JPH11287860A - レーザ計測装置 - Google Patents

レーザ計測装置

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Publication number
JPH11287860A
JPH11287860A JP10103744A JP10374498A JPH11287860A JP H11287860 A JPH11287860 A JP H11287860A JP 10103744 A JP10103744 A JP 10103744A JP 10374498 A JP10374498 A JP 10374498A JP H11287860 A JPH11287860 A JP H11287860A
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JP
Japan
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laser
light
unit
measurement
laser beam
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP10103744A
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English (en)
Inventor
Tetsuro Maruyama
哲朗 丸山
Osamu Mikami
修 三上
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象物の位置を判定すること。 【解決手段】 レーザ光を発光する発光部2と、この発
光部から照射されるレーザ光5を二分割すると共に所定
の交差角Δθ度で当該2つのレーザ光5A,5Bを交差
させるレーザ光分割部8と、このレーザ光分割部8で分
割された各レーザ光5A,5Bが測定対象物20で反射
した反射光をレーザ光分割部8および発光部を介して受
光する受光部10と、この受光部10から出力されるビ
ート波形を周波数分析すると共に当該ビート波形のドッ
プラ周波数を識別する周波数分析部12とを備えてい
る。レーザ計測装置1はさらに、周波数分析部12によ
って識別された二分割したそれぞれのレーザ光の反射光
に応じたドップラ周波数以外の第3のドップラ周波数が
現れた場合にレーザ光の交差位置に測定対象物の表面が
存在すると判定する存在確認手段16を有する対象状態
判定部14を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ計測装置に
係り、特に、測定対象物の位置を計測するレーザ計測装
置に関する。本発明のレーザ計測装置は、好適には、空
間分解能と共に測定対象物の速度を計測するレーザ計測
装置に関する。また、流量測定装置や、振動数測定装置
などに好適に応用される。
【0002】
【従来の技術】従来、非接触に測定対象物の速度を検出
する方法として、レーザドップラ速度計が用いられてき
た(例えば、特開平7−167956号公報)。この例
では、測定対象物で散乱される反射光からドップラ効果
による振動数変化分を検出して速度を求めている。従っ
て、散乱光を検出する素子において十分な光強度が得ら
れるなら、どの位置でも速度を計測することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、散乱光
が生じている位置、つまり測定対象の位置を特定するこ
とは難しい。ビームを測定点で集光し、その近辺でしか
散乱光強度が高くならないようにして、測定位置を絞る
方法も考えられるが、測定対象までの距離が遠くなる程
集光(散乱光強度の高さ)の奥行きは長くなってしま
う。したがって、測定可能な範囲が広がってしまうた
め、ドップラ周波数の得られた箇所を限定し難くなって
しまう。
【0004】
【発明の目的】本発明は、係る従来例の有する不都合を
改善し、特に、測定対象物の位置を判定することのでき
るレーザ計測装置を提供することを、その目的とする。
本発明はさらに、測定対象物の位置、速度を安価でかつ
簡易な構成で同時に測定することのできるレーザ計測装
置を提供することをも、その目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、レ
ーザ光を発光する発光部と、この発光部から照射される
レーザ光を二分割すると共に所定の交差角度で当該2つ
のレーザ光を交差させるレーザ光分割部と、このレーザ
光分割部で分割された各レーザ光が測定対象物で反射し
た反射光をレーザ光分割部および発光部を介して受光す
る受光部と、この受光部から出力されるビート波形を周
波数分析すると共に当該ビート波形のドップラ周波数を
識別する周波数分析部とを備えている。しかも、周波数
分析部によって識別された二分割したそれぞれのレーザ
光の反射光に応じたドップラ周波数以外の第3のドップ
ラ周波数が現れた場合にレーザ光の交差位置に測定対象
物の表面が存在すると判定する対象状態判定部を備え
た、という構成を採っている。これにより前述した目的
を達成しようとするものである。
【0006】これは、レーザ光を分割して、測定対象物
に照射すると、一方のレーザビームの測定対象物表面で
の散乱光は当該一方のレーザの光路を介して発光部に至
り、他方のレーザビームの測定対象物表面での散乱光は
当該他方のレーザの光路を介して発光部に至る。そし
て、当該分割したレーザ光が測定対象物表面で重なる
と、一方のレーザ光の光路を介して他方のレーザ光によ
る散乱光が発光部に戻る。すると、発光部(レーザ共振
器)内では3種類のレーザ光が自己混合する。この現象
を利用して、対象状態判定部は、第3のドップラ周波数
が現れた場合に、レーザ光の交差位置に測定対象物の表
面が存在すると判定する。すると、測定対象物がある位
置に存在するか否かや、測定対象物の振動数などの計測
が可能となる。また、ドップラ周波数が2つ現れると、
レーザ光と測定対象物の方向とのなす角が不明であって
も、測定対象物の速度および方向を得ることができる。
そして、対象状態判定部が、測定対象物の位置と、この
測定対象物との速度とを同時に計測することが可能とな
る。すると、ある位置に存在する測定対象物の速度の計
測や、複数のレーザ計測装置を同時に併用して流体の状
態の計測が可能となる。さらに、レーザ光の交差角度を
変更させると共に変更した角度情報を出力する交差角度
変更手段を備えると、任意の位置の測定対象物の距離お
よび速度を計測できる。すると、例えば測定対象物の流
量の計測が可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。本実施形態によるレーザ計測装置
1は、レーザ光を発光する発光部2と、この発光部から
照射されるレーザ光5を二分割すると共に所定の交差角
Δθ度で当該2つのレーザ光5A,5Bを交差させるレ
ーザ光分割部8と、このレーザ光分割部8で分割された
各レーザ光5A,5Bが測定対象物20で反射した反射
光をレーザ光分割部8および発光部2を介して受光する
受光部10と、この受光部10から出力されるビート波
形を周波数分析すると共に当該ビート波形のドップラ周
波数を識別する周波数分析部12とを備えている。
【0008】レーザ計測装置1はさらに、周波数分析部
12によって識別された二分割したそれぞれのレーザ光
の反射光に応じたドップラ周波数以外の第3のドップラ
周波数が現れた場合にレーザ光の交差位置に測定対象物
の表面が存在すると判定する存在確認手段16を有する
対象状態判定部14を備えた。
【0009】レーザ光分割部8は、発光部2から照射す
るレーザ光を二分割し、さらに測定対象物から反射した
レーザ光を同じルートを介して発光部2に反射させるも
のであれば良い。図1に示す例では、レーザ光の一部を
透過するハーフミラー4と、このハーフミラー4で透過
又は反射したレーザ光を測定対象物に反射させるミラー
6とを備える。レーザ光分割部8の構成はこれに限ら
ず、上記条件を満たす種々のビームスプリッタを用いる
ことができる。
【0010】周波数分析部としては、例えばDSPを使
用することができる。この場合、フォトダイオードの出
力を増幅した後、デジタルデータに変換する。また、対
象状態判定部は、マイクロプロセッサおよびプログラム
とで実現することができる。周波数分析部および対象状
態判定部14は、その目的に応じて、特別な論理回路に
より実現してもよい。
【0011】図2はレーザ光が測定対象物20の表面で
交差した例を示す図で、図3はレーザ光の交差位置より
も手前に測定対象物20が存在する場合の例を示す図で
ある。図2に示すように、測定対象物20の表面でレー
ザ光が交差すると、図4に示すドップラ周波数f3が生
じる。図3に示す例では、ドップラ周波数f1およびf2
のみが発生する。交差するか否かは、図5に示す入射光
強度の高い範囲2aの長さに応じて定まる。すなわち、
対象状態判定部14が、「レーザ光の交差位置」に測定
対象物の表面が存在すると判定するというとき、この
「レーザ光の交差位置」は、図5に示す入射光強度の高
い範囲2a内をいう。位置測定の精度を向上させるため
には、図5(A)に示すように入射光強度の高い範囲を
短くすれば良く、一方、ある程度の範囲に測定対象物が
あるか否かを測定する場合には、図5(B)に示すよう
に入射光強度の高い範囲を長くするとよい。
【0012】この入射光強度の高い範囲内に測定対象物
20の表面が存在すると、図6に示すように、一方のレ
ーザ光(ビーム1)5Aの散乱光が当該一方のレーザ光
5Aの光路を介して受光部10へ戻る経路5A1と、他
方のレーザ光の同様な経路5B1の他、測定対象物で2
つのビームが交差している場合には第3の経路が存在す
る。すなわち、一方のレーザ光5Aの散乱光が他方のレ
ーザ光5Bの光路を介して受光部10へ戻る経路5A2
と、同様に他方のレーザ光5Bの散乱光が一方のレーザ
光の光路を介して受光部10へ戻る経路5B2とが生じ
る。
【0013】測定対象物の表面で分割した2つのビーム
を交差させることにより、第3の経路5A2および5B
2を生じさせ、図4に示す第3のドップラ周波数f3を
得ることができる。この第3の経路および第3のドップ
ラ周波数は、測定対象物の表面でビームが交差している
場合にのみ生じる。このため、存在確認手段16は、こ
の第3のドップラ周波数の有無に応じて測定対象物が予
め定められた位置にあるか否かを判定する。
【0014】また、特願平9−86087号に開示した
ように、レーザビームを交差させて2つのドップラ周波
数f1,f2を用いると、測定対象物の方向とレーザ光と
がなす角θ1,θ2とが不明であっても、この2つの角の
差(交差角)が判明していれば測定対象物の速度を求め
ることができる。速度を算出する実施形態では、対象状
態判定部14が、二分割したそれぞれのレーザ光の反射
光に応じたドップラ周波数f1,f2の値と、発光部2か
ら照射されるレーザ光5のレーザ波長λと、レーザ光分
割部によって分割された各レーザ光の交差予定角度Δθ
とに基づいて測定対象物の速度を算出する速度算出手段
18を備える。
【0015】レーザ光分割部が、2つのレーザ光を予め
定められた交差角度で交差させて測定対象物に2つのレ
ーザ光を照射し、それぞれの経路5A1,5B1で戻っ
たレーザ光は、発光部2にて各レーザ光の速度成分が混
合し、さらに発光時の成分と自己混合を起こす。この受
光部の出力(ビート波)を周波数分析すると、第1及び
第2のドップラ周波数f1,f2が観測される。
【0016】検出されるドップラ周波数をf1,f2、測
定対象物の表面とレーザ光とが成す角の角度をθ1,θ
2、測定対象物の速度をVとすると、速度Vは次式
(1)で表される。
【0017】f1: 一方のレーザ光で検出したドップ
ラ周波数 f2: 他方のレーザ光で検出したドップラ周波数 V: 速度 θ1: 測定対象物の方向と一方のレーザ光とが成す角
の角度 θ2: 測定対象物の方向と他方のレーザ光とが成す角
の角度 Δθ: オフセット角度(交差角度) λ: レーザ光の波長
【0018】
【数1】
【0019】速度算出手段18は、この式(1)に基づ
いて測定対象物の速度を算出する。測定対象物の表面で
レーザ光が交差する図2に示す状態のみならず、交差位
置の手前で存在する図3に示す状態であっても、速度の
算出を行うことができる。また、交差位置よりも先に存
在していてもよい。
【0020】このような速度算出手段18を備えると、
存在位置確認手段16と有機的に結合し、測定対象物の
予め定められた位置での速度の算出や、速度を常に算出
しておき、さらに予め定められた位置を測定対象物が通
過する周期を計測することができる。
【0021】上述した例では、交差角度Δθは予め定め
た値としたが、この交差角度を変更させるようにしても
よい。すると、レーザ光分割部8から測定対象物までの
距離が変化する。そして、距離を変化させながら第3の
ドップラ周波数の有無を確認すると、測定対象物までの
距離を計測することができる。このように測定対象物ま
での距離を測定するには、レーザ光分割部8が、レーザ
光の交差角度を変更させると共に変更した角度情報を出
力する交差角度変更手段(例えば、ミラー駆動部13)
を備える。そして、対象状態判定部14は、第3のドッ
プラ周波数が現れた時の角度情報に基づいて測定対象物
の表面までの距離を算出する距離算出手段24を備え
る。
【0022】図1を再度参照すると、図1に示す例で
は、ミラー6の角度を変更させるミラー駆動部13を備
えている。このミラー6およびミラー駆動部13の具体
的な構成としては、例えばガルバノスキャナや、ポリゴ
ンミラーとステッピングモータなどを使用して、一定範
囲で繰り返しレーザ光を走査させる構成とするとよい。
交差角度Δθを変更させながら周波数分析12を行うこ
とで、ドップラ周波数f3が生じたときの交差角度Δθ
又はミラー6の角度情報に基づいて、測定対象物までの
距離を求めることができる。
【0023】すると、移動する測定対象物についてその
位置と速度とをミラーの走査周期で測定することができ
る。移動する測定対象物の位置と速度とが判明すると、
流量を計測したり、また、振動の状態を計測したりと、
その応用範囲が広がる。
【0024】
【実施例】自己混合型レーザ計測装置は、ドップラ周波
数を検出するための光学部分の構成が簡易であることか
ら、他の方式に比べ飛躍的にセンサヘッドを安価・小型
にできる。そして、図1に示す構成で、レーザビームを
二分割して交差させて測定すると、それぞれのビームに
対するドップラ周波数(f1,f2)のほかに、第3の周
波数(f3)が発生する。この第3の周波数f3は、被測
定対象上でビームが重なったときにのみ図4に示すごと
くf1とf2の間に生じる。これは、ビームが重なった位
置に被測定対象物が存在しているとき、一方のビームが
対象表面で散乱した光は、入射光路と異なるもう一方の
ビームの光路で共振器(レーザ素子)に帰還し、自己混
合した結果と考えられる。従って、被測定対象がビーム
の重なった位置になければf3が観測されない。
【0025】これを利用すると、多数のレーザ計測装置
を同時に併用した多点同時計測を安価に実現することが
できる。このため、流体の状態の計測や、動作中の立体
物の形状認識や、モータなどの動作の異常状態の計測
や、変位する測定対象物の量の計測などを安価でかつ精
度良く実現することができる。以下、代表的な実施例を
図面を参照して説明する。
【0026】〔速度分布計測〕f3が計測されたときの
みf1,f2を採用することで、レーザビームを二分割し
交差させた位置で生じている速度だけを選別することが
できる。すなわち、予め定めた位置で生じている測定対
象物の移動の速さのみを測定することができる。速度分
布を計測するこのときの回路構成を図7に示す。分割さ
れた光路を介して散乱光が入射する半導体レーザ2と、
そのレーザ光を光電変換するフォトダイオード10と、
このフォトダイオードの出力から、ビート波を検出する
ビート波検出回路11Aと、このビート波検出回路11
Aの出力を増幅する波形増幅回路11Bと、この波形増
幅回路11Bで増幅された波形を周波数分析する周波数
分析回路およびドップラ周波数を特定して当該周波数の
値算出する周波数算出回路12と、この周波数算出回路
12の出力に基づいて測定対象物の存在および速度を演
算する対象状態判定部としての演算処理回路14とを備
えている。
【0027】図8は速度分布を計測する対象の一例を示
す説明図である。ここでは、3つの荷送ラインのそれぞ
れの位置でレーザ光を交差させる第1の乃至第3のレー
ザ計測装置1A〜1Cを設置する。そして、それぞれの
ラインを移動する荷物10A〜20Cの速度をそれぞれ
のレーザ計測装置1A〜1Cで計測する。
【0028】図9はこの場合の計測処理例を示すフロー
チャートである。まず、それぞれのレーザ計測装置を、
2つに分割したレーザビームの交差位置をそれぞれ着目
する荷送ラインの通過ポイントに合わせてセットする
(ステップS1)。そして、自己混合方式で発生したビ
ート波をフォトダイオードで検出し(ステップS2)、
増幅する(ステップS3)。
【0029】次いで、増幅した検出信号を周波数分析し
てドップラ周波数を識別する。そして、ドップラ周波数
f1,f2から速度を算出する(ステップS5)。さら
に、第3のドップラ周波数f3が検出されているか否か
を判定する。第3のドップラ周波数f3が検出されてい
る場合には、ステップS5で算出した速度を測定対象物
の速度として出力する(ステップS7)。一方、第3の
周波数が検出されない場合には、予め定められた位置に
存在する測定対象物の速度ではないため、速度情報を出
力せずに処理をステップS2に戻す。これをレーザ計測
装置1A〜1Cそれぞれについて行うことで、図8に示
す各荷送ラインのそれぞれの速度を算出することができ
る。
【0030】〔測定対象物の位置と速度の検出〕図10
に示すようにミラーを制御すると、ビームが交差するポ
イントを変化させることができる。対象物が測定ポイン
トになければ、f3が観測されないため、その時測定さ
れたf1,f2は採用しない。測定ポイントを変えてい
き、f3が観測されたときに、ミラー角度により測定ポ
イントの位置、そして、予め求めてあるビーム角度とf
1,f2とから速度を算出する。この場合、図11に示す
ように、図7に示す構成にミラー駆動部13を追加す
る。実施例としては、パイプの中を流れる砂などの流量
計測がある。交差ポイントまでの距離dは、図12に示
すように、ミラーの駆動角度θ3,θ4とに応じて変化す
る。
【0031】図13に示すようにパイプ21の中を砂2
0が流れているとき、レーザー計測装置1をパイプの観
測窓22の上部に配置し、ミラーの角度を制御して測定
ポイントを変更する。そして、f3が得られ位置での速
度情報と距離情報とから、流量を算出する。このとき、
距離情報は砂の高さhとなる。このような流量の測定
は、パイプ21のみならず、暗渠などでもよい。
【0032】この場合、図14に示すように、レーザ計
測装置1をセットし(ステップS11)、所定の処理
(ステップS2〜S5)を経て、ドップラ周波数f3が
検出されたか否かを確認する(ステップS6)。そし
て、ドップラ周波数f3が検出されない場合には、ミラ
ー角度を変更して(ステップS12)、処理をステップ
S2に戻す。一方、ドップラ周波数f3が検出された場
合には、ミラーの角度情報からビームの交差位置を把握
する(ステップS13)。続いて、ビームの交差位置に
基づいて測定対象物の高さを算出し、この高さと測定対
象物の即ととから流量を算出する(ステップS14)。
これにより、非接触で精度良く流量を計測することがで
きる。また、高さ情報と速さ情報を連続的に得ることが
できるため、流体の状態の遷移を分析することが可能と
なる。
【0033】〔近接センサ〕図15に示すように、回転
物が移動して所定の位置に至った検出することができ
る。図16に示すように、まず、所定のポイントに2つ
のビームの交差位置をセットする(ステップS21)。
そして、回転体が所定のポイントに移動してきたとき、
回転物の表面で光は散乱し、f3が発生する。このと
き、f1,f2は特に必要とせず、f3のみを検出して回
転物が近接したことを判定する(ステップS22)。
【0034】〔位置センサ〕図17に示すように、レー
ザ加工機において焦点位置に加工対象物が位置したこと
をf3を観測することで検出することができる。レーザ
加工時、レーザが集光されている位置に対して囲う対象
の位置がずれると溶接・切断の精度が低下する。このた
め、2つのビームの交差点を囲うビームの最適位置にセ
ットし、f3を検出することで加工対象の位置がずれた
ことを検出する。非接触に、しかもビームが照査されて
いる位置を直接測定する方法は少ないため、このf3の
利用による位置ズレの検出は効果が大きい。そして、レ
ーザ溶接ではキーホールの状態によって溶接の精度が定
まるが、この分割したレーザ光で測定対象物の状態を計
測する場合には、測定対象物の速度を得ることができる
ため、キーホールで溶けた加工物の成分の速度を測定す
ることができる。溶接物によっては、キーホールの状態
が周期的に変化するものや、また一定となるものがある
ため、キーホール表面での被溶接物の速度情報を連続的
に得られると、溶接の良否をリアルタイムで測定するこ
とができる。
【0035】〔振動測定装置〕図18に本実施例による
レーザ計測装置1を使用して測定対象物の振動を計測す
る一例を示す。振動の計測の第1の例では、対象状態判
定部14が、第3のドップラ周波数が現れる時間間隔を
測定する機能を備える。レーザの交差位置を振動が開始
される前の初期位置にセットすると、この時間間隔は、
振動数・振動の周期を表す値となる。そして、自己混合
型レーザ計測装置は安価でかつ小型に実現できるため、
振動面の多点でそれぞれレーザ光が交差するようにセッ
トすると、測定対象物の振動の推移を観測することがで
きる。
【0036】振動の計測の第2の例では、測定対象物2
0の振動速度よりも高速にレーザ光を走査し、レーザ光
の交差位置を順次変化させながら測定対象物の変位の速
度を計測する。測定対象物の速度が計測されると、変位
量を算出することができる。この場合の処理例を図19
に示す。まず、2つに分割したレーザビームをミラーの
角度制御により振動体表面の任意のポイントで交差する
ようにセットする(ステップS31)。所定の処理を経
て(ステップS2〜S5)、ドップラ周波数f3が検出
されたか否かを確認する(ステップS6)。
【0037】ドップラ周波数f3が検出されない場合に
は、ミラー角度を変更して処理をステップS2に戻す
(ステップS32)。一方、ドップラ周波数f3が検出
された場合には、ミラーの角度情報に基づいて交差位置
を算出し(ステップS33)、当該交差位置での速度を
採用する。そして、測定対象物の速度と位置とから、振
動の状態を解析する。
【0038】その他、立体物の形状の検査や、塗装の欠
陥の詳細検査や、移動する物体の移動および形状の計測
や、コンピュータなどへの情報の入力手段など、各種の
計測に応用することができる。上述した実施例では、測
定対象物の速度を算出してからドップラ周波数f3の有
無の確認をする例を示したが、ドップラ周波数f3の存
在を確認した場合にのみ測定対象物の速度を算出するよ
うにしてもよい。
【0039】上述したように本実施例によると、速度計
測と位置の検出とを同時に行うことができるため、複数
のセンサを用意する必要がない。そして、速度を計測し
た位置が判るため、流体の流れや渦の発生などを立体的
にその速度分布を解析することができる。また、立体的
に速度分布を測定するには、同時に多くの箇所の速度を
測定しなくてはならないが、自己混合方式は構成の簡易
性から安価で小型にできるため、数多くの箇所を測定す
る速度検出器として最適であり、この自己混合方式にお
いて場所を限定して測定することができる今回の方法は
多点速度計測を実現する上で非常に重要である。
【0040】本実施形態によって、平行ビームを用いた
速度計測が可能となる。自己混合方式において平行ビー
ムを用いると、広い範囲で入射光強度を一定に保てるた
め、測定個所までの距離を限定せずに使用することがで
きるが、この場合、どこの速度を計測しているのかが判
らない。この相反する要素のうち、測定場所の限定とい
う面が重用しされているため、ビームを収束光にして光
強度が高い場所でのみ反射光が得られる方法をとってい
る。従って、計測場所を変えていく時には焦点距離を調
整する必要があり、実現するのは難しい。
【0041】これに対し、本実施形態によると、平行ビ
ームを使って測定される速度の中から、f3を検出する
ことにより2つのビームが交差する場所での速度を選択
することができるため、焦点距離を調節する手間がな
く、レーザの照射位置を調節するミラーの角度を変えて
いくことにより、測定場所を変更することが可能とな
る。また、正確に位置を限定したいときには、光ファイ
バーを用いて場所を限定することもできる。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され機能する
ので、これによると、レーザ光を分割して測定対象物に
照射するため、当該分割したレーザ光が測定対象物表面
で重なると、一方のレーザ光の光路を介して他方のレー
ザ光による散乱光が発光部に戻り、すると、発光部内で
は3種類のレーザ光が自己混合し、この現象を利用する
と、対象状態判定部は、第3のドップラ周波数が現れた
場合に、レーザ光の交差位置に測定対象物の表面が存在
すると判定でき、これにより、自己混合型の安価で小型
な構成で測定対象物の位置を計測することができるとい
う従来にない優れたレーザ計測装置を提供することがで
きる。また、レーザ光を分割させる場合には、測定対象
物の方向とレーザ光とがなす角が不明であっても、交差
角度が明らかであれば測定対象物の速度を算出すること
ができ、上記測定対象物の位置の計測と合わせると、予
め定められた位置で移動する物体のみの速度を計測する
ことができ、すると、当該装置を多数使用することで、
流体な振動面などの多点での速度情報および位置情報を
得ることができるという従来にない優れたレーザ計測装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示す説明図であ
る。
【図2】測定対象物の表面でレーザが交差した例を示す
説明図である。
【図3】測定対象物の表面でレーザが交差していない例
を示す説明図である。
【図4】第3のドップラ周波数が現れた周波数スペクト
ルの一例を示すスペクトル図である。
【図5】入射強度の高い範囲を例示する説明図であり、
図5(A)は当該範囲が短い場合の例を示す図で、図5
(B)は当該範囲が長い場合の例を示す図である。
【図6】レーザ光の光路と反射光の戻り経路の関係を示
す説明図である。
【図7】本実施例による制御系の構成を示すブロック図
である。
【図8】複数のラインを移動する測定対象物のそれぞれ
の速度を計測する例を示す説明図である。
【図9】図8に示した測定対象物の速度を算出する処理
例を示すフローチャートである。
【図10】図1に示したミラーを駆動してレーザ光の交
差位置を変化させる例を示す説明図である。
【図11】図10に示す構成に対応した制御系の構成を
示すブロック図である。
【図12】図10に示す構成での交差ポイントまでの距
離dを定義する説明図である。
【図13】本実施例のレーザ計測装置を使用して流量を
計測する例を示す説明図である。
【図14】図13に示す測定対象物の流量を算出する処
理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本実施例のレーザ計測装置を使用して移動す
る測定対象物が所定位置に至ったか否かを計測する例を
示す説明図である。
【図16】図15に示す測定対象物の位置を計測する処
理の一例を示すフローチャートである。
【図17】本実施例のレーザ計測装置を使用して溶接対
象物の位置を検査する例を示す説明図である。
【図18】本実施例のレーザ計測装置を使用して測定対
象物の振動を計測する例を示す説明図である。
【図19】図18に示した振動計測の処理の一例を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
2 発光部(レーザダイオード) 4 ハーフミラー 6 ミラー 8 レーザ光分割部 10 受光部(フォトダイオード) 12 周波数分析部(例えば、DSP) 13 ミラー駆動部(例えば、モータ) 14 対象状態判定部(例えば、マイコン)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を発光する発光部と、この発光
    部から照射されるレーザ光を二分割すると共に所定の交
    差角度で当該2つのレーザ光を交差させるレーザ光分割
    部と、このレーザ光分割部で分割された各レーザ光が測
    定対象物で反射した反射光を前記レーザ光分割部および
    発光部を介して受光する受光部と、この受光部から出力
    されるビート波形を周波数分析すると共に当該ビート波
    形のドップラ周波数を識別する周波数分析部とを備える
    と共に、 前記周波数分析部によって識別された前記二分割したそ
    れぞれのレーザ光の反射光に応じたドップラ周波数以外
    の第3のドップラ周波数が現れた場合に前記レーザ光の
    交差位置に測定対象物の表面が存在すると判定する対象
    状態判定部を備えたことを特徴とするレーザ計測装置。
  2. 【請求項2】 前記対象状態判定部は、前記二分割した
    それぞれのレーザ光の反射光に応じたドップラ周波数の
    値と、前記発光部から照射されるレーザ光のレーザ波長
    と、前記レーザ光分割部によって分割された各レーザ光
    の交差予定角度とに基づいて前記測定対象物の速度を算
    出する速度算出手段を備えたことを特徴とする請求項1
    記載のレーザ計測装置。
  3. 【請求項3】 前記レーザ光分割部が、前記レーザ光の
    交差角度を変更させると共に変更した角度情報を出力す
    る交差角度変更手段を備え、 前記対象状態判定部は、前記第3のドップラ周波数が現
    れた時の前記角度情報に基づいて前記測定対象物の表面
    までの距離を算出する距離算出手段を備えたことを特徴
    とする請求項2記載のレーザ計測装置。
  4. 【請求項4】 前記対象状態判定部は、前記距離算出手
    段で算出された測定対象物までの距離と当該測定対象物
    の速度とから当該測定対象物の流量を算出する流量算出
    手段を備えたことを特徴とする請求項3記載のレーザ計
    測手段。
  5. 【請求項5】 前記対象状態判定部は、前記第3のドッ
    プラ周波数が現れる時間間隔を測定する機能を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載のレーザ計測装置。
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