JPH11344141A - 発泡性飲料送出弁 - Google Patents

発泡性飲料送出弁

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Publication number
JPH11344141A
JPH11344141A JP17066598A JP17066598A JPH11344141A JP H11344141 A JPH11344141 A JP H11344141A JP 17066598 A JP17066598 A JP 17066598A JP 17066598 A JP17066598 A JP 17066598A JP H11344141 A JPH11344141 A JP H11344141A
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JP
Japan
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float
chamber
exhaust
opening
valve seat
Prior art date
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Pending
Application number
JP17066598A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Hattori
修 服部
Shunichi Hamamoto
俊一 濱本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭酸ガスの流入によって高圧で閉め切られた
飲料送出弁および気泡開閉弁を、手動でも容易に開放す
ることが可能な構造の発泡性飲料送出弁を提供する。 【解決手段】 フロート21を収容するフロート室15
の底面部に設けた送出用弁座16を送出口4に接続し、
フロート室15の底部に注入口3を接続し、フロート室
15の上側の上部室26とフロート室15の頂面部に設
けた排気用弁座28とを接続し、上部室26の底面部に
設けた開閉用弁座31を排気口6に接続し、フロート2
1の下部に送出用弁体23を、上部に排気用弁体30を
それぞれ設け、フロート室と上部室との隔壁27を貫通
する昇降体50に、圧縮ばね61により下向きに付勢さ
れた開閉用弁体60と、フロート21に係合する引掛片
部52とを設け、上部ケイーシング9の上部円筒部9a
に螺合するキャップ11に固定された引上棒63の下部
に、昇降体50に係合する引掛片部68を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、生ビールなどの
発泡性飲料を貯蔵容器から送出する送出弁に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に生ビールを貯蔵したビール樽(以
下単に樽という)内には、ビール液面の上部に炭酸ガス
を充填してあり、この樽の上部に取付けられた注出具に
ディスペンサーへのビールホースを接続してビールを注
出する際は、別の炭酸ガスボンベから樽内に炭酸ガスを
圧入して、前記注出具に垂設され樽底面部近くに達する
注出管内を上昇する上昇流としてビールを圧送し、前記
注出具を経て樽外へ流出させる。しかし、樽が空になっ
てくると、樽内の炭酸ガスが前記注出管を経て流出し泡
となってディスペンサーへ送られてしまうので、これを
防ぐために前記注出具の注出口部に、炭酸ガスの流出時
に自動閉鎖する送出弁を取付け、この送出弁の送出口に
前記ビールホースを接続する構成が採用されるようにな
った。この送出弁としては、ケーシング内に収容したフ
ロートをビールの浮力により上昇させて開弁し、炭酸ガ
スの流入時には浮力が減少したフロートの下降により閉
弁するフロート弁形式のものであり、ケーシング上部に
設けた手動操作式の逃がし弁によりケーシング内の炭酸
ガスや泡を外部へ放出させるようになっている。しか
し、樽から泡が流出するのは、上記の樽が空に近くなっ
たときだけでなく、樽の周囲温度によって樽内のビール
が温度上昇したときにも、ビール内の炭酸ガスが気泡状
に分離して泡となって流出するので、夏期などには頻繁
に前記締切弁が作動してディスペンサー部におけるビー
ルのジョッキへの注入が中断しないように、前記逃がし
弁をときどき手動操作しなければならないという問題が
あった。
【0003】そこで本出願人は、特願平9−25752
6号特許願でこの問題を解決するための発明を出願して
いる。前記特許願によれば、フロート室に飲料が供給さ
れている間はフロートの上昇によって気泡排気用弁を閉
じ、温度上昇によってフロート室に気泡が流入した場合
にはフロートが浮力を失って下降し、前記気泡排気用弁
を開放して気泡を外部に排出するとともに、飲料がなく
なり炭酸ガスのみがフロート室に流入した場合には、フ
ロートの下降によって飲料送出用弁および気泡開閉弁を
閉じ炭酸ガスの外部への流出を防止し、飲料が充填され
た後は手動により引上棒を引き上げて、引上棒に係合す
る前記飲料送出用弁および前記気泡開閉弁を開放してフ
ロート室内圧力を逃がして飲料を導入するよう構成され
たものである。
【0004】しかしながら、炭酸ガスの流入によって閉
鎖された飲料送出用弁および気泡開閉弁を開放するため
引上棒を引き上げようとするとき、フロート室内圧によ
って前記両弁座は強い力で閉め切られており、それを開
放するには大きな力を引上棒に加えなければならず、手
動で摘んで引き上げるのは困難であるため、作業性の悪
化を招いていた。また、排気通路に設けられた開閉弁
は、チェックボール、スプリング、Oリングからなり、
部品点数が比較的多くコストが嵩み、部品も小さいので
組付性が悪く、また、チェックボールのシール性を確保
するために座面の当たり付けが必要で、機能を維持する
のに手間を要していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記従来の
問題点を解決しようとするもので、炭酸ガスの流入によ
って高圧で閉め切られた飲料送出弁および気泡開閉弁
を、手動でも容易に開放することが可能な構造の発泡性
飲料送出弁を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題の解決を目的と
してなされた請求項1の発明は、下部に注入口と送出口
をそなえ上部に排気口をそなえたケーシングの上下方向
中間部に、フロートを昇降自在に収容するフロート室を
設け、このフロート室の底面部に設けた上向きに開口す
る送出用弁座と前記送出口とを流出路で接続し、前記フ
ロート室の底部に設けた該フロート室内に向って開口す
る流入口と前記注入口とを流入路で接続し、前記フロー
ト室の上側に設けた上部室と前記フロート室の頂面部に
設けた下向きに開口する排気用弁座とを第1排気路で接
続し、前記上部室の底面部に設けた上向きに開口する開
閉用弁座と前記排気口とを第2排気路で接続し、前記フ
ロートの下部に、該フロート下降時に前記送出用弁座に
着座する送出用弁体を設け、前記フロートの上部に、該
フロート上昇時に前記排気用弁座に着座する排気用弁体
を設け、前記フロート室と前記上部室との間の隔壁を貫
通して昇降自在に支持された昇降体の上部に、ばねによ
り下向きに付勢され該昇降体下降時に前記開閉用弁座に
着座する開閉用弁体を設けるとともに、前記昇降体の下
部に、前記フロートに設けた係止部下面に掛合する引掛
片部を設け、前記上部室の頂壁部を貫通して昇降自在に
支持され、上部が前記上部ケーシングの上部円筒部に螺
合したキャップに固定された引上棒の下部に、前記昇降
体に設けた係止部下面に掛合する引掛片部を設けたこと
を特徴とする。
【0007】この発明における上下方向は、発泡性飲料
送出弁の使用状態における上下方向を指すものとする。
【0008】この発明の発泡性飲料送出弁においては、
貯蔵容器交換時にフロートが下降端位置にある状態でフ
ロート室上部に溜った空気やガスなどの気体を排出する
には、引上棒を手動操作して昇降体を上昇させれば開閉
用弁座が開き、上記気体は第1排気路,上部室,第2排
気路を経て排気口から排出される。この気体の排出に伴
い飲料が流入口からフロート室内に流入し、また上記昇
降体を介してフロートも引上げられるので、送出用弁座
が開いて、貯蔵容器から圧送された飲料は注入口、流入
路、流入口を経てフロート室内に流入し、送出用弁座,
流出路を経て送出口から外部へ送出されるとともに、フ
ロートは飲料による浮力により上昇して上昇端位置に達
し、排気用弁体が排気用弁座に着座して第1排気路を閉
鎖する。
【0009】上記の飲料送出中において飲料容器内の温
度上昇などにより泡がフロート室内に流入し、フロート
室の上部に溜ると、フロートは浮力不足で下降し、排気
用弁体が排気用弁座から離間するので、泡まじりの気体
が第1排気路,上部室,第2排気路を経て排気口から排
出され、この泡まじりの気体の排出によりフロートは再
び浮力により上昇端位置に達し、排気用弁体が排気用弁
座を閉じ、泡の自動排出の1サイクルが終る。フロート
室の泡の流入に応じて上記サイクルが繰返されて、泡の
自動排出がおこなわれる。
【0010】また貯蔵容器が空に近づいて多量のガスが
フロート室内に流入すると、フロートは浮力不足により
下降して排気用弁座が開くが、ガスの連続流入によりフ
ロートが下降端位置に達して送出用弁座を閉じると、こ
のフロートの下降により昇降体も下降駆動されて開閉用
弁体が開閉用弁座に着座するので、ガスが排気口から連
続流出するのが阻止されるとともに、上記の送出用弁座
の閉鎖により、ガスや泡が流出路や送出口に接続した配
管内に充満することがない。
【0011】この発明においては、前記第1排気路およ
び前記第2排気路としては、絞りを設けるなど種々の形
状の流路構成を採用できるが、請求項2記載の発明のよ
うに、第2排気路の圧力損失(気体あるいは泡まじりの
気体が流通したときの圧力損失)が第1排気路の圧力損
失よりも大となるように各排気路を構成すれば、上部室
の内圧が、フロート室の内圧と排気口出口部の大気圧と
の中間値以上の圧力となり、昇降体にかかるこれら両内
圧の差圧による押上力を小さくできるので、この押上力
がフロートの下降動作の障害となることがなく、フロー
トの円滑な動作が得られるので、好ましい。
【0012】またこの発明においては、請求項3記載の
発明のように前記第2排気路に、該排気路を開閉する開
閉弁を設けた構成とすれば、該開閉弁の閉弁により上部
室を外気と遮断することができ、外気から上部室への雑
菌の侵入を防止できるので、好ましい。さらにこの開閉
弁をゴム製の逆止弁とすれば、部品点数も少なく安価に
構成でき組付も容易で、チェックボールの当たり付け等
シール機能を保持するための手間も必要とせず、また、
発泡性飲料成分の糊状化などにより弁部が粘着しても排
気路の気泡または炭酸ガスの圧力によって容易に開放す
る構造になっているので固着を防止することができ、好
ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図1〜図5によりこの発明の
実施の形態の一例を説明する。図1において、1はビー
ル送出弁で、後述のばねやOリング、オイルシール等を
除く各部はプラスチック材料で構成されている。このビ
ール送出弁1の外形部を形成するケーシング2は、注入
口3と送出口4をそなえた短円柱状の下部ケーシング5
に、上部が閉鎖された短円筒状を呈し中間部〜下部が下
向きに開口する円筒状を呈し上部に排気口6をそなえた
中部ケーシング7を、ねじ部8によりねじ込接続すると
ともに、この中部ケーシング7の上部円筒部7aに、短
円筒状の上部ケーシング9をねじ部10によりねじ込接
続し、さらにこの上部ケーシング9の上部円筒部9a
に、キャップ11を螺合させて成る。上記各ねじ込接続
部のうち内圧のかかる部分には、Oリング13,14を
装着してある。
【0014】中部ケーシング7と下部ケーシング5との
間に形成されたフロート室15は、中部ケーシング7の
円筒状の周壁7bにより包囲され、下部ケーシング5の
上面がフロート室15の底面部15aを形成している。
この底面部15aの中央には上向きに開口する送出用弁
座16が設けられ、この送出用弁座16部と送出口4と
は、流出路17により接続されている。中部ケーシング
7は、フロート室15内の状況が外部から見えるよう
に、少なくとも周壁7b部を透明プラスチック材料で構
成しておくのがよい。またフロート室15の底部に設け
た流入口18は、流入路19により注入口3に接続され
ている。
【0015】フロート室15内には、短円筒体状のフロ
ート21が収容され、その外周部に突設した上下方向に
延びる突条(図示せず)の先端部は少量のすきまをもっ
てフロート室の周壁7bの内面に摺接するとともに、フ
ロート室の周壁7bに突設した上下方向に延びるガイド
リブ7cが、フロート21の外周に設けた溝21bに少
量のすきまをもって嵌合し、これによってフロート21
は、中心軸線22をほぼ鉛直状に維持されかつ該中心軸
線22のまわりの回動を阻止された状態で、周壁7b部
により昇降自在にガイドされている。フロート21の下
部には、該フロートの下降時に前記送出用弁座16に着
座する下向きの円錐体状の送出用弁体23が突設されて
いる。この送出用弁体23には、弁座面との間のシール
用のOリング24が嵌装されている。またフロート21
の内部には、浮力調整用の金属製のおもり21cがフロ
ート内に設けられた複数のリブ21dとフロート21の
下部とで挟持された状態で組込んであり、この組込みの
ためフロート21は分割組立構造となっている。
【0016】また中部ケーシング7のフロート室15の
上側には、中部ケーシング7の上部と上部ケーシング9
により包囲されて上部室26が形成され、隔壁27によ
りフロート室15と区画されている。フロート室15の
頂面部15bに設けた下向きに開口する排気用弁座28
は、第1排気路29により上部室26に接続されてい
る。そしてフロート21の上面部には、該フロートの上
昇時に排気用弁座28に着座するゴム製の排気用弁体3
0を取付けてある。また上部室26の底面部26aに設
けた上向きに開口する開閉用弁座31は、隔壁27部に
設けた第2排気路32および後述の杆体36内に設けた
第2排気路33,34により排気口6に接続されてい
る。
【0017】また中部ケーシング7の上部側面部には、
図2に示すように、折曲棒状の杆体36が圧入されてお
り、この杆体36内に、第2排気路33,34が形成さ
れている。第2排気路33の拡径部33a内にはゴム製
の逆止弁40が、排気口6(図1)方向へは通路を開放
し、その逆方向へは閉鎖する向きに圧入されている。逆
止弁40は流れの下流側先端が先細の錐体を形成し錐面
40aに平行に切込40bが施され、排気口6方向への
流れに対してはこの切込40bが開いて流体を通し、逆
の流れの場合には切込40bが閉じて流体を阻止する構
造になっている。逆止弁40の外周には環状の突起40
cが形成されており、この突起40cが拡径部33aに
圧入されて通路間の気密を保持する構造になっている。
発泡性飲料成分の糊状化により粘着物質が切込40bに
付着しても、内圧により容易に開口するので固着が防止
される。
【0018】そして逆止弁40から排気口6に至る第2
排気路を炭酸ガスあるいは泡まじりの炭酸ガスが流通し
たときの第2排気路の圧力損失、すなわち第2排気路3
2、33、34の流路抵抗による圧力損失は、第1排気
路29を炭酸ガスあるいは泡まじり炭酸ガスが流通した
ときの圧力損失よりも大となるように、各部の流路内
径、流路長等を選定してある。
【0019】一方フロート室15から上部室26にかけ
て、隔壁27を貫通して上下方向に延びる昇降体50が
配設され、その軸部51は隔壁27に設けた穴54内に
上下方向に摺動自在にガイドされ、オイルシール80に
より摺動可能にシールされている。軸部51の下部に固
着した円柱状の引掛片部52は、フロート21の中心部
に設けた上下が閉鎖された穴56内にすきまをもって嵌
合し、穴56上端の閉鎖蓋部から成る係止部57の下面
に引掛片部52(の上面)が掛合するようになってい
る。なお穴56は、連通孔56aによりフロート室15
に連通している。また昇降体50の上部に形成したブロ
ック体部53は、図3に示すように、中部ケーシング7
の上部円筒部7aに固設したガイド板58、58により
両側面をガイドされ、これにより昇降体50は、鉛直軸
線のまわりの回動を阻止された状態で上下動自在にガイ
ドされている。このブロック体部53に設けた穴59内
には、下端部にゴム製の弁体60aをそなえた開閉用弁
体60(図1)の太径部が上下動自在に収容され、該弁
体は圧縮ばね61により下向きに付勢されており、この
開閉用弁体60(詳しくは弁体60a部)は、昇降体5
0の下降時に開閉用弁座31に着座するものである。
【0020】また上部室26の頂壁部を形成する上部ケ
ーシング9の頂壁部9bを貫通して、上下方向に延びる
引上棒63が設けてあり、その軸部64は頂壁部9bに
設けた穴65内に上下方向に摺動自在にガイドされると
ともにオイルシール81により摺動可能にシールされ、
引上棒63の上部先端部はキャップ11に固定されてい
る。キャップ11の内面に設けられた一対の突起11a
が、上部ケーシング9の上部円筒部9aの外周に刻設さ
れた一対のカム溝9cに螺合し、キャップ11を回動さ
せたとき、上方に変位して引上棒63を上方に引き上げ
るよう構成されている。また、キャップ11は、上部円
筒部9a内に配置され両端部がそれぞれキャップ11お
よび上部円筒部9aに係合した円筒ねじりコイルバネ7
2によって自然に元の位置に戻るよう構成されている。
軸部64の下部に固着した円板状の引掛片部68は、昇
降体50のブロック体部53に設けた穴69(図3参
照)内にすきまをもって嵌合し、この穴69の上端の閉
鎖蓋部から成る係止部70の下面に引掛片部68(の上
面)が掛合するようになっている。
【0021】新しい樽の上部にビール送出弁1を取付け
て、該弁内へのビール供給を開始した時点においては、
フロート室15内には空気および交換前の樽からの炭酸
ガスが充満し、図4に示すようにフロート21は自重で
下降し送出用弁体23は送出用弁座16に着座した状態
にあり、昇降体50は引掛片部52とフロート21の係
止部57との掛合により引下げられて、開閉用弁体60
は圧縮ばね61が少量たわんだ状態で開閉用弁座31に
着座し、引上棒63も円筒ねじりコイルばね72により
付勢されたキャップ11とともに下降位置にある。そし
て注出具(図示せず)から圧送されたビールは、流入路
19,流入口18を経てフロート室15内に流入し、フ
ロート室15内は前記炭酸ガス圧に近い2Kg/cm2
程度の圧力まで昇圧し、この圧力を受けてフロート21
は下向きに強い力で加圧され下降端位置に維持されてい
る。
【0022】そこで図5に示すように、昇降体50およ
びフロート21の上昇駆動手段である引上棒63が固定
されたキャップ11を反時計回りに回動させると、先ず
引上棒63が上昇し、引掛片部68の係止部70への掛
合により昇降体50が上昇駆動され、この昇降体50を
介してフロート21が引上駆動されて、送出用弁体23
が送出用弁座16から離間し、引続いて開閉用弁体60
が開閉用弁座31から離間するので、フロート室15内
の空気および炭酸ガスは開口状態の排気用弁座28から
第1排気路29,上部室26および開口状態の開閉用弁
座31から第2排気路32,逆止弁40,第2排気路3
3、34を経て排気口6から排出され、ビールが流入口
18からフロート室15内に流入する。このとき逆止弁
40においては、上部室26の内圧により弁部(切込4
0a)(図2)は自動的に開弁し開口状態となる。
【0023】これによって、フロート室15内の圧力が
下るとともにディスペンサー部の閉止により樽交換前の
ビールがほぼ充満している流出路17内の圧力が上昇し
て、両圧力の差が小さくなるので、フロート21はビー
ルによる浮力により駆動されて上昇し、送出用弁体23
は送出用弁座16から大きく離間して行き、図1に示す
ように上昇端位置に達したフロート21により排気用弁
体30が排気用弁座28に着座し第1排気路29は閉鎖
状態となる。上記の送出用弁座16の開放により、ビー
ルは流出路17を経て送出口4から送出可能となり、デ
ィスペンサー部におけるジョッキへのビールの注入に応
じて、樽からのビールは送出弁1を経て送出される。ま
たフロート21の上昇により、フロート21による拘束
を解かれた昇降体50は、フロート室15の内圧と上部
室26の内圧との差圧による押上力により押上げられて
上昇端位置に保持される。なお昇降体50(開閉用弁体
60を含む)の自重は、上記押上力より小となるように
選定してある。
【0024】上記の送出使用中において、樽の周囲温度
などにより樽内の温度が上昇して発生した泡がフロート
室15内に流入すると、この泡はフロート室15内の上
部に溜り、この泡の量が所定量(フロート21の比重や
おもり21cの重量にもよるが、フロート室15の全高
の50〜90%程度)に達するとフロート21に作用す
る浮力がフロート自重以下となる。さらにフロート室1
5内が炭酸ガスにより加圧されていることにより、排気
用弁座28に着座した排気用弁体30に、フロート室1
5の内圧(炭酸ガス圧力)と大気圧に近い上部室26の
内圧との差圧に応じて作用する吸着力によって、フロー
ト21はぶら下がる状態となっているが、この吸着力よ
りフロートの自重の方が大きく設定してあるため、フロ
ート21は上昇端位置から下降する。これにより排気用
弁体30が排気用弁座28から離間するので、泡まじり
の炭酸ガスが、上部室26および開口状態の開閉用弁座
31を経て排気口6から自動的に排出される。
【0025】フロート室15内の泡がほぼ排出される
と、ビールの充満によりフロート21は再び上昇端位置
に達し、排気用弁座28は再び閉じられて、泡排出の1
サイクルが終り、樽から引続いて泡がフロート室15内
に流入すると上記と同様な泡の自動排出作用が繰返され
る。
【0026】このように泡は、フロート21が下降端位
置迄下降する前に、排気用弁座28部から上部室26,
開放状態の開閉用弁座31を経て自動的に排出されるの
で、送出口4部からのビールの送出は中断されることが
ない。
【0027】樽が空に近づくと、樽内の炭酸ガスが多量
にフロート室15内に流入するので、フロート21は浮
力不足により下降して排気用弁座28が開くが、炭酸ガ
スの連続流入によりフロート21が下降端位置付近に達
すると、フロート21により引下駆動された昇降体50
が下降して開閉用弁体60が開閉用弁座31に着座する
ので、炭酸ガスボンベから樽内およびビール送出弁1を
経て排気口6から炭酸ガスが連続流出して浪費されるこ
とがない。次いでフロート21が下降端位置に達する
と、送出用弁座16が送出用弁体23により閉じられる
ので、流出路17およびその下流に配設されたビールホ
ース内に炭酸ガスや泡が充満することがなく、樽を交換
した後も、ビールホース内の泡抜きをおこなう必要がな
く、手間が省けるとともにビールが無駄になることもな
い。
【0028】そして前述のように開閉用弁座31部から
排気口6に至る第2排気路の圧力損失は、排気用弁座2
8部から上部室26に至る第1排気路29の圧力損失よ
りも大となっているので、上部室26の内圧は、フロー
ト室15の内圧と大気圧との中間値以上の圧力となるた
め、両内圧の差圧に軸部51の断面積を乗じた昇降体5
0に作用する押上力は小さく、フロート21は下降動作
時(特に下降端付近における下降動作時)に上記押上力
により下降を妨げられることがなく、フロート21の迅
速円滑な動作が得られる。
【0029】なお第2排気路の圧力損失を第1排気路の
圧力損失より小さく選定した場合は、上記押上力の影響
を減らすため昇降体50の自重を増すことも考えられる
が、この場合は昇降体50の慣性が増え弁全体の動作が
緩慢化することになる。
【0030】また上記のビール送出弁1の各動作工程に
おいては、泡まじりの炭酸ガスあるいは炭酸ガスが排気
口6から排出される時以外は、第2排気路32〜34部
に設けた逆止弁40は閉弁状態にあり外気に連通する排
気口6と上部室26との間を遮断しているので、外気中
の雑菌が上部室26に侵入して繁殖するのが防止され、
衛生的である。またこの例の逆止弁40は、上部室26
の内圧の上昇により自動的に開弁し、人手による開閉操
作を必要としないので手間がかからないうえ、泡の排出
時のみ開弁して他の時間は閉弁して長時間にわたり上記
の雑菌侵入防止作用が得られるので、特に好ましい。
【0031】またこの発明は、発泡性ワインやノンアル
コールの発泡性甘味飲料水など、ビール以外の発泡性飲
料の送出弁にも、適用できるものである。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように請求項1〜3記載の
発明によれば、フロート上昇状態で発泡性飲料の送出中
にケーシング内に溜った泡は、フロートと共に下降する
排気用弁体の排気用弁座からの離間により上部室および
開弁状態の開閉用弁座部を経て排気口から排出されるの
で、貯蔵容器から流出する泡を自動的に外部へ排出して
発泡性飲料の送出の中断を防止でき、円滑な飲料の送出
ができるとともに、この送出中における手動操作による
泡抜きは不要で手間がかからない。
【0033】また貯蔵容器が空に近づいて多量の飲料圧
送用のガスがフロート室に流入したときは、排気用弁座
は開くがフロートの下降により昇降体の開閉用弁体が開
閉用弁座に着座するので、ガスが排気口から連続流出し
て浪費されるのが防止される。さらに貯蔵容器交換時に
おけるフロート室内の空気やガスの排出と、フロートの
引上による送出用弁座の開放(飲料送出開始)を、キャ
ップに固定された引上棒の引上操作を、キャップの回動
により行うことができ、特に大きな操作力を必要とせ
ず、操作が簡単で操作ミスをおこすこともない。
【0034】また上記の効果に加えて、請求項2記載の
発明によれば、ケーシングの内圧により昇降体に生じる
押上力を小さく抑えることができ、この押上力によりフ
ロートの下降動作が妨げられず、迅速確実な動作をおこ
なう発泡性飲料送出弁が得られる。
【0035】また上記の効果に加えて、請求項3記載の
発明によれば、逆止弁の閉弁により上部室を大気と遮断
することができ、外気中の雑菌が上部室に侵入して繁殖
するのを防止できる衛生的な発泡性飲料送出弁が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る発泡性飲料送出弁の
縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る逆止弁の拡大部分断
面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図1の発泡性飲料送出弁の動作状態を示す縦断
面図である。
【図5】図1の発泡性飲料送出弁の動作状態を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1…ビール送出弁、2…ケーシング、3…注入口、4…
送出口、6…排気口、9…上部ケーシング、9a…上部
円筒部、11…キャップ、15…フロート室、15a…
底面部、15b…頂面部、16…送出用弁座、17…流
出路、18…流入口、19…流入路、21…フロート、
23…送出用弁体、26…上部室、26a…底面部、2
7…隔壁、28…排気用弁座、29…第1排気路、30
…排気用弁体、31…開閉用弁座、32…第2排気路、
33…第2排気路、34…第2排気路、36…杆体、4
0…逆止弁、50…昇降体、52…引掛片部、53…ブ
ロック体部、60…開閉用弁体、60a…弁体、61…
圧縮ばね、63…引上棒、68…引掛片部、70…係止

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部に注入口と送出口をそなえ上部に排
    気口をそなえたケーシングの上下方向中間部に、フロー
    トを昇降自在に収容するフロート室を設け、このフロー
    ト室の底面部に設けた上向きに開口する送出用弁座と前
    記送出口とを流出路で接続し、前記フロート室の底部に
    設けた該フロート室内に向って開口する流入口と前記注
    入口とを流入路で接続し、前記フロート室の上側に設け
    た上部室と前記フロート室の頂面部に設けた下向きに開
    口する排気用弁座とを第1排気路で接続し、前記上部室
    の底面部に設けた上向きに開口する開閉用弁座と前記排
    気口とを第2排気路で接続し、前記フロートの下部に、
    該フロート下降時に前記送出用弁座に着座する送出用弁
    体を設け、前記フロートの上部に、該フロート上昇時に
    前記排気用弁座に着座する排気用弁体を設け、前記フロ
    ート室と前記上部室との間の隔壁を貫通して昇降自在に
    支持された昇降体の上部に、ばねにより下向きに付勢さ
    れ該昇降体下降時に前記開閉用弁座に着座する開閉用弁
    体を設けるとともに、前記昇降体の下部に、前記フロー
    トに設けた係止部下面に掛合する引掛片部を設け、前記
    上部室の頂壁部を貫通して昇降自在に支持され、上部が
    前記上部ケーシングの上部円筒部に螺合したキャップに
    固定された引上棒の下部に、前記昇降体に設けた係止部
    下面に掛合する引掛片部を設けたことを特徴とする発泡
    性飲料送出弁。
  2. 【請求項2】 前記第2排気路の圧力損失を前記第1排
    気路の圧力損失よりも大とした請求項1記載の発泡性飲
    料送出弁。
  3. 【請求項3】 前記第2排気路に、該排気路を開閉する
    ゴム製の逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1また
    は2記載の発泡性飲料送出弁。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015506318A (ja) * 2013-01-09 2015-03-02 ジョン ハ パク ビールの泡噴出及びビールストーン生成防止装置
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