JPH11291616A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JPH11291616A
JPH11291616A JP10096128A JP9612898A JPH11291616A JP H11291616 A JPH11291616 A JP H11291616A JP 10096128 A JP10096128 A JP 10096128A JP 9612898 A JP9612898 A JP 9612898A JP H11291616 A JPH11291616 A JP H11291616A
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ink
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Hiroyuki Nemoto
浩幸 根本
Eriko Endo
江梨子 遠藤
Koichi Yasui
広一 保井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境によるカール変化が少なく、高い光沢を
有し、フルカラー画像の印字に適したインクジェット記
録用シートを提供する。 【解決手段】 原紙と、その両面を被覆したポリオレフ
ィン樹脂被覆層からなるシート状支持体と、該支持体の
一方の面に設けられたインク吸収性樹脂を含有するイン
ク受容層と、該支持体のもう一方の面に設けられたセル
ロース系樹脂を含有するバック層を有するインクジェッ
ト記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
用シートに関し、環境によるカール変化が少なく、高い
光沢を有するインクジェット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は種々の方法で
インクの小液滴をノズルより飛翔させ、被記録シートに
インク液滴を付着吸収させて記録を行う方法である。こ
の方法は騒音が少なく、高速で記録することが可能であ
り、またカラー化にも対応できるなどの特徴を有してお
り、種々の用途で利用されている。近年パーソナルコン
ピューターの高性能化や、マルチメディアの普及によ
り、カラーを含む文書や、フルカラー画像などを、オフ
ィスや家庭でも印刷したいという要望が高まり、インク
吸収性やインク乾燥性が良好でフルカラー画像の印刷出
力を高速で行うことができ、ニジミが少なくドット再現
が良好で高精細の印刷画像が得られ、コンベンショナル
の銀塩写真に匹敵する光沢が得られるインクジェット記
録用シートが要望されている。
【0003】従来より、インクジェット記録用シートと
しては、紙基体の一方の面にインク吸収性樹脂や、ある
いは各種顔料、水溶性樹脂、各種ラテックスなどからな
るインク受容層を設け、必要によりスーパーカレンダー
処理などで表面を平滑にしたシートが使用されている。
しかしながら、このようなインクジェット記録用シート
は、紙基体の平坦性が劣るために、あるいは印字の際に
インク液滴を吸収して膨潤して凹凸を生じるために、高
い光沢が得られないという問題があった。こうした紙基
体の欠点を補うために、ポリエステルフィルムなどの各
種プラスチックシートや、あるいは原紙の両面をポリエ
チレン樹脂で被覆した樹脂被覆紙などがシート状支持体
として使用されるが、光沢は優れる反面、カールに関す
る問題が発生した。
【0004】インクジェット記録用シートは、見栄え
と、プリンターでの給紙走行の点から、一定のカール条
件を満たすことが望まれている。通常、使用する環境下
において、平坦ないしは、インク受容層を上向きにして
凸型(バックカールと称する)であることが必要であ
る。すなわち、インクジェット記録用シートを印字物と
して鑑賞する際には、インク受容層面を上向きにして置
いて凹型になるカール(トップカールと称する)である
と、印字物を手に持った際に縁が持ち上がって、見栄え
が悪くなる。あるいは印字物を壁などに貼り付けて使用
する際にも、縁が壁面から離れるために、うまく貼り付
けることができないなどの不都合が生じる。あるいは、
プリンターで印字する際には、インクジェット記録用シ
ートがトップカールであると、記録シートの給紙走行の
支障になり、正常に印字できないとの不都合が生じる。
したがってインクジェット記録用シートは、平坦か、あ
るいは弱い凸型のカールであることが好ましい。
【0005】しかしながら、インク受容層は環境の温度
湿度の変化により伸縮する性質を有するために、ある特
定の環境では所望のカールが得られても、低温低湿環境
になると大きなトップカールを示したり、高温低湿環境
では反対にバックカールを示すなどの問題が発生しがち
であった。カールを抑制するためには、使用するシート
状支持体を厚くして剛性を高めれば、ある程度は抑制で
きるが、できあがたインクジェット記録用シートは厚ぼ
ったく実用的でなかったり、あるいはコストも増加する
などの不都合があった。すでに、所望のカール性を維持
するために、以下のような種々の試みがなされている
が、高い光沢とカール性を併せ持つインクジェット記録
シートは実現されていないのが現状である。
【0006】特開平8−269900号公報では、天然
パルプを主成分とする紙を基質として、その一方の画像
形成層を設ける側の紙基質面がフィルム形成能の有る樹
脂(A)で被覆され、その反対側の紙基質面がポリオレ
フィン樹脂で被覆されたロール状に巻かれて使用される
画像形成用支持体において、画像形成用支持体の画像形
成層を設ける側を外巻きにし、且つ20℃以上で保存し
た事を特徴とする画像材料用支持体を開示している。し
かしながらポリオレフィン樹脂で被覆したシート状支持
体を特定温度で保管して、カールを癖にするだけでは、
ある環境では所望のカールが得られても、使用環境の変
化によって発生するカールを抑制する事は困難であっ
た。
【0007】特開平6−171206号公報では、支持
体表面に少なくとも1種類以上のインク受理層、該裏面
に少なくとも1層以上のバックコート層が設けられたイ
ンクジェット記録用シートにおいて、該バックコート層
が、顔料とバインダーを主成分とするものであり、かつ
顔料の平均平衡水分が1.9〜5.5%であることを特
徴とするインクジェット記録用シートが開示されてい
る。支持体としては化学パルプ、機械パルプや古紙パル
プ等の木材パルプと従来公知の顔料を主成分として製造
された原紙、あるいは原紙上にポリオレフィン樹脂層を
設けた被覆紙、各種フィルムが使用される。バック層は
顔料とバインダーとからなり、例えば、軽質炭酸カルシ
ウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルクなどの各
種顔料が、およびバインダーとしてはポリビニルアルコ
ール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボ
キシメチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース等のセルロース誘導体などの種々のバインダー類か
ら適宜選択される。
【0008】しかしながら顔料とバインダーを主成分と
するバック層では、カール抑制効果が少なく、十分な効
果を得ようとすれば塗膜を過度に厚くする必要が生じる
などの不都合があった。特開平6−171207号公報
では、木材パルプと顔料を主成分としてなる支持体の表
面に少なくとも1層以上のインク受理層、該支持体の裏
面に少なくとも1層以上のバックコート層を塗設してな
るインクジェット記録用シートにおいて、該バックコー
ト層のバインダーが、ガラス転移温度−50〜+25℃
の合成高分子ラテックスを必須成分とし、これに澱粉、
ポリビニルアルコール、セルロース誘導体からなる水溶
性バインダーを1種類以上混合してなることを特徴とす
るインクジェット記録用シートが開示されている。支持
体としては化学パルプ、機械パルプや古紙パルプ等の木
材パルプと従来公知の顔料を主成分として製造された原
紙が使用されるものである。しかしながら、この方法で
は、カールの抑制が不十分であったり、紙基体の凹凸や
インクの吸収により生じる凹凸のために、フルカラー画
像の印字に適した高い光沢は得られないなどの不都合が
あった。
【0009】特開平5−286228号公報には、基材
上に色素吸着層を設けた記録用シートにおいて、基材の
色素吸着層を設けた面の反対側に、膨潤性の高分子層を
設けた記録用シートが開示されている。基材としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルジアセテー
ト等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ETFF等のフッ素系樹脂などの種々のプラスチックシ
ート類が使用されている。また膨潤性の高分子層の材質
としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、またはこれらをブレンドしたものが例示されてい
る。しかしながら、ポリビニルアルコールやポリビニル
ピロリドンなどは、吸湿すると粘着性を示すために、ブ
ロッキングを発生しやすいとの問題があった。
【0010】特開平5−96843号公報には、インク
受け入れ層、ベースシート、熱吸収層、および抗カール
層とを含む記録用シートを開示している。ベースシート
としてはポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフ
ォン、トリ酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、セロファ
ン、ポリフッ化ビニル等の透明基材や、ベースシート、
平坦紙、あるいは不透明プラスチックが使用される。抗
カール層としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ースの塩カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース
の塩、メチルセルロース、などが使用されている。しか
しながら、セルロース系樹脂を用いたこの方法でも、熱
吸収層が必要なためにコストが引き上げられる、あるい
は低湿度環境でのカール抑制には効果が見られるもの
の、高湿度環境ではカール抑制が不十分であるなどの不
都合があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の、問
題を解決し、環境によるカールを抑制し、かつ高い光沢
を有するインクジェット記録用シートを提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは検討を重ね
た結果、原紙と、その両面を被覆したポリオレフィン樹
脂被覆層からなるシート状支持体と、該支持体の一方の
面に設けられたインク吸収性樹脂を主体とするインク受
容層と、該支持体のもう一方の面に設けられたセルロー
ス系樹脂を主体とするバック層からなるインクジェット
記録用シートにより、上記課題を解決できることを見出
し、本発明を完成するにいたった。本発明は下記の態様
を含む。 〔1〕 原紙と、その両面を被覆したポリオレフィン樹
脂被覆層からなるシート状支持体と、該支持体の一方の
面に設けられたインク吸収性樹脂を含有するインク受容
層と、該支持体のもう一方の面に設けられたセルロース
系樹脂を含有するバック層を有するインクジェット記録
用シート。 〔2〕 バック層がポリオレフィン樹脂と親和性を有す
る接着性改良剤を含有することを特徴とする〔1〕記載
のインクジェット記録用シート。 〔3〕 接着性改良剤が、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、及びエチレン−酢酸ビニルビニル共重
合体より選ばれる少なくとも1種を含む〔1〕または
〔2〕記載のインクジェット記録用シート。 〔4〕 セルロース系樹脂が、硝酸セルロース、酢酸セ
ルロース、酢酸−ピロピオン酸セルロース、酢酸−酪酸
セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒ
ドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カ
ルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルヒドロキシエチルセルロース塩、及びカルボキ
シルメチルセルロース塩より選ばれる少なくとも1種を
含む〔1〕、〔2〕または〔3〕記載のインクジェット
記録用シート。
【0013】〔5〕ポリオレフィン樹脂がポリエチレン
である上記いずれかに記載のインクジェット記録用シー
ト。 〔6〕 シート状支持体の表側(インク受容層が設けら
れる側)のポリオレフィン樹脂被覆層が白色顔料として
二酸化チタンを含有する上記いずれかに記載のインクジ
ェット記録用シート。 〔7〕 ポリオレフィン層とインク受容層、あるいはポ
リオレフィン層とバック層との中間に下引き層が設けら
れた上記いずれかに記載のインクジェット記録用シー
ト。 〔8〕 セルロース系樹脂が、カルボシキメチルセルロ
ース、カルボシキメチルセルロース塩、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロー
スより選ばれる少なくとも1種を含む〔4〕記載のイン
クジェット記録用シート。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のシート状支持体は、原紙
とその両面を被覆したポリオレフィン樹脂被覆層からな
る。原紙の厚さは特に制限はないが、30μm〜500
μmであることが好ましい。30μmより薄いとインク
ジェット記録用シートの剛性が低く、手にした時の感触
や、質感、あるいは不透明性が低下するなどの不都合が
生じる恐れがあり、また500μmより厚いと剛直にな
り扱いにくく、プリンターでの給紙走行でのトラブル発
生の原因となることがある。より好ましい範囲は50μ
m〜300μmである。また原紙の重さにも特に制限は
ないが、30g/m2 〜500g/m 2 の範囲であるこ
とが好ましい。原紙はパルプを主成分として構成される
パルプシートである。木材パルプとしては、LBKP、
NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、T
MP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、D
IPなどの古紙パルプなどの各種パルプが例示される。
さらに、必要に応じて従来公知の種々の製紙用添加剤を
配合することもできる。製紙用添加剤としては、各種製
紙用顔料(填料)、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩
留まり向上剤、カチオン化剤、乾式紙力増強剤、湿潤紙
力増強剤、pH調整剤、導電剤、染料などが例示され、
これらの材料を1種または2種類以上を配合することが
できる。抄紙機としては、公知の長網抄紙機、円筒抄紙
機、ツインワイヤ抄紙機などが使用できる。また、酸
性、中性、アルカリ性のいずれでの抄紙であってもよ
い。
【0015】原紙は抄紙に引き続き、澱粉あるいはポリ
ビニルアルコールなどでタブサイズやサイズプレスでき
る。また、マシンカレンダー、熱カレンダー、ソフトカ
レンダー、スーパーカレンダーなどの表面平滑性処理を
施すこともできる。ポリオレフィン樹脂被覆層は、ポリ
オレフィン樹脂を主成分として、必要に応じて白色顔料
や各種添加剤を配合した樹脂組成物を、原紙に溶融塗工
して形成される。ポリオレフィン樹脂としては、エチレ
ン、プロピレンなどの単独重合体や共重合体が例示さ
れ、これらの1種または2種類以上を混合して使用する
ことができる。なかでも、低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレンは、加工性が良好で、入手も容
易であるため好適な材料として例示できる。ポリオレフ
ィン樹脂の分子量、密度、メルトインデックス等の物性
は特に限定しないが、加工適性やカール適性から、分子
量は20,000〜200,000が好ましい。密度は
0.915〜0.950g/m3 が好ましく、メルトイ
ンデックスは2〜40g/10min の範囲であることが
好ましい(JIS K−6760)。さらに、ポリオレ
フィン樹脂被覆層には白色顔料や各種添加剤を配合する
こともできる。なかでも、表側のポリオレフィン樹脂被
覆層には、白色度や不透明性を高めるために、白色顔料
を配合することが好ましい。
【0016】白色顔料としては、アナターゼ型二酸化チ
タン、ルチル型二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウ
ム、タルクなどが例示され、これらより1種類または2
種類以上を混合して使用することもできる。白色顔料の
配合量も限定しないがポリオレフィン樹脂100重量部
に対して0.1重量部〜30重量部である。0.1重量
部より少ないと白色度や不透明度を高める効果が少な
く、30重量部を越えるとオレフィン樹脂への分散が困
難になる。好ましい範囲は1重量部〜15重量部であ
る。添加剤としては、白色顔料のほか、有色顔料、染
料、蛍光増白剤、酸化防止剤、可塑剤、および分散剤な
どを例示することができる。ポリオレフィン樹脂と白色
顔料や添加剤の混合は、混練用押し出し機、加熱ロール
混練機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用いて
行われる。
【0017】ポリオレフィン樹脂被覆層は、溶融押し出
し塗工法により形成される。すなわち走行する原紙上に
ポリオレフィン樹脂組成物を溶融押し出し機を用いて、
そのスリットダイからフィルム状に流延して被覆する。
その際溶融フィルムの温度は樹脂の種類によって異なる
が、150℃〜350℃が一般的である。スリットダイ
としては、T型ダイ、L型ダイ、フィシュティル型ダイ
やフラットダイが好ましく、スリットの開口径は0.1
〜2mmであることが望ましい。さらに、表側の溶融樹
脂フィルムを冷却するクーリングロールとして、鏡面仕
上げなど平滑性の高い表面を有するクーリングロールを
使用することは、インクジェット記録用シートの光沢を
高めるために有効である。また裏側の溶融樹脂フィルム
を冷却するクーリングロールとしては、粗面仕上げされ
たクーリングロールを使用することが好ましい。ポリオ
レフィン樹脂被覆層の塗工量は、基材の表面および裏面
のそれぞれで、5g/m2 〜50g/m2 である。5g
/m2 より少ないと原紙との密着性が不足し、50g/
2 をこえるとシート状支持体が厚ぼったくなり、コス
トを無用に引き上げるなどの不都合が生じる。好ましい
範囲は10g/m2 〜30g/m 2 である。また基紙の
表面を被覆するポリオレフィン樹脂の種類と塗工量の選
択はカールに影響があり、ポリオレフィンの結晶性の差
を利用して、表側と裏側のポリオレフィンの樹脂密度を
選択する、あるいは表側と裏側の塗工量に差をつけるな
どにより、カールの大きさをある程度操作することも可
能である。
【0018】本発明のインク吸収性樹脂を主体とするイ
ンク受容層は、所望の印字適性が得られれば、公知の材
料を適宜使用する事ができる。本発明のインク受容層
は、インク吸収性樹脂を主体に、副材料として顔料や、
各種の添加剤を加えて構成される。インク吸収性樹脂
は、インクジェットプリンターで印字する際に噴射され
るインクを吸収する能力を有する樹脂であり、例えば、
ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルアルコー
ル、シラノール変性ポリビニルアルコール等の変性ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、変性ポリビ
ニルピロリドン、ゼラチン、変性ゼラチン、カゼイン、
大豆カゼイン、変性大豆カゼイン、澱粉、酸化澱粉、エ
ーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの各種澱粉誘
導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどのセルロース誘導体類、ラテックス
類などを例示する事ができる。インク吸収性樹脂の配合
量はインク受容層全体の70重量%以上が好ましい。7
0重量%より少ないと、インク吸収能が不足する場合も
ある。あるいは吸収能不足を補う目的で顔料を配合する
ことになり、顔料の種類や量によっては、インク受容層
の透明性が低下し、高い光沢が得られいなどの不都合が
生じる恐れもある。85重量%以上であることがより好
ましい。
【0019】インク受容層の顔料としては、例えば、合
成非晶質シリカ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、カオリン、クレ
ー、サチンホワイト、ケイソウ土、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、二酸
化チタン、水酸化マグネシウム、合成ゼオライト、酸化
亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、スチレン系プラスチックピ
グメント、アクリル系プラスチックピグメント、マイク
ロカプセル類、コロイダルシリカなどを例示する事がで
きる。光沢を低下させない範囲でインク受容層表面を粗
面化して、ブロッキング防止剤としての作用効果を得る
こともできる。さらに必要に応じて、水溶性樹脂類、ラ
ッテクス類、インク定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動
性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、
着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、防腐剤、防ばい剤、耐水化剤などを適宜配合す
る事もできる。本発明のインク受容層は、公知の方法に
より塗工する事ができる。例えば、各種ブレードコータ
ー、ロールコーター、エアーナイフコータート、バーコ
ーター、ロッドブレードコーター、ショートドゥエルコ
ーター、グラビアコーター、エクストルージョンコータ
ー、カーテンコーター、などの種々の塗工方法から適宜
選択できる。
【0020】インク受容層の塗工量は所望の印刷適性
(例えば、インク吸収性、インク乾燥性、染料の発色、
にじみ、印字濃度、鮮鋭性など)が得られれば制限はな
い。好ましい範囲は3〜50g/m2 である。少ないと
インク吸収性が不足しがちであり印刷適性が劣る恐れが
あり、また50g/m2 を越えても印字適性の効果は飽
和し、厚ぼったくなりコストを無用に引き上げ、さらに
カールの抑制が困難になるなどの不都合が生じる。
【0021】本発明のバック層は、カール抑制効果が得
られればその材料は特に限定されないが、セルロース系
樹脂はカール抑制効果が高く、さらにインク受容層と重
ね合わせた際の貼り付きトラブル(ブロッキング)の発
生が少なく好ましい。ここでセルロース系樹脂とは、セ
ルロースおよび各種のセルロース誘導体である。セルロ
ース誘導体はセルロースの構成単位であるグルコース残
基の水酸基の反応を利用して、これをエステル化あるい
はエーテル化などした誘導体を例示できる。例えばセル
ロースエステルとしては、硝酸セルロース、酢酸セルロ
ース、酢酸−ピロピオン酸セルロース、酢酸−酪酸セル
ロースなどが例示される。またセルロースエーテルとし
ては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセル
ロースなどが例示される。あるいはカルボキシルメチル
セルロースナトリウム塩のような塩類であってもよい。
【0022】中でも、カルボキシルメチルセルロースナ
トリウム塩や、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロースは、比較的少ない塗工量で
もカール抑制効果が高く、ブロッキングの懸念が少ない
ため好適に使用できる。セルロース誘導体の置換度には
特に制限はないが、置換度により水への溶解性が変化す
るため、水系塗料として塗工する場合には、水溶性を有
する置換度の範囲であることが好ましい。たとえばカル
ボキシメチルセルロースのナトリウム塩である場合、置
換度は0.4以上であることが好ましい。セルロース系
樹脂の重合度は特に制限はないが、重合度が高いと塗料
の粘度が過度に高くなるため、塗工性を考慮して選択す
る必要がある。通常、重合度は50〜5000の範囲が
好ましい。
【0023】本発明のセルロース系樹脂は、上述の各種
セルロースを単独ないしは2種類以上を選択して使用す
ることができる。またバック層にはシート状基材のポリ
オレフィン樹脂被覆層との密着性を改善する目的で、疎
水性樹脂等の接着性改良剤を添加する事ができる。接着
性改良剤としては、ポリオレフィン系樹脂分散体や、ポ
リエステル系樹脂分散体、あるいはエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体エマルジョンなどのポリオレフィン樹脂との
親和性が良い疎水性部分を有する樹脂が例示される。ポ
リオレフィン系樹脂分散体としては、三井石油化学工業
( 株) より市販されている、商標:ケミパール(例え
ば、ケミパールS−100、S−120、SA−10
0、V−100など)が挙げられる。ポリエステル系樹
脂分散体としては高松油脂( 株) より市販されている、
商標:ペスレジン(例えば、ペスレジンA−510、ペ
スレジンA−515G、ペスレジンA−513E、ペス
レジンNT−3など)が挙げられる。エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂としては、中央理化工業( 株) より市
販されている、商標:アクアテックス(例えば、アクア
テックスHA1100、アクアテックスMC3800、
アクアテックスMC4400など)を例示することがで
きる。これらの接着性改良剤の配合量は特に限定しない
が、セルロース系樹脂100重量部に対して0.5重量
部〜30重量部であることが好ましい。少ないと、接着
改善効果が十分に発揮されず、多いとカール抑制効果を
阻害する恐れがある。
【0024】バック層の摩擦抵抗の調整や、筆記性の付
与、あるいはブロッキング防止等の目的で、各種顔料を
配合することもできる。顔料としては合成非晶質シリ
カ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、アルミナ、カオリン、クレー、サチンホワ
イト、ケイソウ土、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪
酸カルシウム、珪酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸
化マグネシウム、合成ゼオライト、酸化亜鉛、硫化亜
鉛、炭酸亜鉛、スチレン系プラスチックピグメント、ア
クリル系プラスチックピグメント、マイクロカプセル
類、コロイダルシリカなどを例示する事ができる。顔料
の配合量は使用する顔料の大きさ、形、あるいはセルロ
ース系樹脂の種類や、バック層の塗工量によって変わる
が、概ねバック層全体の50重量%未満である。顔料の
配合量が過度になるとカールの抑制効果が薄れるため、
10重量%未満であることが好ましい。さらに本発明の
バック層には必要に応じて、界面活性剤、顔料分散剤、
増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡
剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防ばい剤、耐水化剤など
を適宜配合する事もできる。
【0025】本発明のバック層は、公知の方法により塗
工する事ができる。例えば、各種ブレードコーター、ロ
ールコーター、エアーナイフコータート、バーコータ
ー、ロッドブレードコーター、ショートドゥエルコータ
ー、グラビアコーター、エクストルージョンコーター、
カーテンコーター、などの種々の塗工方法から適宜選択
できる。バック層の塗工量は3〜50g/m2 の範囲が
好ましい。少ないとカール抑制効果が発揮されない、多
いと効果が強すぎてバックカールが過度になる、あるい
は厚ぼったくなりコストを無用に引き上げるなどの不都
合が生じる。本発明のインク受容層およびバック層は、
シート状基材の上に直接塗工することもできるが、シー
ト状基材との接着性を向上させる目的で、コロナ放電処
理や火炎処理などの表面活性化処理を施したり、あるい
は下引き層を設けることもできる。
【0026】下引き層の組成はインク受容層およびバッ
ク層とシート状基材の密着性が向上すれば特に限定され
ないが、各種水溶性樹脂類や各種ラテックス類、および
各種顔料に、各種添加剤を少量加えたものが例示でき
る。たとえばポリビニルアルコール、カチオン化ポリビ
ニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール
等の変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、変性ポリビニルピロリドン、ゼラチン、変性ゼラチ
ン、カゼイン、大豆カゼイン、変性大豆カゼイン、澱
粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉
などの各種澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導
体類あるいは各種ラテックス類などを主成分として、こ
れに各種顔料や種々の添加剤を少量加えたもの例示する
ことができる。
【0027】インク受容層の光沢度は50以上が好まし
く、より好ましくは70% 以上最も好ましくは85% 以上で
ある。
【0028】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもちろんこれらに限定されるもの
ではない。 実施例1 原紙の製造 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、カナディアンスタ
ンダードフリーネス(JIS P−8121)250m
l)と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、カナディア
ンスタンダードフリーネス 280ml)を重量比2:
8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調
製した。このパルプスラリーに下記の製紙用添加剤を、
パルプ絶乾重量に対して下記の添加量で配合し、十分に
撹拌して分散させた。カチオン化澱粉 2.0%、アル
キルケテンダイマー 0.4%、アニオン化ポリアクリ
ルアミド樹脂 0.1%、ポリアミドポリアミンエピク
ロルヒドリン樹脂 0.7%、水酸化ナトリウム水溶液
を加えて、pHを7.5に調節。
【0029】上記組成のパルプスラリーを長網マシンで
抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダー
を通し、坪量180g/m2 、緊度1.0g/cm3
水分含有率7.5%のパルプ紙を製造し、原紙とした。
サイズプレス液の組成は以下の通りである。カルボキシ
ル変性ポリビニルアルコール 2重量部、塩化ナトリウ
ム 1重量部。サイズプレス液の濃度は5%に調整し、
この液を、紙の両面に液体塗布量25g/m2 になるよ
うに塗布した。
【0030】ポリオレフィン樹脂被覆層の塗工 上記原紙の表裏両面にコロナ放電処理を施したあと、こ
れにバンバリーミキサーで混合分散した下記のポリオレ
フィン樹脂被覆層組成物1を、原紙のワイヤー面側に塗
工量が30g/m2 になるようにして(裏面、インクジ
ェット記録シートのバック層が設けられる面)、ポリオ
レフィン樹脂組成物2をフェルト面側に塗工量が30g
/m2 なるようにして(表面、インクジェット記録シー
トのインク受容層が設けられる面)、T型ダイを有する
溶融押し出し機(溶融温度280℃)で塗布した。
【0031】ポリオレフィン樹脂被覆層1 高密度ポリエチレン樹脂(密度0.945、メルトイン
デックス 20g/10min)65重量部、低密度ポ
リエチレン樹脂(密度0.914、メルトインデックス
4g/10min)35重量部。
【0032】ポリオレフィン樹脂組成物2 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926、メル
トインデックス 20g/10min)35重量部、低
密度ポリエチレン樹脂(密度0.919、メルトインデ
ックス 2g/10min)50重量部、アナターゼ型
二酸化チタン(石原産業製、商標:A−220)10重
量部、ステアリン酸亜鉛 0.1重量部、酸化防止剤
(チバガイギー製、商標:Irganox1010)
0.03重量部、群青(第一化成製、商標:青口群青N
o.2000)0.09重量部、蛍光増白剤(チバガイ
ギー製、商標:UVITEX OB)0.3重量部。な
お、表側のラミネート塗工では、クロームメッキを鏡面
仕上げしたクーリングロールを使用した。
【0033】バック層の塗工 ついで、裏側(ワイヤ側)のポリオレフィン樹脂被覆層
の表面にコロナ処理による表面活性化処理を施したの
ち、下記組成のバック層組成物1を塗工量が20g/m
2 になるようにして、塗工した。 バック層組成物1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業
製、商標:メトローズ60SH−15)90重量部、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(中央理化工業製、商
標:アクアテックスMC4400)10重量部、界面活
性剤(日本油脂製、商標:ノニオンMN811)0.1
重量部、シリカ(水沢化学工業製、商標:ミズカシルP
−526)1重量部。
【0034】インク受容層の塗工 ついで、表側(フェルト面側)のポリオレフィン樹脂被
覆層の表面にコロナ処理による表面活性化処理を施した
のち、下記組成のインク受容層組成物1を塗工量が20
g/m2 になるようにして、バーコーターで塗工した。 インク受容層組成物1 ポリビニルアルコール(クラレ製、クラレポバール11
7)95重量部、インク定着剤としてカチオン性樹脂
(住友化学工業製、スミレーズレジン1001)3重量
部、耐水化剤(住友化学工業製、スミテックスレジンM
−3)2重量部、合成非晶質シリカ(水沢化学工業製、
ミズカシルP78D)0.5重量部。
【0035】実施例2 原紙の製造 坪量を105g/m2 にしたほかは実施例1と同じよう
にして原紙を製造した。 ポリオレフィン樹脂被覆層の塗工 表側の塗工量が15g/m2 、裏側の塗工量が15g/
2 となるようにしたほかは実施例1と同じようにして
ポリオレフィン樹脂被覆層を設けた。 バック層の塗工 下記組成のバック層組成物2を塗工量が15g/m2
なるようにして塗工した。 バック層組成物2 カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬製、商標:
セロゲン7A)95重量部、ポリエステル系樹脂分散体
(高松油脂製、商標:ペスレジンA−513E)5重量
部、界面活性剤(大日本インク化学工業製、商標:メガ
ファックF116)0.05重量部。
【0036】インク受容層の塗工 下記組成のインク受容層組成物2を塗工量が15g/m
2 になるようにして塗工した。 インク受容層組成物2 ポリビニルピロリドン(BASF製、商標:K−90)
80重量部、ポリビニルアルコール(クラレ製、クラレ
ポバール117)20重量部、インク定着剤としてカチ
オン性樹脂(住友化学工業製、スミレーズレジン100
1)10重量部、耐水化剤(住友化学工業製、スミテッ
クスレジンM−3)5重量部。
【0037】実施例3 原紙の製造 坪量を75g/m2 にしたほかは実施例1と同じように
して原紙を製造した。 ポリオレフィン樹脂被覆層の塗工 表側の塗工量が10g/m2 、裏側の塗工量が10g/
2 なるようにしてしたほかは実施例1と同じようにし
てポリオレフィン樹脂被覆層を設けた。 下引き層の塗工 バック層の塗工に先立ち、ポリオレフィン樹脂被覆層と
バック層との密着性を高めるために、ポリオレフィン樹
脂被覆層にコロナ処理を施した後、下記組成の下引き層
組成物1を塗工量が0.5g/m2 になるようにして塗
工した。 下引き層組成物1 スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(日本合成ゴム
製、商標:0561)50重量部、シリカ(水沢化学工
業製、商標:ミズカシルP50)50重量部。 バック層の塗工 下記組成のバック層組成物3を塗工量が10g/m2
なるようにして塗工した。 バック層組成物3 ヒドロキシエチルセルロース(富士ケミカル製、商標:
AL−15F)80重量部、ポリオレフィン系樹脂分散
体(三井石油化学工業製、商標:ケミパールS−10
0)20重量部。 インク受容層の塗工 実施例2と同じようにインク受容層を塗工した。
【0038】実施例4 バック層を下記組成にしたほかは、実施例2と同じよう
にしてインクジェット記録用シートを完成させた。 バック層組成物5 カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬製、商標:
セロゲン7A)50重量部、シリカ(水沢化学工業製、
商標:ミズカシルP−526)45重量部、ポリエステ
ル系樹脂分散体(高松油脂製、商標:ペスレジンA−5
13E)5重量部、界面活性剤(大日本インク化学工業
製、商標:メガファックF116)0.05重量部。
【0039】比較例1 バック層を下記組成にしたほかは、実施例1と同じうよ
うにしてインクジェット記録用シートを完成させた。塗
工量は20g/m2 である。 バック層組成物4 ポリビニルアルコール(クラレ製、クラレポバール42
0)100重量部
【0040】比較例2 表側と裏側のポリオレフィン樹脂被覆層を設けなかった
ほかは、実施例1と同じようにしてインクジェット記録
用シートを完成させた。 〔評価〕上記工程で作製した各実施例および比較例のイ
ンクジェット記録用シートを下記の方法で評価した。 (1)カール 出来上がったインクジェット記録用シートをA4サイズ
に断裁し、平坦な台の上に置いて、下記の環境で各々5
時間調湿したのち、4隅の持ち上がり高さを測定し、4
隅の平均を算出してカールとした。なお受容層面を上向
きにして凸型をバックカール、反対に凹型をトップカー
ルと称する。 環境:常温常湿 20℃60%RH,低温低湿 10℃
30%RH,高温高湿30℃80%RH カールはどの環境でもフラットないしは適当な範囲内の
バックカールになることが必要である。具体的には、上
記方法によるカール高さの平均値が、0〜−50mmの
範囲(−はバックカールを示す)であることが好まし
い。中でも0〜−10mmの範囲であるとプリンターで
の印字走行や鑑賞の際不都合がなく良好に使用できる。
−50mmより大きいバックカールは印字の際には支障
はないが、鑑賞する際に印刷物の中央部分が持ち上がり
平坦にすることが難しくなる。あるいはシートが円筒に
なるなどの不都合が生じる。一方カール高さの平均値が
プラスになるとシートの端が持ち上がり、印字の際にプ
リンターの印字ヘッドに接触し正常に印字されない不都
合が生じる。
【0041】(2)光沢度 出来上がったインクジェット記録用シートの受容層表面
の光沢度(75度光沢)を、JIS−P8142により
測定した。フルカラーを印字するインクジェット用記録
シートとしては85%以上が良く、90%以上が特に優
れている。測定した結果を、表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から分かるように、本発明のインクジ
ェット用記録シート、常温常湿環境ばかりでなく、低湿
度環境や、あるいは高湿度環境においても、カールはト
ップカールになることがなく、しかもカール高さは0m
m〜−20mmと小さく良好な範囲であった。また光沢
度は90%以上の優れた値を示し、フルカラー画像を印
字するのに良好なインクジェット記録用シートが得られ
た(実施例1〜4)。実施例4は低温低湿でフラットな
カール(0mm)を示した、これはバック層組成に顔料
を多く含むため、カール抑制効果が他の実施例に比べ弱
いたためと推測される。これに対し、バック層にポリビ
ニルアルコールを用いた場合には、カール抑制効果が不
足して、低湿環境ではカールがトップカール30mmに
なり、印字の際の給紙走行で不都合を生じた(比較例
1)。あるいはポリオレフィン樹脂被覆層を設けない場
合には、カール高さは10mmと比較的小さかったがト
ップカールであり、光沢が40%と低く、不良であった
(比較例2)。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、インクジェット記
録用シートを、原紙とその両面を被覆したポリオレフィ
ン樹脂被覆層からなるシート状支持体と、該支持体の一
方の面に設けられたインク受容層と、該支持体のもう一
方の面に設けられたセルロース系樹脂からなるバック層
で構成することにより、常温常湿環境ばかりでなく、低
湿度環境や、あるいは高湿度環境においても、実用上支
障のない範囲のバックカール高さと、高い光沢度を兼ね
備えたインクジェット用記録シートを達成した。本発明
は、環境が変化しても、トップカールになる事がなく、
従って鑑賞する際に縁が持ち上がったり、あるいは印字
する際プリンター走行の不都合になることがなく、さら
に高光沢なインクジェット記録用シートが得られるとい
う効果を達成したものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙と、その両面を被覆したポリオレフ
    ィン樹脂被覆層からなるシート状支持体と、該支持体の
    一方の面に設けられたインク吸収性樹脂を含有するイン
    ク受容層と、該支持体のもう一方の面に設けられたセル
    ロース系樹脂を含有するバック層を有するインクジェッ
    ト記録用シート。
  2. 【請求項2】 バック層がポリオレフィン樹脂と親和性
    を有する接着性改良剤を含有することを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】 接着性改良剤が、ポリオレフィン系樹
    脂、ポリエステル系樹脂、及びエチレン−酢酸ビニル共
    重合体より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1また
    は2記載のインクジェット記録用シート。
  4. 【請求項4】 セルロース系樹脂が、硝酸セルロース、
    酢酸セルロース、酢酸−ピロピオン酸セルロース、酢酸
    −酪酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
    ス、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
    ルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプ
    ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
    ス、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カ
    ルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース塩、及びカ
    ルボキシルメチルセルロース塩より選ばれる少なくとも
    1種を含む請求項1、2または3記載のインクジェット
    記録用シート。
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