JPH11319750A - 有機廃棄物処理方法および有機廃棄物処理装置 - Google Patents

有機廃棄物処理方法および有機廃棄物処理装置

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JPH11319750A
JPH11319750A JP10126415A JP12641598A JPH11319750A JP H11319750 A JPH11319750 A JP H11319750A JP 10126415 A JP10126415 A JP 10126415A JP 12641598 A JP12641598 A JP 12641598A JP H11319750 A JPH11319750 A JP H11319750A
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liquid
organic waste
line
waste treatment
reactor
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JP10126415A
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Yoshie Akai
芳恵 赤井
Kazuya Yamada
和矢 山田
Yoshikazu Matsubayashi
義和 松林
Yasushi Yamaguchi
恭志 山口
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高圧媒体液を用いた有機廃棄物処理にお
いては、有機廃棄物中の無機物が反応容器内に析出し、
これが容器口を閉塞してしまうなどのトラブルの原因と
なる。本発明はこの問題の解決手段を提供する。 【解決手段】 媒体液の臨界点以上での処理において、
水素イオン濃度を10-4モル/kg以上にすることによ
り、無機物を析出することなく、有機物を分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機物を含む有機廃
棄物の処理方法および処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題に対応し、ポリ容器
やポリ塩化ビニルなどの有機廃棄物の処理が大きな問題
となっている。現在有機廃棄物は焼却処理されている
が、ダイオキシンなどの有毒物質を発生するなど、問題
が多い。そこで、従来の方法に比べて安全かつ短時間に
有機廃棄物を分解することのできる方法として、水の臨
界点(温度374℃、圧力22.1MPa)を超える高
温高圧下の水(超臨界水)を用いる方法が注目されてい
る。
【0003】超臨界水を用いて有機物を処理する方法と
しては有機物を酸化剤の存在下で分解し無害化する方法
が知られている(「臨界超過水中における有機物酸化
法」、特願昭56−68414、登録番号155186
2)。超臨界水は、液体と気体の中間の性質をもち有機
物や酸素と任意に混合するため、短時間で有機物を酸化
分解する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機廃
棄物に含まれる無機物の溶解度が著しく小さいため、無
機物が反応容器表面に析出して、これが反応容器を閉塞
してしまうなどの問題がある。特に溶解度が著しく小さ
い酸化物を生成すると、こうしたトラブルの原因とな
る。
【0005】そこで本発明は、無機物を析出させること
なく、有機廃棄物を超臨界水などの高温高圧水で分解す
る方法および装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、有機
物を含む廃棄物を媒体液の臨界点を超える高温高圧下で
一定時間保持して分解する有機廃棄物処理方法におい
て、前記媒体液の水素イオン濃度を媒体液1kgに対し
て10-4モル以上にしてなることを特徴とする有機廃棄
物処理方法である。
【0007】本発明によれば媒体液の水素イオン濃度を
媒体液1kgに対し10-4モル以上にしているため、臨
界点を超える高温高圧下であっても無機物を析出させる
ことなく、有機物を超臨界流体中で分解することができ
る。
【0008】請求項2の発明は、有機廃棄物を媒体液の
臨界点を超える高温高圧下で一定時間保持して分解する
反応器と、前記反応器に有機廃棄物を投入する有機廃棄
物供給ラインと、前記反応器内に媒体液を供給する媒体
液供給ラインと、前記反応器で分解により生成した気体
または液体を受け入れる受け入れラインとを有する装置
において、前記反応器内の水素イオン濃度を媒体液1k
gに対し10-4モル以上にされてなることを特徴とする
有機廃棄物処理装置である。
【0009】請求項3の発明は、水素イオン濃度を調整
するための前記無機酸を供給する酸供給ラインを有する
ことを特徴とする特許請求項2記載の有機廃棄物処理装
置である。
【0010】請求項4の発明は、酸化剤を供給する酸化
剤供給ラインを有し、廃棄物の種類および前記酸化剤の
添加量に応じて水素イオン濃度を調整する手段を有する
ことを特徴とする請求項2記載の有機廃棄物処理装置で
ある。
【0011】請求項5の発明は、前記の有機廃棄物供給
ライン、媒体液供給ライン、酸供給ライン、および酸化
剤供給ラインには、それぞれ有機廃棄物、媒体液、酸、
および酸化剤を加圧ならびに加熱して前記反応器に供給
するための加圧器ならびに予熱器を具備し、さらに前記
反応器内で分解により生成した気体または液体を受け入
れる受け入れラインには、分解により生成した気体また
は液体を減圧するための減圧器ならびに冷却するための
冷却器を具備したことを特徴とする請求項2記載の有機
廃棄物処理装置である。
【0012】請求項6の発明は、前記反応器内の温度お
よび圧力を計測して有機廃棄物の分解状態を表示する手
段を具備してなることを特徴とする請求項2記載の有機
廃棄物処理装置である。
【0013】請求項7の発明は、前記反応器内での水素
イオン濃度を計測するための水素イオン濃度計を有する
ことを特徴とする請求項2記載の有機廃棄物処理装置で
ある。 請求項8の発明は、前記反応器に有機廃棄物を
供給する有機廃棄物供給ラインの少なくとも一部をグロ
ーブボックスまたはフード内に設置することを特徴とす
る請求項2記載の有機廃棄物処理装置である。
【0014】請求項9の発明は、前記グローブボックス
またはフードは防爆性を有することを特徴とする請求項
8記載の有機廃棄物処理装置である。
【0015】請求項10の発明は、前記反応器内の反応
に媒体液の臨界点を超える高温高圧下の反応のほかに、
200℃以上臨界点以下の温度での反応を一部含めるこ
とを特徴とする請求項1記載の有機廃棄物処理方法であ
る。
【0016】請求項11の発明は、前記有機廃棄物が酸
化物、硝酸塩、硫酸塩、塩化物および燐酸塩の無機物を
含むこと特徴とする請求項1記載の廃棄物処理方法であ
る。請求項12の発明は、前記媒体液に水、二酸化炭
素、炭化水素、またはこれらの混合物を用いることを特
徴とする請求項1記載の有機廃棄物処理方法である。請
求項13の発明は、前記反応器に供給する媒体液に中性
塩を添加する中性塩添加ラインを有することを特徴とす
る請求項2記載の有機廃棄物処理装置である。 請求項
14の発明は、前記反応器に供給する酸として、硫酸お
よび塩酸の少なくとも一方を用いることを特徴とする請
求項3記載の有機廃棄物処理装置である。 請求項15
の発明は、前記反応器に供給する酸化剤として、酸素、
空気、過酸化水素ならびにオゾンのうち少なくとも1種
を用いることを特徴とする請求項4記載の有機廃棄物処
理装置である。
【0017】請求項16の発明は、前記反応器に紫外線
または放射線を照射する機構を有することを特徴とする
請求項2記載の有機廃棄物処理装置である。
【0018】請求項17の発明は、分解により生成した
気体または液体を受け入れる前記受け入れラインには気
液分離器、気体処理ライン、および液体処理ラインを有
することを特徴とする請求項2記載の有機廃棄物処理装
置である。
【0019】請求項18の発明は、前記気体処理ライン
には気体中の固形分や有害成分を除去するフィルタおよ
び水中の有害成分を回収するスクラバーを有することを
特徴とする請求項17記載の有機廃棄物処理装置であ
る。
【0020】請求項19の発明は、前記スクラバーに使
用される溶液として、水、水酸化ナトリウムを含むアル
カリ溶液、および還元剤を含む水のうち少なくとも1種
を用いることを特徴とする請求項18記載の有機廃棄物
処理装置である。
【0021】請求項20の発明は、前記液体処理ライン
は、液体を分析採取するサンプリング機構を具備してな
ることを特徴とする請求項17記載の有機廃棄物処理装
置である。
【0022】請求項21の発明は、前記液体処理ライン
は液体を攪拌するための攪拌器を有することを特徴とす
る請求項17記載の有機廃棄物処理装置である。
【0023】請求項22の発明は、前記液体処理ライン
は液体に含まれる酸を中和処理する機構を有することを
特徴とする請求項17記載の有機廃棄物処理装置であ
る。
【0024】請求項23の発明は、前記液体処理ライン
は液体に溶解している無機イオンおよび金属イオンを凝
集沈澱処理する機構を有することを特徴とする請求項1
7記載の有機廃棄物処理装置である。
【0025】請求項24の発明は、前記液体処理ライン
は液体を冷却するための冷却器を有することを特徴とす
る請求項17記載の有機廃棄物処理装置である。
【0026】請求項25の発明は、前記液体処理ライン
には液体中の固形成分を分離する分離器を有することを
特徴とする請求項17記載の有機廃棄物処理装置であ
る。
【0027】請求項26の発明は、前記液体処理ライン
にはイオン交換塔を設置し、反応後の溶液中に含まれる
イオン成分を除去することを特徴とする特許請求項17
記載の有機廃棄物処理装置である。
【0028】請求項27の発明は、前記液体処理ライン
には、気液分離後の溶液を抽出剤と接触させ、水中の無
機イオンを分離回収する分離回収器を有することを特徴
とする特許請求項17記載の有機廃棄物処理装置であ
る。
【0029】本発明に用いる抽出剤としては、例えばリ
ン酸トリブチルを用いることができる。
【0030】請求項28の発明は、前記抽出剤として中
性有機リン化合物または酸性有機リン化合物の少なくと
もいずれか一方を用いることを特徴とする特許請求項2
7記載の有機廃棄物処理装置である。
【0031】本発明に用いる中性抽出剤としては、例え
ば上記リン酸トリブチルを用いることができ、また酸性
抽出剤として、例えばジヘキシルリン酸を用いることが
できる。
【0032】請求項29の発明は、前記抽出剤と接触さ
せる場合に、希釈剤として二酸化炭素を用いることを特
徴とする特許請求項27記載の有機廃棄物処理装置であ
る。請求項30の発明は、前記液体処理ラインには、液
体やスラッジを固化剤で固化する固化器を有することを
特徴とする請求項17記載の有機廃棄物処理装置であ
る。
【0033】本発明に用いる固化剤として、例えばセメ
ントを用いることができる。
【0034】請求項31の発明は、前記固化器は固化剤
と固相の混練物を処分容器内で固化することを特徴とす
る請求項30記載の有機廃棄物処理装置である。
【0035】本発明に用いる処分容器として、例えばド
ラム缶を用いることができる。
【0036】次に本発明の作用を述べる。
【0037】本発明においては、有機廃棄物を媒体液の
臨界点を超える高温高圧下で一定時間保持して分解する
反応器と、前記反応器に有機廃棄物を投入する有機廃棄
物供給ラインと、前記反応器内に媒体液を供給する媒体
液供給ラインと、前記反応器で分解により生成した気体
または液体を受け入れる受け入れラインとを有する装置
において、水素イオンを媒体液1kgに対し10-4モル
以上にしているため、無機物を析出させることなく有機
物を超臨界流体中で分解することが可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を実施
例に基づき具体的に説明する。なお、以下の各実施例の
番号は各請求項の番号に対応させている。
【0039】(実施例1−2)図1に本発明のプロセス
図を示す。図2は従来例のプロセス図である。従来例は
反応器1に有機廃棄物供給ライン2から硝酸塩を含む有
機廃棄物3を、媒体液供給ライン4から媒体液として水
5を添加し、水の臨界点を超える高温高圧下で反応させ
た後、分解により生成した気体または液体を受け入れる
受け入れライン6から有機物の加水分解生成物からなる
分解ガス7、分解液8および無機物(酸化物など)9を
受け入れる方法である。
【0040】これに対し、本発明では媒体液供給ライン
2に水1kgに対し水素イオンが、10-4モル以上とな
るよう酸10を添加し、これを反応器1に供給すること
により分解により生成した気体または液体を受け入れる
受け入れライン6から有機物の加水分解生成物からなる
分解ガス7、分解液8および無機物(イオン)11を受
け入れる方法である。
【0041】Smith らは硝酸廃液中の金属元素が高温高
圧下で(1)式に示すように加水分解し、その後(2)式に
示すように熱分解し最終的に酸化物になると報告してい
る。
【0042】 M(NO3 n +nH2 O → M(OH)n +nHNO3 …(1) M(OH)n → MOm …(2) この加水分解を防ぐには酸を添加して(1) 式の平衡を左
に動かす必要がある。水中の水素イオン濃度は水のイオ
ン積と密接な関係がある。図3に温度および圧力を変化
させた場合の水のイオン積の変化を示す。例えば25M
Paでは、水のイオン積は300℃付近で最も大きく1
-11 (mol/kg)2 となる。そのため酸などが共
存しない場合の超臨界水中の水素イオン濃度は3.3×
10-8mol/kgとなる。また、374℃以上の超臨
界水の条件では水のイオン積は10-11 (mol/k
g)2 より小さくなり特に600℃では10-24 (mo
l/kg)2 となる。そのため600℃での水素イオン
濃度は、10-12 mol/kgと300℃に比べて極端
に小さくなる。従来、超臨界水を用いて有機物を分解す
る場合、高温でかつ比較的低圧な条件、例えば600
℃、25MPaなどを用いることが多かった。そのた
め、従来法では無機物を含む有機物に水のみ添加して高
温で反応させると、反応器中の水素イオン濃度が極端に
小さくなり、(1)式の平衡を右に動かして無機物が酸化
物として析出した。
【0043】超臨界水中のイオン濃度を増加させるため
にはイオン積を増加させる必要がある。例えば図3に示
すように、イオン積は圧力の上昇に伴って増加する傾向
がある。しかし、実用上使用できる圧力は50MPa以
下であると考えられる。例えば350℃、50MPaで
の条件ではイオン積は10-12 (mol/kg)2 とな
り、常温常圧のイオン積10-14 (mol/kg)2
比べて100倍大きい値となるが、水素イオン濃度は1
-6mol/kg程度である。温度と圧力を選んでも超
臨界水中の水素イオン濃度を極端に増加させることがで
きないため、超臨界水中に酸を添加することによって、
無機物が析出しない条件を検討することにした。
【0044】硝酸セリウム(セリウムとして1mg)に
水を添加し、400℃、25MPaで30分反応させた
結果を表1に示す。従来例では水のみ添加しているのに
対し、本発明では水1kgに対し、5×10-5モルの硫
酸、即ち水素イオン濃度にして10-4mol/kgを添
加した。また、比較のために硫酸を水1kgに対し、5
×10-6モル、即ち水素イオン濃度にして10-5mol
/kgを添加した結果を併せて記す。従来例でセリウム
は100%が酸かセリウムとして沈殿したのに対し、本
発明では沈殿率は0%となり、セリウムの全量が液中に
残存した。また、5×10-6モル添加した場合は70%
のセリウムが沈殿したことから、水素イオン濃度として
10-4mol/kgとなるように酸を添加するとセリウ
ムが沈殿しないことがわかった。
【0045】以上のように、本発明では装置内の無機酸
の量を、水素イオン換算で媒体液1kgに対し、10-4
モル以上にすることにより無機物の析出を防ぐことが可
能となる。
【0046】
【表1】 本発明では、従来法で問題となっている無機物の析出を
防ぐため、反応容器の閉塞といったトラブルを回避で
き、装置のランニングコスト、メンテナンスコストを低
減できる。また、無機物が放射性物質である場合は、作
業員の被ばく低減についての効果も期待できる。
【0047】(実施例3)実施例1,2の装置に酸供給
ラインを設置し水素イオン濃度を調整すると多種多様な
有機廃棄物を分解できる。
【0048】例えばポリエチレンやポリ塩化ビニルとい
ったポリ容器を水の存在下で温度374℃以上、圧力2
2.1MPa以上の高温高圧下で反応させると、ポリエ
チレンは加水分解してアルコールや有機酸などを生成す
るが、ボリ塩化ビニルはアルコールや有機酸の他に塩酸
を生成する。ポリ塩化ビニル中の塩素量は56wt%)
となるため、水1kgに対し0.012gのポリ塩化ビ
ニルを添加すれば反応容器中の水素イオン濃度は10-4
モル/kgとなる。そのため、ポリ塩化ビニルを水1k
gに対し0.lg以上添加する場合には酸の添加は不要
である。しかし、ポリエチレンは酸を生成しないため、
水1kg当たり水素イオン濃度が10-4モルとなるよう
に酸を添加する必要がある。
【0049】以上のことより、廃棄物の種類により酸の
添加量を変化させることにより、添加する酸の量を大幅
に減少することが可能となる。
【0050】(実施例4)実施例1,2の装置に、酸化
剤供給ラインを設置し酸素を添加すると無機物を析出さ
せることなく有機物を酸化分解することができる。
【0051】無機物は酸素が存在すると酸化されて酸化
物となる。図4に硝酸セリウム(セリウムとしてlm
g)に水、硫酸および酸化剤を添加し、400℃、30
MPaで30分反応させた結果を示す。硫酸は水1kg
に対し、5×10-3モル添加した。セリウムは酸化剤添
加量の増加に伴って沈殿し、特に酸化剤を化学量論量
(セリウムが二酸化セリウムになると仮定)の600倍
(過酸化水素をを0.3g)添加すると97%のセリウ
ムが沈殿した。そのため、酸化剤が存在する場合では酸
化剤添加量の増加に伴って、酸の添加量を増加させる必
要がある。
【0052】表2に硝酸セリウム(セリウムとしてlm
g)に酸化剤を化学量論量の4倍添加し、400℃、3
0MPaで30分反応させた結果を示す。水に対して硫
酸を5×10-2グラム式量添加するとセリウムの沈殿率
は0%になったことから、酸化剤の存在下では水1kg
に対して硫酸を5×10-2グラム式量(水素イオン濃度
にして、10-1モル/kg)添加する必要がある。
【0053】
【表2】 以上により、酸化剤が存在する場合は、媒体液1kgに
水素イオン濃度にして10-1モルの酸を添加すると無機物
を析出させることなく有機物を分解できる。
【0054】(実施例5)実施例1,2において、反応
容器に有機廃棄物供給ライン、媒体液供給ライン、酸供
給ライン、酸化剤供給ラインから有機物、媒体液、酸お
よび酸化剤を供給する場合は、加熱器、予熱器および加
圧器を用いると、有機物、媒体液、酸および酸化剤を反
応容器に連続的に供給しかつ反応温度および反応圧力を
低下させることなく連続処理が可能となる。
【0055】また、分解により生成した気体または液体
を受け入れる受け入れラインに減圧器、冷却器を設置す
ると分解後の気体や液体を連続的に反応容器から抜き出
すことが可能となる。
【0056】反応容器に連続的に有機物などを注入し、
分解後の気体や液体を連続的に抜き出すためバッチ処理
に比べて処理速度が速くランニングコストを大幅に低減
することが可能となる。
【0057】(実施例6)実施例1,2において、有機
廃棄物の分解反応は超臨界状態の媒体液の中で行うが、
反応器内が超臨界状態であるかどうかは反応器内の温度
および圧力を監視することにより把握することができ
る。
【0058】図5に水の状態図を示す。水の状態は温度
と圧力によって決まるため、反応器内が超臨界状態であ
るかどうかは反応器内の温度および圧力を監視すること
により把握することができる。
【0059】(実施例7)実施例3において反応器内の
水素イオン濃度をpH計を用いてリアルタイムで測定す
ると、多種多様な有機物廃棄物が混合した有機物を分解
できる。
【0060】例えばポリエチレンやボリ塩化ビニルとい
つたポリ容器を水の存在下で温度374℃以上、圧力2
2.1MPa以上の高温高圧下で反応させると、ポリエ
チレンは加水分解してアルコールや有機酸などを生成す
るが、ポリ塩化ビニルはアルコールや有機酸の他に塩酸
を生成する。そのため、酸を生成しないポリエチレンと
酸を生成するポリ塩化ビニルが混合した廃棄物を分解す
る場合、混合比を調べ有機物より生成する酸の量を把握
する必要がある。しかし、反応器内の水素イオン濃度を
pH計により測定し添加する酸の量を制御することによ
り、多種多様の有機物が混合した廃棄物を処理できる。
【0061】(実施例8)前記反応器および反応器に有
機廃棄物を添加する有機廃棄物供給ラインの少なくとも
一部をグローブボックスまたはフード内に設置すると、
汚染の拡大を防止することができる。
【0062】放射性物質や有害物質で汚染されている有
機廃棄物を処理する場合は、放射性物質や有害物質が外
部に漏れ出さないような処置を講じる必要がある。実施
例1,2において本装置は大部分を閉鎖した系の中で処
理するが、有機廃棄物供給ラインの一部は有機廃棄物を
受け入れるため開放系となる。そのため、放射性物質や
有害物質で汚染されている有機廃棄物を処理する場合
は、開放系となる有機廃棄物供給ラインをフードまたは
グローブボックス内に設置する必要がある。
【0063】処理装置の一部をフードまたはグローブボ
ックス内に設置するため、装置全体をフードまたはグロ
ーブボックス内に設置する場合に比べて、設備規模をコ
ンパクトにすることができる。
【0064】(実施例9)実施例8において、前記グロ
ーブボックスまたはフードを防爆仕様にすることで、廃
棄物が消防法上の危険物であっても処理が可能となる。
【0065】有機廃棄物の分解により、消防法上の危険
物に分類される揮発性の有機物が生成する可能性があ
る。あるいは、有機廃棄物に消防法上の危険物に分類さ
れる揮発性の有機物が付着している可能性がある。この
ような場合であっても、前記グローブボックスまたはフ
ードを防爆仕様にすることで、廃棄物が消防法上の危険
物であっても処理が可能となる。
【0066】(実施例10)実施例1,2において有機
廃棄物を媒体液の臨界点を超える高温高圧下で反応させ
る場合、その反応の一部を臨界点以下の温度圧力条件で
行うと有機廃棄物を効果的に分解できる。
【0067】例えば、媒体として水を用いる場合、亜臨
界水の条件(温度374℃以下、圧力22.1MPa以
下)では水のイオン積は常温常圧に比べて大きくなる。
イオン積が大きいと加水分解反応が顕著に起きるため、
有機廃棄物を効果的に加水分解できる。圧力25MPa
を例にとると、特に200〜374℃で水のイオン積は
10-2(mol/kg)2 以上と常温常圧に比べて10
0倍となる(図3参照)。水のイオン積は圧力の増加に
伴って増加する傾向があるため、25MPa以上の圧力
においても水のイオン積は常温常圧の値に比べて100
倍以上となる。
【0068】以上のことより、有機廃棄物を媒体液の臨
界点を超える高温高圧下で反応させる場合、その反応の
一部を臨界点以下の温度圧カ条件で行うと有機廃棄物を
効果的に分解できる。
【0069】(実施例11)実施例1,2において有機
物廃棄物に含まれる無機塩は硝酸塩の他に硫酸塩、塩化
物、リン酸塩や酸化物が含まれていても無機物を析出さ
せることなく有機物を分解できる。
【0070】表3にセリウムの塩および酸化物(セリウ
ムとして1mg)に酸化剤を化学量論量の4倍添加し、
水に対して硫酸を5×10-2グラム式量添加し、400
℃、30MPaで30分反応させた結果を示す。硝酸
塩、硫酸塩、塩化物およびリン酸塩は水中に存在するセ
リウムの量が100%となり、セリウムの沈殿率は0%
となった。また、もともど固体で存在した酸化物の50
%が液中に溶解した。そのため、酸化物でも少量であれ
ば液中に回収できることがわかった。
【0071】
【表3】 例えば、プルトニウムの酸化物を含む有機物を処理する
場合は、液中にプルトニウムをイオンとして回収できる
ため、プルトニウムで汚染された有機廃棄物(例えばH
EPAフィルタ−など)を非α廃棄物とすることができ
処分コストを低減することができる。
【0072】(実施例12)実施例1,2において、超
臨界状態となる媒体液には、水、二酸化炭素、炭化水
素、またはこれらの混合物がいずれも適用できる。
【0073】一般に超臨界状態の媒体液中では、常温常
圧においては気体や液体の物質も、任意の割合に均一に
混合することができる。また、超臨界状態の媒体液中で
は、液体溶媒を用いた場合と比較して、高い物質移動速
度が期待できる。よって、本発明において、超臨界状態
の媒体液は上述のような特性を持つ水、二酸化炭素、炭
化水素を、処理対象に合わせて使うことができる。
【0074】また、これらの溶媒を混合することによ
り、媒休の臨界点を変えることができる。図6に、水と
炭化水素類との臨界曲線の例を示す。図6の曲線は、水
と炭化水素類の混合物の臨界点を示し、2成分を特定の
割合で混合することにより、臨界点が変化する。水の臨
界点は、374℃、22MPaであるが、図6におい
て、例えば水−べンゼン系では、2成分を特定の割合で
混合することにより、臨界点を300℃以下にまで下げ
るこどができる。よって、本発明において、水、二酸化
炭素、炭化水素の混合物を媒体液として用いることによ
り、超臨界状態を維持しつつ、より低温、低圧のマイル
ドな条件で処理することが可能となる。
【0075】(実施例13)実施例1,2において媒体
液である水に中性塩(塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、
硫酸カリウム)を添加すると、難溶性の塩の溶解度が増
加して、沈殿を抑制することができる。
【0076】一般的に難溶性の塩Mn m の溶解度槓K
sは活量を用いて(3)式のように表わされる。
【0077】 Mm++Ln-→Mn m ,KS=a1 m ・a2 n …(3) al :Mm+の活量 a2 :Ln-の活量 活量aは活量係数γと濃度Cを用いて(4)式のように表
される。
【0078】 a=γ・C …(4) 温度と圧力が一定の場合、活量aが一定となり、Ksは
一定の値を持つ。希薄溶液ではγ=1となり活量aと濃
度Cは一致する。しかし、イオン強度が増加するとγ<
1となりその結果濃度Cが増加し、溶液中に溶解するM
m+とLn-が増加して溶解度が増加する傾向がある。その
ため、中性塩(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カ
ルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム)を添加すると難溶性の塩の溶解度が増加して沈
殿率が減少する。
【0079】(実施例14)実施例1,2において酸供
給ラインに供給する酸として硫酸、塩酸を添加すると無
機物を析出させることなく有機物を処理できる。硝酸セ
リウム(セリウムとしてlmg)に酸化剤を化学量論量
の4倍添加し、水1kgに対しに対して硫酸、塩酸、硝
酸を5×10-2グラム式量添加し、400℃、30MP
aで30分反応させた結果を表4に示す。硫酸、塩酸で
はセリウムの沈殿は見られなかったが、硝酸を添加する
と100℃のセリウムが沈殿した。硝酸は高温では熱分
解するため水素イオン濃度が水1kgに対し10-4グラ
ムイオン以下となり沈殿したものと考えられる。以上の
ことより、酸としては硫酸、塩酸であれば、無機物を析
出させることなく有機物を分解できる。
【0080】
【表4】 (実施例15)実施例3において酸化剤供給ラインから
供給する酸化剤としては酸素の代わりに過酸化水素を添
加すると、効率よく有機物を分解できる。
【0081】有機物は一般的にラジカルと反応して分解
する。特に有機物に対して活性なラジカルはヒドロキシ
ラジカル(・OH:以下OHラジカル)である。OHラ
ジカルは25℃の酸性溶液中では(5)式のような酸化還
元電位をもちオゾンよりも強力な酸化剤である。
【0082】 OH・+H+ +e- →H2 O 2.85V.vs. NHE …(5) そのため、有機物を効果的に分解するにはOHラジカル
の生成が大きな鍵となる。
【0083】超臨界水中で水と酸素は反応し、(6)式に
示すようなOHラジカルとヒドロペルオキシラジカル
(・OOH)を生成する。
【0084】 H2 O十O2 →HO2 ・十OH・ …(6) Baulchらは500℃における(6)式の反応速度定数を1
-10.5 mol/s と大変遅いと報告している。(酸素0.
00631mol 水6.31mol )さらに、ヒドロペルオ
キシラジカルは(7)式のように反応して過酸化水素と酸
素を生成しさらに(8)式のように分解してOHラジカル
を生成する。
【0085】 HO2 ・+HO2 ・→H2 2 十O2 …(7) H2 2 →2OH・ …(8) 一般的にラジカル同士の反応は速く、過酸化水素の分解
反応は100℃以上の温度で容易におこるため、(7)、
(8)式の反応速度は速いと考えられる。
【0086】以上のことより超臨界水中で酸素を用いて
有機物を分解する場合、(6)式の反応が律速になるた
め、直接過酸化水素を添加してOHラジカルを生成させ
ると効果的に有機物の分解反応を起こすことができる。
【0087】(実施例16)実施例4および15におい
て、紫外線および放射線を照射するとさらに効率良く有
機廃棄物を分解することができる。
【0088】水に放射線を照射すると(9)式に示すよう
にOHラジカルを生成する。
【0089】 H2 O→H十OH・ …(9) OHラジカルは(5)式に示すように強力な酸化剤となる
ため、酸化剤が存在しなくても有機物を分解することが
できる。
【0090】また、酸化剤の存在下で紫外線および放射
線を照射すればこの反応をさらに加速させることができ
る。例えば、酸素は放射線を照射するとラジカルを生成
し最終的に過酸化水素を生成する。過酸化水素は放射線
の存在下で(10) 式のように反応してOHラジカルを生
成し、有機物を分解することができる。
【0091】 H2 2 +hν→2OH・ …(10) オゾンは(11) 式に示すように紫外線と反応して過酸化
水素を生成する。さらに過酸化水索は紫外線と(10) 式
のように反応してOHラジカルを生成する。
【0092】 O3 +H2 O+hν→H2 2 十O2 …(11) さらに(12) 式に示すように(9)式で生成した水素原子
は酸素と反応してヒドロペルオキシラジカルを生成しさ
らに(13) 式のようにオゾンと反応してOHラジカルを
生成する。
【0093】 H十O2 →HO2 ・ …(12) O3 +HO2 ・→OH・+2O2 …(13) 例えば、放射性物質を含んだ有機廃棄物を処理する場
合、放射線を外部から照射することなしに容易に放射線
場を作ることができ、有機物を分解できる。
【0094】以上のことより紫外線および放射線を照射
することによりOHラジカルを効率的に生成することが
でき有機物の分解がより効率的に行える。
【0095】(実施例17)実施例1,2において分解
により生成した気体または液体を受け入れる受け入れラ
インに気液分離器、気体処理ライン、液体処理ラインを
設置すると、分解により生成した気体または液体を安全
に処理することができる。
【0096】実施例4に示すように有機物に酸素を添加
して分解すると炭素は二酸化炭素に、水素は水となる。
超臨界水の条件では、媒体液である水と分解により生成
した二酸化炭素は任意に混合し分離が難しい。しかし、
実施例4に示すように分解により生成した気体または液
体を減圧器で減圧し、冷却器で温度を下げ常温常圧にす
ると、水と二酸化炭素の大部分を分離することができ
る。
【0097】二酸化炭素は(14) 式に示すように水に溶
けて炭酸となり、さらに水中で炭酸は(15) 、(16) 式
に示すようなイオンに解離する。
【0098】 CO2 + 2 O→H2 CO3 …(14) H2 CO3 →H+ +HCO3 - …(15) HCO3 - → H+ +CO3 2- …(16) (14)、(15)、(16)の平衡を左に動かし二酸化炭素と水を
分離するには、液中の水素イオン濃度を増加させる必要
がある。(15)(式の酸解離定数は20℃で10-3.6(mo
l/l )と報告されている。水素イオン濃度を変化させた
場合の[HCO3 - ]/[H2 CO3 ]比を表5に示
す。 H2 CO3 は気相中の二酸化炭素と平衡にあるた
め、液中に溶解するHCO3 - 割合がH2 CO3 に比べ
て多いと、水と二酸化炭素の分離が困難になる。従来法
では液中の水素イオン濃度が10-7/kg程度であった
ため液中のH2 CO3 の割合が少なく二酸化炭素を分離
するためには、多量の空気と接触させる必要があった。
そのため、気液分離器としては比較的大きな物が必要で
あった。しかし、本発明では水素イオン濃度を10-4
ラムイオン/kg以上にしているため従来例に比べてコ
ンパクトな気液分離器を用いることが可能になり設備コ
ストを低減することができる。また、空気を添加する必
要がないため気体処理ラインの処理量を減少させること
ができ設備コストやランニングコストの低減がはかれ
る。
【0099】
【表5】 (実施例18)実施例17に示す気体処理ラインには気
体中の固形分や有害成分を除去するフィルタや水中に有
害成分を回収するスクラバーを有すると飛沫同伴により
気相中に移行する固体や揮発性の有害な元素を除去する
ことができる。
【0100】例えば、再処理工場から発生する放射性物
質で汚染されている有機廃棄物を処理すると、テクネチ
ウムやルテニウムといった揮発性の元素が気相中に移行
する。 ルテニウムは四酸化ルテニウムとして気相中に
移行するが、有機物が存在すると還元されて二酸化ルテ
ニウムとなる。二酸化ルテニウムは常温では固体である
ため、回体成分を除去するフィルターで除去できる。
【0101】また、テクネチウムは七酸化二テクネチウ
ムや過テクネチウム酸となって気相中に移行するが、
(17) 、(18)式に示すように水と接触すると水中にイオ
ンの形態で溶解する。
【0102】 Tc2 7 (g)+H2 O→2HTcO4 (g) …(17) HTcO4 (g)→TcO4 - +H+ …(18) そのため、スクラバーを設置すると液中にテクネチウム
を回収することが可能である。
【0103】以上のことより、気体処理ラインには気体
中の回形分や有害成分を除去するフィルタやスクラバー
を有すると飛沫同伴により気相中に移行する固体や揮発
性の有害な元素を除去することができ、放射性物質で汚
染されている元素を安全に処理できる。
【0104】(実施例19)実施例18に示すスクラバ
−には水の他に水酸化ナトリウムを含むアルカリ溶液や
還元剤を含む水を用いると、テクネチウムなどの元素を
より効率的に回収することが可能である。
【0105】テクネチウムは水と接触すると、(17) 、
(18) 式に示すように陰イオンの形態で溶解する。この
陰イオンは、ナトリウムイオンと反応して塩を作るた
め、テクネチウムを塩の形で溶液中に回収できる。
【0106】 HTcO4 +NaOH→NaTcO4 +H2 O …(19) また、テクネチウムは還元剤が存在すると還元されて過
テクネチウム酸(VII価)から二酸化テクネチウム(IV
価)になる。常温常圧の水への二酸化テクネチウムの溶
解度は小さいため、テクネテウムは水中に国体の形で回
収される。
【0107】以上のことよりスクラバーには水の他に水
酸化ナトリウムを含むアルカリ溶液や還元剤を含む水を
用いると、テクネチウムなどの元素をより効率的に回収
することが可能である。
【0108】(実施例20)実施例17において、液体
処理ラインに液体を採取分析するサンプリング機構を備
える。サンブリング機構がない場合、液体処理ライン内
の液体を固化処理して生成される固化体の内容物が不明
であるため管理上なんらかの手段で内容物を測定する必
要があるが、固化体の内容物の測定は、代表サンプルの
採取が困難であるため、精度が悪く、廃棄物管理上、問
題である。一方、液体処理ラインに液体を採取分折する
サンプリング機構を備えれば、液体の組成がわかるた
め、固化器において、貯蔵、処分に最適な固化手段が選
定できる上、固化処理後の固化体の内容物が明らかとな
るので、貯蔵、処分時の管理が容易になる。
【0109】(実施例21)実施例17において、液体
処理ラインに液体を攪拌するための攪拌機を備える。こ
れにより、液相が均一化するため、ごく一部をサンプリ
ングすることにより液相の組成がわかる。また、懸濁固
形物が含まれる場合にも、攪拌により均一化が可能であ
る。均一化することにより、固化器において固化処理し
やすくなる上、固化処理後の固化体の内容物が明らかと
なるので、貯蔵、処分時の管理が容易になる。
【0110】(実施例22)実施例17において、液体
処理ラインで液体中に含まれる酸、アルカリを中和処理
する。これにより液体中に含まれる放射性物質などの有
害物質が安定化し、固化器において固化処理しやすくな
る。例えば、テクネチウムが含まれる放射性固体廃棄物
を処理する場合、テクネチウムは七酸化二テクネチウム
となって、気相中に移行する。
【0111】しかし、反応終了後、液体処理ラインで水
酸化ナトリウムのようなアルカリを加えると、(19) 式
に示すようにテクネチウムを液相中に安定化することが
できる。
【0112】また、反応終了後、液体処理ラインに受け
入れる廃液にアンモニア類が含めれている場合、アルカ
リ性の条件下ではアンモニア類は気相中に移行する。こ
の場合には、液体処理ラインで硫酸のような酸を加え
て、廃液を中性にすることにより、アンモニア類を液相
中に安定化することができる。
【0113】(実施例23)実施例17において、液体
処理ラインで液相に溶解している金属などの無機イオン
を凝集沈殿処理する。放射性廃棄物に含まれるセシウ
ム、ストロンチウムは、ゼオライト、フェロシアン化コ
バルト、チタン酸などの吸着剤を用いれば、除去でき
る。また、超ウラン元素は鉄の水酸化物やランタンのリ
ン酸塩などと共沈して除去することができる。これによ
り液相に含まれる放射性物質などの有害物質が沈殿物と
して安定化し、固化器において固化処理しやすくなる。
【0114】(実施例24)実施例17において、液体
処理ラインに液相を冷却する冷却器を備える。放射性廃
棄物を処理する場合、液体処理ライン内の放射性物質か
らの発熱があるため、冷却なしでは、液が沸騰し、放射
性物質の汚染が拡大する恐れがあるが、冷却器を備える
ことにより、液相中に安定に保持することが可能となる
(実施例25)実施例17において、液体処理ラインに
液体中の固形成分を分離する分離器を備える。実施例2
3で生成した放射性物質を含む凝集沈殿物を分離器によ
り分離すると、凝集沈殿物のみ固化器により固化するこ
とができ、固化体の個数を大幅に減じることができる。
【0115】(実施例26)実施例17に示す液体処理
ラインにイオン交換塔を設置すると、反応後の溶液中に
含まれる有害なイオン成分を除去できる。
【0116】例えば再処理工場から発生する放射性物質
で汚染されている有機廃棄物を処理すると、テクネチウ
ムやルテニウムといった揮発性の元素が気相中に移行す
る。しかし、テクネチウムやルテニウムの一部は液相中
に残存する。
【0117】例えば、テクネチウムは過テクネチウム酸
として存在し、ルテニウムは塩化物イオンや硝酸イオン
と錯体を形成して溶液中に存在する。過テクネチウム酸
は陰イオンであるため、陰イオン交換樹脂脂により除去
できる。ルテニウムは陽イオンとして存在するため、陽
イオン交換樹脂により除去できる。
【0118】以上のことより反応後の溶液中に含まれる
有害なイオン成分を除去できるためめ、処理した溶液を
系外に放出でき、処分コストを低減できる。
【0119】(実施例27)実施例17に示す液体処理
ラインには、反応後の溶液をリン酸トリブチル(以下T
BP)などの抽出剤と接触させると、水中の有害な無機
イオンをTBPに回収することができる。
【0120】例えば、再処理工場から発生する放射性有
機廃棄物中にはウラン、プルトニウムなどの核燃料物質
が含まれている。これらの元素を含んだ有機廃棄物をそ
のまま固化すると廃棄物がα廃棄物となり固化体の処分
コストが増加する。そのため廃棄物中からこれらの元素
を除去する必要がある。
【0121】図7に30vol %のTBP−硝酸系のアク
チノイド元素の分配係数を示す。硝酸濃度3グラム式量
/リットルではウラン、プルトニウム、ネプツニウムの
分配係数は10以上、トリウムの分配係数は3以上とな
った。そのため、液体処理ラインに受け入れられる溶液
の酸濃度3グラム式量/リットルに調整しTBPと接触
させると、TBP中にプルトニウムなどのアクチノイド
元素を回収できる。さらに、プルトニウムなどのアクチ
ノイド元素を含んだTBPに希酸を接触させると希酸中
にプルトニウムなどのアクチノイド元素を回収できる。
【0122】(実施例28)実施例27に示すTBPな
ど中性有機リン化合物を抽出剤として用いる場合のほか
に、ジヘキシルリン酸(HDEHP)などの酸性有機リ
ン化合物を抽出剤として用いると、液体処理ラインに受
け入れられる溶液に添加する酸の量を減じることができ
る。
【0123】図8にHDEHPを用いたアクチノイド元
素の分配係数を示す。硝酸濃度が10-1グラム式量/リ
ットル以下でもプルトニウム、ウラン、アメリシウムの
分配係数が100以上となり、HDEHP中に回収でき
る。また、HDEHPにヒドラジンなどの還元剤を含ん
だ1グラム式量/リットル程度の酸を接触させると、プ
ルトニウムやウランのVI価が還元されて III価となり酸
中に回収される。
【0124】酸濃度を10-1グラム式量/リットル程度
とすることによりアクチノイド元素が回収できるため、
分離回収器に添加する酸の量を減じることができランニ
ングコストを低減することができる。
【0125】(実施例29)実施例27および28に示
すような抽出剤の希釈剤として超臨界二酸化炭素を用い
ると、使用済みの有機溶媒の量を減じることができ二次
廃棄物処理コストを大幅に低減できる。
【0126】常温常圧でのTBPの比重は水と同じlg
/cc程度でるため、TBPに希釈剤としてノルマルド
デカンを添加すると有機相と水相を容易に分離すること
ができる。TBPを用いてプルトニウムなどの放射性物
買を回収すると、TBPやノルマルドデカンは使用後、
放射性有機廃棄物となり、これら有機廃棄物を処理する
必要が生じる。一般的にTBPが30vol %、ノルマル
ドデカンが70vol %の割合で混合するため、ノルマル
ドデカンの処理量はTBPの2倍以上となる。そのた
め、ノルマルドデカンを処理する必要がなければ、処理
コストは3分の1にまで減少する。
【0127】二酸化炭素は31℃、7.4MPa以上の
粂件で超臨界状態となり有機物と任意に混合する。その
ため、TBPを超臨界状態の二酸化炭素と接触すると、
分解液中からプルトニウムなどのアクニチノイド元素を
TBP中に回収できる。使用後のTBPは、常温常圧に
すると、二酸化炭素は気体となりTBPと分離できるた
め二酸化炭素の処理は不要となる。以上のことより超臨
界状態の二酸化炭素を用いると、処理コストを大幅に削
減することができる。
【0128】(実施例30)実施例17において、液体
処理ラインには液体やスラッジをセメントミルクまたは
他の固化剤により固化する固化器を有する。本発明の有
機廃棄物処理装置においては、液体処理ラインから固化
器に供給される廃液は液相と固相が、均一、均質となっ
ているので、この廃液にセメントミルクまたは他の固化
剤を混入するだけで、均一、均質な固化体を形成するこ
とが可能となる。これにより分解により生成した固相ま
たは液相に固化剤を混入するだけのシンプルなプロセス
で貯蔵、処分のための安定な固化体とすることができ
る。
【0129】(実施例31)本発明において、固化器は
分解により生成した固相または液相の調整により生成し
た固相と固化剤との混練物をドラム缶などの処分容器内
で固化する。これにより、貯蔵、処分の際の安全性が確
保でき、また菅理がしやすくなる。
【0130】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果がある。
【0131】(1) 無機物を析出することなく、有機物を
分解できるため、反応容器の閉塞といったトラブルを回
避でき、ランニングコストを低減できる。
【0132】(2) 無機物が放射性物質である場合には、
無機物の析出によるトラブルを回避できるため作業員の
被ばくを低減できる。
【0133】(3) 過酸化水素などの酸化剤を添加するこ
とでOHラジカルを短時間に生成させることができるた
め、短時間に大量の有機物を分解処埋できる。
【0134】(4) 無機物を沈殿させることだけでなく、
酸化物もイオン状にして回収できるため、有機廃棄物か
ら酸化物を分離することができる。
【0135】(5) 有機廃棄物を、均質・均一な廃棄体に
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセス図を示す。
【図2】従来例のプロセス図を示す。
【図3】水のイオン積の温度および圧力依存性を示す。
【図4】酸化剤添加量を変化させた場合のセリウムの沈
殿率を示す。
【図5】水の状態図を示す。
【図6】水と炭化水素類との臨界曲線を示す。
【図7】30%TBP−硝酸系のアクチノイド元素の分
配比を示す。
【図8】HDEHP−硝酸系のアクチノイド元素の分配
比を示す。
【符号の説明】
1…反応器、 2…有機廃棄物供給ライン、 3…
硝酸塩を含む有機廃棄物、 4…媒体液供給ライン、
5…水、 6…受け入れライン、7…分解ガス、
8…分解液、 9…無機物(酸化物など)、
10…酸、 11…無機物(イオン)不活性ガス、
12…臨界点、 13…気液平衡線、 14…固
液平衡線、 15…固気平衡線、 16…水−ベン
ゼン系の臨界曲線、 17…重水−ベンゼン系の臨界
曲線、 18…水−トルエン系の臨界曲線、 19
…水−o−キシレン系の臨界曲線、20…水-1,3,5トリ
メチルベンゼン系の臨界曲線、 21…水−シクロヘ
キサン系の臨界曲線、 22…水−エタン系の臨界曲
線、 23…水−n−ブタン系の臨界曲線、 24
…水−ナフタレン系の臨界曲線、 25…水−ビフェ
ニル系の臨界曲線、 26…水の臨界点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 恭志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物を含む廃棄物を媒体液の臨界点を
    超える高温高圧下で一定時間保持して分解する有機廃棄
    物処理方法において、前記媒体液の水素イオン濃度が媒
    体液1kgに対して10-4モル以上にしてなることを特
    徴とする有機廃棄物処理方法。
  2. 【請求項2】 有機廃棄物を媒体液の臨界点を超える高
    温高圧下で一定時間保持して分解する反応器と、前記反
    応器に有機廃棄物を投入する有機廃棄物供給ラインと、
    前記反応器内に媒体液を供給する媒体液供給ラインと、
    前記反応器で分解により生成した気体または液体を受け
    入れる受け入れラインとを有する装置において、前記反
    応器内の水素イオン濃度が媒体液1kgに対し10-4
    ル以上にされてなることを特徴とする有機廃棄物処理装
    置。
  3. 【請求項3】 水素イオン濃度を調整するための前記無
    機酸を供給する酸供給ラインを有することを特徴とする
    特許請求項2記載の有機廃棄物処理装置。
  4. 【請求項4】 酸化剤を供給する酸化剤供給ラインを有
    し、廃棄物の種類および前記酸化剤の添加量に応じて水
    素イオン濃度を調整する手段を有することを特徴とする
    請求項2記載の有機廃棄物処理装置。
  5. 【請求項5】 前記の有機廃棄物供給ライン、媒体液供
    給ライン、酸供給ライン、および酸化剤供給ラインに
    は、それぞれ有機廃棄物、媒体液、酸、および酸化剤を
    加圧ならびに加熱して前記反応器に供給するための加圧
    器ならびに予熱器を具備し、さらに前記反応器内で分解
    により生成した気体または液体を受け入れる受け入れラ
    インには、分解により生成した気体または液体を減圧す
    るための減圧器ならびに冷却するための冷却器を具備し
    たことを特徴とする請求項2記載の有機廃棄物処理装
    置。
  6. 【請求項6】 前記反応器内の温度および圧力を計測し
    て有機廃棄物の分解状態を表示する手段を具備してなる
    ことを特徴とする請求項2記載の有機廃棄物処理装置。
  7. 【請求項7】 前記反応器内での水素イオン濃度を計測
    するための水素イオン濃度計を有することを特徴とする
    請求項2記載の有機廃棄物処理装置。
  8. 【請求項8】 前記反応器に有機廃棄物を供給する有機
    廃棄物供給ラインの少なくとも一部をグローブボックス
    またはフード内に設置することを特徴とする請求項2記
    載の有機廃棄物処理装置。
  9. 【請求項9】 前記グローブボックスまたはフードは防
    爆性を有することを特徴とする請求項8記載の有機廃棄
    物処理装置。
  10. 【請求項10】 前記反応器内の反応に媒体液の臨界点
    を超える高温高圧下の反応のほかに、200℃以上臨界
    点以下の温度での反応を一部含めることを特徴とする請
    求項1記載の有機廃棄物処理方法。
  11. 【請求項11】 前記有機廃棄物が酸化物、硝酸塩、硫
    酸塩、塩化物および燐酸塩の無機物を含むこと特徴とす
    る請求項1記載の廃棄物処理方法。
  12. 【請求項12】 前記媒体液に水、二酸化炭素、炭化水
    素、またはこれらの混合物を用いることを特徴とする請
    求項1記載の有機廃棄物処理方法。
  13. 【請求項13】 前記反応器に供給する媒体液に中性塩
    を添加する中性塩添加ラインを有することを特徴とする
    請求項2記載の有機廃棄物処理装置。
  14. 【請求項14】 前記反応器に供給する酸として、硫酸
    および塩酸の少なくとも一方を用いることを特徴とする
    請求項3記載の有機廃棄物処理装置。
  15. 【請求項15】 前記反応器に供給する酸化剤として、
    酸素、空気、過酸化水素ならびにオゾンのうち少なくと
    も1種を用いることを特徴とする請求項4記載の有機廃
    棄物処理装置。
  16. 【請求項16】 前記反応器に紫外線または放射線を照
    射する機構を有することを特徴とする請求項2記載の有
    機廃棄物処理装置。
  17. 【請求項17】 分解により生成した気体または液体を
    受け入れる前記受け入れラインには気液分離器、気体処
    理ライン、および液体処理ラインを有することを特徴と
    する請求項2記載の有機廃棄物処理装置。
  18. 【請求項18】 前記気体処理ラインには気体中の固形
    分や有害成分を除去するフィルタおよび水中の有害成分
    を回収するスクラバーを有することを特徴とする請求項
    17記載の有機廃棄物処理装置。
  19. 【請求項19】 前記スクラバーに使用される溶液とし
    て、水、水酸化ナトリウムを含むアルカリ溶液、および
    還元剤を含む水のうち少なくとも1種を用いることを特
    徴とする請求項18記載の有機廃棄物処理装置。
  20. 【請求項20】 前記液体処理ラインは、液体を分析採
    取するサンプリング機構を具備してなることを特徴とす
    る請求項17記載の有機廃棄物処理装置。
  21. 【請求項21】 前記液体処理ラインは液体を攪拌する
    ための攪拌器を有することを特徴とする請求項17記載
    の有機廃棄物処理装置。
  22. 【請求項22】 前記液体処理ラインは液体に含まれる
    酸を中和処理する機構を有することを特徴とする請求項
    17記載の有機廃棄物処理装置。
  23. 【請求項23】 前記液体処理ラインは液体に溶解して
    いる無機イオンおよび金属イオンを凝集沈澱処理する機
    構を有することを特徴とする請求項17記載の有機廃棄
    物処理装置。
  24. 【請求項24】 前記液体処理ラインは液体を冷却する
    ための冷却器を有することを特徴とする請求項17記載
    の有機廃棄物処理装置。
  25. 【請求項25】 前記液体処理ラインには液体中の固形
    成分を分離する分離器を有することを特徴とする請求項
    17記載の有機廃棄物処理装置。
  26. 【請求項26】 前記液体処理ラインにはイオン交換塔
    を設置し、反応後の溶液中に含まれるイオン成分を除去
    することを特徴とする特許請求項17記載の有機廃棄物
    処理装置。
  27. 【請求項27】 前記液体処理ラインには、気液分離後
    の溶液を抽出剤と接触させ、水中の無機イオンを分離回
    収する分離回収器を有することを特徴とする特許請求項
    17記載の有機廃棄物処理装置。
  28. 【請求項28】 前記抽出剤として中性有機リン化合物
    または酸性有機リン化合物の少なくともいずれか一方を
    用いることを特徴とする特許請求項27記載の有機廃棄
    物処理装置。
  29. 【請求項29】 前記抽出剤と接触させる場合に、希釈
    剤として二酸化炭素を用いることを特徴とする特許請求
    項27記載の有機廃棄物処理装置。
  30. 【請求項30】 前記液体処理ラインには、液体やスラ
    ッジを固化剤で固化する固化器を有することを特徴とす
    る請求項17記載の有機廃棄物処理装置。
  31. 【請求項31】 前記固化器は固化剤と固相の混練物を
    処分容器内で固化することを特徴とする請求項30記載
    の有機廃棄物処理装置。
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