JPH11342679A - グラビア印刷方法、印刷版および印刷物 - Google Patents

グラビア印刷方法、印刷版および印刷物

Info

Publication number
JPH11342679A
JPH11342679A JP15089098A JP15089098A JPH11342679A JP H11342679 A JPH11342679 A JP H11342679A JP 15089098 A JP15089098 A JP 15089098A JP 15089098 A JP15089098 A JP 15089098A JP H11342679 A JPH11342679 A JP H11342679A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
plate
gravure
printing plate
sub
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15089098A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinobu Yoshikawa
忍 吉川
Yasuo Nagano
康雄 長野
Tomohisa Aono
友寿 青野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP15089098A priority Critical patent/JPH11342679A/ja
Publication of JPH11342679A publication Critical patent/JPH11342679A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】網点の繋がり部分が中間の網点の面積率におい
て、網点の面積率の増加とともに徐々に増加して行き印
刷物における階調表現を滑らかで理想的なものとするこ
とができるグラビア印刷方法、その印刷方法で使用する
グラビア印刷版およびそのグラビア印刷版で印刷された
印刷物を提供する。 【解決手段】製版過程と刷版過程と印刷過程とから成る
グラビア印刷方法であって、前記製版過程は、印刷版の
原画像を生成し、前記刷版過程は、副凹部形成過程と主
凹部形成過程とを有し、前記副凹部形成過程は印刷にお
いて用紙にインキ転移が起きないかまたは極めて少ない
非着肉性の副凹部を版面に形成し、前記主凹部形成過程
は印刷において用紙に前記原画像に対応する画像を再現
する主凹部を版面に形成し、前記印刷過程は、前記版面
を用いて印刷を行う、グラビア印刷方法。また、その印
刷方法で使用するグラビア印刷版とそのグラビア印刷版
で印刷された印刷物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグラビア印刷の技術
分野に属する。特に、電気信号に基づいて彫刻針(ダイ
アモンド針)を駆動し、版胴面に多数のインキセルを彫
刻する、いわゆる電子彫刻方式によってグラビア印刷版
を形成し、そのグラビア印刷版を用いて印刷を行いグラ
ビア印刷物を得るグラビア印刷の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】グラビア印刷においては、グラビア印刷
版に形成されたインキセル(凹部)に充填されたインキ
が印刷用紙に転移することにより印刷が行われる。すな
わち、印刷濃度はインキを充填するインキセルの体積に
よって決まる。したがって、グラビア印刷における階調
表現はインキセルの体積の変化によってもたらされるも
のである。図5〜図8は電子彫刻方式によってインキセ
ルが形成された版面の拡大図である。図5〜図8におい
て(A)は従来の版面の拡大図であり、(B)は後述す
る本発明の版面の拡大図である。図5〜図8の(A)に
示すように、版面はインキセルの部分と、インキセルの
周りの土手の部分によって構成され、インキセルは所定
の間隔で規則的に配列している。図5〜図8の(A)に
示す5%,30%,50%,70%は、グラビア網点の
面積率%を示している。図5〜図8においては、グラビ
ア網点の面積率%は製版過程における出力網点の面積率
%として定義されている(面積率については他にも定義
方法がある)。
【0003】このようなグラビア印刷版を用いて印刷が
行われると、グラビア網点の面積率が小さい(たとえば
30%以下の)場合には、土手の部分によって各セルの
インキが堰き止められて印刷物上の網点は明確に独立し
た網点となる。一方、グラビア網点の面積率が大きい
(たとえば70%以上の)場合には、各セルのインキは
土手の部分へ入り込み各セルの境界は不明確さを表し、
印刷物上の網点はほぼ全面的に繋がり部分を有する網点
となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような網点の繋が
り部分が、中間の網点の面積率(たとえば30〜70
%)において、網点の面積率の増加とともに徐々に増加
して行くような場合には印刷物における階調表現は滑ら
かな理想的なものとなる。しかし、中間の網点の面積率
の特定の狭い範囲の値において、網点の繋がり部分が急
激に増加する現象が、彫刻グラビア印刷においては普通
に見られる。網点が明確に独立している場合に対し、網
点がほぼ全面的に繋がると、印刷物の濃度は明確に高く
なる。すなわち、この場合は印刷物における階調表現は
滑らかさが失われ、いわゆる、ジャンピングが生じるこ
ととなる。
【0005】このジャンピングは、滑らかに濃度が変化
する再現が求められるような部分において、滑らかさが
失われ濃度の段差が生じるため印刷品質への影響が極め
て大きい。たとえば、人物の肌や顔のように、微妙な濃
淡変化が表現において重要である部分では、ジャンピン
グにより不自然で不快な印象を与えることとなる。この
ジャンピングは避け得ないものであるが、印刷品質を損
なわないようにするため、様々な工夫がなされる。たと
えば、ジャンピングを起こす面積率の部分と滑らかさ
が求められる印刷絵柄の部分とが一致しないように、敢
えて製版段階でその印刷絵柄の部分の網点の面積率を移
動する、滑らかさが求められる印刷絵柄のジャンピン
グを起こす面積率の部分において、その面積範囲を広げ
て目立たないようにする、等の工夫がなされる。しかし
ながら、それらの方法は、目立つ歪みを目立たない歪み
に置き換えただけであり、本来の忠実な印刷再現からは
離れてしまうこととなる。
【0006】そこで本発明の目的は、網点の繋がり部分
が中間の網点の面積率において、網点の面積率の増加と
ともに徐々に増加して行き印刷物における階調表現を滑
らかで理想的なものとすることができるグラビア印刷方
法、その印刷方法で使用するグラビア印刷版およびその
グラビア印刷版で印刷された印刷物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は下記の本発
明によって達成される。すなわち、本発明のグラビア印
刷方法の第1の態様は、製版過程と刷版過程と印刷過程
とから成るグラビア印刷方法であって、前記製版過程
は、印刷版の原画像を生成し、前記刷版過程は、副凹部
形成過程と主凹部形成過程とを有し、前記副凹部形成過
程は印刷において用紙にインキ転移が起きないかまたは
極めて少ない非着肉性の副凹部を版面に形成し、前記主
凹部形成過程は印刷において用紙に前記原画像に対応す
る画像を再現する主凹部を版面に形成し、前記印刷過程
は、前記版面を用いて印刷を行う、ようにしたものであ
る。本発明によれば、副凹部と画像を再現する主凹部が
形成された版面を用いて印刷が行われる。これにより網
点の繋がり部分が中間の網点の面積率において、網点の
面積率の増加とともに徐々に増加して行き、印刷物にお
ける階調表現を滑らかで理想的なものとすることができ
るグラビア印刷方法が提供される。
【0008】そのような効果が得られる理由は明らかで
はないが、次のような仮説を立てることができる。すな
わち、副凹部は単独では印刷において用紙にインキ転移
が起きないのであるが、画像を再現する2つの凹部の間
に有る場合には、それら2つの凹部のインキが繋がるの
を助ける役割を果たす。その結果、それら2つの凹部の
面積率がインキが繋がる面積率よりも小さくてもインキ
が繋がることとなる。また、副凹部が画像を再現する2
つの凹部の間にない場合には、それら2つの凹部の面積
率がインキが繋がる面積率よりも大きくならないとイン
キが繋がることはない。副凹部は、ある確率で2つの凹
部の間に存在したり存在しなかったりする。したがっ
て、印刷物上においては、網点の繋がり部分が中間の網
点の面積率において、網点の面積率の増加とともに徐々
に増加して行き印刷物における階調表現を滑らかで理想
的なものとすることができる。
【0009】また本発明のグラビア印刷方法の第2の態
様は、第1の態様のグラビア印刷方法において、前記副
凹部は開口面積率が0.1〜3%のグラビアの平網であ
るようにしたものである。本発明によれば、平網である
から副凹部が版面に規則的に配列することにより印刷物
における階調表現を滑らかにする効果が偏在することが
ない。また、副凹部の開口面積率を0.1%以上とする
ことにより印刷物における階調表現を滑らかにする効果
が得られ、3%以下とすることにより、印刷物にインキ
が転移しないかまたは極めて少ない非着肉性となるから
印刷品質に悪い影響を与えることがない。
【0010】また本発明のグラビア印刷方法の第3の態
様は、第2の態様のグラビア印刷方法において、前記平
網のスクリーン線数は、前記画像を再現するグラビア網
点のスクリーン線数と同一またはそれよりも大きいよう
にしたものである。本発明によれば、版面に形成されて
有効に作用する副凹部の数が多くなることにより、より
明確な効果が得られる。また本発明のグラビア印刷方法
の第4の態様は、第2または第3の態様のグラビア印刷
方法において、前記平網のスクリーン線数は90線/c
m以上であるようにしたものである。本発明によれば、
副凹部はスクリーン線数が90線/cm以上で版面に形
成されることにより、より明確な効果が得られる。
【0011】また本発明のグラビア印刷版は、印刷にお
いて用紙にインキ転移が起きないかまたは極めて少ない
非着肉性の副凹部と、印刷において用紙にインキ転移が
起き前記原画像に対応する画像を再現する主凹部とを版
面に有するようにしたものである。本発明によれば、印
刷物上においては、網点の繋がり部分が中間の網点の面
積率において、網点の面積率の増加とともに徐々に増加
して行き印刷物における階調表現を滑らかで理想的なも
のとすることができるグラビア印刷版が提供される。
【0012】また本発明のグラビア印刷物は、印刷にお
いて用紙にインキ転移が起きないかまたは極めて少ない
非着肉性の副凹部と、印刷において用紙にインキ転移が
起き前記原画像に対応する画像を再現する主凹部とを版
面に有するグラビア印刷版を用いて印刷して得るように
したものである。本発明によれば、網点の繋がり部分が
中間の網点の面積率において、網点の面積率の増加とと
もに徐々に増加して行き階調表現が滑らかで理想的なグ
ラビア印刷物が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明について実施の形態
により説明する。まず、本発明のグラビア印刷の過程に
ついて説明する。本発明のグラビア印刷の過程を図1に
フロー図として示す。本発明のグラビア印刷の最初の過
程は、図1のステップS1に示すように、製版過程であ
る。製版過程は原稿から印刷版の原画像を生成する過程
である。原稿には、反射原稿、透過原稿、MO(光磁気
ディスク)等の記憶媒体に記録されたディジタルデータ
等の媒体の異なる原稿や、文字、線画、階調画像、等の
データ形態の異なる原稿が存在する。たとえば、製版工
程におけるデータ処理の違いから文字・線画データLW
と階調画像データCTに区分して取り扱うことが一般的
に行われる。
【0014】原画像は、ステップS2の刷版過程におい
て用いる形式の、すなわち、各色の印刷版に形成する彫
刻画像の対応する画像である。彫刻によってグラビア印
刷版を作成する場合には、原画像はMO、磁気ディスク
等の記憶媒体に記憶されたディジタル画像データであ
る。なお、腐食によってグラビア印刷版を作成する場合
には、原画像は写真フィルムに露光現像して形成した密
着露光用のフィルム原版である。
【0015】ステップS1の製版過程においては、分版
処理、面付処理、フィルタ処理、コンバイン処理、解像
度変換処理、等が行われる。まず、文字・線画データL
Wと階調画像データCTは各々に対して分版処理が行わ
れる。分版処理は各色の、たとえば、プロセス色である
墨(K)、藍(C)、赤(M)、黄(Y)の印刷版に対
応する成分に分解した分版データを生成する処理であ
る。この分版データに対して、面付処理が行われる。た
とえば、1つの印刷版によって4頁分の印刷物を印刷す
る場合には、4頁分の画像データを同一平面上に配置し
た4面割付が行われる。
【0016】続いて、フィルタ処理が行われる。フィル
タ処理は、画像データの所定の空間周波数領域における
強度を変化させる処理である。典型的なフィルタ処理と
して、「シャープネス処理」と呼ばれている輪郭線を強
調する処理がある。次に、コンバイン処理が行われる。
コンバイン処理は、文字・線画データLWの分版データ
のレイヤーを階調画像データCTの分版データのレイヤ
ーの上面に各分版データごとに重ね合わせ各分版合成デ
ータを生成する処理である。すなわち、文字・線画デー
タLWの分版データに対応する画像内の透明な部分にだ
け、階調画像データCTの分版データが現れることにな
る。
【0017】製版過程、ステップS1の最後に、解像度
変換処理が行われる。解像度変換処理は、各色成分の分
版画像ごとに、それぞれ異なる解像度が得られるように
する処理である。これは、網点ピッチが接近していて、
印刷物に干渉によるモアレ縞が発生するのを避けるため
に行われる。これにより解像度変換処理が行われた各分
版合成データが生成される。
【0018】本発明のグラビア印刷の次の過程は、図1
のステップS2に示すように、刷版過程である。ステッ
プS2の刷版過程は、ステップS21の副凹部形成処理
と、ステップS22の主凹部形成処理とを含んでいる。
副凹部形成処理は、印刷において用紙にインキ転移が起
きないかまたは極めて少ない非着肉性の副凹部を版面に
形成する処理である。また、主凹部形成過程は印刷にお
いて用紙に前記原画像に対応する画像を再現する主凹部
を版面に形成する処理である。
【0019】この副凹部形成処理と主凹部形成処理の過
程において版面に行われる彫刻について模式図を図2に
示す。図2(A)は副凹部形成過程によって版面に形成
される微小セル(副凹部)を示している。また、図2
(B)は主凹部形成過程によって版面に形成される絵柄
によるセル(主凹部)を示している。そして、図2
(C)は副凹部形成過程によって版面に形成される微小
セルと主凹部形成過程によって版面に形成される絵柄に
よるセルが合成された、本発明のグラビア印刷版の版面
を示す図である。
【0020】ステップS21の副凹部形成処理過程は、
グラビア彫刻機を用いてグラビアの平網として形成する
ことができる。グラビア彫刻機が用いられる場合には、
開口面積率が0.1〜3%のグラビアの平網を版面に形
成すると好適である。そうすることにより、平網である
から副凹部が版面に規則的に配列することにより印刷物
における階調表現を滑らかにする効果が偏在することが
ない。また、副凹部の開口面積率を0.1%以上とする
ことにより印刷物における階調表現を滑らかにする効果
が得られ、3%以下とすることにより、印刷物にインキ
が転移しないかまたは極めて少ない非着肉性となるから
印刷品質に悪い影響を与えることがない。ただし、墨版
の場合にはインキ濃度が高いため、3%近くでは、イン
キ転移による“かぶり”が生じるのを、ドクター角度、
インキ粘度等の印刷条件の調整では回避が困難な場合も
ある。その場合には、すくなくとも、墨版の副凹部の開
口面積率を小さ目とする。
【0021】この平網のスクリーン線数は、画像を再現
するグラビア網点(主凹部)のスクリーン線数と同一ま
たはそれよりも大きくする。その結果、版面に形成され
て有効に作用する副凹部の数が多くなり、より明確な効
果が得られる。また、その平網のスクリーン線数は90
線/cm以上であるようにすると、より明確な効果が得
られる。
【0022】なおステップS21の副凹部形成処理過程
は、グラビア彫刻機を用いてグラビアの平網として形成
する以外に、サンドブラスト法、エッチング法、メッキ
法、賦型法、等の周知の表面特性を改変する方法を適用
することができる。グラビア彫刻機を用いた場合と比較
して、これらの方法の多くにおいては、副凹部形成処理
に必要とする時間を短縮することができ、生産性を高め
る効果を有する。
【0023】ステップS22の主凹部形成処理過程は、
グラビア彫刻機が用いられる。グラビア彫刻機を用い
て、印刷において用紙にステップS1で生成した原画像
に対応する画像を再現する主凹部を版面に形成する。こ
の主凹部形成処理過程は、彫刻対象の版面に副凹部が形
成されていることを除くと、グラビア彫刻機を用いて行
われる従来のグラビア印刷版の形成方法と変わるところ
はない。なお、ここでは副凹部形成処理過程を先にし主
凹部形成処理過程を後にする一例を示したが、この順番
を逆にして、主凹部形成処理過程を先にし副凹部形成処
理過程を後しても、同様の効果が得られる。
【0024】ステップS2の刷版過程、すなわち、ステ
ップS21とステップS22の過程を経て、副凹部と主
凹部が形成されたグラビア印刷版の版面の一例を図5
(B)〜図8(B)に示す。図5(B)〜図8(B)に
おいて、1は副凹部、2は主凹部である。図5(B)は
本発明のグラビア印刷版の墨版の版面である。また、図
5(A)は従来のグラビア印刷版の墨版の版面を対比さ
せたものである。図5(A)の従来のグラビア印刷版の
墨版の版面には副凹部は形成されていない。一方、図5
(B)の本発明のグラビア印刷版の墨版の版面には副凹
部が形成されている。非画線部を除くと、図5(A)の
従来のグラビア印刷版の墨版の版面、および図5(B)
の本発明のグラビア印刷版の墨版の版面には主凹部が形
成されている。ここで、墨版の版面に形成されている主
凹部は、グラビア彫刻におけるスクリーン線数90線/
cmの微細網点(ファイン)で彫刻されている。また、
副凹部も同様に、スクリーン線数90線/cmの微細網
点(ファイン)で彫刻されている。当然のことである
が、本発明はこの一例で示す網点形状や線数に限定され
るものではない。
【0025】図6(B)は本発明のグラビア印刷版の藍
版の版面である。また、図6(A)は従来のグラビア印
刷版の藍版の版面を対比させたものである。図6(A)
の従来のグラビア印刷版の藍版の版面には副凹部は形成
されていない。一方、図6(B)の本発明のグラビア印
刷版の藍版の版面には副凹部が形成されている。非画線
部を除くと、図6(A)の従来のグラビア印刷版の藍版
の版面、および図6(B)の本発明のグラビア印刷版の
藍版の版面には主凹部が形成されている。ここで、藍版
の版面に形成されている主凹部は、グラビア彫刻におけ
るスクリーン線数70線/cmの圧縮網点(コンプレス
ト)で彫刻されている。また、副凹部は、スクリーン線
数90線/cmの微細網点(ファイン)で彫刻されてい
る。当然のことであるが、本発明はこの一例で示す網点
形状や線数に限定されるものではない。
【0026】図7(B)は本発明のグラビア印刷版の紅
版の版面である。また、図7(A)は従来のグラビア印
刷版の紅版の版面を対比させたものである。図7(A)
の従来のグラビア印刷版の紅版の版面には副凹部は形成
されていない。一方、図7(B)の本発明のグラビア印
刷版の紅版の版面には副凹部が形成されている。非画線
部を除くと、図7(A)の従来のグラビア印刷版の紅版
の版面、および図7(B)の本発明のグラビア印刷版の
紅版の版面には主凹部が形成されている。ここで、紅版
の版面に形成されている主凹部は、グラビア彫刻におけ
るスクリーン線数70線/cmの延長網点(エロンゲー
ト)で彫刻されている。また、紅版の版面に形成されて
いる副凹部は、スクリーン線数90線/cmの微細網点
(ファイン)で彫刻されている。当然のことであるが、
本発明はこの一例で示す網点形状や線数に限定されるも
のではない。
【0027】図8(B)は本発明のグラビア印刷版の黄
版の版面である。また、図8(A)は従来のグラビア印
刷版の黄版の版面を対比させたものである。図8(A)
の従来のグラビア印刷版の黄版の版面には副凹部は形成
されていない。一方、図8(B)の本発明のグラビア印
刷版の黄版の版面には副凹部が形成されている。非画線
部を除くと、図8(A)の従来のグラビア印刷版の黄版
の版面、および図8(B)の本発明のグラビア印刷版の
黄版の版面には主凹部が形成されている。ここで、黄版
の版面に形成されている主凹部は、グラビア彫刻におけ
るスクリーン線数70線/cmの圧縮網点(コンプレス
ト)で彫刻されている。また、黄版の版面に形成されて
いる副凹部は、スクリーン線数90線/cmの微細網点
(ファイン)で彫刻されている。当然のことであるが、
本発明はこの一例で示す網点形状や線数に限定されるも
のではない。
【0028】本発明のグラビア印刷の次の過程は、図1
のステップS3に示すように、印刷過程である。ステッ
プS3の印刷過程は、ステップS2の刷版過程で製作し
たグラビア印刷版を用いてグラビア印刷機において印刷
を行う過程である。このステップS3の印刷過程は、従
来のグラビア印刷方法と基本的に同様の方法によって行
うことができる。しかし、印刷条件の設定に関して若干
の相違点が存在する。
【0029】次にその相違点について説明する。1つの
グラビア印刷版(1つのグラビア版シリンダー)に、従
来の刷版過程によって得た版面と、本発明の刷版過程
(S2)によって得た版面とを、同じ原画像に基づいて
彫刻する。そのグラビア印刷版を用いて印刷を行い、各
版面の対応する位置の印刷濃度を比較することとする。
この場合、使用するインキの粘度、ドクターの設定条
件、等は、各版面で同一の条件となっている。そのグラ
ビア印刷版の内の紅版について、印刷濃度値の比較表を
図3に示す。図3には、網点面積率が40〜60%のジ
ャンピングが起き易い範囲について網点面積率と印刷濃
度値の関係を従来刷版方法と本発明刷版方法を比較して
表に示している。また、この表を折れ線グラフにして図
4に示す。
【0030】図3、図4からまず目につくことは、本発
明刷版方法による印刷濃度は従来刷版方法による印刷濃
度に対して高くなるということである。勿論これは、印
刷条件を一致させた場合のことであり、このことそのも
のは、長所でも短所でもないのである。この濃度差が問
題であるならば、インキの粘度を若干調節する等の印刷
条件の変更、原画像の階調変換特性を若干調節する等の
製版条件の変更、または、彫刻を行う場合の階調変換特
性を若干調節する等の刷版条件の変更を行うことができ
る。その変更により、本発明刷版方法による印刷濃度を
従来刷版方法による印刷濃度に近づける、または、従来
刷版方法による印刷濃度を本発明刷版方法による印刷濃
度に近づけることができるのである。前述の印刷条件の
設定に関する若干の相違点とは、このことである。
【0031】上記の若干の相違点とは別に、図3、図4
には、本発明刷版方法による印刷品質と従来刷版方法に
よる印刷品質に関して決定的に重要な相違点が見られ
る。すなわち図3、図4に示すように、従来刷版方法に
よると網点面積率が40〜60%の範囲における特性曲
線は僅かにS字を描いており、網点面積率が45〜55
%の範囲においては、原版(原画像)の網点面積率に対
する印刷濃度の変化は相対的に急峻である。一方、本発
明刷版方法によると網点面積率が40〜60%の範囲に
おける特性曲線は単調で滑らかな増加を示しており、網
点面積率が45〜55%の範囲においては、原版(原画
像)の網点面積率に対する印刷濃度の変化は相対的に緩
やかである。このような特性曲線の違いが、ジャンピン
グの有無に関係することは明らかである。本発明刷版方
法によると、滑らかに濃度が変化する再現が求められる
ような部分、たとえば人物の肌や顔のように、微妙な濃
淡変化が表現において重要である部分において、従来刷
版方法と比較して、決定的に良好な印刷品質を得ること
ができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、網点の
繋がり部分が中間の網点の面積率において、網点の面積
率の増加とともに徐々に増加して行き印刷物における階
調表現を滑らかで理想的なものとすることができるグラ
ビア印刷方法、その印刷方法で使用するグラビア印刷版
およびそのグラビア印刷版で印刷された印刷物が提供さ
れる。また、本発明のグラビア印刷方法の第2の態様に
よれば、平網であるから副凹部が版面に規則的に配列
し、印刷物における階調表現を滑らかにする効果が偏在
せずに得られるとともに、凹部は開口面積率が0.1〜
3%であるから実質的に印刷物に着肉するインキは存在
しない。
【0033】また、本発明のグラビア印刷方法の第3の
態様によれば、版面に形成されて有効に作用する副凹部
の数が多くなることにより、より明確な効果が得られ
る。また、本発明のグラビア印刷方法の第4の態様はに
よれば、副凹部はスクリーン線数が90線/cm以上で
版面に形成されることにより、より明確な効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグラビア印刷の過程を示すフロー図で
ある。
【図2】副凹部形成処理と主凹部形成処理の過程におい
て版面に行われる彫刻形状の模式図である。
【図3】従来刷版方法と本発明刷版方法とをグラビア印
刷版の内の紅版について、印刷濃度値の比較を表として
示す図である。
【図4】図3の表を折れ線グラフにして示した図である
【図5】従来刷版方法と本発明刷版方法によって形成さ
れた各墨版の版面を拡大して示す図である。
【図6】従来刷版方法と本発明刷版方法によって形成さ
れた各藍版の版面を拡大して示す図である。
【図7】従来刷版方法と本発明刷版方法によって形成さ
れた各紅版の版面を拡大して示す図である。
【図8】従来刷版方法と本発明刷版方法によって形成さ
れた各黄版の版面を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1 副凹部 2 主凹部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製版過程と刷版過程と印刷過程とから成る
    グラビア印刷方法であって、 前記製版過程は、印刷版の原画像を生成し、 前記刷版過程は、副凹部形成過程と主凹部形成過程とを
    有し、前記副凹部形成過程は印刷において用紙にインキ
    転移が起きないかまたは極めて少ない非着肉性の副凹部
    を版面に形成し、前記主凹部形成過程は印刷において用
    紙に前記原画像に対応する画像を再現する主凹部を版面
    に形成し、 前記印刷過程は、前記版面を用いて印刷を行う、 ことを特徴とするグラビア印刷方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のグラビア印刷方法におい
    て、前記副凹部は開口面積率が0.1〜3%のグラビア
    の平網であることを特徴とするグラビア印刷方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載のグラビア印刷方法におい
    て、前記平網のスクリーン線数は、前記画像を再現する
    グラビア網点のスクリーン線数と同一またはそれよりも
    大きいことを特徴とするグラビア印刷方法。
  4. 【請求項4】請求項2または3記載のグラビア印刷方法
    において、前記平網のスクリーン線数は90線/cm以
    上であることを特徴とするグラビア印刷方法。
  5. 【請求項5】印刷において用紙にインキ転移が起きない
    かまたは極めて少ない非着肉性の副凹部と、印刷におい
    て用紙に前記原画像に対応する画像を再現する主凹部と
    を版面に有することを特徴とするグラビア印刷版。
  6. 【請求項6】印刷において用紙にインキ転移が起きない
    かまたは極めて少ない非着肉性の副凹部と、印刷におい
    て用紙に前記原画像に対応する画像を再現する凹部とを
    版面に有するグラビア印刷版を用いて印刷して得ること
    を特徴とするグラビア印刷物。
JP15089098A 1998-06-01 1998-06-01 グラビア印刷方法、印刷版および印刷物 Pending JPH11342679A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15089098A JPH11342679A (ja) 1998-06-01 1998-06-01 グラビア印刷方法、印刷版および印刷物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15089098A JPH11342679A (ja) 1998-06-01 1998-06-01 グラビア印刷方法、印刷版および印刷物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11342679A true JPH11342679A (ja) 1999-12-14

Family

ID=15506628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15089098A Pending JPH11342679A (ja) 1998-06-01 1998-06-01 グラビア印刷方法、印刷版および印刷物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11342679A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003080662A (ja) * 2001-09-13 2003-03-19 Dainippon Printing Co Ltd グラビア印刷の印刷不良防止方法及びグラビア印刷版
WO2007040141A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Think Laboratory Co., Ltd. グラビア製版ロール及びその製造方法
JP2008012791A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Toppan Printing Co Ltd グラビア印刷物
WO2012017792A1 (ja) * 2010-08-05 2012-02-09 株式会社シンク・ラボラトリー グラビア印刷版及びグラビア印刷版の製造方法
WO2012083885A1 (zh) * 2010-12-24 2012-06-28 北大方正集团有限公司 用于凹版印刷的加网方法和装置
CN103171243A (zh) * 2011-12-20 2013-06-26 上海运申制版模具有限公司 激光版文字网点处理方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003080662A (ja) * 2001-09-13 2003-03-19 Dainippon Printing Co Ltd グラビア印刷の印刷不良防止方法及びグラビア印刷版
WO2007040141A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Think Laboratory Co., Ltd. グラビア製版ロール及びその製造方法
JP2008012791A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Toppan Printing Co Ltd グラビア印刷物
WO2012017792A1 (ja) * 2010-08-05 2012-02-09 株式会社シンク・ラボラトリー グラビア印刷版及びグラビア印刷版の製造方法
WO2012083885A1 (zh) * 2010-12-24 2012-06-28 北大方正集团有限公司 用于凹版印刷的加网方法和装置
CN102529307A (zh) * 2010-12-24 2012-07-04 北大方正集团有限公司 用于凹版印刷的加网方法和装置
US9182661B2 (en) 2010-12-24 2015-11-10 Peking University Founder Group Co., Ltd. Screening method and apparatus for use in intaglio printing
CN103171243A (zh) * 2011-12-20 2013-06-26 上海运申制版模具有限公司 激光版文字网点处理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0409608B1 (en) Method for offset and similar printing systems
JPH0257066A (ja) 画像の階調変換方法
JPH08262695A (ja) 石版印刷板を準備するための強度変調確率的スクリーニング
JP2889177B2 (ja) コントーン画像から中間調画像を生成するための方法
JPH11342679A (ja) グラビア印刷方法、印刷版および印刷物
JP4680480B2 (ja) ラスタ情報を維持しながらラスタ印刷データを校正する方法及び装置
JP2008006624A (ja) 印刷方法、印刷物及び色版
TW202005817A (zh) 正負式網點混合製版印刷方法
JP2005103889A (ja) グラビア印刷版
JP3026164B2 (ja) グラビア細線印刷版と印刷物
JP4287684B2 (ja) グラビア印刷方法
JPH08262694A (ja) 時間変調確率的スクリーニング
JP2602305B2 (ja) グラビア印刷方法
Kuznetsov Halftoning myths and reality. What is adaptive to what in screening
JP2002316399A (ja) グラビア印刷版およびその作成方法
US4432012A (en) Process for offset conversion to gravure
GB1565380A (en) Halftone printing process and plates
US5793500A (en) Devices and methods for offset and similar printing systems
JP3063367B2 (ja) スクリーンレス印刷用刷版作成法及びそれを用いたスクリーンレス印刷物
JPH0131180B2 (ja)
JP2841477B2 (ja) グラビア印刷方法
JP2002211097A (ja) 複数のスクリーン線数を用いる網点生成処理方法
JP2001088422A (ja) 印刷方法
JPH068067B2 (ja) 画像複製物
BE853260A (nl) Werkwijze voor het produceren van rasterloze drukcliches en volgens deze werkwijze bekomen drukcliches

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050531

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070413

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070418

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070810