JPH11342419A - プレスロール穿孔機によるクラッド鋼管の製造方法 - Google Patents
プレスロール穿孔機によるクラッド鋼管の製造方法Info
- Publication number
- JPH11342419A JPH11342419A JP14733498A JP14733498A JPH11342419A JP H11342419 A JPH11342419 A JP H11342419A JP 14733498 A JP14733498 A JP 14733498A JP 14733498 A JP14733498 A JP 14733498A JP H11342419 A JPH11342419 A JP H11342419A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 プレスロール穿孔機によるクラッド鋼管の圧
延において、内面疵を防止する圧延法を提供する。 【解決手段】 矩形断面鋼片に設けた鋼片全長に渡る貫
通孔の中に内管を挿入した後、少なくとも圧延機に噛込
む側の端面の鋼片と内管の境界部を接合したビレットを
プレスロール穿孔機にて圧延するクラッド鋼管の製造に
おいて、圧延機に噛込む側の内管内に潤滑剤を供給して
圧延する方法。
延において、内面疵を防止する圧延法を提供する。 【解決手段】 矩形断面鋼片に設けた鋼片全長に渡る貫
通孔の中に内管を挿入した後、少なくとも圧延機に噛込
む側の端面の鋼片と内管の境界部を接合したビレットを
プレスロール穿孔機にて圧延するクラッド鋼管の製造に
おいて、圧延機に噛込む側の内管内に潤滑剤を供給して
圧延する方法。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレスロール穿孔
機を用いてクラッド鋼管を製造する場合の内面潤滑方法
に関するものである。
機を用いてクラッド鋼管を製造する場合の内面潤滑方法
に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、石油および天然ガス井用の鋼管と
しては、一般に炭素鋼、低合金鋼が用いられているが、
近年、資源の枯渇からＨ2 ＳやＣＯ2 など腐食性の強い
成分を含む石油および天然ガス井の開発も盛んに行われ
るようになった。特に、Ｈ2 Ｓを多量に含む環境では、
オーステナイトステンレス鋼、二相ステンレス鋼、ある
いは高Ｎｉ合金が用いられるが、それらは高価であり、
耐力が比較的低いため、炭素鋼とそれらを張り合わせた
クラッド鋼管のニーズが高まりつつある。
しては、一般に炭素鋼、低合金鋼が用いられているが、
近年、資源の枯渇からＨ2 ＳやＣＯ2 など腐食性の強い
成分を含む石油および天然ガス井の開発も盛んに行われ
るようになった。特に、Ｈ2 Ｓを多量に含む環境では、
オーステナイトステンレス鋼、二相ステンレス鋼、ある
いは高Ｎｉ合金が用いられるが、それらは高価であり、
耐力が比較的低いため、炭素鋼とそれらを張り合わせた
クラッド鋼管のニーズが高まりつつある。
【０００３】本発明者らは、プレスロール穿孔機を用い
たクラッド鋼管の圧延法を開発しているが、それは、矩
形断面鋼片に設けた鋼片全長に渡る貫通孔の中に内管を
挿入した後、少なくとも圧延機に噛込む側の端面の鋼片
と内管の境界部を接合したビレットをプレスロール穿孔
機にて圧延するものである。この穿孔機で使用されるプ
ラグは、３％Ｃｒ−１Ｎｉ系低合金鋼材質が使用され、
断熱性を確保するため、熱処理により表層にＦｅ
3 Ｏ4 ，ＦｅＯ等の酸化スケールを形成させる処理が施
される。プレスロール穿孔機によるクラッド鋼管の圧延
においては、オーステナイトステンレス鋼や高Ｎｉ合金
などの難加工性の材料を内管に用いると、プラグ表面の
酸化スケールが早期に磨滅し、焼き付き起因の内面疵が
発生することがある。ところが、プレスロール穿孔機に
よるクラッド鋼管の圧延においては、内面疵を防止する
ための有効な対策がなかったのが実状である。
たクラッド鋼管の圧延法を開発しているが、それは、矩
形断面鋼片に設けた鋼片全長に渡る貫通孔の中に内管を
挿入した後、少なくとも圧延機に噛込む側の端面の鋼片
と内管の境界部を接合したビレットをプレスロール穿孔
機にて圧延するものである。この穿孔機で使用されるプ
ラグは、３％Ｃｒ−１Ｎｉ系低合金鋼材質が使用され、
断熱性を確保するため、熱処理により表層にＦｅ
3 Ｏ4 ，ＦｅＯ等の酸化スケールを形成させる処理が施
される。プレスロール穿孔機によるクラッド鋼管の圧延
においては、オーステナイトステンレス鋼や高Ｎｉ合金
などの難加工性の材料を内管に用いると、プラグ表面の
酸化スケールが早期に磨滅し、焼き付き起因の内面疵が
発生することがある。ところが、プレスロール穿孔機に
よるクラッド鋼管の圧延においては、内面疵を防止する
ための有効な対策がなかったのが実状である。
【０００４】一方、傾斜圧延機によるクラッド鋼管の製
造は、外管に内管を密着嵌合させた後、外管と内管の端
面を溶接して固定した素材を用い、圧延によりクラッド
鋼管にするものである。この方法においてもオーステナ
イトステンレス鋼や高Ｎｉ合金などの難加工性の材料を
内管に用いた場合、傾斜圧延にて内面に割れや疵が発生
することがある。この問題を解決するため、特開平４−
１８２０１０号公報においては、加熱前の合材管（内
管）の内面に、実質的に水ガラスからなる潤滑剤を塗布
する方法が述べられている。
造は、外管に内管を密着嵌合させた後、外管と内管の端
面を溶接して固定した素材を用い、圧延によりクラッド
鋼管にするものである。この方法においてもオーステナ
イトステンレス鋼や高Ｎｉ合金などの難加工性の材料を
内管に用いた場合、傾斜圧延にて内面に割れや疵が発生
することがある。この問題を解決するため、特開平４−
１８２０１０号公報においては、加熱前の合材管（内
管）の内面に、実質的に水ガラスからなる潤滑剤を塗布
する方法が述べられている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た方法は、内面側の工具としてマンドレルバーを使用す
る場合には有効であるが、潤滑剤を内面に塗布するため
大掛かりな装置が必要である。更に、実質的に水ガラス
からなる潤滑剤をスケール付けしたプラグに適用する
と、プラグ表面に付与したスケールが溶融し、プラグ損
傷による内面疵が発生するためプレスロール穿孔機への
適用は困難である。
た方法は、内面側の工具としてマンドレルバーを使用す
る場合には有効であるが、潤滑剤を内面に塗布するため
大掛かりな装置が必要である。更に、実質的に水ガラス
からなる潤滑剤をスケール付けしたプラグに適用する
と、プラグ表面に付与したスケールが溶融し、プラグ損
傷による内面疵が発生するためプレスロール穿孔機への
適用は困難である。
【０００６】本発明はこのような事情を鑑みてなされた
もので、プレスロール穿孔機によるクラッド鋼管の圧延
において、内面疵を防止する圧延法を提供することを目
的とする。
もので、プレスロール穿孔機によるクラッド鋼管の圧延
において、内面疵を防止する圧延法を提供することを目
的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたもので、矩形断面鋼片に設けた鋼
片全長に渡る貫通孔の中に内管を挿入した後、少なくと
も圧延機に噛込む側の端面の鋼片と内管の境界部を接合
したビレットをプレスロール穿孔機にて圧延するクラッ
ド鋼管の製造において、圧延機に噛込む側の内管内に潤
滑剤、好ましくは、Ｆｅ2 Ｏ3 等の酸化鉄を主体とし、
重量％で１５％のガラスを含む潤滑剤、を供給して圧延
するクラッド鋼管の製造方法である。
成するためになされたもので、矩形断面鋼片に設けた鋼
片全長に渡る貫通孔の中に内管を挿入した後、少なくと
も圧延機に噛込む側の端面の鋼片と内管の境界部を接合
したビレットをプレスロール穿孔機にて圧延するクラッ
ド鋼管の製造において、圧延機に噛込む側の内管内に潤
滑剤、好ましくは、Ｆｅ2 Ｏ3 等の酸化鉄を主体とし、
重量％で１５％のガラスを含む潤滑剤、を供給して圧延
するクラッド鋼管の製造方法である。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明による圧延法について以下
に詳細に説明する。プレスロール穿孔機による圧延で
は、図１に示すようにプラグと被圧延材が円周方向に全
面接触し、隙間ができないことに着目し潤滑剤の適用方
法を検討した結果、圧延材の全内表面に予め潤滑剤を塗
布しなくても、圧延機に噛み込む側の内管の中に潤滑剤
を挿入することで、プラグと被圧延材の間に潤滑剤が補
足され、被圧延材の全長に渡り潤滑が可能であることを
見出した。
に詳細に説明する。プレスロール穿孔機による圧延で
は、図１に示すようにプラグと被圧延材が円周方向に全
面接触し、隙間ができないことに着目し潤滑剤の適用方
法を検討した結果、圧延材の全内表面に予め潤滑剤を塗
布しなくても、圧延機に噛み込む側の内管の中に潤滑剤
を挿入することで、プラグと被圧延材の間に潤滑剤が補
足され、被圧延材の全長に渡り潤滑が可能であることを
見出した。
【０００９】一方、傾斜圧延機による圧延では、図２に
示すようにプラグと被圧延材との間に、円周方向に隙間
があるため、圧延機に噛み込む側にのみ潤滑剤を供給す
る方法では、プラグと被圧延材の隙間より潤滑剤が圧延
材に付着した状態で、圧延と共にプラグの後端方向へと
逃げて行くため、プラグ表面に潤滑剤を補足することが
困難である。
示すようにプラグと被圧延材との間に、円周方向に隙間
があるため、圧延機に噛み込む側にのみ潤滑剤を供給す
る方法では、プラグと被圧延材の隙間より潤滑剤が圧延
材に付着した状態で、圧延と共にプラグの後端方向へと
逃げて行くため、プラグ表面に潤滑剤を補足することが
困難である。
【００１０】本発明に用いる潤滑剤としては、プラグに
付与されたスケールを溶融させる可能性が低くかつ断熱
性および潤滑性に優れるＦｅ2 Ｏ3 等の酸化鉄を主体と
し、重量％で１５％のガラスを含んだ潤滑剤が望まし
い。次に、潤滑剤の内管内への挿入にあたっては、アル
ミ箔で潤滑剤を包み、円柱状に成形することで、内管内
へ容易に供給可能である。
付与されたスケールを溶融させる可能性が低くかつ断熱
性および潤滑性に優れるＦｅ2 Ｏ3 等の酸化鉄を主体と
し、重量％で１５％のガラスを含んだ潤滑剤が望まし
い。次に、潤滑剤の内管内への挿入にあたっては、アル
ミ箔で潤滑剤を包み、円柱状に成形することで、内管内
へ容易に供給可能である。
【００１１】
【実施例】＜実施例１＞中心に直径３９mmの穴のあいた
一辺が８０mm、長さ７００mmの炭素鋼正方形鋼片に、外
径３７．５mm、肉厚６mm、長さ７００mmのＩＮＣＯＬＯ
Ｙ８２５の内管を挿入した。被圧延材を１２５０℃に加
熱後、プレスロール穿孔機にて外径９３mm、肉厚２３mm
に圧延した。その際に、Ｆｅ2 Ｏ3 を重量％で８５％含
み、残部がガラスからなる潤滑剤５０ｇをアルミ箔で包
み、圧延機に噛み込む側の内管の内表面に圧延直前に挿
入した。比較として、潤滑剤を使用しないで圧延を行っ
た。圧延後クラッド鋼管を半割りし、内表面を観察した
結果、潤滑剤を使用した本発明方法の場合には、良好な
内表面を得ることができたが、本発明によらず潤滑剤を
使用しなかった方法の場合には、プラグ焼き付き起因の
内面疵が発生してクラッド鋼管としての商品価値が半減
するものしか得られなかった。
一辺が８０mm、長さ７００mmの炭素鋼正方形鋼片に、外
径３７．５mm、肉厚６mm、長さ７００mmのＩＮＣＯＬＯ
Ｙ８２５の内管を挿入した。被圧延材を１２５０℃に加
熱後、プレスロール穿孔機にて外径９３mm、肉厚２３mm
に圧延した。その際に、Ｆｅ2 Ｏ3 を重量％で８５％含
み、残部がガラスからなる潤滑剤５０ｇをアルミ箔で包
み、圧延機に噛み込む側の内管の内表面に圧延直前に挿
入した。比較として、潤滑剤を使用しないで圧延を行っ
た。圧延後クラッド鋼管を半割りし、内表面を観察した
結果、潤滑剤を使用した本発明方法の場合には、良好な
内表面を得ることができたが、本発明によらず潤滑剤を
使用しなかった方法の場合には、プラグ焼き付き起因の
内面疵が発生してクラッド鋼管としての商品価値が半減
するものしか得られなかった。
【００１２】
【発明の効果】本発明により、プレスロール穿孔機にて
クラッド鋼管を圧延する場合、良好な内面性状を有する
クラッド鋼管を得ることが可能である。
クラッド鋼管を圧延する場合、良好な内面性状を有する
クラッド鋼管を得ることが可能である。
【図１】（ａ）はプレスロール穿孔機による圧延の概略
図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ断面図。
図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ断面図。
【図２】（ａ）は傾斜圧延機による圧延の概略図、
（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ断面図。
（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ断面図。
１…プレスロール穿孔機のロール ２…被圧延材 ３…プレスロール穿孔機のプラグ ４…プレスロール穿孔機のプラグ支持用マンドレルバー ５…傾斜圧延機のロール ６…傾斜圧延機のプラグ ７…被圧延材 ８…傾斜圧延機のプラグ支持用マンドレルバー ９…傾斜圧延機のガイドシュー
Claims (2)
- 【請求項１】 矩形断面鋼片に設けた鋼片全長に渡る貫
通孔の中に内管を挿入した後、少なくとも圧延機に噛込
む側の端面の鋼片と内管の境界部を接合したビレットを
プレスロール穿孔機にて圧延するクラッド鋼管の製造に
おいて、圧延機に噛込む側の内管内に潤滑剤を供給して
圧延することを特徴とするクラッド鋼管の製造方法。 - 【請求項２】 前記潤滑剤が、Ｆｅ2 Ｏ3 等の酸化鉄を
主体とし、重量％で１５％のガラスを含むことを特徴と
する請求項１記載のクラッド鋼管の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14733498A JPH11342419A (ja) | 1998-05-28 | 1998-05-28 | プレスロール穿孔機によるクラッド鋼管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14733498A JPH11342419A (ja) | 1998-05-28 | 1998-05-28 | プレスロール穿孔機によるクラッド鋼管の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11342419A true JPH11342419A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=15427838
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14733498A Withdrawn JPH11342419A (ja) | 1998-05-28 | 1998-05-28 | プレスロール穿孔機によるクラッド鋼管の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11342419A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8161620B2 (en) * | 2003-07-09 | 2012-04-24 | Technische Universität Dresden | Annular composite workpieces and a cold-rolling method for producing said workpieces |
| WO2013175486A1 (en) * | 2012-03-13 | 2013-11-28 | Innoventive Industries Ltd | Method for producing "bi-metal" (ferrous/non-ferrous) tube |
| CN106140866A (zh) * | 2016-07-19 | 2016-11-23 | 王琴 | 精密无缝微孔铜管的加工制造方法 |
| CN110449478A (zh) * | 2019-07-26 | 2019-11-15 | 安徽鑫旭新材料有限公司 | 一种铜***密冷挤压成型模具 |
-
1998
- 1998-05-28 JP JP14733498A patent/JPH11342419A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8161620B2 (en) * | 2003-07-09 | 2012-04-24 | Technische Universität Dresden | Annular composite workpieces and a cold-rolling method for producing said workpieces |
| WO2013175486A1 (en) * | 2012-03-13 | 2013-11-28 | Innoventive Industries Ltd | Method for producing "bi-metal" (ferrous/non-ferrous) tube |
| CN106140866A (zh) * | 2016-07-19 | 2016-11-23 | 王琴 | 精密无缝微孔铜管的加工制造方法 |
| CN110449478A (zh) * | 2019-07-26 | 2019-11-15 | 安徽鑫旭新材料有限公司 | 一种铜***密冷挤压成型模具 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050802 |