JPH11292553A - 石英部材製造用鋳型 - Google Patents

石英部材製造用鋳型

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JPH11292553A
JPH11292553A JP10094161A JP9416198A JPH11292553A JP H11292553 A JPH11292553 A JP H11292553A JP 10094161 A JP10094161 A JP 10094161A JP 9416198 A JP9416198 A JP 9416198A JP H11292553 A JPH11292553 A JP H11292553A
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quartz
carbon fiber
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fiber reinforced
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JP10094161A
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Tsuyoshi Matsumoto
強資 松本
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/09Other methods of shaping glass by fusing powdered glass in a shaping mould
    • C03B19/095Other methods of shaping glass by fusing powdered glass in a shaping mould by centrifuging, e.g. arc discharge in rotating mould

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単結晶シリコンの製造に用いる石英ルツボな
どの石英部材を製造するのに用いる鋳型に関して、石英
部材に生じる気泡を少なくし、石英部材を製造する際の
加熱によって割れることを防止するとともに、比較的構
造が簡単なものとする。 【解決手段】 石英ルツボ製造用鋳型10を炭素繊維強
化炭素複合材料(C/C)によって構成した。この炭素
繊維強化炭素複合材料の好ましい特性としては、ガス透
過率が1cm2 /s以上、曲げ強度が50MPa以上、
繊維軸方向における熱膨張係数が1×10-6/℃以下、
かさ密度が1.2Mg/m3 以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石英部材製造用鋳
型に関し、例えばシリコン単結晶などの単結晶半導体材
料の引き上げに用いられる石英ルツボを製造するために
用いる鋳型に適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】単結晶半導体材料、例えばシリコン単結
晶を製造するのに、チョコラルスキー法(CZ法)と呼
ばれる方法が広く採用されている。この方法は、多結晶
シリコンをルツボ内で溶融させ、ここに種結晶の端部を
浸けて回転させながら引き上げるものであり、これによ
って種結晶と同一の結晶方位のシリコン単結晶を種結晶
上に成長させることができる。このルツボの材料には、
一般的に石英が用いられている。石英ルツボを製造する
方法としては、回転可能な鋳型に石英粉末を投入し、こ
の鋳型を回転させながら石英粉末をアーク放電などによ
って例えば1000℃程度に加熱溶融し、さらに、溶融
された石英粉末層を遠心力によって鋳型の内周面に押圧
してルツボの形状に焼結させる方法がある。
【0003】上述の方法において用いる鋳型は、耐熱性
に優れておりシリコン中で電気的な不純物となりにくく
機械的な強度が大きいなどの特性を有する黒鉛で形成さ
れるのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、黒鉛で
形成された石英ルツボ製造用の鋳型には、以下のような
問題があった。第1に、石英ルツボを製造する際に鋳型
の内周面つまり石英粉末を溶融する面と鋳型の外周面と
の間に大きな温度差が生じる。すなわち、鋳型の内周面
が1000℃以上に加熱されたときであっても鋳型の外
周面は数100℃程度にしか加熱されない。そのため、
鋳型には大きな熱応力が加えられることになって、鋳型
が割れ易い。
【0005】第2に、鋳型として一定以上の強度を有す
る黒鉛はガス透過率が例えば0.3cm2 /s程度と通
気性が悪いために、完成した石英ルツボの内部に気泡が
残存してしまう。そのため、石英ルツボの強度が低下し
て使用時に石英小片が剥離することがあり、その結果例
えばシリコンの単結晶化率を低下させてしまうことがあ
る。なお、黒鉛で形成された鋳型に多数の開孔を設け、
これら開孔を比較的かさ密度が小さい(すなわちガス透
過率が例えば6.2cm2 /s程度と大きい)粗い黒鉛
で塞いで石英ルツボの製造時にこのかさ密度が小さい黒
鉛を通して吸引を行うことによって、石英ルツボに気泡
ができないようにするとともに強度に優れた鋳型を得る
ことも可能である(特開平10−25186号公報参
照)。しかし、これによると鋳型の構造が複雑となり、
その製造も煩雑で長時間を要するという欠点がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、石英部材に気泡
を生じさせることがなく、石英部材を製造する際の加熱
によっても割れることがない強度的にも優れた比較的構
造が簡単な石英部材製造用鋳型を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究を行った結果、石英部材製造用
鋳型の材料として、炭素繊維強化炭素複合材料(Carbon
Fiber Reinforced Carbon Composite : C/C)を用
いることによって好適な結果が得られることを見いだし
た。すなわち、本願の請求項1の石英部材製造用鋳型
は、炭素繊維強化炭素複合材料によって構成されてなる
ことを特徴とする。
【0008】カーボンファイバーをフィラーとしカーボ
ンをマトリックスとした複合材である炭素繊維強化炭素
複合材料は、黒鉛と比較して、かさ密度が小さく軽量で
通気性にも優れており且つ機械的な強度が大きいという
特性を有している。従って、炭素繊維強化炭素複合材料
で構成された石英部材製造用鋳型は、石英部材の製造時
の熱応力に起因して割れるようなことがほとんどない。
また、炭素繊維強化炭素複合材料で構成された石英部材
製造用鋳型によると、上述した特開平10−25186
号公報のように鋳型に多数の開孔を設けてかさ密度の小
さい粗い黒鉛で塞ぐということをしなくても、吸引によ
り鋳型のほぼ全面において均一に気体を透過させること
ができる。そのため、この鋳型を用いて製造した石英部
材に気泡が残ることがほとんどない。さらに、炭素繊維
強化炭素複合材料は黒鉛よりも相対的に強度が大きいの
で、従来の黒鉛を用いた鋳型よりも肉厚が薄くて軽量な
石英部材製造用鋳型を実現することができるようにな
る。
【0009】また、本発明において、炭素繊維強化炭素
複合材料のガス透過率は、好ましくは1cm2 /s以上
である(請求項2)。これは石英部材中の気泡発生を防
ぐために好適な条件である。また、本発明において、炭
素繊維強化炭素複合材料の曲げ強度は好ましくは50M
Pa以上である(請求項3)。これは、石英部材製造用
鋳型の材料として従来から用いられていた黒鉛の曲げ強
度よりも若干大きい値であって、石英部材の製造時に与
えられる熱や石英部材の重みによって石英部材製造用鋳
型が割れたりするのを防ぐために好適な条件である。炭
素繊維強化炭素複合材料において曲げ強度とガス透過率
とは互いに逆相関の関係にある物性値であるため、ガス
透過率の好適な範囲を1cm2 /s以上とし且つ曲げ強
度の好適な範囲を50MPa以上とすることで、本発明
に用いて好適な炭素繊維強化炭素複合材料の範囲を、あ
る一定の閉じた範囲内に収めることができることとな
る。このように、本発明に用いる炭素繊維強化炭素複合
材料は、より高い強度および低いガス透過率が求められ
る通常の炭素繊維強化炭素複合材料とは異なり、ある程
度の強度を必要とはするものの十分なガス透過率を確保
できるように通常用いられる炭素繊維強化炭素複合材料
よりも粗く形成されていて強度は構造物としての最低必
要な大きさであればよい。
【0010】ガス透過率K(cm2 /s)は、一般に、
以下の式(1)(Darcyの式)で定義される。 K=(Q・L)/(ΔP・A) (1) ここで、Qは通気量(Pa・cm3 /s)、ΔPは試験
片内外の圧力差(Pa)、Lは試験片の厚さ(cm)、
Aはガス透過面積(cm2 )である。実際には、試験片
に例えば0.1MPaの圧力差ΔPを与えてN2ガスの
通気量Qを測定することによって、ガス透過率を求める
ことができる。また、ガス流が粘性流(ガス分子同士の
衝突が支配的な層流のみが存在する)と分子流(細孔の
壁とのすべりによって生じる)とからなる中間流である
ときには、ガス透過率は以下の式(2)(Carman
の式)によって定義される。 K=(B0 /η)・Pm + (4/3)K√(8RT/πM) (2) ここで、B0 は粘性流通気係数(cm2 )、ηはガスの
粘度(Pa・s)、Pm は試験片内部圧力と試験片外部
圧力の平均圧力、K0 は分子流通気係数(cm)、Rは
気体定数(kg・cm2 /s2 ・mol ・K)、Tは測定
時の絶対温度(K)、Mはガスの分子量(kg・mol
)、πは円周率であり、本発明で用いるような炭素材
料には一般に式(2)が適用される。
【0011】曲げ強度は、供試体が耐えられる最大曲げ
モーメントを供試体の断面係数で除した値であり、その
試験方法はJIS A1106 に規定されている。
【0012】また、本発明において、炭素繊維強化炭素
複合材料の繊維軸方向における熱膨張係数(CTE with G
rain)は1×10-6/℃以下、特に石英の熱膨張係数
(0.5×10-6/℃)に近い値であることが好まし
い。これは、両者の熱膨張係数の差に起因して石英に与
えられる応力を小さくして反りや歪みなどのない石英部
材を製造するために好適な条件である。黒鉛の熱膨張係
数は通常4×10-6/℃〜6×10-6/℃程度であるか
ら、本発明の炭素繊維強化炭素複合材料を用いて構成さ
れた石英部材製造用鋳型はこの点でも優れた特性を有し
ている。なお、熱膨張係数は、熱膨張率(%)を温度差
(℃)で除した値に10-2を乗算した値として定義され
る。
【0013】また、本発明において、石英部材製造用鋳
型の強度をより一層高める観点から、炭素繊維強化炭素
複合材料のかさ密度は、1.2Mg/m3 以上であるこ
とが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明をCZ法でシリコン
単結晶を製造する際に用いる石英ルツボ製造用の鋳型に
適用した場合の一実施の形態について、図面を参照して
説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施の形態の石英ルツ
ボ製造用鋳型を含む石英ルツボ製造装置によって石英ル
ツボを製造するときの様子を示す模式的な縦断面図であ
る。図1において、石英ルツボ製造用鋳型10は、密閉
空間を形成するように容器12に収容されており、かつ
略円筒形の支持部材14によって回転可能に支持されて
いる。
【0016】この装置を用いて石英ルツボを製造するに
は、上述したのと同様に、石英ルツボ製造用鋳型10の
内周面上に石英粉末を散布投入し、鋳型10を支持体1
4によって回転させながら石英粉末をアーク放電などに
よって例えば1000℃に加熱溶融し、さらに、溶融さ
れた石英粉末層16を遠心力によって鋳型10の内周面
に押圧してルツボの形状に焼結させる。そして、この
際、気泡が石英ルツボに形成されないように例えば真空
ポンプなどの吸引装置(図示せず)を用いて鋳型10と
容器12とで形成された密閉空間から排気を行う。
【0017】すると、鋳型10がガス透過性に優れた炭
素繊維強化炭素複合材料で構成されているために、この
鋳型10のほぼ全面において実質的に均一に石英粉末層
16に含まれていた空気などのガスが鋳型10の内周面
側から鋳型10の外周面側に円滑に透過していく。これ
によって、完成した石英ルツボに気泡が形成されること
が実質的になくなる。このとき、鋳型10を構成する炭
素繊維強化炭素複合材料のガス透過率を1cm2 /s以
上にしておくことによって、石英ルツボへの気泡形成を
より少なくすることができる。
【0018】また、本実施の形態では鋳型10が強度の
大きい炭素繊維強化炭素複合材料で構成されているため
に、石英ルツボの製造時に与えられる熱や石英ルツボの
重みによって鋳型10が割れたりすることがほとんどな
い。特に、炭素繊維強化炭素複合材料の曲げ強度が50
MPa以上の場合には、鋳型10が破損することがより
一層少なくなって、鋳型10の寿命を大幅に伸ばすこと
ができる。
【0019】また、鋳型10はかさ密度が黒鉛に比べて
比較的小さい炭素繊維強化炭素複合材料で構成されてい
るので、軽量化が可能であってその取り扱いが容易にな
る。また、鋳型10は繊維軸方向における熱膨張係数が
黒鉛に比べて小さく石英に近い炭素繊維強化炭素複合材
料で構成されているので、石英と炭素繊維強化炭素複合
材料との熱膨張係数の差に起因して石英に与えられる応
力が小さくなる。そのため、石英ルツボに反りや歪みな
どの変形を生じることが少なくなる。特に、炭素繊維強
化炭素複合材料の熱膨張係数が1×10-6/℃以下、さ
らに好ましくは石英の熱膨張係数(0.5×10-6
℃)に近い値であれば、石英ルツボに発生する反りや歪
みなどの変形を飛躍的に少なくすることができる。
【0020】このように、本実施の形態の石英ルツボ製
造用鋳型10は、石英ルツボに気泡や変形を生じさせる
ことがなく、石英ルツボを製造する際の加熱によっても
割れることがなくて強度的にも優れており、さらに比較
的構造が簡単であるという利点を有している。なお、本
発明は石英ルツボ以外に石英チューブや石英プレートな
ど広く石英部材一般を製造するのに用いることが可能で
ある。
【0021】次に、本発明の炭素繊維強化炭素複合材料
で構成された石英部材製造用鋳型の製造方法について説
明する。まず、平織や綾織されたカーボンファイバーに
マトリックス前駆体としての樹脂をコーティングまたは
含浸などしたプリプレグを所定の形状となるように積層
成形し、この成形体を硬化させた後に800℃〜100
0℃で焼成する。曲げ強度をより大きくする場合は、こ
の後、さらにピッチ含浸又はレジン含浸を行って焼成す
る工程を1〜2度繰り返す。つぎに、最終熱処理(黒鉛
化)として1800〜2400℃、好ましくは2000
℃程度の温度で黒鉛化を行う。また、必要な場合にはさ
らに高純度化処理を行う。
【0022】本発明において、炭素繊維強化炭素複合材
料のガス透過率などの値は、上述したピッチ含浸状態で
の焼成工程の繰り返し回数、焼成温度および炭素繊維の
織り方などを変更することによって制御することが可能
である。例えば、ピッチ含浸状態での焼成工程を繰り返
すほどガス透過率は小さくなる。また、カーボンファイ
バーを平織りにした場合には綾織りの場合よりもガス透
過率が小さくなる。なお、炭素繊維強化炭素複合材料の
ガス透過率、曲げ強度、およびかさ密度の3つの値は互
いに相関関係にあり、例えばガス透過率を上げれば曲げ
強度およびかさ密度が下がることになる。その一方にお
いて、熱膨張係数は上記3つの値の変動にはあまり影響
されない。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)上述の実施の形態で説明した方法によっ
て、ガス透過率が7.4cm2 /s、曲げ強度が73M
Pa、繊維軸方向における熱膨張係数が0.8×10-6
/℃、かさ密度が1.28Mg/m3 である炭素繊維強
化炭素複合材料から構成されてなる石英ルツボ製造用鋳
型を製造した。そして、この石英ルツボ製造用鋳型を用
いて製造した石英ルツボの気泡の発生程度および石英ル
ツボ製造用鋳型の割れ(クラック)などの不良について
電子顕微鏡を用いて調べた。その結果を以下の〔表1〕
に示す。
【0024】(比較例)比較例として、従来の技術で説
明したガス透過率が0.3cm2 /sの黒鉛(曲げ強度
40MPa、かさ密度1.74Mg/m3 )によって石
英ルツボ製造用鋳型を製造した。そして、この石英ルツ
ボ製造用鋳型を用いて製造した石英ルツボの状態および
石英ルツボ製造用鋳型の状態について電子顕微鏡を用い
て調べた。その結果を以下の〔表1〕に示す。
【0025】
【表1】
【0026】〔表1〕から明らかなように、比較例の場
合には石英ルツボに多数の気孔が発見され且つ鋳型の一
部にクラックを生じていた。一方、実施例1の場合には
石英ルツボに気孔は発見されず鋳型自体にもクラックな
どの異常が生じていなかった。このことから、石英ルツ
ボ製造用鋳型の材料として、炭素繊維強化炭素複合材料
が黒炭よりも優れていることが理解できる。なお、上述
の特開平10−25186号公報で開示されているよう
に、比較例の鋳型に多数の開孔を設けてこれら開孔をか
さ密度の小さい粗い黒鉛(ガス透過率8cm2 /s、曲
げ強度6MPa、かさ密度1.30Mg/m3 のポーラ
スカーボン)で塞ぐという煩雑な作業を行うことによ
り、石英ルツボおよび鋳型の状態を良好なものにするこ
とができた。
【0027】(実施例2)上述の実施の形態で説明した
方法によって、ガス透過率が7.4cm2 /s、曲げ強
度が73MPa、繊維軸方向における熱膨張係数が1.
0×10-6/℃未満、かさ密度が1.28Mg/m3
ある炭素繊維強化炭素複合材料から構成されてなる石英
ルツボ製造用鋳型を製造した。そして、この石英ルツボ
製造用鋳型を用いて製造した石英ルツボの気泡の発生程
度および石英ルツボ製造用鋳型の割れなどの不良状態に
ついて電子顕微鏡を用いて調べた。その結果を以下の
〔表2〕に示す。
【0028】(実施例3〜6)実施例2においてガス透
過率を3.5cm2 /s(例えば上述のピッチ含浸状態
での焼成工程の繰り返し回数を1回とすることで得られ
る)、1.0cm2 /s(例えば上述のピッチ含浸状態
での焼成工程の繰り返し回数を2回とすることで得られ
る)、0.8cm2 /s(例えば上述のピッチ含浸状態
での焼成工程の繰り返し回数を3回とすることで得られ
る)および0.6cm2 /s(例えば上述のピッチ含浸
状態での焼成工程の繰り返し回数を4回とすることで得
られる)に変えて得られた実施例3〜6の石英ルツボ製
造用鋳型について、実施例2と同様に石英ルツボの状態
および石英ルツボ製造用鋳型の状態を電子顕微鏡で調べ
た。その結果を以下の〔表2〕に示す。なお、上述した
ようにガス透過率と曲げ強度とかさ密度には相関がある
ために、ガス透過率を変化させることによって曲げ強度
とかさ密度もそれに応じて変化している。熱膨張係数に
ついてはガス透過率が低下するにしたがって若干大きく
なる方向に値が変化する。
【0029】
【表2】
【0030】〔表2〕から明らかなように、ガス透過率
が0.8cm2 /sの実施例5および0.6cm2 /s
の実施例6では、比較例の黒鉛鋳型の場合よりも少ない
ものの、いずれの場合にも石英ルツボ製造用鋳型におけ
るガス透過性の悪さが原因と見られる若干の気泡が石英
ルツボ中に発見された。このことから、本発明において
炭素繊維強化炭素複合材料のガス透過率の好ましい値の
下限は1cm2 /sであることが理解できる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の炭素繊維
強化炭素複合材料で構成されてなる石英部材製造用鋳型
は、炭素繊維強化炭素複合材料が黒鉛と比較してかさ密
度が小さく軽量で通気性にも優れており且つ機械的な強
度が大きいという特性を有しているために、石英部材の
製造時の熱応力に起因して割れるようなことがほとんど
ない。また、従来のように鋳型に多数の開孔を設けてか
さ密度の小さい粗い黒鉛で塞ぐということをしなくて
も、吸引により鋳型のほぼ全面において均一に気体を透
過させることができる。そのため、この鋳型を用いて製
造した石英部材に気泡が残ることがない。さらに、従来
の黒鉛を用いた鋳型よりも肉厚が薄くて軽量な石英部材
製造用鋳型を実現することができるようになる。よっ
て、例えば単結晶シリコン製造用石英ルツボなどの石英
部材の製造に大きく寄与することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の石英ルツボ製造用鋳型
を含む石英ルツボ製造装置によって石英ルツボを製造す
るときの様子を示す模式的な縦断面図である。
【符号の説明】
10 石英ルツボ製造用鋳型 12 容器 14 支持部材 16 石英粉末層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維強化炭素複合材料によって構成
    されてなることを特徴とする石英部材製造用鋳型。
  2. 【請求項2】 前記炭素繊維強化炭素複合材料のガス透
    過率が1cm2 /s以上であることを特徴とする請求項
    1に記載の石英部材製造用鋳型。
  3. 【請求項3】 前記炭素繊維強化炭素複合材料の曲げ強
    度が50MPa以上であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の石英部材製造用鋳型。
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