JPH11286778A - ダイヤモンド状炭素膜作製方法 - Google Patents

ダイヤモンド状炭素膜作製方法

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JPH11286778A
JPH11286778A JP1978099A JP1978099A JPH11286778A JP H11286778 A JPH11286778 A JP H11286778A JP 1978099 A JP1978099 A JP 1978099A JP 1978099 A JP1978099 A JP 1978099A JP H11286778 A JPH11286778 A JP H11286778A
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舜平 山崎
Shigenori Hayashi
茂則 林
Noriya Ishida
典也 石田
Mari Sasaki
麻里 佐々木
Junichi Takeyama
順一 竹山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基体または部材に独立してバイアスを印加す
ることが難しく、薄膜形成に最適なプロセス条件を探す
ことが困難である。 【解決手段】 炭素または炭素を主成分とする被膜をガ
ラス等の酸化物部材に形成するに際し、この部材上に部
材と密着性を有する下地被膜を形成し、その後外気に曝
すことなく、下地被膜上にダイヤモンド状炭素膜を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水性を有し、そ
の固有抵抗が5×1013Ωcm以下の炭素または炭素を主成
分とする被膜に関する。本発明はこれをガラス等の透光
性部材に形成するに際し、この部材上に透光性を有し、
部材と密着性を有する窒化珪素膜を形成し、さらにその
上に炭素または炭素を主成分とする被膜を形成する多層
構造の部材に関する。本発明は、3価または5価の不純
物を水素または弗素とともに炭素または炭素を主成分と
する保護用被膜中に添加し、親水性の程度の制御、ビッ
カ−ス硬度の制御および電気伝導度の制御をせんとする
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般にプラズマCVD 法においては、平坦
面を有する基板上に平面状に成膜する方法が工業的に有
効であるとされている。さらに、プラズマCVD 法であり
ながら、スパッタ効果を伴わせつつ成膜させる方法も知
られている。その代表例である炭素膜のコ−ティングに
関しては、本発明人の出願になる特許願『炭素被膜を有
する複合体およびその作製方法』(特願昭56−146936昭
和56年9月17日出願) が知られている。
【0003】しかし、これらは一対の電極のみを用いる
平行平板型を有し、1つの高周波電源より導出した2つ
の出力端をそれぞれの電極に連結し、一方の電極(カソ
−ド側)に基板を配設し、自ら発生するセルフバイアス
を用いて平坦面の上面に炭素膜を成膜する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる1つの高周波電
源を用いるため、平行平板型のプラズマ反応方法におい
ては、電極の一方の側の電極に平行に密接して基板を配
設してその上面にプラズマCVD がなされる。そのため、
大量生産をせんとしても、単に電極を大面積とし、形成
する膜も1層の被膜を一方の電極面でのみ処理するもの
で生産性が悪い。さらにこの基体または部材に独立して
バイアスを印加することが難しく、薄膜形成に最適なプ
ロセス条件を探すことが困難である。
【0005】さらに基体または部材にバイアス印加をし
たエッチング方法に関しても、多量に同時に処理をする
ことができない。このため、大容量空間で一度に多数の
部材に対し膜を形成する方法またはエッチングする方法
が求められていた。本発明はかかる目的のためになされ
たものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかるダイヤ
モンド状炭素(DLCという) が形成された部材およびその
作製方法を提供するもので、プラズマCVD 用として、反
応空間の一端側および他端側に互いに離間して一対の電
極( 第1および第2の電極)を配設する。さらにそれぞ
れ独立した電磁エネルギ供給手段およびマッチングボッ
クスを有する。そしてそれぞれの電極にマッチングボッ
クスを介して供給される電磁エネルギの位相を互いに制
御する位相調整器を有する。
【0007】それぞれの電極から発せられる電磁エネル
ギを用い、反応空間にKWレベルの大電力を供給し、かつ
それぞれの電極の位相を制御して相乗効果を有するプラ
ズマを反応空間で発生せしめたものである。
【0008】この空間内に直流または交流バイアスを加
えるための第3の電極を必要に応じて設ける。一対の電
極間の空間(プラズマ空間)に被処理面を有する基体、
部材をホルダを用いて配設する。反応空間は減圧にさ
れ、反応性気体が供給される。反応性気体のプラズマ化
のため、一対の電極のそれぞれには所定の電力および周
波数の電磁エネルギが電磁エネルギ供給手段、マッチン
グボックスを介して供給される。このそれぞれの電極に
は、接地に対して互いに位相が概略180 °または概略0
°となるよう異なった高周波電圧をそれぞれの高周波電
源より印加し、互いに対称または同相の交番電圧が印加
されるよう位相調整器で調整、制御する。
【0009】結果として合わせて実質的に1つの高周波
の交番電圧とし、プラズマ空間にKWレベルの大電力を印
加し、反応性気体を完全に分解、電離させるための高周
波プラズマを誘起させる。さらにそのそれぞれの高周波
電源の他端を接地せしめる。
【0010】またさらに発生させる場合、基体または部
材を挟んで直流(自己または外部よりの直流バイアス用
電圧)または交番(交流バイアス用電圧)電圧を印加す
る。自己直流バイアス方式の場合、第2の交番電圧で一
方の電極側で加速されたイオンが部材の被形成面上をス
パッタしつつ、被形成面上に強く被膜化またはエッチン
グをさせる。
【0011】第1の交番電圧がそれぞれ独立した電磁エ
ネルギ供給手段およびマッチングボックスをへてそれぞ
れの電極に印加させる場合、また概略0°即ち0±30°
以内の場合と概略180 °即ち180 ±30°以内の場合では
反応空間全体へ均一に広げるためには後者即ち180 ±30
°以内( 概略180 °) が優れていた。また、90±30°以
内の位相度ではプラズマが特に一方の電極側にかたよっ
てしまった。
【0012】これは反応空間内でイオンを双方の電極で
一方から他方の電極にまた他方の電極から一方の電極に
大きく運動させる位相とすることにより、空間をより広
く、プラズマ化し、そのイオンを運動させるためと推定
される。本発明のプラズマCVD として、炭素または炭素
を主成分とする被膜即ちDLC(ダイヤモンド状炭素膜) の
場合を示す。
【0013】この薄膜の形成として、エチレン(C2 H
4 ),メタン(CH 4 ),アセチレン(C2 H 2),弗化炭素(C2
F 6 ,C3 F 8 ) のような炭化水素気体または弗化炭素ま
たはCHF 3 , H 2 C 3 F 6 ,H3 CF,CH 2 F 2 等の弗化炭
素の如き炭素弗化物気体を導入し、さらに3価または5
価の添加物、代表的にはそれぞれホウ素用のジボラン(B
2H 6 ),弗化ホウ素(BF 3 ) またアンモニア(NH 3 ),弗
化窒素(NF 3 ) を添加した。そして成膜された被膜中に
3価または5価の添加物は0.1 〜10原子%とした。この
とき水素または弗素は5〜30原子%が添加されていた。
【0014】かくしてSP3 軌道を有するダイヤモンドと
類似のC-C 結合をつくり、比抵抗( 固有抵抗) 1×106
〜5×1013Ωcm代表的には1×107 〜5×1011Ωcmを有
するとともに、ビッカ−ス硬度700 〜5000Kg/mm 2 , 光
学的エネルギバンド巾(Eg という)が1.0eV 以上、好ま
しくは1.5 〜5.5eV を有する可視領域で透光性のダイヤ
モンドと類似の特性を有する被膜を形成した。
【0015】本発明方法での成膜に際し、弗素の如きハ
ロゲン元素を初期状態から有するC 2F 6 とNH3 +H2
反応またはC 2 F 6 とB 2 H 6 +H2 との反応を用い、プ
ラズマCVD 中に炭化物気体に加えて同時に窒素( 5価の
添加物) またはホウ素( 3価の添加物) を混入させて、
親水性表面を有せしめ、また厚さ方向に均一な濃度勾配
を設けた炭素を主成分とする被膜または添加物の有無を
制御した多層の複合膜を作ってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に図面に従って本発明の作製
方法を記す。
【0017】
【実施例】「実施例1」第2図は、基体または部材上に
プラズマ反応法により薄膜形成またはエッチングを行う
方法を実施するためのプラズマ処理装置の概要を示す。
図面において、プラズマ反応装置の反応容器(7) はゲ−
ト弁(9) で外部と仕切られている。ガス系(30)におい
て、キャリアガスである水素またはアルゴンを(31)よ
り、反応性気体である炭化水素気体、例えばメタン(CH
4 ),エチレン(C2 H 4 ) を(32)より、弗化炭素気体であ
る弗化炭素(C2 F 6 ,C3 F 8 ) を(33)より、3価または
5価用の気体であるB 2 H 6 またはNH3 を(34)より、ジ
シラン(Si 2H 6 ) を(35)より、反応容器のエッチング
用気体である弗化窒素または酸素を(36)より、バルブ(2
8)、流量計(29)をへて反応系(50)中にノズル(25)を経て
導入する。
【0018】水素と六弗化二炭素(C2 F 6 ) とを導入す
ると、水素が弗素を引き抜き、残ったC-F 結合による弗
素が添加されたSP3 結合を多数有するダイヤモンド状炭
素膜(DLCともいうが、添加物が添加されたDLC を含めて
本発明は炭素または炭素を主成分とする被膜という) を
成膜できる。またジシラン(Si 2 H 6 ) を(35)より、ア
ンモニア(NH 3 ) を(34)より導入して、プラズマCVD 反
応を生ぜしめて窒化珪素膜を形成することができる。
【0019】この反応容器(7) の上下に第1の一対の電
極を同一形状を有せしめて第1および第2の電極(3-1),
(3-2) をアルミニウムの金属メッシュで構成せしめる。
このそれぞれの電極には第1および第2の電磁エネルギ
供給手段(15-1),(15-2) を有する。それぞれの電源であ
る供給手段より1〜100MHzの交番電圧例えば13.56MHzの
高周波電圧を発し、その電磁エネルギをLCR で構成され
反応容器内のインピ−ダンスとマチングをさせるための
マッチングボックス(16-1),(16-2) を有する。
【0020】このマッチングボックスより導入端子(4-
1),(4-2) をへてそれぞれの電極(3-1),(3-2) に電磁エ
ネルギが供給される。第1および第2の電源(15-1),(15
-2) は同一周波数の同一波形を原則とするが、定倍波形
を用いてもよい。それぞれの電源の位相は位相調整器(2
6)で180 °±30°以内に互いに制御されている。
【0021】反応性気体はノズル(25)より下方向に放出
される。バイアス電圧の直流電源(17-2), 第2の交番電
圧電源(17-1)の周波数を10Hz〜100KHzよりなるバイアス
手段(17)により供給される。そしてこのバイアスはスイ
ッチ(10)が(11-2)のとき基体または部材に供給される。
【0022】かくして反応空間(8) にプラズマが発生す
る。排気系(25)は、圧力調整バルブ(21), タ−ボ分子ポ
ンプ(22), ロ−タリ−ポンプ(23)を経て不要気体を排気
する。これらの反応性気体は、反応空間(8) で0.001 〜
1.0torr 例えば0.05torrとした。
【0023】かかる空間において、0.5 〜50KW( 単位面
積あたり0.005 〜5W/cm 2 ) 例えば1KW ( 単位面積あた
り0.1W/cm 2 の高エネルギ) の第1の高周波電圧を加え
る。さらに第2の交番電圧による交流バイアスの印加に
より、被形成面上には-50 〜-600V(例えばその出力は1K
W)の負の自己バイアス電圧が印加されており、この負の
自己バイアス電圧により加速された反応性気体を基体ま
たは部材上にスパッタしつつ成膜し、かつ緻密な膜とす
ることができた。
【0024】反応性気体は、例えばエチレンと弗化炭素
の混合気体とした。その割合はC 2 F 6 /C2 H 4 =1/4
〜4/1 とし、代表的には1/1 である。この割合を可変す
ることにより、透過率および比抵抗を制御することがで
きる。基体または部材(1) の温度は室温〜150 ℃、代表
的には外部加熱をすることなく室温に保持させる。かく
して被形成面上は比抵抗1×106 〜5×1013Ωcmを有
し、光学的エネルギバンド巾1.0 〜5.5eV を有し、有機
樹脂上またその他固体無機材料上にも密着させて成膜さ
せ得る。
【0025】可視光に対し、透光性のアモルファス構造
または結晶構造を有する弗素と水素とが添加された炭素
または炭素を主成分とする被膜を0.1 〜8μm例えば0.
5 μm(平面部),1〜3μm(凸部)に生成させた。成
膜速度は100 〜1000Å/分を有していた。
【0026】かくして部材であるガラス板、有機樹脂物
上、その他の部材に炭素を主成分とする被膜、特に炭素
中に水素または弗素を30原子%以下含有するとともに、
0.3 〜10原子%の濃度にホウ素または窒素が混入した親
水性炭素膜を形成させることができた。
【0027】有機物上に100 〜2000Åの厚さにエチレン
のみによる第1の炭素を設け、さらにその上にC 2 F 6
と水素とアンモニアとを用いて弗素と窒素と水素とが添
加された親水性炭素を主成分とする被膜を多層に形成さ
せることができた。
【0028】「実施例2」この実施例は実施例1で用い
た装置により、第1図に示す如く、有機物の部材要部上
に炭素を主成分とする膜を作製した例である。第1図
(A) において、アルミニウムの筒上に基体として、有機
樹脂が設けられたOPC(有機感光導電体) ドラム(1) を用
いたもので、その上に光伝導体または保護膜としてDLC
膜(45)を形成したものである。
【0029】第1図(A),(B) において、このプラスチッ
クス基体(1) は軽量であり、この上への密着性向上のた
めエチレンと水素とを用いて0.01〜0.1 μmの厚さに形
成した。さらにその上にC 2 F 6 とNH3 とH 2 との混合
気体を用いて比抵抗が1×106〜5×1013Ωcm好ましく
は1×107 〜5×1012Ωcmの膜を0.2 〜2 μmの厚さに
親水性を有する炭素膜を形成した。かくしてOPC ドラム
上に本発明方法により窒素が4.5 原子%,弗素および水
素が10〜30原子%添加された炭素を主成分とする被膜を
作製することができた。
【0030】「実施例3」この実施例は下地材料用被膜
として窒化珪素を形成する例である。反応性気体として
第2図でジシラン(Si 2 H 6 )/NH3 を(35)より、アンモ
ニア(NH 3 ) を(34)より供給して、(Si 2 H 6 )/NH3
1/3 〜1/10とした。外部より加熱することなく、実施例
1と同じく、0.05torrの圧力で高周波を加えた。すると
窒化珪素膜をこれらの上面に100 Å/ 分の成膜速度で形
成することが可能となった。
【0031】「実施例4」この実施例は第1図(C) に示
したものである。第2図のプラズマ処理装置を実施例と
同様に用いた。そして板状の基体ホルダをプラズマ空間
(8) 内に配設し、その両面に被形成面を有する基板(1)
を保持し、ここに多層に被膜を形成した例でありこの基
体としてはガラス板がある。このガラス板は自動車、オ
−トバイ、航空機、船舶のフロントウインド、サイドミ
ラ−、サイドウインド、リアウインドまたは家庭の窓で
あり、その外気に触れる面側である。
【0032】この基板上にまず実施例3に示した窒化珪
素膜を形成した。この反応容器を外気( 特に酸素) に触
れさせることなくさらに反応性気体を排除し、実施例1
に示した如くこの上に弗素が添加された炭素膜を0.1 〜
5μm例えば0.5 μmの厚さに形成した。
【0033】本発明において、特にこの炭素または3価
または5価の添加物に加えて弗素が添加された炭素を主
成分とする被膜は親水性を有し、また静電気の発生によ
るゴミの付着を防ぐため、その比抵抗は1×106 〜5×
1013Ωcmの範囲、特に好ましくは1×107 〜1×1011Ω
cmの範囲とした。
【0034】本実施例において、ガラスは酸化珪素より
なり、酸素を含有し、弗化物気体とは反応しやすいため
に、DLC を形成する前に耐酸素性を有するバッファ層と
して透光性でかつ緻密性がよい窒化珪素膜(45-1)を形成
した。そして耐弗素性を酸化珪素より有する窒化珪素上
に弗素が添加された炭素膜または炭素を主成分とする被
膜(45-2)を積層した。この第1図(C) の縦断面図はフロ
ントウインドのみならず、サイドウインド、ミラ−表面
であってもよい。
【0035】第1図(E) は曲面上に対し形成したもので
ある。 これらは実使用上風切りが強く、また鉱物質の
ほこりが衝突しやすく、結果として失透、濁りが摩耗に
より発生しやすいため、本発明は優れたものである。
【0036】「実施例6」本発明の実施例において、下
地材料としてジシランとエチレンとをプラズマ雰囲気中
に導入し、炭化珪素(SixC 1-x 0<X<1)を形成し、その上
に炭素または炭素を主成分とする被膜を形成した。する
と、この炭化珪素の光学的エネルギバンド巾が1.5 〜2.
5eV であるため、黄色の半透光性の下地材とすることが
できた。さらに炭素被膜の密着性向上にもきわめて有効
であった。
【0037】「実施例7」この実施例は第1図(D) の形
状である。装置は実施例1を用い、下地材料として実施
例4と同様に窒化珪素膜、その上に親水性の炭素膜を形
成した。第1図の層において、基板ホルダを板状とし、
その両面にそれぞれの基板(11),(11')を配設して形成し
たものである。その結果、それぞれの基板(11),(11')上
には片面のみに窒化珪素膜(45-1), (45-1') とその上に
炭素または炭素を主成分とする被膜(45-2),(45'-2)が積
層して形成された。その結果、炭素膜(4) と同様にガラ
ス等の上にも炭素膜を密着して形成することができた。
そして片面の雨があたる表面のみに形成することによ
り、生産性を2倍にすることができた。その他は実施例
4と同様である。
【0038】「実施例8」この実施例は実施例1で用い
た装置を用いた。第2図において、酸素(O2 ) または弗
化窒素(NF 3 ) のみを導入し、基体または部材または反
応容器、ホルダ上の被膜のエッチング除去を100 〜300
Å/ 分の速度でした。この実施例において、エッチング
される材料は炭素または炭素を主成分とする被膜( プラ
ズマ酸素でエッチングされる) 、窒化珪素(NF 3 のプラ
ズマによりエッチングされる) である。
【0039】
【発明の効果】本発明方法により、電気伝導度を有しか
つ親水性の表面を有する保護膜を作ることが初めて可能
となった。特に窓等の透光性表面にはほこりがたまった
り、また雨の日その表面張力があると内部より窓を通し
て外部を見んとしても、雨粒の乱反射のためによく外を
見ることができない。本発明はかかる欠点を除去し、透
光性基体または部材上に親水性の炭素または炭素を主成
分とする被膜を形成したものである。
【0040】特に透光性の基体が酸化珪素等のガラス部
材であった場合、その下地材料を同一反応炉で反応性気
体を取り替えるのみで成膜できる被膜は窒化珪素膜と炭
素または炭素を主成分とする被膜であり、これらはとも
に非酸化物材料である。さらに耐弗素気体被膜である窒
化珪素膜を下地材料に用いることは基体を弗素で損傷さ
せないため有効である。それらの成膜に際しては成膜温
度を概略同じ温度の室温〜150 ℃で形成し生産性を向上
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基体または部材上に被膜を形成した例
およびその要部を示す。
【図2】本発明のプラズマ装置の概要を示す。
【符号の説明】
1 基体 45 DLC
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 麻里 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 竹山 順一 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材上に下地被膜を形成する第一の工程
    と、 前記下地被膜上にダイヤモンド状炭素膜を形成する第二
    の工程とを有し、 前記第一の工程と前記第二の工程とが同じ反応容器で行
    われることを特徴とするダイヤモンド状炭素膜作製方
    法。
  2. 【請求項2】 反応容器内で部材に下地被膜を形成し、
    前記反応容器内を外気に曝すことなく前記反応容器内で
    前記下地被膜上にダイヤモンド状炭素膜を形成すること
    を特徴とするダイヤモンド状炭素膜作製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記
    部材は酸化物であることを特徴とするダイヤモンド状炭
    素膜作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3において、前記下
    地被膜は非酸化物であることを特徴とするダイヤモンド
    状炭素膜作製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4において、前記下
    地被膜は窒化珪素膜または炭化珪素膜であることを特徴
    とするダイヤモンド状炭素膜作製方法。
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US6579833B1 (en) 1999-09-01 2003-06-17 The Board Of Trustees Of The University Of Illinois Process for converting a metal carbide to carbon by etching in halogens
EP1262674A3 (en) * 2001-05-29 2006-10-04 NSK Ltd. Rolling sliding member and rolling apparatus

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