JPH11325120A - 電磁クラッチ - Google Patents

電磁クラッチ

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JPH11325120A
JPH11325120A JP10130701A JP13070198A JPH11325120A JP H11325120 A JPH11325120 A JP H11325120A JP 10130701 A JP10130701 A JP 10130701A JP 13070198 A JP13070198 A JP 13070198A JP H11325120 A JPH11325120 A JP H11325120A
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JP
Japan
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armature
contact portion
press
rotor
peripheral surface
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Pending
Application number
JP10130701A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoto Yasugata
直人 安形
Hiroyasu Sakamoto
博康 坂本
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Priority to IT1999RM000296 priority patent/IT1308896B1/it
Priority to BR9901529A priority patent/BR9901529C1/pt
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  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Connections Effected By Soldering, Adhesion, Or Permanent Deformation (AREA)
  • Cable Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチオン時におけるアーマチュア作動音
の低減効果を確保しつつ、クラッチオフ時におけるアー
マチュア切れ時間の短縮を図る。 【解決手段】 電磁コイル3の発生する電磁力によって
ロータに吸着されるアーマチュア5(5a、5b)と、
従動側機器に連結されるハブとを板バネにより連結する
とともに、アーマチュア5がロータに吸着される際に、
板バネの弾性変形に伴って、弾性的に圧縮される弾性材
18を備える。この弾性材18をアーマチュア5の内周
側に配置される形状にして、弾性材18の扇部18aの
外周面に、アーマチュア5の内周面に圧入される圧入接
触部18dとアーマチュア5の内周面から開離した非接
触部18eとを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転動力の伝達お
よび遮断を行う電磁クラッチに関し、例えばカーエアコ
ンの圧縮機作動の断続のために用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、カーエアコンの圧縮機用電磁クラ
ッチでは、エンジン等の駆動源により回転駆動されるロ
ータと、このロータに対して所定の微小間隙を隔てて対
向配置されたアーマチュアとを備えており、このアーマ
チュアは従動側のハブに板バネを介して支持されてい
る。そして、電磁コイルに通電して電磁吸引力を発生す
ると、アーマチュアがロータに吸引され、板バネの弾性
変形によってアーマチュアがロータに吸着される。この
結果、ロータの回転が、アーマチュア、板バネを介して
従動側のハブに伝達され、このハブに連結された圧縮機
が作動する。
【0003】ところで、電磁コイルの通電時にアーマチ
ュアは急激にロータに吸着され、ロータに衝突する。そ
の際、アーマチュアを弾性的に支持する板バネは剛性が
低いので、アーマチュアが振動して比較的大きな作動音
を発生する。そこで、本件出願人においては、実開平6
−30535号公報において、アーマチュア吸着時の作
動音を低減するための改良構造を提案している。この従
来技術では、アーマチュアの吸引過程の初期、すなわ
ち、アーマチュアがロータ面に到達する以前に、アーマ
チュアの吸引動作に連動して板バネによって軸方向に圧
縮される弾性材(クッションゴム)を設けている。
【0004】これにより、アーマチュアがロータ面に到
達する寸前に、弾性材の弾性反力、すなわち、アーマチ
ュア吸引動作に対抗する力が急増して、アーマチュアが
ロータ面に吸着されるときの衝撃を緩和して、作動音を
低減するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
を実際に試作検討してみると、弾性材の弾性反力により
アーマチュアの衝撃緩和作用が得られるものの、アーマ
チュアがロータ面に吸着されたときの振動を抑制する制
振作用が不十分であり、その結果、作動音低減効果も十
分満足し得るレベルでなかった。
【0006】そこで、本件出願人では上記従来技術の更
なる改良を目的として、弾性材の外周面をアーマチュア
の内周面に複数箇所で圧入することにより、上記制振作
用を向上させたものを案出した。この改良構造による
と、弾性材の外周面とアーマチュアの内周面との間に圧
入接触部が形成されるので、この圧入接触部での摩擦力
により上記制振作用を向上させることかできる。しか
し、その反面、電磁コイルへの通電遮断時(クラッチオ
フ時)に、アーマチュアが板バネのバネ力により軸方向
の開離位置へ復帰する際に、上記圧入接触部の存在によ
りアーマチュアがロータ面から完全に開離するまでの時
間(切れ時間)が長くなるという問題が生じる。
【0007】特に、複数箇所の圧入接触部において、寸
法ばらつき等により圧入代が不均一となり、摩擦力の不
均一が生じやすいので、クラッチオフ時にアーマチュア
の円周方向において摩擦力が大きい部位では部分的にロ
ータ面から開離しにくい(切れ難い)という現象が発生
する。その結果、アーマチュアとロータとの摩擦面にお
いて片当たり状態が発生するとともに、この片当たり状
態の時間が長くなり、摩擦面の偏磨耗の原因になること
が判明した。
【0008】また、クラッチオフ時に圧縮機への動力伝
達が遮断されると、駆動側のロータはその後でもエンジ
ンからの動力が引き続き与えられ、順方向への回転を継
続するが、これに反し、圧縮機側に連結されているアー
マチュアは停止するか、あるいは圧縮機作動室からの圧
縮反力を受けて逆方向に数秒間回転する。これにより、
電磁コイルへの通電遮断時(クラッチオフ時)には、駆
動側のロータと従動側のアーマチュアとの間の相対速度
が最大となり、上記摩擦面の偏磨耗を助長する。
【0009】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
クラッチオン時におけるアーマチュア作動音の低減効果
を確保しつつ、クラッチオフ時におけるアーマチュア切
れ時間の短縮を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、電磁コイル(3)の発生
する電磁力によって駆動側回転部材(4)に吸着される
アーマチュア(5)と、従動側機器に連結される従動側
回転部材(7)とを板バネ(6)により連結する電磁ク
ラッチにおいて、アーマチュア(5)が駆動側回転部材
(4)に吸着される際に、板バネ(6)の弾性変形に伴
って、弾性的に圧縮される弾性材(18)を備え、この
弾性材(18)をアーマチュア(5)の内周側に配置さ
れる形状にして、弾性材(18)の外周面に、アーマチ
ュア(5)の内周面に圧入される圧入接触部(18d)
とアーマチュア(5)の内周面から開離した非接触部
(18e)とを形成したことを特徴としている。
【0011】これによると、クラッチオン時に、アーマ
チュア(5)が駆動側回転部材(4)に吸着される過程
において、アーマチュア(5)の変位量の増加とともに
板バネ(6)の弾性変形量も増加し、これに伴って、弾
性材(18)を弾性的に圧縮できる。この結果、弾性材
(18)に弾性反力が発生し、この弾性反力によって、
アーマチュア(5)が駆動側回転部材(4)の摩擦面に
吸着されるときの衝撃を緩和できる。
【0012】しかも、弾性材(18)の外周面に、アー
マチュア(5)の内周面に圧入される圧入接触部(18
d)を形成しているから、この圧入接触部(18d)で
の摩擦力によりアーマチュア(5)が駆動側回転部材
(4)の摩擦面に吸着されるときの振動を良好に抑制で
きる。そのため、アーマチュア吸着時の衝撃緩和作用と
制振作用をともに良好に発揮でき、クラッチオン時の作
動音を良好に低減できる。
【0013】そして、上記のクラッチオン状態(圧縮機
作動状態)において、電磁コイル(3)の通電を遮断す
ると、板バネ(6)の弾性力によりアーマチュア(5)
が駆動側回転部材(4)の摩擦面から開離する。このと
き、弾性材18の外周面に圧入接触部(18d)と非接
触部(18e)の両方を形成してから、圧入接触部(1
8d)の面積を減らして、圧入接触部(18d)による
摩擦力(制動力)が過大となるのを防止することがで
き、クラッチオフ時における切れ時間の増加を抑制する
ことができる。この結果、摩擦面の偏磨耗を低減でき、
偏磨耗による伝達トルクの低下を抑制できる。
【0014】本発明は、具体的には、請求項2記載のご
とく、弾性材(18)にリング状の連結部(18b)
と、この連結部(18b)の径方向の外方へ突出する複
数の扇部(18a)とを設け、この複数の扇部(18
a)の外周面にそれぞれ圧入接触部(18d)と非接触
部(18e)とを形成することにより、好適に実施でき
る。
【0015】さらに、より具体的には、請求項3記載の
ごとく、非接触部(18e)を扇部(18a)の外周面
の円周方向の中央部に形成し、圧入接触部(18d)を
非接触部(18e)の両側に形成するという形態を採用
できる。また、本発明者の実験検討によると、請求項4
記載のごとく、弾性材(18)の外周面における圧入接
触部(18d)と非接触部(18e)の合計面積に対す
る圧入接触部(18d)の面積比率を、30%〜70%
の範囲に設定することにより、クラッチオン時の作動音
低減とクラッチオフ時の切れ時間短縮とを効果的に両立
できることが分かった。
【0016】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。本発明による電磁クラッチの全体構
成は実開平6ー30535号公報と同一であるので、最
初に、全体構成を概略的に説明すると、図1は車両空調
用冷凍サイクルの冷媒圧縮機に装着される電磁クラッチ
の断面図で、図2はその正面図である。
【0018】電磁クラッチ1は、ステータ2内に収容さ
れた電磁コイル3と、図示しない車両エンジンによって
回転駆動されるロータ(駆動側回転部材)4と、電磁コ
イル3の発生する磁力によってロータ4に吸着されるア
ーマチュア5と、このアーマチュア5に板バネ6を介し
て連結され、アーマチュア5と一体に回転するハブ(従
動側回転部材)7とを備えている。このハブ7は図示し
ない冷媒圧縮機の回転軸に連結され、冷媒圧縮機(従動
側機器)に回転動力を伝える。
【0019】電磁コイル3は、鉄などの磁性体で形成さ
れた断面コ字形のステータ2内に収容され、エポキシ等
の絶縁樹脂部材9によってステータ2内に電気絶縁して
モールド固定されている。なお、ステータ2は、リング
状の支持部材10を介して冷媒圧縮機のハウジングに固
定される。ここで、冷媒圧縮機としては、例えば、固定
スクロールに対して公転運動を行う可動スクロールを組
み合わせることにより冷媒を圧縮するスクロール型圧縮
機である。
【0020】ロータ4は、周囲に多段式のVベルト(図
示しない)が掛け渡されるプーリ4aを有し、Vベルト
を介して伝達されたエンジンの回転動力によって回転す
る。ロータ4は、鉄などの磁性体で形成されており、ス
テータ2を微小隙間を介在して収容する断面コ字形を呈
する。また、ロータ4は、その内周にベアリング11を
備え、このベアリング11によってロータ4は冷媒圧縮
機のハウジングに対して回転自在に支持される。
【0021】アーマチュア5は、ロータ4の摩擦面に所
定の微小間隙gを隔てて対向配置されるもので、鉄など
の磁性体で形成されたリング状を呈する。本例のアーマ
チュア5は、内周に配された内側リング5aと、この内
側リング5aに磁気遮断用の所定間隙5cを隔てて外周
に配置された外側リング5bとを組み合わせたものであ
る。そして、板バネ6は円周方向に等間隔で複数個、本
例では3個配置され、非磁性の金属バネ材、具体的には
非磁性ステンレス(オーステナイト系)にて成形されて
いる。
【0022】この板バネ6には連結部材20が一体に設
けられており、この連結部材20を、図2に示すよう
に、内外のリング5a、5bの間に架け渡し、内外のリ
ング5a、5bにリベット12、13で固定することに
より、内外のリング5a、5bが一体に連結されてい
る。なお、板バネ6を非磁性材で成形することにより、
内側リング5aと外側リング5bの間を完全に磁気遮断
している。
【0023】ハブ7は、図2に示す三角形状のつば部7
aと、冷媒圧縮機の回転軸にスプライン嵌合される円筒
部7bとを鉄系の金属で一体に成形している。つば部7
aはリベット14によって板バネ6に固定され、板バネ
6を介してアーマチュア5に連結される。また、アーマ
チュア5は、板バネ6の弾性力に抗してロータ4の摩擦
面に吸着されるので、電磁コイル3の非通電時(電磁力
消滅時)には板バネ6の弾性力により、アーマチュア5
は、ロータ4から離れる方向へ変位するようになってい
る。
【0024】つば部7aの三角形の各頂部近傍に開けた
穴には、ゴム材料等の弾性部材よりなるストッパクッシ
ョン16が圧入により取り付けられている。このストパ
ックッション16は、図1に示すようにつば部7aとア
ーマチュア5との間に介挿された円板部16aを有し、
この円板部16aによってアーマチュア5が所定間隙以
上ロータ4から離れるのを阻止し、電磁コイル3の非通
電時に、アーマチュア5とロータ4との間隙gを所定間
隙(例えば0.5mm)に保つものである。
【0025】板バネ6には、アーマチュア5に固定され
るリベット12、13より、アーマチュア5の内周側に
延びる弾性力を備えたアーム部17が一体に設けられて
いる。このアーム部17の内周側のアーマチュア5側の
面は、アーマチュア5の内側リング5aの内側に配置さ
れた弾性体18の側面に押し付けられている。この弾性
材18は、アーム部17より弾性力の低い天然ゴム、合
成ゴム(ニトリルゴム、ブチルゴムなど)などのゴム材
料よりなる。この弾性材18は、アーマチュア5がロー
タ4の摩擦面に吸着されるときの衝撃を緩和するクッシ
ョンゴムとしての作用を果たすものである。この弾性材
18を保持するために、ハブ7にリング状の保持部材1
9を固定し、この保持部材19とアーム部17との間に
弾性材18を挟持するようになっている。
【0026】弾性材18は、図3に示すように、略扇型
の扇部18aを3つ(板バネ6と同数)有し、この扇部
18aはその中心部に位置するリング状の連結部18b
から径方向の外方へ突出するものである。この扇部18
aと連結部18bはゴム材料にて一体成形されている。
そして、各扇部18aのうち、保持部材19によって押
圧保持される面には突起18cが設けられている。この
突起18cは、保持部材19に対する弾性材18の位置
決め用の突起で、保持部材19の位置決め穴19d(図
4参照)に圧入される。
【0027】保持部材19は、鉄などの金属板材によっ
て形成されたもので、図4に示すよう、リベット14が
挿通されてインナーハブ7のつば部7aに固定される3
つの固定部19aと、弾性材18の扇部18aを収納
し、保持する3つの保持部19bとを連結したリング状
に形成されている。なお、各固定部19aには、リベッ
ト14を挿通するリベット挿通穴19cが設けられてい
る。また、各保持部19bには弾性材18の突起18c
が挿入される位置決め穴19dが形成されている。
【0028】次に、弾性材18の扇部18aの外周面は
図3、5に示すように、アーマチュア5の内側リング5
aの内周面に圧入接触する圧入接触部18dを構成す
る。この圧入接触部18dは、アーマチュア5の軸方向
変位に対してこれを抑制する摩擦力(制動力)をアーマ
チュア5に作用させるためのものである。ここで、弾性
材18の扇部18aの外周面の円周方向の中央部には矩
形状の凹部を形成し、この凹部により、扇部18aの外
周面と内側リング5aの内周面との非接触部18eを構
成している。この非接触部18eの両側に圧入接触部1
8dをそれぞれ2つに分割して形成している。
【0029】なお、図5において、5d、5eはアーマ
チュア5の内側リング5aおよび外側リング5bに設け
た、リベット12、13用の通し穴である。次に、上記
構成において第1実施形態の作動を説明すると、電磁コ
イル3の通電停止時(クラッチオフ時)には、板バネ6
の弾性力によってアーマチュア5がロータ4より離れた
位置に保持されているので、図示しない車両エンジンか
らの回転動力はVベルトを介してロータ4に伝達される
だけで、アーマチュア5およびハブ7へは伝達されず、
ロータ4のみがベアリング11上で空転している。従っ
て、図示しない圧縮機は停止している。
【0030】いま、電磁コイル3が通電されると、電磁
コイル3の発生する電磁力によってアーマチュア5が板
バネ6の弾性力に抗してロータ4に吸引され、アーマチ
ュア5がロータ4に吸着される。すると、ロータ4の回
転がアーマチュア5、板バネ6、およびハブ7を介して
冷媒圧縮機の回転軸(図示せず)に伝達され、冷媒圧縮
機が作動する。
【0031】ところで、上記のクラッチオン時に、アー
マチュア5がロータ4に吸着される過程において、アー
マチュア5の変位量の増加とともに板バネ6の弾性変形
量も増加し、これに伴って、板バネ6のアーム部17が
弾性変形しながら保持部材19側へ変位して、アーム部
17と保持部材19の保持部19bとの間で弾性材18
の扇部18aを弾性的に圧縮する。
【0032】この結果、弾性材18に弾性反力が発生
し、この弾性反力はアーマチュア5がロータ4に近づく
につれて急激に大きくなるので、この弾性材18の弾性
反力の急増によって、アーマチュア5がロータ4の摩擦
面に吸着されるときの衝撃を緩和できる。しかも、弾性
材18の扇部18aの外周面に、アーマチュア5の内側
リング5aの内周面に圧入される圧入接触部18dを形
成しているから、この圧入接触部18dでの摩擦力によ
りアーマチュア5がロータ4の摩擦面に吸着されるとき
の振動(アーマチュア5および板バネ6の振動)を良好
に抑制できる。そのため、アーマチュア吸着時の衝撃緩
和作用と制振作用をともに良好に発揮でき、クラッチオ
ン時の作動音を良好に低減できる。
【0033】そして、上記のクラッチオン状態(圧縮機
作動状態)において、電磁コイル3の通電を遮断する
と、電磁コイル3の電磁力が消滅するので、板バネ6の
弾性力によりアーマチュア5が元の位置に向かって軸方
向(図1の左側)へ変位し、アーマチュア5がロータ4
の摩擦面から開離する。このとき、弾性材18の圧入接
触部18dはアーマチュア5の内周面との間で摩擦力を
発生し、この摩擦力がアーマチュア5の軸方向変位に対
して制動力として作用する。従って、図6、図7の従来
技術のごとく弾性材18の扇部18aの外周面の全周に
わたって、アーマチュア5の内側リング5aの内周面と
の圧入接触部18dを形成すると、この圧入接触部18
dの摩擦力(制動力)が過大となり、その結果、クラッ
チオフ時における切れ時間が長くなってしまう。
【0034】そして、この切れ時間の延長が前述したよ
うに、ロータ4とアーマチュア5との摩擦面の偏磨耗の
原因となる。この摩擦面の偏磨耗は、ひいてはクラッチ
伝達トルクの低下を引き起こす。そこで、本実施形態に
おいては、弾性材18の扇部18aの外周面に圧入接触
部18dと非接触部18eの両方を形成して、圧入接触
部18dによる摩擦力(制動力)が過大となるのを防止
することにより、クラッチオフ時における切れ時間の増
加(ひいては摩擦面の偏磨耗の増加)を抑制することが
できる。
【0035】図8は本発明者が実際に実験検討した結果
を示す特性図であり、縦軸には、クラッチオン時の作動
音およびクラッチオフ時の切れ時間をとり、横軸には弾
性材18の扇部18aの外周面における圧入接触部18
dと非接触部18eの合計面積Aに対する圧入接触部1
8dの面積(A−B)の比率(%)を示している。ここ
で、Bは非接触部18eの面積である。
【0036】本実施形態においては、上記圧入接触部1
8dの面積比率を50%近傍に設定して、クラッチオン
時の作動音低減とクラッチオフ時の切れ時間短縮とを両
立させている。この図8の特性図から理解されるよう
に、圧入接触部18dの面積比率は30〜70%の範囲
において、クラッチオン時の作動音低減とクラッチオフ
時の切れ時間短縮の両立を効果的に実現できる。
【0037】なお、図8において、圧入接触部18dの
面積比率=0%のものは、実開平6−30535号公報
であり、面積比率=100%のものは、図6、7の従来
技術である。 (第2実施形態)上記第1実施形態では、弾性材18の
扇部18aの外周面の円周方向の中央部に、矩形状の凹
部からなる非接触部18eを形成しているが、図9の第
2実施形態のごとく、弾性材18の扇部18aの外周面
の円周方向の中央部に平坦面を形成して、この平坦面に
より非接触部18eを構成してもよい。
【0038】(第3実施形態)図10の第3実施形態の
ように、非接触部18eを円弧状の滑らかな曲面凹部に
て構成してもよい。 (他の実施形態)なお、上記実施形態においては、アー
マチュア5として、内外の2つのリング5a、5bから
構成される場合について説明したが、アーマチュア5と
して、1つのリング体から構成されるものを使用できる
ことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による電磁クラッチの縦
断面図である。
【図2】図1の電磁クラッチの正面図である。
【図3】図1、2の弾性材の正面図である。
【図4】図1、2の電磁クラッチに備えられる保持部材
の正面図である。
【図5】図1、2の電磁クラッチにおけるアーマチャと
弾性材との組付関係を示す正面図である。
【図6】従来の電磁クラッチにおける弾性材の正面図で
ある。
【図7】従来の電磁クラッチにおけるアーマチャと弾性
材との組付関係を示す正面図である。
【図8】本発明による効果を示す実験結果の特性図であ
る。
【図9】本発明の第2実施形態による弾性材の部分拡大
正面図である。
【図10】本発明の第3実施形態による弾性材の部分拡
大正面図である。
【符号の説明】
3…電磁コイル、4…ロータ(駆動側回転部材)、5…
アーマチュア、6…板バネ、18…弾性材(クッション
ゴム)、18a…扇部、18b…連結部、18d…圧入
接触部、18e…非接触部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電によって電磁力を発生する電磁コイ
    ル(3)と、 回転駆動される駆動側回転部材(4)と、 前記電磁コイル(3)の発生する電磁力によって前記駆
    動側回転部材(4)に吸着され、前記駆動側回転部材
    (4)の回転を受けるアーマチュア(5)と、 従動側機器に連結される従動側回転部材(7)と、 前記アーマチュア(5)と前記従動側回転部材(7)と
    を連結するとともに、前記アーマチュア(5)を前記駆
    動側回転部材(4)側へ変位可能に支持する板バネ
    (6)と、 前記アーマチュア(5)が前記駆動側回転部材(4)に
    吸着される際に、前記板バネ(6)の弾性変形に伴っ
    て、弾性的に圧縮される弾性材(18)とを備え、 前記弾性材(18)を前記アーマチュア(5)の内周側
    に配置される形状にして、前記弾性材(18)の外周面
    に、前記アーマチュア(5)の内周面に圧入される圧入
    接触部(18d)と前記アーマチュア(5)の内周面か
    ら開離した非接触部(18e)とを形成したことを特徴
    とする電磁クラッチ。
  2. 【請求項2】 前記弾性材(18)はリング状の連結部
    (18b)と、この連結部(18b)の径方向の外方へ
    突出する複数の扇部(18a)とを有し、 前記複数の扇部(18a)の外周面にそれぞれ前記圧入
    接触部(18d)と前記非接触部(18e)とを形成し
    たことを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ。
  3. 【請求項3】 前記非接触部(18e)を前記扇部(1
    8a)の外周面の円周方向の中央部に形成し、前記圧入
    接触部(18d)を前記非接触部(18e)の両側に形
    成したことを特徴とする請求項2に記載の電磁クラッ
    チ。
  4. 【請求項4】 前記弾性材(18)の外周面における前
    記圧入接触部(18d)と前記非接触部(18e)の合
    計面積に対する前記圧入接触部(18d)の面積比率
    を、30%〜70%の範囲に設定することを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電磁クラッ
    チ。
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