JPH11338307A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JPH11338307A
JPH11338307A JP14675398A JP14675398A JPH11338307A JP H11338307 A JPH11338307 A JP H11338307A JP 14675398 A JP14675398 A JP 14675398A JP 14675398 A JP14675398 A JP 14675398A JP H11338307 A JPH11338307 A JP H11338307A
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lubricant
image
image carrier
image forming
ptfe
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JP14675398A
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English (en)
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Akiyo Nakajima
章代 中嶋
Shigeto Kojima
成人 小島
Hiroshi Nagame
宏 永目
Hirota Sakon
洋太 左近
Ryuta Takechi
隆太 武市
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常に適量の潤滑剤供給を行い、良好な画像形
成を行う方法と、長期にわたり像担持体を高耐久で高安
定に使用し、長期にわたって良好な画像を得られる画像
形成方法と画像形成装置を提供する。 【解決手段】 像担持体11上に形成された静電潜像に
トナーを付着させて可視像とする現像工程と、像担持体
上に形成されたトナー像を記録材18に移動し付着させ
る転写工程と、像担持体に潤滑剤28を供給する潤滑剤
供給工程を有する画像形成方法において、潤滑剤にフッ
素樹脂の圧縮成形体を用いて像担持体の表面に現像層2
9を形成して表面摩擦係数を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ等の画像形成方法及び画像形成装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】トナー像が形成される感光体に代表され
る像担持体の表面の摩耗を防ぐために、像担持体の表面
層または保護層にフッ素樹脂粉体を含有させる方法が、
特開平6−230590号公報で提案されている。しか
し、この方法では、フッ素樹脂粉体の分散性、凝集性に
問題があり、像担持体の表面に均一で平滑な膜形成をす
ることが困難である。このため得られた表面層には画像
ムラやピンホール等の画像欠陥を有することが多かっ
た。フッ素樹脂粉体は結着剤微粒子に分散されており、
初期状態では像担持体の表面に出ていないため、結着剤
の表面摩擦係数がそのまま像担持体の表面摩擦係数にな
っており、フッ素樹脂粉体による効果が見られないとい
った短所がある。
【0003】そこで、このような問題の1つの解決手段
として、像担持体の表面に潤滑剤を供給して像担持体の
表面摩擦係数を低減させる方法が近年試みられ、その一
例として特開平8−95455号公報では、潤滑剤を付
与部材を介して像担持体の表面に供給している。一般に
潤滑剤は、各種ワックスや脂肪酸金属塩等からなる固体
や粉体であることが多い。
【0004】近年、複写機、ファクシミリ、プリンタに
代表される画像形成装置のパーソナル化が進む中、電子
写真方法を主に用いたこれら画像形成装置の小型化及び
高耐久性(メンテナンスフリー化)や、装置の高安定
化、並びに低コスト化が要求されている。そこで、画像
形成装置の中には小型化、低コスト化を図るため、像担
持体として小径薄膜の感光体が用いられるものがある。
さらに、トナーまたは現像剤中にフッ素樹脂を内添また
は外添させる方法も数多く知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】像担持体の表面に潤滑
剤を供給する場合では、潤滑剤として用いられている物
質が、各種ワックスや脂肪酸金属塩等からなる固体や粉
体であるため、非常に温度の影響を受けやすい。このた
め、温度により流動性が変化して像担持体上に均一に塗
付することが難しい。潤滑剤の塗布量が過剰に塗布され
ると地肌部の付着トナーが増加したり、画像部の文字の
付着量が低下するという不具合が生じ、地肌汚れとなっ
て画質が低下する。従来の潤滑剤は柔らかく摩耗しやす
いため、塗布量が少なすぎるとフィルミング層や黒斑点
の原因となるトナー中の微粉末が像担持体に付着するの
を防止するという効果を持続させることが困難である。
また、塗布量が少量で均一塗布ができないとムラがで
き、異物が付着してクリーニング手段の一例であるクリ
ーニングブレードの巻き込みを起こすおそれもある。
【0006】成形前の潤滑剤中に粘着性を高める添加剤
を加える方法も取られているが、それでも上記不具合点
を完全に阻止するのは困難であるばかりか、不具合を防
止するために加える添加剤の材質の選択や成形時の温度
管理等が難しいため、コストが高くなってしまうといっ
た問題点があった。
【0007】像担持体を小径薄膜とすると、薄膜がゆえ
に長期間使用した時の表面の削れが問題となる。トナー
または現像剤中にフッ素樹脂を内添または外添させる方
法では、トナーの帯電量が減少し、目標とするトナー量
を像担持体上に供給することができず、良質な画像を得
られにくいという点が問題となる。
【0008】このような方法を適用された画像形成装置
における、像担持体上に残留したトナーを清掃するクリ
ーニング部材では次のような問題点がある。像担持体上
に潤滑剤が添加される場合では、潤滑剤供給によって像
担持体とクリーニング部材との摩擦係数が低下する。一
般に像担持体の寿命を決定する原因として、像担持体の
感光層の摩耗量が一定量削れてしまうことが挙げられ
る。これは摩耗により像担持体の電気特性が変化してし
まい、所定の作像プロセスが行えなくなってしまうため
である。この摩耗は作像プロセスにおいて、像担持体と
接触する他の手段との接触部位全てで発生するが、特に
問題となるのはクリーニング部材に、像担持体に残留す
るトナー粒子を力学的に除去するブレードを用いた場合
である。他の手段による摩耗はあるものの、実質寿命に
影響するほどではない。また、クリーニング部材にブレ
ードを用いると、像担持体とブレードに発生するせん断
力による摩耗や、ブレードが像担持体との間に挟まれて
砥石のような働きをしてざらつき摩耗が発生してしまう
という問題がある。
【0009】本発明は、常に適量の潤滑剤供給を行い、
像担持体の摩耗を抑えて良好な画像形成を行う方法と、
像担持体を高耐久で高安定に使用して長期にわたり良好
な画像を得られる画像形成装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的達成のた
め、請求項1記載の発明では、像担持体に供給する潤滑
剤にフッ素樹脂の圧縮成形体を用いて、フッ素樹脂の欠
点である柔らかさを補って強度を向上させている。この
ため像担持体への潤滑剤の供給の転移性を確保しなが
ら、潤滑剤の耐久性が向上する。
【0011】請求項2記載の発明では、潤滑剤として低
分子量のフッ素樹脂を含有した圧縮成形体を用いてお
り、低分子量のフッ素樹脂を含有させない圧縮成形体に
比べて、像担持体へのフッ素転移性をより良好としてい
る。
【0012】請求項4記載の発明では、フッ素樹脂また
は低分子量のフッ素樹脂を含有した圧縮成形体からなる
潤滑剤を像担持体に供給する潤滑剤供給工程を、像担持
体上に残留したトナーを取り除くクリーニング工程の前
で行い、潤滑剤によってクリーニング部材による像担持
体の摩耗を低減すると共に、像担持体に供給された潤滑
剤をクリーニング部材の圧接力によって像担持体に強く
付着させている。
【0013】請求項5記載の発明では、像担持体に接触
可能に設けられた付与部材を介してフッ素樹脂または低
分子量のフッ素樹脂を含有した圧縮成形体から潤滑剤を
像担持体上に間接的に供給して、像担持体と潤滑剤との
硬度や位置を考慮しなくてもよくして、適量の潤滑剤を
像担持体に供給可能としている。
【0014】請求項6記載の発明では、フッ素樹脂を含
有した圧縮成形体からなる潤滑剤と、この潤滑剤を像担
持体に供給する潤滑剤付与手段とを有し、像担持体にこ
の圧縮成形体から潤滑剤を供給して、潤滑剤の転移性及
び像担持体への供給量を調節可能としている。
【0015】請求項7記載の発明では、潤滑剤付与手段
に、潤滑剤と像担持体とに接触する付与部材と、この付
与部材よりも像担持体の回転方向の下流側に配置され、
同像担持体と摺接可能に設けられた摺接部材とを設け、
潤滑剤を付与部材を介して間接的に像担持体に供給する
と共に、供給された潤滑剤を摺接部材によって像担持体
により強く付着するように構成している。
【0016】請求項8記載の発明では、潤滑剤付与手段
に、付与部材と潤滑剤とに接触する中間部材を設け、像
担持体に対して間接的に潤滑剤を供給可能としながら、
像担持体と潤滑剤の硬度や位置を考慮しなくてもよくし
て、適量の潤滑剤を供給可能としている。
【0017】請求項3、9記載の発明では、フッ素樹脂
としてポリテトラフルオロエチレンを用いることで、一
般の成形品よりも軟らかくでき、像担持体へのフッ素成
分の移着をより起こりやすくしている。さらに、この材
料を用いると、焼成時の分解ガスがほとんど発生しない
ため、圧縮成形体の内部にボイドができにくくなって、
剛性を高められると共に、一般の成形品よりも製造にか
かる時間が短縮される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、像担持体とその周りの
部材との間の摩擦による像担持体の摩耗及びその表面の
膜厚削れを低減させる手段や、像担持体の表面摩擦係数
を低減させる方法や、像担持体に供給する潤滑剤の強度
および像担持体への転移性に着目した。それは以下の理
由によるものである。電子写真プロセスにおいては、像
担持体の周囲に多数の部材が接触している。中でも最も
像担持体の表面の削れに寄与が大きいのは機械的クリー
ニングを行うブレードだとされている。また、像担持体
の摩耗を決定する要因として、像担持体の構造上の強
さ、ブレードの当接圧、トナー粒子の組成、像担持体の
表面摩擦係数等が挙げられる。
【0019】薄膜の像担持体の摩擦係数低減方法を述べ
る。像担持体の表面特性維持のための潤滑剤供給や像担
持体特性保護のために各種安定化剤の供給を行うことに
より、感光層の摩耗や像担持体特性劣化を抑制すること
ができ、高耐久な画像形成装置となる。
【0020】潤滑剤付与手段を用いて潤滑剤を塗布して
像担持体の表面の摩擦係数を低減すると、第1に不要な
トナー付着を防止でき地肌汚れのない画像が得られる。
第2に潤滑剤の塗布及び掻き取りが行われることにより
像担持体の表面が常にリフレッシュされ、像担持体の寿
命が延び、特に電子写真方式の画像形成装置自体の寿命
も長くなりコストダウンできる。第3に非画像部に付着
するトナー量を減少させることができるので、トナーの
有効活用、省資源化が達成できるという利点が得られ
る。
【0021】本発明では潤滑剤としてフッ素樹脂に着目
した。フッ素樹脂は耐熱性、耐薬品性に優れ、非粘着
性、低摩擦性を持っている。本発明の目的である低摩擦
性を付与する材料としては最適である。通常フッ素樹脂
は、これと接触する摩擦相手材よりも柔らかいため、滑
り方向への転移が容易に起こる。摩擦相手材への転移は
表面の分子の配向と剥離の開始、摩擦熱による相転移と
膨れ、そして完全な剥離という過程を経る。フッ素樹脂
の中でもポリテトラフルオロエチレンは、あらゆる固体
中で最も低い摩擦係数を有する物質であり特に有効であ
る。
【0022】本発明では、フッ素樹脂が摩擦相手材料に
転移しやすいという性質に着目し、この転移を利用して
像担持体上にフッ素(潤滑剤)供給を行い、像担持体を
長寿命化する方法を提案している。
【0023】本発明では、潤滑剤としてポリテトラフル
オロエチレンの圧縮成形体を用いることにより、潤滑剤
に強度を与えられ、適正量の潤滑剤供給を像担持体に行
うことができ、像担持体を長寿命化して良好な画像を得
られる。なお本発明は、画像形成分野に限らず、各種部
材の表面摩擦係数を低減化させる分野に応用することも
できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。図1は本発明を適用した電子写真方式を
利用した画像形成装置である。この画像形成装置の概略
構成と動作を最初に説明する。画像形成装置は、像担持
体としてドラム状の感光体11を図1において時計方向
に回転駆動して、感光体11を帯電手段12で一様に帯
電した後、光書込部13により画像データで変調された
レーザーを照射して感光体11に静電潜像を形成してい
る。静電潜像の形成された感光体11には、現像手段1
4を構成する現像ユニット17内から現像ローラ16に
よって現像剤15のトナーが付着されて可視像化する現
像工程が行われて静電潜像が現像される。画像形成装置
は、現像手段14よりも感光体11の回転方向の下流側
で、同感光体11に対向配置された転写手段19との間
に転写部27を形成し、この転写部27で、現像手段1
4でトナーを付着されてトナー画像を形成された感光体
11から、転写部27に搬送されてきた記録材となる記
録紙18にトナー像を移動付着させて転写する転写工程
が行われる。転写手段19は、駆動ローラ21aと従動
ローラ21b、及び両ローラに巻きかけられた転写搬送
ベルト20を備え、トナー画像の転写された記録紙18
を定着ローラ22と加熱ローラ23を備えた定着手段2
4に搬送する。記録紙18は、定着手段24で加熱・加
圧されてトナー画像を定着された後、図示しない排紙ト
レー上に排出される。
【0025】転写部27でトナー画像を記録紙18に転
写した感光体11は、時計方向に回転して、除電部25
で除電された後、感光体11の表面に圧接するクリーニ
ング部材となるクリーニングブレード26で感光体11
の表面に残留するトナーを掻き落とされて除去するクリ
ーニング工程が行われる。クリーニングされた感光体1
1は、帯電部12で再び一様に帯電された後、上記同様
に次の画像形成が行われる。除電部25とクリーニング
ブレード26の間には、フッ素樹脂を含有した圧縮成形
体の潤滑剤28を感光体11に供給する潤滑剤付与手段
30が配置されている。
【0026】次に像担持体の表面摩擦係数の測定方法で
あるオイラーベルト法について説明する。オイラーベル
ト法とは、紙と像担持体との間の摩擦係数を測定する方
法である。具体的な装置を図2に示す。ベルト2は、3
0mm×250mmの中厚上質紙(#6200ペーパー
(T目))の紙片とし、両端にフックを取り付け、一方
に荷重5(100g)をかけ、もう一方にデジタルフォ
ースゲージ1と連結されている。ここでは、像担持体と
して円筒の感光体3を用いてこれを支持台4で固定し
て、ベルト2をその外周面に接触させて90°方向に該
フォースゲージを引っ張り、ベルト2が移動開始した時
点の値Fを読み取り、式に代入して像担持体の表面摩
擦係数μを算出した。
【0027】μ=ln(F/W)/(π/2)… F:デジタルフォースゲージが示した値 W:荷重(g重)(この実験では100) 一般的に実際に潤滑剤を使用しない場合の有機像担持体
(未使用時感光体)の表面摩擦係数は0.5〜0.6程
度であり、電子写真方式における複写プロセスを用いた
後では0.6〜0.7程度に上昇する。このため、クリ
ーニングブレードによる摺擦圧が上昇し、ブレード鳴き
や、像担持体摩耗が促進される可能性が増加する。摩擦
係数が0.1以下になった場合、耐摩耗性は向上し、ク
リーニング性が向上することが期待できる。しかしなが
ら、潤滑剤が像担持体上に必要以上に付着し滑り過ぎる
と、現像剤またはトナーの滑りを生じて、文字エッジが
かすれた状態になる。一見解像度が向上したように見え
るが、シャープ性が悪くなり、ハーフトーン画像につい
ても均一性が希薄になりガサついた画像となる。従っ
て、摩擦係数は低ければ低いほど良いということにはな
らない。つまり摩擦係数が0.1以下であると画像品質
の低下が起こりやすくなるため、摩擦係数の好適範囲は
0.4以下、更に好ましくは0.1〜0.3の範囲にあ
ることが望ましい。
【0028】本実施例では、この範囲を達成すべく図1
に示す感光体11に潤滑剤付与手段30を用いて潤滑剤
28を供給する潤滑剤供給工程を行う。潤滑剤28とな
るフッ素樹脂について詳細に説明する。一般的にフッ素
樹脂とは分子中にフッ素原子を含有する合成高分子のこ
とであり、通常ポリテトラフルオロエチレン(四ふっ化
エチレン樹脂:略称PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(四
ふっ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重
合樹脂:略称PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体(四ふっ化エチレン・6
ふっ化プロピレン共重合樹脂:略称FEP)、テトラフ
ルオロエチレンーエチレン共重合体(四ふっ化エチレン
・エチレン共重合樹脂:E/TFE)、ポリビニリデン
フルオライド(ふっ化ビニリデン樹脂:PVDF)、ポ
リクロロトリフルオロエチレン(三ふっ化塩化エチレン
樹脂:略称PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン
−エチレン共重合体(三ふっ化塩化エチレン・エチレン
共重合樹脂:略称E/CTFE)、テトラフロオエチレ
ン−パーフロロジメチルジオキソール共重合樹脂(略称
TFE/PDD)、ポリビニルフルオライド(ふっ化ビ
ニル樹脂:略称PVF)の9種類を指す。以下、フッ素
樹脂の具体的材量名については略称で記載する。
【0029】フッ素樹脂は、表面摩擦係数が低いものが
多い。これは第1にフッ素分子の分極率が小さいため含
フッ素化合物の分子間凝集エネルギーが低いこと、第2
に構造的に分子鎖表面が滑らかなこと、第3に配向によ
って摩擦抵抗が緩和されること等によると考えられる。
上述のようにフッ素樹脂は分子間凝集力が弱いという特
徴があるために、別の部材に付着しやすい。更に一般的
にフッ素樹脂は耐熱性、耐薬品性に優れ、電気絶縁性が
良好であるという特徴を持つ。
【0030】フッ素樹脂の中でも、特に本発明ではPT
FEを選択した。これはPTFEの摩擦係数が0.04
で、あらゆる固体の中で最も低いからである。これはP
TFEが(−CF2−CF2−)nという炭素原子鎖を骨格
としてその周囲をフッ素原子が取り巻いている構造のた
めである。つまりPTFEは、極めて強固なC−F結合
及びフッ素原子によって強化されたC−C結合からなる
線状高分子であり、対称構造を持っているため、耐熱
性、耐薬品性、誘電特性が優れている。その上、炭素原
子鎖の骨格を取り巻く原子が比較的大きなフッ素原子で
あるために、隙間なく取り囲まれていてシリンダー状に
近い分子構造をとっている。そのため分子表面は凹凸が
なく滑らかで、分子は屈曲性に乏しく剛直である。この
ため、感光体11の表面に供給されると潤滑層29とな
り、感光体11の表面摩擦係数が非常に低くなる。この
ためクリーニングブレード26が圧接した状態で摺接し
ても、他のフッ素樹脂を用いる場合よりも遥かに感光体
11の摩耗を低減することができる。
【0031】PTFEの短所として硬度が柔らかすぎる
ことが挙げられる。これはPTFEの結晶における分子
間凝集力が他の高分子に比べて小さいためである。従っ
て実用的な機械的強度を持たせるためには、剛直なCF
2鎖が互いに絡み合う程度に長くなければならない。そ
のためPTFEは極めて大きな分子量を持つ。PTFE
ではその低い分子間凝集力と棒状構造のため、実用的な
機械強度を高分子量化による分子間の絡みに依存してい
る。
【0032】上述の強度を持たせるためにPTFEに充
填剤を入れる処方がある。充填剤を入れると純物質より
も第1に硬度が高く弾性係数が増す、第2に耐圧縮性、
耐クリープ性が良い、第3に高温特性が優れて熱膨張係
数が低い、第4に耐摩耗性が良く、熱伝導率が大きいな
ど摩擦特性が優れるという長所が得られる。
【0033】従って、耐摩耗性が要求される本発明に
は、充填剤入りPTFEを用いても有効である。各種充
填剤は単独または複数同時に用いられる。充填剤として
は、グラスファイバー、カーボンファイバー、グラファ
イト、二硫化モリブデン、ブロンズ、珪酸アルミ、滑
石、金属酸化物等の無機充填剤、ポリイミド樹脂、芳香
族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂等の有機耐熱性ポリマーも用いられる。これら充填剤
を用いると、感光体11の耐摩耗性以外にも耐クリープ
性、曲げ弾性率、硬さ、熱伝導度、線膨張率等が改善で
きる。
【0034】本実施例において、感光体11の表面摩擦
係数を低減して、感光体11の長寿命化を行うにあた
り、潤滑剤としてPTFEを選択した理由は以下の通り
である。PTFEは上述のように非常に柔らかい物質で
あり、また分子間凝集力が小さくPTFE分子間で滑り
が起こり易い。異種材料と摺動させて摩擦が起こる場合
には、相手材に摩耗したPTFEが供給されてPTFE
の移着が容易に起こる。この効果により相手材表面、す
なわち、感光体11の表面に潤滑層(PTFE層)29
が形成され、そこに生じる摩擦がPTFE同士の摩擦に
置き換えられて摩擦係数が低減する。このことは摺動状
態において多くの材料とPTFE間の摩擦抵抗が低いこ
との一要因として知られている。そしてPTFEの移着
が生じた後、PTFE同士の摩擦になった後はPTFE
の摩耗が低下する。これはPTFE同士の摩擦係数が極
端に小さいため、PTFE間に生じるせん断力が低下
し、摩耗が減少するためである。このため図1に示すよ
うにPTFEの圧縮成型体から成る潤滑剤28を感光体
11に接触させると、PTFEが感光体11への移着し
て潤滑層29が形成された後、PTFEの塗布量が自動
的に制限されることとなる。これにより必要以上の潤滑
剤28の塗布が抑えられるという効果を得られる。
【0035】PTFEの種類について説明する。PTF
Eには加工用や用途別に多くの品種があるが、成形用粉
末としてはモールディングパウダー(以下MP)とファ
インパウダー(以下FP)の2種類がある。いずれも通
常、他の熱可塑性樹脂のような溶融加工でなく、圧縮・
押出し等の方法で製造される。上述のMPとはPTFE
を懸濁重合して作った粉末のことであり、一般圧縮成
形、自動成形、ラム押出しに用いられる。上述のFPと
は、PTFEを乳化重合して作ったディスパージョンよ
り製造した粉末である。基本となる粒子は非常に小さ
く、外見的にはこの粒子が多数集合して2次粒子となっ
ている。
【0036】PTFEの成形加工方法について説明す
る。フッ素樹脂のうちでもPTFEは、融点327°C
以上、例えば380°Cにおいてもその溶融粘度が10
11poise程度で、一般の熱可塑性樹脂の成形温度に
おける103から104poiseに比べて極めて高く、
融点以上でも流動しない。PTFEの溶融粘度が高いの
は、炭素主鎖の周囲を嵩高く、かつ荷電の大きいフッ素
原子が緊密に取り囲んでいるため、その立体障害により
主鎖の回転が抑制されることと、分子量が極めて大きく
鎖分子が互いに絡み合っているためと考えられる。
【0037】従ってPTFEは融点以上で極めて高い溶
融粘度を示すため、一般の熱可塑性樹脂と同様な方法で
成形することはできない。このため溶融成形、射出成形
等通常の成形手段は著しく大きな抵抗のため採用でき
ず、粉末を常温で所定の金型の内で加圧して予備成形
(プレフォーム)した後、これをオーブン中で融点以上
に加熱し焼成するという特殊な方法で成形する。これに
よりPTFEに対して強度を与えることができる。
【0038】以上説明したPTFE成形には、ほとんど
粉体原料が用いられる。原料においてはポリマー組成、
分子量、分子分布、分岐、熱安定性等の高分子化学的性
質とともに粉末の見かけ密度、粒子の大きさ、硬度、形
状、比表面積、粉末流動性等の物理的性質が重要であ
る。このため、本発明のように圧縮成形体を用いる場
合、以上示した各種性質を最適なものにするために原料
選択を入念にする必要がある。
【0039】本発明者らは電子写真方式を用いた画像形
成装置及び画像形成方法において、像担持体の長寿命化
を目的としているため、特に固体中で最も低い摩擦係数
を有するPTFEを潤滑剤として採用したた。市販品P
TFEの粉末や固形化されたものを直接または間接的に
感光体11の表面に供給すると、感光体11の表面摩擦
係数が低減することは上述の説明や実験において明らか
である。更に転移性の良いPTFE材料があれば、短時
間少量で感光体11の表面摩擦係数が低減でき、PTF
E材料の成形時間の短縮及びコストダウンが図られるこ
とは明らかである。
【0040】そこで本実施例においては、潤滑剤28に
PTFEの圧縮成形体を用いている。PTFEの圧縮成
形体とは、所望の形状の金型中に原料PTFE粉末を充
填し、常温でプレスに挟んで100〜1000kg/c
2で圧縮することにより得られる。図3に圧縮成形の
概念図を示した。図3において、金型33にできるだけ
一様に充填したPTFE粉末34を上側プランジャ32
と下側プランジャ35で矢印方向に圧力をかけて成形す
る。分子量があまりに低いと成形品にクラックが入って
成形不能となるので、一般的には500万〜600万以
上の数平均分子量を持つPTFE粉末を原料として用い
る。
【0041】本発明に用いるPTFEの圧縮成形体は、
ボイドがなく均一であることが必要である。ボイドがあ
ったり不均一であったりするものは、PTFEが感光体
11上に転移する際にも部分的なムラを生じるため好ま
しくない。ボイドをなくし、均一な圧縮成形体を得るに
は以下の点が重要になる。
【0042】原料を金型33に充填する際には、原料を
できるだけ細かくほぐして粒度を揃える必要がある。こ
れは粒度が不揃いであったり塊りがあったりすると圧力
のかかり方が不均一になるためである。加圧中には加圧
方向に対して直角方向へのPTFEの移動がほとんどな
いため、始めから金型33の全面積に渡ってできる限り
均一に充填し、よく表面をならす必要がある。各プラン
ジャ32,35を金型33に嵌めたら粉末間の空気を除
くようになるべく徐々に加圧を行う。特に加圧方向の肉
厚の厚いものでは、このゆるやかな加圧を行わないと空
気が抜けきらないでクラックの原因になったり、ボイド
が残って成形品の特性を悪くしたりする。普通、プラン
ジャの降下速度は始めが30〜50mm/min、加圧
の終わりには数mm/min以下が適当で、大きな物ほ
ど遅くする。圧縮成形圧力は通常100〜350kg/
cm2、充填剤を配合したものでは300〜1000k
g/cm2が適当で、その圧力で数分〜数十分間保持す
る。これはボイドを完全になくすために必要であり、例
えば加圧方向の寸法が600mm位の大きなブロックに
なると所定圧力に達してから、その圧力の保持中にも約
15分間くらいはプランジャヘッドの微小降下が続くた
め、圧力保持時間として20〜30分取る必要がある。
成形圧力は原料によって異なり、細かい粉末ほど低い圧
力でボイドがなくなる。通常のMPでは300kgf/
cm2前後の成形圧力で圧縮成形を行う。粉末を加温す
ると小さい圧力で成形品の密度を高くすることができ、
ボイドの少ない成形品が得られる。
【0043】PTFEの物性について説明する。PTF
Eの物性は、原料の分子量、成形品の結晶化度、成形品
内に残存するボイドの3つの要素に支配される。原料の
分子量が低過ぎると成形時にクラックが入って成形不能
となる。成形可能な範囲では分子量の影響は小さく、む
しろ成形条件によって左右される結晶化度、ボイドが重
要な要素となる。結晶化度は焼結の条件、特に冷却速度
に大きく関係し、速いほど成形品の結晶化度が小さくな
るという特徴を持つ。成形品の結晶化度は大きければ剛
性も増し、小さければ強靭性、透明性が出てくる等それ
ぞれの特徴がある。ボイドの量は粉末の粒度が小さく、
予備成形圧力が大きい程少なくなる。
【0044】フッ素樹脂の中でPTFEを潤滑剤28と
して選んだ理由は、相手材料への移着し易さの他に、白
色であることと、熱的化学的に安定な物質であるといっ
た特徴があるからである。色について述べると、PTF
Eは白色である。つまり、記録紙18が白色のものを用
いる場合、感光体11上の潤滑層29から記録紙18へ
とPTFEが移着した場合でも、着色した物質からなる
潤滑剤を用いる場合よりも、記録紙18上に付着したと
きに画像に及ぼす影響が少なくなる。また、PTFEは
熱的化学的に安定した物質であるので、電子写真方式で
用いても変性等の不具合を生じることがないので好適で
ある。
【0045】PTFEの中でも特に圧縮成形体を用いた
理由は、第1に圧縮成形圧力によってのみボイド量をコ
ントロールできる、第2に市販品を成形する際よりも少
ない圧力で加工できる、第3に金型の寸法通りに加工で
きるといった特徴からである。圧縮成形体を用いると、
成形品よりも軟らかいために、感光体11へのPTFE
の移着が起こり易い。また焼成時の分解ガスが発生しな
いため、内部にボイドができにくくなる。圧縮成形体は
金型の寸法通りに加工できるという長所があり焼成も行
わなくても構わない。よって目的とする圧縮成形体は一
般の成形品よりも製造にかかる時間が短く、コストも安
いというメリットを得られる。
【0046】勿論、上述のように充填剤入りのPTFE
を潤滑剤として用いることも可能であるが、ガラスファ
イバー等の硬い充填剤の入ったものはボイドをなくすの
に、より圧力を必要とするので、充填剤には感光体11
の摩擦を考慮すると軟らかい材質であることが要求され
る。本発明にかかる圧縮成形体の原料としては、粒径の
小さい粉末が望ましい。理由は品物の形状、寸法、原料
等によって異なるものの、一般的に細かい粉末ほど低い
圧力でボイドがなくなるからである。
【0047】感光体11上への潤滑剤28の転移性を市
販品よりも更に良くするためには、低分子量PTFEの
成形を用いるとよい。しかし低分子量PTFEで成形品
を製作するのは困難で、きちんと成形できたとしてもあ
まりに脆く、切削やPTFE成形品を切削装置で薄く削
り出すスカイブ等の加工ができない。低分子量PTFE
は添加剤として開発された微粉末であり、通常の成形グ
レードのような成形加工ができないという欠点を持つ反
面、溶融粘度が約104ポアズ程度であり、溶融状態の
流動性は良い。
【0048】前述したようにPTFEの機械強度は、分
子量を大きくすることにより変形時に分子が機械的に絡
み合うことで保たれる。低分子量PTFEは、通常各種
エンジニアリングプラスチック、塗料、ゴム、インク等
に混合され潤滑性改良剤としてグラファイトや二硫化モ
リブデンと同様に用いられるものである。低分子量PT
FEは、分子量の大きい成形用粉末と違って繊維化しに
くく、分散性が良好で混合しやすいという特徴を持つ。
低分子量PTFEの摩擦係数は0.05〜0.07であ
り、カーボン、グラファイト、弗化カーボン、二硫化モ
リブデン等の他の固体潤滑剤と比較しても非常に低い値
を示す。
【0049】低分子量PTFEは球状粒子で分散しやす
い形態をしているが、PTFEの本質である濡れにくさ
(表面エネルギーが低い)と軟らかさ(塑性変形しやす
い)は変わらないため、他の材料と混合する場合には、
マイルドな分散条件では低分子量PTFE同士が凝集し
やすく、充分な解砕を起こすせん断力を与える必要があ
る。更にPTFE低分子品は焼成時に分解しやすく、分
解ガスとなり、成形体中に内在し、ガスの発生が多いと
割れが生じる。外観上割れがなくても物性(特に強度)
変化があることが多いため、扱いには充分注意する必要
がある。
【0050】低分子量PTFEには様々な市販品がある
が、分散性、潤滑性、耐摩耗性、熱安定性、粒度分布、
粒径、表面積等の特徴をふまえて材料選択をする必要が
ある。粉体の低分子量PTFEとして代表的なものに、
商品名ルブロンL−2、L−5(以上ダイキン工業
製)、商品名テフロンTLP10F、MP1300(以
上三井デュポンフロロケミカル製)、商品名フルオンL
−150J、L−169J(以上旭硝子、旭ICIフロ
ロポリマー製)があり、これらを用いるとよい。この中
でも分散性の面から見て、混合時に二次粒子が崩れて一
次粒子に戻りやすい、すなわち分散性が高いのはルブロ
ンL−2であるため、低分子量PTFEとしては、この
ルブロンL−2を用いるのが望ましい。
【0051】以上述べたように、低分子量PTFEを含
有させたPTFEの圧縮成形体は、低分子量PTFEを
含有させない圧縮成形体に比べて、接触する相手材料と
感光体11への潤滑剤28の転移性が良好となるため、
感光体11の表面摩擦係数を適切な値に保つことがで
き、良好な画像形成が行える。
【0052】圧縮成形体の製造時には、まず原料を図3
の金型33に充填する。充填の際に粒度が不揃いであっ
たり固まりがあったりすると圧力のかかり方が不均一に
なり、得られた圧縮成形体の物性が場所によって異なっ
てしまう。場所により物性が異なると、感光体11上に
潤滑剤28を供給するに当たり、感光体11の長手方向
(軸線方向)に均一に供給することができなくなる。こ
れでは、潤滑層29にムラができ場所により表面摩擦係
数が異なるため、得られる画像に悪影響を及ぼすことに
なる。この不具合を避けるために、低分子量PTFEを
PTFE母剤に混合する際には充分な攪拌時間と、分散
性の良い低分子量PTFEを用いることとが重要にな
る。
【0053】潤滑剤供給手段30は、潤滑剤28の供給
をクリーニング工程の前で行えるようにするために、図
1に示すようにクリーニングブレード26よりも、感光
体11の回転方向の上流側に配置されている。画像形成
装置の中で感光体11に最も強い圧力をかけているのは
クリーニングブレード26である。よってPTFEの圧
縮成形体からなる潤滑剤28を感光体11に供給した
後、クリーニングブレード26の圧力を利用すること
で、感光体11上に付着した潤滑剤が強い力が擦られる
ので、より強固に付着して潤滑層29が形成されること
になる。画像形成装置では、感光体11に対しては、ク
リーニングブレード26の他にも様々な接触する部材か
ら力がかかるため、このようにクリーニングブレード2
6を用いて適度な付着力で潤滑剤28が付着すること
は、感光体11の摩耗低減を図る上で非常に有効であ
る。
【0054】像担持体に対する潤滑剤の付着力を大きく
するには、クリーニングブレード26ではなくても、図
4,図5に示すように、摺接部材となるブレード部材4
1,51を設置してもよい。
【0055】図4に示す画像形成装置は潤滑剤付与手段
48を備えている。潤滑剤付与手段48は、感光体43
に圧接して摺接するブレード部材41、ブレード部材4
1で掻き取られるトナーを回収するローラ44、PTF
Eの圧縮成型体からなる潤滑剤38を内包する付与部材
の一例となる網目状の袋42、袋42を感光体43に適
正な圧力で押し当てるための弾性部材となるコイルバネ
46、コイルバネ46を支持する部材45、トナー漏れ
防止のための入り口シール47とを備えている。ブレー
ド部材41は、袋42よりも感光体43の回転方向の下
流側に配置されている。
【0056】潤滑剤付与手段48は、画像形成を行う際
に図4中、時計方向に回転している感光体43に潤滑剤
38の入った袋42を、コイルバネ46を用いて適正な
圧力で押し当てる。これにより袋42の網目を抜けて潤
滑剤38が感光体43上に転移する。感光体43に付着
した潤滑剤38は、ブレード部材41の押圧力によって
感光体43に強固に付着されて転移し、感光体43上に
PTFEの潤滑層49が均一に形成さする。
【0057】このような潤滑剤付与手段48を用いた場
合でも、相手材料と感光体43への潤滑剤38の転移性
が良好となるため、過度な供給を抑えて感光体43の表
面摩擦係数を適切な値に保つことができ、良好な画像形
成が行える。また、圧縮成形体は、場合によっては形を
とどめないほどに脆い場合もあるので、このような場合
には、図1に示すように直接感光体11に当接すると崩
れてしまうため、図4に示すように袋42の中に入れて
適当な圧力を感光体43に接触させることで、袋42の
目の大きさよりも小さくなった潤滑剤38を感光体43
上に間接的に供給することができる。
【0058】図5に示す画像形成装置は、潤滑剤付与手
段60を備えている。潤滑剤付与手段60は、感光体5
3に押圧して摺接するブレード部材51、ブレード51
で掻き取ったトナーを回収するローラ54及び掻き取っ
たトナーを規制するフリッカ58、PTFEの圧縮成型
体からなる潤滑剤57を保持固定する部材56、感光体
53に接触して潤滑剤57を感光体53に供給する付与
部材となる潤滑剤供給ブラシ52、潤滑剤供給ブラシ5
2と潤滑剤57とに直接接触し、潤滑剤57を掻き取っ
て潤滑剤供給ブラシ52に供給する中間部材となる潤滑
剤供給ローラ55、トナー漏れ防止のための入り口シー
ル59を備えている。ブレード部材51は、潤滑剤供給
ブラシ52よりも感光体53の回転方向の下流側に配置
されている。潤滑剤付与手段60は、図5において時計
方向に回転している感光体53に対して、時計回りして
いる潤滑剤供給ローラ55を介して反時計時計回りして
いる潤滑剤供給ブラシ52から潤滑剤57を供給する。
感光体53に付着された潤滑剤57は、ブレード部材5
1の押圧力によって感光体53に強固に付着されて転移
し、感光体53上にPTFEの潤滑層61を形成する。
【0059】このような潤滑剤付与手段53を用いた場
合でも、潤滑剤57にPTFEの圧縮成型体を用いるの
で、相手材料と感光体53への潤滑剤57の転移性が良
好となるため、過度な供給を抑えて感光体53の表面摩
擦係数を適切な値に保つことができ、良好な画像形成が
行える。また、一般的に摩耗及び引き掻き工程において
は、二つの材料の相対的な硬度が重要である。その理由
は硬い方の材料が柔らかい材料に溝を掘ったり、掻き傷
を作ったりする傾向を持つからである。それ故電子写真
方式を用いた画像形成方法や装置においては、感光体1
1,43,53と潤滑剤28,38,57との相対的な
硬度が重要となる。感光体11,43,53の摩耗には
材料の小片の引きちぎりが関与しているため、高分子材
料の引っ張り強さ、疲れ寿命、硬度、引き裂き硬さ等が
摩耗特性を決定する重要な因子となる。
【0060】したがって、PTFE圧縮成形体が軟らか
すぎる場合には、図5に示す潤滑剤供給ブラシ52や潤
滑剤供給ローラ55の何れか用いることで、掻き取る際
の接触圧を弱めることができるので、適量の潤滑剤57
を感光体上53へ供給することができる。さらに潤滑剤
供給ブラシ52や潤滑剤供給ローラ55を介して間接的
に感光体53に潤滑剤57の供給を行えば、感光体53
の軸方向に均一に潤滑剤を塗付することができる。加え
て図5のように潤滑剤供給ブラシ52と潤滑剤供給ロー
ラ55とを併用すると、より均一に潤滑剤供給が行え
る。
【0061】つまり、潤滑剤57を、潤滑剤供給ブラシ
52と、潤滑剤供給ローラ55との両方を用いて感光体
53に供給することと、潤滑剤57を感光体53に対し
て間接供給できるため、潤滑剤57の硬度や配置場所に
自由度を持てるとともに、感光体53の軸線方向に均一
に潤滑剤57を塗布して潤滑層61を形成できる。
【0062】図5では、潤滑剤供給ブラシ52と潤滑剤
供給ローラ55の両方を用いたが、勿論潤滑剤供給ロー
ラ55のみや潤滑剤供給ブラシ52のみで潤滑剤供給を
行っても構わない。潤滑剤付与手段48,60を画像形
成装置に装着する場合には、ブレード部材41,51で
感光体43,53からトナーを掻きとれるため、クリー
ニング部材には、図1に示すクリーニングブレード26
ではなく、周知のクリーニングローラを用いてもよい。
また、クリーニングブレード26と潤滑剤付与手段4
8,60とを併設する場合には、ブレード部材41,5
1はなくてもよい。さらに、ブレード部材41,51と
クリーニングブレード26とを併設する場合には、各ブ
レードの感光体への接触圧を低減でき、感光体の摩耗を
低減することができる。
【0063】なお像担持体としては、ドラム状の感光体
を代表例として説明したが、他の形状の像担持体や中間
転写ベルト等についても同様の効果があるので、像担持
体は、ドラム状の感光体だけに限定されるものではな
い。
【0064】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、潤滑剤に
強度が与えられて像担持体への過度な潤滑剤供給が抑え
られるので、潤滑剤となるフッ素樹脂の転移性及び像担
持体への供給量を調節でき、適量の潤滑剤供給を行え、
像担持体の摩耗を抑えて良好な画像形成を行える。
【0065】請求項2記載の発明によれば、圧縮成形体
中に低分子量PTFEを含有するので、潤滑剤となるフ
ッ素樹脂の転移性が良くなり、像担持体への潤滑剤供給
が適正に行え、より良好な画像形成が行える。
【0066】請求項4記載の発明によれば、画像形成方
法においては、クリーニング工程の前で像担持体に供給
された潤滑剤がクリーニング部材で圧力を加えられるた
め、像担持体上により潤滑剤が強固に付着され、より像
担持体への潤滑剤の供給量を細かく調節して行え、より
一層良好な画像形成が行える。
【0067】請求項5記載の発明によれば、潤滑剤を間
接的に供給することにより、適量の潤滑剤供給を行うこ
とができ、長期間表面にフッ素供給された像担持体表面
を維持することができ、良好な画像形成が行える。
【0068】請求項6記載の発明によれば、フッ素樹脂
または低分子のフッ素樹脂を含有した圧縮成形体からな
る潤滑剤が、潤滑剤付与手段によって間接的に像担持体
に供給されるので、像担持体へのに適量の潤滑剤を長期
に渡って供給することができ、像担持体の摩耗を抑えて
良好な画像を得られる。
【0069】請求項7記載の発明によれば、潤滑剤が中
間部材、付与部材を介して像担持体に供給されるので、
像担持体の軸方向により適量で均一に潤滑剤供給を行う
ことができ、像担持体の摩耗を抑えて良好な画像形成を
得られる。
【0070】請求項3,8記載の発明によれば、フッ素
樹脂にポリテトラフルオロエチレンを用いると、像担持
体の表面摩擦係数を他の物質を用いる場合よりも低減で
き、さらに温度による流動性変化の影響を受けにくいの
で安定して像担持体表面に供給されるので、像担持体や
それに接触する部材を高耐久で高安定に使用でき長期に
わたり良好な画像形成が行えると共に、良好な画像を得
られる。さらに、ポリテトラフルオロエチレンは白色で
あり、熱的化学的に安定した物質であるので、像担持体
から記録材に移着した場合でも画像に及ぼす影響が少な
く、変性等の不具合を生じることがないためより像担持
体やそれに接触する部材を高耐久で高安定に使用して、
良好な画像形成が行えると共に、良好な画像を得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す画像形成装置の要部概
略構成図である。
【図2】オイラーベルト法により像担持体表面摩擦係数
を測定している状態を示す図である。
【図3】PTFEを圧縮成形している状態を示す断面図
である。
【図4】本発明にかかる画像形成装置及び画像形成方法
を適用した潤滑剤付与手段の一構成例を示す拡大図であ
る。
【図5】本発明にかかる画像形成装置及び画像形成方法
を適用した潤滑剤付与手段の別な構成例を拡大図であ
る。
【符号の説明】
11,43,53 像担持体 14 現像手段 18 記録材 19 転写手段 26 クリーニング部材 28,38,57 潤滑剤 30,48,60 潤滑剤付与手段 41,51 摺接部材 42,52 付与部材 55 中間部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 左近 洋太 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 武市 隆太 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像担持体上に形成された静電潜像にトナー
    を付着させて可視像とする現像工程と、上記像担持体上
    に形成されたトナー像を記録材に移動し付着させる転写
    工程と、上記像担持体に潤滑剤を供給する潤滑剤供給工
    程を有する画像形成方法において、 上記潤滑剤にフッ素樹脂の圧縮成形体を用いることを特
    徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の画像形成方法において、 上記潤滑剤に低分子量のフッ素樹脂を含有した圧縮成形
    体を用いることを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の画像形成方法にお
    いて、 上記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンである
    ことを特徴とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載の画像形成方法
    において、 上記像担持体上に残留したトナーをクリーニング部材で
    取り除くクリーニング工程を有し、このクリーニング工
    程を行うの前に上記潤滑剤供給工程を行うことを特徴と
    する画像形成方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4記載の画像形成
    方法において、 上記像担持体に接触可能に設けられた付与部材を介して
    上記潤滑剤を上記像担持体上に間接的に供給することを
    特徴とする画像形成方法。
  6. 【請求項6】像担持体上に形成された静電潜像にトナー
    を付着させる現像手段と、上記像担持体上に形成された
    トナー像を記録材に移動し付着させる転写手段とを有す
    る画像形成装置において、 フッ素樹脂を含有した圧縮成形体からなる潤滑剤と、こ
    の潤滑剤を上記像担持体に供給する潤滑剤付与手段とを
    有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の画像形成装置において、 上記潤滑剤付与手段は、上記潤滑剤と上記像担持体とに
    接触する付与部材と、この付与部材よりも上記像担持体
    の回転方向の下流側に配置され、同像担持体と摺接可能
    に設けられた摺接部材とを有することを特徴とする画像
    形成装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の画像形成装置において、 上記潤滑剤付与手段は、上記付与部材と上記潤滑剤とに
    接触する中間部材を有することを特徴とする画像形成装
    置。
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