JPH11317183A - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

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JPH11317183A
JPH11317183A JP12253298A JP12253298A JPH11317183A JP H11317183 A JPH11317183 A JP H11317183A JP 12253298 A JP12253298 A JP 12253298A JP 12253298 A JP12253298 A JP 12253298A JP H11317183 A JPH11317183 A JP H11317183A
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JP
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electron
phosphor
image
voltage
display device
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JP12253298A
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Kazuo Koyanagi
和夫 小▲柳▼
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子放出される電子の分布特性に応じた蛍光
体の形状とすることにより、x方向の位置ずれに対して
色ずれの少ない画像表示装置を提供する。 【解決手段】 基板11上に形成された一対の素子電極
32,33間に電子放出部34を有し、前記素子電極3
2,33間に電圧を印加することで電子放出する冷陰極
型の電子放出素子がマトリクス形状に複数配置された電
子源と複数の電子放出素子から放出された電子の照射を
受けて画像形成する蛍光体を有する画像形成装置であっ
て、蛍光体の形状を電子放出される電子の分布特性に応
じた形状である菱形としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイやT
V表示器等の画像形成装置に関し、特に冷陰極型の電子
放出素子をマトリクス形状に配置した画像表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子を放出させ、蛍光体に衝突
させて発光させることにより画像を表示する画像形成装
置では、その電子を放出する真空雰囲気を維持する外囲
器、電子を放出させるための電子源(電子放出素子)
と、その駆動回路、更には、電子の衝突により発光する
蛍光体等を有する画像形成部材、電子を画像形成部材に
向けて加速するための加速電極と、その加速電極に加速
電圧を印加するための高圧電源などが必要である。
【0003】従来、電子放出素子として熱電子放出素子
と冷陰極電子放出素子の2種類が知られている。このう
ち冷陰極電子では例えば電界放出型素子(以下、「FE
型」という。)や、金属/絶縁層/金属型(以下、「M
IM型」という。)や表面伝導型電子放出素子等が知ら
れている。表面伝導型電子放出素子型の例としては、M.
I.Elinson,Radio Eng.Electron Phys.,10,129
0(1965)等に開示されたものがある。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より電子放出が生ずる現象を利用するものである。この
伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン(Elinso
n)等によるSnO2薄膜を用いたものの他に、Au薄
膜によるもの[G.Dittmer`Thin Solid Films',9,3
17(1972)]や、In23 /SnO2 薄膜に
よるもの[M.Hartwelland C.G.Fonstad IEEE Trans.ED
Conf.',519(1975)]、カーボン薄膜によるも
の[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22(19
83)]等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型電子放出素子の素子構
造の典型的な例として、M.Hartwellらによる素子の平面
図を図18に示す、同図において171は基板、174
はスパッタで形成された金属酸化物よりなる導電性薄膜
である。この導電性薄膜174は図示の様にH字形の平
面形状に形成されている。この導電性薄膜174に後述
の通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことによ
り、電子放出部175が形成される。尚、図中の間隔L
は、0.5〜1[mm]、Wは0.1[mm]で設定さ
れている。また、図示の便宜から、電子放出部175は
導電薄膜174の中央に矩形の形状で示したが、これは
模式的なものであり、実際の電子放出部の位置や形状を
忠実に表現しているわけではない。
【0006】M.Hartwellらによる素子を始めとして上述
の表面伝導型電子放出素子においては、電子放出を行う
前に導電性薄膜174に通電フォーミングと呼ばれる通
電処理を施すことにより電子放出部175を形成するの
が一般的であった。すなわち、通電フォーミングとは、
導電性薄膜174の両端に一定の直流電圧もしくは、例
えば1V/分程度の非常にゆっくりとしたレートで昇圧
する直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜174を局
所的に破壊もしくは変化もしくは変質せしめ、電気的に
高抵抗な状態の電子放出部175を形成することであ
る。
【0007】尚、局所的に破壊もしくは変質した導電性
薄膜174の一部には亀裂が発生する。
【0008】そして、この通電フォーミング後に導電性
薄膜174に適宜の電圧を印加した場合には、その亀裂
付近において電子放出が行われる。
【0009】また、FE型の例は、例えば、W.P.Dyke &
W.W.Dolan`Field emission',Advance in Electron Phy
sics,8,89(1956)や、あるいは、C.A.Spindt
`Physical Properties of thin-film field emission c
atheodes with molybdenum cones',J.Appl.Phys.,4
7,5248(1976)等が知られている。
【0010】FE型の素子構成の典型的な例として、図
19に前述のC.A.Spindtらによる素子の断面図を示す。
【0011】同図において、181は基板で、182は
導電材料よりなるエミッタ配線、183はエミッタコー
ン、184は絶縁層、185はゲート電極である。本素
子はエミッタコーン183とゲート電極185の間に適
宜の電圧を印刷することにより、エミッタコーン183
の先端部より電界放出を起こさせるものである。また、
FE型の他の素子構成として、図20の様な積層構造で
はなく、基板上に基板平面とほぼ平行にエミッタとゲー
ト電極を配置した例もある。また、MIM型の他の例と
しては、例えば、C.A.Mead,Operatio
n of tunnelemission Devic
es,J.ApplPhys.,32,646(196
1)などが知られている。このMIM型の素子構成の典
型的な例を図20に示す。同図は断面図であり、この図
において、191は基板で、192は金属よりなる下電
極、183は厚さ100オングストローム程度の薄い絶
縁層、194は厚さ80〜300オングストローム程度
の金よりなる上電極である。MIM型においては、上電
極194と下電極191と間に適宜の電圧を印加するこ
とにより、上電極194の表面より電子放出させもので
ある。
【0012】上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較し
て低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒー
タを必要としない。従って、熱陰極素子よりも構造が単
純であり、微細な素子を作成可能である。また、基板上
に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶解等
の問題が発生しにくい。また、熱陰極素子の場合には応
答速度が速いという利点もある。
【0013】このため、冷陰極素子を応用するための研
究が盛んに行われてきている。
【0014】例えば、表面伝導型電子は、冷陰極素子の
中でも特に構造が単純で製造も容易であることから大面
積にわたって多数の素子を形成できる利点がある。そこ
で、例えば、本出願人による特開昭64−31332号
公報において開示されるように、多数の素子を配列して
駆動するための方法が研究されている。特に、画像形成
装置への応用については、例えば本件出願人によるUS
P5,066,883や特開平2−257551号公報
や特開平4−28137号公報おいて開示されているよ
うに、表面伝導型電子放出素子と電子ビームの照射にり
発光する蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置が
研究されている。このような表面伝導型電子放出素子と
蛍光体とを組み合わせて用いた画像形成装置、従来の他
の方式の画像表示装置よりも優れた特性が期待されてい
る。例えば、近年普及してきた液晶表示装置と比較して
も、自発光型であるためバッククライトを必要としない
点や、視野角が広い点が優れている。また、FE型を多
数個並べて駆動する方法は、例えば本件出願人によるU
SP4,904,895に開示されている。また、FE
型を画像表示装置に応用した例として、例えば、R.Meye
rらにより報告された平板型表示装置が知られている
[R.Meyer:`Recent Development on Microtips Display
at LETI',ech.Digest of 4th Int.Vacuum Micro-elect
ronics Conf.,Nagahara.pp.6−9(199
1)]。
【0015】また、MIM型を多数個並べて画像表示装
置に応用した例は、例えば本件出願人による特開平3−
55738号公報に開示されている。
【0016】又、本発明者等は、上記従来技術に記載し
たものを始めとして、さまざまな材料、製法、構造の冷
陰極素子を試みてきた。更に、多数の冷陰極素子を配列
したマルチ電子ビーム源、並びにこのマルチ電子ビーム
源を応用した画像表示装置について研究を行ってきた。
【0017】本願発明者等は、例えば、図21に示す電
気的な配線方法によるマルチ電子ビーム源を試みてき
た。すなわち、冷陰極素子を2次元的に多数個配列し、
これらの素子を図示のようにマトリクス状に配線したマ
ルチ電子ビーム源である。
【0018】図中、201は冷陰極素子を模式的に示し
たもの、202は行方向配線、203は列方向配線であ
る。行方向配線202および列方向配線203は、実際
には有限の電気抵抗を有するものであるが、図において
は配線抵抗204および205として示されている。上
述のような配線方法を、単純マトリクス配線と呼ぶ。
尚、図示の便宜上、6×6のマトリクスで示している
が、マトリクスの規模はむしろこれに限ったものではな
く、例えば画像表示装置用のマルチ電子ビーム源の場合
には、所望の画像表示を行うに足りるだけの素子を配列
し配線するものである。
【0019】冷陰極素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子ビーム源においては、所望の電子ビームを出力さ
せるため、行方向配線202および列方向配線203に
適宜の電気信号を印加する。例えば、マトリクスの中の
任意の1行の冷陰極素子を駆動するには、選択する行の
行方向配線202には選択電圧Vsを印加し、同時に非
選択の行の行方向配線に203には非選択電圧Vnsを
印加する。これと同期して列方向配線202に電子ビー
ムを出力するための駆動電圧Veを印加する。
【0020】この方法によれば、配線抵抗204および
205による電圧降下を無視すれば、選択する行の冷陰
極素子には、(Ve−Vs)の電圧が印加され、また非
選択行の冷陰極素子には、(Ve−Vns)の電圧が印
加される。これら、Ve,Vs,Vnsの電圧値を適宜
の大きさにすれば、選択する行の冷陰極素子だけから所
望の強度の電子ビームが出力されるはずであり、また列
方向の各々に異なる駆動電圧Veを印加すれば、選択す
る行の素子の各々から異なる強度の電子ビームが出力さ
れるはずである。また、駆動電圧Veを印加する時間の
長さを変えれば、電子ビームが出力される時間の長さも
変えることができる。
【0021】従って、冷陰極素子を単純マトリクス配線
したマルチ電子ビーム源はいろいろな応用可能性があ
り、例えば画像情報に応じた電気信号を適宜印加すれ
ば、画像表示装置用の電子源として好適に用いることが
できる。
【0022】ところで、従来の画像形成装置において、
蛍光体の形状は図22(a),(b)に示すように、もっとも
一般的には通常CRTに用いられている様なストライプ
形状、あるいは円形状であり、あるいは矩形や亀甲型を
碁盤目状や蜂の巣状に配置したものなどがあった。
【0023】またこれらの配置において、コントラスト
の向上と隣接する蛍光体(画像形成部材)のはみ出し等
を防ぐために、一般的に設けられるブラックストライプ
やブラックマトリクスが設けられている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の蛍光体配置においては、電子源基板および、フェース
プレートとの封着時におけるX方向のずれや、高圧端子
への印加電圧の変化などによるビームのずれがおこるこ
とがあり、そのため、ブラックストライプで防ぎきれ
ず、色ずれが起こってしまう問題があった。そこで従来
の蛍光体が最適な形状とはいえないことが、本願発明者
らの研究の結果わかってきた。
【0025】そこで、本発明は、電子放出される電子の
分布特性に応じた蛍光体の形状とすることにより、上述
の問題を解決し、x方向の位置ずれに対して色ずれの少
ない画像表示装置を提供することを課題としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の画像表示装置は、基板上に形成された一対の
素子電極間に電子放出部を有し、前記素子電極間に電圧
を印加することで電子放出する冷陰極型の電子放出素子
がマトリクス形状に複数配置された電子源と複数の電子
放出素子から放出された電子の照射を受けて画像形成す
る蛍光体を有する画像形成装置であって、蛍光体の形状
を電子放出される電子の分布特性に応じた形状である菱
形としている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。
【0028】図1は、本実施の形態に用いたディスプレ
イパネル10の斜視図であり、内部構造を示すためにパ
ネルの一部を切り欠いて示している。
【0029】図中、15はリアプレート、16は側壁、
17はフェースプレートであり、15〜17により表示
パネルの内部を真空に維持するための気密容器を形成し
ている。気密容器を組み立てるにあたっては、各部材の
接合部に十分な強度と気密性を保持させるため封着する
必要があるが、例えばフリットガラスを接合部に塗布
し、大気中あるいは窒素雰囲気中で、摂氏400〜50
0度で10分以上焼成することにより封着を達成した。
気密容器内部を真空に排気する方法については後述す
る。
【0030】リアプレート15には、基板11が固定さ
れているが、この基板11上には冷陰極素子12がn×
m個形成されている。(ここでn,mは2以上の整数で
あり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定される。
例えば、高品位テレビジョンの表示を目的とした表示装
置においては、n=3000,m=1000以上の数を
設定することが望ましい。本実施形態においては、n=
3072,m=1024)とした。前記n×m個の冷陰
極素子は、m本の行方向配線13とn本の列方向配線1
4とによる単純マトリクス配線されている。
【0031】前記、11〜14によって構成される部分
をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。尚、マルチ電子ビーム源
の製造方法や構造については、後で詳しく述べる。本実
施形態においては、気密容器のリアプレート15にマル
チ電子ビーム源の基板11を固定する構成としたが、マ
ルチ電子ビーム源の基板11が十分な強度を有するもの
である場合には、気密容器のリアプレートとしてマルチ
電子ビーム源の基板11自体を用いてもよい。また、フ
ェースプレート17の下面には、蛍光膜18が形成され
ている。
【0032】本実施の形態ではカラー表示装置であるた
め、蛍光膜18の部分にはCRTの分野で用いられる
赤、緑、青の3原色の蛍光体が塗り分けられている。各
色の蛍光体は、電子源の個々の電子放出素子から放出さ
れた電子の各々に対応して、図2に示すように、Y軸お
よびX軸にそれぞれ対称な菱形の形状で形成されてお
り、黒色の導電体と交互に敷き詰められている。黒色の
導電体を設ける目的は、電子ビームの照射位置のずれに
よる表示色のずれの減少や、外光の反射を防止して表示
コントラストの低下を防ぐこと、電子ビームによる蛍光
膜のチャージアップを防止すること等である。黒色の導
電体22には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の目
的に適するものであればこれ以外の材料を用いてもよ
い。
【0033】また、蛍光体21のリアプレート側の面に
は、CRTの分野では公知のメタルバック19を設けて
ある。このメタルバック19を設けた目的は、蛍光膜1
8が発する光の一部を鏡面反射して光利用率を向上させ
るためや、負イオンの衝突から蛍光膜18を保護するた
め、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として用
させるため、蛍光膜18を励起した電子の導電路として
作用させるためなどである。メタルバック19は、蛍光
膜18をフェースプレート基板17上に形成した後、蛍
光膜表面を平滑化処理し、その上にAlを真空蒸着する
方法により形成した。なお、蛍光膜18に低電圧用の蛍
光体材料を用いた場合には、メタルバック19は用いな
い。
【0034】また、本実施例では用いなかったが、加速
電圧の印加用の蛍光膜の導電性向上を目的として、フェ
ースプレート基板17と蛍光膜18との間に例えばIT
Oを材料とする透明電極を設けてもよい。
【0035】また、Dx1からDxmおよびDy1から
DynおよびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回
路とを電気的に接続するために設けた気密構造の電気接
続用端子である。Dx1からDxmはマルチ電子ビーム
源の行方向配線13と、Dy1からDynはマルチ電子
ビーム源の列方向配線14と、Hvはフェースプレート
のメタルバック19と電気的に接続されている。
【0036】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10-7Torr程度の真
空度まで排気する。その後、排気管を封止するが、気密
容器内の真空度を維持するために、封止の直前あるいは
封止後に気密容器内の所定の位置にゲッター膜(不図
示)を形成する。ゲッター膜とは、例えば、Baを主成
分とするゲッター材料をヒータもしくは高周波加熱によ
り加熱し蒸着して形成した膜であり、該ゲッター膜の吸
着作用により気密容器内は1×10-5ないし1×10-7
Torrの真空度に維持される。
【0037】以上、本発明実施の形態の表示パネルの基
本構成と製法を説明した。
【0038】次に、図2に示すような形状の蛍光体を用
いた利点を説明する。
【0039】基板上に形成された一対の素子電極間に電
子放出部を有し、該素子電極間に電圧を印加することで
電子放出をする冷陰極型電子放出素子、例えば表面伝導
型電子放出素子において、基板上に形成された薄膜の膜
面に平行な電流を流すために薄膜に接続された電極には
基板面と平行に電圧が印加され、これにより電子放出す
る。このため、放出された電子は、電圧印加により形成
される電場の影響を受け、高電位な電極側に偏向された
り、軌道が曲げられたりする。この結果、画像形成部材
に衝突したときの電子ビームスポットの形状が変形した
り、歪んだものとなる。
【0040】図3(A)は本実施の形態の画像表示装置
における1画素の表示部分の拡大図、図3(B)は、電
子放出を説明するための側面図で、前述の図1と共通す
る部分は同じ番号で示している。
【0041】図3(A)において、39はフェースプレ
ート17上に電子ビームにより形成されたスポット形状
を示している。35はガラス板、18は蛍光膜、19は
メタルバックである。30は本実施の形態の電子放出素
子を駆動するための電源で、その出力電圧はVfであ
る。34は電子放出素子から放出された電子を加速する
ための加速電圧電源で、その出力電圧はVaである。3
2,33は基板11に形成された素子駆動用電極で、3
2は低電位側の電極、33は高電位側の電極を示してい
る。34は電子放出部である。
【0042】図3(B)に示すように、電子放出部34
より放出された電子のほとんどは点線で示すような軌跡
を描いて蛍光面に到達すると考えられる。
【0043】ここで図4に示すような形状のビームスポ
ット39が形成される理由、即ち、電子ビームがX,Y
方向にある程度広がりをもち、かつ高電位の素子電極3
3側(図中Xプラス方向)の面積が大きいほぼ扇形の形
状にて画像形成部材(フェースプレート)に到達する理
由は、表面伝導型電子放出素子の電子放出機構について
完全に解明はされていないので、明確ではないが、本発
明者らは、電子の放出機構については、幾多の実験から
初速度を持った電子があらゆる方向へ散乱されるように
放出されていると考えている。
【0044】また、あらゆる方向へ放出される電子のう
ち、高電位の素子電極33側方向(図中Xプラス方向)
に放出された電子がビームスポット39の先端部41に
到達し、低電位の素子電極32方向(図中Xマイナス方
向)に放出された電子がビームスポット39の尾部42
に到達すると考えられている。但し、ビームスポット3
9の尾部42の輝度は、他の部分に比べて低いため、低
電位の素子電極32側方向に放出される電子の量は非常
に少ないと推察される。
【0045】また、Y方向の初速度成分を持った電子に
ついて考えると、図3において、電子放出部34のY方
向側より放出された電子は素子電極32,33の端部の
影響を受け、電子放出部34のY方向中央付近から放出
された電子とはフェースプレート17への到達点が徐々
に異なる。このため、図4に示すように、ビームスポッ
ト全体の内の先端部、即ちXプラス方向の初速度成分を
持って放出された電子により形成される部分(X方向の
初速度=0にて放出された電子がビームスポットの中心
軸43に達すると考えられるから、中心軸43よりXプ
ラス方向の部分に到達した電子は、電子放出部34から
放出されたときには、Xプラス方向の初速度成分を有し
ていたと考えられる。)が半円形あるいは半楕円形とな
ることが、ンピュータシュミレーションにより、ほぼ判
明している。
【0046】いずれにせよ、基板11上に並設された素
子電極32,33間に駆動電圧Vfを印加することによ
り、基板11にほぼ平行な電界が生じる状態で電子放出
する表面伝導型電子放出素子のような素子においては、
例えば複数個の電子放出部34が高電位側素子電極を囲
んで軸対称な位置に配置されている、あるいはビーム形
状の補正用電極を有するといった、なんらかの補正がな
い場合、ビームスポット39の形状は、素子電極32,
33間に印加する電圧の方向と垂直な軸に関して非対称
な形状となることは避けられない。このように、ビーム
スポット39の形状が非対称であること自体は、画像表
示装置への応用に際して、特に大きな支障となるとは考
えられない。
【0047】但し、上述したような表面伝導型電子放出
素子をはじめとする、電子放出素子を形成した基板面と
ほぼ平行な電界を形成することで電子放出する電子源に
おいては、その電子放出特性の傾向、即ち電圧印加方向
と垂直な軸に関して非対称なビームスポットを採用する
場合には、放出された電子ビームを有効に利用すること
ができず、更に画素密度を向上する点でも不利であると
考えられる。
【0048】図5は、従来のストライプ形状の蛍光膜に
表面伝導型電子放出素子を用いた電子源〜電子ビームが
照射されている状態を模式的に示した図である。Px,
Pyはそれぞれ、x方向、y方向のビームの長さであ
る。図3における素子長LによりPyは変わり、また、
Va,Vfアノードと基板の距離を変更することによっ
て、図5中のビーム形状が変化する。
【0049】以下、画像形成装置としての好ましい条件
を挙げる。Vaによりアノードに到達する電子量が増減
し、ビームの輝度が変化するためPy,Pxともに変化
する。ビームの輝度、電力量等から望ましいVaは数百
Vから数十kVである。
【0050】また、VfによりPx方向の電界がかか
り、この影響によりビーム幅Pxが変化する。駆動電力
等の理由から20Vまでが望ましい。また、アノード間
距離によりビームのPx,Pyが共に変化する。Va,
Vfにも依存するが1mm〜5mmが望ましい。
【0051】一方、本実施の形態では、図6に示すよう
に、X軸、Y軸、それぞれに関して対称な菱形の形状に
形成している。図6(a)は従来のストライプ型蛍光
体、図6(b)は本発明の菱形蛍光体であり、比較のた
め(a)−(b)の蛍光体のX方向Y方向のピッチを等
しくしたものである。共に、コントラストの向上と隣接
する蛍光体(画像形成部材)のはみ出し等を防ぐため
に、一般的に設けられるブラックストライプやブラック
マトリクスが設けられている。しかしながら、電子源基
板および、フェースプレートとの封着において、X方向
のずれが大きかったり、高圧端子への印加電圧の変化な
どによるビームのずれによって、ブラックストライプで
防ぎ切れず、色ずれが起こってしまうことがあった。
【0052】図6(a)と図6(b)において位置ずれ
したビーム61として示してある部分を比較して分かる
ように、同じ量の位置ずれに対して、本発明の形態で
は、隣の蛍光体にビームスポットが当っている部分が少
なくなっている。よって、色ずれが少なく電子ビームを
光等に変換できる。また図6(a)においては、X方向
の蛍光体間の距離をaとしているが図6(c)のように
a=0とすると、図6(a)に比べて図6(b)程では
ないが色ずれが少なく、かつX方向のピッチが短くなる
ためより高精細となる。また、図6(d)のようにX方
向に半ピッチずつずらして蛍光体を配置することでY方
向のピッチを短くすることができY方向についてもより
高精細にすることが出来る。次に、本実施の形態におけ
る画素形状の構成と電子放出方向について、更に詳しく
説明する。まず、画素の形状については、前述の一般的
に設けられるブラックストライプやブラックマトリクス
と呼ばれる黒色部材をまず印刷などの製法で形成し、そ
の空間にR.G.B.の蛍光体を、やはり印刷などで形
成すればよい。即ち、画素形状に関しては、概ね任意の
画素形状を、従来のCRTや、PDP等で用いられた方
法で作成できる。
【0053】以下詳しく説明する。
【0054】図7は、電子源基板の平面図で、32が低
電圧側素子電極、33が高電圧側素子電極、14が列方
向配線、13が行方向配線、34が電子放出部、37が
結線電極であり、この構成の時電子ビームはすべてXプ
ラス方向に広がる扇形となる。
【0055】また、図8はY方向の配線を一つずつ飛ば
し、x方向について一つずつずらして素子を配置した図
である。
【0056】図9は、前述したように形成されたマルチ
電子源を有するディスプレイパネル80に、例えばテレ
ビジョン放送を始めとする種々の画像情報源より提供さ
れる画像情報を表示できるように構成した多機能表示装
置の一例を示すブロック図である。
【0057】図中、80は本実施の形態のディスプレイ
パネルで、例えば蛍光体1には図2に示す形状の蛍光体
を有し、その列方向配線および行方向配線は例えば図
8、又は図9のように構成されている。81(a)、8
1(b)のそれぞれは、ディスプレイパネル80の駆動
回路で、81(a)はX軸方向の駆動回路、81(b)
はY軸方向の駆動回路を示している。本実施の形態の表
示装置は、例えばテレビジョン信号のように映像情報と
音声情報の両方を含む信号を受信する場合には、当然映
像の表示と同時に音声を再生する。なお、本発明の主旨
とは直接関係しない音声情報の受信、分離、再生、処
理、記憶などに関する回路やスピーカについての説明は
省略する。
【0058】以下、画像信号の流れに沿って各部の機能
を説明する。
【0059】まず、TV信号受信回路92は、例えば、
電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて伝送
されるTV画像信号を受信するための回路である。ここ
で、受信されるTV信号の方式は特に限られているもの
ではなく、例えば、NTSC方式、PAL方式、SEC
AM方式などいずれの処理方式でもよい。また、これら
のよりさらに多数の走査線よりなるTV信号(例えばM
USE方式を初めとするいわゆる高品位TV)は、大面
積化や大画素数化に適したディスプレイパネル80の利
点を生かすのに好適な信号源である。こうしてTV信号
受信回路92で受信されたTV信号は、デコーダ84に
出力される。
【0060】V信号受信回路93は、例えば同軸ケーブ
ルや光ファイバ等のような有線伝送系を用いて伝送され
るTV画素信号を受信するための回路である。このTV
信号受信回路93もまたTV信号受信回路92と同様に
受信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、
また本回路で受信されたTV信号もデコーダ84に出力
される。
【0061】画像入力インターフェース回路91は、例
えばTVカメラや画像読み取りスキャナなどの画像入力
装置から供給される画像信号を取り込むための回路で、
取り込まれた画像信号はデコーダ84に出力される。画
像メモリインターフェース回路90は、ビデオテープレ
コーダ(以下VTRと略す)に記憶されている画像信号
を取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコ
ーダ84に出力される。画像メモリインターフェース回
路88は、いわゆる静止画ディスクのように、静止画像
データを配置している装置から画像信号を取り込むため
の回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ84
に出力される。
【0062】入出力インターフェース回路85は、本実
施の形態の表示装置と、外部のコンピュータもしくはコ
ンピュータネットワークもしくはプリンタなどの出力装
置とを接続するための回路である。画像データや文字デ
ータ、図形情報の入出力を行うのはもちろんのこと、場
合によっては本表示装置の備えるCPU86と外部機器
との間で制御信号や数値データの入出力等を行うことも
可能である。
【0063】また、画像生成回路87は、前記入出力イ
ンターフェース回路85を介して外部から入力される画
像データや文字・図形情報や、あるいはCPU86より
出力される画像データや文字・図形情報に基づき表示用
画像データを生成する回路である。この画像生成回路8
7の内部には、例えば画像データや文字・図形情報を蓄
積するための書換可能メモリや、文字コードに対応する
画像パターンが記憶されている読みだし専用メモリや、
画像処理を行うためのプロセッサ等を初めとする、画像
の生成に必要な各種回路が組み込まれている。この画像
生成回路87により生成された表示用画像データは、デ
コーダ84に出力されるが、場合によっては前記入出力
インターフェース回路85を介して外部のコンピュータ
ネットワークやプリンタ入出力することも可能である。
【0064】CPU86は、主として本表示装置の動作
制御や、表示画像の生成や選択や編集に係る作業を行
う。例えば、マルチプレクサ83に制御信号を出力し、
ディスプレイパネルに表示する画像信号を適宜選択した
り組み合わせたりする。また、その際には表示する画像
信号に応じてディスプレイパネルコントローラ82に対
して制御信号を発生し、画面表示周波数や走査方法(例
えばインターレースかノンインターレースか)や一画面
の走査線の数など表示装置の動作を適宜制御する。ま
た、前記画像生成回路に対して画像データや文字・図形
情報を直接入力したり、あるいは前記入出力インターフ
ェース回路85を介して外部のコンピュータやメモリを
アクセスして画像データや文字・図形情報を入力する。
なお、CPU86は、むろんこれ以外の目的の作業にも
係るものであってもよい。例えば、パーソナルコンピュ
ータやワードプロセッサなどのように、入出力インター
フェース回路85を介して外部のコンピュータネットワ
ークと接続し、例えば数値計算などの作業を外部機器と
協動して行ってもよい。
【0065】94は入力部で、CPU86に使用者が命
令やプログラム、あるいはデータなどを入力するための
ものであり、例えばキーボードやマウスのほか、ジョイ
スティック、バーコードリーダー、音声認識装置など多
様な入力機器を用いることが可能である。
【0066】デコーダ84は、回路80〜94より入力
される種々の画像信号を3原色信号、または輝度信号と
I信号、Q信号に逆変換するための回路である。なお、
同図中に点線で示すように、デコーダ84は内部に画像
メモリを備えるのが望ましい。これは、たとえばMUS
E方式を初めとして、圧縮されている画像データを逆変
換するに際して画像メモリを必要とするようなテレビ信
号を扱うためである。また、このような画像メモリを備
えることにより静止画の表示が容易になる。また、ある
いは、画像生成回路87およびCPU86と協動して、
画像の間引き、補間、拡大、縮小、合成などの画像処理
や編集が容易に行えるようになるという利点が生まれ
る。
【0067】また、マルチプレクサ83は、CPU86
より入力される制御信号に基づき表示画像を適宜選択す
るものである。即ち、マルチプレクサ83はデコーダ8
4から、入力される逆変換された画像信号のうちから所
望の画像信号を選択して駆動回路81に出力する。その
場合には一画面表示時間内で画像信号を切り替えて選択
することにより、いわゆる多画面テレビのように、一画
面を複数の領域に分け、各領域ごとに異なる画像を表示
することも可能である。また、ディスプレイパネルコン
トローラ82は、前記CPU86より入力される制御信
号に基づき駆動回路81(a),81(b)の動作を制
御するための回路である。
【0068】まず、ディスプレイパネル80の基本的な
動作に係るものとして、例えば、ディスプレイパネル8
0の駆動電源(図示せず)の動作シーケンスを制御する
ための信号を駆動回路81(a),81(b)に対して
出力する。また、ディスプレイパネル80の駆動方法に
関わるものとして、例えば画面表示周波数や走査方法
(例えばインターレースかノンインターレースか)を制
御するための信号を駆動回路81(a),81(b)に
対して出力する。また、場合によっては、表示画像の輝
度やコントラストや色調やシャープネスといった画質の
調整に関わる制御信号を駆動回路81(a),81
(b)に対して出力する場合もある。
【0069】なお、駆動回路81(a),81(b)
は、ディスプレイパネル80に印加する駆動信号を発生
するための回路であり、マルチプレクサ83から入力さ
れる画像信号と、ディスプレイパネルコントローラ82
より入力される制御信号に基づいて動作する。
【0070】以上、各部の機能を説明したが、図9に例
示した構成により、本実施の形態の表示装置において、
多様な画像情報源より入力される画像情報をディスプレ
イパネル80に表示することができる。即ち、テレビジ
ョン放送をはじめとする各種の画像信号はデコーダ84
において逆変換された後、マルチプレクサ83において
適宜選択され、駆動回路81(a),81(b)に入力
される。
【0071】一方、ディスプレイコントローラ82は、
表示する画像信号に応じて駆動回路81(a),81
(b)の動作を制御するための制御信号を発生する。駆
動回路81(a),81(b)は、上記画像信号と制御
信号に基づいてディスプレイパネル80において画像が
表示される。これらの一連の動作は、CPUにより統括
的に制御される。
【0072】また、本実施の形態の表示装置において
は、デコーダ84に内蔵する画像メモリや、画像生成回
路およびCPUが関与することにより、単に複数の画像
情報のなかから選択したものを表示するだけでなく、表
示する画像情報に対して、例えば拡大、縮小、回転、移
動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、画像の縦横変
換など画像処理や、合成、消去、接続、入れ替え、はめ
込みなどの画像編集を行うことも可能である。また、本
実施の形態の説明では特に触れなかったが、上記画像処
理や画像編集と同様に、音声情報に関しても処理や編集
を行うための専用回路を設けてもよい。
【0073】従って、本実施の形態の表示装置は、テレ
ビジョン放送の表示機器、コンピュータの端末機器、ワ
ードプロセッサ等の事務用端末機器、ゲーム機などの機
能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用あるいは民
生用としてきわめて応用範囲が広い。
【0074】なお、図9は、表面伝導型放出素子を電子
ビーム源とするディスプレイパネル80を用いた表示装
置の構成の一例を示したにすぎず、本発明はこれに限定
されるものではない。例えば、図10の構成要素のうち
使用目的上必要のない機能に関わる回路は省いても差し
支えない。またこれとは逆に、使用目的によってはさら
に構成要素を追加してもよい。例えば、本表示装置をテ
レビ電話機として応用する場合には、テレビカメラ、音
声マイク、照明機、モデムを含む送受信回路などを構成
要素に追加するのが、最適である。
【0075】本表示装置においては、とりわけ表面伝導
型電子放出素子を電子ビーム源とするディスプレイパネ
ルが容易に薄形化できるため、表示装置全体の奥行きを
小さくすることが可能である。それに加えて、表面伝導
型電子放出素子を電子ビーム源とするディスプレイパネ
ルは大画面化が容易で輝度が高く視野角特性にも優れる
ため、本表示装置は臨場感にあふれ迫力に富んだ画像を
視認性良く表示することが可能である。
【0076】次に、本実施の形態のディスプレイパネル
80に用いたマルチ電子ビーム源の製造方法について説
明する。本実施の形態の画像表示装置に用いるマルチ電
子ビーム源は、表面伝導型放出素子を単純マトリクス配
線した電子源であれば、表面伝導型放出素子の材料や形
状あるいは製法に制限はない。しかしながら、本願発明
者らは、表面伝導型放出素子のなかでは、電子放出部も
しくはその周辺部を微粒子膜から形成したものが電子放
出特性に優れ、しかも製造が容易に行えることを見い出
している。したがって、高輝度で大画面の画像表示装置
のマルチ電子ビーム源に用いるには最も好適であるとい
える。そこで、上記実施の形態のディスプレイパネル8
0においては、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子
膜から形成した表面伝導型放出素子を用いた。
【0077】そこで、まず好適な表面伝導型放出素子に
ついて基本的な構成と製法および特性を示し、その後で
多数の素子を単純マトリクス配線した電子ビーム源の構
造について述べる。
【0078】電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜
から形成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、
平面型と垂直型の2種類が挙げられるが、本実施の形態
で使用する表面伝導型の電子放出素子は、平面型が、最
適である。
【0079】したがって、平面型の表面伝導型放出素子
の素子構成と製法について説明する。
【0080】図10に示すのは、平面型の表面伝導型放
出素子の構成を説明するための平面(a)および断面図
(b)である。
【0081】図中、101は基板、102と103は、
素子電極で、図8に示された電極対32,33に対応し
ている。104は導電性薄膜、105は通電フォーミン
グ処理により形成した電子放出部で、図3の34に対応
している。105は、通電活性化処理により形成した薄
膜である。
【0082】基板101としては、例えば、石英ガラス
や青板ガラス等の各種ガラス基板や、アルミナ等の各種
セラミクス基板、あるいは上述の各種基板上に、例え
ば、SiO2 を材料とする絶縁層を積層した基板、な
どを用いることができる。また、基板101上に基板面
と平行に対向して設けられた素子電極102と103
は、導電性を有する材料によって形成されている。例え
ば、Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,
Pd,Ag等の金属、あるいはこれらの金属の合金、あ
るいはIn23−SnO2 等の金属酸化物、ポリシリ
コンなどの半導体、などの中から適宜材料を選択して用
いればよい。電極を形成するには、例えば真空蒸着等の
製膜技術とフォトリソグラフィー、エッチングなどのパ
ターニング技術を組み合わせて用いれば容易に形成でき
るが、それ以外の方法(例えば印刷技術)を用いても差
し支えない。
【0083】素子電極102と103の形状は、当該電
子放出素子の応用目的にあわせて適宜設計される。一般
的には、電極間隔Lは通常は数百オングストロームから
数百マイクロメータの範囲から適当な数値を選んで設計
されるが、なかでも表示装置に応用するために好ましい
のは数マイクロメータより数十マイクロメータの範囲で
ある。また、素子電極の厚さdについては、通常は数百
オングストロームから数マイクロメータの範囲から適当
な数値が選ばれる。
【0084】また、導電性薄膜104の部分には、微粒
子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素と
して多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)の
ことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、個
々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微粒
子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに重
なりあった構造が観測される。
【0085】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、中でも好ましいのは10オングストロ
ームから200オングストロームの範囲のものである。
また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条件を
考慮して適宜設定される。即ち、素子電極102あるい
は、103と電気的に良好に行うのに必要な条件、微粒
子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の値にするために必
要な条件などである。
【0086】具体的には、数オングストロームから数千
オングストロームの範囲のなかで設定するが、中でも好
ましいのは10オングストロームから500オングスト
ロームの間である。
【0087】また、微粒子膜を形成するのに用いられる
材料としては、例えば、Pd,Pt,Ru,Ag,A
u,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb等の金属や、PdO,SnO2,In
23,PbO,Sb23等の酸化物やHfB2,Zr
2,LaB6,CeB6,YB4,GdB4等の硼化物
や、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WCな
どの炭化物や、TiN,ZrN,HfN等の窒化物や、
Si,Ge等の半導体や、カーボン等が挙げられ、これ
らのなかから適宜選択される。
【0088】以上述べたように、導電性薄膜104を微
粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、1
3から107[Ω/sq]の範囲に含まれるように設定
した。
【0089】なお、導電性薄膜104と素子電極102
および103とは、電気的に良好に接続されるのが望ま
しいため、互いの一部が重なりあうような構造をとって
いる。その重なり方は、図11の例においては、下から
基板、導電性薄膜、素子電極、の順に積層してもさしつ
かえない。
【0090】また、電子放出部105は、導電性薄膜1
04の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気的に
は周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有している。
亀裂は、導電性薄膜104に対して、後述する通電フォ
ーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂内に
は、数オングストロームから数百オングストロームの粒
径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電子放
出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困難な
ため、図10においては模式的に示した。
【0091】また、薄膜106は、炭素もしくは炭素化
合物よりなる薄膜で、電子放出部105およびその近傍
を被覆している。薄膜106は、通常フォーミング処理
後に、後述する通電活性化の処理を行うことにより形成
する。
【0092】薄膜106は、単結晶グラファイト、非晶
質カーボンのいずれか、もしくはその混合物であり、膜
厚は500[オングストローム]以下とするが、300
[オングストローム]以下とするのがさらに好ましい。
なお、実際の薄膜106の位置や形状を精密に図示する
のは困難なため、図10においては模式的に示した。ま
た、図10(a)の平面図においては、薄膜106の一
部を除去した素子を図示した。
【0093】以上、好ましい素子の基本構造を述べた
が、実施態様例の形態においては以下のような素子を用
いた。
【0094】即ち、基板101には青板ガラスを用い、
素子電極102と103にはNi薄膜をもちいた。素子
電極の厚さdは10000オングストローム、電極間隔
Lは2マイクロメータとした。微粒子膜の主要材料とし
てPdもしくはPdOを用い、微粒子膜の厚さは約10
0オングストローム、幅Wは100マイクロメータとし
た。
【0095】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。図10(a)〜(d)
は、表面伝導型放出素子の製造工程を説明するための断
面図であり、図11(e)は、この方法により製造され
た平面型の表面伝導型放出素子の断面図である。
【0096】まず、図11(a)に示すように、基板1
01上に素子電極102および103を形成する。
【0097】本実施の形態の電子放出素子を形成するに
あたっては、予め、基板101を洗剤、純水、有機溶剤
を用いて十分に洗浄後、素子電極の材料を堆積させる
(堆積する方法としては、例えば、蒸着法や、スパッタ
法などの真空成膜技術を用いればよい。)その後、堆積
した電極材料を、フォトリソグラフィー、エッチング技
術を用いてパターニングし、(a)に示した一対の素子
電極(102と103)を形成する。
【0098】次に、同図(b)に示すように、導電性薄
膜104を形成する。形成するにあたっては、まず前記
(a)の基板に有機金属溶液を塗布して乾燥し、加熱焼
成処理をして微粒子膜を成膜した後、フォトリソグラフ
ィー、エッチングにより所定の形状にパターニングす
る。ここで、有機金属溶液とは、導電性薄膜に用いる微
粒子の材料を主要元素とする有機金属化合物の溶液であ
る(具体的には、本実施の形態では主要元素としてPd
を用いた。また、実施の形態では塗布方法として、ディ
ッピング法を用いたが、それ以外の例えばスピナー法や
スプレー法を用いてもよい。) また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成膜方法として
は、本実施の形態で用いた有機金属溶液の塗布による方
法以外の、例えば真空蒸着法や、スパッタ法、あるいは
化学的気相堆積法を用いる場合もある。
【0099】次に、同図(c)に示すようにフォーミン
グ用電源110から素子電極102と103の間に適宜
の電圧を印加し通電フォーミング処理を行って、電子放
出部105を形成する。
【0100】通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作
られた導電性薄膜104に通電を行って、その一部を適
宜に破壊、変形もしくは変質せしめ、電子放出を行うの
に好適な構造に変化させる処理のことである。
【0101】微粒子膜で作られた導電性薄膜のうち電子
放出を行うのに好適に変化した部分(即ち電子放出部1
05)においては、薄膜に適当な亀裂が構成されてい
る。なお、電子放出部105が形成される前と比較する
と、形成された後は素子電極102と103の間で計測
される電気抵抗は大幅に増加する。通電方法をより詳し
く説明するために、図13に、フォーミング用電源11
0から印加する適宜の電圧波形の一例を示す。微粒子膜
で作られた導電性薄膜をフォーミングする場合には、パ
ルス状の電圧が好ましく、本実施の形態の場合には同図
に示したように、パルス幅T1の三角波パルスをパルス
間隔T2で連続的に印加した。その際には、三角波パル
スの波高値Vpfを、順次昇圧した。また、電子放出部
105の形成状況をモニタするためのモニタパルスPm
を適宜の間隔で三角波パルスの間に挿入し、その際に流
れる電流を電流計111で計測した。
【0102】実施の形態においては、例えば10−5T
orr程度の真空雰囲気下において、例えばパルス幅T
1を1ミリ秒、パルス間隔T2を10ミリ秒とし、波高
値Vpfを1パルス毎に0.1Vずつ昇圧した。そし
て、三角波を5パルス印加するたびに1回の割りで、モ
ニタパルスPmを挿入した。フォーミング処理に悪影響
を及ぼすことがないように、モニタパルスの電圧Vpm
は0.1Vに設定した。そして、素子電極102と10
3の間の電気抵抗が1×106 Ωになった段階、即ち
モニタパルス印加時に電流計111で測定される電流が
1×10−7 A以下になった段階で、フォーミング処
理にかかわる通電を終了した。
【0103】なお、上記の方法は、本実施の形態の表面
伝導型放出素子に関する好ましい方法であり、例えば微
粒子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0104】次に、図12(d)に示すように、活性化
用電源112から素子電極102と103の間に適宜の
電圧を印加し、通電活性化処理を行って、電子放出特性
の改善を行う。
【0105】この通電活性化処理とは、前記通電フォー
ミング処理により形成された電子放出部105に適宜の
条件で通電をおこなって、その近傍に炭素もしくは炭素
化合物を堆積せしめる処理のことである(図12におい
ては、炭素もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材1
13として模式的に示した)。なお、このような通電活
性化処理を行うことにより、この活性化処理を行う前と
比較して、同じ印加電圧における放出電流を典型的には
100倍以上に増加させることができる。
【0106】具体的には、10−4ないし10−5To
rrの範囲内の真空雰囲気中で電圧パルスを定期的に印
加することにより、真空雰囲気中に存在する有機化合物
を起源とする炭素もしくは炭素化合物を堆積させる。堆
積物113は、単結晶グラファイト、多結晶グラファイ
ト、非晶質カーボン、のいずれかか、もしくはその化合
物であり、膜厚は500[オングストローム]以下、よ
り好ましくは300[オングストローム]以下である。
【0107】この時の通電方法をより詳しく説明するた
めに、図14の(a)に、活性化用電源112から印加
する適宜の電圧波形の一例を示す。本実施の形態におい
ては、一定電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化
処理を行ったが、具体的には、矩形波の電圧Vacは1
4V、パルス幅T3は、1ミリ秒、パルス間隔T4は1
0ミリ秒などである。なお、上述の通電条件は、本実施
の形態の表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であ
り、表面伝導型放出素子の設計を変更した場合には、そ
れに応じて条件を適宜変更するのが望ましい。図12
(d)に示す114は、該表面伝導型放出素子から放出
される放出電流Ieを補足するためのアノード電極で、
直流高電圧電源115および電流計116が接続されて
いる。なお、基板101を、表示パネルの中に組み込ん
でから活性化処理を行う場合には表示パネルの蛍光面を
アノード電極114として用いる。活性化用電源112
から電圧を印加する間、電流計116で放出電流Ieを
計測して通電活性化処理の進行状況をモニタし、活性化
用電源112の動作を制御する。電流計116で計測さ
れた放出電流Ieの一例を図14(b)に示すが活性化
電源115からパルス電圧を印加し始めると、時間の経
過とともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和して
ほとんど増加しなくなる。このように、放出電流Ieが
ほぼ飽和した時点で活性化用電源115からの電圧印加
を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0108】なお、上述の通電条件は、本実施の形態の
表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て条件を適宜変更するのが望ましい。
【0109】以上のようにして、図12(e)に示す平
面型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0110】以上、平面型表面伝導型放出素子について
素子構成と製法を説明したが、次に本実施の形態の表示
装置に用いた素子の特性について述べる。
【0111】図14は、本実施の形態の表示装置に用い
た素子の(放出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特
性、および(素子電流If)対(素子印加電圧Vf)特
性の典型的な例を示す。なお、放出電流Ieは素子電流
Ifに比べて著しく小さく同一尺度で図示するのが困難
である上、これらの特性は素子の大きさや形状等の設計
パラメータを変更することにより変化するものであるた
め、2本のグラフは各々任意単位で図示した。
【0112】本実施の形態の表示装置に用いた素子は、
放出電流Ieに関して以下に述べる3つの特性を有して
いる。
【0113】第一に、ある電圧(これをしきい値電圧V
thと呼ぶ。)以上の大きさの電圧を素子に印加すると
急激にIeが増加するが、一方、しきい値電圧Vth未
満の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。即
ち、放出電流Ieに関して、明確なしきい値電圧Vth
をもった非線形素子である。
【0114】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0115】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0116】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。例
えば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表示
装置において、第一の特性を利用すれば、表示画面を順
次走査して表示を行うことが可能である。即ち、駆動中
の素子には所望の発光輝度に応じてしきい値電圧Vth
以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子にはしきい
値電圧Vth未満の電圧を印加する。こうして駆動する
電子放出素子を順次切り替えていくことにより、表示画
面を順次走査して表示を行うことが可能である。また、
第二の特性あるいは第三の特性を利用することにより、
発光輝度を制御することができるため、階調表示を行う
ことが可能である。
【0117】次に、上述の表面伝導型放出素子を基板上
に配列して単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム源
の構造について述べる。
【0118】図17は、図8のA−A′に沿った断面形
状を示す断面図で、本実施の形態のディスプレイパネル
10に用いたマルチ電子ビーム源の1つの電子放出素子
の断面形状を示している。
【0119】基板101上には、前述の図12(e)で
示したものと同様な表面伝導型放出素子が配列され、こ
れら各素子は行方向配線13と列方向配線14に接続さ
れ、単純マトリクス状に配置されている。なお、行方向
配線13と列方向配線14の交差する部分には、電極間
に絶縁層(不図示)が形成されており、電気的な絶縁が
保たれている。
【0120】以上のようにして作成した本実施の形態の
電子源の駆動方法を以下に説明する。
【0121】例えば図1に示す構成の表示装置におい
て、駆動回路81(a)により行方向配線13には走査
信号に応じた電圧(Vxとする)を入力し、列方向配線
14には駆動回路81(b)から変調信号に応じた電圧
(Vyとする)を入力し、かつVx>Vyとすることで
列方向配線14に接続された高電位電極33側で、図4
に示すようにビームスポット39の面積が大きくなるの
は前述の通りである。
【0122】
【実施例】(実施例1)本実施例においては、上述の実
施形態に準じて電子源および画像形成装置を作成した。
【0123】なお、マトリクス構成を図7、蛍光体の形
状を図6(b)に対応する図16の様に形成した。
【0124】図3を参照して説明すると、本実施例で
は、素子電極32,33間に印加する電圧(Vf)を1
4V(Vx=−7V,Vy=−7Vとした)とし、素子
基板11とフェースプレート17の内面との距離を4m
m、フェースプレート17に印加する電子の加速電圧V
aを6KVとした時、X方向のビームスポット39の長
さは約600μmであった。図6(a)の従来のストラ
イプ形状の蛍光体と本発明の蛍光体図6(b)蛍光体に
おいて、ビームが望ましい位置に当っているものと、封
着時の位置ずれでX方向に200μmずれたものを示す
が、この図からも明らかであるように、隣の蛍光体にビ
ームの当っている部分が異なる。
【0125】よって、本発明の形状の蛍光体を使用する
ことにより、X方向の位置ずれが起きたことによるビー
ムの色ずれ、輝度の低下ともに従来に比較して少なかっ
た。 (実施例2)図6(c)に本発明の第2実施例の画像形
成装置の蛍光体の平面図を示す。これは、隣接するy方
向ラインでX方向について菱形の1色の蛍光体を半ピッ
チずらし、y方向のピッチを1ピッチとし蛍光体をX方
向に短めの菱形としている例である。なお、第2実施例
における電子源の作成法、画像形成装置の作製法と駆動
法については前述の第1実施例と同様なので省略する。
ただし、電子源の配置は図8に示すようにY方向の配線
を一つずつ飛ばしたところに、x方向について一つずつ
ずらして素子を配置し、蛍光体を図6(d)にに示すも
のを使用した。
【0126】前述の第1実施例と比較して明らかなよう
に第2実施例ではy方向のピッチが短くなっている。
【0127】この第2実施例の蛍光体(画素)の配列に
よれば、Y方向の画素密度を高めて放出電子の利用効率
を高めることもでき、単位面積当りの輝度を高くできる
という前述の第1実施の形態と同様の利点を有するのに
加えて、各色の蛍光体が画面の特定方向に配列されるこ
となく、平面上に分散している。これにより、特に斜め
方向の解像度が向上して画面全体の解像度も均一化でき
る。これにより、グラフィック表示などに適した画像形
成装置が得られた。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
蛍光体の形状を、電子放出される電子の分布特性に応じ
た形状である菱形としたので、電子源基板とフェースプ
レートを封着する際に生じるX方向のずれや、高圧端子
への印加電圧の変化等によるビームの位置ずれにより引
き起こされる色ずれが従来に比べて大幅に減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である画像表示装置の表
示パネルの一部を切り欠いて示した斜視図。
【図2】本発明の形態のディスプレイパネルのフェース
プレートの蛍光体配列を例示した平面図。
【図3】本実施の形態の平面図の表面伝導型電子放出素
子を用いた電子放出実験系の斜視図(A)とその断面図
(B)。
【図4】本実施の形態の平面型の表面伝導型電子放出素
子から放出された電子ビームスポット形状を示す模式
図。
【図5】従来の蛍光面における電子ビームスポットの状
態を示す模式図。
【図6】従来の蛍光体における電子ビームの照射位置と
本発明の蛍光体における電子ビームの照射位置の比較
図。
【図7】電子源の配線例を示す図。
【図8】電子源の他の配線例を示す図。
【図9】本実施の形態のディスプレイパネルを使用した
表示装置の構成を示すブロック図。
【図10】本実施の形態で用いた平面型の表面伝導型電
子放出素子の平面図(a)と、その断面図(b)。
【図11】本実施の形態の平面型の表面伝導型電子放出
素子の製造工程を示す断面図。
【図12】本実施の形態における通電フォーミング処理
の印加電圧波形を示す図。
【図13】本実施の形態における通電活性化処理の際の
印加電圧波形(a)と、放出電流Ieの変化を示す図。
【図14】本実施の形態で用いた表面伝導型放出素子の
典型的な特性を示すグラフ図。
【図15】本発明の第1実施の形態の画像形成装置の蛍
光面の模式図。
【図16】本発明の第2実施の形態の画像形成装置の蛍
光面の模式図。
【図17】図7のA−A′で示したマルチ電子ビーム源
の基板の断面図。
【図18】従来の表面伝導型放出素子の一例を示す図。
【図19】従来のFE型素子の一例を示す断面図。
【図20】従来のMIM型素子の一例を示す図。
【図21】本実施の形態における電子放出素子の配線方
法を説明する等価回路図。
【図22】従来の画像装置の蛍光面の模式図。
【符号の説明】
10 ディスプレイパネル 11 基板 12 冷陰極素子 13 行方向配線 14 列方向配線 15 リアプレート 16 側壁 17 フェースプレート 18 蛍光膜 19 メタルバック 21 蛍光体 22 黒色導電体 30 駆動用電源 32 素子電極(低電位側) 33 素子電極(高電位側) 34 電子放出部 35 ガラス板 36 加速電圧用電源 37 結線用電極 39 電子ビームにより形成されたスポット 41 先端部 42 尾部 43 中心軸 80 マルチ電子源を有するディスプレイパネル 81 駆動回路 82 ディスプレイパネルコントローラ 83 マルチプレクサ 84 デコーダ 85 入出力インターフェース回路 86 CPU 87 画像生成回路 88,89,90 画像メモリインターフェイス回路 91 画像入力インターフェイス回路 92,93 TV信号受信回路 94 入力部 101 基板 102,103 素子電極 104 導電性薄膜 105 電子放出部 106 堆積物 110 フォーミング用電源 111 電流計 112 活性化用電源 113 堆積物 114 アノード電極 115 直流高圧電源 116 電流計 171 基板 174 導電性薄膜 175 電子放出部 181 基板 182 エミッタ配線 183 エミッタコーン 184 絶縁層 185 ゲート電極 191 基板 192 下配線 193 絶縁層 194 上配線 201 模式的な冷陰極素子 202 行方向配線 203 列方向配線 204 模式的な行方向配線の配線抵抗 205 模式的な列方向配線の配線抵抗

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された直線状のギャップを
    持つ対向した一対の素子電極間に電子放出部を有し、前
    記素子電極間に電圧を印加することで電子放出する冷陰
    極型の電子放出素子がマトリクス形状に配置された電子
    源と、複数の前記電子放出素子から放出された電子の画
    像を形成する蛍光体と、黒色の導電体とを有する画像表
    示装置であって、前記蛍光体は前記電子放出素子のそれ
    ぞれに対応して配置され、更に、前記蛍光体は菱形の形
    状を有することを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記蛍光体と黒色導電体を等しい形状で
    配置したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】 前記蛍光体を行ごとに画素の行方向の長
    さの半分ずらして配置したことを特徴とする請求項1記
    載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 蛍光体の平面形状を菱形として、前記蛍
    光体の周辺はブラックストライプを有し、前記菱形の短
    軸方向に前記蛍光体を並べたことを特徴とする蛍光体部
    材。
  5. 【請求項5】 前記菱形の短軸方向にR,G,B各色の
    前記蛍光体が順次並べられ、前記菱形長軸方向について
    隣接する蛍光体と前記菱形の短軸間隔が半ピッチずれて
    いることを特徴とする請求項4記載の蛍光部材。
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WO2005050695A1 (ja) * 2003-11-20 2005-06-02 Kabushiki Kaisha Toshiba 画像表示装置
KR20050077960A (ko) * 2004-01-30 2005-08-04 삼성에스디아이 주식회사 전계 방출 표시장치
US7323814B2 (en) 1999-03-05 2008-01-29 Canon Kabushiki Kaisha Image formation apparatus having fluorescent material and black material

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