JPH11322843A - オレフィン類重合用固体触媒成分及び触媒 - Google Patents

オレフィン類重合用固体触媒成分及び触媒

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JPH11322843A
JPH11322843A JP13288298A JP13288298A JPH11322843A JP H11322843 A JPH11322843 A JP H11322843A JP 13288298 A JP13288298 A JP 13288298A JP 13288298 A JP13288298 A JP 13288298A JP H11322843 A JPH11322843 A JP H11322843A
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magnesium
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polymerization
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solid catalyst
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JP13288298A
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Isa Nishiyama
伊佐 西山
Sukehiro Suzuki
祐洋 鈴木
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Toho Titanium Co Ltd
Original Assignee
Toho Titanium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒活性及び対水素活性が高く、かつ、立体
規則性が高い重合体を高収率で生成できるオレフィン類
重合用触媒成分及び該触媒成分を含む触媒を提供する。 【解決手段】 マグネシウム化合物、一般式Ti(OR
1 n 4-n で表されるチタン化合物、芳香族ジカルボ
ン酸ジエステル及びホウ酸及びホウ酸塩の中から選択さ
れた少なくとも1種のホウ素化合物を接触させて調製し
たオレフィン類重合用固体触媒成分、並びに該固体触媒
成分、一般式R2 p AlY3-pで表される有機アルミニウム化
合物及び一般式R3 q Si(OR4)4-qで表される有機ケイ素化
合物から成る、オレフィン類重合用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高活性に作用する
と共に、対水素活性が良好であり、更に高立体規則性ポ
リマーを高収率で得ることのできるオレフィン類重合用
固体触媒成分及び触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オレフィン類の重合においては、
マグネシウム、チタン、電子供与性化合物及びハロゲン
を必須成分として含有する固体触媒成分、並びに該固体
触媒成分、有機アルミニウム化合物及び有機ケイ素化合
物から成るオレフィン類重合用触媒の存在下に、オレフ
ィン類を重合もしくは共重合させるオレフィン類の重合
方法が数多く提案されている。例えば、特開昭57−6
3310号並びに同57−63311号公報において
は、マグネシウム化合物、チタン化合物及び電子供与体
を含有する固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物及
びSi−O−C結合を有する有機ケイ素化合物との組み
合わせから成る触媒を用いて、特に炭素数が3以上のオ
レフィンを重合させる方法が提案されている。しかしな
がら、これらの方法は、高立体規則性重合体を高収率で
得るには、必ずしも充分に満足したものではなく、より
一層の改良が望まれていた。
【0003】また、特開昭62−158704号公報に
おいては、ジアルコキシマグネシウム、芳香族ジカルボ
ン酸ジエステル、芳香族炭化水素、チタンハロゲン化物
を接触して得られる、オレフィン類重合用固体触媒成分
が提案されている。
【0004】一方、特開平1−315406号公報にお
いては、ジエトキシマグネシウムとアルキルベンゼンと
で形成された懸濁液に、チタンテトラクロライドを接触
させ、次いでフタル酸ジクロライドを加えて反応させる
ことによって固体生成物を得、該固体生成物を更にアル
キルベンゼンの存在下でチタンテトラクロライドと接触
反応させることによって調製された固体触媒成分と、有
機アルミニウム化合物及び有機ケイ素化合物より成るオ
レフィン類重合用触媒及び該触媒の存在下でのオレフィ
ン類の重合方法が提案されている。
【0005】上記各従来技術は、その目的が生成重合体
中に残留する塩素やチタン等の触媒残渣を除去する所謂
脱灰行程を省略し得る程の高活性を有すると共に、併せ
て立体規則性重合体の収率の向上や、重合時の触媒活性
の持続性を高めることに注力したものであり、それぞれ
優れた成果を上げている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記のような
触媒を用いて得られるポリマーは、自動車あるいは家電
製品等の成型品の他、容器やフィルム等種々の用途に利
用されている。これらは、重合により生成したポリマー
パウダーを溶融し、各種の成型機により成型されるが、
特に射出成型などで大型の成型品を製造する際、あるい
はファイバーの高速成形を行う際には、溶融ポリマーの
流動性(メルトフロー)が高いことが要求される場合が
あり、そのためポリマーのメルトフローを上げるべく多
くの研究が為されている。
【0007】このメルトフローは、ポリマーの分子量に
大きく依存するが、当業界においてはオレフィン類の重
合に際し、生成ポリマーの分子量調節剤として水素を添
加することが一般的に行われている。このとき低分子量
のポリマー、すなわち高メルトフローのポリマーを製造
するためには通常多くの水素を添加するが、このことが
重合圧力の増大を招き、重合時の安全性に問題が生じる
(あるいは重合リアクターの耐圧性を強化する必要が生
じ、コスト増大などの問題が生じる。)。このため添加
し得る水素量にも制限があり、より多くの水素を添加す
るためには重合するモノマーの圧力を下げざるを得ず、
この場合生産性が低下することになると共に、水素を多
量に用いることからコストの上昇を招くという問題も生
じる。従って、より少ない水素量で高メルトフローのポ
リマーが製造できるような、いわゆる対水素活性が高く
かつ高立体規則性ポリマーを高収率で得られる触媒の開
発が望まれていたが、上記従来技術では係る課題を解決
するには充分ではなかった。
【0008】本発明者は、上記従来技術に残された課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、マグネシウム化合
物、4価のハロゲン含有チタン化合物、芳香族ジカルボ
ン酸ジエステル及び特定のホウ素化合物を接触させるこ
とによって調製された固体触媒成分が、オレフィン類の
重合に供した際に、触媒活性及び生成重合体の立体規則
性を高度に維持したまま、対水素活性の高いオレフィン
重合用固体触媒成分として作用することを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の目的は、係る従来技術
に残された問題点を解決し、触媒活性及び対水素活性が
高く、なおかつ高立体規則性の重合体を高収率で得るこ
とのできるオレフィン類重合用固体触媒成分及び触媒を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の、本発明によるオレフィン類重合用固体触媒成分
(A)は、(a)マグネシウム化合物、(b)一般式T
i(OR1 n 4-n (式中、R1 は炭素数1〜4のア
ルキル基、Xは塩素原子、臭素原子あるいはヨウ素原
子、nは0≦n≦3の実数である。)で表されるチタン
化合物、(c)芳香族ジカルボン酸ジエステル及び
(d)ホウ酸及びホウ酸塩の中から選択される少なくと
も1種のホウ素化合物を接触させることにより調製され
ることを構成上の特徴とする。
【0011】また、本発明のオレフィン類重合用触媒
は、下記(A)、(B)及び(C)成分より形成される
ことを構成上の特徴とする。 (A)請求項1に記載のオレフィン類重合用固体触媒成
分、(B)一般式R2 p AlY3-p (式中、R2 は炭素
数1〜4のアルキル基を示し、Yは水素原子あるいはハ
ロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数である。)で
表される有機アルミニウム化合物、及び(C)一般式
(3)R3 q Si(OR4 4-q (式中、R3 及びR4
は炭化水素基を示し、同一または異なっていてもよい。
qは0≦q≦3の整数である。)で表される有機ケイ素
化合物。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のオレフィン類重合用固体
触媒成分(A)(以下、「固体触媒成分(A)」という
ことがある。)の調製に用いられるマグネシウム化合物
(a)(以下、単に「成分(a)」ということがあ
る。)としては、ジハロゲン化マグネシウム、ジアルキ
ルマグネシウム、ハロゲン化アルキルマグネシウム、ジ
アルコキシマグネシウム、ジアリールオキシマグネシウ
ム、ハロゲン化アルコキシマグネシウムあるいは脂肪酸
マグネシウム等が挙げられる。
【0013】ジハロゲン化マグネシウムの具体例として
は、マグネシウムジクロライド、マグネシウムジブロマ
イド、マグネシウムジアイオダイド、マグネシウムジフ
ロライド等が挙げられる。
【0014】ジアルキルマグネシウムの具体例として
は、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、エ
チルメチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、メ
チルプロピルマグネシウム、エチルプロピルマグネシウ
ム、ジブチルマグネシウム、ブチルメチルマグネシウ
ム、ブチルエチルマグネシウム等が挙げられる。また、
これらのジアルキルマグネシウムは金属マグネシウムを
ハロゲン化炭化水素あるいはアルコールと反応させて得
ることもできる。
【0015】ハロゲン化アルキルマグネシウムの具体例
としては、エチルマグネシウムクロライド、プロピルマ
グネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド
等が挙げられる。また、これらのハロゲン化マグネシウ
ムは金属マグネシウムをハロゲン化炭化水素あるいはア
ルコールと反応させて得ることもできる。
【0016】ジアルコキシマグネシウムまたはジアリー
ルオキシマグネシウムの具体例としては、ジメトキシマ
グネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマ
グネシウム、ジブトキシマグネシウム、ジフェノキシマ
グネシウム、エトキシメトキシマグネシウム、エトキシ
プロポキシマグネシウム、ブトキシエトキシマグネシウ
ム等が挙げられる。また、これらのジアルコキシマグネ
シウムまたはジアリールオキシマグネシウムは、金属マ
グネシウムを、ハロゲンあるいはハロゲン含有金属化合
物等の存在下にアルコールと反応させて得ることもでき
る。
【0017】ハロゲン化アルコキシマグネシウムの具体
例としては、メトキシマグネシウムクロライド、エトキ
シマグネシウムクロライド、プロポキシマグネシウムク
ロライド、ブトキシマグネシウムクロライド等が挙げら
れる。
【0018】脂肪酸マグネシウムの具体例としては、ラ
ウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、オ
クタン酸マグネシウム、デカン酸マグネシウム等が挙げ
られる。
【0019】上記のマグネシウム化合物の中でも、ジア
ルコキシマグネシウムが好ましく、その中でも特にジエ
トキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウムが好ま
しく用いられる。また、上記のマグネシウム化合物は、
単独あるいは2種以上併用することもできる。
【0020】更に、本発明において固体触媒成分(A)
の調製に用いられるジアルコキシマグネシウムは、顆粒
状または粉末状であり、その形状は不定形あるいは球状
のものが使用し得る。例えば球状のジアルコキシマグネ
シウムを使用した場合、より良好な粒子形状と狭い粒度
分布を有する重合体粉末が得られ、重合操作時の生成重
合体粉末の取扱い操作性が向上し、生成重合体粉末に含
まれる微粉に起因する閉塞等の問題が解消される。
【0021】上記の球状ジアルコキシマグネシウムは、
必ずしも真球状である必要はなく、楕円形状あるいは馬
鈴薯形状のものを用いることもできる。具体的にその粒
子の形状は、長軸径lと短軸径wとの比(l/w)が3
以下であり、好ましくは1から2であり、より好ましく
は1から1.5である。
【0022】また、上記ジアルコキシマグネシウムの平
均粒径は1から200μmのものが使用し得る。好まし
くは5から150μm、更に好ましくは10から100
μmである。また、その粒度については、微粉及び粗粉
の少ない、粒度分布の狭いものを使用することが望まし
い。具体的には、5μm以下の粒子が20%以下であ
り、好ましくは10%以下である。一方、100μm以
上の粒子が10%以下であり、好ましくは5%以下であ
る。更にその粒度分布をln(D90/D10)(ここ
で、D90は積算粒度で90%における粒径、D10は
積算粒度で10%における粒径である。)で表すと3以
下であり、好ましくは2以下である。
【0023】本発明における固体触媒成分(A)の調製
に用いられる4価のハロゲン含有チタン化合物(b)
(以下、単に「成分(b)」ということがある。)は、
一般式Ti(OR1 n 4-n (式中、R1 は炭素数1
〜4のアルキル基を示し、Xは塩素、臭素、ヨウ素等の
ハロゲン原子を示し、nは0≦n≦3の整数である。)
で表されるチタンハライドもしくはアルコキシチタンハ
ライドの1種あるいは2種以上である。
【0024】具体的には、チタンハライドとしてチタン
テトラクロライド、チタンテトラブロマイド、チタンテ
トラアイオダイド等のチタンテトラハライド、アルコキ
シチタンハライドとしてメトキシチタントリクロライ
ド、エトキシチタントリクロライド、プロポキシチタン
トリクロライド、n−ブトキシチタントリクロライド、
ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジク
ロライド、ジプロポキシチタンジクロライド、ジ−n−
ブトキシチタンジクロライド、トリメトキシチタンクロ
ライド、トリエトキシチタンクロライド、トリプロポキ
シチタンクロライド、トリ−n−ブトキシチタンクロラ
イド等が例示される。これらのうち、チタンテトラハラ
イドが好ましく、特に好ましくはチタンテトラクロライ
ドである。これらのチタン化合物は単独あるいは2種以
上併用することもできる。
【0025】本発明における固体生成物(A)の調製に
用いられる芳香族ジカルボン酸ジエステル(c)(以
下、単に「成分(c)」ということがある。)として
は、フタル酸あるいはテレフタル酸のジエステルの1種
あるいは2種以上が好適である。
【0026】フタル酸のジエステルの具体例としては、
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n
−プロピル、フタル酸ジ−iso−プロピル、フタル酸
ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−iso−ブチル、フタル
酸エチルメチル、フタル酸メチル(iso−プロピ
ル)、フタル酸エチル(n−プロピル)、フタル酸エチ
ル(n−ブチル)、フタル酸エチル(iso−ブチ
ル)、フタル酸ジ−n−ペンチル、フタル酸ジ−iso
−ペンチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジ−n−ヘ
プチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ビス
(2,2−ジメチルヘキシル)、フタル酸ビス(2−エ
チルヘキシル)、フタル酸ジ−n−ノニル、フタル酸ジ
−iso−デシル、フタル酸ビス(2,2−ジメチルヘ
プチル)、フタル酸n−ブチル(iso−ヘキシル)、
フタル酸n−ブチル(2−エチルヘキシル)、フタル酸
n−ペンチルヘキシル、フタル酸n−ペンチル(iso
−ヘキシル)、フタル酸iso−ペンチル(ヘプチ
ル)、フタル酸n−ペンチル(2−エチルヘキシル)、
フタル酸n−ペンチル(iso−ノニル)、フタル酸i
so−ペンチル(n−デシル)、フタル酸n−ペンチル
ウンデシル、フタル酸iso−ペンチル(iso−ヘキ
シル)、フタル酸n−ヘキシル(2−エチルヘキシ
ル)、フタル酸n−ヘキシル(2−エチルヘキシル)、
フタル酸n−ヘキシル(iso−ノニル)、フタル酸n
−ヘキシル(n−デシル)、フタル酸n−ヘプチル(2
−エチルヘキシル)、フタル酸n−ヘプチル(iso−
ノニル)、フタル酸n−ヘプチル(neo−デシル)、
フタル酸2−エチルヘキシル(iso−ノニル)が例示
され、これらの1種あるいは2種以上が使用される。
【0027】テレフタル酸のジエステルの具体例として
は、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テ
レフタル酸ジ−n−プロピル、テレフタル酸ジ−iso
−プロピル、テレフタル酸ジ−n−ブチル、テレフタル
酸ジ−iso−ブチル、テレフタル酸エチルメチル、テ
レフタル酸メチル(iso−プロピル)、テレフタル酸
エチル(n−プロピル)、テレフタル酸エチル(n−ブ
チル)、テレフタル酸エチル(iso−ブチル)、テレ
フタル酸ジ−n−ペンチル、テレフタル酸ジ−iso−
ペンチル、テレフタル酸ジヘキシル、テレフタル酸ジ−
n−ヘプチル、テレフタル酸ジ−n−オクチル、テレフ
タル酸ビス(2,2−ジメチルヘキシル)、テレフタル
酸ビス(2−エチルヘキシル)、テレフタル酸ジ−n−
ノニル、テレフタル酸ジ−iso−デシル、テレフタル
酸ビス(2,2−ジメチルヘプチル)、テレフタル酸n
−ブチル(iso−ヘキシル)、テレフタル酸n−ブチ
ル(2−エチルヘキシル)、テレフタル酸n−ペンチル
ヘキシル、テレフタル酸n−ペンチル(iso−ヘキシ
ル)、テレフタル酸iso−ペンチル(ヘプチル)、テ
レフタル酸n−ペンチル(2−エチルヘキシル)、テレ
フタル酸n−ペンチル(iso−ノニル)、テレフタル
酸iso−ペンチル(n−デシル)、テレフタル酸n−
ペンチルウンデシル、テレフタル酸iso−ペンチル
(iso−ヘキシル)、テレフタル酸n−ヘキシル(2
−エチルヘキシル)、テレフタル酸n−ヘキシル(2−
エチルヘキシル)、テレフタル酸n−ヘキシル(iso
−ノニル)、テレフタル酸n−ヘキシル(n−デシ
ル)、テレフタル酸n−ヘプチル(2−エチルヘキシ
ル)、テレフタル酸n−ヘプチル(iso−ノニル)、
テレフタル酸n−ヘプチル(neo−デシル)、テレフ
タル酸2−エチルヘキシル(iso−ノニル)が例示さ
れ、これらの1種あるいは2種以上が使用される。
【0028】上記の内でも、フタル酸のジエステルが好
適であり、その中でも特にフタル酸ジエチル、フタル酸
ジ−n−プロピル、フタル酸ジ−iso−プロピル、フ
タル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−iso−ブチル、
フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ビス(2−エチル
ヘキシル)、フタル酸ジ−iso−デシルが好ましく用
いられる。
【0029】本発明における固体触媒成分(A)の調製
に用いられるホウ酸及びホウ酸塩の中から選択される少
なくとも1種のホウ素化合物(d)(以下、単に「成分
(d)」ということがある。)としては、オルトホウ酸
(H3 BO3 )、メタホウ酸(HBO2 )、四ホウ酸
(H2 4 7 )などのホウ酸及び一般式xM1 2 O・
yB2 3 ・zH2 O(式中、M1 は金属元素、xは0
<x≦10の実数、yは0<y≦10の実数、zは0≦
z≦10の実数である。)で表されるホウ酸塩が挙げら
れる。
【0030】上記一般式で表されるホウ酸塩の具体例と
しては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カドミウム、ホウ酸カリウ
ム、ホウ酸銀、ホウ酸銅、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸
鉛、ホウ酸ニッケル、ホウ酸バリウム、ホウ酸ビスマ
ス、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸マンガン、ホウ酸リチ
ウムなどが挙げられる。
【0031】上記のホウ酸あるいはホウ酸塩のなかでも
ホウ酸が好ましく、特に好ましくはオルトホウ酸であ
る。また、上記ホウ酸及び/またはホウ酸塩は1種ある
いは2種以上用いることもでき、また、炭化水素化合
物、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、プロピルベンゼン、トリメチルベンゼンなどの芳
香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンな
どの飽和炭化水素、オルトジクロルベンゼン、塩化メチ
レン、四塩化炭素、ジクロルエタンなどのハロゲン化炭
化水素などに懸濁あるいは溶解させて使用することもで
きる。
【0032】本発明においては、固体触媒成分調製時に
上記のようなホウ酸及びホウ酸塩の中から選択された少
なくとも1種のホウ素化合物を用いることが必須であ
り、用いない場合には、所期の目的、特に対水素活性の
改善が達成できなくなる。
【0033】本発明における固体触媒成分(A)の調製
においては、上記必須の成分の他、更に、以下に挙げる
ポリシロキサンを使用することができる。該ポリシロキ
サンとしては、下記一般式(1)で表されるものの1種
あるいは2種以上が用いられる。
【0034】
【化1】
【0035】(式中、αは平均重合度を表し、2〜30
000であり、R5 〜R12の主体はメチル基であり、と
きにはR5 〜R12の一部分はフェニル基、水素原子、高
級脂肪酸残基、エポキシ含有基、ポリオキシアルキレン
基で置換されたものであり、また上記一般式の化合物は
8 及びR9 がメチル基の環状ポリシロキサンを形成し
ていてもよい。)
【0036】該ポリシロキサンは、シリコーンオイルと
も総称され、25℃粘度が2〜10000センチストー
クス、より好ましくは3〜500センチストークスを有
する、常温で液状あるいは粘稠状の鎖状、部分水素化、
環状あるいは変性ポリシロキサンである。
【0037】鎖状ポリシロキサンとしては、ジメチルポ
リシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが、部分
水素化ポリシロキサンとしては、水素化率10〜80%
のメチルハイドロジェンポリシロキサンが、環状ポリシ
ロキサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサン、2,4,6−トリメチルシク
ロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシク
ロテトラシロキサンが、また変性ポリシロキサンとして
は、高級脂肪酸基置換ジメチルシロキサン、エポキシ基
置換ジメチルシロキサン、ポリオキシアルキレン基置換
ジメチルシロキサンが例示される。
【0038】前記固体触媒成分(A)は、上述したよう
なマグネシウム化合物、チタン化合物、芳香族ジカルボ
ン酸ジエステル、ホウ酸及びホウ酸塩の中から選択され
る少なくとも1種のホウ素化合物、及び必要に応じポリ
シロキサンを接触させることにより調製することができ
るが、その際に溶媒として炭化水素溶媒を使用すること
ができる。該溶媒を使用することにより、固体触媒成分
調製時の操作性や取り扱い性が容易になる。このような
炭化水素溶媒としては、常温で液体の炭化水素が好まし
く、具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、プロピルベンゼン、トリメチルベンゼ
ンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサンなどの飽和炭化水素、オルトジクロルベンゼ
ン、塩化メチレン、四塩化炭素、ジクロルエタンなどの
ハロゲン化炭化水素などを挙げることができる。とりわ
け、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素が望まし
い。
【0039】本発明の固体触媒成分(A)を調製する方
法としては、上記のマグネシウム化合物を、アルコール
またはチタン化合物等に溶解させた後、固体物を析出さ
せて固体触媒成分を得る方法、またはマグネシウム化合
物をチタン化合物または不活性炭化水素溶媒等に懸濁さ
せた後、固体触媒成分を得る方法等が挙げられる。この
うち、前者の方法で得られた固体触媒成分の粒子はほぼ
球状に近く、粒度分布もシャープである。また、後者の
方法においても、球状のマグネシウム化合物を用いるこ
とにより、球状でかつ粒度分布のシャープな固体触媒成
分を得ることができ、また球状のマグネシウム化合物を
用いなくとも、例えばスプレードライ法によって粒子を
形成させることにより、上記と同様に球状でかつ粒度分
布のシャープな固体触媒成分を得ることができる。
【0040】各成分の接触は、不活性ガス雰囲気下、水
分等を除去した状況下で、撹拌機を具備した容器中で、
撹拌しながら行われる。接触温度は、単に接触させて撹
拌混合する場合や、分散あるいは懸濁させて変性処理す
る場合には、室温付近の比較的低温域であっても差し支
えないが、接触後に反応させて生成物を得る場合には、
40〜130℃の温度域が好ましい。反応時の温度が4
0℃未満の場合は充分に反応が進行せず、結果として調
製された固体成分の性能が不充分となり、130℃を超
えると使用した溶媒の蒸発が顕著になるなどして、反応
の制御が困難になる。なお、反応時間は1分以上、好ま
しくは10分〜100時間、より好ましくは30分〜5
0時間である。
【0041】以下に、本発明における固体触媒成分
(A)を調製する際の、各成分の接触順序を例示する。
【0042】 (1)(a)→(b)→(c)→(d) (2)(a)→(b)→(d)→(c) (3)(a)→(d)→(b)→(c) (4)(a)→(d)→(c)→(b) (5)(a)→(c)→(b)→(d) (6)(a)→(c)→(d)→(b)
【0043】なお、上記の各接触方法において、各成分
は、必要に応じ、繰り返して複数回接触させることも可
能である。また、上記のいずれかの時点で、必要に応じ
ポリシロキサンを接触させることもできる。
【0044】また、本発明の固体触媒成分(A)の好ま
しい調製方法としては、以下のような方法が挙げられ
る。
【0045】(1)成分(a)及び成分(d)を炭化水
素溶媒中に懸濁させる。該懸濁液は、50℃〜100℃
に加熱して反応を行ってもよいし、反応を行わずにすぐ
に次の工程に供することもできるが、好ましくは、反応
を行った後に次の工程に供する。次いでこの懸濁液に成
分(b)を−20〜100℃、好ましくは−10〜50
℃で接触し、0〜130℃、好ましくは60〜130℃
で反応させる。該懸濁液に成分(b)を接触させる前ま
たは接触した後に、成分(c)の1種あるいは2種以上
を、−20〜130℃、好ましくは−10〜130℃で
接触させ、固体生成物を得る。この固体生成物は常温で
液体の炭化水素化合物で洗浄してもよい。次いで該固体
生成物に成分(b)を、0〜130℃、好ましくは60
〜130℃で接触反応させることが望ましい。この際、
該固体生成物に成分(b)を接触させる前または接触し
た後に、更に成分(c)の1種あるいは2種以上を、−
20〜130℃、好ましくは−10〜130℃で接触さ
せることも好ましい態様である。また、上記のいずれか
の時点で、必要に応じ、ポリシロキサンを用いてもよ
い。上記各段階において、成分(b)の存在下に反応さ
せる際の反応時間には特に制約はないが、通常1分〜1
00時間、好ましくは30分〜50時間の範囲である。
【0046】(2)成分(a)を炭化水素溶媒中に懸濁
させ、次いでこの懸濁液に成分(b)を−20〜100
℃、好ましくは−10〜50℃で接触し、0〜130
℃、好ましくは60〜130℃で反応させる。該懸濁液
に成分(b)を接触させる前または接触した後に、成分
(c)の1種あるいは2種以上及び/または成分(d)
の1種あるいは2種以上を、−20〜130℃、好まし
くは−10〜130℃で接触させ、固体生成物を得る。
この固体生成物は常温で液体の炭化水素化合物で洗浄し
てもよい。次いで、該固体生成物を炭化水素溶媒に懸濁
させた後、更に成分(b)を、0〜130℃、好ましく
は60〜130℃で接触反応させることが望ましい。こ
の際、該固体生成物に成分(b)を接触させる前または
接触した後に、更に成分(c)の1種あるいは2種以上
及び/または成分(d)の1種あるいは2種以上を、−
20〜130℃、好ましくは−10〜130℃で接触さ
せることも好ましい態様である。なお、もし最初の成分
(b)の接触前あるいは接触後に成分(d)を用いなか
った場合は、ここで必ず成分(d)を接触させる。ま
た、上記のいずれかの時点で、必要に応じ、ポリシロキ
サンを用いてもよい。上記各段階において、成分(b)
の存在下に反応させる際の反応時間には特に制約はない
が、通常1分〜100時間、好ましくは30分〜50時
間の範囲である。
【0047】(3)成分(a)及び成分(c)の1種あ
るいは2種以上を炭化水素溶媒中に懸濁させ、次いでこ
の懸濁液に成分(b)を−20〜130℃で接触し、0
〜130℃で反応させて固体生成物を得る。この際、該
懸濁液に成分(b)を接触した後に、成分(c)の1種
あるいは2種以上及び/または成分(d)の1種あるい
は2種以上を、−20〜130℃、好ましくは−10〜
130℃で接触させることもできる。また、該固体生成
物は常温で液体の炭化水素化合物で洗浄してもよい。次
いで、該固体生成物を炭化水素溶媒に懸濁させた後、更
に成分(b)を、0〜130℃で接触反応させることが
望ましい。この際、該固体生成物に成分(b)を接触さ
せる前または接触した後に、更に成分(c)の1種ある
いは2種以上及び/または成分(d)の1種あるいは2
種以上を−20〜130℃、好ましくは−10〜130
℃で接触させることも好ましい態様である。なお、もし
最初の成分(b)の接触前あるいは接触後に成分(d)
を用いなかった場合は、ここで必ず成分(d)を接触さ
せる。また、上記のいずれかの時点で、必要に応じ、ポ
リシロキサンを用いてもよい。上記各段階において、成
分(b)の存在下に反応させる際の反応時間には特に制
約はないが、通常1分〜100時間、好ましくは30分
〜50時間の範囲である。
【0048】固体触媒成分(A)を調製する際の各化合
物の使用量は、調製法により異なるため一概には規定で
きないが、好ましくは以下のような使用量を採用するこ
とが望ましい:例えば成分(a)1モル当たり、成分
(b)が0.5〜100モル、好ましくは0.5〜50
モル、より好ましくは1〜10モルであり、成分(c)
は、成分(a)1モル当たり0.01〜10モル、好ま
しくは0.01〜1モル、より好ましくは0.02〜
0.6モルであり、成分(d)は、成分(a)1モル当
たり0.001〜500モル、好ましくは0.001〜
100モル、より好ましくは0.005〜10モルであ
り、成分(e)は、成分(a)1モルに対し0.001
〜10モル、好ましくは0.005〜8モル、より好ま
しくは0.005〜5モルである。
【0049】本発明のオレフィン類重合用触媒を形成す
る際に用いられる有機アルミニウム化合物(B)として
は、一般式R2 p AlY3-p (式中、R2 は炭素数1〜
4のアルキル基を示し、Yは水素原子あるいはハロゲン
原子を示し、pは0<p≦3の実数である。)で表され
る化合物を用いることができる。このような有機アルミ
ニウム化合物(B)の具体例としては、トリエチルアル
ミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、トリ−i
so−ブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムブロ
マイド、ジエチルアルミニウムハイドライドが挙げら
れ、1種あるいは2種以上が使用できる。好ましくは、
トリエチルアルミニウム、トリ−iso−ブチルアルミ
ニウムである。
【0050】本発明のオレフィン類重合用触媒を形成す
る際に用いられる有機ケイ素化合物(C)としては、一
般式R3 p Si(OR4 4-q (式中、R3 及びR4
炭化水素基を示し、同一または異なっていてもよい。q
は0≦q≦3の整数である)で表される化合物が用いら
れる。R3 の好ましい炭化水素基としては、炭素数1〜
12のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビ
ニル基、アリル基、アラルキル基が挙げられ、同一また
は異なっていてもよい。R4 の好ましい炭化水素基とし
ては、炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、
フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基が挙げ
られ、同一または異なっていてもよい。このような有機
ケイ素化合物としては、フェニルアルコキシシラン、ア
ルキルアルコキシシラン、フェニルアルキルアルコキシ
シラン、シクロアルキルアルコキシシラン、シクロアル
キルアルキルアルコキシシラン等を挙げることができ
る。
【0051】上記の有機ケイ素化合物を具体的に例示す
ると、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシ
シラン、トリ−n−プロピルメトキシシラン、トリ−n
−プロピルエトキシシラン、トリ−n−ブチルメトキシ
シラン、トリ−iso−ブチルメトキシシラン、トリ−
t−ブチルメトキシシラン、トリ−n−ブチルエトキシ
シラン、トリシクロヘキシルメトキシシラン、トリシク
ロヘキシルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメ
トキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラ
ン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−
プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシ
シラン、ジ−iso−ブチルジメトキシシラン、ジ−t
−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシ
シラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、ビス(2
−エチルヘキシル)ジメトキシシラン、ビス(2−エチ
ルヘキシル)ジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメ
トキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ジ
シクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジ
エトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラ
ン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘ
キシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシル(is
o−プロピル)ジメトキシシラン、シクロヘキシルエチ
ルジエトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシ
シラン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シク
ロペンチルエチルジエトキシシラン、シクロペンチル
(iso−プロピル)ジメトキシシラン、シクロヘキシ
ル(n−ペンチル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル
(n−ペンチル)ジエトキシシラン、シクロペンチル
(iso−ブチル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル
(n−プロピル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル
(n−プロピル)ジエトキシシラン、シクロヘキシル
(n−ブチル)ジエトキシシラン、シクロヘキシル(i
so−ブチル)ジメトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチ
ルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラ
ン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルエチル
ジエトキシシラン、シクロヘキシルジメチルメトキシシ
ラン、シクロヘキシルジエチルメトキシシラン、シクロ
ヘキシルジエチルエトキシシラン、2−エチルヘキシル
トリメトキシシラン、2−エチルヘキシルトリエトキシ
シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プ
ロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリメト
キシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、n
−ブチルトリメトキシシラン、iso−ブチルトリメト
キシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチ
ルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシ
ラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロペン
チルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、2−エチルヘキシルトリメトキシシラン、2
−エチルヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、シクロヘキシル
シクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルシク
ロペンチルジエトキシシラン、シクロヘキシルシクロペ
ンチルジプロポキシシラン、3−メチルシクロヘキシル
シクロペンチルジメトキシシラン、4−メチルシクロヘ
キシルシクロペンチルジメトキシシラン、3,5−ジメ
チルシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、
3−メチルシクロヘキシルシクロヘキシルジメトキシシ
ラン、ビス(3−メチルシクロヘキシル)ジメトキシシ
ラン、4−メチルシクロヘキシルシクロヘキシルジメト
キシシラン、ビス(4−メチルシクロヘキシル)ジメト
キシシラン、3,5ジメチルシクロヘキシルシクロヘキ
シルジメトキシシラン、ビス(3,5ジメチルシクロヘ
キシル)ジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン等が挙げられる。上記の中でも、ジ−n
−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ
メトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ
−iso−ブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジ
メトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、t
−ブチルトリメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメト
キシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、シク
ロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメ
チルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキ
シシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、ジ
シクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジ
エトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラ
ン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロペ
ンチルエチルジエトキシシラン、シクロヘキシルシクロ
ペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルシクロペン
チルジエトキシシラン、3−メチルシクロヘキシルシク
ロペンチルジメトキシシラン、4−メチルシクロヘキシ
ルシクロペンチルジメトキシシラン、3,5−ジメチル
シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシランが好ま
しく用いられ、該有機ケイ素化合物(C)は1種あるい
は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0052】本発明のオレフィン類重合触媒を用いてオ
レフィン類を重合するには、前記した固体触媒成分
(A)、有機アルミニウム化合物(B)及び有機ケイ素
化合物(C)より成る触媒の存在下、オレフィン類の重
合もしくは共重合を行うが、各成分の使用量比は、本発
明の効果に影響を及ぼすことのない限り任意であり、特
に限定されるものではないが、通常有機アルミニウム化
合物(B)は、固体触媒成分(A)中のチタン原子1モ
ル当たり、1〜5000モル、好ましくは10〜200
0モル、特に好ましくは50〜1000モルの範囲で用
いられる。有機ケイ素化合物(C)は、(B)成分1モ
ル当たり、0.002〜10モル、好ましくは0.01
〜2モル、特に好ましくは0.01〜0.5モルの範囲
で用いられる。
【0053】各成分の接触順序は任意であるが、重合系
内にまず有機アルミニウム化合物(B)を装入し、次い
で有機ケイ素化合物(C)を接触させ、更に固体触媒成
分(A)を接触させることが望ましい。
【0054】本発明における重合方法は、有機溶媒の存
在下でも不存在下でも行うことができ、またオレフィン
単量体は、気体及び液体のいずれの状態でも用いること
ができる。また、重合時に分子量調節剤として水素を用
いることも可能である。重合温度は200℃以下、好ま
しくは100℃以下であり、重合圧力は10MPa以
下、好ましくは5MPa以下である。また、連続重合
法、バッチ式重合法のいずれでも可能である。更に重合
反応を1段で行ってもよいし、2段以上で行ってもよ
い。
【0055】本発明の方法により重合あるいは共重合さ
れるオレフィン類は、炭素数2〜10のオレフィン、具
体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1
−デセン等の長鎖オレフィン類、3−メチル−1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等の分枝オレフィン類、
ブタジエン等のジエン類、あるいはビニルシクロペンタ
ン、ビニルシクロヘキサン等であり、これらのオレフィ
ンは1種あるいは2種以上用いることができる。とりわ
け、エチレン及びプロピレンが好適に用いられる。
【0056】更に、本発明において固体触媒成分
(A)、有機アルミニウム化合物(B)及び有機ケイ素
化合物(C)より成る触媒を用いて行うオレフィン重合
(本重合ともいう。)にあたり、触媒活性、立体規則性
及び生成する重合体の粒子性状等を一層改善させるため
に、本重合に先立ち予備重合を行うことが望ましい。予
備重合の際に用いるオレフィン類として、本重合と同様
のオレフィン類あるいはスチレン等のモノマーを用いる
ことができる。
【0057】予備重合を行うに際して、各成分及びモノ
マーの接触順序は任意であるが、好ましくは、不活性ガ
ス雰囲気あるいは重合を行うオレフィンガス雰囲気に設
定した予備重合系内にまず有機アルミニウム化合物
(B)を装入し、次いで有機ケイ素化合物(C)を接触
させ、更に固体触媒成分(A)を接触させた後、1種あ
るいは2種以上のオレフィンを接触させる方法が望まし
い。また、予備重合に際し、水素などの分子量調節剤を
添加することもできる。
【0058】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。 〈重合評価〉本発明のオレフィン類重合用触媒を用いて
プロピレンのスラリー重合評価を行い、固体触媒成分当
たりの重合活性、高温ソックスレー抽出器にて沸騰n−
ヘプタンで6時間抽出した際の生成重合体の不溶解の重
合体量(HI)及び重合溶媒可溶分の発生率を測定し
た。重合活性、HI及び可溶分発生率は、下記の(2)
〜(4)式より算出した。更に、生成重合体のメルトフ
ローレイト(MI)、嵩密度(BD)を測定した。MI
及びBDの測定方法はそれぞれJIS K 7210及
びJIS K 6721に準拠した。
【0059】 触媒活性(g-PP/g-cat. )={a(g) +c(g) }/固体触媒成分(g) (2) HI(重量%)={b(g) /a(g) }×100 (3) 可溶分発生率(重量%)={c(g) /(a(g) +c(g) )}×100 (4) 上記(2)〜(4)式において、aは重合反応終了後、
生成した固体重合体の重量、bは重合反応終了後に生成
した固体重合体を沸騰n−ヘプタンで6時間抽出した際
の、n−ヘプタンに不溶解の重合体の重量、cは重合終
了後に濾過された重合溶媒中に溶存する重合体の量を示
す。
【0060】実施例1 〈固体触媒成分(A)の調製〉撹拌機を具備し、窒素ガ
スで充分に置換された、容量500ml の丸底フラスコ
に、ジエトキシマグネシウム20g、オルトホウ酸(H
3 BO3 )0.36g及びトルエン160ml を装入し
て室温で30分撹拌し、90℃に昇温して2時間反応さ
せた後、室温まで冷却した。次いで、該反応懸濁液にチ
タンテトラクロライド40ml を装入した後昇温し、8
0℃でフタル酸ジ−n−ブチル5.7ml を添加した。
更に110℃まで昇温し、撹拌しながら2時間反応させ
た。反応終了後、生成物をトルエンで洗浄し、新たにト
ルエン160ml 、チタンテトラクロライド40ml を
加えて、100℃で、撹拌しながら1.5時間接触反応
させた。次いで、生成物をヘプタンで洗浄し、濾過、乾
燥して、粉末状の固体触媒成分(A)を得た。この固体
触媒成分中(A)のチタン含有量を測定したところ、
4.70重量%であった。
【0061】〈重合〉プロピレンガスで置換された、内
容積1500ml の撹拌装置付きオートクレーブ内に、
n−ヘプタン700ml を装入し、次いでトリエチルア
ルミニウム2.1mmol、シクロヘキシルメチルジメ
トキシシラン0.21mmol及び上記の固体触媒成分
(A)をチタン原子として0.0053mmol相当量
を添加して撹拌処理し、重合触媒を形成した。次いでプ
ロピレンガスで系内を0.2MPa(絶対圧)に昇圧
し、20℃で30分間予備重合を行った。その後、水素
ガス80ml を装入し、プロピレンガスで系内を0.7
MPa(絶対圧)に昇圧して、70℃で2時間の本重合
を行った。重合評価結果を表1に併載する。
【0062】実施例2 オルトホウ酸の使用量を1.1gとした以外は、実施例
1と同様に固体触媒成分(A)の調製及び重合評価を行
った。得られた固体触媒成分(A)のチタン含有量を測
定したところ、4.93重量%であった。重合評価結果
を表1に併載する。
【0063】実施例3 〈固体触媒成分(A)の調製〉撹拌機を具備し、窒素ガ
スで充分に置換された、容量500ml の丸底フラスコ
に、ジエトキシマグネシウム20g、オルトホウ酸(H
3 BO3 )1.1g及びトルエン160ml を装入して
室温で30分撹拌し、112℃に昇温して4時間反応さ
せた後、室温まで冷却した。以下の調製は実施例1と同
様に行った。得られた固体触媒成分(A)のチタン含有
量を測定したところ、6.07重量%であった。
【0064】〈重合〉実施例1と同様に行った。重合評
価結果を表1に併載する。
【0065】実施例4 〈固体触媒成分(A)の調製〉撹拌機を具備し、窒素ガ
スで充分に置換された、容量500ml の丸底フラスコ
に、ジエトキシマグネシウム20g及びトルエン160
ml を装入し、次いでチタンテトラクロライド40ml
を装入した後昇温し、80℃でフタル酸ジ−n−ブチル
5.7ml を添加した。更に110℃まで昇温し、撹拌
しながら2時間反応させた。反応終了後、生成物をトル
エンで洗浄し、新たにオルトホウ酸1.1g、トルエン
160ml 及びチタンテトラクロライド40ml を加え
て、100℃で、撹拌しながら1.5時間接触反応させ
た。次いで、生成物をヘプタンで洗浄し、濾過、乾燥し
て、粉末状の固体触媒成分(A)を得た。この固体触媒
成分中(A)のチタン含有量を測定したところ、3.2
1重量%であった。
【0066】〈重合〉実施例1と同様に重合評価を行っ
た。重合評価結果を表1に併載する。
【0067】比較例1 〈固体触媒成分(A)の調製〉撹拌機を具備し、窒素ガ
スで充分に置換された、容量500ml の丸底フラスコ
に、ジエトキシマグネシウム20g及びトルエン160
ml を装入し、次いでチタンテトラクロライド40ml
を装入した後昇温し、80℃でフタル酸ジ−n−ブチル
5.7ml を添加し、更に110℃まで昇温し、撹拌し
ながら2時間反応させた。反応終了後、生成物をトルエ
ンで洗浄し、新たにトルエン160ml、チタンテトラ
クロライド40ml を加えて、100℃で、撹拌しなが
ら1.5時間接触反応させた。次いで、生成物をヘプタ
ンで洗浄し、濾過、乾燥して、粉末状の固体触媒成分
(A)を得た。この固体触媒成分(A)中のチタン含有
量を測定したところ、2.73重量%であった。
【0068】〈重合〉実施例1と同様に重合を行った。
重合評価結果を表1に併載する。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】本発明のオレフィン類重合用触媒の存在
下で、オレフィン類の重合を行った場合、従来の触媒を
使用した場合に較べ、触媒活性や生成ポリマーの立体規
則性及び嵩密度を高度に維持したまま、対水素活性を最
大190%まで向上させることができる。これにより、
より少ない水素量で高メルトフローのポリマーが得ら
れ、コスト面・安全面の問題を解決することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒成分及び重合触媒を調製する工程
を示すフローチャート図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)マグネシウム化合物、(b)一般
    式Ti(OR1 n4-n (式中、R1 は炭素数1〜4
    のアルキル基、Xは塩素原子、臭素原子あるいはヨウ素
    原子、nは0≦n≦3の実数である。)で表されるチタ
    ン化合物、(c)芳香族ジカルボン酸ジエステル及び
    (d)ホウ酸及びホウ酸塩の中から選択される少なくと
    も1種のホウ素化合物を接触させることにより調製され
    ることを特徴とする、オレフィン類重合用固体触媒成
    分。
  2. 【請求項2】 下記(A)、(B)及び(C)成分より
    形成されることを特徴とする、オレフィン類重合用触
    媒。 (A)請求項1に記載のオレフィン類重合用固体触媒成
    分、(B)一般式R2 p AlY3-p (式中、R2 は炭素
    数1〜4のアルキル基を示し、Yは水素原子あるいはハ
    ロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数である。)で
    表される有機アルミニウム化合物、及び(C)一般式
    (3)R3 q Si(OR4 4-q (式中、R3 及びR4
    は炭化水素基を示し、同一または異なっていてもよい。
    qは0≦q≦3の整数である。)で表される有機ケイ素
    化合物。
JP13288298A 1998-05-15 1998-05-15 オレフィン類重合用固体触媒成分及び触媒 Pending JPH11322843A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022004205A1 (ja) * 2020-06-29 2022-01-06 東邦チタニウム株式会社 オレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法、オレフィン類重合用触媒、オレフィン類重合用触媒の製造方法及びオレフィン類重合体の製造方法

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WO2022004205A1 (ja) * 2020-06-29 2022-01-06 東邦チタニウム株式会社 オレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法、オレフィン類重合用触媒、オレフィン類重合用触媒の製造方法及びオレフィン類重合体の製造方法

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