JPH11300168A - 膜処理方法及び膜処理装置 - Google Patents

膜処理方法及び膜処理装置

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JPH11300168A
JPH11300168A JP13143698A JP13143698A JPH11300168A JP H11300168 A JPH11300168 A JP H11300168A JP 13143698 A JP13143698 A JP 13143698A JP 13143698 A JP13143698 A JP 13143698A JP H11300168 A JPH11300168 A JP H11300168A
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membrane
pump
circulation
filtrate
suction
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JP13143698A
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Tadaaki Hashimoto
忠昭 橋本
Kimiisa Yamamoto
公勇 山本
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】動力コストを低く抑えることができて尚且つフ
ラックスの増量を図ることのできる膜処理方法を提供す
ること。 【解決手段】並設された瀘過膜間に形成される膜間流路
内に供給される液を循環ポンプの圧力で循環すると共
に、該液から吸引ポンプを用いて濾過膜を介して濾液を
取り出す膜処理方法において、前記濾液を取り出す動力
が、前記吸引ポンプの吸引力に依存し、前記循環ポンプ
の圧力に実質的に依存しないことを特徴とする膜処理方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物処理の反応槽
内の汚泥、反応槽から移送されてきた汚泥又はそれらの
濃縮汚泥、生物処理前のし尿廃水、凝集剤添加による凝
集反応液又はその反応液を沈殿槽で分離した濃縮汚泥及
びその上澄み液等の原液を膜瀘過するための膜処理方法
及び膜処理装置に関し、詳しくはコストを低く抑えるこ
とができて尚且つフラックスの増量化を図ることができ
る膜処理方法及び膜処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】海洋や河川等の汚染の原因となる有機
物、窒素、リン等を含有する廃水は、一般に生物処理に
よって清澄な水に処理され、河川等に放流されている。
【0003】生物処理反応液の固液分離手段としては、
従来、重力沈降式の沈殿槽が用いられていたが、最近で
は設置スペースの減少、メンテナンスの容易性等から膜
分離技術が用いられるようになってきた。
【0004】膜分離技術では、瀘液量を長期間一定量得
られることが極めて重要な課題であるが、一般に瀘液量
が時間とともに低下していくことは避けられない。この
原因の一つとして、膜表面に分離濃縮物質等が沈積して
ゲル層を形成し、このゲル層が成長して瀘液の透過の妨
げとなることが考えられている。このゲル層の厚みは、
汚泥中の汚濁物質濃度が高く、かつ透過瀘液量が多いほ
ど厚くなり易くなる。従って、膜分離技術では、上記ゲ
ル層の厚みをいかに少なく抑えていくか、生成したゲル
層をいかに除去させるか、が重要となる。
【0005】従来、膜処理装置としては特願平8−99
445号の図4に記載されているものが知られている
(図3参照)。図3において、10は膜装置、11は汚泥等
の原液が貯溜される反応槽、12は加圧ポンプである。13
は図示しないパッキンを外し分解が可能なフレーム板で
あり、該フレーム板13内に複数の膜付き板14が着脱可能
に固定されている。膜付き板14は膜支持部材17と平膜18
とからなっており、該膜支持部材17の両側面に間隙17a
を介して平膜18が固定され、該膜付き板14の上下には液
流路を形成するための開口15,16が形成されている。19
は瀘液の排出溝、20はフレーム板に設けられた原液流入
口、21は濃縮液流出口、22は原液あるいは濃縮液が流れ
る膜間流路である。
【0006】反応槽11内の原液は加圧ポンプ12により原
液流入口20に導入され、開口16を介して膜間流路22に入
り、平膜18を透過した瀘液と濃縮液とに分離される。瀘
液は瀘液の排出溝19を介して外部に取り出され、濃縮液
は濃縮液流出口21を介して反応槽11に戻されて該反応槽
11内の原液と混合される。上記の循環操作は加圧ポンプ
12の作動により繰り返し行われる。
【0007】一般に膜間流路22内における液の循環流量
は、該膜間流路22内を流れる液の流速によって決まる。
また、この流量は、膜付き板14の上下に形成された開口
15,16の口径によっても規制され、この開口15,16の口
径は、所望の透過瀘液量を得るために循環流量を多く確
保する目的で比較的大きく形成されており(1開口当り
65mmφ)、それに見合うように反応槽11から膜間流路22
を経て反応槽11に戻るという循環経路を構成するための
配管や、該配管に介設された各種アクセサリーも大きな
ものとなり、それだけ設備コストが増加する原因とな
る。
【0008】一方、従来の加圧ポンプ12を用いた加圧型
の膜処理装置においては、ゲル層の成長を抑え且つ流量
を確保するために、膜間流路22内における液の循環流速
を 2〜2.5 m/sec程度と速くする手法が採られていた。
しかし、一般に動力は流速の2乗に比例するため、反応
槽11内の原液を膜間流路22まで供給するための加圧ポン
プ12の動力は大きくならざるを得ず、フラックスは大き
いものの、動力コストの増大化は避けられないものであ
った。
【0009】しかも、膜の循環汚泥側(膜間流路側)に
圧力をかけて運転すると、透過瀘液量が一時的には高く
なるが、透過瀘液量を高くすることによって、膜表面の
ゲル層の成長が早くなり、瀘液量は低下してしまう。高
い透過瀘液量を維持しようとすると、さらに動力コスト
が高くなる。
【0010】平膜方式では、図示しないパッキンを外し
フレームを分解して洗浄することにより完全にゲル層を
除去することができる。このため、仮に汚泥の閉塞が発
生しても膜の機能を完全に回復することができる利点が
ある。しかし、膜の分解点検作業は汚れ作業になるの
で、この作業回数を少なくすることが望まれている。
【0011】上記のような従来の加圧型の膜処理装置が
具有する問題点を解決する膜処理装置として、特願平8
−99445号の図1に記載されている吸引型の膜処理
装置が提案されている(図4参照)。
【0012】この吸引型の膜処理装置は、図4に示すよ
うに、膜支持部材34の両側面に平膜33を固定してなる前
記加圧型の膜処理装置と同様の膜付き板32を縦方向に複
数並設して該膜付き板32間に膜間流路38と瀘液の排出部
34a を交互に形成し、且つ該膜間流路38の下端部に微細
気泡の吐出部60を設けてなる膜装置30と、該吐出部60に
空気を供給する散気装置と、該膜装置30へ濃縮原液を導
入する流入口39a と該膜装置30から濃縮原液を排出する
流出口39b に連結された循環タンク40と、前記瀘液を吸
引する吸引ポンプ50とによって少なくとも構成されてい
る。
【0013】この循環タンク40は、図示しない原液槽か
ら原液供給部41a へ原液が供給される一方、余分な濃縮
液を濃縮液排出部41b からオーバーフローさせて原液槽
へ戻すようになっている。そして、散気装置により上記
吐出部60に空気を供給して微細気泡を放出させることに
よって、膜間流路38中の気泡を含有した原液と循環タン
ク40から新たに供給される原液との間に密度差を生じさ
せ、この密度差によって膜装置30と循環タンク40との間
に液流を生じさせて循環流を作り出す一方、瀘液は瀘液
の排出溝37を介して吸引ポンプ50によって外部に取り出
すようにしている。なお、31はフレーム板、35,36は膜
付き板32の上下に形成された開口、61は散気管である。
【0014】これによれば、膜表面のゲル層の成長を防
止でき、所定の透過瀘液量を維持しつつ汚泥の閉塞を防
止でき、しかも膜全体の汚泥閉塞をバラツキなく防止で
きると共に、フレームの分解洗浄回数を減少でき、また
動力の大きな加圧ポンプをなくすことができてコストの
大幅な低減に寄与することができるものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる吸引型
の膜処理装置では、前記した加圧型の膜処理装置に比べ
てコストを大幅に低減することができて省コスト化を図
ることができる反面、循環流を散気装置による微細気泡
の放出によって作り出しているだけであるため、膜間流
路を流れる液の流速は極めて小さく、膜面積当りの透過
量(フラックス)が小さい。このため、従来では動力コ
ストを低く抑えることができて尚且つフラックスの増量
が図れる技術の開発が望まれていた。
【0016】そこで、本発明は、動力コストを低く抑え
ることができて、同時にフラックスの増量を図ることの
できる膜処理方法及び膜処理装置を提供することを課題
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するため鋭意検討した結果、本発明に至ったものであ
り、即ち、請求項1に記載の発明は、並設された瀘過膜
間に形成される膜間流路内に供給される液を循環ポンプ
の圧力で循環すると共に、該液から吸引ポンプを用いて
濾過膜を介して濾液を取り出す膜処理方法において、前
記濾液を取り出す動力が、前記吸引ポンプの吸引力に依
存し、前記循環ポンプの圧力に実質的に依存しないこと
を特徴とする膜処理方法である。
【0018】請求項2に記載の発明は、並設された瀘過
膜間に形成される膜間流路内に供給される液を送り出す
と共に該液から濾液が取り除かれた濃縮液を受け入れる
ための循環タンクを有し、該循環タンクに原液を導入し
て、所定の濾液を得る際に、循環ポンプに依存する膜間
流路内の液流速が、0.5〜1.9m/secであり、
吸引ポンプによる吸引濾過量が、前記循環タンクに供給
される原液量の1/20〜1/2量であることを特徴と
する請求項1記載の膜処理方法である。
【0019】請求項3に記載の発明は、循環ポンプによ
り膜洗浄し、吸引ポンプにより濾過量を設定することを
特徴とする請求項1又は2記載の膜処理方法である。
【0020】請求項4に記載の発明は、上記濾過膜は、
膜間差圧が1kg/cm2以下で濾過可能な膜であることを特
徴とする請求項1、2又は3に記載の膜処理方法であ
る。
【0021】請求項5に記載の発明は、上部又は下部に
流通口を開設した複数の仕切り板により複数ブロックに
区画されると共に、各ブロック内に上下端部近傍に開口
を有する膜支持部材の両側面に平膜状の瀘過膜を固定し
た膜付き板を縦方向に並設してなる膜装置と、上記瀘過
膜によって瀘過された瀘液を吸引する吸引ポンプと、上
記膜装置に並設されて該膜装置に原液を導入する流入口
と該膜装置から濃縮液を流出させる流出口にそれぞれ連
結された循環タンクとを有してなり、上記膜装置は隣接
する膜付き板の間に膜間流路を形成すると共に膜支持部
材と瀘過膜との間に瀘液排出部を形成して該瀘液排出部
を上記吸引ポンプと連絡し、上記循環タンクは原液槽か
ら原液が供給される原液供給部と該循環タンク内の濃縮
液をオーバーフローさせて原液槽へ排出する濃縮液排出
部とを有しており、該循環タンクから前記膜装置の流入
口、膜間流路、開口、流通口及び流出口を経て循環タン
クに戻る循環流路を構成すると共に、この循環流路途上
に循環ポンプを介設したことを特徴とする膜処理装置で
ある。
【0022】請求項6に記載の発明は、上記循環ポンプ
は、膜装置の流入口と循環タンクとを連結している配管
中に介設したことを特徴とする請求項5記載の膜処理装
置である。
【0023】請求項7に記載の発明は、上記循環ポンプ
はラインポンプであることを特徴とする請求項6記載の
膜処理装置である。
【0024】請求項8に記載の発明は、上記濾過膜は、
膜間差圧が1kg/cm2以下で濾過可能な膜であることを特
徴とする請求項5、6又は7に記載の膜処理装置であ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の処理方法について
詳述する。
【0026】本発明の膜処理方法に用いられる膜は、特
に限定されず、例えば限外濾過膜、精密濾過膜等のいず
れでもよく、膜の形態としては平膜が好ましく、更に膜
間差圧として1kg/cm2以下で濾過できる平膜が好まし
い。
【0027】請求項1記載の発明で、並設された瀘過膜
間に形成される膜間流路内に供給される液は、通常原液
と循環液の混合液であり、本発明において、原液として
は、例えば生物処理の反応槽内の汚泥、反応槽から移送
されてきた汚泥又はそれらの濃縮汚泥、生物処理前のし
尿廃水、凝集剤添加による凝集反応液又はその反応液を
沈殿槽で分離した濃縮汚泥及びその上澄み液等が挙げら
れる。また、本発明は、廃水の再利用、有価物の回収、
雨水の利用、各種分離濃縮、各種分離濃縮精製等にも適
用できる。従って、かかる目的を達成する範囲で、本発
明の原液には各種原液が含まれる。
【0028】本発明では、膜処理装置内の循環系の液
(膜間流路内の液)から濾液を取り出す際に、吸引ポン
プを用いている。一方、循環系を形成するために、循環
ポンプを用いている。本発明で循環系に原液を導入する
際には循環ポンプ以外に別に原液ポンプ等が必要とな
り、循環ポンプと原液ポンプとは異なったポンプであ
り、原液ポンプとは別に特別な作用を果たす循環ポンプ
を設ける点が本発明では重要である。
【0029】そして、本発明では、濾液を取り出す動力
が、前記吸引ポンプの吸引力に依存し、前記循環ポンプ
の圧力に実質的に依存しないことを特徴とするものであ
る。ここで、循環ポンプの圧力に実質的に依存しないと
いうのは、循環ポンプは通常押し込み式のポンプを用い
ているのでそれ自体、正の圧力があるが、この圧力が高
ければ、そのポンプだけで濾液は得られる訳だが、本発
明ではこの循環ポンプの圧力に起因して濾液を得ること
は意図していない。
【0030】この循環ポンプは膜間流路内の液流速が、
0.5〜1.9m/secの範囲になる程度の圧力(膜
間の圧損を考慮して)になるようにしており、この流速
は従来の気泡利用の吸引型の膜処理装置における膜間流
速よりも早いが、従来の加圧型の膜処理装置における膜
間流速よりはおそく設定されるのである。この設定が重
要であり、流速を中間に設定することによって、吸引ポ
ンプによる吸引に影響を与えず、膜間の循環による膜表
面洗浄にのみ寄与するのである。
【0031】一方、吸引ポンプでは吸引ポンプにより濾
過量を設定することを主眼としており、好ましい設定範
囲は、例えば、並設された瀘過膜間に形成される膜間流
路内に供給される液を送り出すと共に該液から濾液が取
り除かれた濃縮液を受け入れるための循環タンクを有す
る装置においては、吸引ポンプによる吸引濾過量が、前
記循環タンクに供給される原液量の1/20〜1/2量
(容積比)であることが好ましい範囲である。この量比
の範囲は、吸引濾過量と原液量によって規定されるもの
で、原液や循環液の汚泥濃度(MLSS)が変動しても
よい。
【0032】上記の方法では循環タンクと膜間の流路に
間に循環系が形成されている例が挙げられているが、循
環ポンプは循環タンクから膜間の流路に液を送り出す部
位(膜間流路の入口)に設けることが好ましい。
【0033】以下、本発明の処理方法を実施するための
好ましい処理装置の形態を図面に基づいて説明する。
【0034】図1は本発明の膜処理装置の一例を示す概
略構成図、図2は図1に示す膜処理装置に用いられる膜
装置の一例を示す要部断面図である。図1において、1
は原液を濾液と濃縮液とに分離する膜装置、2は膜装置
1に原液を供給すると共に原液及び膜装置1により分離
された濃縮液が還流されて貯溜される循環タンク、3は
膜装置1により瀘過された瀘液を吸引して取り出す吸引
ポンプ、4は膜装置1と循環タンク2との間で循環流を
作り出す循環ポンプである。
【0035】膜装置1は、所定間隔をおいて縦方向に設
けられたフレーム板101 ,102 により開枠可能な側枠を
構成し、このフレーム板101 ,102 の間に複数の仕切り
板103 を縦方向に設け、該フレーム板101 ,102 の間を
複数のブロックに区画している。図1の形態では6枚の
仕切り板103 によって7つのブロックS1〜S7に区画
した例を示している。
【0036】この仕切り板103 には上部又は下部に液の
流通口104 が形成され、この流通口104 によって隣接す
るブロック同士が連絡されている。この仕切り板103
は、図1に示すように、隣接する仕切り板103 で流通口
104 が上下交互に配置されるようにして、隣接するブロ
ック内の液の流れが上向きと下向きとに交互に形成され
るようにすることが好ましい。
【0037】この仕切り板103 によって区画される膜装
置1の各ブロック内には、それぞれ膜付き板105 が縦方
向に複数並設されている。
【0038】上記膜付き板105 は、上下端部近傍に開口
106 ,107 を形成した膜支持部材108 と、その両側面に
固定された平膜109 とからなっており、該平膜109 は上
下の開口106 ,107 にそれぞれ嵌着されたシールリング
110 ,111 によって膜支持部材108 に固定されている。
【0039】上記膜支持部材108 は板材によって形成さ
れ、その表面は断面波形の凹凸状に形成されている。平
膜109 は、この膜支持部材108 の両側面において該膜支
持部材108 との間に若干の間隙を確保して平膜109 を透
過した瀘液の排出部112 を形成している。
【0040】平膜109 は、原液を比較的低圧で濾過でき
れば特に限定されず、限外濾過膜、精密濾過膜等のいず
れでもよいが、膜間差圧として1kg/cm2以下で濾過でき
る膜が好ましい。
【0041】113 は膜支持部材108 の下端に設けられた
瀘液の排出溝であり、それぞれ瀘液集合管301 と連結
し、上記排出部112 を吸引ポンプ3とそれぞれ連絡し、
吸引ポンプ3によって吸引することによって平膜109 を
透過して排出部112 を流れる瀘液を瀘液集合管301 を介
して外部に取り出し可能に構成されている。
【0042】複数並設された膜付き板105 同士の間、膜
付き板105 とフレーム板101 ,102の間及び膜付き板105
と仕切り板103 との間には、膜付き板105 の外縁に沿
ってパッキン114 が設けられ、液の外部漏れを防止して
いる。従って、膜装置1は、側枠を構成するフレーム板
101 ,102 とパッキン114 とによって水密状に形成され
ている。
【0043】また同時に、パッキン114 は隣接する膜付
き板105 同士、膜付き板105 とフレーム板101 ,102 と
の間及び膜付き板105 と仕切り板103 との間にそれぞれ
原液或いは濃縮液が流れる膜間流路115 を形成してい
る。従って、この膜間流路115間隔はパッキン114 によ
って規制され、このパッキン114 の厚みを調整すること
によって膜間流路115 の間隔を調整することができる。
【0044】この膜間流路115 の間隔は、該流路の閉塞
を防止する観点から1.5mm 以上が好ましく、より好まし
くは3.0mm 以上である。上限は膜装置1の体積効率のた
めに8.0mm 以下が好ましく、より好ましくは6.0mm 以下
である。
【0045】更に、パッキン114 は膜付き板105 におい
て膜支持部材108 の両側面に平膜109 の外縁を固定する
機能も果たしている。
【0046】なお、膜装置1におけるブロックの区画数
(仕切り板103 の枚数)及び各ブロック内に設けられる
膜付き板105 の枚数は、フラックスや処理量、後述する
循環ポンプ4の容量等の諸条件を勘案して適宜決められ
るものであり、図示する例に限定されない。
【0047】かかる膜装置1には、一方のフレーム板10
1 に原液を導入するための流入口116 が形成され、他方
のフレーム板102 に濃縮液を流出するための流出口117
が形成され、それぞれ配管201 ,202 によって循環タン
ク2に連結されている。図1に示す例では、流入口116
がフレーム板101 の下部に形成され、また流出口117が
フレーム板102 の上部に形成されており、配管201 を経
て流入口116 から導入された循環タンク2内の原液が、
膜装置1の流入口116 、各ブロックS1〜S7内の膜間
流路115 、開口106 ,107 、流通口104 を流通して各ブ
ロックS1〜S7内を上向き、下向きに交互に流れた
後、流出口117 及び配管202 を経て循環タンク2に戻る
循環流路を構成している。
【0048】上記循環タンク2は、図示しない原液槽か
ら供給される原液及び膜装置1から排出された濃縮液を
貯溜し、膜装置1に新たな原液を供給するために膜装置
1に並設されている。該循環タンク2には図示しない原
液槽から原液が供給される原液供給部203 を下部に、膜
装置1の前記流出口117 から循環タンク2内に流出され
た濃縮液をオーバーフローさせて原液槽へ戻す濃縮液排
出部204 を配管202 の連結部位よりも上部にそれぞれ有
している。瀘液が吸引ポンプ3により吸引されると、膜
装置1内の原液内の濃縮物質濃度が上昇するので、濃度
上昇防止のために循環タンク2に原液供給部203 から原
液を供給し、循環タンク2の余分な原液或いは濃縮液を
濃縮液排出部204 からオーバーフローさせて原液槽へ戻
すようにしている。これによって膜処理装置内の濃縮物
質濃度が異常に高くならないようにしている。
【0049】また、この循環タンク2には、内部の原液
を抜いて上水を入れて循環させることによって簡単に膜
の洗浄ができ、特別な洗浄装置を用意する必要がない。
この循環タンク2に薬品を投入すれば簡単に薬液洗浄も
できる。
【0050】膜装置1と循環タンク2との間で構成され
る循環流路途上には循環ポンプ4が介設され、上記循環
流路内に液を循環流通させるようにしている。この循環
途上において膜間流路115 を流通した原液は、吸引ポン
プ3の吸引作用によって平膜109 を透過して瀘過され、
その瀘過された瀘液は、該吸引ポンプ3によって瀘液排
出部112 及び瀘液集合管301 を介して膜装置1の外部に
取り出され、一方、濃縮液は、各膜間流路115 、開口10
6 ,107 、流通口104 を経て流出口117 及び配管202 か
ら循環タンク2に戻されて原液と混合される。
【0051】上記循環ポンプ4は、図1に示すように、
上記循環流路途上における循環タンク2と膜装置1の流
入口116 とに亘って連結されている配管201 に介設され
ることが好ましい。
【0052】この循環ポンプ4は、膜装置1と循環タン
ク2との間で構成される上記循環流路内に液を循環流通
させるために用いられ、しかも、膜装置1内を流通する
原液は吸引ポンプ3によって吸引瀘過されるために、従
来の加圧型の膜処理装置において用いられていた加圧ポ
ンプのように動力を大きくする必要がない。
【0053】この流速が大きくなると、透過瀘液量は高
くなるが、結果として膜表面のゲル層の成長が早くな
り、瀘液量が低下してしまう。従来の吸引型の膜処理装
置では、空気を入れることによって加圧ポンプをなくし
て動力コストを低減させ、同時に微細気泡を放出するこ
とによってゲル層の成長を抑制していたが、同時にフラ
ックスも低下している。本発明では、このように膜装置
1内を仕切り板103 で複数ブロックに区画すると共に、
各ブロック内に膜付き板105 を設け、循環タンク2と膜
装置1との間で構成される循環流路途上に循環ポンプ4
を介設して液を循環させ、濾液は吸引ポンプ3によって
取り出すようにしたことにより、加圧ポンプを用いた従
来の加圧型の膜処理装置のように動力を大きくしなくて
も、設備の増大化を招くことなく従来の吸引型の膜処理
装置よりもフラックスの増量を図ることが可能となる。
【0054】また、循環ポンプ4による液の循環と並行
して吸引ポンプ3により原液を瀘過しているため、該循
環ポンプ4は循環流路内に液を循環流通させるためだけ
の動力で済み、各膜間流路115 側に従来の加圧型の膜処
理装置のように大きな圧力を掛ける必要がないと共に、
単に吸引のみによって瀘過する従来の吸引型の膜処理装
置に比べて各膜間流路115 を流れる液の流速が大きいた
め、従来の加圧型の膜処理装置のようにゲル層の成長を
早めることなく、透過瀘液量を確保することができる。
【0055】なお、上記実施の形態では、膜支持部材10
8 として表面に凹凸を有する板材を用いた場合について
説明したが、これに限定されず、膜支持部材がポーラス
構造の板材であってもよいし、膜支持部材が合成繊維製
の板材であってもよい。
【0056】(実験例)本発明に係る膜処理装置につい
て、テストを行った結果を以下に示す。
【0057】テスト条件)膜装置 型 式:UFP−70型(5S17P;Sはブロック
数、Pは膜間流路の数を示す。) 膜銘柄:IRIS−3038(ポリアクリロニトリル
製) 分画分子量:20,000 膜枚数:80枚 膜面積:28m2 膜間隔:3mm循環ポンプ ラインポンプ(テラルキョクトウ社製):1.2 m3/min
×5.5 KW吸引ポンプ 自吸式ポンプ(荏原社製):1.5 m3/hr×0.4 KW原液 (し尿処理場の活性汚泥液) MLSS:10,000mg/リットル 循環タンクへの供給量:8.4 m3/hr テスト結果) 以上の稼働条件でテストした結果、膜処理装置における
各膜付き板間の膜間流速は1.2 m/sec、この時の膜処理
装置内を循環流通する液流量は55m3/hrとなり、また、
吸引濾液量は1.4 m3/hrであった。
【0058】よって、循環ポンプの動力が小さくても、
各膜間流路を流れる液の流速が、従来の吸引型の膜処理
装置における膜間流路を流れる液の流速よりは速いが、
従来の加圧型の膜処理装置における膜間流路を流れる液
の流速よりは遅い程度の膜間流速が得られ、同時に、従
来の吸引型の膜処理装置よりも膜処理装置内を循環流通
する液流量が大きく確保された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の膜処理装置の実施の形態を示す概略
構成図
【図2】 本発明の膜処理装置に用いられる膜装置の実
施の形態を示す一部切欠する要部断面図
【図3】 従来の加圧型の膜処理装置を示す要部断面図
【図4】 従来の吸引型の膜処理装置を示す要部断面図
【符号の説明】
1 膜装置 101 ,102 フレーム板 103 仕切り板 104 流通口 105 膜付き板 106 ,107 開口 108 膜支持部材 109 平膜(瀘過膜) 110 ,111 シールリング 112 瀘液の排出部 113 瀘液の排出溝 114 パッキン 115 膜間流路 116 原液の流入口 117 原液の流出口 2 循環タンク 201 ,202 配管 203 原液供給部 204 濃縮液排出部 3 吸引ポンプ 301 瀘液集合管 4 循環ポンプ S1〜S7 ブロック

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】並設された瀘過膜間に形成される膜間流路
    内に供給される液を循環ポンプの圧力で循環すると共
    に、該液から吸引ポンプを用いて濾過膜を介して濾液を
    取り出す膜処理方法において、前記濾液を取り出す動力
    が、前記吸引ポンプの吸引力に依存し、前記循環ポンプ
    の圧力に実質的に依存しないことを特徴とする膜処理方
    法。
  2. 【請求項2】並設された瀘過膜間に形成される膜間流路
    内に供給される液を送り出すと共に該液から濾液が取り
    除かれた濃縮液を受け入れるための循環タンクを有し、
    該循環タンクに原液を導入して、所定の濾液を得る際
    に、循環ポンプに依存する膜間流路内の液流速が、0.
    5〜1.9m/secであり、吸引ポンプによる吸引濾
    過量が、前記循環タンクに供給される原液量の1/20
    〜1/2量であることを特徴とする請求項1記載の膜処
    理方法。
  3. 【請求項3】循環ポンプにより膜洗浄し、吸引ポンプに
    より濾過量を設定することを特徴とする請求項1又は2
    記載の膜処理方法。
  4. 【請求項4】上記濾過膜は、膜間差圧が1kg/cm2以下で
    濾過可能な膜であることを特徴とする請求項1、2又は
    3に記載の膜処理方法。
  5. 【請求項5】上部又は下部に流通口を開設した複数の仕
    切り板により複数ブロックに区画されると共に、各ブロ
    ック内に上下端部近傍に開口を有する膜支持部材の両側
    面に平膜状の瀘過膜を固定した膜付き板を縦方向に並設
    してなる膜装置と、上記瀘過膜によって瀘過された瀘液
    を吸引する吸引ポンプと、上記膜装置に並設されて該膜
    装置に原液を導入する流入口と該膜装置から濃縮液を流
    出させる流出口にそれぞれ連結された循環タンクとを有
    してなり、上記膜装置は隣接する膜付き板の間に膜間流
    路を形成すると共に膜支持部材と瀘過膜との間に瀘液排
    出部を形成して該瀘液排出部を上記吸引ポンプと連絡
    し、上記循環タンクは原液槽から原液が供給される原液
    供給部と該循環タンク内の濃縮液をオーバーフローさせ
    て原液槽へ排出する濃縮液排出部とを有しており、該循
    環タンクから前記膜装置の流入口、膜間流路、開口、流
    通口及び流出口を経て循環タンクに戻る循環流路を構成
    すると共に、この循環流路途上に循環ポンプを介設した
    ことを特徴とする膜処理装置。
  6. 【請求項6】上記循環ポンプは、膜装置の流入口と循環
    タンクとを連結している配管中に介設したことを特徴と
    する請求項5記載の膜処理装置。
  7. 【請求項7】上記循環ポンプはラインポンプであること
    を特徴とする請求項6記載の膜処理装置。
  8. 【請求項8】上記濾過膜は、膜間差圧が1kg/cm2以下で
    濾過可能な膜であることを特徴とする請求項5、6又は
    7に記載の膜処理装置。
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