JPH11335826A - Al合金製スパッタリングターゲット材の製造方法 - Google Patents

Al合金製スパッタリングターゲット材の製造方法

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JPH11335826A
JPH11335826A JP16291498A JP16291498A JPH11335826A JP H11335826 A JPH11335826 A JP H11335826A JP 16291498 A JP16291498 A JP 16291498A JP 16291498 A JP16291498 A JP 16291498A JP H11335826 A JPH11335826 A JP H11335826A
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JP
Japan
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working
alloy
cold rolling
sputtering
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JP16291498A
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Tadao Ueda
忠雄 上田
Atsushi Tsuchiya
敦 土屋
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Ryoka Matthey Corp
Original Assignee
Ryoka Matthey Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反りが少なく、しかも、パーティクルの少ない
薄膜を形成し得るAl合金製スパッタリングターゲット
材の製造方法を提供する。 【解決手段】Al合金素材に塑性加工と熱処理を施した
後、最終加工として冷間圧延加工を施す。最終冷間圧延
加工の加工率は、好ましくは10〜30%であり、最終
冷間圧延加工後の0.2%耐力は、好ましくは冷間圧延
加工前の1.5倍以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Al合金製スパッ
タリングターゲット材の製造方法に関するものであり、
詳しくは、反りが少なく、しかも、パーティクルの少な
い薄膜を形成し得るAl合金製スパッタリングターゲッ
ト材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Al合金製スパッタリングターゲット材
(以下、ターゲット材と略記する)には、裏面にバッキ
ングプレート(Cu板)を接合して使用されるタイプ
と、接合部がなくバッキングプレート相当部もターゲッ
ト素材で形成された一体型のタイプとがある。斯かるタ
ーゲット材は、何れも、Al合金素材に塑性加工と熱処
理を施して製造される。
【0003】上記のターゲット材は、塑性加工時に加工
歪による高強度を示すが、再結晶のための熱処理により
加工歪が除去されるため、最終的には軟化した状態とな
る。また、ターゲット材の結晶粒径は、Alの純度や添
加金属の種類および量によって変化するが、一般には5
0〜250μmの範囲である。
【0004】ターゲット材は、スパッタリング時スパッ
タ面側が高温となって膨張し、スパッタ面側が凸に反
る。一方、裏面が水冷されているため、スパッタリング
が終了すると収縮する。そして、上記の膨張収縮を繰り
返す都度に残留した僅かな塑性歪みが積み重なり、ター
ゲット材の反りが徐々に大きくなり、スパッタ面側が凸
状態となる。特に、一体型ターゲット材は、バッキング
プレート相当部もAl合金で構成されているため、機械
的強度が劣り、上記の反りが大きい。そして、反りが大
きくなると、通常1〜2mm程度に保持されているター
ゲット材とシールド板との間隔が変化し、スパッタ放電
が不安定となる。
【0005】上記の様な理由により、バッキングプレー
ト付ターゲット材の強度で設計されたスパッタ装置に一
体型ターゲット材を装着した場合は、ターゲット材使用
寿命の半ばで使用不可能となり、また、一体型ターゲッ
ト材に基づいてスパッタ装置を設計する場合にもAl強
度による制約がある。
【0006】また、ターゲット材の製造においては、ス
パッタリング時に発生するパーティクルの発生を抑制す
るため、結晶粒径を小さくする試みが種々行われてい
る。すなわち、結晶粒径を小さくすることにより、ター
ゲット材のスパッタされた面の表面粗さが小さくなり、
その結果、ターゲット材表面での微小異常放電が抑えら
れてパーティクルの少ない薄膜が形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、反り
が少ないAl製スパッタリングターゲット材の製造方法
を提供することにある。また、本発明の他の目的は、結
晶粒径の微小化のための特別の手段を採用せず、上記の
反りの改良手段により、パーティクルの少ない薄膜を形
成し得るAl合金製スパッタリングターゲット材の製造
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、Al合金素材に塑性加工と熱処理を施した後、最終
加工として冷間圧延加工を施すことを特徴とするAl合
金製スパッタリングターゲット材の製造方法に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、Al合金としては、AlにSi、C
u、Ti、Sc、Cr、Zr、Y、Nd、Hf等の添加
金属元素の1種または2種以上を添加した合金が使用さ
れる。上記のAlとしては、精密な金属薄膜を形成する
ため、より高純度のものが使用され、その純度は、通常
99.99%以上とされる。そして、添加金属元素の添
加量は、合計として、通常0.01〜10重量%、好ま
しくは0.1〜3重量%とされる。
【0010】先ず、本発明の製造方法においては、従来
公知の方法と同様に、Al合金素材に塑性加工と熱処理
を施す。Al合金素材としては、素材のインゴット(ビ
レット又はスラブ)が使用される。塑性加工とは、プレ
ス、圧延などの処理による塑性変形を与えることを言
い、その際の材料厚さの低下率は加工率と称される。上
記の塑性加工は、冷間すなわち室温近辺で行なわれる。
その加工率は、通常50〜90%とされる。加熱処理
は、例えば400℃で15分程度行われ、これにより、
再結晶粒が形成される。
【0011】次いで、本発明の製造方法においては、最
終加工として冷間圧延加工を施す。これにより、強度が
高められ、その結果、スパッタリング時にターゲット材
の耐力(応力耐性)が向上して反りが軽減される。ま
た、同時にターゲット材のスパッタされた面の表面粗さ
が小さくなり、スパッタリング時にターゲット材表面で
の微小異常放電が抑えられ、パーティクルの少ない薄膜
が形成される。
【0012】上記の最終冷間圧延加工は、上記の塑性加
工と同様に行うことが出来るが、加工率は10〜30%
の範囲が好ましい。加工率が10%未満の場合は、強度
の改善効果が十分ではなく、加工率が30%を超える場
合は、既に調節した結晶粒の歪みが大きくなり過ぎてス
パッタリング特性が不安定となる。
【0013】本発明においては、最終冷間圧延加工の好
適な条件を示す指標として0.2%耐力を利用すること
が出来る。0.2%耐力は、材料に0.2%塑性歪みを
与える変形応力を意味する。本発明においては、最終冷
間圧延加工後の0.2%耐力がその加工前の1.5倍以
上、好ましくは1.5〜3.0倍となる様に調整するの
が好ましい。これにより、一般にバッキングプレートに
使用されているCu板と同等もしくはそれ以上の強度を
達成することが出来る。
【0014】上記の様にして得られたターゲット材は、
所定の形状に裁断された後、バッキングプレート相当部
もAlターゲット素材で形成された一体型ターゲットの
場合は、旋盤などにより、バッキングプレート相当部を
含め、所定形状に面削り加工された後、スパッタリング
装置にセットしてスパッタリングに供せられる。バッキ
ングプレート接合型ターゲットに加工する場合は、ター
ゲット材の裏面に冷却装置としてバッキングプレートが
ハンダ付け法など公知の方法により接合された後、所定
形状に面削り加工される。本発明の製造方法による効果
は、一体型ターゲットの場合に顕著である。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0016】実施例1 連続鋳造法によりSi:1重量%及びCu:0.5重量
%を含有するAl合金材料のインゴットを輪切りにし、
室温で厚さが37.5mm(加工率85%)の円盤にな
る様にプレス加工を行なった後、400℃で15分間の
熱処理を行い、更に、最終冷間圧延加工として、室温で
加工率20%の圧延加工を行なった。次いで、直径30
0mm、厚さ27mmの円盤を切り出し、その表面およ
び周縁端面を面削り加工してターゲット材とした。
【0017】スパッタリング装置(日本真空技術社製M
LX3000)に上記のターゲット材を装着し、外径6
インチのSiウェーハを基板固定装置にセットし、バッ
キングプレート装置に冷却水を循環しつつ、ターゲット
材表面にアルゴンイオンを75秒間照射して、Siウェ
ーハ上に厚さ約1μmのAl合金薄膜を形成した。な
お、スパッタリングは、電力6.5kWで積算電力量3
00kWHまで行った。
【0018】上記の使用前のターゲットは表面が面削り
加工されているため、当該面削り加工の初期の影響を除
くため、先ず96枚のSiウェーハに対して上記の予備
スパッタリング操作を繰り返した後、改めて実施例とし
て12枚のSiウェーハについてスパッタリング操作を
繰り返した。スパッタリング操作の間、放電電圧の変動
をモニターして10%以上の放電電圧の変動を異常放電
とし、12枚(延べ処理時間15分)のSiウェーハに
ついて発生した異常放電回数の合計を異常放電回数とし
た。
【0019】12枚のスパッタリング終了後、各Siウ
ェーハ上に形成されたAl合金の薄膜中のパーティクル
等の個数を測定した。斯かるパーティクル等の個数の測
定には、レーザー式パーティクルカウンター(TENC
OR INSTRUMENTS社製商品「SF−642
0」)を使用し、その際、外径0.3μm以上のパーテ
ィクル等の個数をパーティクル個数とし、12枚のSi
ウェーハのパーティクルの1枚当たりの平均個数をパー
ティクル数とした。
【0020】また、一連のスパッタリング操作が終了し
た後、スパッタリング装置からターゲット材を取り外
し、ターゲット材表面の結晶粒の平均粒径を求積法によ
り測定し、更に、JIS B−0601号の規定に準拠
してその表面の表面粗さRa値およびRmax値を測定
し、その結果を表1に示した。
【0021】比較例1 実施例1において、最終冷間圧延加工を省略した以外
は、実施例1と同様にしてターゲットを得た。このター
ゲットを使用し、実施例1と同様にスパッタリング操作
を行ない、異常放電回数、パーティクル数、表面粗さR
a値、Rmax値、結晶粒の粒径の測定を行なった。こ
れらの測定結果を表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】以上、説明した本発明によれば、反りが
少なく、しかも、パーティクルの少ない薄膜を形成し得
るAl合金製スパッタリングターゲット材の製造方法が
提供され、本発明の工業的価値は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 685 C22F 1/00 685Z 694 694A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al合金素材に塑性加工と熱処理を施し
    た後、最終加工として冷間圧延加工を施すことを特徴と
    するAl合金製スパッタリングターゲット材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 最終冷間圧延加工の加工率が10〜30
    %である請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 最終冷間圧延加工後の0.2%耐力がそ
    の加工前の1.5倍以上である請求項1又は2に記載の
    製造方法。
JP16291498A 1998-05-27 1998-05-27 Al合金製スパッタリングターゲット材の製造方法 Withdrawn JPH11335826A (ja)

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