JPH11322937A - オルガノポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

オルガノポリシロキサンの製造方法

Info

Publication number
JPH11322937A
JPH11322937A JP14838998A JP14838998A JPH11322937A JP H11322937 A JPH11322937 A JP H11322937A JP 14838998 A JP14838998 A JP 14838998A JP 14838998 A JP14838998 A JP 14838998A JP H11322937 A JPH11322937 A JP H11322937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
organopolysiloxane
amide group
amide
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14838998A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Nakanishi
康二 中西
Ryuzo Mikami
隆三 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dow Corning Toray Silicone Co Ltd filed Critical Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
Priority to JP14838998A priority Critical patent/JPH11322937A/ja
Publication of JPH11322937A publication Critical patent/JPH11322937A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アミド基を有するオルガノポリシロキサンの
重合度や分子構造を任意に調整することができる、オル
ガノポリシロキサンの製造方法を提供する。 【解決手段】 (A)アミド基およびSiO結合を有する
オルガノシランもしくはオルガノシロキサンと、(B)ア
ミド基を有しないオルガノ(ポリ)シロキサンを、(C)塩
基性触媒により平衡重合することを特徴とする、アミド
基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミド基を有する
オルガノポリシロキサンの製造方法に関し、詳しくは、
アミド基を有するオルガノポリシロキサンの重合度や分
子構造を任意に調整することができる、オルガノポリシ
ロキサンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アミド基を有するオルガノポリシロキサ
ンの製造方法としては、アミノ基を有するオルガノポリ
シロキサンとカルボン酸を加熱反応させる方法(特公昭
36−7014号公報、および特開平6−220325
号公報参照)、アミノ基を有するオルガノポリシロキサ
ンと、無水カルボン酸もしくはカルボン酸の塩化物とを
反応させる方法(特開昭56−74113号公報、およ
び特開昭57−101076号公報参照)、ケイ素原子
結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンと、分子
中に不飽和基を有する高級脂肪酸アミド化合物とを、白
金系触媒により付加反応させる方法(特開平5−209
130号公報参照)等が提案されている。
【0003】しかしながら、特公昭36−7014号公
報、特開平6−220325号公報、特開昭56−74
113号公報、および特開昭57−101076号公報
により提案された方法では、反応が完結しているかどう
か確認することが困難であり、未反応のカルボン酸、無
水カルボン酸、またはカルボン酸の塩化物をオルガノポ
リシロキサンから除去することが困難であるという問題
があった。さらに、カルボン酸の塩化物を用いた場合に
は、副生成する塩酸を補足するための塩基性物質を添加
しなければならず、その上、均一な反応を行うための有
機溶剤や多量の水により、きわめて釜効率が悪いという
問題があった。また、特開平5−209130号公報に
より提案された方法では、高級脂肪酸アミド化合物に含
まれる不純物により白金系触媒がしばしば被毒され、反
応が十分に進行しないという問題があった。
【0004】そして、これらの方法では、原料として用
いたオルガノポリシロキサンの重合度や分子構造がその
まま目的のアミド基を有するオルガノポリシロキサンの
重合度や分子構造となるため、予め、原料のオルガノポ
リシロキサンの重合度や分子構造を調整しておくことが
必要であるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
課題について鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明の目的は、アミド基を有するオルガノポ
リシロキサンの重合度や分子構造を任意に調整すること
ができる、オルガノポリシロキサンの製造方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のアミド基を有す
るオルガノポリシロキサンの製造方法は、(A)アミド基
およびSiO結合を有するオルガノシランもしくはオル
ガノシロキサンと、(B)アミド基を有しないオルガノ
(ポリ)シロキサンとを、(C)塩基性触媒により平衡重合
することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】(A)成分のオルガノシランもしく
はオルガノシロキサンは、アミド基およびSiO結合を
有する化合物であり、目的のオルガノポリシロキサンに
アミド基を導入するための原料である。(A)成分中のア
ミド基はケイ素原子に直結しないものが好ましく、その
代表例は、一般式:
【化3】 で示される基である。上式中のR1は同じか、または異
なる炭素原子数1〜10の二価炭化水素基であり、具体
的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチ
レン基等のアルキレン基;フェニレン基等のアリーレン
基;メチレンフェニレン基等のアルキレンアリーレン基
が例示される。また、上式中のR2は同じか、または異
なり、水素原子、炭素原子数1〜10の一価炭化水素
基、および一般式:
【化4】 で示されるアシロキシ基からなる群より選択される基で
ある。このR2の一価炭化水素基としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;ビニ
ル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;フェニ
ル基、トリル基、キシリル基等のアリール基が例示され
る。また、R2のアシロキシ基において、式中のR4は水
素原子、または炭素原子数1〜50の一価炭化水素基で
あり、R4の一価炭化水素基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;ビニル
基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;フェニル
基、トリル基、キシリル基等のアリール基が例示され
る。このようなR2のアシロキシ基としては、アセトキ
シ基、ヘキサノイル基、アクリロイル基が例示される。
また、上式中のR3は水素原子、または炭素原子数1〜
50の一価炭化水素基であり、R3の一価炭化水素基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等
のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等のア
ルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のア
リール基が例示される。また、上式中のaは0〜10の
範囲内の整数である。本発明の製造方法において、上式
中のR2は前記の一価炭化水素基であり、かつ、aは0
であることが好ましい。
【0008】このような(A)成分のオルガノシランとし
ては、アミド基を有するオルガノアルコキシシラン、ア
ミド基を有するオルガノヒドロキシシランが例示され、
具体的には、次のようなオルガノシランが例示される。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0009】このような(A)成分のオルガノシランを調
製する方法としては、アミノ基およびSiO結合を有す
るオルガノシランと、カルボン酸、無水カルボン酸、も
しくはカルボン酸の塩化物とを反応させる方法、ケイ素
原子結合水素原子およびSiO結合を有するオルガノシ
ランと、分子中に脂肪族不飽和基を有するアミド化合物
とを、白金系触媒により付加反応させる方法が例示され
る。
【0010】また、(A)成分のオルガノシロキサンとし
ては、アミド基を有する直鎖状のオルガノシロキサン、
アミド基を有する環状のオルガノシロキサン、アミド基
を有する分岐鎖状のオルガノシロキサンが例示され、具
体的には、次のようなオルガノシロキサンが例示され
る。
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【0011】このような(A)成分のオルガノシロキサン
を調製する方法としては、アミノ基を有するオルガノシ
ロキサンと、カルボン酸、無水カルボン酸、もしくはカ
ルボン酸の塩化物とを反応させる方法、ケイ素原子結合
水素原子を有するオルガノポリシロキサンと、分子中に
脂肪族不飽和基を有するアミド化合物とを、白金系触媒
により付加反応させる方法が例示され、特に、反応が完
結しているかどうかを確認することができ、未反応のカ
ルボン酸、無水カルボン酸、またはカルボン酸の塩化物
をオルガノシロキサンから除去することが容易であるこ
とから、ケイ素原子数が50以下であるオルガノシロキ
サンを原料として用いることが好ましく、さらには、ケ
イ素原子数が20以下のオルガノシロキサンを原料とし
て用いることが好ましく、特には、ケイ素原子数が10
以下であるオルガノシロキサンを原料として用いること
が好ましい。さらに、このようなオルガノポリシロキサ
ンとして、環状のオルガノシロキサンを用いることが好
ましい。このようにして調製されたアミド基を有するオ
ルガノポリシロキサンは、比較的アミド基含有率が高
く、これを用いることにより、オルガノポリシロキサン
に含まれるアミド基の含有率を任意に調整することがで
きるという利点がある。
【0012】(B)成分のオルガノ(ポリ)シロキサンは、
アミド基を有しない化合物であり、目的のアミド基を有
するオルガノポリシロキサンの重合度を増大させるため
の成分である。このような(B)成分のオルガノ(ポリ)シ
ロキサンとしては、直鎖状のオルガノシロキサン、直鎖
状のオルガノポリシロキサン、環状のオルガノシロキサ
ン、環状のオルガノポリシロキサン、分岐鎖状のオルガ
ノシロキサン、分岐鎖状のオルガノポリシロキサンが例
示され、特に、目的のアミド基を有するオルガノポリシ
ロキサンの重合度を調整しやすいことから、(B)成分は
環状のオルガノシロキサンであることが好ましい。ま
た、目的のアミド基を有するオルガノポリシロキサンの
分子構造を調整する目的で、分岐鎖状のオルガノポリシ
ロキサンを用いてもよい。このような(B)成分のケイ素
原子に結合する基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル
基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル
基等のアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル
基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の
一価炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキ
シ基;水酸基;水素原子が例示される。
【0013】このような(B)成分のオルガノ(ポリ)シロ
キサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、
オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−ト
リメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキ
サン、1,3,5,7―テトラメチル―1,3,5,7
−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、ヘキサフェ
ニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロテト
ラシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−
トリビニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7―テ
トラメチル―1,3,5,7−テトラビニルシクロテト
ラシロキサン等の環状のオルガノ(ポリ)シロキサン;ヘ
キサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン、1,3−ジヒドロキシ−
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、分子鎖両
末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサ
ン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェ
ニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ
基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重
合体、分子鎖両末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサ
ン、分子鎖両末端水酸基封鎖メチルフェニルポリシロキ
サン、分子鎖両末端水酸基封鎖ジメチルシロキサン・ジ
フェニルシロキサン共重合体等の直鎖状のオルガノ(ポ
リ)シロキサンが例示される。
【0014】(C)成分の塩基性触媒は、(A)成分のオル
ガノシランもしくはオルガノシロキサンと(B)成分のオ
ルガノ(ポリ)シロキサンとを平衡重合するための触媒で
ある。このような(C)成分の塩基性触媒としては、水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化セシウム、水酸化ルビジウム、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラブチルフォスフォニウムヒド
ロキシド等のアルカリヒドロキシド;リチウムシラノレ
ート、ナトリウムシラノレート、カリウムシラノレー
ト、セシウムシラノレート、テトラメチルアンモニウム
シラノレート、テトラブチルフォスフォニウムシラノレ
ート等のアルカリシラノレート;ブチルリチウム、メチ
ルリチウム、ナトリウムナフタレニド、カリウムナフタ
レニド等の有機金属化合物が例示される。特に、十分な
平衡重合を行うためには、(C)成分の塩基性触媒は、ア
ルカリ成分として、カリウム、セシウム、テトラメチル
アンモニウムを有するものであることが好ましい。
【0015】また、本発明の方法では、平衡重合を促進
する目的で、従来より公知の重合促進溶剤を使用しても
よい。この重合促進溶剤を使用すれば、平衡重合が比較
的低温で容易に進行し、平衡重合中のアミド基の分解反
応を抑制できるので好ましい。このような重合促進溶剤
としては、テトラヒドロフラン、ジメチルフォルムアミ
ド、ジメチルスルフォキシド、アセトニトリル等の極性
有機溶剤が例示される。
【0016】本発明の方法では、(A)成分と(B)成分
を、(C)成分により平衡重合することによって、目的の
アミド基を有するオルガノポリシロキサンを調製するこ
とができる。この平衡重合の反応温度は、50〜200
℃の温度範囲内で行うことが好ましいが、アミド基の分
解を十分に抑えるためには、50〜150℃の温度範囲
内で行うことがより好ましく、さらには、50〜130
℃の温度範囲内で行うことが特に好ましい。また、この
平衡重合の反応時間は、前記の反応温度に依存して、こ
の反応温度が高いほど反応時間は短くなるが、一般的に
は反応時間が長くなると、アミド基の分解反応が促進さ
れるおそれがあるため、反応時間が10分〜50時間の
範囲内であることが好ましく、さらには、反応時間が3
0分〜20時間の範囲内であることが特に好ましい。本
発明の方法では、前記の重合促進溶剤以外の溶剤を使用
してもよく、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン等
の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化
水素が挙げられる。この平衡重合は、反応混合物の粘度
測定、あるいはガスクロマトグラフィーによる原料の濃
度測定によって追跡し、粘度が一定になる時、あるいは
原料の消失時等で平衡状態に達したことを確認してか
ら、塩基性触媒を失活させることによって達成すること
ができる。塩基性触媒を失活させる方法としては、酸性
物質を添加して中和する方法、塩基性触媒自体を加熱分
解させる方法が例示される。そして、塩基性触媒を失活
させた後、反応混合物中の沸点の低い副生成物を減圧下
で留去することにより、目的のアミド基を有するオルガ
ノポリシロキサンを調製することができる。
【0017】
【実施例】本発明のオルガノポリシロキサンの製造方法
を実施例により詳細に説明する。なお、粘度は25℃に
おける値である。
【0018】[参考例1] 窒素雰囲気下、撹拌器、還流
管をつけた脱水管、および温度計を備えた1Lのフラス
コに、式:
【化18】 で示される、N−t−ブチルアミノプロピル基を有する
環状のオルガノシロキサン395.5gとトルエン20
0mLを加え、共沸脱水した。室温まで冷却後、トリエチ
ルアミン56gを加えた。更に、ラウリン酸クロライド
120.5gを水浴で冷やしながら室温で滴下した後、
3時間室温で撹拌した。反応終了後、反応混合物から低
沸点物を60℃、25mmHgで減圧留去した。次いで、n
−ヘキサン200mLを加えて、塩を沈殿させた。塩をろ
別した後、ろ液から低沸点物を70℃、25mmHg、更に
5mmHgで減圧留去することにより、茶褐色透明粘稠液体
211gを得た。
【0019】この茶褐色透明粘稠液体を赤外分光分析
(以下、IR)スペクトルにより分析したところ、原料に
認められた1800cm-1の吸収が消失して、代わりに1
655cm-1にアミド基の吸収が認められた。また、13
−、および29Si−核磁気共鳴分析(以下、NMR)スペ
クトルの測定結果から、この茶褐色透明粘稠液体は、
式:
【化19】 で示される、ラウリン酸アミド基を有する環状のオルガ
ノシロキサンであることを確認した。
【0020】[参考例2] 窒素雰囲気下、撹拌器、還流
管をつけた脱水管、および温度計を備えた200mLのフ
ラスコに、参考例1で用いた、N−t−ブチルアミノプ
ロピル基を有する環状のオルガノシロキサン11.5g
とトルエン30mLを加え、共沸脱水した。室温まで冷却
後、ピリジン6.9gと無水酢酸8.0gを加え、加熱還
流条件で3時間室温で撹拌した。反応終了後、反応混合
物から低沸点物を70℃、25mmHg、更に5mmHgで減圧
留去することにより、茶褐色透明高粘稠液体13.8g
を得た。
【0021】この茶褐色透明高粘稠液体は、IRスペク
トルによる分析により、1655cm-1にアミド基の吸収
が認められた。また、13C−、および29Si−NMRス
ペクトルの測定結果から、この茶褐色透明高粘稠液体
は、式:
【化20】 で示される、酢酸アミド基を有する環状のオルガノシロ
キサンであることを確認した。
【0022】[参考例3] 窒素雰囲気下、撹拌器、還流
管をつけた脱水管、および温度計を備えた300mLのフ
ラスコに、参考例1で用いた、N−t−ブチルアミノプ
ロピル基を有する環状のオルガノシロキサン12.3g
とトルエン40mLを加え、共沸脱水した。室温まで冷却
後、トリエチルアミン7.5gを加えた。更に、脱水ヒ
マシ油脂肪酸クロライド22.8gを水浴で冷やしなが
ら室温で滴下した後、1時間室温で撹拌した。反応終了
後、反応混合物から低沸点物を60℃、25mmHgで減圧
留去した。次いで、n−ヘキサン50mLを加えて、塩を
沈殿させた。塩をろ別した後、ろ液から低沸点物を70
℃、25mmHg、更に5mmHgで減圧留去することにより、
茶褐色透明粘稠液体24.9gを得た。
【0023】この茶褐色透明粘稠液体は、IRスペクト
ルによる分析により、原料に認められた1800cm-1
吸収が消失して、代わりに1655cm-1にアミド基の吸
収が認められた。また、13C−、および29Si−NMR
スペクトルの測定結果から、この茶褐色透明粘稠液体
は、式:
【化21】 で示される、脱水ひまし油脂肪酸アミド基を有する環状
のオルガノシロキサンであることを確認した。
【0024】[実施例1] 窒素雰囲気下、撹拌器、還流
管、および温度計を備えた5Lのフラスコに、参考例1
で調製した、ラウリン酸アミド基を有する環状のオルガ
ノシロキサン69gと粘度80センチポイズの分子鎖両
末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン、および
水酸化カリウム2.7gを加えた。110℃〜120℃
で3時間撹拌して重合させた後、温度を60℃まで下
げ、酢酸5gを加えて、さらに2時間撹拌して水酸化カ
リウムを中和した。得られたオルガノポリシロキサンに
トルエン800mLを加えて、ろ過した。ろ液から低沸点
物を70℃、25mmHg、更に5mmHgで減圧留去すること
により、粘度4000センチポイズであり、淡黄色透明
粘稠液体2915gを得た。
【0025】この淡黄色透明粘稠液体をIRスペクトル
により分析したところ、1655cm-1にアミド基の吸収
が認められた。また、13C−、および29Si−NMRス
ペクトルの測定結果から、この淡黄色透明粘稠液体は、
下式で示される、ラウリン酸アミド基を0.5モル%有
するオルガノポリシロキサンであることを確認した。
【化22】
【0026】[実施例2] 窒素雰囲気下、撹拌器、還流
管、および温度計を備えた300mLのフラスコに、参考
例2で調製した、酢酸アミド基を有する環状のオルガノ
シロキサン2.2gと粘度80センチポイズの分子鎖両
末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン149
g、および水酸化カリウム0.1gを加えた。110℃
〜120℃で2時間撹拌し重合させた後、温度を60℃
まで下げて、酢酸0.2gを加え、さらに2時間撹拌す
ることにより、水酸化カリウムを中和した。得られたオ
ルガノポリシロキサンにトルエン100mLを加えて、ろ
過した。ろ液から低沸点物を70℃、25mmHg、更に5
mmHgで減圧蒸留することにより、粘度22000センチ
ポイズの淡黄色透明粘稠液体124gを得た。
【0027】この淡黄色透明粘稠液体をIRスペクトル
により分析したところ、1655cm-1にアミド基の吸収
が認められた。また、13C−、および29Si−NMRス
ペクトルの測定結果から、この淡黄色透明粘稠液体は、
下式で示される、酢酸アミド基を0.5モル%有するオ
ルガノポリシロキサンであることを確認した。
【化23】
【0028】[実施例3] 窒素雰囲気下、撹拌器、還流
管、および温度計を備えた300mLのフラスコに、参考
例3で調製した、脱水ひまし油脂肪酸アミド基を有する
環状のオルガノシロキサン11.5gとオクタメチルシ
クロテトラシロキサン500g、水2g、および水酸化
カリウム0.9gを加えた。110℃〜120℃で2時
間撹拌して重合させた後、温度を60℃まで下げ、酢酸
2gを加えて、さらに2時間撹拌することにより水酸化
カリウムを中和した。得られたオルガノポリシロキサン
にトルエン200mLを加えて、ろ過した。ろ液から低沸
点物を70℃、25mmHg、更に5mmHgで減圧蒸留するこ
とにより、粘度31000センチポイズである、淡黄色
透明粘稠液体461gを得た。
【0029】この淡黄色透明粘稠液体をIRスペクトル
により分析したところ、1655cm-1にアミド基の吸収
が認められた。また、13C−、および29Si−NMRス
ペクトルの測定結果から、この淡黄色透明粘稠液体は、
下式で示される、脱水ひまし油脂肪酸アミド基を0.5
モル%有するオルガノポリシロキサンであることを確認
した。
【化24】
【0030】[実施例4]窒素雰囲気下、撹拌器、還流
管、および温度計を備えた2.0Lのフラスコに水10
0g、トルエン400g、およびイソプロパノール14
0gを投入し、この系を10℃に冷却し、フェニルトリ
クロロシラン336.7g、ジメチルジクロロシラン5
8.1gとトルエン126gからなる溶液を徐々に滴下
した。滴下終了後、これを一時間加熱還流し、その後、
トルエン溶液を分離した。この分離したトルエン溶液を
水300gで洗浄して、洗液が中性になるまで繰り返し
た。固形分を調整して、シリコーンレジンの濃度が50
重量%のトルエン溶液452gを得た。
【0031】 窒素雰囲気下、撹拌器、還流管、および温
度計を備えた300mLのフラスコに、上記のシリコーン
レジンのトルエン溶液42.6g、参考例3で調製し
た、脱水ひまし油脂肪酸アミド基を有する環状のオルガ
ノシロキサン17.4gとトルエン61gと水酸化カリ
ウム0.07gを加え、加熱還流を行い、留出水等を留
去させた。水の留出終了後、固形分が50%以上になる
ようにトルエンを留去させた後、反応混合物を室温まで
冷却した。反応混合物の固形分を測定し、トルエンの量
を調整することによって、反応混合物濃度を50重量%
にしてから、再度加熱還流を行った。反応混合物を一時
間毎にサンプリングを行い、このサンプルを中和処理
後、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーにより分
子量を測定した。6時間後、サンプルの分子量が一定に
なったことを確認し、この反応混合物を冷却して、酢酸
0.04gを添加した。生成した酢酸カリウムをろ過し
た後、ろ液を減圧下で加熱して、溶剤を留去させること
により、固体状物36.8gを得た。
【0032】この固体状物の数平均分子量は4880、
重量平均分子量は7865であった。また、この固体状
物をIRスペクトルにより分析したところ、1655cm
-1にアミド基の吸収が認められた。また、13C−、およ
29Si−NMRスペクトルの測定結果から、この固体
状物は、下式で示される、脱水ひまし油脂肪酸アミド基
を18モル%有するオルガノポリシロキサンであること
を確認した。
【化25】
【0033】
【発明の効果】本発明のオルガノポリシロキサンの製造
方法は、アミド基を有するオルガノポリシロキサンの重
合度や分子構造を任意に調整することができる、さらに
オルガノポリシロキサン中のアミド基の含有率を任意に
調整することができるという特徴がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アミド基およびSiO結合を有する
    オルガノシランもしくはオルガノシロキサンと、(B)ア
    ミド基を有しないオルガノ(ポリ)シロキサンとを、(C)
    塩基性触媒により平衡重合することを特徴とする、アミ
    ド基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法。
  2. 【請求項2】 (A)成分中のアミド基が、一般式: 【化1】 {式中、R1は同じか、または異なる炭素原子数1〜1
    0の二価炭化水素基であり、R2は同じか、または異な
    り、水素原子、炭素原子数1〜10の一価炭化水素基、
    および一般式: 【化2】 (式中、R4は水素原子、または炭素原子数1〜50の
    一価炭化水素基である。)で示されるアシロキシ基から
    なる群より選択される基であり、R3は水素原子、また
    は炭素原子数1〜50の一価炭化水素基であり、aは0
    〜10の整数である。}で示されるケイ素原子に結合す
    る基であることを特徴とする、請求項1記載のオルガノ
    ポリシロキサンの製造方法。
  3. 【請求項3】 R2が炭素原子数1〜10の一価炭化水
    素基であり、かつ、aが0であることを特徴とする、請
    求項2記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
  4. 【請求項4】 (A)成分が環状のオルガノシロキサンで
    あることを特徴とする、請求項1記載のオルガノポリシ
    ロキサンの製造方法。
JP14838998A 1998-05-13 1998-05-13 オルガノポリシロキサンの製造方法 Pending JPH11322937A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14838998A JPH11322937A (ja) 1998-05-13 1998-05-13 オルガノポリシロキサンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14838998A JPH11322937A (ja) 1998-05-13 1998-05-13 オルガノポリシロキサンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11322937A true JPH11322937A (ja) 1999-11-26

Family

ID=15451688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14838998A Pending JPH11322937A (ja) 1998-05-13 1998-05-13 オルガノポリシロキサンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11322937A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012041733A1 (de) * 2010-09-28 2012-04-05 Wacker Chemie Ag Vollständig acylierte aminofunktionelle organopolysiloxane
JP2021088670A (ja) * 2019-12-05 2021-06-10 信越化学工業株式会社 オルガノポリシロキサン及びそれを用いた繊維処理剤

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012041733A1 (de) * 2010-09-28 2012-04-05 Wacker Chemie Ag Vollständig acylierte aminofunktionelle organopolysiloxane
CN103282410A (zh) * 2010-09-28 2013-09-04 瓦克化学股份公司 完全酰化的氨基官能的有机聚硅氧烷
US20130280201A1 (en) * 2010-09-28 2013-10-24 Wacker Chemie Ag Fully acylated amino-functional organopolysiloxanes
JP2013543530A (ja) * 2010-09-28 2013-12-05 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト 完全アシル化されたアミノ官能性オルガノポリシロキサン
CN103282410B (zh) * 2010-09-28 2015-06-03 瓦克化学股份公司 完全酰化的氨基官能的有机聚硅氧烷
JP2021088670A (ja) * 2019-12-05 2021-06-10 信越化学工業株式会社 オルガノポリシロキサン及びそれを用いた繊維処理剤
WO2021111714A1 (ja) * 2019-12-05 2021-06-10 信越化学工業株式会社 オルガノポリシロキサン及びそれを用いた繊維処理剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0475440B1 (en) Method for the preparation of a higher alkoxy-substituted organopolysiloxane
US5581008A (en) Branched organosilicon compounds and a method for their preparation
JPH0623255B2 (ja) パーフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンの製造方法
JP4114723B2 (ja) オルガノシロキサンもしくはポリオルガノシロキサンの製造のための触媒
JPH07216091A (ja) シロキサニル・ホスフェートの製造方法
US6284859B1 (en) Polymerization of siloxanes
JPH0633335B2 (ja) オルガノポリシロキサンの製造方法
JP3015145B2 (ja) オルガノポリシロキサンの製造方法
WO2008020637A1 (fr) Nouveau composé époxy et son procédé de fabrication
JP2012512920A (ja) アミノ基を有する有機ケイ素化合物の製法
EP0540039B1 (en) Method for the preparation of branched organopolysiloxanes
JP2003517072A (ja) トリフル酸又はトリフル酸誘導体を主体とした触媒系で触媒された重合によるポリオルガノシロキサンを製造するための方法
JP2761931B2 (ja) オルガノポリシロキサン及びその製造方法
JPH0782379A (ja) 有機ケイ素重合体の製造方法
JPH069782A (ja) アミノ基含有オルガノポリシロキサンおよびその製造方法
JPH11322937A (ja) オルガノポリシロキサンの製造方法
EP0470753B1 (en) Alkoxy-functional organopolysiloxanes and processes for preparing them
JPH0662773B2 (ja) ポリシルエチレンシロキサン
JP2002348377A (ja) 分岐状オルガノポリシロキサンの製造方法
EP0423686A2 (en) Silacyclobutanes and process for preparation
JP2001122967A (ja) ジオルガノポリシロキサンおよびその製造方法
JP2001181398A (ja) 含ケイ素重合体およびその製造方法
EP0693520B1 (en) Method for the preparation of organopolysiloxanes
JPH07242678A (ja) 2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンの製造方法
US5238988A (en) Rapid cure room temperature vulcanizable organosiloxane compositions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050511

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070112

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071113