整装置の第2実施例の効
果のグラフ。
【符号の説明】 1:点火時期制御装置、2:点火時期設定装置、3:点
火時期調整装置、4:クランクパルス検出手段、5:カ
ム信号検出手段、6:角度検出手段、7:周期演算手
段、8:予測周期時間算出手段、9:点火時期誤差学習
補正項算出手段、10:点火時期設定手段、11:アイ
ドル状態検出手段、12:クラッチスイッチ検出手段、
13:クラッチスイッチ補正手段、14:回転変動検出
手段、15:点火時期算出手段、16:設定点火時期制
限手段。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定のクランク角度ごとにクランクパルス
    を発信し、所定のクランクパルスを検出してから所定の
    クランク角度後に点火パルスを駆動して点火する4サイ
    クル複数気筒エンジンの点火時期制御装置において、 圧縮行程のクランクパルスの周期をそれ以前の行程のク
    ランクパルスの周期に基づいて予測し、 この予測した周期に基づいて、前記所定のクランクパル
    スを検出してから所定のクランク角度後に点火パルスを
    駆動するまでの時間を演算し、この演算された時間に基
    づいて点火パルスを駆動することを特徴とする内燃機関
    の点火時期制御装置。
  2. 【請求項2】同一気筒における前回の圧縮行程でのクラ
    ンクパルスの周期に基づいて今回の圧縮行程のクランク
    パルス周期を予測することを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 【請求項3】直前に点火された気筒の圧縮行程でのクラ
    ンクパルスの周期に基づいて今回の圧縮行程のクランク
    パルス周期を予測することを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関の点火時期制御装置。
  4. 【請求項4】予め求めた定数を基に補正項を算出し、こ
    の補正項をクランクパルス周期の予測演算式に付加して
    予測を行うことを特徴とする請求項1、2または3に記
    載の内燃機関の点火時期制御装置。
  5. 【請求項5】予め定めた関数を基に補正項を算出し、こ
    の補正項をクランクパルス周期の予測演算式に付加して
    予測を行うことを特徴とする請求項1、2または3に記
    載の内燃機関の点火時期制御装置。
  6. 【請求項6】予測したクランクパルス周期の偏差を学習
    して学習補正項を算出し、この学習補正項をクランクパ
    ルス周期の予測演算式に付加して予測を行うことを特徴
    とする請求項1から5のいずれか1項に記載の内燃機関
    の点火時期制御装置。
  7. 【請求項7】所定のクランクパルス周期の平均値の偏差
    が小さくなるように基本点火時期に対するオフセット値
    を付加することを特徴とする請求項1から6のいずれか
    1項に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  8. 【請求項8】所定のクランクパルス周期の目標値に対
    し、各気筒のクランクパルス周期のずれ量を算出し、こ
    れに応じて各気筒ごとに基本点火時期に対するオフセッ
    ト値を付加することを特徴とする請求項1から6のいず
    れか1項に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013133799A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Denso Corp エンジン制御装置
JP2015229929A (ja) * 2014-06-03 2015-12-21 株式会社ミクニ エンジンの始動制御装置

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