JPH11310119A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

車両用ブレーキ装置

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JPH11310119A
JPH11310119A JP11722598A JP11722598A JPH11310119A JP H11310119 A JPH11310119 A JP H11310119A JP 11722598 A JP11722598 A JP 11722598A JP 11722598 A JP11722598 A JP 11722598A JP H11310119 A JPH11310119 A JP H11310119A
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JP
Japan
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vehicle
brake
holding
braking force
released
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JP11722598A
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Katsuto Miura
勝人 三浦
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ブレーキ力を保持する機能を有す
る車両用ブレーキ装置に関し、クリープ現象によって坂
道発進時の車両の後退を防止できない状況下でのみブレ
ーキ力を保持して坂道発進を補助することを目的とす
る。 【解決手段】 車両用ブレーキ装置は、マスタシリンダ
10とホイルシリンダ18との間に設けられた一方向弁
16及び保持バルブ22を備える。保持バルブ22が閉
(オン)状態とされると、ブレーキ力が保持される。E
CU26は、車両が停車中であると判別され、かつ、エ
ンジン回転数NEが所定値以下の場合に、保持バルブ2
2を閉状態とすることによりブレーキ力を保持させる。
また、車両の走行開始が検知されると、保持バルブ22
を開状態とすることにより、ブレーキ力の保持を解除さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ブレーキ装
置に係り、特に、ブレーキ力を保持することにより坂道
発進を補助する機能を有するブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平7−16506
3号公報に開示される如く、車両用ブレーキ装置が公知
である。このブレーキ装置は、マニュアルトランスミッ
ション(MT)車に搭載されるものであり、ブレーキ操
作の解除後にブレーキ力を保持するブレーキ力保持手段
を備えている。ブレーキ力保持手段は、車両が停車中で
あると判別された場合に作動される。上記従来のブレー
キ装置によれば、停車中にブレーキ操作が解除された後
もブレーキ力が保持されることで、坂道発進時における
車両の後退が防止される。
【0003】上記従来のブレーキ装置は、また、クラッ
チペダルのストロークを検出するクラッチストロークセ
ンサを備えている。クラッチペダルのストロークが所定
値に達すると、ブレーキ力保持手段によるブレーキ力保
持動作は解除される。従って、上記従来のブレーキ装置
によれば、坂道発進時に、半クラッチ状態となった時点
でブレーキ力の保持が解除されることで、坂道発進が円
滑に行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、オートマチ
ックトランスミッション(AT)車においては、アイド
リング回転数が一定以上に確保されている状況下では、
クリープ現象によって坂道発進時における車両の後退を
防止することができる。しかしながら、燃費向上の観点
から、エンジンのアイドリング回転数を抑制することが
要求される。この場合、アイドリング回転数の低下によ
りクリープ力が減少し、クリープ現象によっては車両の
後退を防止することが困難となる場合がある。従って、
AT車に搭載されるブレーキ装置おいても、上記従来の
ブレーキ装置の如く坂道発進を補助する機能が必要とさ
れる。
【0005】上記の如く、AT車においてアイドリング
回転数が高い場合は、クリープ現象によって坂道発進時
の車両の後退を防止することができるため、坂道発進の
補助は不要である。一方、ブレーキ操作解除後のブレー
キ力の保持は、運転者の意図にかかわらずブレーキ力を
発生させる処理であるため、必要最小限の範囲で行われ
るべきである。従って、AT車におけるブレーキ力の保
持は、クリープ現象によっては車両の後退を防止できな
い状況下でのみ行われることが望ましい。しかしなが
ら、上記従来のブレーキ装置は、MT車への搭載を前提
としたものであり、エンジン回転数に基づいてブレーキ
力保持手段を作動させることについては何ら考慮されて
いない。このため、上記従来のブレーキ装置の構成をA
T車に適用した場合、アイドリング回転数が高く、坂道
発進の補助が不要な状況下でも、ブレーキ力の保持が行
われてしまう。
【0006】また、上記従来のブレーキ装置は、ブレー
キ力の保持を解除するタイミングを決定するため、クラ
ッチペダルのストロークを検出するストロークセンサを
必要とする。すなわち、ブレーキ力の保持解除のため余
分な部品が必要となり、コスト増を招く。本発明は、上
述の点に鑑みてなされたものであり、AT車において、
クリープ現象によっては車両の後退を防止できない状況
下でのみブレーキ力を保持して坂道発進を補助すること
が可能な車両用ブレーキ装置を提供することを第1の目
的とする。
【0007】また、本発明は、MT車において、簡易な
手段でブレーキ力の保持解除のタイミングを決定するこ
とが可能な車両用ブレーキ装置を提供することを第2の
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、オートマティックトランスミッション
車に搭載され、ブレーキ操作の解除後にブレーキ力を保
持するブレーキ力保持手段を備える車両用ブレーキ装置
であって、停車中であるか否かを判別する停車状態判別
手段と、ブレーキ操作が行われているか否かを判別する
ブレーキ操作判別手段と、エンジン回転数を検出するエ
ンジン回転数検出手段と、停車中であり、かつ、ブレー
キ操作が行われている状況下で、エンジン回転数が所定
値以下である場合に、前記ブレーキ力保持手段を作動さ
せる保持作動手段と、車両の走行開始を検知する走行開
始検知手段と、車両の走行開始が検知された場合に前記
ブレーキ力保持手段の作動を解除する保持解除手段とを
備える車両用ブレーキ装置により達成される。
【0009】本発明において、保持作動手段は、停車中
であり、かつ、ブレーキ操作が行われている状況下で、
エンジン回転数が所定値以下である場合に、ブレーキ力
保持手段を作動させる。ブレーキ力保持手段が作動され
ると、ブレーキ操作の解除後もブレーキ力が保持され
る。従って、車両発進時にブレーキ力が保持されること
で、坂道発進時における車両の後退が防止される。ま
た、保持解除手段は走行開始が検知された場合に、ブレ
ーキ力保持手段の作動を解除する。従って、走行開始後
にブレーキの引き摺りが生ずることが防止される。とこ
ろで、上記の如く、エンジン回転数が所定値以下である
場合にブレーキ力保持手段が作動されることで、AT車
のクリープ現象によっては車両の後退を防止し得ない状
況下でのみ、車両の後退が防止される。従って、本発明
によれば、エンジン回転数を上昇させることなく、坂道
発進時における車両の後退を確実に防止できる。また、
エンジン回転数が高く、クリープ現象によって車両の後
退を防止し得る状況下ではブレーキ保持手段保持作動手
段が作動されることはない。従って、本発明によれば、
ブレーキ力の保持が不必要に行われることが防止され
る。
【0010】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、マニュアルトランスミッション車に搭載され、ブ
レーキ操作の解除後にブレーキ力を保持するブレーキ力
保持手段を備える車両用ブレーキ装置であって、停車中
であるか否かを判別する停車状態判別手段と、ブレーキ
操作が行われているか否かを判別するブレーキ操作判別
手段と、停車中であり、かつ、ブレーキ操作が行われて
いる場合に、前記ブレーキ力保持手段を作動させる保持
作動手段と、ブレーキ操作が解除された後の経過時間を
計測する経過時間計測手段と、前記経過時間が所定値に
達した時点で前記ブレーキ力保持手段の作動を解除する
保持解除手段とを備える車両用ブレーキ装置により達成
される。
【0011】本発明において、保持作動手段は、停車中
であり、かつ、ブレーキ操作が行われている場合に、ブ
レーキ力保持手段を作動させる。ブレーキ力保持手段が
作動されると、ブレーキ操作の解除後もブレーキ力が保
持される。従って、車両発進時にブレーキ力が保持され
ることで、坂道発進時における車両の後退が防止され
る。また、保持解除手段は、ブレーキ操作が解除された
後の経過時間が所定値に達した時点でブレーキ力保持手
段の作動を解除する。一般に、車両の走行を開始する場
合、運転者はブレーキ操作の解除に引き続いてアクセル
操作を行う。従って、ブレーキ操作が解除されてから所
定時間が経過した場合には、運転者は走行の開始を意図
していると判断することができる。本発明によれば、か
かる場合に、ブレーキ力の保持が解除される。すなわ
ち、上記経過時間を計測するのみの簡易な手段で、ブレ
ーキ力解除のタイミングが決定される。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である車
両用ブレーキ装置(以下、単に、ブレーキ装置と称す)
の構成図である。本実施例のブレーキ装置は、AT車に
搭載されている。図1に示す如く、ブレーキ装置は、マ
スタシリンダ10を備えている。マスタシリンダ10に
は、ブレーキペダル12が連結されている。マスタシリ
ンダ10にはブレーキペダル12への踏力に応じた液圧
(以下、マスタシリンダ圧PM/ C と称す)が発生する。
マスタシリンダ10には、ブレーキ配管14が連通して
いる。ブレーキ配管14には、一方向バルブ16を介し
て、各輪に対応して設けられたホイルシリンダ18が連
通している。一方向バルブ16は、マスタシリンダ10
側からホイルシリンダ18側へ向かうフルードの流れの
みを許容するように構成されている。また、ホイルシリ
ンダ18は、その内部の圧力(以下、ホイルシリンダ圧
W/C と称す)に応じたブレーキ力を発生させる。な
お、図1には、一輪分のホイルシリンダ18のみを示し
ている。
【0013】ブレーキ配管14には、ブレーキ配管20
が連通している。ブレーキ配管20は保持バルブ22を
介して各ホイルシリンダ18に連通している。保持バル
ブ22は、常態で開状態をとり、その内部に備える電磁
コイルにオン信号が供給されることにより閉状態となる
2位置の電磁弁である。保持バルブ22の電磁コイル
は、切替スイッチ24を介して電子制御ユニット26
(以下、ECU26と称す)に接続されている。切替ス
イッチ24は、導通(オン)状態及び遮断(オフ)状態
の何れか一方をとる2位置の手動スイッチである。
【0014】ECU26には、エンジン回転数NEを検
出するNEセンサ28、車速Vを検出する車速センサ3
0、アクセルペダルの踏み込みの有無を検出するアクセ
ルスイッチ32、ブレーキペダル12の踏み込みの有無
を検出するブレーキスイッチ34、及び、セレクトレバ
ーの位置を検出するセレクトレバーセンサ36が接続さ
れている。
【0015】本実施例のブレーキ装置において、保持バ
ルブ22が開弁(オフ)状態とされた状況下でブレーキ
ペダル12が踏み込まれると、その踏力に応じたマスタ
シリンダ圧PM/C が発生する。このマスタシリンダ圧P
M/C は保持バルブ22及び一方向弁16を介してホイル
シリンダ18に供給される。また、ブレーキペダル12
の踏み込みが解除されると、ブレーキフルードがホイル
シリンダ18から保持バルブ22を介してマスタシリン
ダ10に回収されることで、ホイルシリンダ圧PW/C
減圧される。従って、ブレーキ装置によれば、ブレーキ
ペダル12の踏力に応じたブレーキ力を発生させること
ができる。
【0016】ブレーキペダル12が踏み込まれた状況下
で、保持バルブ22が閉弁(オン)状態とされると(す
なわち、ECU26から保持バルブ22の電磁コイルに
オン信号が供給されると)、以後、ホイルシリンダ18
からマスタシリンダ10へ向かうブレーキフルードの流
れが阻止される。かかる状態では、ブレーキペダル12
の踏み込みが解除されても、ホイルシリンダ圧PW/C
減圧されないため、ブレーキ力は保持される。以下、保
持バルブ22が閉弁された状態を、ブレーキ装置のブレ
ーキ力保持状態と称する。ブレーキ力保持状態におい
て、ブレーキペダル12が踏み増しされると、マスタシ
リンダ圧PM/C は昇圧される。このため、昇圧されたマ
スタシリンダ圧PM/C が一方向弁16を介してホイルシ
リンダ18に伝達されることで、ホイルシリンダ圧P
W/C も昇圧される。
【0017】このように、ブレーキ力保持状態によれ
ば、ブレーキペダル12の踏み込みを解除した後にブレ
ーキ力を保持できると共に、ブレーキペダル12を踏み
増した場合には、その踏み増し量に応じてブレーキ力を
増加させることができる。また、ブレーキ力保持状態に
おいて保持バルブ22が開(オフ)状態とされると、ブ
レーキフルードがホイルシリンダ18から保持バルブ2
2を介してマスタシリンダ10へ回収されることで、ブ
レーキ力の保持は解除される。本実施例のブレーキ装置
によれば、坂道発進時にブレーキ力保持状態を実現する
ことで、車両の後退を防止することができる。
【0018】ところで、AT車では、アイドリング回転
数が一定以上に確保されている場合には、クリープ現象
により坂道発進時の車両の後退を防止することができ
る。しかしながら、燃費向上の観点からは、エンジンの
アイドル回転数を低く抑制することが望ましい。この場
合、アイドル回転数が抑制されると、クリープ力を十分
に確保することができなくなり、クリープ現象によって
は坂道発進時の車両の後退を防止できなくなる場合があ
る。
【0019】本実施例のブレーキ装置は、クリープ現象
によっては坂道発進時の車両の後退を防止できないと判
断された場合に限り、上記のブレーキ力保持状態を実現
することにより、車両の後退を確実に防止し得る点に特
徴を有している。かかる機能は、ECU26が所定のル
ーチンを実行することにより実現される。以下、本実施
例においてECU26が実行するルーチンの内容につい
て説明する。なお、以下の説明においては、切替スイッ
チ24はオン状態に設定されているものとする。
【0020】図2は、本実施例においてECU26がブ
レーキ力保持状態を実現すべく実行するルーチンの一例
を示すフローチャートである。また、図3は、ECU2
6がブレーキ力保持状態を解除すべく実行するルーチン
の一例を示すフローチャートである。図2及び図3に示
すルーチンは所定の時間間隔で起動される定時割込みル
ーチンである。先ず、図2に示すルーチンについて説明
する。
【0021】図2に示すルーチンが起動されると、先
ず、ステップ100の処理が実行される。ステップ10
0では、ブレーキ力保持状態が実現されているか否かが
判別される。その結果、ブレーキ力保持状態が実現され
ているならば、何ら処理が実行されることなく今回のル
ーチンは終了される。一方、ステップ100においてブ
レーキ力保持状態が実現されていないならば、次にステ
ップ102の処理が実行される。
【0022】ステップ102では、ブレーキスイッチ3
4の出力信号に基づいて、ブレーキペダル12が踏み込
まれているか否かが判別される。その結果、ブレーキペ
ダル12が踏み込まれていなければ、保持すべきブレー
キ力は発生しておらず、従って、ブレーキ力保持状態を
実現することは不要であると判断されて、今回のルーチ
ンは終了される。一方、ステップ102において、ブレ
ーキペダル12が踏み込まれている場合は、次にステッ
プ104の処理が実行される。
【0023】ステップ104では、車速センサ30によ
り検出された車速Vが所定値α未満であるか否かが判別
される。ここで、所定値αは車速Vに基づいて停車状態
を判別するにあたり車速センサ30の測定誤差等を考慮
して設定された閾値である。ステップ104においてV
<αが不成立ならば、車両は停止しておらず、従って、
ブレーキ力を保持すべきでないと判断されて、今回のル
ーチンは終了される。一方、ステップ104においてV
<αが成立するならば、次にステップ106の処理が実
行される。
【0024】ステップ106では、セレクトレバーセン
サ36の出力信号に基づいて、車両のセレクトレバーが
Dレンジにあるか否かが判別される。その結果、セレク
トレバーがDレンジにないならば、運転者には走行開始
の意図が無く、従って、坂道発進を補助することは不要
であると判断されて、今回のルーチンは終了される。一
方、ステップ106において、セレクトレバーがDレン
ジにあるならば、次にステップ108の処理が実行され
る。
【0025】ステップ108では、アクセルスイッチ3
2の出力信号に基づいて、アクセルペダルの踏み込みが
解除されているか否かが判別される。その結果、アクセ
ルペダルの踏み込みが解除されていないならば、停車状
態ではないと判断される。この場合、ブレーキ力保持状
態を実現することは不要であると判断されて今回のルー
チンは終了される。一方、ステップ108において、ア
クセルペダルの踏み込みが解除されているならば、停車
状態であると判断されて、次にステップ110の処理が
実行される。
【0026】ステップ110では、NEセンサ28によ
り検出されたエンジン回転数NEが所定値N0以下であ
るか否かが判別される。ここで、所定値N0は、クリー
プ現象により坂道発進時の車両の後退を防止することが
可能なエンジン回転数NEの下限値となるように設定さ
れている。従って、ステップ110において、NE≦N
0が不成立ならば、例えばエアコンの作動等によりアイ
ドリング回転数が上昇しており、クリープ現象により車
両の後退を防止することができると判断される。この場
合、ブレーキ力の保持は不要であると判断されて今回の
ルーチンは終了される。一方、ステップ110におい
て、NE≦N0が成立するならば、クリープ現象によっ
ては坂道発進時の車両の後退を防止することはできない
と判断される。この場合、次にステップ112におい
て、保持バルブ22がオン(閉弁)されることによりブ
レーキ力保持状態が実現された後、今回のルーチンは終
了される。
【0027】上述の如く、図2に示すルーチンによれ
ば、ステップ102においてブレーキペダル12が踏み
込まれていると判別され、ステップ104及び108に
おいて停車中であると判別され、ステップ106におい
て運転者に走行開始の意図があると判別され、かつ、ス
テップ110においてエンジン回転数NEが所定値N0
以下であると判別された場合にのみ、保持バルブ22が
オンされる。すなわち、坂道発進が行われる可能性があ
り、かつ、クリープ現象によっては車両の後退を防止す
ることができないと判断された場合にのみ、ブレーキ力
保持状態が実現される。従って、図3に示すルーチンに
よれば、ブレーキ力を不必要に保持することなく、坂道
発進時の車両の後退を防止することができる。
【0028】次に、図3を参照して、ブレーキ力保持状
態を解除すべくECU26が実行するルーチンの内容を
説明する。図3に示すルーチンが起動されると、先ず、
ステップ120の処理が実行される。ステップ120で
は、ブレーキ力保持状態が実現されているか否かが判別
される。その結果、ブレーキ力保持状態が実現されてい
なければ、何ら処理が実行されることなく今回のルーチ
ンは終了される。一方、ステップ120において、ブレ
ーキ力保持状態が実現されているならば、次にステップ
122の処理が実行される。
【0029】ステップ122では、ブレーキペダル12
の踏み込みが解除された後の経過時間Tが所定時間Td
以上であるか否かが判別される。一般に、車両の走行を
開始する場合には、運転者はブレーキ操作の解除に引き
続いてアクセルペダルを操作する。上記の所定時間Td
は、かかる場合に、ブレーキ操作を解除してからアクセ
ル操作を行うまでの標準的な時間となるように設定され
ている。従って、ステップ122において、T≧Tdが
成立するならば、アクセルペダルの踏み込み、すなわ
ち、車両の走行開始が予測されるため、ブレーキ力保持
状態を維持することは不要であると判断される。この場
合、次にステップ124において、保持バルブ22がオ
フ状態とされることによりブレーキ力保持状態が解除さ
れる。ステップ124の処理が終了されると、今回のル
ーチンは終了される。一方、ステップ122において、
T≧Tdが不成立ならば、次にステップ126の処理が
実行される。
【0030】ステップ126では、アクセルペダルが踏
み込まれているか否かが判別される。その結果、アクセ
ルペダルが踏み込まれているならば、車両の走行が開始
されたと判断されて、次にステップ124においてブレ
ーキ力保持状態が解除された後、今回のルーチンは終了
される。一方、ステップ126においてアクセルペダル
が踏み込まれていないならば、次にステップ128の処
理が実行される。
【0031】ステップ128では、エンジン回転数NE
が所定値N1を上回っているか否かが判別される。ここ
で、所定値N1はエンジン回転数NEに基づいて車両が
走行しているか否かを判別するための閾値である。従っ
て、NE>N1が成立するならば、例えば降坂路等にお
いてアクセルペダルが踏み込まれないまま走行が開始さ
れたと判断される。この場合、ブレーキ力保持状態を維
持すべきでないと判断され、次にステップ124におい
てブレーキ力保持状態が解除された後、今回のルーチン
は終了される。一方、ステップ128においてNE>N
1が不成立ならば、ブレーキ力保持状態が解除されるこ
となく今回のルーチンは終了される。
【0032】上述の如く、図3に示すルーチンによれ
ば、ブレーキペダル12の踏み込みが解除された後、車
両の走行が開始されたと判断されたタイミングでブレー
キ力保持状態が解除される。従って、本実施例のブレー
キ装置によれば、走行開始後にブレーキの引き摺りが生
ずるのを防止することができる。また、上述の如く、図
3に示すルーチンのステップ122の処理によれば、ブ
レーキ操作が解除されてから所定時間Tdが経過した時
点でブレーキ力保持状態が無条件で解除される。このた
め、例えば、平坦路や降坂路において、アクセルペダル
が踏み込まれることなく、かつ、エンジン回転数NEの
上昇を伴うことなく、クリープ現象により車両が発進さ
れた場合にも、ブレーキ力保持状態を確実に解除するこ
とができる。
【0033】なお、上記所定時間Tdについては、例え
ば、種々の運転者についてのブレーキ操作解除からアク
セルペダルの踏み込みまでの時間を調査し、その典型値
を用いることができる。また、運転者がTdを手動で設
定することとしてもよく、あるいは、運転者の運転操作
を学習記憶し、各運転者に対して最適な値となるように
Tdの値を自動調整することとしてもよい。
【0034】上述の如く、本実施例によれば、停車中に
エンジン回転数NEが所定値以下の場合に、ブレーキ力
保持状態を実現することで、アイドリング回転数を上昇
させることなく、坂道発進時の車両の後退を確実に防止
することができる。従って、本実施例のブレーキ装置に
よれば、アイドリング回転数の抑制による燃費の向上を
図りつつ、運転者の技量を問わず坂道発進を円滑に行う
ことが可能となる。
【0035】また、本実施例によれば、エンジン回転数
NEが所定値以下の場合に限りブレーキ力保持状態が実
現されることで、クリープ現象により車両の後退を防止
できない状況下においてのみ、ブレーキ力の保持が行わ
れる。従って、本実施例のブレーキ装置によれば、ブレ
ーキ力を不必要に保持することなく、坂道発進の補助を
行うことができる。
【0036】更に、本実施例によれば、ブレーキ力の保
持により坂道発進時の車両の後退が防止されることで、
運転者が車両の後退を防止すべくエンジンを空ぶかしを
することが防止される。本実施例のブレーキ装置によれ
ば、この意味においても、燃費向上の効果が得られるこ
ととなる。なお、本実施例のブレーキ装置において、切
替スイッチ24がオフ状態とされた状況下では、ECU
26が保持バルブ22に対するオン信号を出力してもブ
レーキ力保持状態が実現されることはない。従って、ブ
レーキ力保持による坂道発進補助動作を望まない運転者
は、切替スイッチ24をオフ状態に切り替えることによ
り、ブレーキ力保持状態が実現されるのを禁止すること
ができる。
【0037】また、上記実施例では、保持バルブ22を
設け、保持バルブ22を閉(オン)状態とすることによ
りブレーキ力を保持することとした。しかしながら、例
えばアンチロックブレーキ(ABS)機能を有するブレ
ーキ装置は、ブレーキ力を保持するための油圧アクチュ
エータを備えているため、かかるブレーキ装置において
は、保持バルブを別途設けることなく本発明を適用する
ことができる。
【0038】なお、上記実施例では、保持バルブ22が
請求項に記載したブレーキ力保持手段に、NEセンサ2
8が請求項に記載したエンジン回転数検出手段に、それ
ぞれ相当し、また、ECU26が図2に示すルーチンの
ステップ104及び108の処理を実行することにより
上記した停車状態判別手段が、ステップ102の処理を
実行することにより上記したブレーキ操作判別手段が、
ステップ110及び112の処理を実行することにより
上記した保持作動手段が、上記図3に示すルーチンのス
テップ122、126、又は128の処理を実行するこ
とにより上記した走行開始検知手段が、ステップ124
の処理を実行することにより上記した保持解除手段が、
それぞれ実現されている。
【0039】ところで、上記実施例では、本発明がAT
車に適用された場合について説明したが、本発明はMT
車にも適用することができる。MT車ではクリープ現象
が生じないため、エンジン回転数NEの高低に基づい
て、ブレーキ力保持の可否を判断すべきでない。そこ
で、MT車においては、上記図2に示すルーチンをステ
ップ110が省略された形で実行すると共に、上記図3
に示すルーチンを実行することとすればよい。上述の如
く、上記図3に示すルーチンによれば、ブレーキ操作解
除後の経過時間を計測することのみで、ブレーキ力の保
持を解除するタイミングを決定することができる。従っ
て、MT車において上記図3に示すルーチンのステップ
122の処理が実行されることで、例えばクラッチペダ
ルのストロークを検出すること等の特別な手段を講ずる
ことなく、ブレーキ力の保持を解除するタイミングを簡
易に決定することが可能となる。この場合、ECU26
が図3に示すルーチンのステップ122の処理を実行す
ることにより上記した経過時間計測手段が実現される。
【0040】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、AT車において、クリープ現象によっては坂道発進
時の車両の後退を防止できない状況下においてのみ、ブ
レーキ力を保持することができる。従って、本発明によ
れば、不必要にブレーキ力の保持が行われるのを抑制し
つつ、坂道発進時における車両の後退を防止することが
できる。
【0041】また、請求項2記載の発明によれば、MT
車において、ブレーキ操作解除後の経過時間を計測する
ことのみの簡易な手段で、ブレーキ力の保持の解除タイ
ミングを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両用ブレーキ装置の
構成図である。
【図2】本実施例においてECUがブレーキ力保持状態
を実現すべく実行するルーチンの一例のフローチャート
である。
【図3】本実施例においてECUがブレーキ力保持状態
を解除すべく実行するルーチンの一例のフローチャート
である。
【符号の説明】
22 保持バルブ 26 ECU 28 NEセンサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オートマティックトランスミッション車
    に搭載され、ブレーキ操作の解除後にブレーキ力を保持
    するブレーキ力保持手段を備える車両用ブレーキ装置で
    あって、 停車中であるか否かを判別する停車状態判別手段と、 ブレーキ操作が行われているか否かを判別するブレーキ
    操作判別手段と、 エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、 停車中であり、かつ、ブレーキ操作が行われている状況
    下で、エンジン回転数が所定値以下である場合に、前記
    ブレーキ力保持手段を作動させる保持作動手段と、 車両の走行開始を検知する走行開始検知手段と、 車両の走行開始が検知された場合に前記ブレーキ力保持
    手段の作動を解除する保持解除手段とを備えることを特
    徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 マニュアルトランスミッション車に搭載
    され、ブレーキ操作の解除後にブレーキ力を保持するブ
    レーキ力保持手段を備える車両用ブレーキ装置であっ
    て、 停車中であるか否かを判別する停車状態判別手段と、 ブレーキ操作が行われているか否かを判別するブレーキ
    操作判別手段と、 停車中であり、かつ、ブレーキ操作が行われている場合
    に、前記ブレーキ力保持手段を作動させる保持作動手段
    と、 ブレーキ操作が解除された後の経過時間を計測する経過
    時間計測手段と、 前記経過時間が所定値に達した時点で前記ブレーキ力保
    持手段の作動を解除する保持解除手段とを備えることを
    特徴とする車両用ブレーキ装置。
JP11722598A 1998-04-27 1998-04-27 車両用ブレーキ装置 Pending JPH11310119A (ja)

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