JPH11315214A - イオン放出複合材料 - Google Patents

イオン放出複合材料

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JPH11315214A
JPH11315214A JP10356806A JP35680698A JPH11315214A JP H11315214 A JPH11315214 A JP H11315214A JP 10356806 A JP10356806 A JP 10356806A JP 35680698 A JP35680698 A JP 35680698A JP H11315214 A JPH11315214 A JP H11315214A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いイオン放出能、高い機械的強度、および
良好な貯蔵安定性を有する複合材料を提供すること。 【解決手段】 重合可能なモノマーに基づいたイオン放
出複合材料であって、該材料が以下の混合物: (a)少なくとも1つの非酸非イオン性親水性架橋モノ
マー、(b)1Pas以下の粘度を有する、少なくとも
1つの非酸非イオン性親水性希釈モノマー、および
(c)少なくとも1つのイオン放出フィラーを含有する
ことを特徴とする、複合材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1つ以上の非酸非
イオン性親水性架橋モノマー、および1Pas未満の粘
度を有する1つ以上の非酸非イオン性親水性希釈モノマ
ーに基づいたイオン放出複合材料に関しており、本発明
は、特に歯科用材料として適している。
【0002】
【従来の技術】イオン(例えば、フッ化物、カルシウム
イオンまたは水酸化物イオン)を、口腔に放出し得る歯
科用材料は、それらの再石灰化作用、生物活性作用、お
よび抗う食性作用のためにますます興味深い。
【0003】フッ化物の供給源(例えば、特殊なフッ化
クロロヘキシジン化合物)を含有するために齲歯阻害作
用を呈する修復歯科用材料が、例えばU.Salz,P
hillip Journal 14 (1997)
296から公知である。
【0004】イオン放出歯科用材料のさらなる例は、ガ
ラスアイオノマーセメントおよびコンポマー(comp
omer)であり、その有機マトリックスは、少なくと
も一部は、酸モノマー、酸オリゴマー、または酸ポリマ
ーから作製される(A.D.Wilson,J.W.M
cLean,Glasionomer Cement,
Quintessence Publishers,C
hicago 1988;J.Nicholson,
M.Anstice,Trends Polym.Sc
i.2(1994)272;R.Hickel,L.K
remers,C.Haffner,Quintess
enz 47(1996)1581)。
【0005】ガラスアイオノマーセメントは、ポリマー
性有機酸(例えば、ポリ(アクリル酸))、および粉末
の固体塩基(例えば、フッ化カルシウム−アルミニウム
シリケートガラス)に基づいた、水含有二コンポーネン
トセメントである。セメントの硬化は、ポリマー結合C
OOH基とフィラーから生じるカルシウムまたはアルミ
ニウムイオンとの間のイオン反応を介して起こり、その
結果ガラスアイオノマーセメントの成分を混合し得るの
は、使用直前のみである。このことは、手間のかかるこ
とであり、さらに、空気の包含はたいていの場合で不可
避であり、このことは材料の強度に悪影響を及ぼす。そ
れらの弱い曲げ強度のために、ガラスアイオノマーセメ
ントは、咬合耐性充填物には適していない。
【0006】コンポマーという用語は、重合可能酸モノ
マーおよびイオン放出ガラス粒子からなる組成物を意味
すると解釈される。それらは、モノマーマトリックスの
ラジカル重合を介して硬化する、無水単一コンポーネン
ト系である。酸塩基反応は、水が唾液を介して充填物
(filling)に吸収される場合にのみ、わずかな
程度で起こる。この非硬化材料は、湿気感受性であり、
そして例えば、精製または保存の間の制御されない水と
の接触は、材料を使用不可能にする早期硬化につなが
る。コンポマーは、ガラスアイオノマーセメントより大
きな機械的強度を有するが、多くの場合、より少ないイ
オン放出を呈する。
【0007】ガラスアイオノマーセメントとコンポマー
の両方は、材料のマトリックスが、水の吸収を助長す
る、適切な親水性特性を有する場合、一般に高いイオン
放出能を呈する。ガラスアイオノマーセメントの場合、
マトリックスはポリアルケン酸によって形成されるが、
コンポマーの場合、とりわけマトリックスはマトリック
ス材料として使用されるカルボン酸含有モノマーであ
る。しかし、高含水量または高い水吸収は、ポリマーの
機械的特性に不利な効果を有すので、高いイオン放出能
を有しており、同時に高い機械的強度を呈する材料を生
成することは、以前は可能でなかった。
【0008】欧州特許第0 449 399 B1は、
イオン放出フィラーならびに、例えば、エトキシ化ビス
フェノールAのジメタクリレート、疎水性ジメタクリレ
ートと、ウレタンジメタクリレート(2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、および2,2,4−トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアナートを含む)のような、従来
の歯科用モノマーの混合物に基づき、酸モノマーを含有
せず、微量しかイオン放出を呈しない、欠肉材料(un
derfilling materials)として適
切な複合剤を開示する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
イオン放出能および高い機械的強度能を有し、湿性条件
下においてさえも未硬化状態で貯蔵安定性であり、そし
てその機械的特性が、水の添加による硬化後、実質的に
低下しない、複合材料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の複合材料は、重
合可能なモノマーに基づいたイオン放出複合材料であっ
て、該材料が以下の混合物: (a)少なくとも1つの非酸非イオン性親水性架橋モノ
マー、(b)1Pas以下の粘度を有する、少なくとも
1つの非酸非イオン性親水性希釈モノマー、および
(c)少なくとも1つのイオン放出フィラーを含有する
ことを特徴とする。
【0011】1つの実施態様では、前記複合材料が以
下: (a)1〜40重量%の、単数または複数の架橋モノマ
ー; (b)2〜40重量%の、単数または複数の希釈モノマ
ー; (c)30〜94重量%の、イオン放出フィラー; (d)0.01〜5重量%の、ラジカル開始剤、および
必要な場合は他の添加物を含有することを特徴とする。
【0012】1つの実施態様では、前記複合材料が以
下: (a)10〜30重量%の、1つ以上の架橋モノマー; (b)2〜30重量%の、1つ以上の希釈モノマー;お
よび/または (c)0.1〜2.0重量%の、開始剤を含有すること
を特徴とする。
【0013】1つの実施態様では、前記複合材料が以
下: (a)15〜25重量%の、1つ以上の架橋モノマー;
および/または (b)5〜20重量%の、1つ以上の希釈モノマーを含
有することを特徴とする。
【0014】1つの実施態様では、前記複合材料が、3
0〜60重量%の(セメント)または60〜94重量%
の(充填複合)フィラーを含有することを特徴とする。
【0015】1つの実施態様では、前記単数または複数
の架橋モノマーおよび/または希釈モノマーが、ウレタ
ンおよび/またはOH基を含有することを特徴とする。
【0016】1つの実施態様では、前記複合材料が架橋
モノマーとして、2,2−ビス−4−(3−メタクリル
オキシ−2−ヒドロキシプロピル)−フェニルプロパ
ン)(ビス−GMA)、7,7,9−トリメチル−4,
13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジア
ザヘキサ−デカン−1,16−ジイル−ジメタクリレー
ト(UDMA)、ビスフェノールとグリシジルメタクリ
レートの反応生成物、および/または1molのジイソ
シアナートと、2molの2−ヒドロオキシエチルメタ
クリレート(HEMA)もしくは2molの2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレートとの反応生成物を含
有することを特徴とする。
【0017】1つの実施態様では、前記複合材料が、希
釈モノマーとしてグリセロールジメタクリレート(GD
MA)、(メタ)アクリル酸と低粘度ジおよびトリエポ
キシドとの反応生成物、ならびに/またはグリセロール
トリグリシジルエーテルまたはトリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテルと2または3molのメタクリ
ル酸との反応生成物を含有することを特徴とする。
【0018】1つの実施態様では、前記架橋モノマーお
よび/または希釈モノマーが、重合化可能な基として、
メタクリル基および/またはアクリル基を含有すること
を特徴とする。
【0019】1つの実施態様では、前記複合材料が、開
始剤として、アゾビス−(イソブチロニトリル)、アゾ
ビス(4−シアノ吉草酸)、過酸化ジベンゾイル、過酸
化ジラウロイル、ターシャリーブチルパーオクトエー
ト、ターシャリーブチルパーベンゾエート、ジ−(ター
シャリーブチル)−パーオキシド、ベンズピナコール、
2,2’−ジ(C1−C8−アルキル)ベンズピナコー
ル、ベンゾインエーテル、ジアルキルベンジルケター
ル、ジアルコキシアセト−フェノン、アシルホスフィン
オキシド(acylphosphinic oxid
e)、9,10−フェナントレンキノン、ジアセチル、
フリル、アニシル、4,4’−ジクロロベンジル、4,
4’−ジアルコキシベンジル、および/またはショウノ
ウキノンを含有することを特徴とする。
【0020】1つの実施態様では、前記複合材料が、イ
オン放出フィラーとして、Ca2+、F-、および/また
はOH-イオンを放出するフィラーを含有することを特
徴とする。
【0021】1つの実施態様では、前記複合材料が、フ
ィラーとして、0.05〜15μmの平均粒子サイズを
有するフルオロアルミニウムシリケートガラスのガラス
粉末を含有することを特徴とする。
【0022】1つの実施態様では、前記複合材料が、ア
ルカリ性フィラーを含有することを特徴とする。
【0023】1つの実施態様では、前記複合材料が、フ
ィラーとして、水酸化カルシウム、酸化カルシウムおよ
び/または水酸化カルシウム放出ガラス粉末を含有する
ことを特徴とする。
【0024】1つの実施態様では、前記複合材料が、少
なくとも20重量%のCaO含有量を有するガラス粉末
を含有することを特徴とする。
【0025】1つの実施態様では、前記ガラス粉末が、
24.0〜56.0重量%のSiO 2、26.0〜5
7.0重量%のCaO、および4.0〜14.0重量%
のFを含有することを特徴とする。
【0026】別の局面において、本発明は、上記のそれ
ぞれの複合材料の、歯科用材料としての使用に関する。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明は、重合可能なモノマーに
基づいたイオン放出複合材料に関する。前記の材料は、
それが、1つ以上の非酸非イオン性親水性架橋モノマ
ー、1Pas以下の粘度を有する1つ以上の非酸非イオ
ン性親水性希釈モノマー、および少なくとも1個のイオ
ン放出フィラーを含有することを特徴とする。前記の材
料は、特に歯科用材料としての使用に適している。
【0028】前記の目的は、以下の混合物を含有するこ
とを特徴とする、重合可能モノマーに基づいた複合材料
によって達成される: (a)少なくとも1つの非酸非イオン性親水性架橋モノ
マー、(b)1Pas未満の粘度を有する、少なくとも
1つの非酸非イオン性親水性希釈モノマー、および
(c)少なくとも1つのイオン放出フィラー。
【0029】架橋モノマーという用語は、モノマー分子
ごとに少なくとも2個、好ましくは2〜4個の重合可能
な基を含有するモノマーを意味すると解釈される。
【0030】モノマーは親水性である、すなわち、それ
らはフィラーとの親水性相互作用が可能である。モノマ
ーは、1つ以上、好ましくは1〜2個のウレタンおよび
/またはOH基、好ましくはOH基を含有するものが好
まれる。また、これらの基は、イオン輸送またはイオン
放出を促進することが見出された。
【0031】非酸化合物は、強酸性基(例えば、カルボ
キシル基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、
またはスルホン酸基)を全く有さず、そしてまた、好ま
しくは弱酸基(例えば、フェノール性OH基もしくはS
H基)、またはCH酸基(例えば、β−ジケトン基もし
くはβ−ジケトエステル基)を全く有さない、モノマー
を意味すると解釈される。
【0032】非イオン性モノマーは、本発明の意味の範
囲内では、イオン性基(例えば、カチオン性アンモニウ
ム、またはスルホニウム基、または上記の強酸基のアニ
オン性酸残基を全く含有しないモノマーである。
【0033】好ましい架橋モノマーは、2,2−ビス−
4−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)−フェニルプロパン)(ビス−GMA)、すなわち
グリシジルメタクリレートとビスフェノール−Aの反応
生成物(OH基を含有する)、ならびに7,7,9−ト
リメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−
5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイル−ジ
メタクリレート(UDMA)、すなわち2molの2−
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)および1
molの2,2,4−トリメチルヘキサ−メチレンジイ
ソシアネートを含むウレタンジメタクリレート(ウレタ
ン基を含有する)である。また、架橋モノマーとして好
ましくは、グリシジルメタクリレートと他のビスフェノ
ール(例えば、ビスフェノール−B(2,2’−ビス−
(4−ヒドロキシ−フェニル)−ブタン)、ビスフェノ
ール−F(2,2’−メチレンジフェニル)、または
4,4’−ジヒドロキシジフェニル)との反応生成物、
および2molのHEMAもしくは2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)−アクリレートと、好ましくは1molの
公知のジイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、もし
くはトルイレンジイソシアネート)との反応生成物であ
る。
【0034】希釈モノマーという用語は、1Pas未
満、好ましくは100mPas未満の粘度を有し、一般
的に高い粘度の架橋モノマーを希釈するのに適してお
り、従って高いフィラー量を有する複合剤の生成を可能
にするモノマーを意味すると解釈される。粘度のデータ
は、温度23℃に関する。粘度は、DIN 53018
に従って、プレートまたは回転粘度計によって測定され
る。
【0035】希釈モノマーは同様に、少なくとも2個、
好ましくは2〜3個の重合可能な基、および少なくとも
1個、好ましくは1〜2個のOH基および/またはウレ
タン基、好ましくはOH基を含有する。これらは、非イ
オン性および非酸化合物である。
【0036】特に好ましい希釈モノマーは、グリセロー
ルジメタクリレート(GDMA)である。他の好ましい
希釈モノマーは、低粘度ジエポキシドまたはトリエポキ
シド(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセロールトリグリシジルエーテル、またはトリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテル)と(メ
タ)アクリル酸の反応によって生成され得る。さらにま
た、好ましくは、2molまたは3molのメタクリル
酸と、グリセロールトリグリシジルエーテルまたはトリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテルとの反応生
成物である。用語「低粘度」は、200mPas未満、
好ましくは100mPas未満(23℃)の粘度を有す
る物質を意味すると解釈される。
【0037】重合可能な好ましい基は、架橋モノマーと
希釈モノマーの両方の場合において、メタクリル基およ
び/またはアクリル基、特にメタクリル基である。
【0038】複合材料を生成するために、架橋モノマー
および希釈モノマーは、フィラー、ラジカル重合のため
の開始剤、および必要な場合は他の補助剤と混合され
る。単一コンポーネント複合材料、すなわち必要な成分
をすべて含有する複合材料が好ましい。
【0039】本発明に記載の複合材料は、好ましくは以
下の組成を有する: (a)1〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量
%、およびさらに特に好ましくは15〜25重量%の架
橋モノマー; (b)2〜40重量%、特に好ましくは2〜30重量
%、およびさらに特に好ましくは5〜20重量%の希釈
モノマー; (c)30.0〜94.0重量%のフィラー; (d)0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜
2.0重量%のラジカル重合のための開始剤、および必
要な場合は他の添加物。
【0040】フィラー量は、複合材料の意図される用途
に大きく依存し、そして硬化性セメント(securi
ng cement)の場合、好ましくは30〜60重
量%、特に好ましくは40〜60重量%、および充填複
合剤の場合は、60〜94重量%、好ましくは70〜8
5重量%である。
【0041】複合材料は、好ましくは、少なくとも5重
量%、特に好ましくは少なくとも10重量%のヒドロキ
シル基含有モノマー、すなわちモノマー1分子ごとに少
なくとも1つのヒドロキシル基を含有するモノマーを含
む。
【0042】未硬化材料は、硬化材料の貯蔵安定性また
は機械的特性の低下なしに、1.0重量%までの水を含
み得る。このことは、歯科医または歯科技工士による材
料の生産および加工の両方を非常に容易化する。
【0043】本発明に記載の材料は、好ましくは、最大
で2重量%の単官能モノマー、すなわち重合可能な不飽
和基を1つだけ有するモノマー(例えば、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート)を含有する。
【0044】低温(cold)硬化、熱(hot)硬
化、および光硬化用の公知の開始剤は、ラジカル重合の
ための開始剤として適している。適切な開始剤が、例え
ば、the Encyclopedia of Pol
ymer Science and Engineer
ing,第13巻,Wiley−Intersci.P
ub.,New Yorkなど,1988,754頁以
下参照に記載される。
【0045】好ましい開始剤は、アゾ化合物、例えば、
アゾビス−(イソブチロニトリル)(AIBN)、ある
いはアゾビス(4−シアノ吉草酸)、または過酸化物、
例えば、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウロイル、タ
ーシャリーブチルパーオクトエート、ターシャリーブチ
ルパーベンゾエイト、または過酸化ジ−(ターシャリー
ブチル)である。
【0046】ベンズピナコールおよび2,2’−ジ(C
1−C8−アルキル)ベンズピナコールは、熱硬化用の開
始剤として特に適している。
【0047】UVまたは可視領域用の適切な光開始剤
は、J.P.Fouassier,J.F.Rabek
(Pub.),Radiation Curing i
n Polymer Science and Tec
hnology,第II巻,Elsevier App
lied Science,London and N
ew York 1993,155〜237頁に記載さ
れる。好ましい光開始剤は、ベンゾインエーテル、ジア
ルキルベンジルケタール、ジアルコキシアセトフェノ
ン、アシルホスホン酸オキシド、α−ジケトン(例え
ば、10−フェナントレンキノン)、ジアセチル、フリ
ル、アニシル、4,4’−ジクロロベンジル、および
4,4’−ジアルコキシベンジル、ならびにショウノウ
キノンである。
【0048】過酸化ジベンゾイル、ショウノウキノン、
およびアシルホスフィンオキシド(acylphosp
hinic oxide)は、歯科用材料の生成にとっ
て、好ましい。
【0049】フィラーとして適切なものは、グラスアイ
オノマーセメントの生成に公知のすべてのイオン放出フ
ィラーである。Ca2+、F-、および/またはOH-イオ
ン放出フィラー(例えば、上記の刊行物またはDE 3
9 41 629およびUS−A−4,814,362
に記載される)が好ましい。
【0050】特に好ましいフィラーは、0.05〜15
μm、好ましくは0.5〜5.0μmの平均粒子サイズ
を有するフッ素アルミニウムシリケートガラスのガラス
粉末であり、それらは主要成分として酸化シリコン、酸
化アルミニウム、および酸化カルシウムを含有する
(A.D.Wilson,J.W.McLean,Gl
asionomerzement,Quintesse
nce VerlagsGmbH,Berlin 19
88,21頁以下参照のこと)。
【0051】好ましいガラスは、25〜45重量%のS
iO2、15〜40重量%のAl2 3、0〜10重量%
のAlF3、0〜30重量%のCaO、0〜10重量%
のNa 2O、0〜15重量%のCaF2、0〜15重量%
のNaF、および0〜25重量%のAlPO4を融解す
ることによって得られる。
【0052】特に好ましいガラスは、以下の組成を含有
する:25重量%のSiO2、16.2重量%のAl2
3、8.8重量%のAlF3、12.8重量%のNaF、
13重量%のCaF2、および24.2重量%のAlP
4
【0053】水酸化カルシウムまたはフッ化カルシウム
を放出する歯科用材料は、歯科内で証明された。水酸化
カルシウムまたはフッ化カルシウムの制御された流出に
より、第二象牙質の形成が促進され、そして歯髄に対す
るアルカリ化作用が達成され、そのことは酸攻撃および
細菌攻撃に対して歯髄を保護する。
【0054】しかし、アルカリ性イオンを放出するフィ
ラーは、酸性モノマーと適合性が良くなく、かつマトリ
ックスの自発的な硬化を引き起こす。そのため、水酸化
カルシウムを放出する単一コンポーネント複合剤は、非
酸モノマーが使用される場合、安定性でないか、または
微量しかイオンの放出を示さないかのいずれかである。
【0055】本発明に従って使用されるモノマーは、全
く酸基を含まず、そしてそのためアルカリ性フィラーに
問題なく結合し得る。それらは、水酸化カルシウムを放
出し、そして高いイオン放出能を有する、単一コンポー
ネント複合剤の初めての生成を可能にする。
【0056】アルカリ性フィラーという用語は、水との
組み合わせでアルカリ反応を呈するアルカリ性成分(例
えば、CaO、Ca(OH)2、Na2O)を有するフィ
ラーを意味すると解釈される。
【0057】好ましいアルカリ性フィラーは、水酸化カ
ルシウム、酸化カルシウム、および特に水酸化カルシウ
ム放出ガラス、すなわち多い酸化カルシウムを有するガ
ラスである。
【0058】少なくとも20重量%、好ましくは40〜
75重量%、および特に45〜60重量%の量のCaO
を有するガラスが、好ましい。
【0059】多い酸化カルシウム含有量を有する好まし
いガラス粉末は、欧州特許第0 449 399 B1
号に記載され、そして40〜75重量%、好ましくは4
5〜60重量%の酸化カルシウム、5〜30重量%、好
ましくは15〜28重量%の酸化ホウ素、および5〜3
5重量%、好ましくは10〜30重量%の二酸化シリコ
ンを含有する。ガラス粉末の平均粒子サイズ(重量平
均)は、1〜100μmの間、好ましくは10〜30μ
mの間である。
【0060】さらに好ましくは、高カルシウムおよびフ
ッ化物イオン放出を有する透明なガラスであり、これ
は、以下の成分を含む: 成分 重量% SiO2 24.0から56.0 CaO 26.0から57.0 F 4.0から14.0。
【0061】本発明に従って使用される透明ガラスは、
好ましくは、さらに以下の成分の少なくとも1つを含む 成分 重量% Na2O 1.0から9.0 B23 1.0から14.0 MgO 1.0から14.0 SrO 1.0から12.0 ZnO 1.0から7.0 Al23 0.5から5.0 ZrO2 0.5から4.0。
【0062】好ましい量範囲が、透明ガラスの個々の成
分について存在する。これらがお互いに独立に選択され
得、そして以下のようである 成分 重量% SiO2 30.0から54.0、特に、36.0から54.0 CaO 32.0から50.0 F 5.0から12.0 Na2O 1.0から8.0 B23 1.0から12.0 MgO 1.0から10.0 SrO 1.0から10.0 ZnO 1.0から5.0 Al23 0.5から4.0 ZrO2 0.5から4.0。
【0063】お互いに独立に選択され得る透明ガラスの
成分の特に好ましい量範囲は、以下のようである 成分 重量% SiO2 45.0から54.0 CaO 35.0から50.0 F 6.0から12.0 Na2O 4.0から7.0 B23 1.0から12.0 MgO 1.0から10.0 SrO 1.0から10.0 ZnO 1.0から5.0 Al23 0.5から4.0 ZrO2 0.5から4.0 上記ならびに以下の記載および請求の範囲において提供
される透明フッ化物含有ガラス成分の全ての量は、以下
のように得られた値として理解されるべきである:酸化
物の量は、X線蛍光分析による対応するカチオン(すな
わち、Si、Ca、Na、B、Mg、Sr、Zn、およ
びAl)の定量決定および得られた値を対応する酸化物
の量へ変換することにより確かめられた。従って、カチ
オンのレベルは、対応する酸化物のレベルを推定するた
めの基礎として貢献する。これとは対照的に、F-の量
は、ガラスがナトリウム−カリウム(soda−pot
ash)溶解を受けた後に、フッ化物イオンに対し選択
的な電極により直接測定される。
【0064】透明ガラスの高いF含量の結果として、ガ
ラス中に、著しい程度のフッ化物(例えば、CaF2
が形成する。従って、計算されるガラスの酸化物含量お
よびそれゆえの絶対酸素含量は非常に高く、そして成分
の合計は100%を越える。それゆえ、100%を越え
る部分は、いわゆる「フッ素等価酸素」として示され
る。これは、慣例としてフッ化物を含む珪酸塩ガラスに
ついてであり、そして例えば、J. Lange「Ro
hstoffe der Glasindustri
e」, Deutscher Verlag fr G
rundstoffindustrie, Leipz
ig, Stuttgart(1993)221−22
3頁に詳細に記載される。
【0065】当該のガラスの融解の挙動を改善するため
に、フラックスとして少量のフッ化物を添加すること
は、ガラス工業において一般的な慣習である。しかし、
これらのガラスの全体構造は、これらのほんの一部のフ
ッ化物により実質的に変化しない。
【0066】これとは対照的に、少なくとも4.0重量
%の高フッ素部分は、本発明に従って用いられる透明ガ
ラス内に取り込まれ、これは、フッ素がないかまたはほ
んの少量のフッ素含量を有する対応するフラックスの使
用による結果としてガラスと比較してガラスの基本構造
を実質的に変化する。ガラスのSiO44面体ネットワ
ーク構造の顕著な崩壊は、この高フッ素含量および他の
ネットワーク変換イオン(例えば、Ca2+またはN
+)の同時の取り込みのために生じる。もはや古典的
なネットワーク理論により説明され得ないガラス構造を
形成する。ガラス構造は、「反転(inverted)
ガラス構造」と呼ばれる新らしいガラス構造に近接す
る。用語、反転ガラスは、50モル%より少ないネット
ワーク形成材料を有するガラスの意味で解釈される。
【0067】変化した構造の結果として、とりわけ変化
するガラスの屈折率、およびガラスからのカルシウムイ
オンの同時の放出を伴うフッ素イオンの驚くほどの放出
はまた、可能である。複合材料が歯科の分野において用
いられる場合、従って所望のアルカリ作用は、唾液中の
炭酸塩とともにカルシウムイオンおよびフッ素イオンを
介してのそれらの既知の再石灰化作用により口腔内に引
き起こされ得る。カルシウムイオンはまた、その再石灰
化プロセスを促進する。
【0068】さらに、ガラスの高フッ素含量は、1.6
0より下、および好ましくは1.56より下の値への屈
折率の顕著な減少を引き起こす。重合可能なモノマーの
硬化を介して形成する複合体の有機マトリックスは、非
常に類似した屈折率を有し、この理由で、複合材料全体
は、同様に半透明かまたは透明でさえあり得る。これ
は、当然、複合材料が可視的な歯科修復の生成のために
使用されるべきである場合、特定の利点であり、それは
半透明な天然の歯科材料に対し同様な光学的特性を自然
に有するべきである。
【0069】本発明に従って使用される透明ガラスを生
成するために、適切な原材料、とりわけ酸化物、炭酸
塩、およびフッ化物が混合され、そして特に1000℃
から1600℃の温度で溶融され、ガラスを形成する。
次に、形成するガラス溶融物は、水中へ注がれることに
よって急冷される。次に、得られた透明ガラスフリット
は粉砕および乾燥され、次に重合可能なモノマーと合わ
せられ、本発明に従う重合可能な複合材料を生じ得る。
【0070】ガラスは、通例で粉末として使用され、そ
の粒子の平均サイズは、粒子の数に関して、通例は1か
ら100μmであり、そして好ましくは10から30μ
mである。
【0071】上記のイオン放出フィラーは、他のフィラ
ーと組合せられ得る。イオン放出フィラーの比率は、少
なくとも5重量%、好ましくは15〜70重量%であ
る。
【0072】さらなるフィラー成分として特に適したも
のは、0.005〜2.0μm、好ましくは0.1〜1
μmの平均粒子サイズを有するSiO2、ZrO2、およ
び/またはTiO2(例えば、DE−PS 32 47
800に開示される)、ミクロ微細フィラー(例え
ば、焼成(pyrogenic)シリカまたは沈降シリ
カ)、およびマクロまたはミニフィラー(例えば、0.
01〜20μm、好ましくは0.5〜5μmの平均粒子
サイズを有する石英、ガラスセラミック、またはガラス
粉末)、およびX線不透明フィラー(例えば、フッ化イ
ッテルビウム)由来の混合酸化物に基づいた非結晶球状
材料である。ミニフィラーという用語は、0.5〜1.
5μmの粒子サイズを有するフィラーを意味するととら
れ、そしてマクロフィラーという用語は10〜20μm
の粒子サイズを有するフィラーを意味すると解釈され
る。
【0073】さらに、本発明に従った組成物は、必要な
場合、さらなる補助添加剤、特に安定剤、UV吸収剤、
染料、色素、および/またはスリップ剤を含み得る。安
定剤という用語は、尚早の重合を防ぎ、従ってとりわけ
モノマー混合物および複合剤の貯蔵中の安定性を、硬化
された材料の特性のどんな低下もなしに増加させる、そ
れらの物質を意味すると解釈される。好ましい安定剤
は、ヒドロキノンモノ−メチルエーテル(MEHQ)お
よび2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェ
ノール(BHT)である。
【0074】驚くべきことに、上記の架橋剤および希釈
モノマーの同時使用を介して、高いイオン放出能を有す
る組成物が得られ得、これは湿気条件下でさえ、未硬化
状態で貯蔵安定であり、その機械的特性が水の添加によ
って有意に悪化されないことがわかった。本発明に従っ
たモノマー混合物は、アルカリ性フィラーに関する問題
なく、単一コンポーネント複合剤を生成する処理をされ
得る。
【0075】本発明はさらに、以下の実施態様を参照し
て説明される。
【0076】
【実施例】(実施例1〜5)親水性複合剤の製造のため
の出発材料として、表1で与える組成を有するモノマー
混合物を生成し、次いで処理して表2に示す単一コンポ
ーネント複合剤ペーストを得た。
【0077】
【表1】 モノマー混合物の組成 モノマー 混合物(重量%) 1 2*) 3 4*)*) ビス−GMA1)39.0 42.0 42.0 42.0 42.0 UDMA2) 30.0 37.1 27.8 27.8 27.8 GDMA3) 30.0 −−− 29.4 −−− −−− TEGDMA4) −−− 20.1 −−− 29.4 −−− HEMA5) −−− −−− −−− −−− 29.4 開始剤/添加剤6)1.0 0.8 0.8 0.8 0.8*) 比較例1) ビスフェノール−A−グリシジルメタクリレート(Esschem)2) 7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3、14−ジオキサ−5,1 2−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイル−ジメタクリレート(Ivocla r)3) グリセロールジメタクリレート(Rohm)4) トリエチレングリコールジメタクリレート(Esschem)5) 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(Rohm)6) 開始剤:ショウノウキノン;促進剤:N−(2−シアノエチル)−N−メチル アニリン;阻害剤:ヒドロキノンモノメチルエーテル。
【0078】
【表2】
【0079】1)表1に列挙したモノマー混合物を使用し
た。複合剤1は、モノマー混合物1に基づいている、な
ど。2) 47.4重量%のSiO2、39.8重量%のCa
O、8.4重量%のNa2O、7.6重量%のFを有す
るシラン処理したアルカリ性ガラス。3) シラン処理したガラスアイオノマーフッ素カルシウム
アルミニウムシリケートガラス(平均粒子サイズ1.6
μm)4) フッ化イッテルビウム(Rhone−Poulen
c)5) シラン処理熱分解シリカ(Degussa)(一次粒
子サイズ40nm、BET表面積50m2/g)6) シラン処理SiO2−ZrO2混合酸化物(Tokoy
ama Soda)(二次粒子サイズ7μm未満)7) 高分散沈降シリカ(Wacker)8) シラン処理バリウムアルミニウムシリケートガラス粉
末(Schott)、粒子サイズ7μm未満の比率:9
9% 試験片を、ISO標準4049(1988)に従って複
合剤ペーストから形成し、400−500nm(2×3
分)の波長の光で照射することにより硬化し、次いでそ
れらの機械的特性を決定した。
【0080】フッ化物放出能を確立するために、硬化し
た試験片(直径=20mm、H=1.5mm)を、撹拌
器中、30mlの緩衝溶液中、37℃で保存し、そして
放出されたフッ化物の量を、特定の間隔後、フッ素電極
(fluor−electrode)を使用して測定し
た。
【0081】表3に要約した結果は、酸またはイオン性
モノマー成分を含まない親水性複合剤1が、Compo
glass(登録商標)(COOH酸モノマーに基づい
た商用の従来のコンポマー(フィラー:SP−2034
およびYbF3))よりも、約10倍多くのフッ素イオ
ンを28日内で放出した。従って、複合剤1のフッ化イ
オン放出は、ガラスアイオノマーセメント(例えば、V
ivaglass(登録商標)(ポリアクリル酸に基づ
いたガラスアイオノマーセメント、フィラー:SP−2
034およびYbF3)の放出と同程度である。
【0082】しかし、複合剤1は、コンポマーおよびガ
ラスアイオノマーセメントが呈するよりも、かなり良好
な機械的特性および高い耐水性を呈する。6日間の水中
での保存後の24時間の沸騰でさえ、その機械的特性を
ほとんど低下させない。
【0083】未硬化複合剤1は、湿気条件下(90%の
大気湿度)で8週間の試験期間にわたって貯蔵安定性で
あった。
【0084】疎水性TEGDMA(複合剤2)は、SP
−2034の代わりに、明らかにSP−2034よりも
多いフッ化物放出を呈する、より大きな比率のアルカリ
性ガラスを含有したが、複合剤1中の親水性GDMAを
疎水性TEGDMA(複合剤2)に置換する場合、明ら
かにより少ないフッ化物放出が測定される。
【0085】複合剤3は、イオン放出フィラーとしてS
P−2034のみを含有する。そのフッ化物放出は、C
ompoglass(登録商標)のそれと同程度である
が、Compoglass(登録商標)と違って、複合
剤3は、湿気条件下でさえ未硬化状態で貯蔵安定性であ
る。
【0086】複合剤4において、GDMAをTEGDM
Aに置換した。複合剤1および2の場合と同様に、この
置換はフッ化物放出の明らかな減少を引き起こす。
【0087】複合剤5において、親水性だが多官能性の
HEMAを、GDMAの代わりに使用した。複合剤5
は、明らかに、複合剤4より多いフッ化物の放出を呈す
るが、その機械的特性は、水の添加後は、不十分であ
る。
【0088】
【表3】
【0089】1)酸性モノマーに基づいたコンポマー(フ
ィラー SP−2034、シラン処理(Vivaden
t))2) ポリアクリル酸に基づいたガラスアイオノマーセメン
ト(フィラー SP−2034(Vivadent))3) 表中に示す時間後に、ISO標準4049(198
8)に従って決定した。4) 28日後の累積フッ化物放出(μg/cm25) 37℃、乳酸緩衝液中で測定した。6) 37℃、トリス緩衝液中で測定した。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、高いイオン放出能およ
び高い機械的強度能を有し、湿性条件下においてさえも
未硬化状態で貯蔵安定性であり、そしてその機械的特性
が、水の添加による硬化後、実質的に低下しない、複合
材料が提供される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/40 C08K 3/40 C08L 33/14 C08L 33/14 (72)発明者 ウーリッヒ ザルツ ドイツ国 88131 リンダウ グステウト ヴェーグ 55 (72)発明者 アンドレ ラムホルスト リヒテンシュタイン公国 エフエル−9490 ヴァドウッツ イム ゲートリ 6 (72)発明者 クルト グラブヘル オーストリア国 エイ−6800 フェルトキ ルヒ ランナシュトラーセ 31 (72)発明者 ウルス カール フィッシャー スイス国 シーエイチ−9320 アルボン ベルクリシュトラーセ 23 (72)発明者 ノルベルト モスツナー リヒテンシュタイン公国 エフエル−9492 エッシェン シャフハウザーシュトラー セ 43シー

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合可能なモノマーに基づいたイオン放
    出複合材料であって、該材料が以下の混合物: (a)少なくとも1つの非酸非イオン性親水性架橋モノ
    マー、(b)1Pas以下の粘度を有する、少なくとも
    1つの非酸非イオン性親水性希釈モノマー、および
    (c)少なくとも1つのイオン放出フィラーを含有する
    ことを特徴とする、複合材料。
  2. 【請求項2】 前記複合材料が以下: (a)1〜40重量%の、単数または複数の架橋モノマ
    ー; (b)2〜40重量%の、単数または複数の希釈モノマ
    ー; (c)30〜94重量%の、イオン放出フィラー; (d)0.01〜5重量%の、ラジカル開始剤、および
    必要な場合は他の添加物を含有することを特徴とする、
    請求項1に記載の複合材料。
  3. 【請求項3】 前記複合材料が以下: (a)10〜30重量%の、1つ以上の架橋モノマー; (b)2〜30重量%の、1つ以上の希釈モノマー;お
    よび/または (c)0.1〜2.0重量%の、開始剤を含有すること
    を特徴とする、請求項2に記載の複合材料。
  4. 【請求項4】 前記複合材料が以下: (a)15〜25重量%の、1つ以上の架橋モノマー;
    および/または (b)5〜20重量%の、1つ以上の希釈モノマーを含
    有することを特徴とする、請求項3に記載の複合材料。
  5. 【請求項5】 前記複合材料が、30〜60重量%の
    (セメント)または60〜94重量%の(充填複合)フ
    ィラーを含有することを特徴とする、請求項1から請求
    項4の内の1項に記載の複合材料。
  6. 【請求項6】 前記単数または複数の架橋モノマーおよ
    び/または希釈モノマーが、ウレタンおよび/またはO
    H基を含有することを特徴とする、請求項1から請求項
    5の内の1項に記載の複合材料。
  7. 【請求項7】 前記複合材料が架橋モノマーとして、
    2,2−ビス−4−(3−メタクリルオキシ−2−ヒド
    ロキシプロピル)−フェニルプロパン)(ビス−GM
    A)、7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−
    3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサ−デカン
    −1,16−ジイル−ジメタクリレート(UDMA)、
    ビスフェノールとグリシジルメタクリレートの反応生成
    物、および/または1molのジイソシアナートと、2
    molの2−ヒドロオキシエチルメタクリレート(HE
    MA)もしくは2molの2−ヒドロキシプロピル(メ
    タ)アクリレートとの反応生成物を含有することを特徴
    とする、請求項6に記載の複合材料。
  8. 【請求項8】 前記複合材料が、希釈モノマーとしてグ
    リセロールジメタクリレート(GDMA)、(メタ)ア
    クリル酸と低粘度ジおよびトリエポキシドとの反応生成
    物、ならびに/またはグリセロールトリグリシジルエー
    テルまたはトリメチロールプロパントリグリシジルエー
    テルと2または3molのメタクリル酸との反応生成物
    を含有することを特徴とする、請求項1から請求項7の
    内の任意の1項に記載の複合材料。
  9. 【請求項9】 前記架橋モノマーおよび/または希釈モ
    ノマーが、重合化可能な基として、メタクリル基および
    /またはアクリル基を含有することを特徴とする、請求
    項1から請求項8の内の1項に記載の複合材料。
  10. 【請求項10】 前記複合材料が、開始剤として、アゾ
    ビス−(イソブチロニトリル)、アゾビス(4−シアノ
    吉草酸)、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウロイル、
    ターシャリーブチルパーオクトエート、ターシャリーブ
    チルパーベンゾエート、ジ−(ターシャリーブチル)−
    パーオキシド、ベンズピナコール、2,2’−ジ(C1
    −C8−アルキル)ベンズピナコール、ベンゾインエー
    テル、ジアルキルベンジルケタール、ジアルコキシアセ
    ト−フェノン、アシルホスフィンオキシド(acylp
    hosphinic oxide)、9,10−フェナ
    ントレンキノン、ジアセチル、フリル、アニシル、4,
    4’−ジクロロベンジル、4,4’−ジアルコキシベン
    ジル、および/またはショウノウキノンを含有すること
    を特徴とする、請求項1から請求項9の内の1項に記載
    の複合材料。
  11. 【請求項11】 前記複合材料が、イオン放出フィラー
    として、Ca2+、F -、および/またはOH-イオンを放
    出するフィラーを含有することを特徴とする、請求項1
    から請求項10の内の1項に記載の複合材料。
  12. 【請求項12】 前記複合材料が、フィラーとして、
    0.05〜15μmの平均粒子サイズを有するフルオロ
    アルミニウムシリケートガラスのガラス粉末を含有する
    ことを特徴とする、請求項11に記載の複合材料。
  13. 【請求項13】 前記複合材料が、アルカリ性フィラー
    を含有することを特徴とする、請求項1から請求項12
    の内の1項に記載の複合材料。
  14. 【請求項14】 前記複合材料が、フィラーとして、水
    酸化カルシウム、酸化カルシウムおよび/または水酸化
    カルシウム放出ガラス粉末を含有することを特徴とす
    る、請求項13に記載の複合材料。
  15. 【請求項15】 前記複合材料が、少なくとも20重量
    %のCaO含有量を有するガラス粉末を含有することを
    特徴とする、請求項14に記載の複合材料。
  16. 【請求項16】 前記ガラス粉末が、24.0〜56.
    0重量%のSiO2、26.0〜57.0重量%のCa
    O、および4.0〜14.0重量%のFを含有すること
    を特徴とする、請求項15に記載の複合材料。
  17. 【請求項17】 請求項1から請求項16の内の1項に
    記載の前記複合材料の、歯科用材料としての使用。
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