JPH11297614A - コマ収差測定装置および該装置を備えた投影露光装置 - Google Patents

コマ収差測定装置および該装置を備えた投影露光装置

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JPH11297614A
JPH11297614A JP10114160A JP11416098A JPH11297614A JP H11297614 A JPH11297614 A JP H11297614A JP 10114160 A JP10114160 A JP 10114160A JP 11416098 A JP11416098 A JP 11416098A JP H11297614 A JPH11297614 A JP H11297614A
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pattern
optical system
coma aberration
projection optical
image
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JP10114160A
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Tadashi Nagayama
匡 長山
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Original Assignee
Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70483Information management; Active and passive control; Testing; Wafer monitoring, e.g. pattern monitoring
    • G03F7/70591Testing optical components
    • G03F7/706Aberration measurement

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な機構により被検光学系の残存コマ収差
を精度良く計測する。 【解決手段】 並列的に配置された複数のパターンを有
するパターン群の空間像とナイフエッジパターンとを計
測方向に沿って相対移動させて、パターン群を形成する
各パターンの空間像の強度分布の合成からなる合成空間
像強度分布を検出する。そして、得られた合成空間像強
度分布に基づいて被検光学系の残存コマ収差量を検出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコマ収差測定装置お
よび該装置を備えた投影露光装置に関し、特に半導体素
子または液晶表示素子等をリソグラフィー工程で製造す
る際に使用される投影露光装置における投影光学系の残
存コマ収差量の計測に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、投影露光装置における投影光
学系の残存コマ収差量の計測方法として、ウエハ上に塗
布されたレジスト(感光部材)上に限界解像線幅に近い
5本ラインマークからなるマスクパターン像を投影露光
し、現像した後に残存したレジスト像の線幅を走査型電
子顕微鏡(SEM)で測定し、5つのボトム線幅のうち
両端の2つの線幅差から残存コマ収差量を求める方法が
ある。この方法では、投影露光装置の通常の焼き付けと
同様の過程でコマ収差計測用のパターンを焼き付けるた
め、特にコマ収差計測用の特別の機構を付設する必要も
なく投影光学系の残存コマ収差量を計測することができ
る。
【0003】また、投影光学系単体での製造調整時に
は、干渉計とミラーとを用いて投影光学系の波面収差を
測定することにより投影光学系の残存コマ収差量を計測
する方法や、投影光学系を介して形成されたマスクパタ
ーン空間像を結像光学系を介して2次元撮像素子に拡大
投影することにより空間像の劣化から投影光学系の残存
コマ収差量を計測する方法などが用いられている。干渉
計を用いる方法および空間像を用いる方法の使用は、製
造段階および調整段階における投影光学系の検査に限ら
れている。
【0004】また、走査型電子顕微鏡を用いる方法、干
渉計を用いる方法および空間像を用いる方法において、
計測することのできる収差はコマ収差に限定されること
なく、計測可能な諸収差の1つとしてコマ収差が位置づ
けられている。さらに、これらの方法により計測された
残存コマ収差量を規格内に追い込むことができるように
投影光学系には収差調整機構が設けられ、この収差調整
機構の作用により投影光学系の収差調整が良好になされ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、最終的
に製造された投影露光装置において装置に組み込まれた
投影光学系の残存コマ収差量を計測するには、焼き付け
られたレジスト像を走査型電子顕微鏡で観察するしかな
かった。この方法はレジスト像を用いた非常に直接的な
方法であるが、レジスト像の良否を判定するのに、焼き
付け、現像、SEM測定、計算処理などの多くの過程が
必要になり、非常に多くの時間および手間を要する。ま
た、SEMによるCD(Critical Dimension) ボトム線
幅測定は完全には自動化されておらず、測定者に起因す
る誤差の発生も考えられる。
【0006】一方、干渉計を用いる方法では、波面収差
測定装置の構成が大がかりであるため、この装置を投影
露光装置に組み込むと投影露光装置の本来の機能を損な
う可能性がある。また、波面収差測定装置の光学的な構
成が投影露光装置の光学的な構成とかなり異なるため、
最終的な製品としての投影露光装置に波面収差測定装置
を搭載することは現状では困難である。さらに、投影露
光装置に波面収差測定装置を搭載したとしても、投影露
光装置の重要な構成要素である超高速可動ウエハステー
ジやメイン照明光学系に対して波面収差測定装置が大き
な負荷を及ぼすものと考えられる。超高速可動ウエハス
テージやメイン照明光学系についてはより高性能を目指
した技術開発が現在も続いており、上述のような負荷は
回避することが望ましい。
【0007】また、マスクパターン空間像を結像光学系
を介して2次元撮像素子に拡大投影する方法では、空間
像を画像検出するために、ウエハステージの内部に空間
像検出用の結像光学系および2次元撮像素子を搭載しな
ければならない。一般に、ウエハステージの内部空間は
限られており、ウエハステージの内部に搭載される結像
光学系の大きさも制約を受けることになる。したがっ
て、結像光学系は、小型の光学系である必要がある。一
方、結像光学系は、投影光学系を介して形成された空間
像からの光に基づいて像を再形成する光学系である。し
たがって、結像光学系では、その性質上、投影光学系と
比較して十分小さな収差しか許容されない。その結果、
結像光学系を十分小型化することは困難であり、十分小
型化することのできない結像光学系をウエハステージの
内部に搭載して空間像の画像検出により投影光学系のコ
マ収差量を計測する方法は現実的ではない。
【0008】また、高速度で移動を繰り返すウエハステ
ージの内部に上述のようにほぼ無収差の結像光学系を搭
載した場合、発生する振動や熱の結像光学系への影響を
無視することができない。この観点においても、結像光
学系をウエハステージの内部に搭載して空間像の画像検
出により投影光学系のコマ収差量を計測する方法は現実
的ではない。
【0009】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、たとえば投影露光装置においてパターンの焼
き付け、現像、SEM測定、計算処理などの作業を実際
に行うことなく、簡素な機構により投影光学系の残存コ
マ収差量を精度良く計測することのできるコマ収差測定
装置、該コマ収差測定装置を備えた投影露光装置、およ
び該投影露光装置を用いた半導体デバイスの製造方法を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第1発明では、被検光学系の残存コマ収差
量を計測するためのコマ収差測定装置において、前記被
検光学系の結像面に位置決めされ、計測方向と交差する
方向に沿ったエッジラインを有するナイフエッジパター
ンが形成された計測部材と、前記計測方向に沿って並列
的に配置された複数のパターンを有するパターン群が形
成された基準部材が前記被検光学系の物体面に設定され
ることにより、前記被検光学系の結像面に形成される前
記パターン群の空間像からの光を前記ナイフエッジパタ
ーンを介して検出するための光電検出手段と、前記被検
光学系の結像面に形成される前記パターン群の空間像と
前記ナイフエッジパターンとを前記計測方向に沿って相
対移動させるための相対移動手段と、前記相対移動手段
により前記パターン群の空間像と前記ナイフエッジパタ
ーンとを相対移動させたときの前記光電検出手段からの
光量変化情報に基づいて、前記パターン群の空間像の強
度分布として、前記パターン群を形成する各パターンの
空間像の強度分布の合成からなる合成空間像強度分布を
検出するための強度分布検出手段と、前記強度分布検出
手段において得られた合成空間像強度分布に基づいて前
記被検光学系の残存コマ収差量を検出するための処理系
とを備えていることを特徴とするコマ収差測定装置を提
供する。
【0011】第1発明の好ましい態様によれば、前記パ
ターン群は、第1のピッチP1を有するラインアンドス
ペースパターンからなる第1パターンと、前記第1のピ
ッチP1よりも大きく且つ前記第1のピッチP1の整数
倍のピッチとは実質的に異なる第2のピッチP2を有す
るラインアンドスペースパターンからなる第2パターン
とを有し、前記第1パターンのピッチP1とライン本数
との積は、前記第2パターンのピッチP2とライン本数
との積とほぼ等しい。また、前記処理系は、前記強度分
布検出手段において得られた合成空間像強度分布を信号
処理することにより、前記パターン群を形成する少なく
とも2つのパターンの各々に関して、前記結像面に形成
されるパターン像のピッチを基準とする所定の空間周波
数に対するフーリエ係数をそれぞれ求め、求めた各フー
リエ係数に基づいて前記少なくとも2つのパターンに関
する前記空間周波数成分間での前記結像面上の相対位置
ずれを算出し、算出した前記相対位置ずれに基づいて被
検光学系の残存コマ収差量を検出することが好ましい。
【0012】また、本発明の第2発明によれば、第1発
明のコマ収差測定装置と、マスクを照明するための照明
光学系と、前記マスクに形成された転写用パターンの像
を感光性基板上に投影するための投影光学系とを備え、
前記コマ収差測定装置は、前記被検光学系としての前記
投影光学系の残存コマ収差量を計測することを特徴とす
る投影露光装置を提供する。第2発明の好ましい態様に
よれば、前記相対移動手段は、前記感光性基板を保持し
且つ前記投影光学系に対して移動可能な基板ステージを
有し、前記コマ収差測定装置の前記計測部材は、前記基
板ステージ上において前記感光位基板の露光面に対応す
る位置に設けられている。また、前記処理系からの出力
に基づいて前記投影光学系に残存するコマ収差を補正す
るための補正系がさらに配置されていることが好まし
い。
【0013】また、本発明の第3発明によれば、第2発
明の投影露光装置を用いて半導体デバイスを製造する方
法において、前記投影光学系の物体面に前記計測用パタ
ーンが形成された前記基準部材を設定し、前記コマ収差
測定装置によって前記投影光学系に残存するコマ収差を
計測する計測工程と、前記投影光学系に残存するコマ収
差を補正する補正工程と、前記投影光学系の物体面に転
写用パターンが形成された転写用マスクを設定し、該転
写用マスクを前記照明光学系により照明する露光用照明
工程と、前記投影光学系を介して前記転写用マスクのパ
ターンを前記感光性基板に露光する露光工程とを含むこ
とを特徴とする半導体デバイスの製造方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、たとえば計測方向に
沿って並列的に配置された複数のパターンを有するパタ
ーン群が形成された基準部材を被検光学系の物体面に位
置決めするとともに、計測方向と交差する方向(たとえ
ば直交する方向)に沿ったエッジラインを有するナイフ
エッジパターンが形成された計測部材を被検光学系の結
像面に位置決めする。そして、被検光学系の結像面に形
成されるパターン群の空間像とナイフエッジパターンと
を所定方向に沿って相対移動させながら、被検光学系の
結像面に形成されたパターン対の空間像からの光をナイ
フエッジパターンを介して光電検出する。
【0015】こうして、パターン群の空間像とナイフエ
ッジパターンとの相対スキャンに伴って検出される光量
変化情報に基づいて、パターン群の空間像の強度分布と
して、パターン群を形成する各パターンの空間像の強度
分布の合成からなる合成空間像強度分布が検出される。
そして、検出された合成空間像強度分布に基づいて被検
光学系の残存コマ収差量が検出される。さらに具体的に
は、計測用パターンとして2つのパターンからなるパタ
ーン対を用いる場合、検出された合成空間像強度分布は
信号処理され、パターン対を形成する2つのパターンの
各々に関して、結像面に形成されるパターン像のピッチ
を基準とする所定の空間周波数に対するフーリエ係数が
それぞれ求められる。次いで、その求められた各フーリ
エ係数に基づいて2つのパターンに関する空間周波数成
分間での結像面上の相対位置ずれが算出され、その算出
された相対位置ずれに基づいて被検光学系の残存コマ収
差量が計測される。
【0016】このように、本発明によれば、簡素な機構
により被検光学系の残存コマ収差量を精度良く計測する
ことができる。特に、本発明のコマ収差測定装置を投影
露光装置に搭載した場合、パターンの焼き付け、現像、
SEM測定、計算処理などの作業を実際に行うことなく
簡素な機構により、被検光学系である投影光学系の残存
コマ収差量を精度良く計測することができる。すなわ
ち、投影光学系のNAや、照明光学系のNAや、照明条
件(通常照明、輪帯照明、変形照明など)を変更し、投
影光学系の結像に重要な影響が及んだとしても、投影光
学系の残存コマ収差量を容易に随時計測することができ
る。その結果、計測した残存コマ収差量に基づいて投影
光学系の収差調整を行い、収差状態の良好な投影光学系
を介して良好な半導体デバイスを製造することができ
る。
【0017】本発明の実施例を、添付図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の実施例にかかるコマ収差測定
装置を備えた投影露光装置の構成を概略的に示す図であ
る。図1では、投影光学系10の光軸AXに平行にZ軸
が、投影光学系10の光軸AXに垂直な面内において図
1の紙面に平行にX軸が、投影光学系10の光軸AXに
垂直な面内において図1の紙面に垂直にY軸がそれぞれ
設定されている。
【0018】図1の投影露光装置は、露光光源として、
たとえば水銀ランプからなる光源1を備えている。な
お、露光光として、例えば水銀ランプのg線やi線など
の輝線や、KrF、ArFなどを媒体としたエキシマレ
ーザ光などを用いることができる。光源1は、回転楕円
面からなる反射面を有する楕円反射鏡2の第1焦点位置
に位置決めされている。したがって、光源1から射出さ
れた照明光束は、楕円反射鏡2の第2焦点位置3に光源
像を形成する。
【0019】楕円反射鏡2の第2焦点位置3に形成され
た光源像からの光束は、インプットレンズ4によりほぼ
平行な光束に変換された後、所望の波長域の光束のみを
透過するバンドパスフィルター(不図示)に入射する。
バンドパスフィルターで選択された露光波長(たとえば
波長365nmのi線、または波長436nmのg線
等)の照明光は、フライアイインテグレータ5に入射す
る。フライアイインテグレータ5に入射した光束は、フ
ライアイインテグレータ5を構成する複数のレンズエレ
メントにより分割され、フライアイインテグレータ5の
射出側の焦点面に複数の光源像からなる二次光源を形成
する。
【0020】二次光源からの光束は、フライアイインテ
グレータ5の射出側の焦点面の近傍に配置された開口絞
り6により制限された後、コンデンサーレンズ7および
折り曲げミラー8を介して、下面に所定のパターンが形
成されたマスク9を重畳的に照明する。マスク9は、X
Y平面内においてマスクステージ12上に支持されてい
る。マスクステージ12のXY座標、ひいてはマスク9
のXY座標は、不図示のマスクステージ用レーザ干渉計
により常時計測されている。マスク9のパターンを透過
した光束は、投影光学系10を介して、感光性基板であ
るウエハ11に達する。こうして、ウエハ11上には、
マスク9のパターン像が形成される。
【0021】ウエハ11は、ウエハホルダ13を介して
XY平面内においてウエハステージ14上に支持されて
いる。ウエハステージ14は、XY平面内において二次
元的にウエハ11の位置決めを行うXYステージ、Z方
向に沿ってウエハ11の位置決めを行うZステージ、お
よびウエハ11の傾斜角の補正を行うレベリングステー
ジ等から構成されている。なお、XYステージ、Zステ
ージおよびレベリングステージは、処理系43により駆
動系45を介して駆動制御されるように構成されてい
る。また、ウエハステージ14のXY座標、ひいてはウ
エハ11のXY座標は、不図示のウエハステージ用レー
ザ干渉計により常時計測されている。
【0022】したがって、駆動系45を介してウエハス
テージ14を、ひいてはウエハ11を二次元的に駆動制
御しながら投影露光を行うことにより、ウエハ11の各
露光領域にマスク9のパターンを逐次転写することがで
きる。ウエハステージ14上のウエハホルダ13の近傍
には、たとえば光透過性のガラス基板からなるステージ
基板15が設けられている。なお、ステージ基板15の
上面は、ウエハ11の露光面とほぼ同じ高さ(Z方向に
ほぼ同じ位置)に設定されている。ステージ基板15の
上面には、所定のナイフエッジパターンが形成されてい
るが、その詳細については後述する。
【0023】また、ウエハステージ14の上方には、ウ
エハ11の表面(すなわち露光面)の位置またはステー
ジ基板15の表面(すなわち上面)の位置を検出するた
めの焦点検出系が設けられている。この焦点検出系は、
ウエハ11の表面またはステージ基板15の表面に斜め
から光を照射するための照射部40と、ウエハ11の表
面またはステージ基板15の表面からの反射光の位置を
検出するための焦点検出部41とで構成されている。焦
点検出部41は、ウエハ11の表面またはステージ基板
15の表面からの反射光の位置に基づいて、ウエハ11
の表面またはステージ基板12の表面の位置(Z方向の
高さ位置)を検出する。なお、焦点検出部41からの検
出信号は、処理系43へ供給される。
【0024】図2は、投影光学系の残存コマ収差量の計
測に際して用いられる計測用マスクに形成された収差計
測用パターンを模式的に示す図である。図2に示すよう
に、計測用マスクの下面には、一対のラインアンドスペ
ース(以下、「L/S」と表記する)パターンからなる
パターン対が計測用パターンとして多数形成されてい
る。各パターン対は、ピッチの異なる2つのL/Sパタ
ーンをピッチ方向に並列的に配置することによって構成
されている。なお、図2において、黒線部分は光透過部
であり、白色部分は遮光部である。各パターン対の構成
的特徴については、図3を参照して後述する。
【0025】多数のパターン対は4つのパターン群に分
けられ、各パターン群はM個のパターン対を有する。ま
た、各パターン群は、ピッチ方向がX軸に対してそれぞ
れ0度、45度、90度、135度の方向を向くように
配列されている。したがって、各パターン対をLS(m,
n) (m=1〜M,n=0,45,90,135)と表
記することができる。すなわち、ピッチ方向がX軸に対
して0度の方向を向いた第1パターン群は、M個のパタ
ーン対LS(1,0) 、LS(2,0) ・・・LS(M,0)を有す
る。また、ピッチ方向がX軸に対して45度の方向を向
いた第2パターン群は、M個のパターン対LS(1,45)、
LS(2,45)・・・LS(M,45)を有する。以下、ピッチ方
向がX軸に対して90度の方向を向いた第3パターン群
およびピッチ方向がX軸に対して135度の方向を向い
た第4パターン群についても同様である。これら4つの
パターン群は、計測用マスクの下面においてN個の位置
に配置されている。
【0026】図3は、各パターン対の構成的特徴につい
て説明する図である。図3において斜線で示す部分は遮
光部30であり、遮光部30はたとえば露光光に対する
遮光性を有するクロムなどの蒸着膜により形成されてい
る。図3に示すように、各パターン対には、図中鉛直方
向に沿って延びた矩形状の光透過部(ライン)31が図
中水平方向に沿ってピッチP1でJ1本(図3では6
本)だけ配列された第1パターンと、図中鉛直方向に沿
って延びた矩形状の光透過部32が図中水平方向に沿っ
てピッチP2でJ2本(図3では10本)だけ配列され
た第2パターンとが、各パターンのピッチ方向が互いに
平行になるように並列的に配置されている。
【0027】2つのパターンのピッチP1およびP2
は、P1>P2およびP1≠kP2(kは自然数)の条
件を満たしている。さらに、2つのパターンの「ライン
本数×ピッチ」は等しい、すなわちP1×J1=P2×
J2という条件も満たしている。また、2つのパターン
はその位置関係が座標計測されており、各パターン間の
位置ズレは容易に知ることができる。なお、本実施例で
は各パターンにおいて、ピッチ方向に沿った各光透過部
(ライン)の幅と2つの光透過部の間に形成される各遮
光部(スペース)の幅とは等しくしている。換言する
と、各パターンのピッチは各光透過部(ライン)の幅の
2倍であり、そのデューティ比(ライン/ピッチ)は
0.5である。しかし、特にデューテイ比は0.5に限
る必要はない。
【0028】なお、信号の後処理のために、各パターン
群において、各パターン対のいずれか一方のパターンの
ピッチと等しいピッチを有するパターンを含むパターン
対が存在するように構成することが望ましい。すなわ
ち、たとえば3個のパターン対を含む各パターン群(M
=3)において第1パターン対LS(1,n) がピッチP1
およびP2を有する場合、第1例として第2パターン対
LS(2,n) がピッチP1およびP3を有し、第3パター
ン対LS(3,n) がピッチP1およびP4を有することが
望ましい。また、第2例として、第2パターン対LS
(2,n) がピッチP1およびP3を有し、第3パターン対
LS(3,n) がピッチP3およびP4を有することが望ま
しい。さらに、第3例として、第2パターン対LS(2,
n) がピッチP1およびP3を有し、第3パターン対L
S(3,n) がピッチP2およびP4を有することが望まし
い。M=3以外の場合でも同様である。
【0029】図4は、ステージ基板の上面に形成された
ナイフエッジパターンを示す図である。図4に示すよう
に、ステージ基板15の上面は全体的に遮光部(図中斜
線で示す)50で覆われ、この遮光部50の所定位置に
2つの正方形状の光透過部51および52が形成されて
いる。遮光部50は、たとえば露光光に対する遮光性を
有するクロムなどの蒸着膜により形成されている。
【0030】正方形状の光透過部51の対向する2つの
辺51aおよび51bはX軸に対して90度の方向を向
くように配置され、他の対向する2つの辺51cおよび
51dはX軸に対して0度の方向を向くように配置され
ている。一方、正方形状の光透過部52の対向する2つ
の辺52aおよび52bはX軸に対して135度の方向
を向くように配置され、他の対向する2つの辺52cお
よび52dはX軸に対して45度の方向を向くように配
置されている。したがって、辺51aおよび51bを挟
む遮光部50および光透過部51の部分は、辺51aお
よび51bからなるナイフエッジ(エッジライン)の法
線がX軸に対して0度の方向を向いたナイフエッジパタ
ーンKE(0) を構成している。
【0031】また、辺51cおよび51dを挟む遮光部
50および光透過部51の部分は、辺51cおよび51
dからなるナイフエッジの法線がX軸に対して90度の
方向を向いたナイフエッジパターンKE(90)を構成して
いる。さらに、辺52aおよび52bを挟む遮光部50
および光透過部52の部分は、辺52aおよび52bか
らなるナイフエッジの法線がX軸に対して45度の方向
を向いたナイフエッジパターンKE(45)を構成してい
る。また、辺52cおよび52dを挟む遮光部50およ
び光透過部52の部分は、辺52cおよび52dからな
るナイフエッジの法線がX軸に対して135度の方向を
向いたナイフエッジパターンKE(135) を構成してい
る。
【0032】再び図1を参照すると、ステージ基板15
の図中下方には、投影光学系10を介して形成される計
測用パターンの空間一次像からの光を集光して計測用パ
ターンの空間二次像を形成するための集光光学系16が
設けられている。集光光学系16の図中下方には、集光
光学系16による空間二次像の形成面に位置決めされた
受光面を有する受光センサ18が設けられている。受光
センサ18の出力は、処理系43に供給される。なお、
集光光学系16は、収差が良好に補正された光学系であ
る必要はなく、空間一次像からの光を受光センサ18の
受光面上にほぼ集光する程度の光学系で十分である。ま
た、受光センサ18は、受光する光束に対して十分広い
面積を有し、受光面の感度ムラおよび受光光に対する角
度方向の感度ムラの少ないことが望ましい。なお、本実
施例では、集光光学系16の光路中に空間一次像からの
光を拡散するための拡散板17が配置されているので、
受光センサ18で受光する際の受光面の感度ムラの影響
を抑制することができる。
【0033】次に、本実施例において、投影光学系10
を介してその結像面に形成される計測用パターンの空間
像の強度分布(強度−位置)を検出し、検出した空間像
強度分布に基づいて投影光学系10の残存コマ収差量を
計測する動作について説明する。まず、図2に示す計測
用マスクをマスクステージ12上に載置して、図1に示
すように、計測用マスクのパターン面を投影光学系10
の物体面と一致するように設定する。そして、計測用マ
スクのパターンの空間像強度分布の検出に際して、投影
光学系10の下方にステージ基板15が位置するよう
に、駆動系45を介してウエハステージ14を移動させ
る。この状態において、ステージ基板15上には、投影
光学系10を介して計測用マスクのパターン空間像が形
成される。
【0034】この状態で、駆動系45を介してウエハス
テージ14を所定方向に沿って移動させることによっ
て、計測用パターンのうちの所定のパターン群の空間像
に対してステージ基板15上の所定のナイフエッジパタ
ーンを走査しながら、ナイフエッジパターンを介した空
間像からの光を集光光学系16および拡散板17を介し
て受光センサ18で受光する。こうして、処理系43で
は、受光センサ18からの出力に基づいて、空間像に対
応した光量分布(光量−時間)が得られる。処理系43
では、得られた光量分布を時間で微分することによっ
て、空間像の時間に関する強度分布(強度−時間)を検
出する。
【0035】さらに、処理系43では、空間像の時間に
関する強度分布とウエハステージ用のレーザ干渉計から
の位置情報とに基づいて時間情報を位置情報に換算し、
空間像の位置に関する強度分布(強度−位置)すなわち
空間像強度分布を検出する。こうして得られる空間像強
度分布は、投影光学系10を介してその結像面に形成さ
れる空間像の実際の強度分布と良く一致している。本実
施例では、時分割で光量分布を取得して時間に関する強
度分布を得た後、干渉計の位置情報に基づいて位置に関
する強度分布を検出するものとしているが、別の手法で
あっても良い。例えば、ステージを駆動しながら干渉計
の位置情報を非常に短い時間間隔で継続的に取り込み、
所望のステージ位置に達したとき同時に受光素子から信
号電圧取り込みを行うことにより、直接位置に関する強
度分布を得ることができる。なお、本実施例では、ピッ
チの異なる2つのL/Sパターンをピッチ方向に並列的
に配置することによって各パターン対を構成しているの
で、各パターン対の空間像強度分布は第1パターンの空
間像強度分布と第2パターンの空間像強度分布との合成
強度分布となる。
【0036】図5は、図3に示すパターン対の合成空間
像強度分布を示す図である。図5に示すように、検出さ
れる合成空間像強度分布は、ピッチP1の第1パターン
の周期的な空間像強度分布とピッチP2の第2パターン
の周期的な空間像強度分布との合成からなるため、全体
的に周期的ではない。ここで、後述する処理系43の合
成空間像強度分布検出部43aにて検出される図5の合
成空間像強度分布に含まれるパターン対の情報並びにパ
ターン対の最適な各ピッチの組合せについて図6を参照
しながら説明する。
【0037】図6は、投影光学系が無収差であるとき
の、図3に示すパターン対の第1パターン空間像の空間
周波数分布および第2パターン空間像の空間周波数分布
を示す図である。図6において、縦軸は振幅を、横軸は
空間周波数(1/P3間隔)を示している。図6の実線
で示す第1パターン空間像の空間周波数分布と図6の点
線で示す第2パターン空間像の空間周渡数分布とを合成
した合成空間周波数分布を、逆フーリエ変換すると、図
5に示す合成空間像強度分布となる。換言すれば、図5
に示すパターン対の合成空間像強度分布をフーリエ変換
するとパターン対の合成空間像の空間周波数分布を得る
ことができる。
【0038】ここで、図6に示す空間周波数を示すため
のピッチP3は、図3に示すパターン対を構成する各パ
ターン(31,32)の「ライン本数×ピッチ」の値の
2倍で定義されるものである。したがって、図3に示す
パターン対を構成する各パターン(31,32)は、前
述のように、「ライン本数×ピッチ」が互いに等しくな
るように選択されているため、第1パターン31の像の
ピッチをp1とし、第2パターン32の像のピッチをp
2とし、第1パターン31の像の本数をj1とし、第2
パターン32の像の本数をj2とするとき、1/p1=
12/P3(=2×j1/P3)および1/p2=20
/P3(=2×j2/P3)の関係が成立する。なお、
第1パターン31の像のピッチp1と第1パターン31
のピッチP1との間、および第2パターン32の像のピ
ッチp2と第2パターン32のピッチP2との間には、
投影光学系10の結像倍率をβとすると、p1=β×P
1およびp2=β×P2の関係が成立している。
【0039】図6において実線で示す空間周波数分布
は、第1パターン空間像の空間周波数分布であり、第1
パターン像のピッチp1から定まる空間周波数(1/p
1=12/P3)を1次成分とし、そのm倍(mは自然
数)で定められる空間周波数(m/p1=12m/P
3)に主極大または0点を有する。また、図6において
破線で示す空間周波数分布は、第2パターン空間像の空
間周波数分布であり、第2パターン像のピッチp2から
定まる空間周波数(1/p2=20/P3)を1次成分
とし、そのm倍(mは自然数)で定められる空間周波数
(m/p2=20m/P3)に主極大または0点を有す
る。したがって、計測用マスク上のパターン対を構成す
る各パターンは、「ライン本数×ピッチ」が互いに等し
くなるように構成されることによって、お互いのパター
ンによる影響を格段に小さくできることが図6から理解
できる。
【0040】ところで、本実施例では、計測用マスクの
N個の位置に4つのパターン群LS(m,0) 、LS(m,4
5)、LS(m,90)およびLS(m,135) がそれぞれ配置され
ている。したがって、各位置において、4つのパターン
群LS(m,0) 、LS(m,45)、LS(m,90)およびLS(m,1
35) の各空間像と、ナイフエッジパターンKE(0) 、K
E(45)、KE(90)およびKE(135) とを対応する方向に
それぞれ相対スキャンさせることになる。この相対スキ
ャンは、XY平面においてL/Sパターンのピッチ方向
に駆動系(不図示)を介してマスクステージ12を移動
させて(すなわち空間像を移動させて)行っても良い
し、あるいはXY平面においてナイフエッジパターンの
エッジラインの法線方向に駆動系45を介してウエハス
テージ14を移動させて(すなわちナイフエッジを移動
させて)行っても良い。
【0041】こうして、投影光学系10の結像面上の各
位置L(m,n)(ただし、m=1〜M、n=0、4
5、90、135)に形成される4つのパターン群(L
S(m,0) 、LS(m,45)、LS(m,90)、LS(m,135) )の
空間像の各々に対する合成空間像強度分布を得ることが
できる。なお、合成空間像強度分布は、4つのすべての
方向について計測することもできるし、各位置でのサジ
タル方向とメリディオナル方向との2方向について計測
することもできる。また、パターン群に対してナイフエ
ッジパターンが相対的に回転誤差をもつ場合には、マス
クステージを微小回転させてナイフエッジパターンに合
わせ込めばよい。
【0042】以上においては、図2および図3に示され
るように、複数のパターン対を持つ計測用マスク上の各
パターン群(LS(m,0) 、LS(m,45)、LS(m,90)、L
S(m,135) )を用いて、投影光学系10を介して得られ
る各パターン群の空間像を図4に示すナイフエッジパタ
ーンを走査させながら受光センサー18にて各パターン
群の合成空間像強度分布を光電検出する手法並びに各パ
ターン群中におけるパターン対を構成する2つのパター
ンの最適な講成について説明した。
【0043】次に、以下において、受光センサー18か
らの出力に基づいて処理系43での動作について説明す
る。処理系43内の空間像強度分布検出部43aは、投
影光学系10の結像面内の各位置L(m,n)に形成さ
れた各パターン群の合成空間像を光電検出する受光セン
サー18からの出力(計測結果)に基づいて、デジタル
処理により微分・スムージング処理を行い、不要なノイ
ズ成分を除去した各合成空間像強度分布データを得る
(図5参照)。
【0044】その次に、処理系43内のフーリエ係数導
出部43bは、まず、合成空間像強度分布検出部43a
から出力される各パターン群での多数の合成空間像強度
分布(図5参照)に関するデータに基づいて、各合成空
間像強度分布の中心位置をウエハステージ用レーザ干渉
計を介して電気的に検出する。一例として、フーリエ係
数導出部43bは、図5に示されるあるパターン対の合
成空間像強度分布の両端のピーク位置A、Bを電気的に
検出し、(A+B)/2の関係から得られる中点を電気
的に求め、各パターン対の合成空間像強度分布毎に各合
成空間像強度分布の中心位置Cを求める。そして、これ
らの中心位置Cは各パターン対の合成空間像強度分布の
基準位置とされる。
【0045】同時に、フーリエ係数導出部43bにて得
られる各合成空間像強度分布の基準位置は、干渉計47
によって位置検出されるウエハステージ14の2次元的
な座標位置に関する位置情報に基づいて、ウエハステー
ジ14の2次元的な座標位置上での対応づけが行われ
る。ここで、説明を分かりやすくするために、図3に示
すパターン対(31、32)と図5に示す合成空間像強
度分布を代表させて、フーリエ係数導出部43bにおけ
るフーリエ係数の算出について説明する。今、図3に示
すパターン対での第1パターン31および第2パターン
32は、それぞれx方向に沿って周期的なピッチ(P
1、P2)を有しているものと仮定し、図5に示す合成
空間像強度分布の情報はウエハステージ14をx方向へ
移動させたことにより受光センサー18および合成空間
像強度分布検出部43aを介してフーリエ係数導出部4
3bに出力されたものであると仮定する。
【0046】図5に示す合成空間像強度分布を位置xの
関数としてi(x)とし、ウエハステージ14の座標位
置における図5に示す合成空間像強度分布の中心位置
(基準位置)Cを原点とする。すると、以下に示すよう
に、図3に示す第1パターン31においては、第1パタ
ーン31の像のピッチp1を基準とする空間周波数(1
/p1)を持つサイン関数およびコサイン関数で表現で
きる2つのフーリエ係数(a1、a2)を得ることがで
きる。また、以下に示すように、図3に示す第2パター
ン32においては、第2パターン32の像のピッチp2
を基準とする空間周波数(1/p2)に関する2つのフ
ーリエ係数(b1、b2)を得ることができる。
【0047】
【数1】
【0048】したがって、フーリエ係数導出部43b
は、以上にて述べたフーリエ係数導出手法によって各パ
ターン群における各パターン対毎の4つのフーリエ係数
を算出する。さて、次に、フーリエ係数導出部43bか
ら出力される各パターン群における各パターン対毎の4
つのフーリエ係数の情報に関するデータに基づいて、位
置ずれ検出部43cは、それぞれ原点からの位相ずれ成
分に対応するパターンのピッチを掛け合わせることによ
り、投影光学系10の結像面での位置ずれを算出する。
すなわち、位置ずれ検出部43cは、各パターン対の合
成空間像強度分布の中心位置(基準位置)としての原点
位置がらの各パターン対中の各パターンのピッチを基本
空間周波数とする位置ずれ量(Δ1、Δ2)をそれぞれ
算出し、各パターン対中の各パターンのピッチに関する
基本空間周波数成分間の相対位置ずれ量(投影光学系1
0の結像面での各パターン対間の相対位置ずれ量)Δを
求める。
【0049】例えば、前述した4つのフーリエ係数(a
1、a2、b1、b2)を例として挙げると、合成空間
像強度分布の中心位置(基準位置)としての原点位置か
らの第1パターン31の像の空間周波数(1/p1)の
位置のずれ量Δ1および合成空間像強度分布の中心位置
(基準位置)としての原点位置からの第2パターン32
の像の空間周波数(1/p1)の位置のずれ量Δ2は、
角度の単位をラジアンとして以下のようになる。 Δ1=(p1/2π)・tan -1(b1/a1) Δ2=(p2/2π)・tan -1(b2/a2)
【0050】また、計測マスク上に形成される各パター
ン対における第1パターン31と第2パターン32との
相対的な位置関係に関する情報Δ0は予め処理系43の
内部の記憶部(位置ずれ検出部43c内部の記憶部)に
記憶されている。その理由としては、計測マスクの製造
誤差等の要因により、第1パターン31の位置(第1パ
ターンの中心位置)と第2パターン32の位置(第2パ
ターンの中心位置)との相対的な位置関係がずれる可能
性が大きい。このため、不図示の座標測定装置等のパタ
ーン位置計測装置を用いて、計測マスク上に形成される
各パターン対における第1パターン31と第2パターン
32との設計値に対する相対的な位置ずれ量を予め計測
し、その計測値は処理系43の内部の記憶部に記憶され
る。
【0051】なお、計測マスク上に形成される各パター
ン対における第1パターン31と第2パターン32との
相対的なズレ量をδ0とし、投影光学系10の結像倍率
をβとするとき、投影光学系10によって形成される第
1パターン31の像と第2パターン32の像との相対的
なズレ量Δ0は、Δ0=β×δ0の関係で表現できる。
以上のことから、最終的に、各パターン対の内の一方の
第1パターンによる空間周波数成分(1/P1)から得
られる空間像の位置ずれΔ1と、他方の第2のパターン
による空間周波数成分(1/P2)から得られる空間像
の位置ずれ△2との相対的位置ずれ量Δ12は、以下の
関係式で示すように、計測マスク上に形成される各パタ
ーン対における第1パターン31と第2パターン32と
の相対的な位置誤差Δ0でオフセットすることにより、
精度良く検出される。 Δ12=Δ1−Δ2−Δ0
【0052】ところで、本実施例では各パターン対の2
つのパターンのピッチとライン本数とが前述の2つの条
件を満たすように構成されている。この場合には、図6
の空間周波数分布が示すように、空間周波数1/p1
(=12/P3)における振幅(フーリエ係数)は、ほ
ぼ第1パターン像に起因する成分だけになっており、第
2パターン像に起因する成分は非常に少なく、空間周波
数1/p2(=20/P3)における振幅(フーリエ係
数)は、ほぼ第2パターン像に起因する成分だけになっ
ており、第1パターン像に起因する成分は非常に少な
い。これは、投影光学系に収差が発生している場合でも
同様である。
【0053】よって、2つのパターン像を同時に計測し
て合成空間像強度分布を得たにもかかわらず、空間周波
数1/P1成分の位置ズレは第1パターン像の空間周波
数1/p1成分の位置ズレとなり、空問周波数1/P2
成分の位置ズレは第2パターン像の空間周波数1/p2
成分の位置ズレとなる。このように、互いに影響される
ことが無いため、第1パターン像の空間周波数1/p1
成分と第2パターン像の空間周波数1/p2成分との間
の結像面での相対位置ズレ(以下、「ピッチ間の位置ズ
レ」とする)を高精度に検出することができる。また、
本実施例においては2つのパターン対を同時に計測する
ため、それぞれ独立に計測したときに比ベ、干渉計の揺
らぎの影響による計測精度劣化を排除できる。
【0054】次いで、処理系43内のコマ収差検出部4
3dにおいて、相対位置ずれ検出部43cで得られた各
パターン対の2つのピッチ間の相対位置ずれを統合し
て、多数のピッチ間の相対位置ずれ関係を求めることが
できる。本実施例のように、各パターン群において各パ
ターン対のいずれか一方のパターンのピッチと等しいピ
ッチを有するパターンを含むように構成することによ
り、ある1つのピッチを基準として図7に示すような各
ピッチ間の相対ずれ関係が得られるので都合が良い。こ
こで、相対位置ずれ関係について説明する。例えば、3
個のパターン対を含むパターン群(M=3)において、
第1パターン対LS(1,n)がピッチP1およびP2
を有し、第2パターン対LS(2,n)がピッチP1お
よびP3を有し、第3パターン対LS(3,n)がピッ
チP1およびP4を有している場合、前述した通り、結
像面における各相対ずれ量Δ(例えば、Δ12、Δ1
3、Δ14)を求めることができる。
【0055】ここで、例えば、第1乃至第3パターン対
の一部を構成するピッチP1を持つパターンが投影光学
系10の結像面に形成される時のパターン像のピッチp
1を0.8μmとし、第1パターン対の一部を構成する
ピッチP2を持つパターンが投影光学系10の結像面に
形成される時のパターン像のピッチp2を1.2μmと
し、第2パターン対の一部を構成するピッチP3を持つ
パターンが投影光学系10の結像面に形成される時のパ
ターン像のピッチp3を2μmとし、第3パターン対の
一部を構成するピッチP4を持つパターンが投影光学系
10の結像面に形成される時のパターン像のピッチp4
を3μmとする。そして、横軸をピッチとし縦軸を相対
ずれ量とし、グラフの基準となるピッチとして例えばp
1をとり、その相対位置ずれ量を零とする。その後、ピ
ッチp1を基準とした各ピッチ毎の相対位置ずれ量を求
めれば、図7(b)に示すように、複数ピッチに対する
相対位置ずれ関係が得られる。
【0056】なお、各パターン対のピッチの組合せが変
わり、第2パターン対LS(2,n)がピッチP1およ
びP3を有し、第3パターン対LS(3,n)がピッチ
P3およびP4を有している場合や、第2パターン対L
S(2,n)がピッチP1およびP3を有し、第3パタ
ーン対LS(3,n)がピッチP2およびP4を有して
いる場合等でも、前記構成を満たしていれば良い。以上
の方法でより多くのピッチ間の相対位置ずれ関係を求
め、グラフ表示した例が図7(a)であり、図7(a)
ではコマ収差が残存している例を示している。また、図
7(a)では全体の傾向を表すために、計測点間を滑ら
かな線で結んで表示している。ここで、図7(a)に示
す縦軸の絶対位置は重要ではなく、計測した最小ピッチ
の値を零としておく。したがって、コマ収差検出部43
dは、相対位置ずれ検出部43cからの各パターン群で
の各パターン対毎の位置ずれ情報に基づいて、図7
(a)に示される関係を求める。
【0057】次に、コマ収差検出部43dは、図7
(a)に示される関係から最小位置ずれ関係の最小ピッ
チの値(ここでは零)を基準とし、各ピッチ成分での相
対位置ずれ量の平均値と分散値を求め、さらに平均値か
ら最小ピッチの値(ここでは零)を引いたときの符号を
求める。このとき、この求められた分散値および符号
は、投影光学系10を介してその結像面において発生す
るコマ収差の大きさおよびその符号との間に相関関係を
有する。したがって、コマ収差検出部43dは、所定の
適切な関数(1次関数等)を用いて、求めた分散値およ
び符号から投影光学系10の残存コマ収差量を算出す
る。このように、投影光学系10の結像面上の各位置L
(m,n)(m=1〜M,n=0,45,90,13
5)に形成されるパターン対の像での計測を繰り返すこ
とにより、投影光学系10の残存コマ収差量を計測する
ことができる。また、最小ピッチは投影光学系で解像で
きる最小ピッチに近い方が望ましい。
【0058】なお、以上においては、処理系43では図
2に示した4つのパターン群を用いることで投影光学系
10に残存する1つのコマ収差量を計測することについ
て説明したが、実際の計測用マスクには、図2に示した
4つのパターン群がぞれぞれ異なる位置にN個形成され
ている。したがって、計測マスク上の異なる位置に形成
された4つのパターン群をそれぞれ用いて、処理系43
は以上にて述べた処埋をN回行い、N個のコマ収差量を
検出する。
【0059】一般的に、たとえば投影光学系のような被
検光学系のコマ収差の状態は、物体面上の1点から出た
光線が像面上に到達する際に発生する横収差量が開口数
(NA)の2乗に比例して大きくなるような分布を有す
る低次成分(ザイデルの5収差で定義されるコマ収差と
同様の収差形状であり3次コマ収差とも言う)と、この
低次成分に加算され横収差分布にうねりを生じさせる高
次成分とに区分される。低次成分および高次成分は、設
計値においても若干は残存しているが、各成分の量は必
要十分に小さく補正されていることが多い。
【0060】一方、被検光学系である投影光学系の製造
時および実使用時においては、一般的に以下のような収
差発生要因があると考えられる。低次コマ収差は、レン
ズ製造時にはレンズ曲率半径誤差、レンズ間隔誤差、レ
ンズ(またはレンズ群)偏心誤差、屈折率誤差により発
生する成分であり、実使用時には設置温度変化や大気圧
変動(環境の屈折率変化)等の微少変化時に発生する成
分である。一方、高次コマ収差は、製造時にはレンズ表
面の凹凸などのような曲率半径誤差以外の成分や屈折率
のレンズ内不均一分布誤差により発生する成分であり、
実使用時には温度分布のレンズ内不均一等により発生す
る成分であると言われている。また、製造時の誤差成分
は静的なものであり製造以後には変動はしないが、実使
用時の誤差成分は動的なものであり性能の変動要因にな
り得るものである。ただし動的な変動要因としては、コ
マ収差変動は一般的に小さく、倍率変動の方が圧倒的に
大きく問題になることが多い。
【0061】本実施例によるコマ収差計測はコマ収差と
相関関係のある測定値(分散値および符号)を求めるも
のであるが、求める測定値と低次コマ収差の変化とは非
常に良い相関関係を示し、特に微少発生領域では相関関
係を一次関数で良好に近似することができる。但し、こ
の相関関係は、照明系の照明条件(照明NAや変形照
明)によって変化するという性質を持っている。
【0062】なお、被検光学系である投影光学系10に
おいて低次コマ収差成分しか発生していない場合には、
照明条件の変化により前記相関関係自体は変化するが、
投影光学系10の収差調整機構等により低次コマ収差成
分をほぼ0に補正することができれば、コマ収差自体が
ほぼ0となるため照明条件の違いに関わりなく前記分散
値はほぼ0になる。換言すると、ある照明条件におい
て、投影光学系10のコマ収差をほぼ0に調整すること
ができれば、他の照明条件においても同様に投影光学系
10のコマ収差はほぼ0になり得る。つまり、前記相関
関係の定数項は照明条件の違いに関わらず0であり、一
次係数(傾き)のみ異なると考えられる。また、このよ
うな低次コマ収差調整機構は、投影光学系10を構成す
る光学部品の間隔調整や偏心・ティルト調整、レンズ内
部圧力の部分変更等により容易に実現される。
【0063】一方、投影光学系10において高次コマ収
差成分が残存している場合には、ある照明条件で前記分
散値がほぼ0になるように調整しても、他の照明条件に
おいては前記分散値は0にならない。これは、高次コマ
収差成分が残存している場合には前記相関関係の定数項
が0でなく、照明条件に依存して変化することを意味し
ている。各照明条件毎に前記相関関係の定数項を求める
ことができれば、求めた定数項が残存高次コマ収差量の
指標となり得る。例えば、使用する照明条件毎に前記一
次係数を予め求めておけば、各照明条件毎に前記分散値
および符号を計測することにより前記定数項を算出する
ことができる。一次係数を求める方法としては、低次コ
マ収差のみ発生させた場合の光学シミュレーションで求
める方法でも良いし、前記低次コマ収差調整機構にて確
実に低次コマ収差を一定量だけ変化させ、その時の前記
分散値変化を測定し一次係数を求める方法でも良い。本
実施例では、コマ収差検出部43dにおいて、高次コマ
収差の検出を行う。
【0064】本実施例において、コマ収差検出部43d
で高次コマ収差が検出された場合の調整法として、投影
光学系10内の複数の光学部品間隔を変化させる方法
や、投影光学系10の少なくとも1つのレンズ面または
平面板等を補正研磨する方法などが考えられる。また、
投影光学系10のような被検光学系のNAを変化させて
も、照明条件の変更と同様に相関関係の変化が見られる
が、照明条件の変更と同様に扱うことができる。
【0065】なお、上記記述ではコマ収差と相関のある
測定値として、平均値からの分散値と最小ピッチと平均
値の間の符号を用いているが、他の方法であっても構わ
ない。例えば、図7に示す各ピッチに対する相対位置関
係を線形近似または多項式近似をして、各係数を利用し
ても構わない。例えば、最小二乗直線近似した場合に
は、その傾きおよび符号がコマ収差の量および符号と相
関がありコマ収差量を計測することができる。また、よ
り簡易的な方法として前記分散値の代わりに1つのパタ
ーン対で求められた位置ズレ量を使用することも可能で
ある。ただし、この場合はコマ収差の変化に対して十分
に分解能があり効果的なパターン対を設定する必要があ
る。
【0066】さて、処理系43内のコマ収差検出部43
dにより得られた結果が良好でない場合、すなわち投影
光学系10の結像面でのコマ収差が悪化している場合に
は、処理系43内に設けられた補正量算出部43eは、
コマ収差検出部43dにより得られた結果に基づいて、
投影光学系10のコマ収差を補正するために、投影光学
系10を構成するレンズ素子等の光学素子(L1 、L
2 )の補正量を算出する。そして、この補正量算出部4
3eは、算出した結果に基づき、駆動系46を介して投
影光学系10中の光学素子(L1 、L2 )を投影光学系
10の光軸方向へ移動させたり、光学素子(L1 、L
2 )を投影光学系10の光軸と直交する面内に移動させ
たり、光学素子(L1 、L2 )を投影光学系10の光軸
に対して傾斜するように移動させたりして、投影光学系
10のコマ収差を補正する。
【0067】以上のように、投影光学系10の結像面に
おけるコマ収差特性(あるいは結像特性)が補正される
工程が完了すると、次に、露光の工程(フォトリソグラ
フィ工程)に移行する。まず、露光工程では、投影光学
系10の物体面に設定されている計測用マスクを実際の
露光用マスク9に交換し、マスクステージ12を介して
露光用マスク9を投影光学系10の物体面に設定する。
そして、感光性基板としてのウエハ11がウエハステー
ジ14を介して投影光学系10の結像面に設定される
と、照明光学系(1〜8)によって露光用マスク9が照
明される。そして、露光用マスク9のパターンが投影光
学系10を介してウエハ11上に転写(露光)される。
【0068】なお、以上の露光の工程(フォトリソグラ
フィ工程)を経たウエハ11は、現像する工程を経てか
ら現像したレジスト以外の部分を除去するエッチングの
工程、エッチングの工程後の不要なレジストを除去する
レジスト除去の工程等を経る。そして、露光、エッチン
グ、レジスト除去の工程を繰り返して、ウエハプロセス
が終了する。その後、ウエハプロセスが終了すると、実
際の組立工程にて、焼き付けられた回路毎にウエハを切
断してチップ化するダイシング、各チップに配線等を付
与するボンディイング、各チップ毎にパッケージングす
るパッケージング等の各工程を経て、最終的にLSI等
の半導体デバイスが製造される。
【0069】以上の説明では、露光装置を用いたウエハ
プロセスでのフォトリソグラフィ工程によりLSI等の
半導体デバイスを製造する例を示したが、露光装置を用
いたフォトリソグラフィ工程によって、液晶表示素子、
薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)等の半導体デバ
イスも製造することができる。このように、本実施例で
は、投影露光装置にコマ収差測定装置を搭載しているの
で、パターンの焼き付け、現像、SEM測定、計算処理
などの作業を実際に行うことなく簡素な機構により、被
検光学系である投影光学系の残存コマ収差量を精度良く
計測することができる。すなわち、投影光学系のNA
や、照明光学系のNAや、照明条件(通常照明、輪帯照
明、変形照明など)を変更し、投影光学系の結像に重要
な影響が及んだとしても、投影光学系の残存コマ収差量
を容易に随時計測することができる。その結果、計測し
た残存コマ収差量に基づいて投影光学系の収差調整を行
い、収差状態の良好な投影光学系を介して良好な半導体
デバイスを製造することができる。
【0070】なお、上述の実施例では、ウエハステージ
14に受光センサ18を内蔵し、ウエハステージ14の
内部で受光するタイプのコマ収差測定装置に本発明を適
用しているが、ライトガイドなどを用いてウエハステー
ジ14の外部で受光するタイプのコマ収差測定装置に本
発明を適用することもできる。図8は、ウエハステージ
の外部で受光する第1タイプのコマ収差測定装置を備え
た投影露光装置の構成を概略的に示す図である。図8の
変形例では、投影光学系10の結像面に形成された空間
像からの光がステージ基板15のナイフエッジパターン
を介して集光光学系81に入射する。集光光学系81を
介した光は、ミラー82で反射された後、たとえば光フ
ァイバーのようなライトガイド83の入射端に入射す
る。ライトガイド83の内部を伝搬した光は、その射出
端まで導かれ、射出端に近接して配置された受光センサ
84に達する。受光センサ84の出力は、図示を省略し
た処理系43へ供給される。こうして、第1タイプのコ
マ収差測定装置においても上述の実施例と同様に、投影
光学系10の残存コマ収差量が計測される。
【0071】図9は、ウエハステージの外部で受光する
第2タイプのコマ収差測定装置を備えた投影露光装置の
構成を概略的に示す図である。図9の変形例では、投影
光学系10の結像面に形成された空間像からの光がステ
ージ基板15のナイフエッジパターンを介して集光光学
系91に入射する。集光光学系91およびその内部に配
置された拡散板92を介した光は、たとえば光ファイバ
ーのようなライトガイド93の入射端に入射する。ライ
トガイド93の射出端から射出された光は、たとえば一
対のレンズからなるリレー光学系の一方のレンズ94お
よびウエハステージ14に形成された開口部を介してウ
エハステージ14の外部へ導き出される。
【0072】ウエハステージ14の外部へ導き出された
光は、リレー光学系の一方のレンズ95を介して受光セ
ンサ96に達する。ここで、ライトガイド93の射出端
と受光センサ96の受光面とは、リレー光学系(94、
95)を介して共役に配置されている。受光センサ96
の出力は、図示を省略したコマ収差測定装置の処理系4
3へ供給される。こうして、第2タイプのコマ収差測定
装置においても上述の実施例と同様に、投影光学系10
の残存コマ収差量が計測される。
【0073】また、第2タイプのコマ収差測定装置を備
えた投影露光装置では、ウエハステージ14の外部に配
置されたレンズ95および受光センサ96からなるユニ
ットと、ウエハステージ14の内部に配置された集光レ
ンズ91、ライトガイド93およびレンズ94からなる
ユニットとが機械的に分離され、コマ収差の計測に際し
てのみ光学的に接続されるように構成されている。した
がって、第2タイプでは、第1タイプとは異なり、ライ
ドガイドがウエハステージの負荷を及ぼすことがなく、
且つライトガイドの使用により送光自由度が高いという
利点を有する。
【0074】上述の実施例および変形例では、投影露光
装置に本発明のコマ収差測定装置を搭載しているが、他
の一般系な被検光学系の残存コマ収差量を計測するため
のコマ収差測定装置に本発明を適用することもできる。
また、上述の実施例では、計測用パターンとして2つの
パターンからなるパターン対を用いているが、並列的に
配置された3つ以上のパターンからなるパターン群を用
いることもできる。さらに、上述の実施例では、計測方
向と直交する方向に沿ったエッジラインを有するナイフ
エッジパターンを用いているが、計測方向と実質的な角
度で交差する方向に沿ったエッジラインを有するナイフ
エッジパターンを用いることもできる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコマ収差
測定装置によれば、簡素な機構により被検光学系の残存
コマ収差量を精度良く計測することができる。特に、本
発明のコマ収差測定装置を投影露光装置に搭載した場
合、パターンの焼き付け、現像、SEM測定、計算処理
などの作業を実際に行うことなく投影光学系の残存コマ
収差量を精度良く計測することができる。すなわち、投
影光学系のNAや、照明光学系のNAや、照明条件(通
常照明、輪帯照明、変形照明など)を変更し、投影光学
系の結像に重要な影響が及んだとしても、投影光学系の
残存コマ収差量を容易に随時計測することができる。そ
の結果、計測した残存コマ収差量に基づいて投影光学系
の収差調整を行い、収差状態の良好な投影光学系を介し
て良好な半導体デバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかるコマ収差測定装置を備
えた投影露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】投影光学系の残存コマ収差量の計測に際して用
いられる計測用マスクに形成された収差計測用パターン
を模式的に示す図である。
【図3】各パターン対の構成的特徴について説明する図
である。
【図4】図1のステージ基板の上面に形成されたナイフ
エッジパターンを示す図である。
【図5】図3に示すパターン対の合成空間像強度分布を
示す図である。
【図6】投影光学系が無収差であるときの、図3に示す
パターン対の第1パターン空間像の空間周波数分布およ
び第2パターン空間像の空間周波数分布を示す図であ
る。
【図7】パターン空間像の各ピッチに対する位置ズレの
関係を示す図である。
【図8】ウエハステージの外部で受光する第1タイプの
コマ収差測定装置を備えた投影露光装置の構成を概略的
に示す図である。
【図9】ウエハステージの外部で受光する第2タイプの
コマ収差測定装置を備えた投影露光装置の構成を概略的
に示す図である。
【符号の説明】
1 光源 2 楕円反射鏡 3 第2焦点位置 4 インプットレンズ 5 フライアイインテグレータ 6 開口絞り 7 コンデンサーレンズ 8 折り曲げミラー 9 マスク 10 投影光学系 11 ウエハ 12 マスクステージ 13 ウエハホルダ 14 ウエハステージ 15 ステージ基板 16 集光光学系 17 拡散板 18 受光センサ 40 照射部 41 焦点検出部 43 処理系 45、46 駆動系

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検光学系の残存コマ収差量を計測する
    ためのコマ収差測定装置において、 前記被検光学系の結像面に位置決めされ、計測方向と交
    差する方向に沿ったエッジラインを有するナイフエッジ
    パターンが形成された計測部材と、 前記計測方向に沿って並列的に配置された複数のパター
    ンを有するパターン群が形成された基準部材が前記被検
    光学系の物体面に設定されることにより、前記被検光学
    系の結像面に形成される前記パターン群の空間像からの
    光を前記ナイフエッジパターンを介して検出するための
    光電検出手段と、 前記被検光学系の結像面に形成される前記パターン群の
    空間像と前記ナイフエッジパターンとを前記計測方向に
    沿って相対移動させるための相対移動手段と、 前記相対移動手段により前記パターン群の空間像と前記
    ナイフエッジパターンとを相対移動させたときの前記光
    電検出手段からの光量変化情報に基づいて、前記パター
    ン群の空間像の強度分布として、前記パターン群を形成
    する各パターンの空間像の強度分布の合成からなる合成
    空間像強度分布を検出するための強度分布検出手段と、 前記強度分布検出手段において得られた合成空間像強度
    分布に基づいて前記被検光学系の残存コマ収差量を検出
    するための処理系とを備えていることを特徴とするコマ
    収差測定装置。
  2. 【請求項2】 前記パターン群は、第1のピッチP1を
    有するラインアンドスペースパターンからなる第1パタ
    ーンと、前記第1のピッチP1よりも大きく且つ前記第
    1のピッチP1の整数倍のピッチとは実質的に異なる第
    2のピッチP2を有するラインアンドスペースパターン
    からなる第2パターンとを有し、 前記第1パターンのピッチP1とライン本数との積は、
    前記第2パターンのピッチP2とライン本数との積とほ
    ぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載のコマ収差測
    定装置。
  3. 【請求項3】 前記処理系は、前記強度分布検出手段に
    おいて得られた合成空間像強度分布を信号処理すること
    により、前記パターン群を形成する少なくとも2つのパ
    ターンの各々に関して、前記結像面に形成されるパター
    ン像のピッチを基準とする所定の空間周波数に対するフ
    ーリエ係数をそれぞれ求め、求めた各フーリエ係数に基
    づいて前記少なくとも2つのパターンに関する前記空間
    周波数成分間での前記結像面上の相対位置ずれを算出
    し、算出した前記相対位置ずれに基づいて被検光学系の
    残存コマ収差量を検出することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のコマ収差測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    コマ収差測定装置と、マスクを照明するための照明光学
    系と、前記マスクに形成された転写用パターンの像を感
    光性基板上に投影するための投影光学系とを備え、 前記コマ収差測定装置は、前記被検光学系としての前記
    投影光学系の残存コマ収差量を計測することを特徴とす
    る投影露光装置。
  5. 【請求項5】 前記相対移動手段は、前記感光性基板を
    保持し且つ前記投影光学系に対して移動可能な基板ステ
    ージを有し、 前記コマ収差測定装置の前記計測部材は、前記基板ステ
    ージ上において前記感光位基板の露光面に対応する位置
    に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の投
    影露光装置。
  6. 【請求項6】 前記処理系からの出力に基づいて前記投
    影光学系に残存するコマ収差を補正するための補正系が
    さらに配置されていることを特徴とする請求項4または
    5に記載の投影露光装置。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の
    投影露光装置を用いて半導体デバイスを製造する方法に
    おいて、 前記投影光学系の物体面に前記計測用パターンが形成さ
    れた前記基準部材を設定し、前記コマ収差測定装置によ
    って前記投影光学系に残存するコマ収差を計測する計測
    工程と、 前記投影光学系に残存するコマ収差を補正する補正工程
    と、 前記投影光学系の物体面に転写用パターンが形成された
    転写用マスクを設定し、該転写用マスクを前記照明光学
    系により照明する露光用照明工程と、 前記投影光学系を介して前記転写用マスクのパターンを
    前記感光性基板に露光する露光工程とを含むことを特徴
    とする半導体デバイスの製造方法。
JP10114160A 1998-04-09 1998-04-09 コマ収差測定装置および該装置を備えた投影露光装置 Pending JPH11297614A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6323945B1 (en) * 1998-12-15 2001-11-27 Nec Corporation Coma aberration automatic measuring mark and measuring method
WO2002061505A1 (fr) * 2001-01-31 2002-08-08 Nikon Corporation Masque, procede de mesure de caracteristique optique, procede de reglage d'un appareil d'exposition, procede d'exposition et procede de fabrication du dispositif
WO2004059710A1 (ja) * 2002-12-24 2004-07-15 Nikon Corporation 収差計測方法、露光方法及び露光装置
JP2009246165A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 露光装置

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