JPH11310689A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JPH11310689A
JPH11310689A JP13274098A JP13274098A JPH11310689A JP H11310689 A JPH11310689 A JP H11310689A JP 13274098 A JP13274098 A JP 13274098A JP 13274098 A JP13274098 A JP 13274098A JP H11310689 A JPH11310689 A JP H11310689A
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compound
epoxy resin
epoxy
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resin composition
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JP13274098A
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Takahiro Ito
隆浩 伊藤
Hirokane Taguchi
裕務 田口
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた保存安定性および低温硬化性を有する1
液型エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】1分子内にエポキシ基を2個以上有するエ
ポキシ樹脂、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化
剤、チタン、ジルコニウムまたはホウ素のアルコキシド
化合物およびゼオライトを含有するエポキシ樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なエポキシ樹脂
組成物に関するものである。更に詳しくは保存安定性に
優れ、且つ、加熱によってすみやかに硬化し、性能の優
れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、その優れた電気的、機
械的および化学的性質により電気絶縁材料、接着剤、各
種成型品あるいは塗料等の多方面に用いられている。エ
ポキシ樹脂組成物の形態としては、主剤成分と硬化剤成
分を分けて製造し、作業直前に混合して使用する2液型
及び 主剤成分と硬化剤成分をはじめから一成分に混合
して製造した1液型があるが、2液型の場合には、混合
比率の正確さや混合の均一さに常に不安がつきまとうば
かりでなく、混合した組成物の粘度が混合直後から経時
的に上昇するので、自動装置による取扱いが困難という
問題があった。このような問題を解決したのが1液型エ
ポキシ樹脂組成物である。
【0003】1液型エポキシ樹脂組成物を得る方法とし
ては、比較的反応性の低い組成物を低温で保管する低温
貯蔵法、硬化剤をマイクロカプセル内部に封入し、加熱
または加圧で放出させるマイクロカプセル化法、硬化剤
にケトイミン等の水分と反応してアミンを遊離する化合
物を用いる湿気硬化法、または、所定温度以上で活性化
する熱反応性硬化剤を使用する潜在性硬化剤法等、種々
提案されているが、短い時間で硬化し、且つ、保存安定
性が良好な組成物を得る方法としては、潜在性硬化剤法
が有効である。潜在性硬化剤法で用いる硬化剤として、
ジシアンジアミド、二塩基酸ジヒドラジド、三フッ化ホ
ウ素−アミンアダクト、グアナミン類、および、メラミ
ン等が挙げられるが、より低温で硬化し、且つ、保存安
定性の良好なエポキシ樹脂組成物を得るための硬化剤と
しては、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化剤が提
案されている。しかしながら、低温硬化性と保存安定性
を共に備えるものの、使用するエポキシ樹脂、または、
希釈剤や、充填材等の添加剤の選択、あるいは、三本ロ
ール等の均一化に有利な混合方法の採用によって保存安
定性が著しく損なわれる等の欠点を有し、必ずしも満足
できるものではなかった。
【0004】この欠点を改良するため、固体分散型潜在
性硬化剤の表面をアルミニウムアルコレートやアルミニ
ウムキレート化合物で処理した組成物や(特開昭63−
223027)、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬
化剤の表面をホウ酸エステル化合物でコーティングした
組成物(特開平6−73156)、固体分散型アミンア
ダクト系潜在性硬化剤を加えたエポキシ樹脂に金属のア
ルコキシド化合物を添加した組成物(特開平7−196
776)、または、固体分散型アミンアダクト系潜在性
硬化剤を加えたエポキシ樹脂にゼオライトを添加した組
成物(特開平6−200227)等が提案されている
が、保存安定性の面で充分満足できるまでには至ってい
なかった。
【0005】このように、使用するエポキシ樹脂、また
は、希釈剤や、充填材等の添加剤、あるいは、三本ロー
ル等の混合方法によって左右されることのなく優れた保
存安定性、および、低温硬化性を有し、更に、硬化後の
硬化物の性能に優れた1液型エポキシ樹脂組成物が大い
に要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は使用す
るエポキシ樹脂、または、希釈剤や、充填剤等の添加
剤、あるいは、三本ロール等の混合方法によって左右さ
れることのなく優れた保存安定性および低温硬化性を有
する1液型エポキシ樹脂組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、エポキシ樹脂組成物においてゼオライトと
特定のアルコキシド化合物とを併用することが、上記課
題を解決する上で極めて有効であることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(1)1分子内にエポキ
シ基を2個以上有するエポキシ樹脂、(2)固体分散型
アミンアダクト系潜在性硬化剤、(3)チタン、ジルコ
ニウムまたはホウ素のアルコキシド化合物および(4)
ゼオライトを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組
成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるエポキシ樹脂は、
1分子当り2個以上のエポキシ基を有するものであり、
1分子当りのエポキシ基数は平均値である。好ましいエ
ポキシ樹脂として、以下のものがある。即ち、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カ
テコール、レゾルシノール等の多価フェノール、また
は、グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アル
コールとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポ
リグリシジルエーテル;p−ヒドロキシ安息香酸、β−
ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸と
エピクロルヒドリンとを反応させて得られるグリシジル
エーテルエステル;フタル酸、テレフタル酸のようなポ
リカルボン酸とエピクロルヒドリンとを反応させて得ら
れるポリグリシジルエステル;更には、エポキシ化フェ
ノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラッ
ク樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、環式脂肪族エポキ
シ樹脂等である。
【0010】本発明における固体分散型アミンアダクト
系潜在性硬化剤は、室温ではエポキシ樹脂に不溶性の固
体で、加熱によって可溶化し、硬化剤として機能するも
のである。好ましい固体分散型アミンアダクト系潜在性
硬化剤は、アミン化合物とエポキシ化合物との反応生成
物(アミン−エポキシアダクト系)、アミン化合物とイ
ソシアネート化合物または尿素化合物との反応生成物
(尿素型アダクト系)、及びこれらの硬化剤の表面をイ
ソシアネート化合物や酸性化合物で処理したものであ
る。
【0011】本発明における潜在性硬化剤の製造原料と
して用いるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、カテコール、レゾルシノ
ール等の多価フェノールまたはグリセリンやポリエチレ
ングリコールのような多価アルコールとエピクロルヒド
リンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテル;
p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸
のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンと
を反応させて得られるグリシジルエーテルエステル;フ
タル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピク
ロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエ
ステル;4,4’−ジアミノジフェニルメタンやm−ア
ミノフェノール等から得られるグリシジルアミン化合
物;更には、エポキシ化フェノールノボラック樹脂、エ
ポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオ
レフィン等の多官能性エポキシ化合物や、ブチルグリシ
ジルエーテル、グリシジルメタクリレート等の単官能性
エポキシ化合物等がある。
【0012】本発明における潜在性硬化剤の製造原料と
して用いるアミン化合物は、エポキシ基またはイソシア
ネート基と付加反応し得る活性水素を1分子内に1個以
上有し、且つ1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ
基の中から選ばれた置換基を少なくとも1分子内に1個
以上有するものであれば良い。このような、アミン化合
物の好ましい例を以下に示す。
【0013】例えば、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、n−プロピルアミン,2−ヒドロキシ
エチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、
ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチル
アミン、ジエチルアミノエチルアミン、N−メチルピペ
ラジン等のようなアミン化合物や、2−メチルイミダゾ
ール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダ
ゾール化合物等のような、1分子内に3級アミノ基を有
する1級もしくは2級アミン類や、2−ジメチルアミノ
エタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノー
ル、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノ
ール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメ
チル−2−ジメチルアミノエタノール、1−(2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダ
ゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2
−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイ
ミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロ
ピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−
(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フ
ェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブト
キシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、2−(ジ
メチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−β−ヒドロ
キシエチルモルホリン、2−ジメチルアミノエタンチオ
ール、2−メルカプトピリジン、2−メルカプトベンゾ
イミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−
メルカプトピリジン、N,N−ジメチルアミノ安息香
酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコ
チン酸、ピコリン酸、 N,N−ジメチルグリシンヒド
ラジド、 N,N−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド、
ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド等の
ような、1分子内に3級アミノ基を有するアルコール
類、フェノール類、チオール類、カルボン酸類、ヒドラ
ジド類がある。
【0014】更に、上記のエポキシ化合物とアミン化合
物とを付加反応せしめ、本発明における潜在性硬化剤を
製造する際に、第3成分として1分子内に活性水素を2
個以上有する活性水素化合物を添加することもできる。
このような活性水素化合物の好ましい例として、例え
ば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールS、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、
ピロガロール、フェノールノボラック樹脂等の多価フェ
ノール類;トリメチロールプロパン等の多価アルコール
類;トリエチレンテトラミン、シクロヘキシルアミン、
ピペラジン、アニリンの様なアミン類;アジピン酸、フ
タル酸等の多価カルボン酸類;1,2−ジメルカプトエ
タン、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−3
−フェノキシ−2−プロパノール、メルカプト酢酸、ア
ントラニル酸、乳酸等がある。
【0015】本発明における潜在性硬化剤の製造の際に
用いられるイソシアネート化合物としては、例えば、n
−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネー
ト、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート
等のような単官能イソシアネート化合物;ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、
1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ン−4,−4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート1,3,6−ヘキサメチレントリ
イソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート
等のような多官能イソシアネート化合物;更には、これ
らの多官能イソシアネート化合物と活性水素化合物との
反応によって得られる、末端イソシアネート基含有化合
物等も用いることができ、このような化合物の例として
は、トルイレンジイソシアネートとトリメチロールプロ
パンとの反応により得られる末端イソシアネート基を有
する付加反応物、トルイレンジイソシアネートとペンタ
エリスリトールとの反応で得られる末端イソシアネート
基を有する付加反応物等がある。
【0016】本発明における潜在性硬化剤は、上記の
(a)エポキシ化合物またはイソシアネート化合物及び
(b)アミン化合物の2成分、あるいは(a)エポキシ
化合物またはイソシアネート化合物、(b)アミン化合
物及び(c)活性水素化合物の3成分を混合し、室温か
ら20℃の温度において反応させた後、固化、粉砕する
か、あるいは、メチルエチルケトン、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン等の溶媒中で反応させ、脱溶媒後、固形
物を粉砕することにより容易に得ることができる。
【0017】本発明における固体分散型アミンアダクト
系潜在性硬化剤の市販品として以下のものがある。
【0018】例えば、アミン−エポキシアダクト系とし
ては、「アミキュア PN−23」、「アミキュア P
N−H」、「アミキュア MY−24」(以上、味の素
株式会社商品名)、「ハードナー H−3615S」、
「ハードナー H−3293S」(以上、エー・シ・ア
ール株式会社商品名)、「ノバキュア HX−372
1」、「ノバキュア HX−3742」(以上、旭化成
株式会社商品名)、「Ancamine 2014A
S」、「Ancamine 2014FG」(以上、パ
シフィックアンカー ケミカル商品名)等がある。ま
た、尿素型アダクトとしては、「フジキュア FXE−
1000」、「フジキュア FXR−1030」(以
上、富士化成株式会社商品名)等がある。
【0019】本発明におけるゼオライトは、アルミナと
シリケートからなる含水金属塩であり、天然品、合成品
のどちらでもかまわないが、水分や極性溶媒等を吸着す
る能力を持つものが好ましい。この吸着能力をより効果
的に発現するため、本発明における樹脂に均一に分散す
ることが好ましく、ゼオライトの好ましい平均粒子径は
100μm以下、より好ましくは40μm以下である。
平均粒子径が細かすぎるとエポキシ樹脂組成物の粘度を
上げる効果が高くなり、本発明の効果を発揮させる量を
添加した場合に粘度上昇が大きく、作業性を悪化するの
で、平均粒子径は0.01μm以上であるのが好まし
い。上記の特性を有する好ましいゼオライトとして、例
えば、「モレキュラーシーブ 3A」、「モレキュラー
シーブ 4A」、「モレキュラーシーブ 5A」、「モレ
キュラーシーブ 13X」(以上、ユニオン昭和株式会
社商品名)、「ゼオラム 3A」および「ゼオラム 4
A」(以上、東ソー株式会社商品名)等がある。好まし
いゼオライトの添加量は、エポキシ樹脂100重量部当
たり1から100重量部であり、より好ましくは1から
60重量部の範囲である。ゼオライトの添加量が少なす
ぎると本発明の組成物の保存安定性が低下し、逆に、多
すぎるとエポキシ樹脂組成物の粘度が上昇し、作業性を
悪化する恐れがある。
【0020】本発明における金属アルコキシド化合物
は、チタン、ジルコニウムまたはホウ素のアルコキシド
化合物であり、下記一般式(1)または(2)で表され
るものが好ましい。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】アルキル基(R)としては、炭素数が1以
上のものであれば何でも使用できるが、炭素数2〜20
のものが好ましい。1つの化合物中のアルキル基の種類
が同じであっても異なっていても良いし、飽和であって
も不飽和であっても良い。更に、化合物中の2つ以上の
アルキル基が結合し環状構造を持つものであっても、任
意に選ばれたこれらの化合物の2つ以上の縮合物であっ
ても何ら問題はない。本発明の組成物において上記
(1)または(2)で表わされるアルコキシド化合物を
初めとして、チタン、ジルコニウム又はホウ素のアルコ
キシドを2種以上併用することも可能である。
【0024】本発明におけるチタンのアルコキシド化合
物の好ましい例としては、テトラアルキルチタネート等
があり、例えば、テトラメチルチタネート、テトラエチ
ルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テト
ライソプロピルチタネート(TPT)、テトラ−n−ブ
チルチタネート(TBT)、テトライソブチルチタネー
ト、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラ−n
−ペンチルチタネート、テトラ−n−ヘキシルチタネー
ト、テトライソオクチルチタネート(TOT)、テトラ
−n−ラウリルチタネートおよびこれらのオリゴマー等
がある。これらのなかで特に炭素数が3から4のアルキ
ル基を有するもの、例えば、テトライソプロピルチタネ
ート(TPT)やテトラ−n−ブチルチタネート(TB
T)等が好ましい。
【0025】本発明におけるジルコニウムのアルコキシ
ド化合物の好ましい例としては、テトラアルキルジルコ
ネート等があり、例えば、テトラエチルジルコネート、
テトラ−n−プロピルジルコネート、テトライソプロピ
ルジルコネート(TPZ)、テトラ−n−ブチルジルコ
ネート、テトラ−sec−ブチルジルコネート、テトラ
−tert−ブチルジルコネート、テトラ−n−ペンチ
ルジルコネート、テトラ−tert−ペンチルジルコネ
ート、テトラ−tert−ヘキシルジルコネート、テト
ラ−n−ヘプチルジルコネート、テトラ−n−オクチル
ジルコネート、テトラ−n−ステアリルジルコネートお
よびこれらのオリゴマー等がある。これらのなかで特に
炭素数が3から4のアルキル基を有するもの、例えば、
テトライソプロピルジルコネート(TPZ)、テトラ−
n−ブチルジルコネートが好ましい。
【0026】本発明におけるホウ素のアルコキシド化合
物の好ましい例としては、トリアルキルボレート等が使
用でき、例えば、トリメチルボレート、トリエチルボレ
ート、トリ−n−プロピルボレート、トリイソプロピル
ボレート、トリ−n−ブチルボレート、トリクレジルボ
レート、トリ−tert−ブチルボレート、トリヘキサ
デシルボレート、トリセチルボレート、トリステアリル
ボレート、トリフェニルボレート、トリトリルボレー
ト、トリベンジルボレートおよびこれらのオリゴマー等
がある。これらのなかで特に炭素数が3から4のアルキ
ル基を有するもの、例えば、トリイソプロピルボレート
(TPB)、トリ−n−ブチルボレート(TBB)が好
ましい。
【0027】これらのアルコキシド化合物は、添加量が
少なすぎると保存安定性が低下し、多すぎるとエポキシ
樹脂の硬化速度を低下させたり、逆に保存安定性を悪化
させるので、添加量はエポキシ樹脂100重量部に対し
て0.1から20重量部、好ましくは0.1から15重
量部の範囲である。
【0028】なお本発明のエポキシ樹脂組成物には、必
要に応じて充填材、希釈剤、溶剤、顔料、可とう性付与
剤、カップリング剤、酸化防止剤等の各種添加剤を加え
ることができる。
【0029】また、本発明の組成物の硬化物は、ゼオラ
イトや特定のアルコキシド化合物を含有させても何ら特
性上問題なく、エポキシ樹脂が備える本来の優れた性能
を発揮し、接着剤、塗料、電気絶縁材料、積層構造体等
の広い分野にその特長を活かして利用することができ
る。
【0030】
【実施例】以下、例を挙げて本発明をより具体的に説明
する。以下の実施例において、保存安定性は所定温度
(40℃)の恒温槽保存で初期粘度の2倍を越えるまで
の日数を測定することで、硬化性の評価は120℃また
は150℃でのゲルタイムを測定することで評価した。
粘度はJISK 6833に準じて測定した。以下の実
施例及び比較例において、部は、重量部を表す。
【0031】実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピコート828」
(油化シェルエポキシ株式会社商品名)100部に、
「アミキュア PN−23」(味の素株式会社商品名)
20部と「アエロジル#200」(日本アエロジル株式
会社商品名)を1部加えたものに、「モレキュラーシー
ブ 3A」(ユニオン昭和株式会社商品名)を10部、
アルコキシド化合物としてテトライソプロピルチタネー
ト(TPT)を1部加えて混合し、更に、この組成物を
三本ロールを用いてより均一に分散させ、エポキシ樹脂
組成物とした。この組成物のゲルタイムおよび保存安定
性を測定した結果を下記表1に示す。
【0032】実施例2 実施例1の組成物に、反応性希釈剤として「YED−1
22」(油化シェルエポキシ株式会社商品名)を10部
加えて混合し、この組成物を三本ロールを用いてより均
一に分散させ、エポキシ樹脂組成物とした。この組成物
のゲルタイムおよび保存安定性を測定した結果を下記表
1に示す。
【0033】実施例3 実施例2の組成物に、フィラーとしてタルクを20部加
えて混合し、この組成物を三本ロールを用いてより均一
に分散させ、エポキシ樹脂組成物とした。これらの組成
物のゲルタイムおよび保存安定性を測定した結果を書き
について表1に示す。
【0034】実施例4〜7 実施例3の組成物のアルコキシド化合物をテトラ−n−
ブチルチタネート(TBT)、テトライソオクチルチタ
ネート(TOT)、テトライソプロピルジルコネート
(TPZ)、テトラ−n−ブチルボレート(TBB)に
置き換えて混合し、この組成物を三本ロールを用いてよ
り均一に分散させエポキシ樹脂組成物とした。これらの
組成物のゲルタイムおよび保存安定性を測定した結果を
下記表1に示す。
【0035】比較例1〜7 実施例1〜7のそれぞれの組成物の「モレキュラーシー
ブ 3A」(ユニオン昭和株式会社商品名)を加えずに
混合し、この組成物を三本ロールを用いて、より均一に
分散させエポキシ樹脂組成物とした。この組成物のゲル
タイム、および、保存安定性を測定した結果を下記表1
に示す
【0036】比較例8〜10 実施例1〜3のそれぞれの組成物をアルコキシド化合物
を加えずに混合し、この組成物を三本ロールを用いて、
より均一に分散させエポキシ樹脂組成物とした。この組
成物のゲルタイムおよび保存安定性を測定した結果を下
記表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】エピコート807:ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製) YED−122:ブチルフェニルグリシジルエーテル
(油化シェルエポキシ株式会社製) アミキュア PN−23:固体分散型アミンアダクト系
潜在性硬化剤(味の素株式会社製) アエロジル #200:微粉シリカ(日本アエロジル株
式会社製) モレキュラーシーブ 3A:合成ゼオライト(ユニオン
昭和株式会社製) TPT:テトライソプロピルチタネート(三菱瓦斯化学
株式会社製) TBT:テトラ−n−ブチルチタネート(三菱瓦斯化学
株式会社製) TOT:テトライソオクチルチタネート(三菱瓦斯化学
株式会社製) TPZ:テトライソプロピルジルコネート(試薬) TBB:トリ−n−ブチルボレート(試薬)
【0039】上記表1からわかるように、金属アルコキ
シド或いはゼオライトのどちらかを配合しなかった比較
例1〜10においては、保存安定性が2週間以内である
のに対して、本願発明のエポキシ樹脂組成物である実施
例1〜7においては、保存安定性が3ヶ月を越えてお
り、比較例に比較して格段に長い。本願発明のエポキシ
樹脂組成物は、上記表1に示した通り、低温硬化性が十
分実用的水準にあるばかりでなく、その他の接着特性、
電気絶縁特性もエポキシ樹脂本来の特性を保持している
ことが確認されている。
【0040】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、保存安
定性と低温硬化性の両方に優れており、例えば40℃で
3ヶ月以上安定に保存することができ、且つ、120℃
〜150℃で3分以内で硬化しうるという性能を示す。
更に、エポキシ樹脂、希釈剤、充填材等の配合成分を如
何に選択しても、又三本ロール等の均一化に有利な混合
方法を採用しても、保存安定性又は低温硬化性が従来の
エポキシ樹脂組成物のように損なわれることない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)1分子内にエポキシ基を2個以上有
    するエポキシ樹脂、(2)固体分散型アミンアダクト系
    潜在性硬化剤、(3)チタン、ジルコニウムまたはホウ
    素のアルコキシド化合物および(4)ゼオライトを含有
    することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】1分子内にエポキシ基を2個以上有するエ
    ポキシ樹脂100重量部を基準として、金属アルコキシ
    ド化合物の含有割合が0.1〜20重量部であり、ゼオ
    ライトの含有割合が1〜100重量部であることを特徴
    とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007302753A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Toho Earthtech Inc アミン系硬化剤組成物

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