JPH11327624A - 送り速度制限機能付数値制御装置 - Google Patents

送り速度制限機能付数値制御装置

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JPH11327624A
JPH11327624A JP14205998A JP14205998A JPH11327624A JP H11327624 A JPH11327624 A JP H11327624A JP 14205998 A JP14205998 A JP 14205998A JP 14205998 A JP14205998 A JP 14205998A JP H11327624 A JPH11327624 A JP H11327624A
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tool
feed speed
cutting
feed
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Satoru Shinozaki
了 篠崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常に最適な送り速度で切削加工を行うことの
できる送り速度制限機能付数値制御装置を提供するこ
と。 【解決手段】 バイト1の移動方向に対応させてバイト
1の送り速度の上限値Vmax. をCMOSメモリ14に記
憶させておく。バイト1に送りを掛けるサーボモータ5
0,51の負荷を検出して切削加工中であるか否かを判
定し(S1〜S2)、切削加工中の場合にだけバイト1の移動
方向を算出して(S3)、その移動方向に対応する工具送り
速度の上限値Vmax. を求め(S4)、指令送り速度Vが上限
値Vmax. を上回る場合に限り、指令送り速度Vに代えて
上限値Vmax. を出力して工具送り速度を制限する(S5〜S
7)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送り速度制限機能
付数値制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】加工プログラムや手動パルス発生器また
はガイダンス用操作ハンドル等からの移動指令に基いて
工具またはワークに送りを掛けて切削加工を行う数値制
御装置が公知である。
【0003】この種の数値制御装置において加工プログ
ラムをプレイバックして切削加工を行うような場合、最
適化された工具送り速度が予め加工プログラムで与えら
れているので、多くの場合、切削送り速度に関する問題
が発生することはないが、手動パルス発生器やガイダン
ス用操作ハンドル等による手動操作で工具やワークに送
りを掛けて切削加工を行うような場合には、オペレータ
の操作ミス等で工具やワークの送り速度が許容範囲を超
えて大きくなる可能性があり、いわゆる重切削となっ
て、ワークに対する工具の異常な食い込みや過剰な削り
込み、または、工具の折損等の事故に繋がる場合があ
る。
【0004】特に、旋削に用いるバイト等の工具のよう
に、ワークに対する刃先の切り込み方向によって切削可
能な送り速度に著しい相違を生じたり、また、切削が不
可能となる領域が生じたりする刃物の場合では、正常な
切削加工が可能な最大送り速度が工具の移動方向によっ
て様々に変化するので、手動パルス発生器やガイダンス
用操作ハンドル等による手動操作で工具やワークに送り
を掛けて切削加工を行うような場合、送り速度の調整が
非常に困難となる。
【0005】例えば、旋削加工を行う場合、バイトの形
状によっては同じ刃物を使用して円筒削リと端面削リの
両方をこなすことも可能であるが、円筒削リの場合と端
面削リの場合とでは許容される最大送り速度に違いがあ
り、また、円筒削リ専用のバイトを用いて円筒削リを実
施するような場合であっても、回転体の外形が2次曲線
を描いているような場合では、厳密には、切削個所によ
って刃物とワークの成す角が変動するので、正常な切削
加工が可能な最大送り速度にも微妙な変化が生じ、切削
負荷が過剰となる特定の部分に削り込みが生じる等の問
題がある。
【0006】当然、安全をみて工具送り速度を遅めに設
定すれば加工が長引くし、工具送り速度を速めに設定し
てしまうと、相対的に切削量が増大する特定の個所で削
り込みが発生する等の弊害が生じる。
【0007】また、加工プログラムをプレイバックして
切削加工を行うような場合であっても、加工プログラム
の速度指令はブロック単位で設定されるようになってい
るので、外形が2次曲線を描くような回転体を加工する
ような場合、例えば、円弧部分等を加工するような場合
では、前記と同様、切削個所によって刃物とワークの成
す角が変動するといった問題があり、部分的な重切削に
よって削り込みが発生する可能性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、前記従来技術の欠点を解消し、常に最適な送り速度
で切削加工を行うことのできる送り速度制限機能付数値
制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、工具またはワ
ークの移動方向をリアルタイムで算出する移動方向算出
手段と、工具またはワークの送り速度の上限値を工具ま
たはワークの移動方向に対応させて記憶する規制値記憶
手段と、前記移動方向算出手段で算出された工具または
ワークの移動方向と前記規制値記憶手段に記憶された上
限値とに基づいて、送り速度の現在値が上限値を超えな
いように工具またはワークの送り速度を規制する送り速
度制限手段とを備えたことを特徴とする構成により前記
課題を達成した。
【0010】また、工具種別毎の規制値記憶手段を設
け、装着されている工具の種別に応じた規制値記憶手段
を選択して工具またはワークの送り速度を規制すること
により、様々な加工に対処できるようにした。
【0011】更に、切削加工時に限定して工具またはワ
ークの送り速度を規制することにより、工具の空送りや
アプローチ動作の際に工具動作が不必要に制限されるの
を防止し、全体的な加工効率を向上させた。
【0012】切削加工中であるか否かの判定は、例え
ば、工具またはワークに送りを掛けるサーボモータの負
荷を検出し、その値を設定値と比較することで達成され
得る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1は本発明を適用した一実施形態
の送り速度制限機能付数値制御装置10と該数値制御装
置10によって駆動制御される工作機械、例えば、旋盤
等の要部を示すブロック図である。
【0014】プロセッサ11は数値制御装置10を全体
的に制御するプロセッサであり、バス21を介してRO
M12に格納されたシステムプログラムを読み出し、こ
のシステムプログラムに従って、数値制御装置10を全
体的に制御する。RAM13は一時記憶用のメモリであ
る。
【0015】CMOSメモリ14は図示しないバッテリ
でバックアップされ、数値制御装置10の電源がオフに
されても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構
成されており、工具送り速度の上限値を工具の移動方向
に対応させて記憶した上限値記憶ファイルもCMOSメ
モリ14内に格納されている。
【0016】インターフェイス15は外部機器用のイン
ターフェイスであり、紙テープリーダ,紙テープパンチ
ャー等の外部機器72が接続される。紙テープリーダか
らはNCプログラムが読み込まれ、また、数値制御装置
10内で編集されたNCプログラムを紙テープパンチャ
ーに出力することもできる。
【0017】PMC(プログラマブル・マシン・コント
ローラ)16は数値制御装置10に内蔵されたシーケン
スプログラムで工作機械を制御する。即ち、NCプログ
ラムで指令された機能に従って、これらシーケンスプロ
グラムで工作機械側で必要な信号に変換し、I/Oユニ
ット17から工作機械側に出力する。この出力信号によ
り工作機械側の各種アクチュエータが作動する。また、
工作機械側のリミットスイッチ等の信号を受け、必要な
処理をしてプロセッサ11に渡す。
【0018】各軸の現在位置,アラーム,パラメータ,
画像データ等の画像信号はCRT/MDIユニット70
のディスプレイに送られて表示される。インターフェイ
ス18はCRT/MDIユニット70のキーボードから
のデータを受けてプロセッサ11に渡す。インターフェ
イス19はX軸用,Z軸用およびガイダンス用の3つの
手動パルス発生器によって構成される手動パルス発生器
群71に接続され、これらの手動パルス発生器からのパ
ルスを受ける。
【0019】X軸用,Z軸用およびガイダンス用の3つ
の手動パルス発生器は、図5に示されるような工作機械
側の操作盤113に実装され、各手動パルス発生器に
は、X軸用操作ハンドル108,Z軸用操作ハンドル1
09,ガイダンス用操作ハンドル111が取り付けられ
ている。
【0020】X軸用操作ハンドル108とZ軸用操作ハ
ンドル109は完全な手動操作のための操作ハンドルで
あり、いずれか一方を操作すれば、その操作量とハンド
ル回転速度に応じて工具がX軸方向またはZ軸方向に移
動し、更に、X軸用操作ハンドル108とZ軸用操作ハ
ンドル109を同時に操作すれば、その操作量とハンド
ル回転速度比に比例して工具がX−Z平面内で移動す
る。
【0021】また、選択スイッチ110は、ガイダンス
用操作ハンドル111の操作によって加工プログラム上
の加工経路に沿って工具を移動させるか、もしくは、ガ
イダンス用操作ハンドル111の操作によって工具にア
プローチ動作を行わせるかを選択するためのもので、方
向選択キー112は、ガイダンス用操作ハンドル111
を操作して加工経路に沿って工具を移動させる際の工具
送り方向の順行/逆行を指定するために用いる。
【0022】選択スイッチ110により前者の機能を選
択してガイダンス用操作ハンドル111を操作した場合
の工具の送り方向は、加工プログラム上の加工経路によ
って規制され、工具の移動速度のみがガイダンス用操作
ハンドル111のハンドル回転速度に応じて変化する。
【0023】操作盤113には、更に、主軸の回転を開
始させるためのスピンドルスイッチ101、その回転を
停止させるためのスピンドル停止スイッチ102、工具
先端に加工液を供給するためのクーラントスイッチ10
3、クーラントの供給を停止させるためのクーラント停
止スイッチ104、刃物台の工具を自動交換するための
工具交換スイッチ105、手動運転で生成した加工経路
を加工プログラムとして記憶させるためのティーチング
スイッチ106、教示した加工プログラムを実行させる
ためのプレイバックスイッチ107等が設けられ、これ
らのスイッチからの信号はI/Oユニット17およびP
MC16を介してプロセッサ11に渡される。
【0024】軸制御回路30,31はプロセッサ11か
らの各軸の移動指令パルスを受けてサーボアンプ40,
41に出力する。サーボアンプ40,41はこの指令を
受けて各軸のサーボモータ50,51を駆動する。X,
Z軸のサーボモータ50,51には位置速度検出用のパ
ルスコーダが内蔵されており、これらのパルスコーダか
らのフィードバック信号が軸制御回路30,31にフィ
ードバックされる。また、軸制御回路30,31に内蔵
されたサーボ制御CPUの各々はこれらのフィードバッ
ク信号と前述の移動指令とに基いて位置ループ,速度ル
ープ,電流ループの各処理を行い、最終的な駆動制御の
ための電流指令を各軸毎に求めて各軸のサーボモータ5
0,51の位置,速度を制御する。
【0025】スピンドル制御回路60はスピンドル回転
指令およびスピンドルのオリエンテーション等の指令を
受けて、スピンドルアンプ61にスピンドル速度信号を
出力する。スピンドルアンプ61はこのスピンドル速度
信号を受けて、スピンドルモータ62を指令された回転
速度で回転させる。また、オリエンテーション指令によ
って、所定の位置にスピンドルモータ62の回転位置を
位置決めする。
【0026】図4は、CMOSメモリ14に格納された
上限値記憶ファイル(規制値記憶手段)の一例を示す概
念図である。
【0027】本実施形態においては、工具となるバイト
1が図2に示すようにX−Z平面内で縦横に移動するも
のとして、その移動方向を45°のピッチで8つの方向
性に分類し、それぞれの方向性に対して許容される切削
送り速度の上限値が規制値として上限値記憶ファイルに
記憶されている。
【0028】無論、バイト1等を始めとする切削工具の
種類によって切削が可能な方向や各送り方向に対して許
容される切削送り速度は様々に異なるので、移動方向の
分割数や分割ピッチの角度、また、分割を等ピッチとす
るか不等ピッチとするか等については各工具の種類に応
じて決定する必要があり、該数値制御装置10で駆動制
御する旋盤に取り付けて用いる可能性のある工具毎に、
最適化した上限値記憶ファイルを予め作成して、工具番
号等に対応させてCMOSメモリ14に登録しておくよ
うにする。
【0029】図6はプロセッサ11が加工プログラムや
各種ハンドル108,109,111からの移動指令を
受けて所定周期毎の各軸の移動指令(=速度)を算出す
る際に実施する速度制限処理の概略を示すフローチャー
トである。
【0030】実質的な位置,速度,電流ループの各処理
に関しては従来と同様であるので、ここでは特に説明し
ない。
【0031】速度制限処理を開始したプロセッサ11
は、まず、各軸の軸制御回路30,31およびサーボア
ンプ40,41を介してX,Z軸のサーボモータ50,
51の駆動電流Ix,Izの値、要するに、バイト1に
送りを掛けるX,Z軸のサーボモータ50,51に作用
している負荷Ix,Izの値を読み込み(ステップS
1)、その合成負荷Ix2+Iz2が設定値Is2 を超え
ているか否かを判別する(ステップS2)。
【0032】設定値Is2 はバイト1が加工素材2を切
削しているか否かを判定するための設定値であり、アプ
ローチ動作や加工経路外のバイト1の早送り動作、およ
び、既に加工が完了している面に対してバイト1をトレ
ースする際にX,Z軸のサーボモータ50,51に作用
する負荷Ix0 2+Iz0 2に比べて僅かに大きめに設定し
ておく。
【0033】従って、加工プログラムのプレイバック動
作中であろうと、ガイダンス用操作ハンドル111もし
くはX軸用操作ハンドル108やZ軸用操作ハンドル1
09の操作中であろうと、ステップS2の判別結果が偽
となった場合には、アプローチ動作や加工経路外のバイ
ト1の早送り動作、もしくは、既に加工が完了している
面に対してバイト1をトレースするための送り動作が実
施されていることを意味し、また、ステップS2の判別
結果が真となった場合には、何らかのかたちでバイト1
による実際の切削動作が実施されていることを意味す
る。
【0034】ステップS2の判別結果が偽となった場
合、工具であるバイト1による実質的な切削動作は行わ
れていないので、工具送り速度に制限を加える必要はな
く、プロセッサ11は、加工プログラムもしくはガイダ
ンス用操作ハンドル111やX軸用操作ハンドル10
8,Z軸用操作ハンドル109の操作量および操作速度
に応じた移動指令Vを、そのままX,Z各軸の軸制御回
路30,31に出力してバイト1の送りを駆動制御する
(ステップS7)。
【0035】従って、工具送り速度の制限がバイト1の
アプローチ動作や加工経路外のバイト1の早送り動作に
影響を与えることはなく、加工開始位置へのバイト1の
移動や次の加工位置へのバイト1の移動等は、加工プロ
グラムによる指定速度またはガイダンス用操作ハンドル
111やX軸用操作ハンドル108,Z軸用操作ハンド
ル109の操作速度に応じて高速に実施することができ
る。
【0036】また、ステップS2の判別結果が真となっ
て切削加工中であることが検出された場合、プロセッサ
11は、加工プログラムもしくはガイダンス用操作ハン
ドル111またはX軸用操作ハンドル108やZ軸用操
作ハンドル109の操作量および操作速度に基づいてバ
イト1の移動方向をリアルタイムで算出し(ステップS
3)、更に、現段階で刃物台に装着されているバイト1
の工具番号、要するに、直前の工具交換指令で指定され
たバイト1の工具番号を参照して、その工具番号に対応
する図4のような上限値記憶ファイルから、ステップS
3の処理で算出した移動方向に対応して記憶された切削
送り速度の上限値Vmax.の値を読み込んで(ステッ
プS4)、加工プログラムもしくはハンドル操作で与え
られた移動指令Vとの大小関係を比較する(ステップS
5)。
【0037】そして、加工プログラムもしくはハンドル
操作で与えられた移動指令Vが上限値Vmax.を超え
ていなければ、前記と同様にして加工プログラムもしく
はハンドル操作で与えられた移動指令Vをそのまま出力
し(ステップS7)、また、加工プログラムもしくはハ
ンドル操作で与えられた移動指令Vが上限値Vmax.
を超えていた場合には、加工プログラムもしくはハンド
ル操作で与えられた移動指令Vに代えて(ステップS
6)、現在の工具および工具送り方向に対して許容され
る安全な工具送り速度の上限値Vmax.を出力する
(ステップS7)。
【0038】従って、オペレータがガイダンス用操作ハ
ンドル111またはX軸用操作ハンドル108やZ軸用
操作ハンドル109を用いてバイト1に手動送りを掛け
ながら切削作業を行うような場合、または、加工プログ
ラム上の送り速度として誤って過剰な切削送り速度が設
定されていたような場合であっても、切削能力以上の重
切削によって加工素材2に食い込みが生じたり、バイト
1の折損事故が生じたりすることはない。
【0039】また、回転体の外形が2次曲線を描いてい
るような場合には、加工位置によって変動するバイト1
の移動方向に応じて、各移動方向毎に定められた送り速
度の上限値Vmax.による規制が掛かるので、円弧等
を始めとする2次曲線の輪郭をプログラム制御で加工す
るような場合においても、不用意な重切削による削り込
み等を防止して精密な加工を達成することができる。
【0040】加工プログラムで送り速度を指定する場
合、送り速度の指定が可能な最小加工単位が1ブロック
に制限されるので、加工プログラム上の指令送り速度を
どの様に調整したとしても、1ブロックで指令された円
弧等の2次曲線の輪郭を全区間に亘って最適の送り速度
で切削することはできないが、本実施形態の場合、工具
の移動指令の算出周期毎にリアルタイムで工具の移動方
向を求め、その移動方向に対応して工具送り速度の最大
値を規制するようにしているので、1加工ブロックとい
った指令送り速度の設定単位に制限されることなく、常
に工具の送り方向に応じた最適の工具送り速度で切削加
工を行うことが可能となる。
【0041】例えば、図3の例に示すように円柱状の加
工素材2の端面外周部に1/4円弧の周溝を形成するよ
うな場合、加工プログラム上ではA−Bの円弧区間が1
つの加工ブロックとして定義されるので、この1ブロッ
クに対しては単一の送り速度しか指定できず、の区間
に対してもの区間に対しても同じ工具送り速度を適用
する以外にない。
【0042】そこで、もし、図4に示すようにの区間
に合わせて最大送り速度0.5m/min.を円弧区間A−B
に設定したとすると、必然的に、の区間においても
0.5m/min.の送り速度が適用されることになる。しか
し、実際にはの区間で適用できる最大送り速度は0.
1m/min.であり、の区間が重切削となって削り込み等
の加工異常が生じる可能性がある。
【0043】また、の区間に正常な加工を行うことを
優先して円弧区間A−Bに対して0.1m/min.の送り速
度を設定したとすると、の区間においても0.1m/mi
n.の送り速度が適用されることになり、円弧区間A−B
の加工時間が全体として冗長されるといった問題が生じ
る。
【0044】本実施形態においては、区間と区間に
適用される最大送り速度のうち値の大きな方の送り速
度、即ち、の区間に適用される最大送り速度0.5m/
min.、もしくは、それよりも大きな値を円弧区間A−B
の送り速度として加工プログラム上に設定しておけば、
工具移動方向が315°〜360°の範囲にある図3の
の区間に対してはその区間の上限値である0.5m/mi
n.の切削送り速度が適用され、また、工具移動方向が2
70°〜315°の範囲にある図3のの区間に対して
はその区間の上限値である0.1m/min.の切削送り速度
が適用されることになるので、重切削による削り込みが
生じたり全体の加工時間が冗長されたりするといった問
題を解消して、精密かつ円滑な加工を達成することがで
きる。
【0045】なお、図4において工具移動方向が180
°〜225°の範囲となるの方向、および、工具移動
方向が225°〜270°の範囲となるの方向に対し
ては切削送り速度の上限値を0m/min.として設定してい
るが、これはバイト1を用いた切削加工が不可能な領域
への工具送り、例えば、刃のない部分で加工素材2を切
削しようとする誤操作を防止することを目的としてい
る。
【0046】当然、の方向に送りを掛けて切削を行っ
てからの方向にバイト1を逃がしたり、または、の
方向に送りを掛けて切削を行ってからの方向にバイト
1を逃がしたりといった操作を行うこともあるが、加工
素材2からバイト1を退避させる場合にはバイト1に実
質的な切削負荷が作用しないので、図6におけるステッ
プS2の判別結果が偽となり、バイト1の退避動作、つ
まり、の方向やの方向への工具送りは許容される。
【0047】以上、一実施形態としてバイト1を用いた
切削加工を例にとって説明したが、前述した通り、数値
制御装置10で駆動制御する旋盤に取り付ける工具の種
別毎に上限値記憶ファイルを作成してCMOSメモリ1
4に登録するようにしているので、刃物台に装着した工
具の種別に応じて常に最適の加工制御を実施することが
できる。
【0048】無論、3軸以上の送り軸を備えた工作機
械、例えば、フライス盤等に対して本発明を適用しても
よい。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、工具の移動方向および
工具の種別に応じて常に最適な送り速度で切削加工を行
うことができるので、手動運転時におけるハンドル操作
が不適当な場合や加工プログラムに設定された工具送り
速度が不適当な場合であっても、重切削による削り込み
の発生を防止して円滑な加工作業を実施することができ
る。
【0050】また、工具送り速度の制限は切削加工時に
おいてのみ適用されるので、アプローチ動作や加工経路
外における工具の早送りは、これまでと同様、通常のハ
ンドル操作によって高速で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の送り速度制限機
能付数値制御装置と該数値制御装置によって駆動制御さ
れる旋盤の要部を示すブロック図である。
【図2】工具送り方向の分割例を示す概念図である。
【図3】円弧切削の場合に適用される工具送り速度の一
例を示した概念図である。
【図4】規制値記憶手段となる上限値記憶ファイルの一
例を示す概念図である。
【図5】工具送り用のハンドルを装備した操作盤の外観
を示した図である。
【図6】速度制限処理の概略を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 バイト 2 加工素材 10 送り速度制限機能付数値制御装置 11 プロセッサ 12 ROM 13 RAM 14 CMOSメモリ 15 インターフェイス 16 プログラマブル・マシン・コントローラ 17 I/Oユニット 18 インターフェイス 19 インターフェイス 21 バス 30,31 軸制御回路 40,41 サーボアンプ 50,51 サーボモータ 60 スピンドル制御回路 61 スピンドルアンプ 62 スピンドルモータ 70 CRT/MDIユニット 71 手動パルス発生器群 72 外部機器 101 スピンドルスイッチ 102 スピンドル停止スイッチ 103 クーラントスイッチ 104 クーラント停止スイッチ 105 工具交換スイッチ 106 ティーチングスイッチ 107 プレイバックスイッチ 108 X軸用操作ハンドル 109 Z軸用操作ハンドル 110 選択スイッチ 111 ガイダンス用操作ハンドル 112 方向選択キー 113 操作盤

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動指令に基いて工具とワークとの間に
    相対的移動を与える機能を有する数値制御装置におい
    て、工具またはワークの移動方向をリアルタイムで算出
    する移動方向算出手段と、工具またはワークの送り速度
    の上限値を工具またはワークの移動方向に対応させて記
    憶する規制値記憶手段と、前記移動方向算出手段で算出
    された工具またはワークの移動方向と前記規制値記憶手
    段に記憶された上限値とに基づいて、送り速度の現在値
    が上限値を超えないように工具またはワークの送り速度
    を規制する送り速度制限手段とを備えたことを特徴とす
    る送り速度制限機能付数値制御装置。
  2. 【請求項2】 工具種別毎の規制値記憶手段を有し、装
    着されている工具の種別に応じた規制値記憶手段を選択
    して工具またはワークの送り速度を規制するようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の送り速度制限機能付数
    値制御装置。
  3. 【請求項3】 切削加工時に限定して工具またはワーク
    の送り速度を規制するようにしたことを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の送り速度制限機能付数値制御
    装置。
  4. 【請求項4】 工具またはワークに送りを掛けるサーボ
    モータの負荷を検出し、その値を設定値と比較して切削
    加工中であるか否かを判定するようにしたことを特徴と
    する請求項3記載の送り速度制限機能付数値制御装置。
  5. 【請求項5】 加工プログラムの実行時及び又はハンド
    ル操作による手動運転時に工具またはワークの送り速度
    を規制するようにしたことを特徴とする請求項1ないし
    請求項4のうち何れか1項に記載の送り速度制限機能付
    数値制御装置。
JP14205998A 1998-05-11 1998-05-11 送り速度制限機能付数値制御装置 Withdrawn JPH11327624A (ja)

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