JPH11303246A - 制震型rc造建物 - Google Patents
制震型rc造建物Info
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- JPH11303246A JPH11303246A JP11158498A JP11158498A JPH11303246A JP H11303246 A JPH11303246 A JP H11303246A JP 11158498 A JP11158498 A JP 11158498A JP 11158498 A JP11158498 A JP 11158498A JP H11303246 A JPH11303246 A JP H11303246A
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Abstract
物全体としての耐震安全性の向上を簡潔、安価に達成さ
せる制震型RC造建物を提供しようとするものである。 【解決手段】 本発明による制震型RC造建物は、基本
的に建物の副構造部に制震装置を組み込んだものであ
り、具体的には間柱や方立壁に鋼材ダンパー等を組み込
んだことを特徴とするもので、建物の副構造部に制震機
能を付与して建物全体としての耐震安全性の向上を図っ
ている。
Description
構造に関し、特に、建物の副構造部内に制震装置を組み
込んだ制震型RC造建物に関する。
対して必ずしも完全でないとの認識から、建物の耐震安
全性がクローズアップされてきており、その対策として
地震力を大幅に減らすことのできる免震・制震構造が注
目を浴び社会的な関心事になっている。このため、各方
面から免震・制震構造に関する提案が数多く為されてい
るが、簡便にして効果的な制震構造は未だに開発されて
いない状況にある。
構造部に対して処置されたものが多く提案されてきた。
特に、減衰装置を柱、梁あるいはブレースの一部に組み
合わせた制震構造は、地震時の層間変形を効果的に減衰
装置に伝えることができることと建物として基本的な構
成で制震架構を構築できるために広く採用されている。
しかし、建物は主要構造部の他に数多くの部材から構成
されているのが実態である。従って、例えば間仕切壁、
間柱、小梁、庇のような建物の副構造部においても、建
物の耐震安全性を向上させるために免震装置・制震構造
の一端を担っていけるならば、建物全体の生産コストを
低減できることになる。
造部に制震装置を組み込んで、建物全体としての耐震安
全性の向上を簡潔、安価に達成させる制震型RC造建物
を提供しようとするものである。
造建物は、基本的に建物の副構造部に制震装置を組み込
んだものであり、具体的には間柱や方立壁に鋼材ダンパ
ーを組み込んだことを特徴とするもので、建物の副構造
部に制震機能を付与して建物全体としての耐震安全性の
向上を図っている。
における住居の平面図であり、図示のように、共同住宅
1の廊下側には玄関の部分に間柱2を設けてあり、反対
の南面バルコニー側には方立壁3が配置してある。本発
明は、建物の副構造部であるこれらの方立壁、間柱に制
震装置を組み込んで、建物全体としての耐震性能を向上
させようとするものであるので、順次その実施の形態に
ついて説明する。
状態を説明するための断面図(a)と正面図(b)であ
る。間柱2は、下端部分5を切断してあり、さらに切断
した下端部分5と立上がり部6には間柱内部に切込む空
間7,8を形成してある。空間7の形成は、図2(a)
で示すように間柱2の柱主筋を空間7の上端部分で一旦
切断しておき、居室の外側の柱主筋から所定の鉄筋を間
柱2の下端部分5まで延長付設して補強筋で強度を保っ
ておく。次いで空間7を確保するように通常通りに型枠
を組んでコンクリートを打設して施工する。スラブ側に
形成させる空間8は、強度的考慮をする必要がなく間柱
としての形を整えるものであるから、外側及び左右の所
定位置に立上がり部6を形成するように型枠作業をして
コンクリートを打設する。空間7の上面と空間8の下面
には、制震装置4を設置するための鋼板11,11’が
配置してある。各鋼板には複数の袋ナット12が植設し
てあり、袋ナットにはさらに固定用のアンカー13が敷
設してある。間柱2の形成時に各鋼板を予め所定の位置
に配置しておき、型枠設定とコンクリート打設によっ
て、空間7,8の上下面に堅固に固定された鋼板11,
11’を設置する。
鋼14を用いた鋼材ダンパー15を採用している。鋼材
ダンパー15は、極軟鋼14の両端に取付部材16、1
6’を溶接してある。取付部材16、16’は、平板1
7に垂直版18を設けてあり、極軟鋼14と接合してい
る。極軟鋼14と取付部材16、16’との位置関係
は、間柱2に鋼材ダンパー15を装着した時に、極軟鋼
14が間柱の軸心に来るようにその位置を決めておき、
外部からの応力を間柱の軸心で受けるように構成する。
最初に、空間7の上面9にある鋼板11に取付部材16
を合わせてアンカーボルト19で固定する。次いで、空
間8の下面10にある鋼板11’に取付部材16’を対
応させてアンカーボルト19で固定するが、間柱と床ス
ラブとの施工間隙を吸収するためと鋼材ダンパー15の
セッテングを最適な状態にするために、鋼板11’と取
付部材16’とは間隙を作るようにしてある。この間隙
にはアンカーボルト19で固定した後に無収縮グラウト
材20を充填して鋼材ダンパー15を最終的に固定して
装着を完了し、間柱2の下部空間7,8の側面は通常の
仕上げと同様にALC版等の建材で構成する。なお、間
柱の下端に建物外部側の目隠しとして形成した、下り部
分にある間隙22の全域を通常のシーリング材23を用
いて塞ぐことで、外部からの雨水、騒音を防止してい
る。
壁3に制震装置30を組み込んだ状態について説明す
る。 方立壁3は、下端部分31を切断してあり、さら
に切断した下端部分31と立上がり部32には方立壁内
部に切込む空間33,34を形成してある。空間33
は、図3(a)、(b)で示すように方立壁3の下端部
分31に3方を閉塞した窪みを確保するようにコンクリ
ートを打設して形成する。スラブ側に形成させる空間3
4は、強度的考慮をする必要がなく方立壁としての形を
整えるものであるから、外側及び左右の所定位置に立上
がり部32を形成して構築する。空間33の上面35と
空間34の下面36には、制震装置30を設置するため
の鋼板37,37’が配置してある。各鋼板には複数の
袋ナット38が植設してあり、袋ナットにはさらに固定
用のアンカー39が敷設してある。方立壁3の形成時に
各鋼板を予め所定の位置に配置しておき、型枠設定とコ
ンクリート打設によって、空間33、34の上下面に堅
固に固定された鋼板37,37’を設置する。
軟鋼40を用いた鋼材ダンパー41を採用している。鋼
材ダンパー41は、極軟鋼40の両端にL型の取付部材
42、42’を溶接してある。取付部材42、42’を
L型にしてあるのは、方立壁3は間柱2のように奥行き
のある4角形でなく厚みの制限された平板状の副構造部
であるから、その範囲において極軟鋼40を充分な強度
を持って保持できるようにするためである。極軟鋼42
と取付部材42、42’との位置関係は、方立壁3に鋼
材ダンパー41を装着した時に、極軟鋼42が方立壁3
の厚み方向の中央に来るようにその形状を決めておき、
外部からの応力を方立壁の中央で受けるように構成して
いる。
は、間柱2の場合と同様に、最初に空間33の上面35
にある鋼板37に取付部材42を合わせてアンカーボル
ト43で固定する。次いで、空間34の下面36にある
鋼板37’に取付部材42’を対応させてアンカーボル
ト43で固定するが、間柱と床スラブとの施工間隙を吸
収するためと鋼材ダンパー41のセッテングを最適な状
態にするために、鋼板37’と取付部材42’とは間隙
を作るようにしてある。この間隙にはアンカーボルト4
3で固定した後に無収縮グラウト材44を充填して鋼材
ダンパー41を最終的に固定して装着を完了する。な
お、方立壁の下端に建物外部側の目隠しとして形成し
た、下り壁にある間隙45の全域を通常のシーリング材
46を用いて塞ぐことで、外部からの雨水、騒音を防止
している。
る建物の副構造部として間柱、方立壁を例にして、制震
装置はそれぞれの脚部に取り付けるものとして説明して
きた。しかし、建物の副構造部としてはこの他にも数多
く存在しているから、建物の構造や副構造部の配置等を
考慮しながら本発明の主旨を生かして他の副構造部にも
制震装置を配備できることは当然のことであり、制震装
置の取り付け位置について脚部に限るものでなく、その
中間部等に配置することも諸般の事情に従って適宜選択
可能なものである。さらに、間柱及び方立壁の下端に設
けた、鋼材ダンパーの背後を塞ぐ下り壁に関しても、こ
れは必須のものでなく省略することもあり得るものであ
る。
容易である鋼材ダンパーを適用した例を説明してきた
が、決してこれに限定されるものでない。即ち、鋼材ダ
ンパーの極軟鋼と取り付け部材との接合を溶接によって
行う場合を例示してきたが、この接合は所定の強度さえ
保持できるならば、高力ボルト等の一般的機械接合の手
段で充分である。又、鋼材ダンパーの形態についても、
間柱、方立壁で異なる種類のものを敢えて開示してきた
が、間柱、方立壁のいずれにも同様に使用できる以下の
ような鋼材ダンパーも採用可能である。
断面図である。鋼材ダンパー50は、極軟鋼51のみで
構成されており、補強用のリブを設けているが取付部材
を備えていない。極軟鋼51の上下端には取付用に複数
の孔52が設けてある。間柱2もしくは方立壁3の取付
部分には補強用の鋼板53が装着されており、間柱もし
くは方立壁にも極軟鋼の孔52に対応した貫通孔54が
設けられている。又、間柱もしくは方立壁の中心部分に
は図示のように極軟鋼51を遊嵌できる溝55を形成し
てある。
用のボルト56によって装着されるが、間柱もしくは方
立壁に固着させてしまうものでなく、ボルト56を弛め
ることで適宜取り外せるようにしてある。本実施の形態
は、構造が簡素でその取り付け、取り外しが極めて手軽
にできることから、副構造部に適用するのに少ないスペ
ースで簡潔に施工できる有効な手段といえる。
パーに限らず例えば複数の鋼板の間に粘弾性体を挟んだ
積層型の粘弾性減衰機構、ピストン型減衰機構のよう
に、副構造部の所定の空間に配備できる既存の制震装置
は採用可能であるから、上述の例に何ら制限されるもの
でない。
的に建物の副構造部に制震装置を組み込んだものであ
り、具体的には間柱や方立壁に鋼材ダンパーを組み込ん
だことを特徴とするものであるから、従来は耐震安全性
の対策部材として考慮していなかった建物の副構造部に
制震機能を付与して有効に活用し、建物全体としての耐
震安全性の向上を簡潔、安価に達成させる効果を発揮す
るものである。
アンカーボルト 4、30 制震装置 20、44
無収縮グラウト材 5、31 下端部分 22、45
間隙 6、32 立上がり部 23、46
シーリング材 7,8 間柱の空間 33,34
方立壁の空間 9 空間7の上面 37,37’
鋼板 10 空間8の下面 42,42’
取付部材 11,11’ 鋼板 50 鋼材ダ
ンパー 12、38 袋ナット 51 極軟鋼 13、39 固定用アンカー 52 極軟鋼
の取付用孔 14、40 極軟鋼 53 鋼板 15、41 鋼材ダンパー 54 貫通孔 16、16’ 取付部材 55 嵌入用
の溝
Claims (4)
- 【請求項1】 建物の副構造部に制震装置を組み込んだ
ことを特徴とする制震型RC造建物。 - 【請求項2】 副構造部が間柱であることを特徴とする
請求項1に記載の制震型RC造建物。 - 【請求項3】 副構造部が方立壁であることを特徴とす
る請求項1に記載の制震型RC造建物。 - 【請求項4】 制震装置が鋼材ダンパーであることを特
徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制震型RC造
建物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11158498A JP3728645B2 (ja) | 1998-04-22 | 1998-04-22 | Rc造建物の制震構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11158498A JP3728645B2 (ja) | 1998-04-22 | 1998-04-22 | Rc造建物の制震構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11303246A true JPH11303246A (ja) | 1999-11-02 |
JP3728645B2 JP3728645B2 (ja) | 2005-12-21 |
Family
ID=14565084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11158498A Expired - Fee Related JP3728645B2 (ja) | 1998-04-22 | 1998-04-22 | Rc造建物の制震構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3728645B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103603269A (zh) * | 2013-12-10 | 2014-02-26 | 万维东 | 环向钢丝绳钢球型复合阻尼支座 |
CN104532981A (zh) * | 2014-12-31 | 2015-04-22 | 南京工业大学 | 一种装配式带自攻螺钉增强的钢-木屈曲约束支撑 |
-
1998
- 1998-04-22 JP JP11158498A patent/JP3728645B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103603269A (zh) * | 2013-12-10 | 2014-02-26 | 万维东 | 环向钢丝绳钢球型复合阻尼支座 |
CN104532981A (zh) * | 2014-12-31 | 2015-04-22 | 南京工业大学 | 一种装配式带自攻螺钉增强的钢-木屈曲约束支撑 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3728645B2 (ja) | 2005-12-21 |
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