JPH11287864A - 半導体x線検出装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体x線検出装置及びその製造方法

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JPH11287864A
JPH11287864A JP2801199A JP2801199A JPH11287864A JP H11287864 A JPH11287864 A JP H11287864A JP 2801199 A JP2801199 A JP 2801199A JP 2801199 A JP2801199 A JP 2801199A JP H11287864 A JPH11287864 A JP H11287864A
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ray
photoconductive layer
semiconductor
electrode
lead member
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JP2801199A
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Bon Honda
凡 本田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導電層内により多くの電子・ホールペアを
発生させて電気信号をより多く出力できるようにする。 【解決手段】 ガラス基板40と、このガラス基板40
上に画素単位にX線光子を受けるために設けられた画素
電極46が複数と、この画素電極46で受けたX線光子
による電荷を蓄積するために画素電極46毎に設けられ
たコンデンサ24と、このコンデンサ24に蓄積された
電荷を読み出し制御するトランジスタ26と、このトラ
ンジスタ26、コンデンサ24及び画素電極46上を覆
うように設けられた光導電層57と、この光導電層57
上を覆うように設けられた電界発生用の電極60とを備
え、光導電層57の前面側に所定厚みの鉛箔板10が設
けられ、その後面側に所定厚みの鉛箔板20が設けられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は被写体の局部的な
X線透過画像を取得するX線写真撮影システムなどに適
用して好適な半導体X線検出装置及びその製造方法に関
する。詳しくは、X線光子を導く光導電層の前面側及び
後面側に所定厚みの板状の鉛部材を設け、より多くの電
子・ホールペアを光導電層内に発生させて、電気信号を
より多く出力できるようにすると共に、透過X線を軽減
できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、人体の胸部などの比較的に広
い範囲をX線撮影する医療用のX線撮影システムを始
め、工業製品や建築材料などの骨材の精密検査を行う工
業用のX線撮影システムが使用されている。現在広く用
いられている方法は、ポリエスエル支持体の両面にハロ
ゲン化銀乳剤を塗布した写真感光材料の乳剤面に蛍光増
感紙(X線の照射により青色もしくは緑色の光を発光し
て、フィルム乳剤面にX線画像を感光させるもの)を密
着してX線写真画像を得る、いわゆるスクリーン・フィ
ルムシステムや、増感紙を使用せずに直接にX線を曝射
してX線画像を得るシステムが知られている。
【0003】前者は被曝線量をできるだけ少なくするこ
とが要求される医療用に主に用いられ、後者は被曝線量
は問題にならず、むしろ鮮鋭性をより重視する工業に用
いられることが多い。これらの方法はX線画像の画質は
非常に優れているが、ハロゲン化銀写真感光材料を用い
るので、X線写真画像を観察するためには現像処理をし
なければならない。
【0004】近年においては、上記スクリーン・フィル
ムシステムの代わりにX線による画像信号を検出するた
めに輝尽性蛍光体が用いられることがある。この輝尽性
蛍光体はX線が照射される照射量に応じたエネルギーが
蓄積され、その照射後に特定波長の光(例えば、レーザ
ー光等)が照射されると、蓄積されたエネルギーに応じ
た発光が得られる。
【0005】この輝尽性蛍光体を使用したX線画像撮影
システムによれば、輝尽性蛍光体が被写体の患部に配置
され、その後、被写体の患部にX線を放射される。そし
て患部を透過したX線が輝尽性蛍光体に到達する。これ
により、この輝尽性蛍光体に画像が蓄積される。更に、
X線透過画像が記録された輝尽性蛍光体に励起光が走査
され、この励起光により走査された蛍光体から発生され
た輝尽性発光による光が読み取られ、この光が電気信号
に変換される。この電気信号を画像処理した後に、その
X線画像から病変が診断される。
【0006】しかしながら、輝尽性蛍光体を用いたX線
画像撮影システムによれば、X線透過画像記録済みの輝
尽性蛍光体に励起光を照射する手段、その励起光を走査
する手段、及び、残存電荷を消去する手段などがX線検
出手段ひいてはX線画像撮影システムの簡素化及び軽量
化の妨げとなっている。
【0007】そして、この方法では、得られた電気信号
を用いて陰極線管(CRT)などでX線画像を観察する
ことができるが、この方法の本来的な性質からスクリー
ン・フィルムシステムなどハロゲン化銀写真フィルムを
用いる方法に比べて画質、特に鮮鋭性が大きく劣るとい
う欠点をもっていた。
【0008】そこで、近頃、X線光子を直接電気信号に
変換する半導体検出手段を備えたX線画像撮影システム
が開発されるようになってきた。このシステムでは被写
体を透過したX線光子が半導体検出手段によって直接電
気信号に変換される。この電気信号はX線照射により光
導電層内に発生した電子・ホールペアによるものであっ
て、この電子・ホールペアに所定の電界をかけ、これを
電荷分離することにより得られる。この電界によって集
められた電荷を読み出すことによりX線画像情報が得ら
れる。
【0009】この方法によれば、電界をかけることから
電子・ホールペアの拡散が起こらないので、画像の鮮鋭
性がきわめて優れており、スクリーン・フィルムに匹敵
するもしくは、それを凌駕する画質が得られる。その優
れた画質は上記、輝尽性蛍光体のような光励起による画
像を読み出す方法は必要ないので、撮影直後に簡便にC
RT上でX線画像を観察することができる。
【0010】従って、半導体検出手段を備えたX線撮影
システムでは従来のスクリーン・フィルムシステムで得
られるX線画像よりも、高い鮮鋭性の画像を極めて簡便
に得ることができる。そして、輝尽性蛍光体システムの
ように光励起により画像を読み出す必要がないために、
システムをより軽量化及び小型化を図ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】医療用のX線画像撮影
システムを用いるときは、生殖機能に支障が及ばないよ
うにするために、人体に対するX線被曝量を軽減する必
要がある。この半導体X線検出装置をX線画像撮影に用
いた場合に、そのX線の多くは検出装置内を透過してし
まい、撮影者や、その協力者にX線被曝を与えてしまう
おそれがある。
【0012】従って、半導体検出装置の感度を向上せし
め、かつ検出装置を通過するX線を軽減することは、患
者や放射線技師へのX線被曝量の軽減することにつなが
る。また、工業用のX線画像検査では厚い鉄板などを透
過させるX線を発生させるためにX線発生電圧が非常に
高い。それゆえにX線管の消耗が激しく、できるだけ管
電流を少なくすることが望まれている。このためにはX
線検出装置の感度を高める必要がある。
【0013】そこで、この発明は上述した課題を解決し
たものであって、光導電層内により多くの電子・ホール
ペアを発生させて電気信号をより多く出力できるように
し、かつ、透過X線を軽減できるようにした半導体X線
検出装置及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明に係る半導体X線検出装置は、基板と、こ
の基板上に画素単位にX線光子を受けるために設けられ
た画素電極が複数と、各画素電極で受けたX線光子によ
る電荷を蓄積するために画素電極毎に設けられた容量
と、この容量に蓄積された電荷を読み出し制御するトラ
ンジスタと、このトランジスタ、容量及び画素電極上を
覆うように設けられた光導電層と、この光導電層上を覆
うように設けられた電界発生用の電極とを備え、光導電
層の前面側及び後面側に所定厚みの板状の鉛部材が設け
られることを特徴とするものである。
【0015】本発明の半導体X線検出装置によれば、例
えば電界発生用の電極上に設けられた鉛部材を介在して
光導電層にX線を照射すると、この鉛部材にX線の一部
が吸収されて、このエネルギーにより鉛部材より二次X
線が発生して、光導電層内部のX線光子が増加し、結果
的にX線が増加したと同じ効果が得られる。更に、光導
電層の後面側の鉛部材は光導電層を通過してきたX線を
吸収することにより、半導体X線検出装置を貫通してき
たX線を軽減することができる。
【0016】本発明の半導体X線検出装置の製造方法
は、基板上に画素単位にX線光子を受けるために画素電
極を複数形成する工程と、この画素電極で受けたX線光
子による電荷を蓄積するために画素電極毎に容量を形成
する工程と、この容量に蓄積された電荷を読み出すため
のトランジスタを形成する工程と、このトランジスタ、
容量及び画素電極上が形成された基板の全面に所定厚み
の光導電層を形成する工程と、この光導電層が形成され
た基板に電界発生用の電極を形成した後に該基板の全面
に所定厚みの第1の鉛部材を形成する工程と、この第1
の鉛部材が形成された基板の裏側の全面に所定厚みの第
2の鉛部材を形成する工程とを有することを特徴とする
ものである。
【0017】本発明の半導体X線検出装置の製造方法に
よれば、X線光子を導く光導電層の前面側及び後面側に
所定厚みの板状の鉛部材を再現性良く形成できるので、
高出力かつ高感度の半導体X線検出装置を製造すること
ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施形態としての半導体X線検出装置及びその製
造方法について説明をする。
【0019】図1は、本発明の実施形態としての半導体
X線検出装置100のセル構造例を示す断面図である。
本実施の形態では、X線光子を導く光導電層の前面側及
び後面側に所定厚みの板状の鉛部材を設け、より多くの
電子・ホールペアを光導層内に発生させて、電気信号を
より多く出力できるようにすると共に、透過X線を軽減
できるようにしたものである。
【0020】この半導体X線検出装置100は図1にお
いて、基板としての例えばガラス基板(誘電基板)40
上に基板電極42、画素電極46および絶縁層{(Si
2)などの誘電体層}44がそれぞれ被着形成されて
コンデンサ(容量:C)24が構成される。このコンデ
ンサ24によって画素電極46で受けたX線光子による
電荷が蓄積される。このために、コンデンサ24も画素
電極46毎に設けられている。
【0021】また、コンデンサ24に隣接してスイッチ
ングトランジスタ(以下単にトランジスタという)26
が設けられるのも従来と同じである。コンデンサ24に
蓄積された電荷はトランジスタ26によって読み出し制
御される。トランジスタ26は図示するようにゲート電
極50、ドレイン電極54およびソース電極56がそれ
ぞれ被着形成されて構成されるものであり、ソース電極
56はコンデンサ24の画素電極46に接続される。
【0022】コンデンサ24およびスイッチング用トラ
ンジスタ26の上面には所定の厚みを有する電荷生成部
22が設けられる。この電荷生成部22を構成する光導
電層57としてこの発明では、X線吸収率が高く、光導
電性を有する無機化合物が用いられる。この例では光導
電層57として膜厚が500μm程度のアモルファスセ
レンなどが使用される。アモルファスセレンはコンデン
サ24およびトランジスタ26の上面に蒸着される。
【0023】この光導電層(アモルファスセレン層)5
7の上面にはさらに従来と同じく誘電層58と電界発生
用の電極としての表面電極60がそれぞれ被着形成され
る。このときの誘電層58には厚さ0.5〜9μm程度
のポリエチレンテレフタレート樹脂などが用いられる。
【0024】この表面電極60上には第1の鉛部材とし
ての鉛箔板10が被着形成されている。この鉛箔板10
に金属銅などをメッキ処理して表面電極60として使用
してもよい。この鉛箔板10の厚さは0.01〜0.0
5mm程度のものが好ましい。この厚さはX線が鉛箔板
10を容易に通過できる数値であり、しかも、X線が鉛
箔板10を通過するとき、その一部を吸収して二次X線
を発生し易くするためである。この例で、表面電極60
を鉛部材で形成して鉛箔板10を兼用してもよい。ま
た、誘電層58の代わりに鉛箔板10を設けてもよい。
【0025】更にこの例では、ガラス基板40下には第
2の鉛部材としての鉛箔板20が被着形成されている。
この鉛箔板20の厚さは0.05〜0.5mm程度のも
のが好ましい。このように表面電極60上の鉛箔板10
に比べてガラス基板40下の鉛箔板20に厚いものを使
用する。鉛箔板20には、半導体X線検出装置100の
大きさにもよるが、10mm程度のものまで使用され
る。必要以上に厚くすると携帯性に支障をきたからであ
る。この厚さはX線が鉛箔板20を容易に通過できない
ようにするためであり、X線の照射エネルギーにもよる
がX線を外部に漏れないようにできればよい。この例で
画素電極46を鉛部材で形成して鉛箔板20を兼用して
もよい。
【0026】また、ガラス基板40には厚みが0.5μ
m〜2cm程度の樹脂部材を用いてもよい。この樹脂部
材が薄く強度的に不十分な場合には、更に鉛箔板20の
下部に他の基板を設けてもよい。これにより、半導体X
線検出装置100の構造強度を高くすることができる。
【0027】この半導体X線検出装置100では、鉛箔
板10を介して光導電層57に入射したX線光子が直接
電気信号に変換される。この電気信号はX線照射により
光導電層57内に発生した電子・ホールペアによるもの
である。この電子・ホールペアに所定の電界をかける
と、電荷分離が行われる。この際の電界は電源28から
表面電極60と基板電極42とに印加された所定電位に
よって生ずる。
【0028】また、図1の破線に示すように鉛箔板10
とから基板電極42との間に電圧を供給してもよい。こ
の場合に、鉛箔板10には0V(接地線電位)で基板電
極42には負の電圧(例えば−1200V)を印加す
る。鉛箔板10を0Vとしたのは、被写体への感電防止
のためである。この電界によって集められた電荷がコン
デンサ24に蓄積され、この電荷をスイッチングトラン
ジスタ26によってコンデンサ24から読み出すことに
よりX線画像情報が得られる。
【0029】このように本実施の形態によれば、表面電
極60下の鉛箔板10を介在して光導電層57にX線を
照射すると、この鉛箔板10にX線15の一部が吸収さ
れて、このエネルギーにより鉛箔板10より二次X線が
発生し、光導電層57内部のX線光子が増加し、結果的
にX線15が増加したと同じ効果が得られる。更に、光
導電層57の後方の鉛箔板20は光導電層57を通過し
てきたX線15を吸収することにより、半導体X線検出
装置100を貫通してきたX線15を軽減することがで
きる。
【0030】続いて、半導体X線検出装置100の形成
方法について説明する。この例では、液晶パネルの製造
方法のように、まず、図2Aにおいて、ガラス基板40
の全面に所定の厚みの導電性の膜を形成して、所定のレ
ジストをパターニングし、該レジスト膜をマスクにして
選択的に導電性の膜を除去する。これにより、ゲート電
極50及び基板電極42を形成する。この膜には多結晶
シリコンなどに所望の不純物を所望量ドープして電極構
造とする。膜の成長にはCVD装置を用い、不要な膜の
除去にはドライエッチング装置など使用する。
【0031】その後、図2Bにおいて、ゲート電極50
及び基板電極42が形成されたガラス基板40上に絶縁
性の膜を形成して、所定のレジストをパターニングし、
該レジスト膜をマスクにして選択的に絶縁性の膜を除去
する。これにより、ゲート絶縁膜52及び誘電体膜44
を形成する。この膜にはSiO2またはSiN3などを用
いる。
【0032】その後、図2Cにおいて、ゲート絶縁膜5
2及び誘電体膜44が形成されたガラス基板40上に、
導電性の膜を形成して、所定のレジストをパターニング
し、該レジスト膜をマスクにして選択的に導電性の膜を
除去する。これにより、活性層51を形成する。この膜
には多結晶シリコンなどにn型もしくはp型の不純物を
所望量ドープしてn型活性層またはp型活性層51とす
る。
【0033】その後、図3Aにおいて、例えば、p型活
性層51が形成されたガラス基板40上に導電性の膜を
形成して、所定のレジストをパターニングし、該レジス
ト膜をマスクにして選択的に導電性の膜を除去する。こ
の膜には多結晶シリコンなどにn型の不純物を所望量ド
ープする。その後、ガラス基板40を熱処理すると、p
型活性層51にn型不純物が拡散してゲート電極50上
方の両側に一対のnチャネル層n+が形成される。これ
と共に、ドレイン電極54及びソース電極46が形成さ
れ、このソース電極46から誘電体層44上に至る領域
に延在した画素電極46が形成される。これにより、図
3Aの左側にはドレイン電極54及びソース電極46を
有したn型TFT(薄膜トランジスタ)26が形成され
る。その右側には基板電極42、誘電体層44及び画素
電極46を有したコンデンサ(容量:C)24が形成さ
れる。
【0034】その後、図3Bにおいて、n型TFT26
及び容量Cが形成されたガラス基板40の全面に膜厚5
00μm程度のアモルファスセレンを形成した後に、該
基板40上のアモルファスセレン層(光導電層)57を
平坦化する。この層の平坦化にはポリシャ装置を使用す
る。
【0035】その後、アモルファスセレン層57が形成
されたガラス基板40の全面に絶縁性の膜及び導電性の
膜を所定の厚みで積層して、誘電層58及び表面電極6
0を形成する。これまでは従来の製造方法によるもので
ある。
【0036】この実施形態では図4Aにおいて、表面電
極60上に所望の厚さt1の鉛箔板10を被着するもの
である。鉛箔板10は樹脂系の接着剤で接合する。この
鉛箔板10の厚さt1は0.01〜0.05mm程度の
ものが好ましい。この鉛箔板10に金属銅などをメッキ
処理して、表面電極60の代わりに誘電層58上に被着
してもよい。また、表面電極60を鉛部材で形成して鉛
箔板10を省略してもよい。
【0037】その後、図4Bにおいて、ガラス基板40
の下部に所望の厚さt2の鉛箔板20を被着するもので
ある。鉛箔板20は樹脂系の接着剤で接合する。この鉛
箔板20の厚さt2は0.05〜0.5mm程度のもの
が好ましい。
【0038】これにより、アモルファスセレン57の前
面側であって表面電極60上に所定厚みの鉛箔板10を
有し、かつ、その後面側であってガラス基板40下に所
定厚みの鉛箔板20を有した半導体X線検出装置100
を再現性良く製造することができる。
【0039】続いて、半導体X線検出装置100を集積
したフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detecto
r、以下FPDという)4について説明する。
【0040】なお、FPDの具体例が特開平6−342
098に開示されている。つまり、被写体を透過したX
線をa−Se層等の光導電層で吸収してX線強度に応じ
た電荷を発生させ、その電荷量を画素毎に検知するもの
である。他の方式のFPDの例としては、特開平9−9
0048に開示されているようにX線を増感紙等の蛍光
体層に吸収させて蛍光を発生させ、その蛍光の強度を画
素毎に設けたフォトダイオ−ド等の光検出器で検知する
ものがある。蛍光の検知手段としては他に、CCDやC
−MOSセンサを用いる方法もある。
【0041】特に上記の特開平6−342098に開示
された方式のFPDでは、X線量を画素毎の電荷量に直
接変換するため、FPDでの鮮鋭性の劣化が少なく、鮮
鋭性の優れた画像が得られるので、本発明のX線撮影シ
ステムによる効果が大きく好適である。
【0042】以下、FPD4の内部醸造について図面を
参照しながら説明する。図5はFPD4のパネル構成を
示す回路図である。図5において、FPD4は縦が35
cmで、横が43cmで、厚さが4cmで、重さが15
kg程度の平坦パネル状を有している。FPD4はX線
撮像パネル13の他、垂直および水平の各走査部30、
32および信号処理回路34などで構成される。
【0043】X線撮像パネル13自身の基本的な構成は
上述した半導体X線検出装置100をマトリックス状
(m×n)に集積化したものである。その基本単位であ
る変換セル14は、電荷生成部22の他に、生成電荷を
蓄積するコンデンサ24および蓄積電荷を取り出すTF
T構成のスイッチングトランジスタ26を有する。電荷
生成部22は被写体のX線画像に関して画素単位にX線
光子を受けるために画素電極46が画定され、その画素
電極46がガラス基板40にm行×n列だけ設けられ
る。その断面構成は図1に示した通りである。
【0044】上述のトランジスタ26は垂直走査部30
によってゲート制御(オン・オフ制御)され、各々のト
ランジスタ26が時系列的に選択されると、その選択さ
れたトランジスタ26のドレイン電極54から読み出さ
れた電荷が水平走査部32を介して信号処理回路34に
出力される。信号処理回路34では電気信号を増幅した
後のオリジナル画像信号Sorgが図示しない画像処理手
段などに出力される。
【0045】この例では、人体などの組織内を透過した
X線がFPD4に投影され、このFPD4内ではX線画
像が直接電気信号(オリジナル画像信号)Sorgに変換
されて出力される。このオリジナル画像信号Sorgは非
常に鮮鋭性の高いものである。
【0046】続いて、第1及び第2の鉛箔板10、20
が有る場合とそれが無い場合について、X線の検出感度
とその遮断性について比較した結果を説明する。図6は
X線の検出感度とその遮断性を評価するための測定回路
図である。
【0047】この例ではFPD4のX線検出感度を測定
するために、図6に示すX線管1とFPD4との間に銅
アルミフィルタ2が配置され、X線管1からのX線15
が銅アルミフィルタ2を介在してFPD4に照射され
る。X線管1によるFPD4への露光処理は0.1秒露
光(60mA露光)により行う。X線曝射時のFPD4
による電流I0はアンプで増幅された後に電流計5によ
って測定した。
【0048】また、この例ではFPD4のX線遮断性を
測定するために、デンタルフィルム(阪神製)6をFP
D4の裏面に張り付け、20回X線曝射を行った後に、
そのデンタルフィルム6を現像処理してその黒化濃度を
測定した。ここで、黒化濃度上昇値をX線透過のパラメ
ータとしたときに、その濃度が高くなるほど、鉛箔板2
0を透過したX線量が多いことを示すものとする。
【0049】その際のX線照射条件は次の通りである。
X線管1にはタングステン管球を使用する。X線発生電
圧Vxは120kVpとし、銅アルミフィルタ6とFP
D4との離隔距離Lは50cmとする。電源28からF
PD4に供給する電界発生用の電圧Vfは1500Vと
した。鉛箔板10、20の厚みは0〜2.0mmの範囲
で可変した。
【0050】上述のX線照射条件で鉛箔板10、20の
有無について、X線の検出感度とその遮断性について比
較した。
【0051】その比較結果をまとめたものが図7に示す
表図である。この表図では、鉛箔板10、20が無い場
合を「1」として、FPDの前面側に鉛箔板10を装着
した場合、FPD4の前面側に鉛箔板10を装着すると
共に、FPD4の後面側にも鉛箔板20を装着した場合
に関してその相対値で示した。
【0052】図7に示した比較例では処理番号(1)が
FPDに鉛箔板10、20を装着していない場合であ
る。処理番号(2)〜(7)がFPDの前面側に鉛箔板
10を装着した場合である。処理番号(8)〜(16)
がFPDの前面側に鉛箔板10を装着すると共に、後面
側にも鉛箔板20を装着した場合である。
【0053】図7の比較結果によると、処理番号(2)
〜(7)のFPDに関しては鉛箔板10が装着されてい
るので、処理番号(1)のFPDに比べて電流値を多く
得ることができる。特に、鉛箔板10の厚みt1が0.
03mmを越える処理番号(3)〜(7)のFPDに関
しては処理番号(1)のFPDに比べて約2.7倍の電
流値を取り出すことができる。
【0054】X線遮断性に関しては処理番号(2)〜
(7)のFPDに鉛箔板20が装着されていないので、
処理番号(1)のFPDと大きな差が見られないが、鉛
箔板10の厚みが増加するにつれて多少向上している。
【0055】また、処理番号(8)〜(16)のFPD
に関しては鉛箔板10、20が装着されているので、処
理番号(1)のFPDに比べてX線遮断性が向上してい
る。特に、鉛箔板20の厚みt2が1.0mmを越える
処理番号(14)〜(15)のFPDに関してはほぼ完
全に外部へのX線の漏洩を遮断することができる。処理
番号(9)〜(13)のFPDでも半分に改善されてい
る。電流値に関して、処理番号(8)〜(16)のFP
Dでは、処理番号(1)のFPDに比べて2.5〜3.
5倍を出力することができる。
【0056】このように、FPD4の前面側に所望の厚
みt1の鉛箔板10を装着することにより、電流I0を
多く取り出せるので検出感度を向上させることができ
る。これと共に、FPD4の後面側に所望の厚みt2の
鉛箔板20を装着することにより、FPD4内部を通過
してきたX線を遮断できるので、外部へのX線の漏洩を
軽減することができる。
【0057】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の半導体
X線検出装置によれば、X線光子を導く光導電層の前面
側及び後面側に所定厚みの板状の鉛部材が設けられるも
のである。
【0058】この構成によって、光導電層内に二次・三
次のX線を発生させることができるので、より多くの電
子・ホールペアを光導層内に発生させることができる。
従って、所定電位の電界によって容量に蓄積された電荷
を被写体のX線画像に関するオリジナル画像信号として
読み出すことができる。これにより、高感度かつ高出力
の半導体X線検出装置を提供できる。
【0059】本発明の半導体X線検出装置の製造方法に
よれば、X線光子を導く光導電層の前面側及び後面側に
所定厚みの板状の鉛部材を再現性良く形成できるので、
高出力かつ高感度の半導体X線検出装置を製造すること
ができる。
【0060】この発明は被写体の局部的なX線透過画像
を取得するX線写真撮影システムに適用して極めて好適
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態としての半導体X線検出装置100
のセル構造例を示す断面図である。
【図2】A〜Cは半導体X線検出装置100の断面の形
成例を示す工程図(その1)である。
【図3】A及びBは半導体X線検出装置100の断面の
形成例を示す工程図(その2)である。
【図4】A及びBは半導体X線検出装置100の断面の
形成例を示す工程図(その3)である。
【図5】半導体X線検出装置100を応用したFPD4
の構成例を示す回路図である。
【図6】FPD4の評価時の測定回路例を示すブロック
図である。
【図7】FPD4に関して鉛箔板10、20が有る場合
と無い場合の比較結果例を示す表図である。
【符号の説明】
10・・・鉛箔板(第1の鉛部材)、20・・・鉛箔板
(第2の鉛部材)、40・・・ガラス基板(基板)、4
6・・・画素電極、24・・・コンデンサ(容量)、2
6・・・トランジスタ、57・・・アモルファスセレン
層(光導電層)、60・・・表面電極(電界発生用の電
極)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 前記基板上に画素単位にX線光子を受けるために設けら
    れた画素電極が複数と、 前記画素電極で受けた前記X線光子による電荷を蓄積す
    るために前記画素電極毎に設けられた容量と、 前記容量に蓄積された電荷を読み出し制御するトランジ
    スタと、 前記トランジスタ、容量及び画素電極上を覆うように設
    けられた光導電層と、 前記光導電層上を覆うように設けられた電界発生用の電
    極とを備え、 前記光導電層の前面側及び後面側に所定厚みの板状の鉛
    部材が設けられることを特徴とする半導体X線検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記光導電層の前面側の鉛部材は、該光
    導電層の後面側の鉛部材に比べて薄いものが使用される
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体X線検出装置。
  3. 【請求項3】 前記鉛部材には、厚さが0.01〜10
    mmのものが使用されることを特徴とする請求項2記載
    の半導体X線検出装置。
  4. 【請求項4】 前記鉛部材は、前記画素電極を兼用する
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体X線検出装置。
  5. 【請求項5】 前記鉛部材は、前記電界発生用の電極を
    兼用することを特徴とする請求項1記載の半導体X線検
    出装置。
  6. 【請求項6】 前記光導電層にはアモルファスセレンを
    使用することを特徴とする請求項1記載の半導体X線検
    出装置。
  7. 【請求項7】 前記鉛部材は、アモルファスセレン層に
    接するかもしくは該アモルファスセレン層に接触しない
    状態で、前記アモルファスセレン層の前面側または後面
    側に設けられることを特徴とする請求項6記載の半導体
    X線検出装置。
  8. 【請求項8】 基板上に画素単位にX線光子を受けるた
    めに画素電極を複数形成する工程と、 前記画素電極で受けた前記X線光子による電荷を蓄積す
    るために前記画素電極毎に容量を形成する工程と、 前記容量に蓄積された電荷を読み出すためのトランジス
    タを形成する工程と、 前記トランジスタ、容量及び画素電極上が形成された基
    板の全面に所定厚みの光導電層を形成する工程と、 前記光導電層が形成された基板に電界発生用の電極を形
    成した後に該基板の全面に所定厚みの第1の鉛部材を形
    成する工程と、 前記第1の鉛部材が形成された基板の裏側の全面に所定
    厚みの第2の鉛部材を形成する工程とを有することを特
    徴とする半導体X線検出装置の製造方法。
JP2801199A 1998-02-06 1999-02-05 半導体x線検出装置及びその製造方法 Pending JPH11287864A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001264442A (ja) * 2000-03-22 2001-09-26 Fuji Photo Film Co Ltd 画像記録媒体
KR100660466B1 (ko) 2005-02-01 2006-12-22 남상희 에프이디 소자를 이용한 엑스레이 검출기판

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