JPH11299088A - 交流電流抑制装置 - Google Patents

交流電流抑制装置

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JPH11299088A
JPH11299088A JP9898398A JP9898398A JPH11299088A JP H11299088 A JPH11299088 A JP H11299088A JP 9898398 A JP9898398 A JP 9898398A JP 9898398 A JP9898398 A JP 9898398A JP H11299088 A JPH11299088 A JP H11299088A
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coil
suppressing device
circuit
short
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JP9898398A
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Takao Yamauchi
高雄 山内
Shinji Ishibe
信治 石辺
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定常時の低リアクタンス特性、系統安定性の
確保は勿論のこと、短絡時の電流を確実に抑制し、高電
圧系統で必要とされる高速度再閉路方式の採用も可能な
小形で経済的な短絡電流抑制装置を提供することを目的
とする。 【解決手段】 互いに直列に接続され交流電流の通電に
より発生する磁束が互いに打ち消す方向に巻回された第
1のコイル3および第2のコイル4と、第2のコイル4
と並列に接続された非直線抵抗5と、この非直線抵抗5
と並列に接続された短絡開閉器6と備えている。短絡電
流が流れると、非直線抵抗5が動作してこれに電流が流
れ、装置として第1のコイル3の自己リアクタンスに近
い大きな値のリアクタンスとなり短絡電流を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電力系統の受変電
および配電分野等において使用される交流電流抑制装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は例えば電気学会発行の1988
年版電気工学ハンドブック691頁に記載されたリアク
トルを適用した従来の交流電流抑制装置である短絡電流
抑制装置を含む回路図である。図において、80は送電
線路81に挿入された短絡電流抑制装置であるリアクト
ル、83は送電線路81、82および主母線84、85
間に挿入された遮断器、86は以上の構成機器からなる
発電所、変電所、開閉所等の電気所である。
【0003】図12の電気所86において、例えば故障
87が発生した場合、また、主母線84に接続された変
圧器回路や送電線回路(いずれも図示せず)に故障が発
生した場合、リアクトル80が送電線路81端に挿入さ
れているので、このリアクトル80のリアクタンスによ
り故障電流が抑制され、機器の小形化あるいは経済性向
上の面で大きな効果を有している。ここで、リアクトル
80は、例えば空心リアクトルで構成され、短絡電流等
の大電流が流れても、磁気飽和等によりそのリアクタン
スが変化しないようになっている。しかし、常時、リア
クトル80のリアクタンスによる電圧降下が存在するた
め、適用面で制限され、電力系統安定面でも好ましくな
く、余り適用されていない。
【0004】図13に示す短絡電流抑制装置は、以上の
欠点を解決するもので、例えば、実願昭55−8013
5号(実開昭57−6334号)に記載されたものであ
る。図において、88は鉄心89を介して巻回された主
巻線90と二次巻線91とからなる限流リアクトルで、
その主巻線90は遮断器83とともに送電線路81に挿
入接続され、二次巻線91にはヒューズ92が接続され
ている。
【0005】次に、図12の短絡電流抑制装置の動作に
ついて説明する。先ず、定常電流の状態においては、限
流リアクトル88の主巻線90に流れる電流による主磁
束は、この主巻線90と磁気的に密に結合された二次巻
線91の電流による反対方向磁束により打ち消され、限
流リアクトル88としては漏洩磁束に相当する僅かなリ
アクタンスを有するインピーダンス要素として動作す
る。従って、電力系統における電圧降下や系統安定性に
係る問題は生じない。
【0006】次に、短絡電流等の大電流通電時は、遮断
器83の遮断動作より早く、限流リアクトル88の二次
巻線91に接続されたヒューズ92が動作して限流リア
クトル88の二次回路の電流が遮断される。その結果、
二次巻線91の電流による反対方向磁束が消失し、限流
リアクトル88は主磁束に基づく大きなリアクタンスを
有するインピーダンス要素として働くことになり、遮断
器83の遮断操作までに確実に回路電流を減少させて短
絡電流抑制装置としての機能を発揮する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の短絡電流抑制装
置は以上のように構成されていたので、以下のような問
題点が存在した。即ち、大電流が立ち上がった後、SF
6ガス62が限流動作を開始するまでの、通常10〜4
0ms程度の間は限流効果のない大きな電流が流れるの
で、これら電流が流れる機器はそれに耐えるものとしな
ければならなかった。また、ヒューズ92は一旦遮断動
作を行うと二次巻線91は開放状態を維持するので、限
流リアクトル88は低リアクタンス状態に戻り得ず、高
電圧系統で必要とされる高速度再閉路方式が採用できな
いという問題点も有していた。更に、ヒューズ92によ
る電流遮断時、主巻線90の端子間に高電圧が発生する
可能性があり、その分、主巻線90の絶縁を強化する必
要がありコストが高くなるという問題点も有していた。
【0008】この発明は以上のような問題点を解決する
ためになされたもので、定常時の低リアクタンス特性、
系統安定性の確保は勿論のこと、短絡時の電流を確実に
抑制し、高電圧系統で必要とされる高速度再閉路方式の
採用も可能な小形で経済的な短絡電流抑制装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る交流電流
抑制装置は、交流電流の通電路に挿入されるとともに、
互いに直列に接続され上記交流電流の通電により発生す
る磁束が互いに打ち消す方向に巻回された第1および第
2のコイル、および上記交流電流が所定の値を越えたと
き上記第2のコイルに流れる電流を低減する電流低減手
段を備えたものである。
【0010】また、請求項2に係る交流電流抑制装置
は、請求項1において、その第1および第2のコイル
は、巻数が互いにほぼ等しく交流電流が所定の値以下の
とき上記両コイルと鎖交する磁束がほぼ零となるよう構
成されているものである。
【0011】また、請求項3に係る交流電流抑制装置
は、請求項1または2において、その電流低減手段は、
第2のコイルと並列に接続され、電圧が所定の値を越え
たとき電流が急増する非直線抵抗である。
【0012】また、請求項4に係る交流電流抑制装置
は、請求項3において、その非直線抵抗と並列に接続さ
れ、上記非直線抵抗の電流急増後閉路し通電路の電流が
所定の値以下となったとき開路する開閉器を備えたもの
である。
【0013】また、請求項5に係る交流電流抑制装置
は、請求項1または2において、その電流低減手段は、
通電路の電流を検出する手段、および第2のコイルと並
列に接続され上記検出電流が所定の値を越えたとき閉路
する開閉器を備えたものである。
【0014】また、請求項6に係る交流電流抑制装置
は、請求項1または2において、その電流低減手段は、
第2のコイルと並列に接続され、電圧が所定の値を越え
たとき放電するギャップである。
【0015】また、請求項7に係る交流電流抑制装置
は、請求項6において、そのギャップと直列に接続さ
れ、上記ギャップの放電後開路し通電路の電流が所定の
値以下となったとき閉路する開閉器を備えたものであ
る。
【0016】また、請求項8に係る交流電流抑制装置
は、請求項1ないし7のいずれかにおいて、その第1お
よび第2のコイルの少なくとも一方を通電路から切り離
す手段を備えたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1における短絡電流抑制装置を備えたガス絶
縁開閉装置を示す回路構成図、図2はその外形を示す側
面図である。いずれも単相分を示す。図において、1は
短絡電流抑制装置で、先ず、この短絡電流抑制装置1の
構成品を順次列挙すると以下の通りである。2は交流電
流の通電路である送電線路81に挿入されるとともに、
互いに直列に接続され通電により発生する磁束が互いに
打ち消す方向に巻回された第1のコイル3と第2のコイ
ル4とからなるリアクトル、5および6は分岐母線7、
8を介して第2のコイル4と並列に接続された電流低減
手段である非直線抵抗および短絡開閉器である。9、1
0はリアクトル2と接続される分岐母線11、12の電
流を検出する変流器である。
【0018】13〜17は、それぞれ分岐母線11、1
8、20、12、21に設けられた断路器、22、23
は遮断器、24、25は変流器である。そして、以上の
各機器は絶縁油やSF6ガス等の絶縁媒体とともに接地
容器内に収容されガス絶縁開閉装置26を構成する。
【0019】図3はリアクトル2の内部構造を示す断面
図である。図において、27は3脚の鉄心で、その中央
脚には複数の鉄心ギャップ28を設けて大電流通電時の
磁気飽和を防止する構成となっている。この中央脚に第
1のコイル3および第2のコイル4が巻回されている。
両コイル3、4の巻数は同一で、互いに磁束を打ち消す
方向に巻回されている。そして、この鉄心27は絶縁油
29とともに接地容器30内に収容されている。両コイ
ル3、4の一端および両コイルの中間接続点は、接続導
体31および絶縁油−ガスの貫通ブッシング32を介し
てそれぞれ分岐母線12、分岐母線7および分岐母線8
に接続されている。
【0020】図4は非直線抵抗5の内部構造を示す断面
図である。図において、33は酸化亜鉛素子等の非直線
抵抗素子で、絶縁管34に収容されている。35は非直
線抵抗素子33の上下両端に設けられたシールド、36
は支持絶縁物である。このように、非直線抵抗5は複数
個の非直線抵抗素子33を直列に積み重ねたものを複数
個並列に配置したもので、主回路の大電流通電時の熱責
務を吸収できるようにしている。そして、これら非直線
抵抗素子33等はSF6ガス39とともに接地容器40
内に収容されている。非直線抵抗5の両極は、導体37
および絶縁スペーサ38を介して分岐母線7および分岐
母線8に接続されている。
【0021】図5は短絡開閉器6の内部構造を示す断面
図である。図において、41aは固定接触子、41bは
固定アーク接触子、42aは可動接触子、42bは可動
アーク接触子、43はノズル、44は消弧室、45はシ
リンダ、46はピストン、47は連結部、48は絶縁
棒、49は支持絶縁物、50は操作装置、51はシール
ド導体である。そして、以上の短絡開閉器6はSF6
ス52とともに接地容器53内に収容されている。短絡
開閉器6の両極は、導体54および絶縁スペーサ55を
介してそれぞれ分岐母線7および分岐母線8に接続され
ている。
【0022】次に動作について説明するが、簡便のた
め、図1から短絡電流抑制装置1の部分を抽出して示す
図6を参照して説明することにする。先ず、図6のリア
クトル2に定常電流が流れているときは、リアクトル2
は、互いに直列に接続されて磁束が互いに打ち消し合う
ように巻回された第1のコイル3および第2のコイル4
により構成されているため、その鉄心27(図3)内部
の磁束はほぼ零となり、即ち、両コイル3、4と鎖交す
る磁束がほぼ零となり、リアクトル2の見掛け上のリア
クタンスはコイル3、4の漏洩リアクタンス分のみとな
り極めて小さい値となる。従って、この状態では、リア
クトル2が送電線路に挿入されていても、そのリアクタ
ンスが極めて小さいため、電力系統の安定度に影響を及
ぼすことはない。
【0023】次に、図6のリアクトル2に短絡電流等の
定常電流を大きく超える大電流が流れると、第1のコイ
ル3および第2のコイル4の両端電圧はそれぞれ上昇す
るが、第2のコイル4には非直線抵抗5が並列に接続さ
れているので、この電圧が非直線抵抗5の制限電圧に至
ると電流の大部分は非直線抵抗5に移り第2のコイル4
の電圧も上記制限電圧に制限される。この結果、リアク
トル2の見掛け上のリアクタンスは第1のコイル3のも
つ自己リアクタンスに近い値、従って、定常電流時の両
コイル3、4がその磁束を互いに打ち消し合う状態での
リアクタンスに比較して十分大きな値となり、回路の短
絡電流を抑制する。即ち、短絡電流抑制装置としての機
能を発揮することになる。
【0024】この場合、電流抑制効果は非直線抵抗5の
電流急増と同時に発生するので、短絡電流抑制装置1と
しての機能が短絡発生瞬時から有効となり、関連機器に
流れる短絡電流を確実に抑制することができる。また、
非直線抵抗5の動作により、第2のコイル4の端子間電
圧は非直線抵抗5の制限電圧に低く抑えられる結果、両
コイル3、4共にその端子間電圧は一定値以下に制限さ
れ、過電圧は発生せず、経済的に構成できる。
【0025】非直線抵抗5が動作してその電流が急増し
その熱責務が過大になるのを防止するため、上記電流急
増後、短絡開閉器6が投入閉路される。この短絡開閉器
6の閉路動作は変流器9または10からの電流信号に基
づく操作装置50(図5)の駆動操作により行われる。
更に、短絡電流除去後、再び開路される。
【0026】従って、この短絡開閉器6の動作設定を適
切に行えば、非直線抵抗5と短絡開閉器6との協調した
動作になり、短絡電流発生後高速再閉路が行われても、
短絡電流抑制装置1は通常電流通電時には低リアクタン
ス、大電流通電時には高リアクタンスとして働き、再閉
路時には再び低リアクタンス状態に復帰させることがで
きる。
【0027】図1の回路図に戻り、以上で説明した短絡
電流抑制装置1を含むガス絶縁開閉装置26は、図に示
すように、各分岐母線11、12、18〜21を設け、
更に、断路器13〜17、遮断器22、23を配するこ
とにより、短絡電流抑制装置1全体は勿論、第1のコイ
ル3または第2のコイル4のいずれか一方のみを送電線
路81から切り離し可能な構成としている。従って、例
えば、常時、所定量のリアクタンスを挿入しておきたい
場合には、断路器14、16、17を閉、断路器13、
15を開に操作して第1のコイル3のみを回路に挿入す
るようにすればよい。また、短絡電流抑制装置1が必要
とされない場合が生じれば、例えば、断路器14、15
を閉、断路器13、16、17を開に操作して短絡電流
抑制装置1全体を回路から切り離すようにすればよい。
これにより、コイル3、4の通電による電力損失の発生
がなく、運用上の経済性が向上する。また、短絡電流抑
制装置1の一部に故障が生じたときも、短絡電流抑制装
置1を回路から簡単に切り離すことができる利点があ
る。更に、図1、図2に示すように、全体をガス絶縁開
閉装置26として構成することにより、送電線路への挿
入、切り離しが可能な短絡電流抑制装置を小形、低コス
トで実現することができる。
【0028】なお、リアクトル2に関し、図3の説明で
は、両コイル3、4の巻数は同一としたが、定常電流
時、両コイル3、4と鎖交する磁束がほぼ零となる範囲
で、両者の巻数を多少異ならせてもよい。また、リアク
トル2は鉄心を使用しない空心形としてもよい。更に、
リアクトル2の絶縁方式は、油絶縁でなくガス絶縁方式
としてもよい。
【0029】図7はリアクトル2の他の適用例で、ここ
では2脚の鉄心27Aを使用し、各脚部に鉄心ギャップ
28を設けるとともに、第1のコイル3Aおよび第2の
コイル4Aをそれぞれ巻回している。更に、ここでは、
両コイル3A、4Aの端子は接続導体31を介して気中
ブッシング56により気中に引き出す構成としている。
気中接続の電気所で適用される。
【0030】また、図4で説明した非直線抵抗5に関
し、非直線抵抗5は通常の避雷器の酸化亜鉛形素子と同
様の素子を適用できるが、同様の非直線特性を有してい
れば、他の種類の非直線抵抗でも適用できる。また、図
4では、分岐母線7、8を介してガス絶縁開閉装置に接
続する構成としたが、絶縁スペーサ38の個所において
気中ブッシングを設け気中接続方式としてもよい。
【0031】また、図5で説明した短絡開閉器6では、
分岐母線7、8を介してガス絶縁開閉装置に接続する構
成としたが、その絶縁スペーサ55の個所において気中
ブッシングを設け気中接続方式としてもよい。
【0032】実施の形態2.図8はこの発明の実施の形
態2における短絡電流抑制装置を示す回路構成図であ
る。ここでは第2のコイル4の電流低減手段は短絡開閉
器6Aのみでなり、これを第2のコイル4と並列に接続
している。この短絡開閉器6Aは変流器9または10か
らの電流信号によって操作されるが、投入時間は40m
s以内の高速動作が要求される。そして、閉路後、所定
時間を経て開路し系統の高速再閉路に備える。
【0033】実施の形態3.図9はこの発明の実施の形
態3における短絡電流抑制装置を示す回路構成図であ
る。ここでは、第2のコイル4の電流低減手段にギャッ
プ57を使用し、このギャップ57を第2のコイル4と
並列に接続している。図10はギャップ57の内部構造
を示す断面図である。図において、58は接触子59
a、59bを備えた真空スイッチ、60a、60bはシ
ールド、61は支持絶縁物である。そして、これら真空
スイッチ58等はSF6ガス62とともに接地容器63
内に収容されている。真空スイッチ58の両極は、導体
64および絶縁スペーサ65を介して分岐母線7および
分岐母線8に接続されている。
【0034】次に動作について説明する。定常電流のと
きは、実施の形態1の場合と同様、両コイル3、4の磁
束は互いに打ち消し合い、リアクトル2の見掛け上のリ
アクタンスはコイル3、4の漏洩リアクタンス分のみと
なり極めて小さい値となる。従って、この状態では、リ
アクトル2が送電線路に挿入されていても、そのリアク
タンスが極めて小さいため、電力系統の安定度に影響を
及ぼすことはない。
【0035】次に、短絡電流等の定常電流を大きく超え
る大電流が流れると、両コイル3、4の端子間電圧は上
昇し、第2のコイル4の電圧がギャップ57の放電電圧
に達するとギャップ57が放電して高速に第2のコイル
4を短絡する。この結果、リアクトル2の見掛け上のリ
アクタンスは第1のコイル3のリアクタンスに近い十分
大きな値となり、回路の短絡電流を抑制する。即ち、短
絡電流抑制装置としての機能を発揮する。
【0036】ギャップ57の放電部分には真空スイッチ
58を採用しているので、ギャップ57の放電後、短絡
電流が除去され定常電流以下のレベルに戻ると真空スイ
ッチ58は容易にこの定常電流を遮断してリアクトル2
は元の低リアクタンス特性の状態に復帰し、高速再閉路
にも対応可能となる。
【0037】実施の形態4.図11はこの発明の実施の
形態4における短絡電流抑制装置を示す回路構成図であ
る。ここでは、ギャップ57Aとして通常のガスギャッ
プのタイプを使用している。ガスギャップは真空スイッ
チ58のような電流遮断性能を有していないので、図1
1に示すように、このギャップ57Aと直列に遮断器6
6を接続している。そして、遮断器66はギャップ57
Aの放電後、回路の電流が所定の値以下になったことを
変流器9または10からの電流信号から検出してギャッ
プ57Aの続流を遮断する。これにより、リアクトル2
は元の低リアクタンス特性に復帰する。遮断器66は、
遮断動作後、所定時間経過すると閉路して元の状態に復
帰する。
【0038】なお、以上の各回路図で示した変流器9、
10は、短絡開閉器6等の操作タイミングを決定する手
段として説明したが、定常電流時の両変流器の差動出力
を検出することにより、両コイル3、4のいずれかに生
じた接地事故等の検出手段として利用することもでき
る。
【0039】また、上記各形態例では、単相回路につい
て説明したが、3相回路等にもそのまま適用することが
できることは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る交流電流
抑制装置は、交流電流の通電路に挿入されるとともに、
互いに直列に接続され上記交流電流の通電により発生す
る磁束が互いに打ち消す方向に巻回された第1および第
2のコイル、および上記交流電流が所定の値を越えたと
き上記第2のコイルに流れる電流を低減する電流低減手
段を備えたので、定常電流通電時は低リアクタンスとな
って系統安定性を確保し、大電流通電時は高リアクタン
スとなって通電電流を効果的に抑制することができる。
【0041】また、請求項2に係る交流電流抑制装置の
第1および第2のコイルは、巻数が互いにほぼ等しく交
流電流が所定の値以下のとき上記両コイルと鎖交する磁
束がほぼ零となるよう構成されているので、定常電流通
電時のリアクタンスが極めて小さくなり、交流系統に及
ぼす影響がほとんどなくなる。
【0042】また、請求項3に係る交流電流抑制装置の
電流低減手段は、第2のコイルと並列に接続され、電圧
が所定の値を越えたとき電流が急増する非直線抵抗であ
るので、簡便な構成で通電路の電流が増大し始める初期
の段階から電流抑制効果が確実に得られ高速再閉路方式
の適用も可能となる。
【0043】また、請求項4に係る交流電流抑制装置
は、その非直線抵抗と並列に接続され、上記非直線抵抗
の電流急増後閉路し通電路の電流が所定の値以下となっ
たとき開路する開閉器を備えたので、非直線抵抗の熱責
務が軽減してその信頼性が向上する。
【0044】また、請求項5に係る交流電流抑制装置の
電流低減手段は、通電路の電流を検出する手段、および
第2のコイルと並列に接続され上記検出電流が所定の値
を越えたとき閉路する開閉器を備えたので、上記開閉器
の操作で装置としてのリアクタンスの高低切換が実現し
確実な電流抑制効果が得られ、高速再閉路方式の適用も
可能となる。
【0045】また、請求項6に係る交流電流抑制装置の
電流低減手段は、第2のコイルと並列に接続され、電圧
が所定の値を越えたとき放電するギャップであるので、
簡便な構成で確実な電流抑制効果が得られ、高速再閉路
方式の適用も可能となる。
【0046】また、請求項7に係る交流電流抑制装置
は、そのギャップと直列に接続され、上記ギャップの放
電後開路し通電路の電流が所定の値以下となったとき閉
路する開閉器を備えたので、続流遮断能力のないギャッ
プの適用も可能となる。
【0047】また、請求項8に係る交流電流抑制装置
は、その第1および第2のコイルの少なくとも一方を通
電路から切り離す手段を備えたので、電流抑制機能不要
時や、高リアクタンス使用時等の対応が、簡便かつ円
滑、経済的になし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における短絡電流抑
制装置を備えたガス絶縁開閉装置を示す回路構成図であ
る。
【図2】 図1のガス絶縁開閉装置の外形を示す側面図
である。
【図3】 リアクトル2の内部構造を示す断面図であ
る。
【図4】 非直線抵抗5の内部構造を示す断面図であ
る。
【図5】 短絡開閉器6の内部構造を示す断面図であ
る。
【図6】 図1の短絡電流抑制装置1の部分を抽出して
示す回路構成図である。
【図7】 図3とは異なるリアクトル2Aの内部構造を
示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態2における短絡電流抑
制装置を示す回路構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態3における短絡電流抑
制装置を示す回路構成図である。
【図10】 ギャップ57の内部構造を示す断面図であ
る。
【図11】 この発明の実施の形態4における短絡電流
抑制装置を示す回路構成図である。
【図12】 従来の短絡電流抑制装置を示す回路構成図
である。
【図13】 図12とは異なる従来の回路構成図であ
る。
【符号の説明】
1 短絡電流抑制装置、2 リアクトル、3 第1のコ
イル、4 第2のコイル、5 非直線抵抗、6,6A
短絡開閉器、9,10 変流器、26 ガス絶縁開閉装
置、27,27A 鉄心、57,57A ギャップ、6
6 遮断器、81 送電線路。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電流の通電路に挿入されるととも
    に、互いに直列に接続され上記交流電流の通電により発
    生する磁束が互いに打ち消す方向に巻回された第1およ
    び第2のコイル、および上記交流電流が所定の値を越え
    たとき上記第2のコイルに流れる電流を低減する電流低
    減手段を備えた交流電流抑制手段。
  2. 【請求項2】 第1および第2のコイルは、巻数が互い
    にほぼ等しく交流電流が所定の値以下のとき上記両コイ
    ルと鎖交する磁束がほぼ零となるよう構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の交流電流抑制装置。
  3. 【請求項3】 電流低減手段は、第2のコイルと並列に
    接続され、電圧が所定の値を越えたとき電流が急増する
    非直線抵抗であることを特徴とする請求項1または2記
    載の交流電流抑制装置。
  4. 【請求項4】 非直線抵抗と並列に接続され、上記非直
    線抵抗の電流急増後閉路し通電路の電流が所定の値以下
    となったとき開路する開閉器を備えたことを特徴とする
    請求項3記載の交流電流抑制装置。
  5. 【請求項5】 電流低減手段は、通電路の電流を検出す
    る手段、および第2のコイルと並列に接続され上記検出
    電流が所定の値を越えたとき閉路する開閉器を備えたこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の交流電流抑制装
    置。
  6. 【請求項6】 電流低減手段は、第2のコイルと並列に
    接続され、電圧が所定の値を越えたとき放電するギャッ
    プであることを特徴とする請求項1または2記載の交流
    電流抑制装置。
  7. 【請求項7】 ギャップと直列に接続され、上記ギャッ
    プの放電後開路し通電路の電流が所定の値以下となった
    とき閉路する開閉器を備えたことを特徴とする請求項6
    記載の交流電流抑制装置。
  8. 【請求項8】 第1および第2のコイルの少なくとも一
    方を通電路から切り離す手段を備えたことを特徴とする
    請求項1ないし7のいずれかに記載の交流電流抑制装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007267534A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Toshiba Corp 超電導限流装置
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