JPH11314354A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH11314354A
JPH11314354A JP13924898A JP13924898A JPH11314354A JP H11314354 A JPH11314354 A JP H11314354A JP 13924898 A JP13924898 A JP 13924898A JP 13924898 A JP13924898 A JP 13924898A JP H11314354 A JPH11314354 A JP H11314354A
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ink
processing liquid
weight
recording
image forming
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JP13924898A
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Shinichi Sato
真一 佐藤
Mikifumi Ogasawara
幹史 小笠原
Katsuhiko Takahashi
勝彦 高橋
Shinya Mishina
伸也 三品
Eriko Ono
絵里子 小野
Yutaka Kurabayashi
豊 倉林
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Canon Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/54Inks based on two liquids, one liquid being the ink, the other liquid being a reaction solution, a fixer or a treatment solution for the ink

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  • Ink Jet (AREA)
  • Record Information Processing For Printing (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 文字品位および定着性に優れた画像を得るこ
とができる画像形成方法を提供する。 【解決手段】 記録媒体上の画像形成領域に第1の処理
液を付着する工程(A)、色材として第1の処理液と極
性の異なる水溶性染料または顔料を含有するインクを記
録媒体上にインクジェット記録方式によって画像を形成
する工程(B)、画像形成領域に第1の処理液と同じ極
性の第2の処理液を付着する工程(C)を含む画像形成
方法であって、(A)、(B)、(C)の順で工程を行
う画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成方法に関
し、特に被記録材上に高速に高品位の画像を得ることが
できるインクジェット記録方法による画像形成方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方法は、低騒
音、低ランニングコスト、装置が小型化しやすい、カラ
ー化が容易である等からプリンタや複写機等に利用され
ている。しかしながら、インクジェット記録方法を応用
したこれらの記録装置により、所謂普通紙と呼ばれる被
記録材上に画像を得る場合、画像の耐水性が不十分であ
ったり、また、カラー画像を得る場合には、フェザリン
グの生じない高濃度の画像と色間のにじみの生じない画
像とを両立させることができず、良好な画像堅牢性で、
かつ良好な品位のカラー画像が得られていなかった。
【0003】画像の耐水性を向上させる方法としてイン
ク中に含まれる色材に耐水性を持たせたインクも近年で
は実用化されてきている。しかしながら、その耐水性は
まだまだ不十分であるとともに、原理的に乾燥後、水に
溶解しにくいインクであるために、記録ヘッドのノズル
詰まりが生じやすく、これを防止するために装置構成が
複雑になってしまう欠点があった。
【0004】また、従来より被記録物の堅牢性を向上さ
せる技術が多数開示されている。例えば、特開昭53−
24486号公報では、染色物の湿潤堅牢度を増進させ
るために、染色物を後処理することで染料をレーキ化し
固着させる技術が開示されている。
【0005】特開昭54−43733号公報ではインク
ジェット記録方式を用いて、相互に接触すると常温また
は加熱時に被膜形成能が増大する2以上の成分を用いて
記録する方法が開示されており、被記録媒体上で各成分
が接触することで強固に密着した被膜を形成した印刷物
を得ている。特開昭55−150396号公報でも水性
染料インクをインクジェット記録後に、染料とレーキを
形成する耐水化剤を付与する方法が開示されている。
【0006】特開昭58−128862号公報では、記
録すべき画像位置をあらかじめ識別し、記録インクと処
理液とを重ねて記録するインクジェット記録方法が開示
されており、記録インクに先立って処理液で描いたり、
先に描かれた記録インク上に処理液を重ねたり、先に描
かれた処理液上に記録インクを重ね、さらに処理液を重
ねて描いたりする方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに染料をレーキ化して耐水性を発現させるようなシス
テムの場合、どうしても様々な記録媒体、記録環境下に
おいて良好なインク定着性を可能にさせることは難し
く、未だ完全ではない。そこで本発明は様々な記録媒体
や、環境下でも文字品位および定着性に優れた画像を得
ることができる画像形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、記録媒
体上の画像形成領域に第1の処理液を付着する工程
(A)、色材として第1の処理液と極性の異なる水溶性
染料または顔料を含有するインクを記録媒体上にインク
ジェット記録方式によって画像を形成する工程(B)、
画像形成領域に第1の処理液と同じ極性の第2の処理液
を付着する工程(C)を含む画像形成方法であって、
(A)、(B)、(C)の順で工程を行うことを特徴と
する画像形成方法である。
【0009】本発明においては、前記複数の処理液の浸
透性が異なっていることが好ましい。前記第1の処理液
より第2の処理液の方が浸透性が高いことが好ましい。
【0010】画像形成領域の最外郭の一部に処理液を吐
出させない領域を設けることが好ましい。処理液を吐出
させない領域が、画像形成領域の最外郭から5画素分内
側の間であることが好ましい。処理液を吐出させない領
域が、画像形成領域の最外郭から2画素分内側の間であ
ることが好ましい。処理液を吐出させない領域を設ける
ために吐出させない処理液が、第2の処理液である請こ
とが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成方法は、記録媒
体上の画像形成領域に第1の処理液を付着する工程
(A)、色材として第1の処理液と極性の異なる水溶性
染料または顔料を含有するインクを記録媒体上にインク
ジェット記録方式によって画像を形成する工程(B)、
画像形成領域に第1の処理液と同じ極性の第2の処理液
を付着する工程(C)を含む画像形成方法であって、
(A)、(B)、(C)の順で工程を行うことを特徴と
する。
【0012】本発明によれば、様々な記録媒体上に高品
質かつ耐水性に優れた画像を得ることが可能となる。こ
れは、まず第1の処理液と記録用インクとの反応によっ
て色材を記録媒体の表面にトラップしておいて、次に第
2の処理液によって反応物を記録媒体の表面からわずか
に紙の内部に沈める。この時、第1の処理液によってイ
ンクは既に増粘、色材のサイズアップが起こっているた
め、紙のより内部への浸透は起こらず、表面付近で定着
を完了する。
【0013】まず、本発明で使用する処理液について説
明する。処理液は、 1.記録画像の耐水性を向上させる 2.記録画像の印字品位を向上させる さらに、カラー記録においては 3.記録画像の異なる色間の異色境界にじみを低減させ
る 機能を持つものであれば制限はないが、画像を記録する
インク中の色材の極性と異なる極性を持つ化合物が必須
である。
【0014】まず、色材がアニオン性の場合について述
べる。この場合には、処理液はカチオン性物質を用い
る。処理液中のカチオン性物質は、分子中にカチオン性
基を持つものであれば、特に制限はないが、その中でも
分子中に一つのカチオン性基を持つ化合物よりは複数の
カチオン性基を持つ化合物が好ましい。それらを併用す
ると特に効果が大きい場合がある。
【0015】分子中に一つのカチオン性基を持つ化合物
としては、1級、2級ないし3級アミンの塩の化合物、
具体的にはラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルア
ミン、ロジンアミン等の塩酸塩;第4級アンモニウム型
の化合物、具体的には、セチルトリメチルアンモニウム
クロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化
ベンザルコニウム等;あるpH領域においてカチオン性
を示す両性界面活性剤、具体的にはアミノ酸型両性界面
活性剤、ベタイン型化合物等を等電点以下に調整したも
のが挙げられるが、もちろんこれらに限定されるもので
はない。そして、これらの化合物の中でも、特に第4級
アンモニウム型化合物が好適である。
【0016】複数のカチオン性基を有する化合物として
は、分子中にアミノ基を複数有する化合物が好適であ
る。具体的な化合物としては、まずカチオン性のオリゴ
マー、ポリマーが挙げられる。具体的なモノマーユニッ
トとしては、ビニルアミン、アリルアミン、ビニルピリ
ジン、ビニルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノア
クリルアミド、エチレンイミン、2−オキサゾリン等が
挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではな
い。
【0017】また、前述のようなカチオン性のモノマー
ユニットの単独重合体だけでなく、非イオン性モノマー
ユニットとの共重合体、非イオン性オリゴマー、ポリマ
ーの一部を高分子化したものでも問題ない。
【0018】そして、これらの化合物の中でも、特にエ
チレンイミンをユニットとしたオリゴマー、アリルアミ
ンをユニットとしたオリゴマー、ポリマーが好適であ
る。これらのカチオン性化合物は処理液中に1〜10重
量%、好ましくは1〜5重量%の範囲で用いる。
【0019】さらに本発明において、その効果を最大限
に発揮させるためには、複数の処理液の浸透性を異なら
せておくことが望ましく、画像を記録するインクの記録
後に使用する処理液の浸透性を画像を記録するインクの
前に使用する処理液の浸透性をより早くしておくとさら
に好ましい。
【0020】浸透性の評価は、例えば、マイクロシリン
ジを使用して、1マイクロリットルを紙に滴下して、イ
ンク滴が紙中にどのくらいの時間で浸透するかを測定す
ればよい。好適にはゼロックスコピー用紙を使用したと
き第1の処理液の浸透時間が120秒以上で、第2の処
理液の浸透時間が20秒以内程度である。
【0021】本発明における画像を記録するインクに
は、アニオン性のインクが用いられる。インクに含有さ
れるアニオン性の色材は水溶性染料やアニオン分散型の
顔料が挙げられる。
【0022】本発明で使用されるインクには、さらにこ
れに水、水溶性有機溶媒、及びその他の成分、例えば粘
度調整剤、pH調整剤、防かび剤、中性、アニオン性の
界面活性剤、酸化防止剤等が必要に応じて含まれる。
【0023】本発明で使用されるアニオン性基を有する
水溶性染料としては、カラーインデックス(COLOU
R INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、
直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。また、
カラーインデックスに記載のない染料であっても、アニ
オン性基、例えばスルホン基およびカルボキシル基等を
有するものであれば特に制限はない。ここでいう水溶性
染料の中には、溶解度のpH依存性があるものも当然に
含まれる。これらの染料はインク中に1〜10重量%、
好ましくは1〜5重量%の範囲で用いる。
【0024】次に顔料について説明する。本発明でイン
クの色材に用いられる顔料は、インク全重量に対して、
重量比で1〜20重量%、好ましくは2〜1.2重量%
の範囲で用いられる。
【0025】本発明で使用される顔料の具体的な例とし
ては、黒色のインクに使用されるものとしてはカーボン
ブラックが挙げられるが、例えば、ファーネス法、チャ
ネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒
子径が15〜40mμ、BET法による比表面積が50
〜300m2 /g、DBP吸油量が40〜150m1/
100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等
の特性を有するものが好ましく用いられる。この様な特
性を有する市販品としては、例えば、No.2300、
No.900、MCF88、No.33、No.40、
No.45、No.52、MA7、MA8、No.22
00B(以上三菱化成製)、RAVENl255(以上
コロンビア製)、REGAL 400R、REGAL
330R、REGAL 660R、MOGUL L(以
上キャボット製)、ColorBlack FWl、C
OLOR Black FWl8、Color Bla
ck Sl70、Color Black Sl50、
Printex 35、Printex U(以上デグ
ッサ製)等があり、いずれも好ましく使用することが出
来る。
【0026】又、イエローインクに使用される顔料とし
ては、例えば、C.I.Pigment Yellow
l、C.I.Pigment Yellow 2、
C.I.Pigment Yellow 3、C.I.
Pigment Yellowl3、C.I.Pigm
ent Yellow l6、C.I.Pigment
Yellow 83等が挙げられ、
【0027】マゼンタインクに使用される顔料として
は、例えば、C.I.PigmentRed 5、C.
I.Pigment Red 7、C.I.Pigme
ntRed l2、C.I.Pigment Red
48(Ca)、C.I.Pigment Red 48
(Mn)、C.I.Pigment Red 57(C
a)、C.I.Pigment Red ll2、C.
I.PigmentRed l22等が挙げられ、
【0028】シアンインクに使用される顔料としては、
例えば、C.I.PigmentBlue l、C.
I.Pigment Blue 2、C.I.Pigm
ent Blue 3、C.I.Pigment Bl
ue l5:3、C.I.Plgment Blue
l6、C.I.Pigment Blue 22、C.
I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue
6等が挙げられるが、これらに限られるものではな
い。又、以上の他、本発明の為に新たに製造された顔料
も勿論、使用することが可能である。
【0029】又、顔料を使用する場合に、顔料をインク
中に含有させる分散剤としては、水溶性樹脂であればど
の様なものでも使用することが出来るが、重量平均分子
量が1,000〜30,000の範囲のものが好まし
く、更には、3,000〜15,000の範囲のものが
好ましく使用される。この様な分散剤として、具体的に
は、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビ
ニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カル
ボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、ア
クリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタ
コン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘
導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミ
ド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上
の単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)か
らなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、グ
ラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或い
は、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ま
しく使用することが出来る。これらの樹脂は、塩基を溶
解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂であ
る。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹
脂は、インク全重量に対して0.1〜5重量%の範囲で
含有させるのが好ましい。
【0030】特に、上記した様な顔料が含有されている
インクの場合には、インク全体が中性又はアルカリ性に
調整されていることが好ましい。この様なものとすれ
ば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を
向上させ、長期保存性に一層優れたインクとすることが
出来るので好ましい。但し、この場合、アルカリ性が強
過ぎるとインクジェット記録装置に使われている種々の
部材の腐食の原因となる場合があるので、好ましくは、
インクのpHを7〜10のpH範囲とするのが望まし
い。
【0031】この際に使用されるpH調整剤としては、
例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等
の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機
アルカリ剤、各種有機酸や鉱酸等が挙げられる。上記し
た様な顔料及び分散剤である水溶性樹脂は、インクをこ
の様なpHに調整することによって水性液媒体中に十分
に分散又は溶解されてインクが形成される。
【0032】次に、色材がカチオン性の場合について述
べる。
【0033】この場合には、処理液はアニオン性物質を
用いる。処理液中のアニオン性物質は、分子中にアニオ
ン性基を持つものであれば、特に制限はないが、その中
でも分子中に一つのアニオン性基を持つ化合物よりは複
数のアニオン性基を持つ化合物が好ましい。それらを併
用すると特に効果が大きい場合がある。
【0034】分子中に一つのアニオン性基を持つ化合物
としては、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スル
ホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールア
ミドエステル二ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキ
ルスルホコハク酸二ナトリウム、カルボキシル化ポリオ
キシエチレンラウリルエーテルナトリウム塩、カルボキ
シル化ポリオキシエチレントリデシルエーテルナトリウ
ム塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリ
ウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエ
タノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫
酸トリエタノールアミン等が挙げられるがこれらに限定
されるわけではない。
【0035】複数のアニオン性基を持つ化合物として
は、アニオン性のオリゴマー、ポリマーが挙げられる。
本発明に使用されるアニオン性オリゴマー、ポリマーを
形成するためのモノマーユニットとしては、スチレン誘
導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不
飽和カルボン酸、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレ
イン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘
導体、フマール酸、フマール酸誘導等の単量体が挙げら
れる。
【0036】上記単量体のうち1つまたはそれ以上の単
量体から成るアニオン性オリゴマーが具体例として挙げ
られるが、これらに限定されない。更に、本発明で使用
することのできるアニオン性オリゴマーは、アニオン性
のペンダント基を有するモノマーユニットとの共重合体
であっても構わない。
【0037】次に、本発明における画像を記録するイン
クには、アニオン性のインクが用いられる。本発明で使
用するカチオン性基を含有する水溶性染料としては、例
えば、下記に挙げるものがあるが、これらに限定される
わけではない。
【0038】C.I.ベーシックブラック 2、8 Aizen Cathi1on Black SBH、
BXH、SH、ACH、MH、TH(保土ケ谷化学製) Sumiacryl Black B、R、AP、B
P、CP、FFP(住友化学製) Diacryl Supra Black GSL、R
SL、ESL(三菱化学製) C.I.ベーシックイエロー 1、11、13、19、
25、33、36 C.I.ベーシックレッド 1、2、9、12、13、
38、39、92 C.I.ベーシックブルー 1、3、5、9、19、2
4、25、26、28 、45、54、65
【0039】次に、カチオン性の顔料について述べる。
本発明で使用されるカチオン性の顔料分散剤としては、
下記に説明するカチオン性モノマーを重合したポリマー
が好適に使用できる。本発明で用いられるカチオン性モ
ノマーとしては、下記モノマーの4級化された化合物で
ある。
【0040】N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート:CH2 =C(CH3 )−CONH−CH2 CH2
N(CH32 N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート:CH2
CH−CONH−CH2 CH2 N(CH32 N,N−ジメチルアミノアクリルアミド:CH2 =CH
−CON(CH32 N,N−ジメチルアミノメタアクリルアミド:CH2
C(CH3 )−CON(CH32 N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド:CH
2 =CH−CONH−C36 N(CH32 N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド:C
2 =C(CH3 )−CONH−C36 N(CH3
2 などである。
【0041】4級化するには、塩化メチル、ジメチル硫
酸、ベンジルクロライド、エピクロルヒドリン等を用い
て常法で行えばよい。
【0042】本発明の水溶性樹脂に用いられる疎水性モ
ノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエンなどのスチレン類、及び(メタ)アクリル酸
アルキルエステル類である。
【0043】(メタ)アクリル酸アルキルエステルとし
てはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メ夕)アクリレート、イソプロピ
ル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレ
ート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert
−ブチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレ
ート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、1,3
−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、ベンチル(メ
タ)アクリレート、3−ペンチル(メタ)アクリレー
ト、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)ア
クリレー卜、2−エトキシエチルアクリレート、3−エ
トキシプロピルアクリレート、2−エ卜キシブチルアク
リレート、3−エトキシブチルアクリレート、ジメチル
アミノエチルアクリレート等が挙げられる。ハーフエス
テル化に用いられるアルコール成分としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等が挙げられる。任意に
用いられるモノマーとしては、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド等が挙げられる。
【0044】カチオン性モノマーと疎水性モノマーの共
重合体の中の重量比率は、15:85から40:60の
範囲である。これらの樹脂は、水に可溶あるいは酸性に
調製された水溶液に可溶である。尚、前記水溶性樹脂は
インク全量に対して0.1から5重量%の範囲で含有さ
れる事が好ましい。
【0045】本発明で使用するインクに含有される顔料
の量は重量比で1〜20重量%、好ましくは、2〜12
重量%の範囲で用いる事が好ましい。本発明で使用する
顔料は上記性能を満足するものならばどのようなもので
も使用可能である。顔料は前述したものであれば使用す
ることが可能である。
【0046】また、本発明におけるpH調整剤として
は、水溶液中で酸性を示すものならどんなものでもよい
が、例えば、塩酸、酢酸及びカルボキシル基を有する化
合物、炭酸、硫酸及びスルホン基を有する化合物、硝
酸、リン酸化合物、亜硫酸、亜硝酸等が挙げられる。水
溶液中で酸性を示すものならば、これらに限定されるも
のではない。以上のごとき、顔料及び水溶性樹脂は水溶
性媒体中に分散または溶解される。
【0047】次に処理液、画像記録インクの記録媒体へ
の付与方法について説明する。本発明においては、画像
形成領域の最外郭の一部に処理液を吐出させない領域を
設けることが好ましい。簡略な図を使用して具体的に説
明する。図8は画像形成領域の最外郭2画素に処理液を
付与させない画像の一部を示す説明図である。〇+●で
示した領域が画像形成領域であり、第1の処理液を付与
させる領域である。〇で示したのが第2の処理液を付与
させる領域である。図に示したように、第2の処理液は
画像形成領域の最外郭2画素分記録が行われていない。
【0048】本発明では画像形成領域の最外郭の一部に
処理液を吐出させない領域を設けられれば問題はない
が、好ましくは、処理液を吐出させない領域が、画像形
成領域の最外郭から5画素分内側に付与させるようにす
る。さらに好ましくは、最外郭から2画素分内側に付与
させるようにする。5画素より大きくしても2画素より
も小さくしても最外郭の一部に処理液を吐出させない領
域を設ける効果が十分には発揮されないからである。
【0049】さらに本発明においては処理液を吐出させ
ない領域を設ける処理液が、画像記録用のインクの後に
記録を行う第2の処理液であることが好ましい。浸透性
の第2の処理液はにじみが大きいために、画像領域の比
較的外側にまで効果を及ぼすことができるからである。
【0050】本発明においては処理液それぞれの単位面
積当たりのインク付与量は、画像記録用インクの単位面
積当たりのインク付与量より少なくさせることが可能で
ある。少なくさせる量としては、画像記録用インクのそ
れに対し、25%〜75%であるのが好ましい。第1、
第2の処理液についてそれぞれどのように少なくさせる
かについては、システムについて最適になるようにすれ
ばよい。一例として、インク吐出量が処理液、画像記録
インク共に等しいとき、処理液それぞれを画像記録イン
クの50%にした場合を図9に示す。図9において、〇
は処理液画素であり、〇+●は画像記録領域である。
【0051】この様に処理液の1画素当たりのインク付
与量や処理液を付与する画素数を減らすことによって、
十分な効果を保ったまま、処理液の消費、記録媒体への
過度のインクの付着を抑制するという点で好ましいから
である。
【0052】次いで、本発明に好適な、熱エネルギーに
より液滴を発生させる記録装置について説明する。その
装置の主要部である記録ヘッドの構成例を図1、図2及
び図3に示す。
【0053】ヘッド13はインクを通す溝14を有する
ガラス、セラミック又はプラスチック板等と、感熱記録
に用いられる発熱抵抗体を有する発熱ヘッド15(図で
はヘッドが示されているが、これに限定されるものでは
ない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シ
リコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極1
7−1及び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗
体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い基板
20より成っている。
【0054】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2迄来ており、不図示の圧力によりメニスカス23を形
成している。
【0055】今、電極17−1、17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記録材
25に向かって飛翔する。
【0056】図3には図1に示したノズルを多数並べた
マルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ
溝26を有するガラス板27と、図1に説明したものと
同様な発熱ヘッド28を密着して製作される。
【0057】尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド1
3の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面で
ある。図4に、かかるヘッドを組み込んだインクジェッ
ト記録装置の1例を示す。図4において、61はワイピ
ング部材としてのブレードであり、その一端はブレード
保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバ
ーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによる記録
領域に隣接した位置に配設される。
【0058】又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中
に突出した形態で保持される。62はキャップであり、
ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、
記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面
と当接し、キャッピングを行う構成を具備する。更に6
3はブレード61に隣接して配設されるインク吸収体で
あり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に
突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャッ
プ62、インク吸収体63によって吐出回復部64が構
成され、ブレード61及びインク吸収体63によってイ
ンク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0059】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッドであり、66はこの記録ヘ
ッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキ
ャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動
可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によ
って駆動されるベルト69と接続(不図示)している。
これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿って移動
が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその
隣接した領域の移動が可能となる。
【0060】51は被記録材を挿入する為の給入部であ
り、52は不図示のモータにより駆動される送りローラ
である。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と
対向する位置へ被記録材が給送され、記録が進行するに
つれて排出ローラ53を配した排出部へ排出される。
【0061】上記の構成において、記録ヘッド65が記
録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部6
4のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避
しているが、ブレード61は移動経路中に突出してい
る。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピング
される。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に
当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録
ヘッドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0062】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は、上記したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても、記録ヘッド65の
吐出口面はワイピングされる。
【0063】上記の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0064】図5は、ヘッドにインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供
給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋
であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめ
る。44は廃インクを受容するインク吸収体である。イ
ンク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフフ
ィン、特にポリエチレンで形成されているのが本発明に
とって好ましい。
【0065】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジと
が別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが
一体となったものにも好適に用いられる。
【0066】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース又
はポリビニルアセテートを用いることが本発明にとって
好ましい。
【0067】72は、記録ユニット内部を大気に連通さ
せる為の大気連通口である。この記録ユニット70は、
図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであっ
て、キャリッジ66に対し着脱自在になっている。
【0068】尚、本発明に使用する記録装置において、
上記ではインクに熱エネルギーを作用させてインク液滴
を吐出するインクジェット記録装置を例に挙げたが、本
発明は、そのほかに圧電素子を使用するピエゾ方式など
その他のインクジェット記録装置でも同様に利用でき
る。
【0069】また、本発明の記録方法を実施する場合に
は、例えば、前記図3に示した記録ヘッドを5つキャリ
ッジ66上に並べた記録装置を使用する。図7はその一
例である。81、82、83、84、85はそれぞれイ
エローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラッ
クインク及び、処理液を吐出するための記録ヘッドであ
る。処理液を吐出させるヘッド85としては上述したイ
ンク用ヘッドが使用できる。該記録ヘッドは前記した記
録装置に配置され、記録信号に応じて、各色の記録イン
クおよび処理液を吐出する。
【0070】本発明の画像形成方法は、紙や布、革、不
織布、OHP用紙等の被記録材を用いる機器すべてに適
用可能である。具体的な適用機器としては、プリンタ、
複写機、ファクシミリ等の事務機器等を挙げることがで
きる。
【0071】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0072】実施例1 下記成分を混合し、十分に撹拌した後、孔径0.22μ
mのフロロポアフィルター(住友電気工業(株)製:商
品名)で加圧ろ過し、各インクを得た。使用したインク
と処理液の組成は以下の通りである。
【0073】 Bkインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% C.I.フードブラック2 3.0重量% 水 78.0重量%
【0074】 第1の処理液 ポリエチレンイミン塩酸塩 1.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% 水 89.0重量% 浸透性は、マイクロシリンジによる定着性テストで12
0秒以上(コピー用紙(ゼロックス紙)である。
【0075】 第2の処理液 ポリエチレンイミン塩酸塩 6.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量% 水 81.0重量% 浸透性は、マイクロシリンジによる定着性テストで20
秒以内(コピー用紙(ゼロックス紙)である。
【0076】以上のインク及び処理液を用いて、評価を
行った。インクを記録ヘッド内のインクに熱エネルギー
を与えて液滴を発生させ記録を行うインクジェットプリ
ンター(解像度は360dpi)に充填し、市販のコピ
ー用紙、ボンド紙、再生紙に記録を行った。
【0077】ヘツドのユニットの構成は、第1の処理液
チップとBk(ブラック)インクチップと第2の処理液
チツプとからなり、図10のように主走査方向に並んで
いる。それぞれのノズル数は64であり、各チップのノ
ズル列は矢印X方向に対しほぼ直交するように配置され
ている。
【0078】各ノズルのピッチは約70μmであり、3
60dpiの解像度で一度の主走査で64ノズル分のバ
ンドを記録できる。インクの吐出量はブラック(Bk)
インク80pl、処理液40plであり、第1の処理
液、ブラックインク、第2の処理液の順に記録が行われ
る。
【0079】比較例1 使用したインクと処理液の組成は以下の通りである。ヘ
ッドのユニットの構成は、処理液チップとブラックイン
クチップとからなり、実施例1と同様に、インクの吐出
量はブラックインク80pl、処理液40plであり、
比較例1の時は処理液A、ブラックインクの順に、比較
例2の時はブラックインク、処理液Bの順に記録が行わ
れる。
【0080】 Bkインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% C.I.フードブラック2 3.0重量% 水 78.0重量%
【0081】 処理液A ポリエチレンイミン塩酸塩 5.0重量% ジエチレングリコール l0.0重量% 水 85.0重量% 浸透性は、マイクロシリンジによる定着性テストで12
0秒以上(コピー用紙(ゼロックス紙)である。
【0082】比較例2 使用したインクと処理液の組成は以下の通りである。 Bkインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% C.I.フードブラック2 3.0重量% 水 78.0重量%
【0083】 処理液B ポリエチレンイミン塩酸塩 6.0重量% ジエチレングリコール l0.0重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量% 水 81.0重量% 浸透性は、マイクロシリンジによる定着性テストで20
秒以下(コピー用紙(ゼロックス紙)である。
【0084】評価した結果を下記の表1に示す。 評価項目 (1)文字品位 英数文字を印字し、室内で12時間自然乾燥させた後の
印字品位を評価した。 ◎:すべての紙でフェザリングがほとんどない ○:一部の紙でフェザリングややあるが実用上問題ない △:一部の紙でフェザリング目立ち実用上問題ある ×:フェザリングが目立ち、実用上問題がある
【0085】(2)定着性 英数文字及びベタ部を記録し、別の白紙をその自重で記
録画像の上に重ね、紙の裏側に記録した画像の転写がな
くなり地汚れが発生しなくなるまでの時間を、記録の終
了時を時間ゼロとして、これを基準に測定し、定着性の
尺度とした。評価は以下の基準とした。 ○:全ての紙で定着性20秒未満 △:一部に紙で定着性20秒以上のものがあり、やや気
になる ×:ほとんどの紙で定着性20秒以上で、問題がある
【0086】
【表1】
【0087】実施例2 以下の処理液の組み合わせで実施例1と同様の試験を行
った。結果を下記の表2に示す。なお、ブラックインク
は実施例1と同様のものを使用した。
【0088】 第1の処理液 ポリアリルアミン酢酸塩 1.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% 水 89.0重量% 浸透性は、マイクロシリンジによる定着性テストで12
0秒以上(コピー用紙(ゼロックス紙)である。
【0089】 第2の処理液 ポリアリルアミン酢酸塩 4.0重量% ジエチレングリコール l0.0重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量% 水 83.0重量% 浸透性は、マイクロシリンジによる定着性テストで20
秒以下(コピー用紙(ゼロックス紙)である。
【0090】なお、ポリアリルアミンについては、機能
材料Vol.5,29(1986)に記載の方法によっ
て合成を行った。
【0091】実施例3 以下の処理液の組み合わせで実施例1と同様の試験を行
った。結果を下記の表2に示す。なお、ブラックインク
は実施例1と同様のものを使用した。
【0092】 第1の処理液 塩化ベンザルコニウム 1.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% 水 89.0重量% 浸透性は、マイクロシリンジによる定着性テストで12
0秒程度(コピー用紙(ゼロックス紙)である。
【0093】 第2の処理液 ポリアリルアミン酢酸塩 4.0重量% ジエチレングリコール l0.0重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量% 水 83.0重量% 浸透性は、マイクロシリンジによる定着性テストで20
秒以下(コピー用紙(ゼロックス紙)である。
【0094】
【表2】
【0095】実施例4 実施例1と同様の処理液を使用し、実施例1と同様の試
験を行った。本実施例ではBk顔料インクとして下記の
ものを使用した。
【0096】Bk顔料インク アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量600
0、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム)
を分散材として用い、以下に示す材料をバッチ式縦型サ
ンドミル(アイメックス社製)に仕込み、lmm径のガ
ラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ、3時
間分散処理を行つた。分散後の粘度は9mN/m、pH
は10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗
大粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブ
ラック分散体を作製した。
【0097】 (顔料インク(カーボンブラック分散体)の組成) P−1水溶液(固形分20%) 40部 カーボンブラック Mogul L(キャブラック製) 12部 グリセリン 15部 エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 イソプロピルアルコール 3部 水 135部
【0098】次に、上記で得られた分散体を十分に撹拌
して、顔料が合有されたインクジェット用のBk顔料イ
ンクを得た。最終調整物の固形分は、約5.8%であっ
た。結果を下記の表3に示す。
【0099】
【表3】
【0100】実施例5〜8 インクは実施例1と同様のものを使用して、下記のよう
に記録を行った。
【0101】 第1の処理液 第2の処理液 実施例5 50%に間引く 50%に間引く 実施例6 50%に間引く 75%に間引く 実施例7 25%に間引く 最外郭2画素分記録しない 実施例8 50%に間引く 最外郭5画素分記録しない
【0102】結果は実施例1と同様である。ただし、ル
ーペなどで観察すると、実施例5〜8は実施例1よりも
わずかであるが印字品位の向上が認められ、定着性も若
干向上が認められた。特に実施例7、8はその効果が顕
著であった。
【0103】実施例9 画像を記録するインクをカチオン性に、処理液をアニオ
ン性にし、実施例1と同様の記録を行った。使用したイ
ンクは次の通りである。
【0104】 Bkインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% カヤセルブラックCN(日本化薬社製) 3.0重量% 水 78.0重量%
【0105】 第1の処理液 スチレン−マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体 (酸価200、分子量12000) 1重量% アミノメチルプロパノール 0.5重量% ジエチレングリコール 5重量% 水 93.5重量%
【0106】 第2の処理液 スチレン−マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体 (酸価200、分子量12000) 3重量% アミノメチルプロパノール 1.5重量% ジエチレングリコール 5重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量% 水 87.5重量% 結果を下記の表4に示す。
【0107】
【表4】
【0108】実施例10 イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、Bk
の4色と処理液2種類によって、カラー記録を行った。
Bkインクは実施例1と同様のインクを使用し、Y、
M、Cインクは下記組成のものを使用した。
【0109】 Yインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% C.I.ダイレクトイエロー142 2.0重量% 水 79.0重量%
【0110】 Mインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% C.I.アシッドレッド289 2.5重量% 水 78.5重量%
【0111】 Cインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% C.I.ダイレクトブルー199 2.5重量% 水 78.5重量%
【0112】 第1の処理液 ポリアリルアミン酢酸塩 3.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% 水 87.0重量%
【0113】 第2の処理液 ポリアリルアミン酢酸塩 4.0重量% ジエチレングリコール l0.0重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量% 水 83.0重量%
【0114】ヘッドのユニット構成は、図11に示すよ
うに、第1の処理液チップとBkチップとCチップとM
チップとYチップと第2の処理液チップとからなってい
る。それぞれのノズル数は64であり、各チップのノズ
ル列は矢印X方向に対しほぼ直交するように配置されて
いる。
【0115】各ノズルのピッチは約70μmであり、3
60dpiの解像度で一度の主走査で64ノズル分のバ
ンドを記録できる。吐出量はそれぞれ処理液40pl、
Bk80pl、C:40pl、M:40pl、Y:40
plである。このヘッドを使用して異なる色が隣接する
ようなパターンを印字し、境界での色の混じり(ブリー
ディング)を観察したところ、境界部のエッジはシャー
プであり、ブリーディングは観察されなかった。
【0116】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の画像形成方
法によれば、様々な記録媒体や、環境下でも文字品位お
よび定着性に優れた画像を得ることができる効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図3】インクジェット記録装置のヘッド部の外観斜視
図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【図7】複数の記録ヘッドが配列した記録部を示した斜
視図である。
【図8】画像形成領域の最外郭2画素に処理液を付与さ
せない画像の一部を示す説明図である。
【図9】処理液をインクの画素数の50%に付与した場
合の模式図である。
【図10】実施例1で使用したヘッドのユニット構成を
示す説明図である。
【図11】実施例10で使用したヘッドのユニット構成
を示す説明図である。
【符号の説明】
13 ヘッド 14 インク溝 15、28 発熱ヘッド 16 保護膜 17−1、17−2 アルミニウム電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 吐出オリフィス(微細孔) 23 メニスカス 24 記録小滴 25 被記録材 26 マルチ溝 27 ガラス板 28 発熱ヘッド 40 インク収容部 42 栓 44 インク吸収体 45 インクカートリッジ 51 給入部 52 送りローラ 53 排出ローラ 61 ブレード 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 70 記録ユニット 71 ヘッド部 72 大気連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三品 伸也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小野 絵里子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 倉林 豊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体上の画像形成領域に第1の処理
    液を付着する工程(A)、色材として第1の処理液と極
    性の異なる水溶性染料または顔料を含有するインクを記
    録媒体上にインクジェット記録方式によって画像を形成
    する工程(B)、画像形成領域に第1の処理液と同じ極
    性の第2の処理液を付着する工程(C)を含む画像形成
    方法であって、(A)、(B)、(C)の順で工程を行
    うことを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の処理液の浸透性が異なってい
    ることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の処理液より第2の処理液の方
    が浸透性が高い請求項1または2に記載の画像形成方
    法。
  4. 【請求項4】 画像形成領域の最外郭の一部に処理液を
    吐出させない領域を設ける請求項1に記載の画像形成方
    法。
  5. 【請求項5】 処理液を吐出させない領域が、画像形成
    領域の最外郭から5画素分内側の間である請求項4に記
    載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 処理液を吐出させない領域が、画像形成
    領域の最外郭から2画素分内側の間である請求項4に記
    載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の処理液が第2の処理液
    である請求項4に記載の画像形成方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007030414A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Fujifilm Holdings Corp 画像形成装置

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