JPH11344376A - フォトクロミック組成物及びフォトクロミック組成物を含む紫外線センサー - Google Patents

フォトクロミック組成物及びフォトクロミック組成物を含む紫外線センサー

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JPH11344376A
JPH11344376A JP15112298A JP15112298A JPH11344376A JP H11344376 A JPH11344376 A JP H11344376A JP 15112298 A JP15112298 A JP 15112298A JP 15112298 A JP15112298 A JP 15112298A JP H11344376 A JPH11344376 A JP H11344376A
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solvent
photochromic
resin
ultraviolet
photochromic compound
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Masahiro Akimoto
正博 秋元
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ISHISAKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐性寿命の長い紫外線センサー、及び、アク
セサリーなど美観が重視される応用分野において有用な
小型で安価な紫外線センサーを提供する。 【解決手段】 溶媒と、該溶媒に溶解したフォトクロミ
ック化合物と、樹脂とを含んでなるフォトクロミック組
成物を納め、硬化させて、紫外線センサーとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトクロミック
組成物並びにその製造方法、及びそのフォトクロミック
組成物を含む紫外線センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線の有害性は、重度の日焼けといっ
た紫外線の短期的な悪影響のみならず、発ガン作用など
の長期的なものも含め、近年、ますます広く認識される
ようになっている。日常生活、例えば、歩行中、屋外作
業中などにおいても、一年を通じて紫外線にさらされて
いる。常時携帯可能な製品に紫外線を容易に検出できる
装置が組み込まれ、紫外線強度を容易に測定でき、その
結果に応じて各個人が紫外線に対応できることが望まれ
る。また、紫外線の照射により色が変わるアクセサリー
や宝飾品に対する需要がある。
【0003】このような用途においては、小型といえど
も従来からある紫外線検出装置のような、電気的な信号
を得て、それを表示するような装置は、その携帯性、価
格、大きさ、電源の確保など多くの点で、実用に耐えな
い。そこで、紫外線強度に応じて、紫外線に対応できる
ように、簡単に目視により紫外線強度や性質が判別でき
る紫外線センサーが求められている。
【0004】紫外線検出のために利用できる物質とし
て、紫外線の照射に応じて色を変える可変色色素(フォ
トクロミック化合物)が知られている。このようなフォ
トクロミック化合物を利用した紫外線センサーとして
は、特開平6−3188号公報や、特開平6−1299
01号公報に記載された技術が知られている。前記特開
平6−3188号公報においては、特定周波数域の紫外
線を吸収する膜とフォトクロミック化合物の薄膜を印刷
法により物品の表面に形成した、紫外線A及びBを識別
するための紫外線センサーが開示されている。
【0005】このセンサーは、印刷法によるため簡易に
種々の製品の表面に配置することができるが、つや消し
剤を使用していることや、発色の色調が単調で、深みに
かけるため、イヤリングやネックレスなどの美観が重視
される装飾品などには、適用しがたい欠点があった。ま
た、このようなセンサーは、寿命が短いという欠点があ
った。特開平6−129901号公報には、紫外線によ
る吸光度の変化をフォトダイオードにより検出するフォ
トセンサーが開示されている。この技術によれば、紫外
線を検出した結果出力されるのは、フォトダイオードの
電流である。
【0006】また、本発明者による特願平9−2818
37号には、フォトクロミック化合物の溶液を封入して
なる紫外線センサーが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐性
寿命の長い紫外線センサーを提供することである。本発
明の別の目的は、ネックレス、ブレスレットなどの美観
が重視される応用分野において有用な小型で安価な紫外
線センサーを提供することである。本発明のさらに別の
目的は、感度と検出域の微調整ができる、ネックレス、
ブレスレット、ボタン、イヤリング等の美観が重視され
る応用分野において有用な小型で安価な紫外線センサー
を提供することができる。また、さらに別の目的は、紫
外線発色性塗料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶媒と、該溶
媒に溶解したフォトクロミック化合物と、樹脂とを含ん
でなる硬化フォトクロミック組成物を提供する。さら
に、本発明は、上記フォトクロミック組成物を納め、硬
化させてなる紫外線センサーを提供する。
【0009】また、本発明における紫外線センサーは、
フォトクロミック化合物、溶媒、樹脂、及びそれらの濃
度がほぼ同一である少なくとも1種の上記フォトクロミ
ック組成物を納めて硬化させた少なくとも一の小室と、
該小室の各々に設けられた少なくとも2個の電極と、該
電極を通じて各小室毎に電圧を印加するための電源部
と、各小室に印加される電圧を制御する制御部とを含ん
で構成することができる。さらに、本発明における紫外
線センサーは、フォトクロミック化合物、溶媒、樹脂、
及びそれらの濃度のうち少なくとも一が異なる少なくと
も2種の上記フォトクロミック組成物を納めて硬化させ
た複数の小室と、該小室の各々に設けられた少なくとも
2個の電極と、該電極を通じて各小室毎に印加する電圧
を制御する制御部と、該制御部に電力を供給する電源と
を含んで構成することができる。本発明の紫外線センサ
ーは、特定周波数域の紫外線のみに反応するように、特
定周波数域の紫外線を透過するフィルターを有してもよ
い。
【0010】本発明では、溶媒と、該溶媒に溶解したフ
ォトクロミック化合物と、樹脂とを含むフォトクロミッ
ク組成物を、塗装可能な濃度にまで該溶媒で希釈して紫
外線発色性塗料として用いることができる。また、さら
に、本発明は、フォトクロミック化合物を溶解させ、さ
らに、フォトクロミック化合物を溶解した溶媒を硬化性
樹脂に混入し、この樹脂混合物を硬化させる硬化フォト
クロミック組成物の製造方法を提供するものである。
【0011】本発明のフォトクロミック組成物は、フォ
トクロミック化合物が溶媒に溶解した状態で樹脂中に混
入されていると考えられるため、溶媒に溶解した状態と
ほぼ同じ発光特性を示す。そして、溶媒に溶解した状態
では、耐性寿命が約1ヶ月半であるのに対し、本発明の
ように溶媒に溶解したフォトクロミック化合物が樹脂に
混入されている場合は、少なくとも半年の間、当初の発
光特性を保ち続けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】フォトクロミック化合物を溶媒に
溶解したものを、さらに樹脂に混入し、適当な形状に成
形又は適当な容器に充填後、乾燥させ、硬化させたもの
を本発明のフォトクロミック組成物とする。
【0013】フォトクロミック化合物を溶解させる溶媒
は、フォトクロミック化合物との相性、望まれる発色な
どに応じて、適宜選択される。フォトクロミック化合物
と溶媒の相性、発色、溶媒に対する容器材料の耐性など
はよく知られており、当業者であればこの選択は容易に
できる。溶媒の例として、例えば、アセトン、メチルエ
チルケトンなどのケトン類、エタノールなどのアルコー
ル類、その他トルエンなどが挙げられる。フォトクロミ
ック組成物におけるフォトクロミック化合物の混入割合
としては、フォトクロミック組成物全容量に対し、0.
5〜3%が好ましい。最も見やすい発色をするのは、1
〜2%である。
【0014】フォトクロミック化合物としては、例え
ば、(株)日本感光色素研究所等から市販されている各
種の色素を利用することができる。本発明においては、
溶媒に溶解された状態のフォトクロミック化合物を含む
樹脂の形で利用される。樹脂に含まれているフォトクロ
ミック化合物は、溶媒に溶解した形であると考えられる
ため、溶媒中に存在する場合の特性に近い状態であり、
紫外線に対して溶媒中に含まれる場合と同様な発光特性
を示す。
【0015】本発明において使用することができるフォ
トクロミック化合物は、紫外線、特に、測定対象となる
波長域の紫外線に対して反応するものであれば、特に限
定されるものではないが、例えば1’,3’−ジヒドロ
−1’,3’,3’−トリメチル−6−ニトロスピロ
[2H−1−ベンゾピラン−2,2’−[2H]インド
ール]、1’,3’−ジヒドロ−8−メトキシ−1’
3’3’−トリメチル−6−ニトロスピロ[2H−1−
ベンゾピラン−2,2’−[2H]インドール]、1,
3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチルスピロ−[2H
−インドール−2,3’−[3H]−ナフタ[2,1−
b][1,4]オキサジン]などが挙げられる。これら
の物質は、下記の化1〜3にそれぞれ示され、また、
(株)日本感光色素研究所からそれぞれ、「SP−
1」、「SP−2」、「SP−99」として入手可能で
ある。これらの色素は、紫外線光の放射を受けると、可
逆的に変色するものとして知られている。メタノール中
での紫外線の照射に対し、SP−1及びSP−2は、赤
色を呈し、SP−99は淡緑色を呈する。上記に挙げた
フォトクロミック化合物のうち、SP−99が耐久性の
面で最も好ましい。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】本発明で使用することのできる樹脂として
は、結晶性がよいものが好ましく、例えば、酢酸ビニル
樹脂、変性スチレンブタジエンゴム(以下、「変性SB
R」という)、アクリル樹脂、スチロール樹脂などが挙
げられる。そのうち、酢酸ビニル、アクリル樹脂が好ま
しい。これらの樹脂は、溶媒の蒸散に応じて硬化し、種
々の柔軟性をもつ固体状の態様を示すものである。
【0020】また、ネックレス、ブレスレットなどの美
観が重視される応用分野では、樹脂として、酢酸ビニ
ル、アクリル樹脂を用いるのが特に好ましい。この場
合、金属、プラスチック、ガラスなどの枠に、フォトク
ロミック化合物が溶解した溶媒と樹脂とを混入した本発
明のフォトクロミック組成物を、所望の形態、大きさに
成形するとよい。
【0021】例えば、図2に示すように、金属枠5中に
乾燥前のフォトクロミック組成物を流し込み、表面をガ
ラス板6で塞ぎ、硬化させると、金属枠中5とガラス板
6に密閉されたフォトクロミック組成物7が成形され
る。このように作成されたフォトクロミック組成物は、
宝石状の外観をもつため、アクセサリー等美観が重視さ
れる応用分野に使用することができる。
【0022】フォトクロミック組成物における樹脂の混
入割合としては、フォトクロミック組成物全容量に対
し、10〜40%、好ましくは、15〜30%、より好
ましくは20%前後とする。また、フォトクロミック組
成物におけるフォトクロミック化合物の混入割合として
は、フォトクロミック組成物全容量に対し、0.05〜
3%、好ましくは、0.1〜2%、より好ましくは0.
5〜2%程度である。
【0023】本発明では、小室に、フォトクロミック化
合物、溶媒、樹脂及びそれらの濃度が同一である、又
は、一以上が異なるフォトクロミック組成物を充填する
ことにより、紫外線の照射強度を検出することができる
紫外線センサーを提供することができる。フォトクロミ
ック化合物の代わりに、蛍光物質を使用することも可能
である。
【0024】本発明の紫外線センサーの一例を図1に示
す。紫外線レベルメーター1には複数のセル(小室)2
が並び、それぞれ1対の電極(図示せず)が納められて
いる。各セル2には、同一濃度、同一溶媒、同一樹脂を
用いたフォトクロミック組成物が密封充填され、各セル
2の電極間には、太陽電池3から得た電力(通常1.5
V程度)をDC−DC昇圧回路4を通じて昇圧した電圧
を加える。各セル2への印加電圧を変化させることによ
って、各セルの紫外線に対する感応性を変化させること
ができる。従って、どのセルまで発色したかを読みとる
ことにより、紫外線強度を測定できる。
【0025】小室の素材としては、ポリプロピレンなど
を含む各種のプラスチック、ガラスなどを用いることが
できるが、強度や美観といった要素についての配慮の他
に、選ばれた溶剤、樹脂に対する耐性がある素材を選ぶ
必要がある。また、溶剤、樹脂に対する耐性がある素材
からなる小型容器が、複数の小室を含む構成としても良
い。
【0026】小室の大きさ及び形状としては、特に限定
はないが、2ミリ程度から2センチ程度の立方体又はそ
の範囲内の辺をもつ直方体又は円柱、2ミリ程度から2
センチ程度の直径を有する球などがある。小型容器が複
数の小室を含む構成を取る場は、小型容器は、このよう
な小室を2個以上集めて構成される。小室が2個以上あ
ると、単に紫外線の有無がわかるだけでなく、紫外線強
度の程度を知ることができる。各小室は、互いに他の小
室から独立しているのが好ましい。
【0027】本発明の紫外線センサーでは、小室に電極
を設け、それに電圧を印加することにより、発色、紫外
線検出感度などを容易に変化させることができる。電圧
の制御は、予め回路のパラメーターを設定したり、マイ
クロスイッチ、ボリューム等の手段により手動で行うこ
とができる。この電圧制御部は、昇圧回路、降圧回路な
どを含んでなるものである。したがって、紫外線センサ
ーが複数の小室を含む場合は、色素物質や、溶媒、濃度
が同じであっても、各セルの電圧を変更することによ
り、異なる発色をする複数セルからなるレベルメーター
ができる。また、色素物質などの条件を各セルにおいて
変更した場合には、電圧を制御することにより、セルの
変色を引き起こす紫外線の強度などを変更することがで
き、一つのセンサーでより幅広い測定範囲をもたせるこ
とができる。
【0028】なお、各小室用の電極対のうち一方の電極
を、全て又は複数小室に共通の電極とすることも可能で
ある。
【0029】電源としては、太陽電池や小型のボタン電
池を含む各種の電池を利用することができる。このよう
な電池からの電圧をDC−DC昇圧回路のような電子回
路を利用して昇圧して、電極に印加することができる。
昇圧しても電極間に流れる電極は微弱なものであるの
で、電源の容量は小さなもので十分である。例えば、小
さな受光面をもつ太陽電池であっても必要な電力を得る
ことができる。
【0030】また、フォトクロミック化合物は、通常2
00〜400nmの紫外線周波数に反応するので、異な
る周波数の紫外線を吸収するフィルターを用いることに
より、例えば紫外線B(波長320〜290nm)を吸
収するフィルターを用いて、主に紫外線A(波長400
〜320nm)に感応する紫外線レベルメーターを作成
することができ、紫外線Aを吸収するフィルターを用い
て、主に紫外線Bに感応する紫外線レベルメーターを作
成することができる。これらの紫外線レベルメーターを
組み合わせることにより、例えば、紫外線Aと紫外線B
といった異なる種類の紫外線の強度をそれぞれ独立して
測定することができる。
【0031】本発明では、溶媒と、該溶媒に溶解したフ
ォトクロミック化合物と、樹脂とを含むフォトクロミッ
ク組成物を、塗装可能な濃度にまで該溶媒で希釈して紫
外線発色性塗料に用いることができる。この紫外線発色
性塗料は、スプレーや刷毛による塗布、印刷法により、
紙、布地など様々の製品の表面に配置することができ、
このときの溶媒による希釈の程度は、フォトクロミック
化合物を1〜2%(容量)溶解した溶媒を全容量の70
〜80%、樹脂を20〜30%とするのが望ましい。ま
た、フォトクロミック化合物、溶媒の選択により各種の
色を彩色できる点から、美観が重視されるアクセサリ
ー、衣類など美観が重視されるものにも適用することが
できる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明するが、これらにより本発明を制限するものでは
ない。 (実施例1)フォトクロミック化合物として「SP−
1」を用いて、トルエンに1%(容量)の割合で溶解さ
せた。SP−1の溶解したトルエンを全体容量の70
%、変性SBRを全体容量の30%になるように混合
し、適当な形に成形した後、自然乾燥させてフォトクロ
ミック組成物とした。得られたフォトクロミック組成物
の240〜400nmの吸光度を測定した。この組成物
は、紫外線の放射により、青色の発色を呈した。
【0033】(実施例2)フォトクロミック化合物とし
て「SP−99」を用いて、エタノールに2%(容量)
の割合で溶解させた。SP−99の溶解したエタノール
を全体容量の70%、酢酸ビニルを全体容量の30%に
なるように混合し、適当な形に成形した後、自然乾燥さ
せてフォトクロミック組成物とした。得られたフォトク
ロミック組成物の240〜400nmの吸光度を測定し
た。この組成物は、紫外線の放射により、青色(青緑
色)の発色を呈した。この組成物を、ブラックライトで
照射して、繰り返し発色テストを行った。テストは、U
V強度約60W/m2 で10秒間照射後、20秒間照射
を止めるサイクルを1サイクルとして測定を行った。こ
の結果、この組成物は、少なくとも2万回サイクル照射
しても、発色を保つことがわかり、長寿命を有すること
がわかった。
【0034】(実施例3)フォトクロミック化合物とし
て「SP−1」を用いて、アセトンに1%(容量)の割
合で溶解させた。SP−1の溶解したアセトンを全体容
量の80%、酢酸ビニルを全体容量の20%になるよう
に混合し、適当な形に成形した後、自然乾燥させてフォ
トクロミック組成物とした。得られたフォトクロミック
組成物の240〜400nmの吸光度を測定した。この
組成物は、紫外線の放射により、赤紫色の発色を呈し
た。
【0035】(実施例4)フォトクロミック化合物とし
て「SP−1」を用いて、トルエンに1%(容量)の割
合で溶解させた。アクリル樹脂20%とメチルエチルケ
トン80%の混合物を全容量の40%、SP−1の溶解
したトルエンを全体容量の60%になるように混合し、
適当な形に成形した後、自然乾燥させてフォトクロミッ
ク組成物とした。得られたフォトクロミック組成物の2
40〜400nmの吸光度を測定した。この組成物は、
5〜50W/m2 の紫外線の放射により、赤色の発色を
呈し、50W/m2 以上の紫外線の放射により、紫色の
発色を呈した。
【0036】(実施例5)フォトクロミック化合物とし
て「SP−1」を用いて、トルエン80%、メチルエチ
ルケトン20%からなる溶媒に1%(容量)の割合で溶
解させた。SP−1の溶解したトルエンを全体容量の8
0%、アクリル樹脂を全体容量の20%になるように混
合し、適当な形に成形した後、自然乾燥させてフォトク
ロミック組成物とした。この組成物は、紫外線の放射に
より、青色の発色を呈した。
【0037】(実施例6)全容量に対してアクリル樹脂
20%、トルエン30%、メチルエチルケトン30%、
エタノール20%になるように混合し、さらに、フォト
クロミック化合物として「SP−99」を用いて、上記
混合物に2%(容量)の割合で溶解させた。適当な形に
成形した後、自然乾燥させてフォトクロミック組成物と
した。得られたフォトクロミック組成物の240〜40
0nmの吸光度を測定した。この組成物は、青色(青緑
色)を発色し、上記実施例2に示したような繰り返し発
色テストを行った結果、少なくとも2万回サイクル照射
しても、発色を保つことがわかり、長寿命を有すること
がわかった。
【0038】実施例1〜6の結果から明らかなように、
フォトクロミック化合物を溶媒に溶解させ、さらに樹脂
に混入させたフォトクロミック組成物は、紫外線の照射
により、その化合物の発光特性に応じて発色することが
わかった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、小型で美観に優れ、か
つ、耐性寿命の長い紫外線センサーを得ることができ
る。このような紫外線センサーは、日常身につけるアク
セサリー類、衣類、鞄、靴その他の多種多様な日常品に
容易に組み込むことができる。従って、本発明のセンサ
ーが示す紫外線の強度に応じて、紫外線を避けるべく、
種々の手段を取ることができる。本発明のセンサーは、
美容に関心の深い女性のみならず、太陽光線にさらされ
ることが多い、警官、屋外工事作業員などの紫外線に皮
膚へのダメージを防ぐための補助手段として有用であ
る。また、本発明のフォトクロミック化合物は、紫外線
により色調が変わることから、センサーとしての機能よ
りはむしろ、屋外での色調の変化を楽しむためとして上
記日常品に組み込むこともできる。
【0040】本発明の紫外線センサーは、5W/m2
度の強度の紫外線まで感知できるため、室内に入ってく
る微量な紫外線まで計測可能であり、室内における紫外
線センサーとしても使用できる。さらに、本発明の紫外
線センサーは、UV特性として、UVB〜UVC領域ま
で、計測能力があり、オゾン層の破壊等を発色で感知で
きる。
【0041】また、本発明によれば、微弱な電力を利用
してフォトクロミック化合物や蛍光色素の紫外線に対す
る応答を変化させることができる。これにより、より幅
広い測定範囲をもった紫外線センサーを容易かつ安価に
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紫外線センサーの一例を示す。
【図2】本発明のフォトクロミック組成物の応用例を示
す。
【符号の説明】
1 紫外線センサー 2 セル(小室) 3 太陽電池 4 昇圧回路 5 金属枠 6 ガラス板 7 フォトクロミック組成物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒と、該溶媒に溶解したフォトクロミ
    ック化合物と、樹脂とを含んでなる硬化フォトクロミッ
    ク組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフォトクロミック組成
    物を納め、硬化させてなる紫外線センサー。
  3. 【請求項3】 フォトクロミック化合物、溶媒、樹脂、
    及びそれらの濃度がほぼ同一である少なくとも1種の請
    求項1に記載のフォトクロミック組成物を納めて硬化さ
    せた少なくとも一の小室と、該小室の各々に設けられた
    少なくとも2個の電極と、該電極を通じて各小室毎に電
    圧を印加するための電源部と、各小室に印加される電圧
    を制御する制御部とを含んでなる紫外線センサー。
  4. 【請求項4】 フォトクロミック化合物、溶媒、樹脂、
    及びそれらの濃度のうち少なくとも一が異なる少なくと
    も2種の請求項1に記載のフォトクロミック組成物を納
    めて硬化させた複数の小室と、該小室の各々に設けられ
    た少なくとも2個の電極と、該電極を通じて各小室毎に
    印加する電圧を制御する制御部と、該制御部に電力を供
    給する電源とを含んでなる紫外線センサー。
  5. 【請求項5】 特定周波数域の紫外線を透過するフィル
    ターを有する、該特定周波数域の紫外線のみに反応する
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一に記載の紫
    外線センサー。
  6. 【請求項6】 溶媒と、該溶媒に溶解したフォトクロミ
    ック化合物と、樹脂とを含むフォトクロミック組成物
    を、塗装可能な濃度にまで該溶媒で希釈してなることを
    特徴とする紫外線発色性塗料。
  7. 【請求項7】 フォトクロミック化合物を溶解させ、さ
    らに、フォトクロミック化合物を溶解した溶媒を硬化性
    樹脂に混入し、この樹脂混合物を硬化させる硬化フォト
    クロミック組成物の製造方法。
JP15112298A 1998-06-01 1998-06-01 フォトクロミック組成物及びフォトクロミック組成物を含む紫外線センサー Pending JPH11344376A (ja)

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