JPH11328710A - 光ディスク記録再生装置のレーザー出力設定方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクに信号を記録する光ディスク記録再
生装置に適したレーザー出力設定方法を提供する。 【解決手段】 ディスクに設けられている試し書き領域
の第１周回トラック及び第２周回トラックに異なるレー
ザー出力にてテスト信号を記録するとともに前記第１周
回トラック及び第２周回トラックに記録された信号のレ
ベルに基づいてレーザー出力を設定し、その設定された
レーザー出力により第３周回トラックにテスト信号を記
録し、該第３周回トラックに記録された信号のレベルを
判定することによりレーザー出力を設定するようにした
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光学式ピックアッ
プより照射されるレーザーによってディスクに信号を記
録するとともにレーザーによってディスクに記録されて
いる信号の再生動作を行うように構成された光ディスク
記録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】光学式ピックアップを用いてディスクに
記録されている信号の読み取り動作を行うディスクプレ
ーヤーが普及しているが、最近では、再生機能に加えて
光学式ピックアップより照射されるレーザーによってデ
ィスクに信号を記録することが出来るように構成された
光ディスク記録再生装置が商品化されている。

【０００３】斯かる光ディスク記録再生装置では、レー
ザーによってディスク上にピットを形成するように構成
されているが、レーザーの出力が最適でなかった場合に
は、ピットの形状が大きすぎたり小さすぎたりすること
になる。そのため、斯かる光ディスク記録再生装置に使
用されるディスクには、最内周側に試し書き領域が設け
られており、その試し書き領域に信号を記録した後再生
し、その再生信号を検出することによって記録のための
レーザー出力を設定するように構成されているが、斯か
る技術としては、例えば特開平６−７６２８８号公報に
開示されたものがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】試し書き領域へのテス
ト信号の記録動作は、フレーム単位や時間制御によって
行われているため、ディスクの回転特性に面ぶれや偏心
があるとテスト信号の記録再生動作に悪影響を与え、正
確なレーザー出力の設定動作が行えないという問題があ
った。

【０００５】本発明は、斯かる問題を解決したレーザー
出力設定方法を提供しようとするものである。

【０００６】

【作用】本発明は、ディスクに設けられている試し書き
領域の第１周回トラック及び第２周回トラックに異なる
レーザー出力にてテスト信号を記録するとともに前記第
１周回トラック及び第２周回トラックに記録された信号
のレベルに基づいてレーザー出力を設定し、その設定さ
れたレーザー出力により第３周回トラックにテスト信号
を記録し、該第３周回トラックに記録された信号のレベ
ルを判定することによりレーザー出力を設定するように
したものである。

【０００７】

【実施例】図１は本発明のレーザー出力設定方法を示す
フローチャート、図２は本発明に係る光ディスク記録再
生装置の一実施例を示すブロック回路図である。

【０００８】図２において、１は電動機２によって回転
駆動されるとともにディスク３が載置されるターンテー
ブル、４はディスク３に光ビームを照射させるレーザー
素子が組み込まれているとともにディスク３の信号面よ
り反射される光ビームを受ける光検出器が組み込まれて
いる光学式ピックアップである。

【０００９】５は前記光学式ピックアップ４の光検出器
から得られるＲＦ信号を増幅するとともに波形成形する
ＲＦ信号増幅回路、６は前記ＲＦ信号増幅回路５を介し
て得られる信号に基づいて前記光学式ピックアップ４の
光ビームをディスク３の信号面に合焦させるフォーカシ
ング制御、該光ビームを前記信号面の信号トラックに追
従させるトラッキング制御及び該光ビームを隣のトラッ
ク等へ移動させるトラックジャンプ動作を行うピックア
ップ制御回路である。

【００１０】７は前記ＲＦ信号増幅回路５より出力され
る信号のデジタル信号処理を行うとともに各種信号の復
調動作を行うデジタル信号処理回路、８は前記デジタル
信号処理回路７にて信号処理されたデジタル信号が入力
される信号再生用回路であり、ディスク３に記録されて
いる情報がオーディオ信号である場合には、アナログ信
号に変換した後増幅器等に出力し、コンピューターソフ
トのようなデータ信号の場合にはデジタル信号のままコ
ンピューター装置に出力する作用を成すものである。

【００１１】９は光ディスク記録再生装置の動作切り換
えを行う場合に操作される各動作用のスイッチが組み込
まれている操作スイッチ、１０は前記デジタル信号処理
回路７により復調された信号が入力されるとともに前記
操作スイッチ９の操作に応じて種々な制御動作を行うシ
ステム制御回路である。１１は前記システム制御回路１
０によって動作が制御される電動機駆動回路であり、前
記電動機２を回転駆動制御する作用を有している。

【００１２】１２は前記光学式ピックアップ４に組み込
まれているレーザー素子を駆動するレーザー駆動回路、
１３は前記システム制御回路１０によって動作が制御さ
れるレーザー出力設定回路であり、前記レーザー駆動回
路１２を制御することによってレーザーの出力を設定す
るように構成されている。１４は記録信号が入力される
とともにその信号に対応させて前記レーザー駆動回路１
２によるレーザーの照射動作を制御することによって信
号を前記ディスク３に記録させる信号記録用回路であ
る。

【００１３】１５は前記ＲＦ信号増幅回路５より出力さ
れる信号が入力されるとともに該信号のレベルを検出す
る信号レベル検出回路であり、その検出出力は前記シス
テム制御回路１０に入力されるように構成されている。
１６は前記電動機２の回転駆動動作に伴って該電動機に
組み込まれているホール素子等より得られるパルス信号
が入力される回転検出回路であり、入力されるパルス信
号の数をカウントすることによりターンテーブル１が１
回転したことを検出し、その検出出力をシステム制御回
路１０に出力するように構成されている。

【００１４】斯かる回路構成において、信号の記録動作
を行うためにディスク３をディスクの装着部に挿入する
と、レーザー出力の設定動作が行われる。斯かるレーザ
ー出力の設定動作は、ディスク３の最内周側に設けられ
ている試し書き領域へのテスト信号の記録動作及び記録
されたテスト信号の再生動作を行うことによって行われ
るが、その詳細については後述する。

【００１５】試し書き領域へのテスト信号の記録再生動
作によりレーザー出力は設定され、このようにして設定
されたレーザー出力によってディスクに設けられている
データ信号記録領域への信号の記録動作が開始される
が、信号の記録動作が行われているとき、ディスク３よ
り反射される光の変化をモニターすることによってレー
ザー駆動回路１２よりレーザー素子に供給される駆動電
流の値を変化させて常に記録動作に最適なレーザー出力
になるように調整するように構成されている。

【００１６】以上の如く、本発明に係る光ディスク記録
再生装置は構成されているが、次に斯様に構成された回
路における再生動作について説明する。操作スイッチ９
に設けられている再生用操作スイッチを操作すると、シ
ステム制御回路１０による再生動作のための制御動作が
開始される。斯かる再生動作が行われる場合には、光学
式ピックアップ４に組み込まれているレーザー素子に
は、信号の読み取り動作を行うためのレーザー出力が得
られる駆動電流がレーザー駆動回路１２より供給される
ように設定されている。

【００１７】斯かる再生動作のための制御動作が開始さ
れると、電動機駆動回路１１による電動機２の回転制御
動作が行われるとともに光学式ピックアップ４のフォー
カス制御動作及びトラッキング制御動作が開始されて該
光学式ピックアップ４によるディスク３からの信号の読
み取り動作が開始される。前記光学式ピックアップ４に
よって読み取られた信号は、ＲＦ信号増幅回路５を通し
てデジタル信号処理回路７に入力されて信号の復調動作
が行われる。前記デジタル信号処理回路７により信号処
理が行われて情報データが抽出されると、該情報データ
は誤り訂正等の信号処理が行われた後、信号再生用回路
８に印加される。

【００１８】そして、前記信号再生用回路８は、ディス
ク３から読み出された情報データがオーディオ信号であ
る場合には、アナログ信号に変換した後増幅器等に出力
し、コンピューターソフトのようなデータ信号の場合に
はデジタル信号のままコンピューター装置に出力するこ
とになる。

【００１９】以上の如く本実施例における再生動作は行
われるが、次に信号の記録動作について説明する。記録
用のディスク３をディスクの装着部に挿入すると、後述
する試し書き領域へのテスト信号の記録再生動作によっ
てレーザー出力の設定動作が行われる。

【００２０】斯かるテスト信号の試し書き領域への記録
動作及びそのテスト信号の再生動作によってレーザー出
力値が設定されると、信号記録用回路１４より入力され
る信号の記録動作が開始される。斯かる信号の記録動作
は、ディスク３に設けられているデータ信号記録領域に
対して行われることになる。

【００２１】斯かる記録動作が行われている状態では、
光学式ピックアップ４の温度が変化するため、レーザー
の出力やレーザーの波長が変化し、ディスク３に対する
記録特性が変化することになる。ディスク３に対する記
録特性が変化するとディスク面より反射する光が変化す
るため、その変化を補正するべくレーザー出力設定回路
１３によって設定されるレーザーの出力値が変化せしめ
られる。従って、ディスク３への信号の記録動作を最適
なレーザー出力値のままで続けて行うことが出来る。

【００２２】そして、斯かる信号の記録動作は、操作ス
イッチ９に設けられている記録停止用スイッチを操作す
ることによって解除されるが、記録動作の終了は、信号
の記録位置等を示す位置情報データ等を所定の位置に記
録することによって完了するように構成されている。即
ち、斯かる位置情報データを利用して所望の信号の再生
動作を開始させたり、次の記録動作を開始させる位置の
設定動作を行うことが出来る。

【００２３】前述したように信号の記録動作は行われる
が、次に本発明の要旨であるレーザー出力設定方法につ
いて図１に示したフローチャートに基づいて説明する。
記録用のディスクがディスク装着部に装着されると、レ
ーザー出力の設定動作が開始されるが、先ず該ディスク
に設けられている試し書き領域の第１周回トラックに前
もって設定されているレーザー出力Ａにてテスト信号の
記録動作を行う（ステップＡ）。斯かるテスト信号の記
録動作が行われるとき、回転検出回路１６の働きによっ
てターンテーブル１、即ちディスクが一回転したか否か
の判定が行われる（ステップＢ）。

【００２４】ステップＢにてディスクが一回転したと判
定されると、第２周回トラックにレーザー出力Ａと異な
るレーザー出力Ｂにてテスト信号の記録動作を行う（ス
テップＣ）。斯かるテスト信号の記録動作が行われると
き、回転検出回路１６の働きによってディスクが一回転
したか否かの判定が行われる（ステップＤ）。

【００２５】ステップＤにてディスクが一回転したと判
定されると、ステップＡにて第１周回トラックに記録さ
れたテスト信号及びステップＣにて第２周回トラックに
記録されたテスト信号のレベル検出動作が行われる（ス
テップＥ）。ステップＥにて検出された信号レベルに基
づいてレーザー出力Ｃを設定する（ステップＦ）。記録
されたテスト信号を再生し、そのレベルを検出すること
により各レーザー出力とディスクの記録特性との間の関
係を検知することが出来、レーザー出力Ａ及びレーザー
出力Ｂとの関係からレーザー出力Ｃを設定することが出
来る。

【００２６】ステップＦにてレーザー出力Ｃが設定され
ると、試し書き領域の第３周回トラックにレーザー出力
Ｃにてテスト信号を記録する（ステップＧ）。斯かるテ
スト信号の記録動作が行われるとき、回転検出回路１６
の働きによってディスクが一回転したか否かの判定が行
われる（ステップＨ）。ステップＨにてディスクが一回
転したと判定されると、ステップＧにて第３周回トラッ
クに記録されたテスト信号のレベル検出動作が行われる
（ステップＩ）。

【００２７】ステップＩにてテスト信号のレベル検出動
作が行われると、その検出レベルが最適レベルか、即ち
信号を記録するために適したレベル範囲にあるか否かの
判定が行われる（ステップＪ）。ステップＪにて最適レ
ベルであると判定されると、レーザー出力の設定動作が
終了し、ステップＦにて設定されたレーザー出力Ｃが記
録動作を行うためのレーザー出力として設定される（ス
テップＫ）。

【００２８】ステップＪにて最適レベルでは無いと判定
されると、レーザー出力を変更し、再度のテスト信号の
記録動作等の他の動作が行われる（ステップＬ）。本実
施例では、第１周回トラックにレーザー出力Ａにてテス
ト信号を記録した後、第２周回トラックにレーザー出力
Ｂにてテスト信号を記録し、その後各周回トラックに記
録されたテスト信号のレベル検出を行うようにしたが、
各周回トラックへのテスト信号の記録動作を行った後直
ちにその記録された信号のレベル検出動作を行うように
することも出来る。

【００２９】また、各周回トラックへのテスト信号の記
録動作を行った後に行われる記録信号のレベル検出動作
は、周回トラックの複数箇所をサンプリングし、その検
出されたレベル値の平均値を求めるようにすることによ
って正確なレベルを検出することが出来、レーザー出力
の設定を正確に行うことが出来る。

【００３０】そして、本実施例では、第３周回トラック
に記録された信号のレベルが所定値内に無いと判定され
たとき、レーザー出力を変更して再度のテスト信号の記
録動作を行うようにしたが、斯かるテスト信号の記録動
作を所定回数行っても第３周回トラックに記録された信
号のレベルが所定値内に無いと判定される場合には、記
録動作が不可能なディスクであると判定し、表示装置等
に表示するようにすることも出来る。

【００３１】また、試し書き領域へのテスト信号の記録
動作を行う場合に設定されるレーザー出力は、ディスク
の種類や記録動作が行われるディスクの回転速度に対応
させて設定することが出来る。

【００３２】そして、本発明では、ディスクの一回転を
ターンテーブルを回転させる電動機より得られる信号を
利用して検出するようにしたが、ターンテーブルの回転
を検出する手段を設けて検出するように構成することも
出来る。

【００３３】

【発明の効果】本発明は、ディスクに設けられている試
し書き領域の第１周回トラック及び第２周回トラックに
異なるレーザー出力にてテスト信号を記録するとともに
前記第１周回トラック及び第２周回トラックに記録され
た信号のレベルに基づいてレーザー出力を設定するとと
もに設定されたレーザー出力により第３周回トラックに
テスト信号を記録し、該第３周回トラックに記録された
信号のレベルを判定することによりレーザー出力を設定
するようにしたので、即ちテスト信号をトラックの周回
に亘って記録するようにしたので、ディスクの回転特性
に面ぶれや偏心があってもテスト信号の記録再生動作に
伴う信号レベルの検出動作を正確に行うことが出来る。

【００３４】また、本発明は、各周回トラックに記録さ
れた信号のレベル検出をサンプリング動作によって行う
ようにしたので、トラックに記録された信号のレベルを
平均して検出することが出来、ディスクの回転特性に面
ぶれや偏心があってもテスト信号の記録再生動作に伴う
信号レベルの検出動作をより正確に行うことが出来ると
いう効果を有している。

【００３５】そして、本発明は、ディスクの一回転をタ
ーンテーブルを回転駆動する電動機より得られる信号を
利用して行うようにしたので、即ち電動機を回転駆動す
るために使用される回転検出素子等を利用することが出
来るので、構成が簡潔になるという利点を有している。

【００３６】また、本発明は、第３周回トラックに記録
された信号のレベルが所定値内に無いときには、レーザ
ー出力を変更して再度テスト信号の記録動作を行うよう
にしたので、記録特性にバラツキのあるディスクに対し
てもレーザー出力の設定を正確に行うことが出来る。そ
して、本発明は、テスト信号の記録動作が所定回数行わ
れた場合には、記録動作が不可能なディスクであると判
定するようにしたので、無駄な動作を防止することが出
来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のレーザー出力設定方法を示すフローチ
ャートである。

【図２】本発明のレーザー出力設定方法に係る光ディス
ク記録再生装置の一実施例を示すブロック回路図であ
る。

【符号の説明】

１ ターンテーブル ２ 電動機 ３ ディスク ４ 光学式ピックアップ ５ ＲＦ信号増幅回路 ６ ピックアップ制御回路 ７ デジタル信号処理回路 １０ システム制御回路 １２ レーザー駆動回路 １３ レーザー出力設定回路 １５ 信号レベル検出回路 １６ 回転検出回路

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクに設けられている試し書き領域
   の第１周回トラック及び第２周回トラックに異なるレー
   ザー出力にてテスト信号を記録するとともに前記第１周
   回トラック及び第２周回トラックに記録された信号のレ
   ベルに基づいてレーザー出力を設定し、その設定された
   レーザー出力により第３周回トラックにテスト信号を記
   録し、該第３周回トラックに記録された信号のレベルを
   判定することによりレーザー出力を設定するようにした
   ことを特徴とする光ディスク記録再生装置のレーザー出
   力設定方法。
2. 【請求項２】 各周回トラックに記録された信号のレベ
   ル検出をサンプリング動作によって行うようにしたこと
   を特徴とする請求項１に記載のレーザー出力設定方法。
3. 【請求項３】 ディスクの一回転をターンテーブルを回
   転させる電動機より得られる信号により検出するように
   したことを特徴とする請求項１に記載のレーザー出力設
   定方法。
4. 【請求項４】 第３周回トラックに記録された信号のレ
   ベルが所定値内に無いとき、レーザー出力を変更した後
   再度テスト信号の記録動作を行うようにしたことを特徴
   とする請求項１に記載のレーザー出力設定方法。
5. 【請求項５】 テスト信号の記録動作が所定回数行われ
   たとき、記録動作が不可能なディスクであると判定する
   ようにしたことを特徴とする請求項４に記載のレーザー
   出力設定方法。