JPH11305646A - 初期値生成方法および装置 - Google Patents

初期値生成方法および装置

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JPH11305646A
JPH11305646A JP11396598A JP11396598A JPH11305646A JP H11305646 A JPH11305646 A JP H11305646A JP 11396598 A JP11396598 A JP 11396598A JP 11396598 A JP11396598 A JP 11396598A JP H11305646 A JPH11305646 A JP H11305646A
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JP
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data
initial value
plant
node
reliability
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JP11396598A
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Masashi Kitamura
雅司 北村
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱流動モデルの安定に動作する初期値を限ら
れたプラントデータから容易に求めること、および実デ
ータを用いて信頼性および精度の高い初期値を求めるこ
とである。 【解決手段】 プラントシミュレーションにおけるモデ
ルノーディングデータ、実プロセス計測点データ、設計
データ、および当該設計データに付加されたデータの正
確さを表す信頼度データを入出力する入出力処理部15
と、該入出力処理部15により入力された前記各データ
に基づいて、正確でないデータを修正して最適な初期値
データを生成するデータ処理部18と、該データ処理部
18により生成された前記初期値データを格納する格納
部19とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば発電プラ
ントの設計評価および運転訓練などにおいて、シミュレ
ーションによりプラントの動特性解析を行う際に必要な
初期値を生成する初期値生成方法および装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図16は、例えば特開平7−10465
6号公報に示された従来の初期値生成方法が適用される
解析装置の構成を示すブロック図である。図16におい
て、1aは補助記憶装置からそれぞれの図形イメージを
読み出し、これら読み出した図形イメージを配置、結線
するモデルエディタ部である。詳しくは、ポインティン
グデバイスのアクセスに基づいてディスプレイモニタ上
にそれぞれのイメージを配置、結線することにより解析
対象のプラントの模擬モデルを構築する処理、および、
入力装置から入力された形状データ、物理量データ等を
書き込む処理などを行うイメージ処理手段である。この
モデルエディタ部1aの処理結果はイメージデータとし
てディスプレイモニタに出力されるとともに、モデルデ
ータ1fとしてさらにデータ処理される。
【0003】1gはモデルエディタ部1aから与えられ
るモデルデータ1fに基づいて表示および操作ならびに
模擬演算の際の各種のデータを生成するデータ処理部で
ある。例えば、モデルデータ1fからプラントの構造と
プラントの熱水力的状態を定義する模擬演算のための初
期データ1hをそれぞれの階層に応じて複数生成し、ま
た、同様に操作対象を定義する操作定義データ1iおよ
び表示対象を定義する表示定義データ1jを生成し、さ
らに階層化のために模擬演算部1kのいずれかの演算手
段を起動するための起動データ1nなどを生成する。
【0004】具体的に説明すると、初期データ1hはプ
ラント状態量やプラント構造材の物理量のデータであ
り、模擬演算対象のプラントをモデル化した値として表
され、例えばモデルデータ1fからモデル内のブロック
間の接続関係と、ブロック内の要素部品の種類および接
続関係と、属性データとを含む形式にて記述される。同
様に、操作定義データ1iおよび表示定義データ1jに
は、検出端および操作端の接続先の要素部品に対応する
共有メモリ上の先頭からのアドレスが記述される。
【0005】1kは模擬対象を数学モデルに従って演算
を行うことで模擬対象の挙動をシミュレーションする模
擬演算部である。この模擬演算部1kは、プラントの基
点を表すノードにおいてはエネルギー保存式および質量
保存式に基づいて模擬演算処理を行い、流路を表すジャ
ンクションにおいては運動量保存式に基づいて模擬演算
処理を行う。
【0006】1rは各模擬演算部1kごとに設けられた
共有メモリである。これら共有メモリ1rは、模擬演算
部1kにおいてその動作中に演算結果のデータの出力ま
たは模擬対象に対する模擬操作データの入力を行う。
【0007】1mは起動データ1nに基づいて模擬演算
部1kのそれぞれを起動する演算手段起動部、1oは操
作定義データ1iに基づいてデータ入力装置からの入力
値を共有メモリ1rに書き込む操作処理部、1pは表示
定義データ1jに基づいて共有メモリ1rから演算値を
読み出し、ディスプレイモニタ上に演算値を表示する表
示処理部、1qはモデルエディタ部1aおよび操作処理
部1oならびに表示処理部1pのデータの入出力を制御
する入出力処理部である。
【0008】次に動作について説明する。初期データ1
hは、モデルデータ1fをもとに、データ処理部1gに
おいてモデル内のブロック間の接続関係と、ブロック内
の要素部品の種類および接続関係と属性データにもとづ
いて生成される。
【0009】さらに、初期データの調整に関する従来の
技術として、特開平7−121230号公報に示された
解析装置があり、図17はその構成を示す概念図であ
る。図17において、2はシミュレーションを実行する
シミュレータ部、3はシミュレーションに使用する系統
特性値を学習する学習部、4はシミュレーションに使用
するシミュレータモデル式とモデルデータを格納するモ
デルデータ部、5は検出器および制御器が検出したプラ
ントのプロセス信号を取り込むプロセス信号取込部、6
は機器もしくは系統の状態を示すディジタル信号を取り
込むディジタル信号取込部、7は入力機能と表示機能を
有した表示/入力装置、8はこの解析装置をプラントの
健全性診断に適用するための系統の健全性を診断する診
断部である。
【0010】次に動作について説明する。シミュレータ
部2は、プロセス信号取込部5あるいはディジタル信号
取込部6からプロセス/デジタル信号Xiを入力し、対
象系統に応じてモデルデータ部4から取り出したシミュ
レータモデル式Xj=fj(X1,X2,X3・・・)
に基づいてプラント状態推定値Xjを算出する。この予
測結果は、表示/入力装置7と診断部8に出力される。
診断部8は、シミュレータ部2が算出したプラント状態
推定値Xjと、プロセス信号取込部5およびディジタル
信号取込部6から入力したプロセス/デジタル信号値X
とを比較し、診断結果を表示/入力装置7に出力する。
プロセス/ディジタル信号値Xとプラント状態推定値X
jの差(X−Xj)が所定の正常範囲を逸脱したときに
診断部8は異常と判断し、表示/入力装置7に異常の表
示を出力する。
【0011】診断部8から異常の表示信号があったとき
は、表示/入力装置7は異常と判断されたプラント状態
推定値Xjの名称と、それに関わる情報を運転員に表示
する。モデルデータ部4は、シミュレータモデル式と、
系統特性値を含むモデルデータとを格納している。各モ
デルデータは、(信号名称、設計値、最適値などの系統
特性値、学習方法インデックス、運転履歴、学習履歴、
学習条件)のような構造を有している。学習部3は、学
習条件が満たされたとき、前記学習方法インデックスで
指定された学習方法で、その系統を最もよく近似する系
統特性値(最適値)を学習する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の初期値生成方法
および装置は以上のように構成されているので、発電プ
ラントを初めとする流体による熱伝達を用いたプラント
のシミュレーションにおいては、主に水を用いた熱流動
のシミュレーションがプラント全体のシミュレーション
において特に重要であり、できるだけ正確に熱流動状態
を模擬するために、運動量保存則、質量保存則、エネル
ギー保存則を解くことで熱流動状態を模擬するモデル化
が行われる場合がある。特に、原子力プラントの1次冷
却材系統に関しては、冷却材である水が沸騰している場
合の水蒸気混合状態の2相流を、気相と液相の相互作用
という形で扱うモデル化が行われる場合がある。このよ
うに高精度な熱流動解析のモデルは非常に複雑なものに
なっているため、これらモデルを用いる場合に最初に正
常にモデルが動作する初期値を与えることは困難な作業
であった。すなわち、各種保存則を用いてモデル化を行
う場合には、シミュレーションの初期値はこれらの保存
則を全て満足するものでなければならない。一方、実デ
ータなどから得られる値は、計測箇所が限られているこ
と及び計測誤差が存在すること、また、満足のいくシミ
ュレーション結果を得るためにはシミュレーションの空
間的な分解能は実データの計測箇所よりも細かいことが
必要とされるために、実データだけではシミュレータの
初期値としては不十分である課題があった。
【0013】前記特開平7−104656号公報では、
すべてのノードおよびジャンクションについて初期値と
なる物性値を与える必要があり、それを与えるためには
専門的・経験的な技量が必要である上に、それによって
生成された初期値が正常に動作するかという保証がない
というものであった。そこで、従来では生成した初期値
をもとに定常計算を行い、収束した値を最終的に初期値
とするものであり、その際に初めの初期値によっては収
束に非常に時間がかかったり、収束せずに発散すること
もあるという課題があった。
【0014】初期値を与える場合のもう一つの方法とし
ては、境界条件をもとに解析的に安定な初期値を求める
方法があるが、この方法はモデルが単純で方程式の数が
少ない場合には良いが、モデルが大規模になり、解析モ
デルが複雑になる場合には解析解を得るのは困難であ
り、プラントの熱流動モデルの場合には実質的に不可能
であるという課題があった。
【0015】また、特開平7−121230号公報のよ
うにシミュレータの特性値を実データから求める従来の
方法では、まず最初にシミュレータのモデルが存在した
場合に、実データを用いて最適値を学習できる部分につ
いて学習するというものであった。従って、新しくモデ
ルを生成する場合には、モデルが正常に動作するような
初期データを最初に与える必要があり、さらに、プラン
トのモデリングが特性関数を用いて行われるものであ
り、微分方程式で与えられた保存則を解くことによるプ
ラントの熱流動モデルには適用できないという課題があ
った。
【0016】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、熱流動モデルの安定に動作する
初期値を容易に求めることの可能な初期値生成方法およ
び装置を得ることを目的とする。
【0017】また、この発明は、実データを用いて信頼
性および精度の高い初期値を求めることが可能な初期値
生成方法および装置を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に係る初期値生
成方法は、プラントの配管内を流れる流体に関し、プラ
ントの配管の基点をそれぞれノード、流路をジャンクシ
ョンとして模擬演算するノードジャンクション法を適用
し、微分方程式を解くことで熱流動シミュレーションを
行うプラントシミュレーションにおけるモデルノーディ
ングデータ、実プロセス計測点データ、設計データ、お
よび当該設計データに付加されたデータの正確さを表す
信頼度データを入出力し、該入出力された前記各データ
に基づき正確でないデータを修正し、最適な初期値デー
タを生成するようにしたものである。
【0019】この発明に係る初期値生成方法は、プラン
トシミュレーションにおけるモデルノーディングデー
タ、実プロセス計測点データ、設計データ、および当該
設計データに付加されたデータの正確さを表す信頼度デ
ータを入出力し、該入出力された定常状態についての実
データをもとに、各流路において成立する運動量保存式
を用いることで実データの存在しないノードの値を推定
するとともに、前記設計データの信頼度データと各流路
において成立する運動量保存式を用いることで信頼度の
低い設計データの修正を行い、当該修正結果を各ノード
において成立する質量保存則とエネルギー保存則に適用
することで、プラントシミュレーションにおける安定動
作に必要な初期値データを生成するようにしたものであ
る。
【0020】この発明に係る初期値生成方法は、プラン
トシミュレーションにおけるモデルノーディングデー
タ、実プロセス計測点データ、設計データ、および当該
設計データに付加されたデータの正確さを表す信頼度デ
ータを入出力し、該入出力された流量の異なる2つ以上
の定常状態の実データをもとに、配管高度差による圧力
損失と弁および配管による圧力損失の流量変化に伴う影
響度の違いを用いて、信頼度の低い配管高度差と弁およ
び配管の圧力損失係数などの値を推定するとともに、前
記設計データの信頼度データと各流路において成立する
運動量保存式を用いることで信頼度の低い設計データの
修正を行い、当該修正結果を各ノードにおいて成立する
質量保存則とエネルギー保存則に適用することで、プラ
ントシミュレーションにおける安定動作に必要な初期値
データを生成するようにしたものである。
【0021】この発明に係る初期値生成方法は、プラン
トシミュレーションにおけるモデルノーディングデー
タ、実プロセス計測点データ、設計データ、および当該
設計データに付加されたデータの正確さを表す信頼度デ
ータを入出力し、該入出力された2つ以上の定常状態で
の実データをもとに、弁の開度に応じた圧損係数の値
を、弁の含まれる流路に関して成立する運動量保存式か
ら導出される値を用いて適切な関数を近似することで推
定するとともに、前記設計データの信頼度データと各流
路において成立する運動量保存式を用いることで信頼度
の低い設計データの修正を行い、該修正結果を各ノード
において成立する質量保存則とエネルギー保存則に適用
することで、プラントシミュレーションにおける安定動
作に必要な初期値データを生成するようにしたものであ
る。
【0022】この発明に係る初期値生成装置は、プラン
トの配管内を流れる流体に関して、プラントの配管の基
点をそれぞれノード、流路をジャンクションとして模擬
演算するノードジャンクション法を適用し微分方程式を
解くことで熱流動シミュレーションを行うプラントシミ
ュレーションにおけるモデルノーディングデータ、実プ
ロセス計測点データ、設計データ、および当該設計デー
タに付加されたデータの正確さを表す信頼度データを入
出力する入出力処理部と、該入出力処理部により入出力
された前記各データに基づいて正確でないデータを修正
して最適な初期値データを生成するデータ処理部と、該
データ処理部により生成された前記初期値データを格納
する初期値データ格納部とを備えるようにしたものであ
る。
【0023】この発明に係る初期値生成装置は、入出力
処理部により入出力された定常状態についての実データ
をもとに、各流路において成立する運動量保存式を用い
ることで実データの存在しないノードの値を推定すると
ともに、設計データの信頼度データと各流路において成
立する運動量保存式を用いることで信頼度の低い設計デ
ータの修正を行い、当該修正結果を各ノードにおいて成
立する質量保存則とエネルギー保存則に適用すること
で、プラントシミュレーションにおける安定動作に必要
な初期値データを生成するデータ処理部を備えるように
したものである。
【0024】この発明に係る初期値生成装置は、入出力
処理部により入出力された流量の異なる2つ以上の定常
状態の実データをもとに、配管高度差による圧力損失と
弁および配管による圧力損失の流量変化に伴う影響度の
違いを用いて、信頼度の低い配管高度差と弁および配管
の圧力損失係数を推定するとともに、前記設計データの
信頼度データと各流路において成立する運動量保存式を
用いることで信頼度の低い設計データの修正を行い、該
修正結果を各ノードにおいて成立する質量保存則とエネ
ルギー保存則に適用することで、プラントシミュレーシ
ョンにおける安定動作に必要な初期値データを生成する
データ処理部を備えるようにしたものである。
【0025】この発明に係る初期値生成装置は、入出力
処理部により入出力された2つ以上の定常状態での実デ
ータをもとに、弁の開度に応じた圧損係数の値を、弁の
含まれる流路に関して成立する運動量保存式から導出さ
れる値を用いて適切な関数を近似することで推定すると
ともに、前記設計データの信頼度データと各流路におい
て成立する運動量保存式を用いることで信頼度の低い設
計データの修正を行い、該修正結果を各ノードにおいて
成立する質量保存則とエネルギー保存則に適用すること
で、プラントシミュレーションにおける安定動作に必要
な初期値データを生成するデータ処理部を備えるように
したものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。実施の形態1.図1は、この発明の実施の形
態1による初期値生成方法を実現する初期値生成装置の
構成を示すブロック図である。図1において、9は模擬
するプラントの系統における接続関係を定義したモデル
ノーディングデータが格納された記憶部であり、このモ
デルノーディングデータはプラントの配管などをノード
といわれるセルに分割し、それらをジャンクションとい
われる流路で接続した場合のノードジャンクションの接
続関係を表現したデータである。このモデルノーディン
グデータは、質量保存則などを適用して解析する解析装
置では一般的に採用されるノードジャンクション法によ
り系統の接続関係を表現した構造データである。なお、
このモデルノーディングデータは予め用意されて記憶部
9に格納されているものとする。
【0027】10はプラントに設置された圧力計などの
計測器から得られた実プロセス測定点データが格納され
ているデータベースである。11はモデルノーディング
データで接続関係が定義されたモデルノーディングの各
ノードおよびジャンクションの体積や長さなどの属性デ
ータから構成される設計データが格納されたデータベー
スである。12はデータベース11に収められたデータ
の正確さに関してどこまで信頼できるかを表す信頼度デ
ータで構成されたデータベースである。13,14はそ
れぞれキーボード、マウスであり、データベース10,
11,12のデータを効率的に入力するために使用され
る。
【0028】15は入出力処理部であり、モデルノーデ
ィングデータのモデルノーディングに従って、データベ
ース10,11,12のデータを入力するための処理を
行う。16はデータベース10,11,12のデータを
モデルノーディングデータのモデルノーディングに従っ
て入力するために、ノーディングデータをグラフィック
化する表示処理部である。17はノーディングデータを
グラフィック表示するとともに、入力結果をモニタ出力
するディスプレイである。
【0029】18は入力された各種データに基づいてシ
ミュレータモデルが動作するために必要な初期値を生成
する処理を行うデータ処理部である。19は模擬装置が
模擬を開始する際の前記生成された初期データを格納す
る格納部(初期データ格納部)である。
【0030】図2は、この初期値生成装置が初期値を与
える対象としているモデル構築法であるノードジャンク
ション法の概念説明図である。図2において20,21
はノードであり、分割された配管の一つのセルに相当す
る。22はジャンクションであり、ノード20とノード
21を半分づつ跨いで構成される。流量(または流速)
はノードの境界で定義され、それ以外の圧力、エンタル
ピなどの値はノード中心で定義される。従って、質量保
存およびエネルギー保存の方程式はノードについて成立
し、運動量保存則はジャンクションについて成立する。
【0031】図3は、プラントの系統をノードジャンク
ション法に従ってモデル化したときのノーディング図で
ある。図3において23,24はノードであり、配管を
分割した一要素である。25はジャンクションであり、
ノード23とノード24を連結した流路を表している。
プラントの系統を構成する弁とポンプはジャンクション
について定義され、26は弁を示すシンボル、27はポ
ンプを示すシンボルである。
【0032】図3に示した流路に対して、運動量保存則
は一般的に式(1)で表される。運動量保存式は発電プ
ラントにおいて一般的に使われている水をはじめとし
て、いかなる流体においても成立するものである。流体
は液相と気相の状態になり得るが、混合状態として扱う
ことで、液相単相、気相単相、二相混合状態のいづれに
ついても成立する。ただし、この実施の形態において
は、気相と液相とは完全に混合しており、気相と液相と
の速度は等しいものと仮定している。式(1)の左辺
は、流体の密度変化にともなう運動量変化量であり、右
辺第一項は流動による運動量変化量、右辺第二項は流路
に沿った圧力変化による運動量変化量、右辺第三項は流
動圧損による運動量変化量、右辺第四項は重力による運
動量変化量、右辺第五項はポンプによる運動量変化量で
ある。
【0033】
【数1】 ただし、 um :混合流速(m/sec) P:圧力(Pa) l:流路長(m) ρm :混合密度(kg/m3 ) g:重力加速度 h:高度差(m) K:圧損係数 Hd :ポンプ吐出圧(Pa) t:時間(sec) x:流れ方向の距離
【0034】式(1)の圧損係数Kは、流体による摩擦
圧力損失係数と配管の形状による圧力損失、弁(シンボ
ル)26による圧力損失を考慮して以下のようになる。
【0035】K=Kf+Kv ただし、 Kf:摩擦および形状圧力損失係数 Kv:弁圧力損失係数
【0036】解析装置では、時間と空間について離散化
し、時刻nにおける値をもとにして時刻n+1における
値を計算する。従って、式(1)は図3に示した流路に
対しては式(2)のように離散化される。
【0037】
【数2】 ここで、添字n,n+1は時刻を表し、n+1=n+△
t,kはジャンクション、i,jはノードを表す。
【0038】各ノードに対しては、質量保存式、エネル
ギー保存式が成立する。気相と液相の両方をとりうる流
体の場合には、気相と液相を完全に混合したものとして
扱うモデルと別々に扱うモデルが存在するが、気相と液
相を完全に混合したものとして扱うモデルについて説明
する。この場合は、質量保存式、エネルギー保存式は式
(3),式(4)のようになる。気相と液相を別々に扱
うモデルの場合には質量保存式およびエネルギー保存式
が、気相と液相それぞれについて成立するため、式がそ
れぞれ2本となるが、基本的には同じである。
【0039】
【数3】 ここで、 em :混合エンタルピ(J/Kg) Ak :配管断面積(m2 ) Qwm:配管壁面からの伝熱量(J/sec) (We)ssm :外部からの当該ノードヘの流入エネルギ
ー Wn,in:外部からの当該ノードヘの流入流量
【0040】解析を行う場合には、各流路に対して成立
する運動量保存則と各ノードに対して成立する質量保存
則とエネルギー保存則を連立させて、時刻n+1におけ
る圧力Pn+1 を各ノードに対して先ず導出し、その結果
を各保存式に代入することで時刻n+1の時の他の値
(流速un+1 、エンタルピen+1 など)を求める。
【0041】解析の初期値は全ての流路とノードに関し
て前記保存則が成立しなければならないが、実プロセス
データとして計測器から得られるデータは限られてい
る。実プロセスデータとして計測器から得られる値の種
別を図4に示す。また、初期値生成のためにプラント設
計資料から得られる属性データの種類を図5に示す。
【0042】しかし、各種保存式を閉じさせるために必
要な属性値のうち、弁圧損係数Ki、摩擦および形状圧
損係数Kfは直接的には値が得られず、従来は経験的に
値を与えている。また、配管高度差についても必ずしも
全ての流路で正しい設計値が得られることは少なく、概
略の値を用いていることも多い。
【0043】そこで、以下に述べる方法によって属性値
を修正する。先ず、定常状態ではプロセスの時間変化が
ないと仮定できるので、式(2)は以下のように変形で
きる。
【0044】
【数4】
【0045】従って、図4のデータが与えられた場合に
は、Kの値を式(6)により求めることができる。ここ
で、密度ρm については、圧力と温度、ボイド率が得ら
れれば、物性値を与える状態方程式により求めることが
できる。
【0046】
【数5】
【0047】そこで、属性値に対して以下のような信頼
度データ:rを付与し、図6に示したフローチャートに
従って処理を行うことで信頼度の低い属性値を妥当な値
に修正することができる。 r=1.0 信頼度100%、明らかな設計値が得られそれに基づい
ている場合 0<r<1.0 正確な設計値は得られなかったが、状況的に概路の値を
類推したものであり、下限値も併せて示す。1に近いほ
うが信頼度が高い。 r=0.0 値が全く不明な場合、上下限値だけを示す。
【0048】ここで図6に示すフローチャートを用い
て、この実施の形態1の処理を詳細に説明する。先ず、
ステップST1において、解析に必要な属性値について
信頼度データおよび上下限値がすべて入力されているか
を判断する。データが不十分な場合にはステップST2
へ進み、属性データの入力を求める。次に、ステップS
T3において属性データの信頼度と上下限値の入力を求
める。全ての属性データが入力された場合にはステップ
ST4において、定常状態における実プロセスの測定デ
ータの入力を求める。測定データはデータが存在する部
分だけでよい。ステップST5では、実プロセスの測定
データが異なる定常状態の場合にも存在するかどうかを
判断する。この実施の形態1では定常状態のデータは一
種類であると仮定する。実プロセスの測定データが全て
入力されれば、ステップST6において、運動量保存式
である式(1)を用いて属性値の修正を行う。ステップ
ST7では、ステップST6で求めた圧力分布と属性値
を用いて、質量保存式である式(3)およびエネルギー
保存式である式(4)を解くことで初期値を生成する。
ステップST8では、求めた初期値を解析コードが解析
できる形に出力する。
【0049】ここで、図7に示すフローチャートにより
ステップST6の内部動作についてさらに詳しく説明す
る。先ず、ステップST11において圧力未知ノードの
圧力を推定する。すなわち、圧力の計測値が与えられて
いるノードはよいが、圧力の計測値が与えられていない
ノードに関しては妥当な圧力が推定されなければならな
い。ここで、式(5)を変形して、
【0050】
【数6】
【0051】となるので、圧力が判っているノードPi
に連結するノードの圧力Bは前記ステップST2で与え
た属性値、すなわちh,Hd ,K、を用いて求めること
ができる。このようにして全てのノードの圧力が推定で
きる。
【0052】次に、ステップST12において、属性デ
ータの信頼度を用いて、ステップST11で推定した圧
力の調整範囲を演算する。ここで、信頼度rが1.0で
あれば、その属性値は明らかな設計値に基づいているの
で調整範囲はない(0)とする。信頼度が1未満の場合
には上下限値の値の幅を圧力の調整範囲とする。
【0053】次に、ステップST13において、計測デ
ータの存在する圧力既知ノードの圧力が、別の圧力既知
ノードの値を起点にして求められる推定値の圧力調整範
囲内に収まっているかどうかをチェックする。前記ステ
ップST2,ステップST3で入力した値があまりにも
実際の値からはずれたものであった場合にはこの条件が
成立しなくなる。その場合は、ステップST14に進ん
で属性データの修正要求をする。
【0054】ステップST13が成立した場合には、続
くステップST15において圧力既知ノードの値と圧力
推定値との差を用いて、圧力調整範囲内で圧力未知ノー
ドの圧力を調整する。具体的には、ある圧力未知ノード
があった場合、そのノードからみて流路を各方向に辿っ
て最初にたどり着く圧力既知ノードは少なくとも2つ以
上あるが、それぞれの圧力既知ノードの圧力を起点とし
て、式(7)により圧力未知ノードの圧力を推定し、圧
力未知ノードの圧力の推定値の調整範囲が最も小さい圧
力推定値を採用する。ただし、圧力調整範囲が大きいも
のに関して圧力推定値が少なくとも圧力調整範囲に入っ
ていることを確認し、それを外れていた場合には各推定
値の調整範囲の重なりの中から、選ばれたケースの圧力
推定値に最も近いものを推定値として採用する。これに
よって、圧力未知ノードの圧力の初期値が求まる。
【0055】次に、ステップST16において、流体の
流れる流路J{1,2,・・K}に関して、J=1から
順番に属性値を修正する。ステップST17では、前記
Jに関して、属性値に信頼度の低いものが存在するか判
定を行い、信頼度の低いものが存在すれば、続くステッ
プST18において、Jに関する運動方程式が成立する
ように信頼度の最も低い属性値の値を修正する。具体的
には、圧損係数Kの信頼度が最も低い場合には式(6)
により圧損係数を求めることができる。配管高度差hの
信頼度が最も低い場合には式(6)を変形し、
【0056】
【数7】
【0057】として、配管高度差hを求めることができ
る。そして、ステップST17からステップST20の
ループをJ=1〜Kまで繰り返すことによって、全ての
流路に対して属性値を修正することができる。
【0058】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、ノードジャンクション法を用いて運動量保存則、質
量保存則、エネルギー保存則を連立させて解析を行う熱
流動解析シミュレーションの場合、安定に動作する初期
値を得ることに多大な労力を要していたが、以上説明し
たプロセスにより、一種類の計測データおよび明らかに
なっている限りの属性値を画面に従って入力していくだ
けで、ある程度の精度を保ち最初から安定に動作する初
期値を効率的に生成することができる初期値生成方法お
よび装置が得られる効果がある。
【0059】実施の形態2.この実施の形態2の初期値
生成方法および装置は、流量(または流速)の異なる2
つ以上の定常状態のデータが与えられた場合に、配管圧
損などの属性値をさらに精度良く推定し、初期値データ
を生成する。図8は、この実施の形態2の初期値生成方
法および装置を説明するための系統図である。図8にお
いて、31は配管に取り付けられた圧力計、32は温度
計、33は流量計、34は圧力計、35は圧力計前後の
配管高度差である。36は仮定している流れの方向であ
る。
【0060】図9は、図8の系統図をモデル化したノー
ディング図である。図9において、41は上流側のノー
ド、42は下流側のノードである。43は上流側のノー
ド41と下流側のノード42をつなぐジャンクションで
ある。ここで、圧力計31,温度計32,流量計33は
上流側のノード41の値を計測し、圧力計34は下流側
のノード42の値を計測するものとする。
【0061】図10は、この実施の形態2の初期値生成
方法および装置における属性値の修正処理の一例を示す
フローチャートである。なお、このフローチャートは、
図6のフローチャートにおけるステップST6をさらに
詳細にしたものであり、必要なデータはすでに入力され
ているものとする。基本的には図6で説明した前記実施
の形態1の動作に引き続いて実行され、図7のステップ
ST11〜ステップST15までの処理ステップが存在
するが省略されている。先ず、ステップST31におい
て、流体の流れる流路J{1,2,・・K}に関して、
J=1から順番に演算を行うように制御される。続くス
テップST32において、2つ以上の流速における圧力
損失から、配管高度差と圧損係数を推定する。具体的に
は、2つ以上の流速における定常状態の運動量保存の式
は以下のように表される。
【0062】
【数8】 ここで、流動圧損は流速の2乗に比例し、配管高度差に
よる圧力損失は流速に依存せずに一定であることから、
圧力差の関係は
【0063】
【数9】 となる。ここで、 a0 :配管高度差による圧力損失 a1 :弁圧損、配管圧損による流動圧損による圧力損失
【0064】前記式(11)の左辺は計測データにより
既知であるから、2つ以上の流速uが与えられた場合
に、各流路において圧力損失と流速の関係を導出し、そ
れらを満足するように式(11)を近似しa0 ,a1
求めることで、配管高度差と圧損係数を精度良く求める
ことができる。
【0065】ステップST33において、前記ステップ
ST32で求めた圧損係数を、属性データの信頼度に応
じて弁圧損係数と配管圧損係数に配分する。続くステッ
プST34においては、求められた各属性値が属性値の
上下限値内に収まっているかどうかをチェックする。す
なわち、2種類以上の計測データを用いて求めた属性値
はかなり精度的には優れているはずであるため、それが
上下限値内に入っていない場合には、最初に入力した属
性値あるいは上下限値が全く正しくない可能性が高いた
めである。
【0066】この結果、ステップST34のチェックで
問題がなければステップST36へ進み、前記チェック
の結果、問題があればステップST35へ進んでデータ
修正を要求する。
【0067】ステップST36では、最後の流路(J=
K)に到達したかどうかをチェックし、到達していない
場合にはステップST37へ進み、次の流路について演
算する。K番目の流路の演算が終了した段階で図6に示
すステップST7へ戻る。
【0068】以上のように、この実施の形態2によれば
異なる2つ以上の流量(または流速)による定常状態の
データが得られる場合には、配管高度差と圧損係数に関
して設計データから正確な値が得られなかった場合でも
配管高度差と圧損係数をかなりの正確さで効率的に推定
することができる初期値生成方法および装置が得られる
効果がある。
【0069】実施の形態3.この実施の形態3では、流
量がある場合とない場合の2つの定常状態のデータが与
えられた場合に、配管高度差を精度良く推定するもので
ある。この実施の形態3は、前記実施の形態2における
2つ以上の定常状態のデータの一方の流量が0の場合に
相当する。説明のための系統図とノーディング例は、前
記実施の形態2と同じ図8と図9を用いる。ただし、配
管高度差hの信頼性が低いか全く不明であると仮定す
る。
【0070】次に動作について説明する。図11は、こ
の実施の形態3の初期値生成方法および装置における属
性追加修正処理の要部を示すフローチャートであり、図
6におけるステップST6をさらに詳細にしたものであ
り、図7におけるステップST16〜ステップST20
に対応し、必要なデータはすでに入力されているものと
する。基本的には前記実施の形態1における図7のステ
ップST15に続いて実行される。先ず、ステップST
41において、流体の流れる流路J{1,2,・・K}
に関して、J=1から順番に演算を行うように制御され
る。
【0071】続くステップST42において、流路Jに
関して流量0のデータが存在するのかどうかをチェック
する。この結果、流量0のデータが存在しない場合には
本フローにおいて配管高度差を正確に求めることができ
ないのでスキップする。一方、流量0のデータが存在す
る場合には、ステップST43において配管高度差の信
頼度が1未満かどうかをチェックする。この結果、配管
高度差の信頼度が1の場合には、その精度は十分正確で
あるため、この処理をスキップする。一方、配管高度差
の信頼度が1未満の場合には、ステップST44に進
む。
【0072】ステップST44では、以下の処理を行う
ことで配管高度差を推定する。流量0の場合には流動圧
損項はゼロとなるため、ノード間の圧力差は重力項とポ
ンプ吐出圧の和である。したがって、ポンプ吐出圧が既
知の場合は、流量のある場合の圧力損失ΔP1(=Pj1
−Pi1)と、流量のない場合の圧力損失ΔP2(=Pj2
−Pi2)との差からポンプ吐出圧を引いたものが配管高
度差による圧力損失となる。従って、配管高度差は次の
式(12)により求められる。
【0073】
【数10】
【0074】ここで、密度は主に温度変化に依存し、流
量と圧力が変動した場合にも密度変化はわずかであるた
め、式(12)の導出においてρm1=ρm2を仮定してい
る。
【0075】続くステップST45では配管高度差の信
頼度を1とし、他のステップにより書き換えられないよ
うにする。さらに、ステップST46において配管高度
差の上下限の範囲内に収まっているかどうかを判定す
る。この結果、配管高度差の上下限値に収まらない場合
には、圧力分布が正しくなかったことが原因として考え
られるため、ステップST48において配管高度差を上
限または下限のいずれか近い方に設定し、図7に示すス
テップST11に戻って圧力分布を再計算する。一方、
ステップST46で上下限値内に収まっていた場合に
は、ステップST47に進み、J=Kとなるまで演算を
繰り返し、図6のステップST7へ戻る。
【0076】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、流量の異なる2つの定常状態の計測値が得られた場
合に、片方のデータの流量(または流速)が0であった
とき、流量0の場合の圧力損失が全て重力による影響で
あることを利用して、運動量保存式により配管高度差を
正確に推定できる初期値生成方法および装置が得られる
効果がある。
【0077】実施の形態4.この実施の形態4では、制
御弁が存在し、制御弁開度の異なる2つ以上の定常状態
のデータが与えられた場合に、前記制御弁の開度と弁圧
損係数の関係を精度良く推定し、精度の良い初期値デー
タを生成する。図12は、この実施の形態4の初期値生
成方法が適用される系統図であり、図において51は配
管に取り付けられた制御弁上流側の圧力計、52は制御
弁下流側の圧力計、53は温度計、54は流量計、55
は制御弁、56は流体の流れの方向を表す。
【0078】一般に、弁圧損係数は弁開度の関数として
次に示す式(13)で表される。
【数11】 ここで、 Kv :弁圧損係数 Cv :全開時弁圧損係数 θ:弁開度(0〜1)
【0079】しかし、制御弁などは制御のために上記し
た一般式とは異なる特性に調整されている場合が多く、
制御系と組み合わせた場合に実機と同じ挙動を示すよう
に模擬するためには、制御弁の開度と圧損の関係を実際
の制御弁に合うように調整する必要がある。すなわち、
一般的な弁の場合には圧損係数は弁開度の2乗に反比例
するが、制御弁の場合は個別の関数となる。
【0080】図13は、図12に示す系統図をモデル化
するためにノーディング図として示したものである。図
13において、61は上流側のノード、62は下流側の
ノード、63は上流側のノード61と下流側のノード6
2をつなぐジャンクション、64は制御弁を表す記号で
ある。
【0081】次に動作について説明する。図14は、こ
の実施の形態4の初期値生成方法および装置における属
性追加修正処理の要部を示すフローチャートであり、図
6に示すステップST6をさらに詳細にしたものであっ
て、図7におけるステップST16〜ステップST20
に対応し、必要なデータはすでに入力されているものと
する。この属性追加修正処理は単独でも実施可能である
が、実施の形態1では図7のステップST19、実施の
形態2では図10のステップST36、実施の形態3で
は図11のステップST47の後で実行することも可能
である。
【0082】先ず、ステップST61において、流体の
流れる流路J{1,2,・・K}に関して、J=1から
順番に演算を制御する。続くステップST62では、流
路Jに制御弁64が含まれているかどうかを判定する。
制御弁64が含まれていない場合には次の流路の演算に
進み、また制御弁64が含まれている場合にはステップ
ST63へ進む。
【0083】ステップST63では、制御弁64に関し
て弁開度の異なる場合の実測値データが存在するかどう
かを判定する。この結果、弁開度の異なるデータが存在
しない場合には、弁開度と弁圧損件数の関係を実データ
に即して推定することができないため、次に流路の演算
に進み、また、弁開度の異なるデータが存在する場合に
はステップST64ステップへ進む。
【0084】ステップST64ステップでは、弁開度の
異なるデータセットを用いて、制御弁64の開度と弁圧
損係数の関係を近似する近似関数を求める。ここで、制
御弁は一般的に中間開度で使用されるため、制御弁によ
る圧損はその周辺の仕切弁や配管による圧損に比べて大
きく、周辺の仕切弁や配管の圧損係数を無視することが
可能と考えられる。従って、制御弁開度θ1 、θ2 の2
つの場合のデータが存在する場合の運動量保存式は以下
のようになる。
【0085】
【数12】
【0086】配管高度差の値が信頼度が1の場合には、
v f(θ)以外はすべて既知となるため、式(14)
および式(15)の2式から解析的に近似関数を求める
ことができる。この場合、3つ以上のデータが存在する
場合には最小2乗法などの方法で最も適切な近似関数を
得ることができる。この実施の形態では、データの数に
よって以下のように近似関数を選べるようにしている。 ・データ数2の場合:2次関数で近似 ・データ数3以上の場合:2次以上の多項式で近似 なお、配管高度差の信頼度が1ではない場合には前記実
施の形態2により配管高度差を推定後、この実施の形態
4により弁開度と圧損係数を推定する。
【0087】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、制御弁など開度と弁圧損係数の関係が一般的な弁と
は異なる特性を持つ場合に、弁の開度に応じた流量のデ
ータが複数得られれば、それぞれのデータに関して成立
する運動量保存式を連立させて、弁開度と圧損係数の関
係を適切な関数で近似することにより、開度に応じた弁
圧損係数を精度良く求められる初期値生成方法および装
置が得られる効果がある。
【0088】実施の形態5.この実施の形態5では、初
期値生成の対象とする熱流動モデルとして、液相と気相
の速度差を考慮したより精密なモデルであるドリフトフ
ラックスモデルを用いる。
【0089】図15は、ドリフトフラックスモデルのノ
ーディング図を示し、図15において71は上流側ノー
ド、72は下流側ノード、73は上流側ノード71と下
流側ノード72をつなぐジャンクション、74は液相速
度、75は気相速度を表す。液相と気相との速度を同一
と仮定したモデルでの運動量保存則は式(1)のように
表されるが、ドリフトフラックスモデルでは、
【0090】
【数13】 ただし、 α:気相体積率 ρg :気相密度 ρl :液相密度 Vgj:ドリフト比
【0091】と表される。基本的には前記式(1)と同
様であり、気相体積率が1の場合は気相単体と見なせる
ので前記実施の形態1から前記実施の形態4と同じとな
る。気相体積率が0の場合は液相単体と見なせるので前
記実施の形態1から前記実施の形態4と同じとなる。気
相体積率が(0<α<1)の場合には2相混合状態とな
り、気相体積率およびVgjを与える必要がある。Vgj
実験式が存在し、既知の値から得ることができる。ま
た、気相体積率は水位をはじめとするプロセスデータか
ら求めることができるため、この項目を追加すること
で、前記実施の形態1から前記実施の形態4の方法を適
用することができる。
【0092】従って、この実施の形態5によれば、気相
と液相が完全に混合していることを仮定したモデルの場
合だけではなく、気相と液相の速度差を考慮したモデル
についても適用可能であり、このようなモデルの初期値
生成を容易化できる初期値生成方法および装置が得られ
る効果がある
【0093】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、プラ
ントの配管内を流れる流体に関し、プラントシミュレー
ションにおけるモデルノーディングデータ、実プロセス
計測点データ、設計データ、および当該設計データに付
加されたデータの正確さを表す信頼度データを入出力
し、該入出力された前記各データに基づき正確でないデ
ータを修正し、最適な初期値データを生成するようにし
たので、すべての流路に関して正確な設計データが入手
できない場合にも、入力された前記モデルノーディング
データ、実プロセス計測点データ、設計データおよび当
該設計データの信頼度データをもとに、各保存則が成立
するように正確でないデータを信頼度に応じて修正し最
適な初期値を生成することができ、入手可能な設計デー
タから、解析モデルに対し安定に解析可能な最適な初期
値を容易に得ることができる効果がある。
【0094】この発明によれば、定常状態についての実
データをもとに、各流路において成立する運動量保存式
を用いることで実データの存在しないノードの値を推定
するとともに、前記設計データの信頼度データと各流路
において成立する運動量保存式を用いることで信頼度の
低い設計データの修正を行い、該修正結果を各ノードに
おいて成立する質量保存則とエネルギー保存則に適用す
ることで、プラントシミュレーションにおける安定動作
に必要な初期値データを生成するようにしたので、定常
状態の実データが得られれば、各流路で成立する運動量
保存式と与えられた設計データの信頼度をもとにして信
頼性の低い設計データを適切な値に修正して、プラント
シミュレーションにおいて安定に解析可能な初期値を容
易に生成できる効果がある。
【0095】この発明によれば、流量の異なる2つ以上
の定常状態の実データをもとに、配管高度差による圧力
損失と弁および配管による圧力損失の流量変化に伴う影
響度の違いを用いて、信頼度の低い配管高度差と弁およ
び配管の圧力損失係数などの値を推定するとともに、前
記設計データの信頼度データと各流路において成立する
運動量保存式を用いることで信頼度の低い設計データの
修正を行い、該修正結果を各ノードにおいて成立する質
量保存則とエネルギー保存則に適用することで、プラン
トシミュレーションにおける安定動作に必要な初期値デ
ータを生成するようにしたので、1種類の定常状態の実
データしか得られなかった場合に比べて、プラントシミ
ュレーションにおける初期値をより高精度に求められる
効果がある。
【0096】この発明によれば、2つ以上の定常状態で
の実データをもとに、弁の開度に応じた圧損係数の値
を、弁の含まれる流路に関して成立する運動量保存式か
ら導出される値を用いて適切な関数を近似することで推
定するとともに、前記設計データの信頼度データと各流
路において成立する運動量保存式を用いることで信頼度
の低い設計データの修正を行い、該修正結果を各ノード
において成立する質量保存則とエネルギー保存則に適用
することで、プラントシミュレーションにおける安定動
作に必要な初期値データを生成するようにしたので、制
御弁など開度と弁圧損係数の関係が一般的な弁とは異な
る特性を持つ場合に、弁の開度に応じた流量のデータが
複数得られた場合に、それぞれのデータに関して成立す
る運動量保存式を連立させて、弁開度と圧損係数の関係
を適切な関数で近似して、開度に応じた弁圧損係数を精
度良く求めることができる効果がある。
【0097】この発明によれば、プラントシミュレーシ
ョンにおけるモデルノーディングデータ、実プロセス計
測点データ、設計データ、および当該設計データに付加
されたデータの正確さを表す信頼度データを入出力する
入出力処理部と、該入出力処理部により入出力された前
記各データに基づいて、正確でないデータを修正して最
適な初期値データを生成するデータ処理部と、該データ
処理部により生成された前記初期値データを格納する初
期値データ格納部とを備えるように構成したので、すべ
ての流路に関して正確な設計データが入手できない場合
にも、入力された前記モデルノーディングデータ、実プ
ロセス計測点データ、設計データおよび当該設計データ
の信頼度データをもとに、各保存則が成立するように正
確でないデータを信頼度に応じて修正し最適な初期値を
生成することができ、入手可能な設計データから、解析
モデルに対し安定に解析可能な最適な初期値を容易に得
ることができる効果がある。
【0098】この発明によれば、定常状態についての実
データをもとに、各流路において成立する運動量保存式
を用いることで実データの存在しないノードの値を推定
するとともに、設計データの信頼度データと各流路にお
いて成立する運動量保存式を用いることで信頼度の低い
設計データの修正を行い、該修正結果を各ノードにおい
て成立する質量保存則とエネルギー保存則に適用するこ
とで、プラントシミュレーションにおける安定動作に必
要な初期値データを生成するデータ処理部を備えるよう
に構成したので、定常状態の実データが得られれば、各
流路で成立する運動量保存式と与えられた設計データの
信頼度をもとにして信頼性の低い設計データを適切な値
に修正して、プラントシミュレーションにおいて安定に
解析可能な初期値を容易に生成できる効果がある。
【0099】この発明によれば、流量の異なる2つ以上
の定常状態の実データをもとに、配管高度差による圧力
損失と弁および配管による圧力損失の流量変化に伴う影
響度の違いを用いて、信頼度の低い配管高度差と弁およ
び配管の圧力損失係数を推定するとともに、設計データ
の信頼度データと各流路において成立する運動量保存式
を用いることで信頼度の低い設計データの修正を行い、
該修正結果を各ノードにおいて成立する質量保存則とエ
ネルギー保存則に適用することで、プラントシミュレー
ションにおける安定動作に必要な初期値データを生成す
るデータ処理部を備えるように構成したので、1種類の
定常状態の実データしか得られなかった場合に比べて、
プラントシミュレーションにおける初期値をより高精度
に求められる効果がある。
【0100】この発明によれば、2つ以上の定常状態で
の実データをもとに、弁の開度に応じた圧損係数の値
を、弁の含まれる流路に関して成立する運動量保存式か
ら導出される値を用いて適切な関数を近似することで推
定するとともに、設計データの信頼度データと各流路に
おいて成立する運動量保存式を用いることで信頼度の低
い設計データの修正を行い、該修正結果を各ノードにお
いて成立する質量保存則とエネルギー保存則に適用する
ことで、プラントシミュレーションにおける安定動作に
必要な初期値データを生成するデータ処理部を備えるよ
うに構成したので、制御弁など開度と弁圧損係数の関係
が一般的な弁とは異なる特性を持つ場合に、弁の開度に
応じた流量のデータが複数得られた場合に、それぞれの
データに関して成立する運動量保存式を連立させて、弁
開度と圧損係数の関係を適切な関数で近似して、開度に
応じた弁圧損係数を精度良く求めることができる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による初期値生成方
法を実現する初期値生成装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 ノードジャンクション法の概念説明図であ
る。
【図3】 プラントの系統をノードジャンクション法に
従ってモデル化したときのノーディング図である。
【図4】 実プロセスデータとして計測器から得られる
値の種別を示す説明図である。
【図5】 初期値生成のためにプラント設計資料から得
られる属性データの種類を示す説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態1による初期値生成方
法を実現する初期値生成装置において信頼度の低い属性
値を妥当な値に修正する動作を示すフローチャートであ
る。
【図7】 この発明の実施の形態1による初期値生成方
法を実現する初期値生成装置において、図6のステップ
ST6についての内部動作を示すフローチャートであ
る。
【図8】 この発明の実施の形態2の初期値生成方法を
実現する初期値生成装置を説明するための系統図であ
る。
【図9】 この発明の実施の形態2の初期値生成方法を
実現する初期値生成装置を説明するための図8に示す系
統図をモデル化したノーディング図である。
【図10】 この発明の実施の形態2の初期値生成方法
を実現する初期値生成装置における属性値の修正処理の
一例を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態3の初期値生成方法
を実現する初期値生成装置における属性値の修正処理の
要部を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態4の初期値生成方法
が適用される系統図である。
【図13】 この発明の実施の形態4の初期値生成方法
を実現する初期値生成装置における図12に示す系統図
をモデル化するためにノーディング図である。
【図14】 この発明の実施の形態4の初期値生成方法
を実現する初期値生成装置における属性追加修正処理の
要部を示すフローチャートである。
【図15】 この発明の実施の形態5の初期値生成方法
を実現する初期値生成装置を説明するためのドリフトフ
ラックスモデルのノーディング図である。
【図16】 特開平7−104656号公報に示された
従来の初期値生成方法が適用される解析装置の構成を示
すブロック図である。
【図17】 特開平7−121230号公報に示された
シミュレータの初期値を実機に合わせて調整する解析装
置の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
15 入出力処理部、18 データ処理部、19 格納
部(初期データ格納部)。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラントの配管内を流れる流体に関し、
    プラントの配管の基点をそれぞれノード、流路をジャン
    クションとして模擬演算するノードジャンクション法を
    適用し、微分方程式を解くことで熱流動シミュレーショ
    ンを行うプラントシミュレーションにおけるモデルノー
    ディングデータ、実プロセス計測点データ、設計デー
    タ、および当該設計データに付加されたデータの正確さ
    を表す信頼度データを入出力し、 該入出力された前記各データに基づき正確でないデータ
    を修正し、 最適な初期値データを生成する初期値生成方法。
  2. 【請求項2】 プラントの配管内を流れる流体に関し、
    プラントの配管の基点をそれぞれノード、流路をジャン
    クションとして模擬演算するノードジャンクション法を
    適用し微分方程式を解くことで熱流動シミュレーション
    を行うプラントシミュレーションにおけるモデルノーデ
    ィングデータ、実プロセス計測点データ、設計データ、
    および当該設計データに付加されたデータの正確さを表
    す信頼度データを入出力し、 該入出力された定常状態についての実データをもとに、
    各流路において成立する運動量保存式を用いることで実
    データの存在しないノードの値を推定するとともに、前
    記設計データの信頼度データと各流路において成立する
    運動量保存式を用いることで信頼度の低い設計データの
    修正を行い、 当該修正結果を各ノードにおいて成立する質量保存則と
    エネルギー保存則に適用することで、プラントシミュレ
    ーションにおける安定動作に必要な初期値データを生成
    する初期値生成方法。
  3. 【請求項3】 プラントの配管内を流れる流体に関し
    て、プラントの配管の基点をそれぞれノード、流路をジ
    ャンクションとして模擬演算するノードジャンクション
    法を適用し微分方程式を解くことで熱流動シミュレーシ
    ョンを行うプラントシミュレーションにおけるモデルノ
    ーディングデータ、実プロセス計測点データ、設計デー
    タ、および当該設計データに付加されたデータの正確さ
    を表す信頼度データを入出力し、 該入出力された流量の異なる2つ以上の定常状態の実デ
    ータをもとに、配管高度差による圧力損失と弁および配
    管による圧力損失の流量変化に伴う影響度の違いを用い
    て、信頼度の低い配管高度差と弁および配管の圧力損失
    係数などの値を推定するとともに、前記設計データの信
    頼度データと各流路において成立する運動量保存式を用
    いることで信頼度の低い設計データの修正を行い、当該
    修正結果を各ノードにおいて成立する質量保存則とエネ
    ルギー保存則に適用することで、プラントシミュレーシ
    ョンにおける安定動作に必要な初期値データを生成する
    初期値生成方法。
  4. 【請求項4】 プラントの配管内を流れる流体に関し
    て、プラントの配管の基点をそれぞれノード、流路をジ
    ャンクションとして模擬演算するノードジャンクション
    法を適用し微分方程式を解くことで熱流動シミュレーシ
    ョンを行うプラントシミュレーションにおけるモデルノ
    ーディングデータ、実プロセス計測点データ、設計デー
    タ、および当該設計データに付加されたデータの正確さ
    を表す信頼度データを入出力し、 該入出力された2つ以上の定常状態での実データをもと
    に、弁の開度に応じた圧損係数の値を、弁の含まれる流
    路に関して成立する運動量保存式から導出される値を用
    いて適切な関数を近似することで推定するとともに、前
    記設計データの信頼度データと各流路において成立する
    運動量保存式を用いることで信頼度の低い設計データの
    修正を行い、 該修正結果を各ノードにおいて成立する質量保存則とエ
    ネルギー保存則に適用することで、プラントシミュレー
    ションにおける安定動作に必要な初期値データを生成す
    る初期値生成方法。
  5. 【請求項5】 プラントの配管内を流れる流体に関し
    て、プラントの配管の基点をそれぞれノード、流路をジ
    ャンクションとして模擬演算するノードジャンクション
    法を適用し微分方程式を解くことで熱流動シミュレーシ
    ョンを行うプラントシミュレーションにおけるモデルノ
    ーディングデータ、実プロセス計測点データ、設計デー
    タ、および当該設計データに付加されたデータの正確さ
    を表す信頼度データを入出力する入出力処理部と、 該入出力処理部により入出力された前記各データに基づ
    いて正確でないデータを修正して最適な初期値データを
    生成するデータ処理部と、 該データ処理部により生成された前記初期値データを格
    納する初期値データ格納部とを備えた初期値生成装置。
  6. 【請求項6】 プラントの配管内を流れる流体に関し
    て、プラントの配管の基点をそれぞれノード、流路をジ
    ャンクションとして模擬演算するノードジャンクション
    法を適用し微分方程式を解くことで熱流動シミュレーシ
    ョンを行うプラントシミュレーションにおけるモデルノ
    ーディングデータ、実プロセス計測点データ、設計デー
    タ、および当該設計データに付加されたデータの正確さ
    を表す信頼度データを入出力する入出力処理部と、 該入出力処理部により入出力された定常状態についての
    実データをもとに、各流路において成立する運動量保存
    式を用いることで実データの存在しないノードの値を推
    定するとともに、前記設計データの信頼度データと各流
    路において成立する運動量保存式を用いることで信頼度
    の低い設計データの修正を行い、当該修正結果を各ノー
    ドにおいて成立する質量保存則とエネルギー保存則に適
    用することで、プラントシミュレーションにおける安定
    動作に必要な初期値データを生成するデータ処理部と、 該データ処理部により生成された前記初期値データを格
    納する初期値データ格納部とを備えた初期値生成装置。
  7. 【請求項7】 プラントの配管内を流れる流体に関し
    て、プラントの配管の基点をそれぞれノード、流路をジ
    ャンクションとして模擬演算するノードジャンクション
    法を適用し微分方程式を解くことで熱流動シミュレーシ
    ョンを行うプラントシミュレーションにおけるモデルノ
    ーディングデータ、実プロセス計測点データ、設計デー
    タ、および当該設計データに付加されたデータの正確さ
    を表す信頼度データを入出力する入出力処理部と、 該入出力処理部により入出力された流量の異なる2つ以
    上の定常状態の実データをもとに、配管高度差による圧
    力損失と弁および配管による圧力損失の流量変化に伴う
    影響度の違いを用いて、信頼度の低い配管高度差と弁お
    よび配管の圧力損失係数を推定するとともに、前記設計
    データの信頼度データと各流路において成立する運動量
    保存式を用いることで信頼度の低い設計データの修正を
    行い、該修正結果を各ノードにおいて成立する質量保存
    則とエネルギー保存則に適用することで、プラントシミ
    ュレーションにおける安定動作に必要な初期値データを
    生成するデータ処理部と、 該データ処理部により生成された前記初期値データを格
    納する初期値データ格納部とを備えた初期値生成装置。
  8. 【請求項8】 プラントの配管内を流れる流体に関し
    て、プラントの配管の基点をそれぞれノード、流路をジ
    ャンクションとして模擬演算するノードジャンクション
    法を適用し微分方程式を解くことで熱流動シミュレーシ
    ョンを行うプラントシミュレーションにおけるモデルノ
    ーディングデータ、実プロセス計測点データ、設計デー
    タ、および当該設計データに付加されたデータの正確さ
    を表す信頼度データを入出力する入出力処理部と、 該入出力処理部により入出力された2つ以上の定常状態
    での実データをもとに、弁の開度に応じた圧損係数の値
    を、弁の含まれる流路に関して成立する運動量保存式か
    ら導出される値を用いて適切な関数を近似することで推
    定するとともに、前記設計データの信頼度データと各流
    路において成立する運動量保存式を用いることで信頼度
    の低い設計データの修正を行い、該修正結果を各ノード
    において成立する質量保存則とエネルギー保存則に適用
    することで、プラントシミュレーションにおける安定動
    作に必要な初期値データを生成するデータ処理部と、 該データ処理部により生成された前記初期値データを格
    納する初期値データ格納部とを備えた初期値生成装置。
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