JPH11335277A - 経皮吸収型貼付剤 - Google Patents

経皮吸収型貼付剤

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JPH11335277A
JPH11335277A JP13687498A JP13687498A JPH11335277A JP H11335277 A JPH11335277 A JP H11335277A JP 13687498 A JP13687498 A JP 13687498A JP 13687498 A JP13687498 A JP 13687498A JP H11335277 A JPH11335277 A JP H11335277A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】本発明は、4−アミノ−3,5−ジクロロ−α
−〔((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル〕ベ
ンゼンメタノール(クレンブテロール)を含有し経皮的
に供給することにより経時的に安定した薬物血中濃度を
達成し得る経皮吸収型貼付剤に関するものであり、薬物
の定常状態単位面積皮膚透過速度を一定の範囲に特定
し、更に有効投与面積を特定した経皮吸収型貼付剤を提
供する。 【解決手段】薬効成分4−アミノ−3,5−ジクロロ−
α−〔((1,1−ジメチル)アミノ)メチル〕ベンゼ
ンメタノールを(A−B)n−A型弾性重合体〔式中、
Aは実質的にモノビニル置換芳香族化合物重合体ブロッ
ク、Bは実質的に共役ジオレフィン重合体ブロック、n
は3〜7の整数を表す〕からなる粘着性基剤を含有さ
せ、薬効成分の定常状態単位面積皮膚透過速度Flux
ss(数1)が人皮膚換算で0.15〜 4.0μg/cm2/hrの範囲
であり、更に該粘着性基剤の有効投与面積が0.5〜10cm2
であることを特徴とする経皮吸収型貼付剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4−アミノ−3,5−
ジクロロ−α−〔((1,1−ジメチルエチル)アミ
ノ)メチル〕ベンゼンメタノール(以下本件薬剤とい
う)を含有し経皮的に供給することにより経時的に安定
した薬物血中濃度を達成し得る経皮吸収型貼付剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−
〔((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル〕ベン
ゼンメタノールは、β2受容体選択性のβ刺激薬で、選
択的に気管支拡張作用を示すことから気管支喘息、慢性
気管支炎、肺気道等の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難
などの諸症状の緩解に治療剤として使用されている。4
−アミノ−3,5−ジクロロ−α−〔((1,1−ジメ
チルエチル)アミノ)メチル〕ベンゼンメタノールの製
剤としては、錠剤、顆粒剤が知られている。この薬物は
経口投与では吸収性及び薬効の持続性は良好な特性を有
しており、その生物学的半減期は約35時間と長い。し
かし心拍数増加等の循環器系の副作用、振戦、頭痛、興
奮、目まい等の精神神経系の副作用、嘔気、食欲不振等
の消化器系副作用が問題となっている。この原因は経口
投与後の一時的な血中濃度の上昇と考えられている。
【0003】一方これらの欠点を解決する手段として経
皮的投与による試みがなされている。例えば特開昭63
−10716号公報において4−アミノ−3,5−ジク
ロロ−α−〔((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メ
チル〕ベンゼンメタノールを経皮的に吸収させる外用剤
が提案されている。この製剤は4−アミノ−3,5−ジ
クロロ−α−〔((1,1−ジメチルエチル)アミノ)
メチル〕ベンゼンメタノールを軟膏剤またはクリーム剤
を主体とする新規な剤型とすることによって、経口投与
における一時的な血中濃度上昇を制御しようとするもの
である。しかし、この外用剤は従来の経口剤に比べ効力
の持続性は期待されるものの、軟膏剤やクリーム剤では
塗布後、衣服などによって薬効成分が擦り取られ投与量
の厳格な制御が困難である。また溶解剤としての開示さ
れているものが、アルコール類、グリコール類、脂肪酸
エステル類、鉱物油類、炭酸プロピレン、N−メチルピ
ロリドン等の一般的な記載がなされているが、実施例の
開示においてはアルコール類、グリコール類、脂肪酸エ
ステル類の一部のみが検討されているだけである。ま
た、脂肪酸エステル類は該薬物が遊離塩基の場合は溶解
助剤となるが、塩酸塩の場合は溶解助剤にはならず、更
にN−メチルピロリドンは該薬物の溶解助剤としての作
用は認められるものの該薬物の基剤中の活量を低下させ
る為に経皮吸収を阻害的し製剤化の妨げとなる。更に、
投与方法が簡便であり、かつ薬物投与量の制御が比較的
容易行える貼付剤については検討がなされていない。さ
らに、生理活性物質、有機酸(脂肪族カルボン酸、芳香
族カルオボン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホ
ン酸誘導体、コール酸誘導体又はそれらの水溶性無機塩
類)、疎水性高分子、粘着剤付与樹脂、可塑剤及び吸収
促進剤(L−メント−ル、ラウリルアルコール又はピロ
チオデカン)を含む粘着剤層を有するテープ剤の例(国
際公開WO96/16642)等が報告されていが、有
機酸によるイオン対の形成を介し薬物の透過性の向上を
目的としているものの、有機酸による皮膚に対する刺激
性の問題や、薬物の放出量が治療に十分な効果をもたら
すに至っておらず、更に該薬物については検討がなされ
ていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
欠点を解決するためになされたものであって、その目的
とするところは、該薬効成分を含有し、該薬物の投与量
の制御および投与方法が容易に行え且つ小面積であって
も充分な量の薬物が供給される皮膚透過性の高い製剤で
あり、薬物の血中濃度が急激に上昇せず緩徐に上昇した
後、一定範囲に安定した血中濃度が維持することによ
り、副作用発現の軽減と安定的に効果を維持できる新規
処方の経皮吸収型貼付剤を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
の製剤を開発すべく製剤の処方について鋭意研究を重ね
た結果、(A−B)n−A型弾性重合体を主体とした粘
着剤層に薬効成分である4−アミノ−3,5−ジクロロ
−α−〔((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチ
ル〕ベンゼンメタノールを配合し、以下の数2で示され
る薬物のFluxss値を人皮膚換算で0.15〜 4.0μg/cm2/h
rの範囲に特定し、更に有効投与面積の範囲を0.5〜10cm
2に特定したマトリックス型貼付剤とすることにより上
記目的の経皮吸収型貼付剤を完成することができた。
【0006】
【数2】
【0007】薬物のFluxについては、薬物動態学に
おいて、使用される値であり定常状態単位面積皮膚透過
速度として、外用薬物の開発等に利用されている。
【0008】本発明の経皮吸収型貼付製剤の粘着剤ベー
スとして用いられる(A−B)n−A型弾性重合体は、
具体的には市販品として入手できるシェル化学製のスチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(クレイ
トンD−1101)、スチレン−イソプレン−スチレン
ブロック共重合体(クレイトンD−1107、クレイト
ンD−1111)等が挙げられるが、特にスチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体が好適である。こ
のような(A−B)n−A型弾性体を製剤ベースとして
用いることによって、該薬物の放出、生物学的利用率の
大幅な向上が図れる。
【0009】次に本発明の経皮吸収型貼付剤について具
体的に説明する。本発明に用いられる該薬効成分である
本件薬剤は、通常塩酸塩として提供されるが、本発明の
経皮吸収型貼付剤では塩酸塩のままでもよいし、遊離塩
基としてもよい。しかし、一般に溶解性が悪く、溶解助
剤を必要とする。
【0010】本発明の経皮吸収型貼付剤は、該薬効成分
の血中濃度を有効領域に制御するには、薬物固有の体内
クリアランスにより体内吸収速度をコントロールする必
要がある。該薬物を経皮投与した時に理想とする薬物吸
収速度は約1.5〜2.0μg/hrであり、有効投与面積が0.5
〜10cm2の時に単位面積当たりの吸収速度を人皮膚換算
で0.15〜 4.0μg/cm2/hrの範囲に制御する必要があ
る。吸収速度がこれよりも早ければ副作用や皮膚に対す
る刺激性が問題となる。また、これよりも低ければ治療
上の効果が期待できない。尚、実験等で使用されるラッ
ト皮膚の経皮吸収速度は、実際に貼付する人皮膚に比較
して吸収速度が早く、その2倍乃至10倍と言われてい
る。
【0011】本発明における薬物の定常皮膚透過速度を
制御するための吸収助剤としては、炭素数7以上の高級
脂肪酸エステル(炭素数が7以上)、高級脂肪族アルコ
ール(炭素数が7以上)を用いる。使用に供する炭素数
7以上の高級脂肪酸エステル、高級脂肪族アルコールと
しては、炭素数6〜18の脂肪酸と炭素数1〜20のア
ルコールから得られる高級脂肪酸エステルまたは高級脂
肪族アルコールが用いられる。このような高級脂肪酸エ
ステルまたは高級脂肪族アルコールを形成し得る炭素数
6〜18の脂肪酸としては、アジピン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール
酸、リノレン酸などがある。炭素数1〜20のアルコー
ルとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ペンタ
ノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、セ
タノールなどがある。高級脂肪酸エステルとしてはミリ
スチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、セ
バシン酸ジエチルなどがあり、高級脂肪族アルコールと
してはミリスチルアルコール、オレイルアルコールなど
がある。上記の脂肪酸エステル及び/又は脂肪族アルコ
ールのうち1種又は2種以上の組み合わせでもよい。本
件薬剤の溶解助剤としては、Nメチル−2−ピロリドン
を使用するが、該助剤は逆に経皮吸収を負の方向に促進
する傾向があり、皮膚透過速度を高すぎる場合の経皮吸
収制御剤としての機能をも持つ。
【0012】本発明に用いる非イオン性界面活性剤とし
てはグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エ
ステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油類等がある。上記の非イオン性界面活性
剤のうち1種又は2種以上の組み合わせでもよい。
【0013】本発明の経皮吸収型貼付剤の粘着性基剤層
には粘着付与樹脂を添加してもよく、例えばロジン誘導
体(例えば、ロジン、ロジンのグリセリンエステル、水
添ロジン、水添ロジンのグリセリンエステル等)、脂環
族飽和炭化水素樹脂、ポリテルペン樹脂等が挙げられ
る。
【0014】本発明の経皮吸収型貼付剤の粘着性基剤層
には可塑剤を添加してもよい。例えば石油系炭化水素
(流動パラフィン)、クロタミトン、N−メチル−2−
ピロリドン、液状ゴム(例えば、ポリブテン、液状イソ
プレンゴム)、液状ポリブテンゴム等が挙げられる。
【0015】テープ製剤やパッチ剤およびパップ剤の支
持体としては、貼付剤に通常利用される支持体が用いら
れる。このような支持体の素材としては、酢酸セルロー
ス、エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、可塑性酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、
ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑性ポリ
塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウムなどがある。
これらは、例えば、単層のシート(フィルム)や二層以
上の積層(ラミネート)体として用いられる。アルミニ
ウム以外の素材は織布や不織布として利用してもよい。
【0016】該粘着性基剤層の厚みは貼付剤の柔軟性、
得られた粘着性基剤層の粘着力と関係する。ヒトの皮膚
に貼付する時、十分な粘着力を付与するためには該粘着
性基剤層の厚みは最低10μmは必要であり、好ましく
は20μm以上である。一方この粘着性基剤層の厚みが
増加すると薬物濃度低下ならびに薬物の粘着性基剤層表
面への移動速度の低下により薬物利用率が低下する。ま
た溶媒法により製造する時には残留溶媒が増加して皮膚
刺激性が悪化しカブレの原因となる。かかる理由から粘
着性基剤層の厚みは200μm以下であり、好ましくは
100μm以下である。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は実施例に限定されるものではない。 (実施例1〜8)薬効成分である4−アミノ−3,5−
ジクロロ−α−〔((1,1−ジメチルエチル)アミ
ノ)メチル〕ベンゼンメタノールを1重量%とし、以下
の表1に示されるような組成からなるスチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体(シェル・ジャパンの
商品名:クレイトンD−1107)を52乃至54重量
%、水添ロジンエステル(荒川化学工業の商品名KE−
311)を37乃至45重量%、ミリスチン酸イソプロ
ピル(IPM)、Nメチル−2−ピロリドン(NM
P)、オレイルアルコール(OA)、流動パラフィン
(LP)、モノオレイン酸ソルビタン(SO−10)、
トリオレイン酸POE(20)ソルビタン(TO−3
0)、クロタミトン(Crota)、セバシン酸ジエチ
ル(DES)を適宜選択添加した組成のものを溶解した
後、厚さが約40μmとなるようにPETフィルムに塗
膏した実施例1乃至8の貼付剤を得る。
【0018】
【表1】
【0019】薬効成分である4−アミノ−3,5−ジク
ロロ−α−〔((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メ
チル〕ベンゼンメタノールを1重量%とし、以下の表2
に示されるように(A−B)n−A型弾性重合体と水添
ロジンエステルの代わりにアクリル系粘着剤69.5乃
至99重量%を選択し、その他にミリスチン酸イソプロ
ピル(IPM)、Nメチル−2−ピロリドン(NM
P)、オレイルアルコール(OA)、流動パラフィン
(LP)、モノオレイン酸ソルビタン(SO−10)、
トリオレイン酸POE(20)ソルビタン(TO−3
0)、クロタミトン(Crota)、セバシン酸ジエチ
ル(DES)を適宜選択添加した組成のものを溶解した
後、厚さが約40μmとなるようにPETフィルムに塗
膏した比較例1乃至12の貼付剤を得る。
【0020】
【表2】
【0021】薬効成分である4−アミノ−3,5−ジク
ロロ−α−〔((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メ
チル〕ベンゼンメタノールを1重量%とし、以下の表3
に示されるように(A−B)n−A型弾性重合体と水添
ロジンエステルの代わりにシリコン系粘着剤69.5乃至9
9.0重量%を選択し、その他にミリスチン酸イソプロピ
ル(IPM)、Nメチル−2−ピロリドン(NMP)、
オレイルアルコール(OA)、流動パラフィン(L
P)、モノオレイン酸ソルビタン(SO−10)、トリ
オレイン酸POE(20)ソルビタン(TO−30)、
クロタミトン(Crota)、セバシン酸ジエチル(D
ES)を適宜選択添加した組成のものを溶解した後、厚
さが約40μmとなるようにPETフィルムに塗膏した
比較例13乃至24の貼付剤を得る。
【0022】
【表3】
【0023】(試験方法1)In vitro皮膚透過試験 まず、つぎのように各製剤の前記実施例1乃至8および
比較例1乃至24にかかる各テープ剤を試料片とした。
【0024】これらの試料片について、下記の手法によ
り性能試験を行った。まず図1に示すFranz-Improved型
の拡散セル(1)を準備した。拡散セル(1)は下側の
有底円筒状のレセプター槽(2)と、これの上に配置さ
れた円筒状のドナー槽(3)とよりなる。またドナー槽
(3)の下端およびレセプター槽(2)の上端にはそれ
ぞれ上部フランジ(4)および下部フランジ(5)を対
向状に重ね合わせることによって、ドナー槽(3)とレ
セプター槽(2)が気密状にかつ同心状に積み重ねられ
ている。レセプター槽には側部に側方突出状のサンプリ
ング口(6)が取り付けられ、レセプター槽(2)の内
部にはマグネット撹拌子(10)が入れてある。
【0025】ヘアレスラット(8週齢、雄)を頚椎脱臼
により屠殺した直後、直ちに腹部皮膚を剥離して皮下脂
肪と筋層を除去し、皮膚片を得た。この皮膚片(11)
を拡散セル(1)の上部フランジ(4)と下部フランジ
(5)の間に挟着して、ドナー槽(3)とレセプター槽
(2)の間を完全に閉じるようにした。なお、この際皮
膚片(11)は表皮側をドナー槽側に真皮側をレセプタ
ー槽側にセットし、ジャケット(7)にジャケット入口
(8)及びジャケット出口(9)を介して37℃の水を
恒温槽から循環させた。
【0026】皮膚片(11)の表皮側に試料片を圧着
し、レセプター槽には37℃の水を満たし、マグネット
撹拌装置によりレセプター液の撹拌を行った。試験開始
後24時間にわたり、所要時間おきにサンプリング口
(6)からレセプター液0.5mlを採取し、その直後に
新たなレセプター液0.5mlを補充した。採取したレセ
プター液に含まれる本件薬効成分量を高速液体クロマト
グラフ法により測定した。各貼付剤のサンプル数はそれ
ぞれ3例とした。測定した薬効成分量に基づき、ラット
皮膚に関する定常状態単位面積皮膚透過速度(Flu
x)を算出し、さらにこのFlux値をヒト皮膚に換算
のために5で除したものをヒト皮膚に関する換算定常状
態単位面積皮膚透過速度(Flux’)とした。実施例
及び比較例の各試料片の該薬効成分のラット皮膚に関す
る定常状態単位面積皮膚透過速度(Flux)、ヒト皮
膚換算の定常状態単位面積皮膚透過速度(Flux’)
及び24時間累積透過量Qを各表の下段に示す。
【0027】(試験方法2)各実施例及び比較例で作成
された試料片について、その粘着性及び膏体強度につい
て、下記の判定基準に基づき官能試験を行ったところ、
各表の下段に示す通りとなった。 評価基準粘 着 性 :本実施例及び比較例にかかる試料片を皮膚に
1時間貼付した後に剥離した場合の状況を 弱い:×、強すぎ(剥離時に痛い):△、良好:○ で評価した。膏体強度 :本実施例及び比較例にかかる試料片を皮膚に
1時間程度貼付した後において基剤等が皮膚に残存する
状況を 基剤が肌に残る:×、糸引きを起こす:△、基剤が肌に
残存しない:○で評価した。
【0028】この表1、表2及び表3の下段の試験結果
の比較からも明らかなように、各実施例の試料片は比較
例の試料片に比べて優れた皮膚透過性を示した。また添
加物としてのN−メチル−2−ピロリドンは、定常状態
単位面積皮膚透過速度(Flux)を下げる要素として
機能し、流動パラフィン、クロタミトン、オレイルアル
コール、ミリスチン酸イソプロピル及びセバシン酸ジエ
チルは定常状態単位面積皮膚透過速度(Flux)を上
げる要素として機能することが判明した。特にオレイル
アルコール、ミリスチン酸イソプロピルは、定常状態単
位面積皮膚透過速度(Flux)を上げる要素として機
能する要素である。
【0029】前記実施例1乃至8の透過試験の結果、S
IS系の粘着剤を用いたものが優れていることが判明し
たので、皮膚透過速度を上昇させる要素、下降させる要
素並びに薬効成分の配合量とSISの配合との関係、さ
らにはPETフィルムに塗膏する厚さの影響を検討する
べくSIS系粘着剤としてシェル・ジャパン社製クレイ
トンD−1107(SIS−1)及びシェル・ジャパン
社製以下のクレイトンD−1111(SIS−2)23
乃至46重量%、水添ロジンエステルを0乃至33.5
重量%(ロジンと呼ぶ)、ポリテルペン樹脂(ヤスハラ
化学の商品名:「クリアロンK100」(K100と呼
ぶ)、脂環族飽和炭化水素樹脂アルコンP100(AL
と呼ぶ)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、Nメ
チル−2−ピロリドン(NMP)、オレイルアルコール
(OA)、流動パラフィン(LP)、クロタミトン(C
rota)、アジピン酸ジイソプロピル(DIAと呼
ぶ)、液状イソプレンゴム(LIR−50と呼ぶ)、セ
バシン酸ジエチル(DES)、モノオレイン酸ソルビタ
ン(SO−10)、トリオレイン酸POE(20)ソル
ビタン(TO−30)、POE(5)硬化ヒマシ油(H
CO−5と呼ぶ)、POE(20)硬化ヒマシ油(HCO
−20と呼ぶ)、POE(100)硬化ヒマシ油(HCO−1
00と呼ぶ)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール
(4EO)(MYS-4と呼ぶ)、モノステアリン酸ポリエチレ
ングリコール(10EO)(MYS-10と呼ぶ)、モノステアリ
ン酸ポリエチレングリコール(55EO)(MYS-55と呼
ぶ)、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル(以下
BC-2と呼ぶ)、ポリオキシエチレン(5.5)セチルエー
テル(以下BC-5.5と呼ぶ)、ポリオキシエチレン(15.
5)セチルエーテル(以下BC-15TXと呼ぶ)を適宜添加し
た表4〜表7に示すような組成からなる実施例9〜実施
例47を作成し、これらの試料片について前述同様の試験
方法を用いて各試料片の該薬効成分の定常状態単位面積
皮膚透過速度(Flux)、24時間累積透過量、粘着
性及び膏体強度について、試験を行ったところ以下の表
4〜表7の下段に示すような結果が得られた。定常状態
単位面積皮膚透過速度(Flux)の結果、本件薬効成
分が0.1重量%の時(実施例14)の時には、人皮膚換
算の定常状態単位面積皮膚透過速度(Flux’)は、
0.05μg/cm2/hrと落ちるが、0.5重量%以上の場合
には、所望の範囲に入ることが判明した。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】(試験方法3)実施例43と比較例11につき
ヒト皮膚を用いて、試験例1と同様に操作し皮膚透過試
験を行い、ラット皮膚における定常状態単位面積皮膚透
過速度(Flux)との違いについて比較検討した。
【0035】各試料片の該薬効成分の経時的透過速度を
図2のグラフに示す。これらのグラフからも明らかなよ
うに、実施例43の試料片11は比較例の試料片に比べて優
れた皮膚透過性を示し有効投与面積を0.5〜10cm
2とした時、実施例43のものは必要とする透過速度範囲
にあるが比較例は必要な皮膚透過速度に満たない。以上
のようにラット皮膚と人皮膚における薬剤の定常状態皮
膚透過速度は以下の通りとなる。 対象薬剤 ラット皮膚のFluxa 人皮膚のFluxb Fluxa/Fluxb 比較例11 0.47 0.07 6.71 実施例43 3.53 1.20 2.98 得られた結果は、人皮膚がラットの皮膚に比較して透過
しにくく、本件薬物に関しては1/6.71〜1/2.98であり、
ラット皮膚の方は人皮膚に比較してFluxが高いという事
実が確認された。そこでここで得られた人皮膚の皮膚透
過速度の割合をラットの5分の1を換算レートとして他
の実施例や比較例のFlux値にあてはめて概算させたもの
が表1乃至表7のFlux'の値である。
【0036】(試験方法4) In vivo経皮投与試験(単回投与) まず、つぎのように各製剤の試料片を用意した実施例43
及び比較例11の製剤を10cm2の大きさに裁断し試料片と
した。
【0037】これらの、試料片について、下記の手法に
より性能試験を行った。各試料片をそれぞれ、投与前日
に腹部をバリカンで苅毛したヘアレスラット(10週
齢、雄)に腹部に貼付し試料片をガーゼで覆い、保定テ
ープで固定し、貼付24時間後に各試料片は剥離した。
各試料片貼付開始から48時間後まで経時的に頚静脈か
ら250μLを採血し血漿中の該薬効成分の量を高速液
体クロマトグラフ法で測定した。各貼付剤のサンプル数
は3例とした。
【0038】各試料片の該薬効成分の血中濃度の推移を
図3のグラフに示す。このグラフからも明らかなように
実施例は比較例にIn vitro皮膚透過試験の結果を反映し
ていた。
【0039】
【発明の効果】本発明の経皮吸収型貼付剤は、支持体の
片面に薬効成分4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−
〔((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル〕ベン
ゼンメタノールまたは、その塩酸塩を(A−B)n−A
型弾性重合体を主体とした粘着性基剤層に含有させ、有
効投与面積が0.5〜10cm2で該薬効成分のFluxss
が特定の範囲の貼付剤により、該薬効成分が経皮的に吸
収され血中濃度が緩徐に上昇した後、安定した血中濃度
が維持され持続的に薬効が発揮される。また、経口投与
時に起こり得る消化器官系の副作用や、急激な血中濃度
の上昇に伴って起こり得る副作用を回避する事もでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の皮膚透過試験に使用するフランツ改
良型セルの正面断面図である。
【図2】 実施例43と比較例11に関する各試料片の該薬
効成分の経時的透過速度を示すグラフである。
【図3】 実施例43と比較例11に関する各試料片の該薬
効成分の血漿中濃度の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
3 ドナー 4 上部フランジ 5 下部フランジ 6 サンプリング口 7 ジャケット 8 ジャケット入口 9 ジャケット出口 10 マグネット撹拌子 11 皮膚片

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬効成分4−アミノ−3,5−ジクロロ
    −α−〔((1,1−ジメチル)アミノ)メチル〕ベン
    ゼンメタノールを(A−B)n−A型弾性重合体〔式
    中、Aは実質的にモノビニル置換芳香族化合物重合体ブ
    ロック、Bは実質的に共役ジオレフィン重合体ブロッ
    ク、nは3〜7の整数を表す〕からなる粘着性基剤に含
    有させ、薬効成分の定常状態単位面積皮膚透過速度Flux
    ss(数1)が人皮膚換算で0.15〜 4.0μg/cm2/hrの範囲
    であり、更に該粘着性基剤の有効投与面積が0.5〜10cm2
    であることを特徴とする経皮吸収型貼付剤。 【数1】
  2. 【請求項2】 粘着性基剤成分の(A−B)n−A型弾
    性重合体が、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
    共重合体又はスチレン−イソプレン−スチレンブロック
    共重合体である請求項1に記載の経皮吸収型貼付剤。
  3. 【請求項3】 粘着基剤成分に脂肪酸エステル類(炭素
    数が7以上)及び/又は脂肪族アルコール(炭素数が7
    以上)及び/又は非イオン性界面活性剤を必須成分と
    し、実質的に充填剤及び有機酸を含有しない請求項1又
    は2に記載の経皮吸収型貼付剤。
  4. 【請求項4】 粘着基剤成分に高級脂肪族アルコールの
    オレイルアルコール及び/又は高級脂肪酸エステルのミ
    リスチン酸イソプロピルを必須成分として添加したこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の経皮吸収型貼付
    剤。
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