JPH11335324A - 低級脂肪酸シクロアルキル及びシクロアルカノールの製造方法 - Google Patents

低級脂肪酸シクロアルキル及びシクロアルカノールの製造方法

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JPH11335324A
JPH11335324A JP10144104A JP14410498A JPH11335324A JP H11335324 A JPH11335324 A JP H11335324A JP 10144104 A JP10144104 A JP 10144104A JP 14410498 A JP14410498 A JP 14410498A JP H11335324 A JPH11335324 A JP H11335324A
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JP
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reaction
catalyst
fatty acid
lower fatty
acid
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JP10144104A
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Masataka Moriyasu
賢高 守安
Toru Setoyama
亨 瀬戸山
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高収率でシクロアルケンからシクロアルカノ
ールを得る。 【解決手段】 担体に担持したヘテロポリ酸の存在下で
シクロアルケンと低級脂肪酸とを反応させる低級脂肪酸
シクロアルキルの製造方法、および、前記方法で得られ
た低級脂肪酸シクロアルキルを固体酸触媒存在下で加水
分解するシクロアルカノールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低級脂肪酸シクロ
アルキルの新規製造方法およびそれを利用したシクロア
ルカノールを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シクロアルケンをゼオライト等の固体酸
触媒の存在下に水和してシクロアルカノールを製造する
方法が知られている(例えば特開昭58ー194828
号公報)。しかしながらこの方法の欠点は、この反応が
本質的に平衡反応である為に平衡収率の制約を受け、実
際現在工業化されている例を見ても収率が15%前後と
低いことにある。
【0003】一方、低級脂肪酸シクロアルキルを加水分
解してシクロアルカノールを製造する方法が知られてい
る(例えば特開平5ー255161号公報)。原料の低
級脂肪酸シクロアルキルはシクロアルカノールと低級脂
肪酸とのエステル化反応、もしくはシクロアルケンと低
級脂肪酸との付加反応により製造されるが、前者の方法
では、原料となるシクロアルカノールの製造方法自体に
問題がある上、当該エステル化反応も平衡反応である
為、高い反応収率を達成することは困難であり、かつ副
生する水を除去する為の手段を講じる等様々な困難が存
する。また、後者の方法としては、触媒に強酸性カチオ
ン交換樹脂を使用する方法(特開平1ー254634号
公報)、ハイシリカゼオライトを使用する方法(特開平
1ー313447号公報)等が知られているが、何れも
収率が満足できるものではなく、かつ触媒の安定性にも
問題がある。
【0004】近年、この反応にタングステンの酸化物を
主体とするヘテロポリ酸を均一系触媒として使用する方
法が報告されている(特開平4ー226940号公報)
が、反応終了後生成した低級脂肪酸シクロアルキルと触
媒との分離が困難であり、高価な触媒のリサイクル使用
が困難であること、反応器に高価な材質を必要すること
等の問題点を有し、リサイクル使用が容易で且つ安定性
の高い触媒の開発が望まれていた。
【0005】また、低級脂肪酸シクロアルキルの加水分
解反応によりシクロアルカノールを製造する方法として
は、アルカリ加水分解(オランダ国特許第700449
7号)、硝酸、硫酸等の鉱酸(ポーランド国特許第63
551号)または酸性イオン交換体、ヘテロポリ酸(特
開平5ー255161号公報)等を使用する酸触媒加水
分解が知られている。しかし、アルカリ加水分解では低
級脂肪酸の塩を生じ、従って費用のかかる方法でこれを
再生しなければならない欠点を有する。また、酸触媒反
応においても、鉱酸、ヘテロポリ酸等の水溶性均一触媒
を使用した場合には、生成したシクロアルカノールの蒸
留分離に膨大なエネルギーを必要とするかもしくは分離
自体が困難となる欠点があった。わずかに、特開平5ー
255161号公報にはスルホン化ポリテトラフルオロ
エチレンのような固体酸触媒を使用する方法が報告され
ているが、触媒の安定性に問題があり、工業的規模での
使用が困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】故に、本発明の目的
は、高収率でシクロアルケンから低級脂肪酸シクロアル
キルを得る方法を開発し、ひいてはシクロアルケンから
シクロアルカノールを製造する方法に関して、水和法に
代わる高収率かつ簡便に製造する為の方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に発明者らは鋭意検討を重ねた結果、担体に担持したヘ
テロポリ酸の存在下でシクロアルケンと低級脂肪酸とを
反応させることにより、高収率で低級脂肪酸シクロアル
キルが得られ、さらに生成した低級脂肪酸シクロアルキ
ルを固体酸触媒の存在下で加水分解することをにより、
シクロアルカノールを高収率でかつ簡便に製造できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、第1に担体に
担持したヘテロポリ酸の存在下でシクロアルケンと低級
脂肪酸とを反応させることを特徴とする低級脂肪酸シク
ロアルキルの製造方法であり、第2に、前記方法により
得られた低級脂肪族シクロアルキルをさらに固体酸触媒
の存在下で加水分解することを特徴とするシクロアルカ
ノールの製造方法に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。本発明のシクロアルカノールの製造方法は、
通常、次の工程からなる。 (1)担体に担持したヘテロポリ酸の存在下にシクロア
ルケンと低級脂肪酸とを反応させて低級脂肪酸シクロア
ルキルを製造する第1工程。 (2)第1工程で製造した低級脂肪酸シクロアルキルを
固体酸触媒の存在下に加水分解してシクロアルカノール
を製造する第2工程。 (3)第2工程で製造したシクロアルカノールを蒸留に
より分離する第3工程。 第1工程(第1発明)では担体に担持したヘテロポリ酸
を使用する。使用されるヘテロポリ酸としては、12ー
タングストリン酸(H3 PW1240)、12ータングス
トケイ酸(H4 SiW1240)、12ーモリブドリン酸
(H 3 PMo1240)等、一般に使用されるヘテロポリ
酸またはそのプロトンの一部をセシウムなどの金属で置
換したものが用いられる。担体への担持の容易さの点
で、中でも12ータングストリン酸(H3 PW1240
またはそのプロトンの一部をセシウムで置換したものが
好ましい。
【0010】担体としては、活性炭、シリカ、ジルコニ
ア、ゼオライト等、一般に担体として使用されるものが
使用しうる。担持方法としては、ヘテロポリ酸水溶液に
担体を含浸させ水を蒸発乾固する方法が一般的である
が、それ以外の方法であっても差し支えない。特にシリ
カに担持する場合には、テトラエトキシシランをシリカ
源としてヘテロポリ酸/テトラエトキシシランの水/ブ
タノール溶液を加熱攪拌して生成するゲルを蒸発乾固す
る方法が良い。この方法により、シリカマトリックス中
にヘテロポリ酸を担持することができ、液相反応におい
てヘテロポリ酸の溶出を防ぐことができる。
【0011】触媒は、反応使用前に窒素等の不活性ガス
雰囲気下で100℃〜250℃の温度で処理して含有す
る水を取り除いておいた方が好ましいが、この処理を施
さなくても差し支えない。この担持ヘテロポリ酸触媒を
使用したシクロアルケンと低級脂肪酸との付加反応は、
液相懸濁床もしくは気相固定床反応装置にて実施するの
が良いが、特に限定するものではない。反応に使用しう
るシクロアルケンとしては、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、メチルシクロペンテン類、メチルシクロヘキセ
ン類、シクロオクテン、シクロドデセン等、炭素数12
以下のシクロアルケン類である。中でもシクロヘキセン
が好ましい。
【0012】また、低級脂肪酸としては、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸等の炭素数6
以下の低級脂肪酸である。中でも蟻酸、酢酸が良い。液
相懸濁床で反応する場合、バッチ、セミバッチ、流通の
何れの方式でも取りうる。反応圧は反応温度にもよる
が、液相に保つために1MPa以下の加圧状態に保つの
が良い。反応温度は特に制限はないが、好ましくは0℃
以上300℃以下が良い。反応温度が高すぎると原料の
分解または重合が併発するおそれがある。また低すぎる
と反応速度が低下し経済的でない。より好ましくは50
℃以上150℃以下である。
【0013】シクロアルケンと低級脂肪酸との仕込み比
は特に制限はないが、好ましくは低級脂肪酸過剰条件が
良い。シクロアルケンの量が多いと、シクロアルケンの
異性化または二量化等の好ましくない副反応が併発する
割合が大きくなる。また、低級脂肪酸の量が多すぎると
反応後の蒸留分離の負荷が大きくなる。より好ましくは
モル比で1.0≦低級脂肪酸/シクロアルケン≦20.
0が良い。使用する触媒量に特に制限はないが、好まし
くは仕込みの原料液量に対して、0.1〜100wt
%、より好ましくは1〜50wt%である。反応は、窒
素またはアルゴンの様な不活性ガス雰囲気下で行われ
る。反応液は反応に不活性な希釈剤、例えば、n−ペン
タン、n−ヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素類、トルエ
ン、キシレンの様な芳香族炭化水素類で希釈しても良
い。反応は気相固定床反応装置を使用しても実施しう
る。
【0014】その場合の反応圧力は、0〜5MPa、好
ましくは0〜1MPaの範囲である。反応温度は、20
〜250℃、好ましくは50〜150℃である。反応温
度が低くなりすぎると反応速度が低下し、また、高すぎ
ると副生成物が増加するとともに、触媒寿命が短くな
る。原料液中のシクロアルケンと低級脂肪酸との仕込み
比は特に制限はないが、好ましくは低級脂肪酸過剰条件
が良い。シクロアルケンの量が多いと、シクロアルケン
の異性化または二量化等の好ましくない副反応が併発す
る割合が大きくなる。また、低級脂肪酸の量が多すぎる
と反応後の蒸留分離の負荷が大きくなる。より好ましく
はモル比で1.0≦低級脂肪酸/シクロアルケン≦2
0.0が良い。
【0015】また、触媒1g、1時間あたりの原料液供
給量(LHSV;g/g,hr)は0.1〜10、より
好ましくは0.1〜5である。また、反応は窒素のよう
な不活性ガス流通下に実施されるが、この時の触媒1m
l、1時間あたりのガス流量(GHSV;/hr)は5
0〜1000、好ましくは100〜300である。
【0016】原料液は反応に不活性な希釈剤、例えば、
n−ペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素
類、トルエン、キシレンの様な芳香族炭化水素類で希釈
しても良い。上記の何れかの方法で製造された低級脂肪
酸シクロアルキルは、触媒を分離し、未反応のシクロア
ルケンおよび低級脂肪酸を蒸留等によって除いた後に、
第2工程の加水分解にかけられる。
【0017】次に、第1工程で製造した低級脂肪酸シク
ロアルキルを固体酸触媒の存在下に加水分解してシクロ
アルカノールを製造する第2工程について述べる。触媒
としては、反応終了後の分離の容易さから固体酸触媒を
使用するのが有利である。例えば、H−ZSM5等のM
FI型ゼオライト、強酸性カチオン交換樹脂、あるいは
前述した担持ヘテロポリ酸触媒が使用される。反応方式
に特に制限はないが、反応の押し切りを考慮すると、液
相懸濁床が好ましい。反応圧力は反応温度によって異な
るが、液相に保持できる圧力であれば良い。概ね1MP
a以下である。
【0018】反応温度は、30〜250℃、より好まし
くは、80〜150℃である。原料の低級脂肪酸シクロ
アルキルに対する触媒の使用量は、10〜100wt
%、より好ましくは10〜50wt%である。反応に使
用される水の量は特に制限はないが、低級脂肪酸シクロ
アルキル1モルあたり、好ましくは1〜100モル、よ
り好ましくは1〜30モルである。水の使用量が少なす
ぎると反応が遅くなる。また、多すぎると反応後、生成
したシクロアルカノールの分離が困難となる。
【0019】低級脂肪酸シクロアルキルは反応に不活性
な希釈剤、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン等の脂
肪族飽和炭化水素類、トルエン、キシレンの様な芳香族
炭化水素類で希釈しても良い。反応は、窒素またはアル
ゴンの様な不活性ガス雰囲気下で行われる。反応終了
後、反応液は低級脂肪酸シクロアルキル、シクロアルカ
ノールを主成分とする有機相と、触媒、脂肪酸および少
量のシクロアルカノールを含有する水相とに分離する。
相形成を明確にする為に、少量の水またはトルエン等の
有機溶媒を添加しても良い。
【0020】水相中のシクロアルカノールは非水溶性の
有機溶媒、例えば、トルエン、メチルイソブチルケトン
等によって抽出できる。第2工程で得られた有機相(お
よび水相の抽出液)は次の手順で処理してシクロアルカ
ノールを分離、精製することができる。まず、有機相
(および水相抽出液)を少量の水で洗浄する。この後蒸
留操作によりシクロアルカノールを分離する。
【0021】
【実施例】次に、実施例により本発明について更に詳細
に説明するが、その主旨を越えない限り、本発明は下記
の実施例に限定されるものではない。
【0022】<<担持ヘテロポリ酸触媒の調製>> (触媒1)シリカ担持ヘテロポリ酸触媒(A)の調製 この触媒の調製は名古屋大学、泉教授らの論文(触媒、
vol.39、292、1997)に記載される方法に
従った。300mlナス型フラスコを使用して、水54
g、n−ブタノール44.4gに12ータングストリン
酸4.50gを溶解させ、均一溶液を調製した。室温攪
拌下、これにテトラエトキシシラン125.1gを発熱
で内温が40℃を越えないように注意しながら滴下し
た。滴下終了後、湯浴で暖めながら40℃で1時間、続
いて80℃で3時間加熱攪拌した。この操作により透明
なゲルを生成した。室温まで冷却後、ロータリーエバポ
レーターを使って、45℃で溶媒を減圧溜去し乾燥ゲル
を得た。
【0023】次に、水300mlを加え、80℃で3時
間加熱攪拌した後、暖かい内に濾別し、濾紙上の固形物
を少量の湯で洗浄してシリカマトリックス中に取り込ま
れなかったヘテロポリ酸を除いた。乾燥器を使用して1
50℃で3時間乾燥し、シリカ担持ヘテロポリ酸触媒4
0.49gを得た。(理論収量;40.58g)これを
(触媒1)とした。(ヘテロポリ酸含有量;11wt%
=計算値)
【0024】(触媒2)HMS担持ヘテロポリ酸触媒
(液相反応用)の調製 <担体HMS(C12)の調製(1)>1L−ナス型フ
ラスコを使用してエタノール251g、水320g中
に、n−ドデシルアミン(C12)30.03gを溶解
させ均一溶液を調整した。これに、テトラエトキシシラ
ン125.3gを滴下した。滴下開始直後から溶液は白
濁した。これを18時間室温攪拌下したのち、生成した
白色固形物を濾別した。得られた固形物1gあたり30
0mlのエタノールを加え、エタノール還流下1時間攪
拌後、冷えない間に濾過してn−ドデシルアミンを除去
した。この操作を2回繰り返した後、80℃で6時間乾
燥してHMS(C12)48.7gを得た。
【0025】<担体HMS(C16)の調製(2)>担
体HMS(C12)の調整(1)においてn−ドデシル
アミン(C12)30.03gをn−ヘキサデシルアミ
ン39.12gに変えた他は同様にして、HMS(C1
6)41.06gを得た。
【0026】<HMS担持ヘテロポリ酸触媒(液相反応
用)の調製>12ータングストリン酸0.25gを水1
0mlに溶解させた中に上記で調製したHMS(C1
6)1.00gを加え、30分攪拌した後、ロータリー
エバポレーターを使用して減圧下、45℃で水を溜去し
た。次に、HMSが浸る程度に水約3.3gを加え、更
に、トルエン60mlに溶解させたフェニルトリエトキ
シシラン3.22gを加えて80℃で4時間加熱攪拌し
た。室温まで冷却した後、ロータリーエバポレーターを
使用して減圧下45℃以下でトルエンおよび水を溜去し
た。得られた固形物を120℃、12時間乾燥してHM
S担持ヘテロポリ酸触媒(液相反応用)2.77gを得
た。これを(触媒2)とした。(ヘテロポリ酸含有量;
9wt%=計算値)
【0027】(触媒3)HMS担持ヘテロポリ酸触媒
(気相反応用)(1)の調製 12ータングストリン酸5.50gを水120mlに溶
解させ、これに上記で調製したHMS(C12)22.
08gを加え、ロータリーエバポレーターを使用して減
圧下、80℃で水を溜去した。得られた固形物を120
℃で乾燥した。得られた粉末の触媒を気相反応用に成型
(14〜60メッシュ)して(触媒3)23.65gを
得た。(ヘテロポリ酸含有量;20wt%=計算値)
【0028】(触媒4)HMS担持ヘテロポリ酸触媒
(気相反応用)(2)の調製 (触媒3)と同じ方法で、12ータングストリン酸の量
を11.02gに変えて行った。(触媒4)を27.0
4g得た。(ヘテロポリ酸含有量;33wt%=計算
値)
【0029】(触媒5)シリカ担持ヘテロポリ酸触媒
(B)の調製 12ータングストリン酸7.50gを水30mlに溶解
させ、これに富士シリシア化学(株)製、低ナトリウム
含有型のAータイプシリカ30.00gを加え、30分
攪拌した後、ロータリーエバポレーターを使用して減圧
下45℃以下で水を溜去した。得られた固形物を120
℃で乾燥して(触媒5)37.20gを得た。(ヘテロ
ポリ酸含有量;20wt%=計算値) <<酢酸シクロヘキシル合成反応(液相懸濁床反応)>
【0030】[実施例1]200mlチタン製オートク
レーブに(触媒1)10g(ヘテロポリ酸;0.386
mmol)、シクロヘキセン13.5g、酢酸61.5
gを仕込んだ。反応器内を窒素置換した後、1MPaに
圧張りし、130℃に昇温した。この温度で30分反応
させた。反応終了後冷却し、内容物を取り出して、反応
液をガスクロマトグラフィーによって分析した。反応液
はほぼ無色であった。シクロヘキセンの転化率は57.
6%、酢酸シクロヘキシルの収率は55.1%、酢酸シ
クロヘキシルの選択率は95.6%であった。
【0031】[実施例2](触媒2)2.7g(ヘテロ
ポリ酸;0.062mmol)を使用して反応時間を3
時間にした以外は実施例1と同じ方法で行った。シクロ
ヘキセンの転化率は74.7%、酢酸シクロヘキシルの
収率は73.0%、選択率は97.7%であった。
【0032】[比較例1]12ータングストリン酸0.
18g(0.062mmol)を使用した以外は実施例
2と同じ方法で反応した。シクロヘキセンの転化率は7
9.0%、酢酸シクロヘキシルの収率は74.2%、選
択率は93.9%であった。 <<酢酸シクロヘキシル合成反応(気相流通反応)>>
【0033】[実施例3]ガラス製固定床流通反応装置
に(触媒1)10g(ヘテロポリ酸;0.386mmo
l)を仕込んだ。反応器内に窒素をGHSVが100
(/hr)となるように流通させながら120℃で30
分乾燥させた。100℃まで降温した後、この温度でシ
クロヘキセン/酢酸溶液(シクロヘキセン/酢酸=1/
6.2;モル比)をLHSVが0.184(g/g,h
r)となるように流通させた。反応開始5時間後、定常
に達したときの酢酸シクロヘキシル収率は13.9%、
選択率は99%以上であった。
【0034】[実施例4]反応温度を80℃とした以外
は実施例3と同じ方法で反応した。反応開始5時間後の
酢酸シクロヘキシル収率は13.4%、選択率は99%
以上であった。
【0035】[実施例5]触媒を(触媒3)にした以外
は実施例4と同じ方法で反応した。反応開始5時間後の
酢酸シクロヘキシル収率は15.9%、選択率は99%
以上であった。
【0036】[実施例6]触媒を(触媒4)にした以外
は実施例4と同じ方法で反応した。反応開始5時間後の
酢酸シクロヘキシル収率は15.3%、選択率は99%
以上であった。
【0037】[実施例7]触媒を(触媒5)にした以外
は実施例4と同じ方法で反応した。反応開始5時間後の
酢酸シクロヘキシル収率は14.3%、選択率は99%
以上であった。 <<酢酸シクロヘキシル加水分解>>
【0038】[実施例8]容量200mlのオートクレ
ーブに(触媒1)5.5g(ヘテロオリ酸;0.203
mmol)酢酸シクロヘキシル12.78g、水24.
0gを入れ、中を窒素置換した後、窒素を0.15MP
a張り込み130℃で4時間反応させた。室温まで冷却
し、内容物を取り出し、水相をトルエンで抽出して油相
および抽出トルエン相を合わせてガスクロマトグラフィ
ーで分析した。酢酸シクロヘキシルの転化率は36.2
%、シクロヘキサノールの収率は34.1%であった。
【0039】[比較例2]触媒を12−タングストリン
酸0.585g(0.203mmol)に変えた以外は
実施例8と同じ方法で反応した。酢酸シクロヘキシルの
転化率は27.5%、シクロヘキサノールの収率は2
6.3%であった。 <<シクロヘキサノールの蒸留>>実施例8で得られた
油相およびトルエン抽出相の混合物約50mlに水約1
00mlを加えてよく攪拌した後、油相と水相を分液し
た。油相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後ガスクロマトグ
ラフィーで分析した結果、酢酸シクロヘキシル8.08
g、シクロヘキサノール3.04gおよびシクロヘキセ
ン0.10gを含有していることがわかった。
【0040】次にこの母液を減圧下、ビグローカラムを
使用して分別蒸留した。初流(37mmHg,32℃)
49.7g(シクロヘキセン0.09gを含む)に続い
て本流(34mmHg、82℃)2.99gが得られ
た。ガスクロマトグラフィーで分析した結果、シクロヘ
キサノール2.98g、シクロヘキセン0.01gから
なることがわかった。シクロヘキサノールの収率は実施
例8の酢酸シクロヘキシル仕込み量基準で33.4%で
あった。蒸留後釜残8.02gの組成は酢酸シクロヘキ
シル7.98g、シクロヘキサノール0.03g、高沸
0.01gであった。
【0041】
【発明の効果】本発明は、シクロアルケンからシクロア
ルカノールを製造する方法に関して従来の水和法に比較
してその収率を飛躍的に増大させるものである。また、
担持触媒の使用により触媒の分離および生成物の精製を
容易ならしめることにより、工業的価値の極めて高いも
のである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体に担持したヘテロポリ酸の存在下で
    シクロアルケンと低級脂肪酸とを反応させることを特徴
    とする低級脂肪酸シクロアルキルの製造方法。
  2. 【請求項2】 低級脂肪酸が炭素数1〜6の脂肪酸であ
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法で得られ
    た低級脂肪酸シクロアルキルを固体酸触媒存在下で加水
    分解することを特徴とするシクロアルカノールの製造方
    法。
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