JPH11321896A - 合成樹脂製バリア性チューブ容器 - Google Patents

合成樹脂製バリア性チューブ容器

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JPH11321896A
JPH11321896A JP15368198A JP15368198A JPH11321896A JP H11321896 A JPH11321896 A JP H11321896A JP 15368198 A JP15368198 A JP 15368198A JP 15368198 A JP15368198 A JP 15368198A JP H11321896 A JPH11321896 A JP H11321896A
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container
epoxy resin
resin
tube container
tube
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JP15368198A
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Hiroshi Matsuzaki
弘 松嵜
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 単一素材のPET の延伸ブローチューブ容器の
水蒸気バリア性を、容器の外観を損なうことなく改善し
て、内容物からの水分の減量のないチューブ容器を提供
し、使用後の容器のリサイクルを可能とする。 【解決手段】 エポキシ系樹脂をコーティングした部分
の外側に絵柄印刷5を施したこと、エポキシ系樹脂に顔
料または染料を添加してインキ6として、印刷したこ
と、一次成形体の成形原料である熱可塑性ポリエステル
エラストマーの 結晶融点が 150℃〜 230℃、密度が1.
05〜1.29g/cm3 、かつ、曲げ弾性率が 100〜9000Kg/cm2
の範囲にあること、二次成形体である容器の肩部Gから
下の胴部Hの肉厚が80〜 800μmであることを含む合成
樹脂性バリア性チューブ容器1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性と弾性に優
れたポリエステルコポリマーの二軸延伸ブロー成形チュ
ーブ容器の水蒸気バリア性を向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック材料を主体とするスクイズ
性チューブ容器は、柔軟性、内容物の保存性、携帯性に
優れている事から、練り歯磨き、化粧品、医薬品、食
品、日用品等の容器として広く使用されている。プラス
チックチューブ容器に保存する内容物の成分には、空気
中の酸素が容器内部まで透過して酸化的に変質するもの
や、浸透性に富み、チューブ材質との親和性が高いた
め、チューブ容器物性を著しく低下させる界面活性剤、
溶剤、油性香料等が含まれる事が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】単一素材のPET の延伸
ブローチューブは、リサイクル性、外観が優れている
が、水蒸気バリア性が乏しいため、水性内容物の重量減
少を防止できないことに問題がある。また肉厚を厚くす
れば、水蒸気バリア性は改善されるが、屈曲性が乏しく
なり、使用感、使用性を悪化する問題がある。そこで、
本発明においては、現状の単一素材のPET の延伸ブロー
チューブ容器の水蒸気バリア性を改善して、内容物から
の水分の減量のないチューブ容器を提供し、各種飲料、
食品容器として流通でき、使用後の容器のリサイクルを
可能とすることを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、容器本体と容
器本体の注出口に嵌着または螺合するキャップとの組み
合わせによるチューブ容器において、前記容器本体が、
芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステルと脂肪族
ポリエーテルとの熱可塑性ポリエステルエラストマー、
芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルとの熱可塑性
ポリエステルエラストマーの中から選択されるいずれか
の樹脂を成形原料として射出成形法により成形した筒状
体の一次成形体を、軸方向と径方向に二軸延伸ブロー成
形することにより得られる肩部と胴部が一体成形された
二次成形体である容器であって、前記容器本体の首部以
外の外面および/または内面の表面積の20〜100 %にエ
ポキシ系樹脂を 5μm〜80μmの厚さにコーティングし
た合成樹脂製バリア性チューブ容器であって、前記エポ
キシ系樹脂をコーティングした部分の外側に絵柄印刷を
施したこと、前記エポキシ系樹脂に顔料または染料を添
加してインキとして、印刷したこと、前記一次成形体の
成形原料である熱可塑性ポリエステルエラストマーの
結晶融点が 150℃〜 230℃、密度が1.05〜1.29g/cm3
かつ、曲げ弾性率が 100〜9000Kg/cm2の範囲にあるこ
と、前記二次成形体である容器の肩部から下の胴部の肉
厚が80〜 800μmであることを含む。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明について、以下図面等を用
いて説明する。図1は、本発明のバリア性チューブ容器
の、(a)正面図、(b)Y部拡大断面図(外面コー
ト)、(c)Y部拡大断面図(内面コート)(d)Y部
拡大断面図(内面コート、外面印刷)、(e)Y部拡大
断面図(外面コート及び印刷)、(f)Y部拡大断面図
(エポキシ系樹脂インキによる外面印刷)である。図2
は、パリソンの正面図 である。本発明にかかる合成樹
脂製バリア性チューブ容器は、ポリエステル系エラスト
マーを原料として図2に示すようなコールドパリソンF
を成形し、前記パリソンを2軸延伸して、図1(a)に
示すように2軸延伸ブロー容器を形成するとともに、該
容器の内面、外面または両面の20%以上にエポキシ樹脂
層3を設けてなる容器本体1と、該容器本体1に内容物
を充填した場合に、該容器本体1とその首部Kにおいて
螺子4m,4nにより螺合して前記容器本体1の口元部
に密着して密封するキャップ2とから構成される。
【0006】さらに詳細に説明する。前記、ポリエステ
ル系エラストマーによって成形した延伸チューブ容器
は、そのままでは容器本体1において水蒸気バリア性に
劣り、液体系の内容物を収納して長期にわたり保存した
場合には、前記容器本体1の側壁または底部から内容物
の水分をはじめ、その他の液体成分が蒸散してしまう。
その対策として、本発明者は、鋭意検討の結果、前記容
器本体1の水蒸気バリア性を確保するために、図1
(b)に示すように容器本体1の外面、または、図1
(c)に示すように内容物収納部C側、すなわち、内面
または両面にエポキシ樹脂系樹脂層3を設けることによ
り、水蒸気バリア効果を付与できることを見出した。し
かし、前記エポキシ樹脂層3は、透明性に問題があり、
そのため、さらに実験を重ね、エポキシ樹脂の層3の厚
さとして、3 〜80μmとし、また、容器本体1の首部K
を除く肩部Gおよび同部Hの内面または外面或いは内外
両面の全表面積の20%以上にエポキシ樹脂をコーティン
グすることにより、外観として支障なく、かつ、水蒸気
バリア性を得ることができた。前記エポキシ樹脂のコー
ティング面積が全面積の20%未満の場合には、必要なバ
リア性が得られないことがある。首部は肉厚であり特に
バリア処理をしなくとも支障がなく、従って本発明にお
いてもコーティングを必要としない。エポキシ樹脂を前
記容器本体1の内面にコーティングした場合には、耐内
容物性が向上する。これはエポキシ樹脂のもつ耐内容物
性に依存する。コーティングするエポキシ樹脂層3の厚
さは3 〜80μmとする。エポキシ樹脂層3の厚さが3 μ
m未満の場合には、充分なバリア性を発現しない。ま
た、エポキシ樹脂のコーティングの厚さが80μmを超え
ると、チューブ容器の屈曲性、柔軟性に問題が発生す
る。本発明における合成樹脂製バリア製チューブ容器に
おけるエポキシ樹脂のコーティング方法は、浸漬法、ス
プレーコーティング法、ロールコーティング法あるいは
印刷法等を利用することができるが、これらの方法に限
定されるものではない。
【0007】本発明について、更に詳細に説明する。ま
ず、本発明における筒状の一次成形体(以下、コールド
パリソン)Fの成形原料として使用する芳香族ポリエス
テル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
ポリテトラメチレンテレフタレートからなる1種もしく
は2種類以上からなる共重合体、混合物よりなる。
【0008】さらに詳しくは、コールドパリソンFに使
用するエラストマー樹脂は、柔軟性に富む熱可塑性ポリ
エステルエラストマーを使用する。熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーとは、(AB)n型マルチブロック型の
コポリマーであり、結晶性の高融点ポリエステルブロッ
ク単位(ハードセグメント)と低いガラス転移温度(T
g)の非晶性ブロック単位(ソフトセグメント)から合
成されるハードセグメントにポリブチレンテレフタレー
ト単位、ソフトセグメントにポリ(テトラメチレンオキ
シド)グリコール(PTMG)のような脂肪族ポリエー
テル単位を用いて共重合した芳香族ポリエステル/脂肪
族ポリエーテル型の熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー、また、ハードセグメントにポリブチレンテレフタレ
ート単位、ソフトセグメントにポリカプロラクトンやポ
リブチレンアジペートの様な脂肪族ポリエステルを共重
合した芳香族ポリエステル/脂肪族ポリエステル型の熱
可塑性ポリエステルエラストマーが最も適している。使
用する熱可塑性ポリエステルエラストマーの樹脂物性と
しては、結晶融点が150 ℃〜230 ℃、より望ましくは18
0 ℃〜210 ℃、密度が1.05〜1.29g/cm3 、より望ましく
は1.10〜1.20g/cm3 、かつ曲げ弾性率が100 〜9000Kg/c
m2、より望ましくは、1000〜6000Kg/cm2の範囲にある熱
可塑性ポリエステルエラストマーが望ましい。結晶融点
が高くなると、得られるチューブ容器の柔軟性が悪くな
り、逆に、結晶融点が低くなるとコールドパリソン成形
樹脂の成形性が悪くなる。
【0009】密度が高くなると、バリア性、特に酸素バ
リア性は良くなるが、チューブ容器の柔軟性がわるくな
り、密度が低くなると、2軸延伸処理してもバリア性が
著しく悪くなる。弾性率は、結晶融点とほぼ比例関係に
ある。
【0010】次に、本発明におけるチューブ容器の2軸
延伸ブロー成形について説明する。コールドパリソンF
は、延伸効果の出る温度帯まで加熱し、その肩部をブロ
ー金型の一部である肩部サポートにより保持し、ブロー
金型内にコールドパリソンの胴部を位置させる。コール
ドパリソン内には延伸ロッドが挿入され、また、ブロー
金型には圧力流体を注入するための通路が形成されてい
る。コールドパリソンFが延伸効果の出る温度帯になっ
た状態において、延伸ロッドを前進させて軸方向に1軸
延伸すると共に、胴部にエアーを注入して径方向に延伸
して二軸延伸ブロー成形を行う。延伸倍率は、コールド
パリソンの肉厚に依存するが、1軸、2軸とも2〜7倍
程度が望ましい。
【0011】この二軸延伸工程で得たブローチューブ容
器の半製品は、チューブ容器の底部となる下端の適当な
箇所を切断することで、底部が開放されたチューブ容器
とすることができる。チューブ容器の底部の切断方法と
しては、金属カッターによる切断方法の他、熱線や超音
波切断法等が使用できる。
【0012】胴部は二軸延伸効果により、ガスバリア性
が高くなると同時に、透明性、表面平滑性が向上し、機
械的物性も著しく改善できる。また、成形樹脂として熱
可塑性ポリエステルエラストマーを使用した場合、従来
のポリエチレンテレフタレートと異なり容器の使用性、
特に、柔軟になるため、絞り出し性が格段に向上し、内
容物の容器残留の問題が解消される。
【0013】次に、本発明にかかる合成樹脂製バリア性
チューブ容器におけるチューブ容器へのエポキシ樹脂の
コーティングについて詳しく説明する。コーティング剤
としてのエポキシ樹脂としては、末端にエポキシ基を有
する分子量が300 〜10,000程度のオリゴマー性樹脂であ
り、製造原料の種類によって、グリシジルエーテル型、
グリシジルエステル型、グリシジルアミン型がある。グ
リシジルアミン型は、分子中に窒素原子を有するが、そ
の他のエポキシ樹脂は窒素原子を持たない。グリシジル
アミン型は、安定性が悪く、硬化剤との反応の段階でゲ
ル化し易い問題があり、安定性の高いグリシジルエーテ
ル型、あるいはグリシジルエステル型が望ましい。
【0014】これらのエポキシ樹脂の中で、グリシジル
エーテル型は、アルコール性水酸基を有するアルコール
類、あるいはフェノール類、グリシジルエステル型は、
カルボン酸を官能基として有する活性水素含有化合物類
をエピクロルヒドリンでエポキシ化して得られる。通
常、アルカリ存在下で反応を行い、一回の反応でエポキ
シ化する方法や二回以上の反応を経てエポキシ化する。
反応には、三級アミン、四級アミン、トリフェニルホス
フィン等の触媒を使用することも出来る。他の方法とし
ては、二重結合を有する化合物を過酸化水素もしくは過
酸で液相酸化する方法、二重結合を有する化合物を空気
酸化する方法、イリドを用いる方法があるが、これらに
限定されるものりではない。
【0015】反応は、ビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンとの反応では、ビスフェノール1モルに対して、
エピクロルヒドリンは2モル以上必要である。温度は5
〜150 ℃の範囲で行うのが一般的であるが、これに限定
されるものではない。
【0016】反応溶媒としては、原料が溶解する溶媒で
あれば良いが、好ましくは、アルコール類が望ましい。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、n-プ
ロパノール、イソプロパノール、等の低級アルコールの
他に、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール等
のグリコールエーテル類、また、多価アルコール類も使
用できる。
【0017】この様にして得られるグリシジルエーテル
型エポキシ樹脂としては、その基本骨格から、ビスフェ
ノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノー
ルA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS
型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン
型、フルオレン型の分子中にエポキシ基を2個有する二
官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、オルソク
レゾールノオラック型、DPPノボラック型、トリス・
ヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタ
ン型の分子中にエポキシ基を3個以上有する他官能エポ
キシ樹脂がある。
【0018】また、これらの芳香族エポキシ樹脂の他
に、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-
プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタン
ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ールネ等の2価以上の脂肪族アルコール類ををエピクロ
ルヒドリン、あるいはジクロルヒドリンでエポキシ化し
た脂肪族エポキシ樹脂も使用できる。
【0019】グリシジルエステル型エポキシ樹脂として
は、分子中に、カルボキシル基(-COOH )を2個以上有
する芳香族、あるいは脂肪族カルボン酸とエピクロルヒ
ドリン、あるいはジクロルヒドリンとの反応で得ること
ができる。芳香族では、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸のエポキシ化物等がある。これらのエポキシ樹
脂は、1種類のエポキシ樹脂、あるいは2種以上のエポ
キシ樹脂を混合して使用しても良い。
【0020】エポキシ樹脂の分子量は300 〜10,000(数
平均分子量)、重合度(n)は0.1〜20、エポキシ当量
は100 〜10,000g/eq、粘度は20〜40,000ps(25℃)であ
る。
【0021】エポキシ樹脂と反応させる硬化剤として
は、重付加型ポリアミン、重付加型酸無水物、重付加型
ポリフェノール、重付加型ポリメルカプタン、重付加型
イソシアネート、重付加型有機酸、触媒型硬化剤、縮合
型硬化剤、等がある。この中で、反応性に富むポリアミ
ン系硬化剤や有機酸やその誘導体(エステル、酸無水
物)が広く使用されているが、特に限定されるものでは
ない。ポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンアミン、メタキシリレンジアミン、
イソホロンジアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキ
サン、ジアミノジフェニルメタン、等の未変性ポリアミ
ン、ポリアミド、ケチミン、エポキシ変性帯(エポキシ
アダクト)、等の変性ポリアミン、有機酸誘導体として
は、シュウ酸、フタル酸、マレイン酸、ヘキサヒドロフ
タル、ピロメリット酸、シクロペンタジエンメチルマレ
イン、ドデシルコハク酸、ジクロマレイン、クロレンジ
ック酸、あるいはこれらのエステル体、無水物体等があ
るが、これらに限定されるものではない。これらの硬化
剤は、1種あるいは2種以上の硬化剤を組み合わせてエ
ポキシ樹脂を硬化させる。
【0022】硬化剤とエポキシ樹脂の反応により、樹脂
皮膜中に三次元架橋構造が形成され、エポキシ樹脂の物
性、特に、機械的強度、電気的特性、耐熱性、耐薬品
性、接着性、並びにガス遮断性を効果的に改善すること
ができる。
【0023】エポキシ樹脂の硬化反応は、溶媒中で行
う。使用可能な溶媒としてはエポキシ樹脂と硬化剤が可
溶化する溶媒であれば使用可能であり、具体的には脂肪
族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エステル系
溶媒、ケトン系溶媒、あるいはアルコール系溶媒等が使
用できる。溶媒は単独、あるいは2種以上の溶媒を混合
しても良い。アルコール系溶媒では、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロパノール、等の低
級アルコールの他に、2-メトキシエタノール、2-エトキ
シエタノール等のグリコールエーテル類、また、多価ア
ルコール類も使用できる。硬化反応は、常温、あるいは
加温しながら行う。概ね5 ℃〜150 ℃の範囲で行うが、
高温過ぎるとゲル化反応が起こり、硬化反応後のコーテ
ィング性が悪くなる。必要に応じて、窒素気流を反応容
器に導入し、酸素ガスの影響を除く。
【0024】また、硬化剤の添加量は、エポキシ樹脂の
エポキシ基の数で任意に選択されるが、酸無水物の場合
は、触媒的硬化も有するので、0.1 〜0.5 エポキシ当量
が一般的である。ただし、硬化剤の量は、三次元構造を
決定し、硬化膜の物性に影響を及ぼす要因なので、その
量は注意を払う必要がある。硬化剤で硬化させたエポキ
シ樹脂は、得られる層がやや脆いという欠点がある。特
に、本発明では、皮膜を形成する被着材が蒸着フィルム
の蒸着なので、曲げ弾性係数が大きい樹脂皮膜は硬化が
少ない。可撓性を付与する方法としては次の方法がある
が、これらの方法に限定されるものではない。 可塑剤を添加し、硬化物中に未反応物として長鎖状の
化合物を残存させる方法 可塑剤:ジブチルフタレート、有機酸のエチレングリコ
ールのエステル、テトラヒドロフルフリルアルコールの
エチレンオキシド付加物 硬化時に長鎖状化合物をエポキシ基とが反応するよう
な物質(可撓性付与剤)を添加する方法 希釈剤を使用する。 希釈剤:ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジル
エーテル、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールグリ
シジルエーテル、等 充填剤を使用する。 充填剤:マイカ粉末、シリカまたは石英粉末、炭酸カル
シウム、アルミナ、ケン酸ジルコニウム、酸化鉄、ガラ
ス粉末 プラスチック樹脂を添加する。 プラスチック樹脂:ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレンー酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、
ポリアミド、等
【0025】本発明にかかる合成樹脂製バリア性チュー
ブ容器におけるエポキシ樹脂のコーティングの際、容器
本体1の首部はチューブ容器の肩部または胴部と比べ、
ポリエステル系樹脂が厚く、十分な水蒸気バリア性を発
現できることから、水蒸気バリア性を向上させるための
コーティングは不要である。エポキシ樹脂は樹脂自体が
有色なため、コーティング部位は無色透明にならない問
題がある。そこでコーティング面積を水蒸気バリア性が
向上する全表面積の20%以上にする事によって、外観を
損なう事無く、水蒸気バリア性を向上することが出来た
ことを特徴とする。またエポキシ樹脂の厚さが 3μm未
満では十分なバリア性を発現しないおそれがある。また
エポキシ樹脂層の厚さが80μmを超えると以上では屈曲
性・柔軟性に問題が発生した。
【0026】このようにして得られる2軸延伸したチュ
ーブ容器の外面または内面あるいは内外面の両面に、全
面積の20%以上にエポキシ樹脂層を設けた本発明の合成
樹脂製バリア性チューブ容器Pに内容物を充填し、密封
保存をしても、内容物中の水分をはじめとする液体成分
が容器本体の壁を通して蒸散することがなく、流通容器
として使用可能となった。本発明の合成樹脂製バリア性
チューブ容器がポリエステル系樹脂を原料としているこ
とにより、使用後の容器を回収し、再生した容器原料で
あるポリエステル樹脂を他の用途に使用することが可能
であり本発明は省資源の観点からも有用なものである。
【0027】本発明においてエポキシ樹脂の色がチュー
ブ表面に表れないようにするためには、チューブ表面に
直接印刷を施すことにより解決できる。前記直接印刷す
る代わりに印刷を施したラベルを貼付してもよいし、あ
るいは、前記チューブ容器に印刷を施したシュリンクフ
ィルムにより被覆し、熱収縮して絵柄を設けてもよい。
例えば、図1(d)に示すように、チューブ内面にエポ
キシ系樹脂3をコーティングし外面に印刷5を施しても
よい。また、図1(e)に示すように、チューブの外面
にコートしたエポキシ樹脂層の上に印刷層を設けてもよ
い。あるいは、エポキシ樹脂に顔料あるいは染料を添加
してインキとし、該インキを用いて、図1(f)に示す
ように、チューブの外面に印刷6を施すことによって、
バリア性を付与することができる。
【0028】
〔実施例1〕
使用樹脂:熱可塑性ポリエステルエラストマー 芳香族ポリエステル/脂肪族ポリエーテル型エラストマー (東洋紡 ペルプレン、P-40H ) 密度:1.12g/m3、曲げ弾性率520kg/cm2 、結晶融点172 ℃ 該樹脂を射出成形法により図1に示す予備成形体でネジ
山部を有するチューブ用コールドパリソンを成形した。
射出バレル温度は240 ℃とした。このコールドパリソン
を90℃に加熱保持した後、二軸延伸ブロー成形法によ
り、図2に示す胴部肉厚が0.3mm 、胴部径が35mmの有底
部を有するボトル形状の成形体を得た。更に下記コーテ
ィングAの入った液槽内に本成形体の一部( 下端部切除
後も容器外面にコーティング面が首部を除く20%残るよ
うな面積) を浸け、容器外面に厚さ5 μm(乾燥)をコ
ーティング、反応温度120 ℃で1時間熱硬化させた後、
チューブ容器の肩下長となる130mm の位置で水平方向に
金属カッターで切断し、図3に示すチューブ容器を得
た。 コーティング剤A:510gのビスフェノールAのグリシジ
ルエーテル誘導体を反応容器に入れ、2Lの1-エトキシ
-2- プロパノールを加え、窒素ガスを導入しながら、マ
グネチックスターラーで攪拌し、80℃で徐々に溶解し
た。溶解後、温度を80℃に維持したまま、83℃のトリエ
チレンテトラミンを1Lのn−プロパノール溶液を添加
し、マグネチックスターラーで攪拌しながら、エポキシ
樹脂を硬化させた。反応は1時間行い、反応終了後、温
度を120 ℃に上げ、過剰の溶媒を減圧下で留去し、ポリ
アミンを付加樹脂させたエポキシ樹脂の5 %溶液(n- プ
ロパノール)を調整した。 〔実施例2〕実施例1の方法にて作成したボトルに、実
施例1と同様の手法にて外面の表面積の首部を除く100
%に厚さ10μmで、下記に示すコーティング液Bをコー
ト、110 ℃、3 時間硬化させた後、チューブ容器の肩下
長となる130mm の位置で水平方向に金属カッターで切断
し、チューブ容器を得た。 コーティング剤B:550gの1,4-ブタンジオールのグリシ
ジルエーテル誘導体を反応容器に入れ、1Lの2-ブトキ
シエタノールを加え、窒素ガスを導入しながら、マグネ
チックスターラーで攪拌し、65℃で徐々に溶解した。溶
解後、温度を100 ℃に上げ、55g のヘキサヒドロフタル
酸無水物を0.7 Lのn−プロパノール溶液を添加し、マ
グネチックスターラーで攪拌しながら、エポキシ樹脂を
硬化させた。反応は10時間行い、反応終了後、温度を13
0 ℃に上げ、過剰の溶媒を減圧下で留去し、硬化剤を付
重合させたエポキシ樹脂の7 %溶液(n−プロパノー
ル)を調整した。 〔実施例3〕実施例1の方法にて作成した有底部を有す
るボトル形状の成形体を得た後、ボトルの外面表面積の
20%にコーティング液Aを厚さ76μmで塗工、120 ℃、
8 時間硬化させた後、チューブ容器の肩下長となる130m
m の位置もで水平方向に金属カッターで切断し、チュー
ブ容器を得た。 〔実施例4〕エポキシ樹脂のコーティング面積が内面の
表面積の60%にコーティングし、120 ℃4 時間乾燥した
以外は実施例1 と同様の手法でチューブ容器を得た。 〔実施例5〕使用樹脂として、PET樹脂 J-120 (三
井化学株式会社製 商品名)を使用した以外は実施例1
と同様の成形法、コーティングを行いチューブ容器を得
た。 〔比較例1〕実施例1と同様の手法で得たボトルにコー
ティング処理を行わずチューブ容器を得た。 <水蒸気バリア測定>実施例1 〜4 、比較例1 の各チュ
ーブ容器の口部をアルミ箔を含む積層シーラントで熱接
着させた後、底部にガス透過測定様治具を装着、空隙部
を低分子エポキシ系接着剤で固定し、MOCON 法にて水蒸
気透過度を測定した。測定条件は以下のとおり 水蒸気透過度:40℃/90%RH <評価結果>
【0029】
【表1】 実施例1〜5より、内面もしくは外面の表面積の20%以
上にエポキシ樹脂をコーティングする事により、水蒸気
バリア性が向上することが判明した。またエポキシ樹脂
層を厚くすることにより、バリア性が向上することも判
明した。
【0030】
【発明の効果】本発明の合成樹脂製バリア性チューブ容
器により、ポリエステル系樹脂による2軸延伸チューブ
容器の水蒸気バリア性を著しく改善することができ、液
体収納用容器として、長期流通可能な包装容器とするこ
とができた。また、バリア性の改善のために設けるエポ
キシ樹脂の着色も、コーティング面積を容器全表面積の
20〜40%とすることにより、容器の外観を損なうことな
く必要なバリア性を確保できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリア性チューブ容器の、(a)正面
図、(b)Y部拡大断面図(外面コート)、(c)Y部
拡大断面図(内面コート)、(d)Y部拡大断面図(内
面コート、外面印刷)、(e)Y部拡大断面図(外面コ
ート及び印刷)、(f)Y部拡大断面図(エポキシ系樹
脂インキによる外面印刷)
【図2】パリソンの正面図
【符号の説明】
F パリソン P バリアチューブ容器 x,y 延伸方向 C 内容物収納部 K 首部 G 肩部 H 胴部 1 容器本体 1w ポリエステル樹脂層 2 キャップ 3 エポキシ樹脂コート層 3N エポキシ樹脂非コート部 4m,4n ねじ 5 印刷 6 エポキシ樹脂インキ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器本体と容器本体の注出口に嵌着または
    螺合するキャップとの組み合わせによるチューブ容器に
    おいて、前記容器本体が、芳香族ポリエステル樹脂、芳
    香族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルとの熱可塑性ポ
    リエステルエラストマー、芳香族ポリエステルと脂肪族
    ポリエステルとの熱可塑性ポリエステルエラストマーの
    中から選択されるいずれかの樹脂を成形原料として射出
    成形法により成形した筒状体の一次成形体を、軸方向と
    径方向に二軸延伸ブロー成形することにより得られる肩
    部と胴部が一体成形された二次成形体である容器であっ
    て、前記容器本体の首部以外の外面および/または内面
    の表面積の20〜100 %にエポキシ系樹脂を 5μm〜80μ
    mの厚さにコーティングしたことを特徴とする合成樹脂
    製バリア性チューブ容器。
  2. 【請求項2】前記エポキシ系樹脂をコーティングした部
    分の外側に絵柄印刷を施したことを特徴とする請求項1
    に記載の合成樹脂製バリア性チューブ容器。
  3. 【請求項3】前記エポキシ系樹脂に顔料または染料を添
    加してインキとして、印刷したことを特徴とする請求項
    1に記載の合成樹脂製バリア性チューブ容器。
  4. 【請求項4】前記一次成形体の成形原料である熱可塑性
    ポリエステルエラストマーの 結晶融点が 150℃〜 230
    ℃、密度が1.05〜1.29g/cm3 、かつ、曲げ弾性率が 100
    〜9000Kg/cm2の範囲にあることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3に記載の合成樹脂製バリア性チューブ容器。
  5. 【請求項5】前記二次成形体である容器の肩部から下の
    胴部の肉厚が80〜 800μmであることを特徴とする請求
    項1乃至請求項4に記載の合成樹脂製バリア性チューブ
    容器。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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