JPH11285920A - 金属チューブ縦割り切断機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】帯鋸でチューブを縦割りに切断する間中、チュ
ーブ進行のセンタリングを保証する。 【解決手段】押し棒１により後端側で被切断チューブＴ
を前方へ押し、該チューブＴを、押し棒Ｔ前方のガイド
穴２ａへの挿通下に前進させ、チューブＴのラジアル方
向へ刃部３ａが走る帯鋸３で、チューブＴを縦割りに切
断するようになっている金属チューブ縦割り切断機にお
いて、前記ガイド穴２ａは、帯鋸刃部３ａ走行方向前側
の側面を、該帯鋸刃部３ａ走行線と平行するガイド穴２
ａ中心線上で挟角に交わる屈曲面２０，２０にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金属チューブのた
めの縦割り切断機に関する。

【０００２】

【従来の技術】金属チューブの縦割り切断は、熱交換チ
ューブ等において、内面の腐食検査をするのに必要とさ
れる。

【０００３】金属チューブを縦割り切断する通常の従来
技法は、在り来たりの汎用切断機を適用する仕様のもの
である。

【０００４】この従来技術では、切断機に取り付けたチ
ューブを、当初取付け状態のまま、一端から他端まで連
続切断することができない、また一台の切断機で複数本
のチューブの同時切断を為し得ない問題があった。

【０００５】この問題を解消したものとして、本出願人
の提案に係る特許第６１９５３号（特開平６ー２７００
１３号）の発明の金属チューブ縦割り切断機がある。

【０００６】この特許発明では、ガイド穴に被切断チュ
ーブの前端側を挿通し、同チューブを後端で押し棒によ
り前方へ押して、チューブの送りを行っている。

【０００７】そして、チューブの縦割り切断は、チュー
ブのラジアル方向へ刃部が走る帯鋸で行う。切断中チュ
ーブは、ガイド穴内で帯鋸刃部の走行方向へ押しやれ
る。

【０００８】この特許発明では、チューブの前進を案内
するガイド穴が全周丸形であるため、帯鋸刃部によるチ
ューブの前記押しやりで、ガイド穴に対するチューブ前
進のセンタリングが崩れることがある。チューブ前進の
センタリングが崩れると、チューブ縦割り切断の円滑性
が保証されない。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、チュ
ーブ前進のセンタリングが崩れる問題を解消するにあ
る。

【００１０】また本発明は、必要とあれば、合目的の下
に、チューブの縦割り切断成果を良化できるようにもす
ることを課題としている。

【００１１】更に本発明は、必要ならば、被切断チュー
ブ押し棒をロープ牽引で前進させる場合、そのロープ牽
引システムの有用性を高めるようにもすることを課題と
している。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記課題解決のため本発
明では、押し棒により後端側で被切断チューブを前方へ
押し、該チューブを、前記押し棒前方の穴型ガイドへの
挿通下に前進させ、該チューブのラジアル方向へ刃部が
走るエンドレスの帯鋸で、被切断チューブを縦割りに切
断するようになっている金属チューブ縦割り切断機にお
いて、前記ガイドの穴は、前記帯鋸刃部の走行方向前側
の側面を、該帯鋸刃部の走行線と平行するガイド穴中心
線上で挟角に交わる屈曲面に形成する。

【００１３】本発明において被切断チューブの縦割り切
断自体は、上記特許発明におけると同様である。

【００１４】本発明では、被切断チューブの挿通下に、
該チューブの進行を案内するガイド穴の所定側の側面
が、帯鋸刃部の走行線と平行する該ガイド穴中心線上で
挟角に交わる屈曲面になっている（この点を構成Ａとす
る）。

【００１５】構成Ａによると、切断中ガイド穴内で、帯
鋸刃部の走行方向へ押しやれるチューブは、その押しや
りで、ガイド穴中心線上で挟角に交わるガイド穴側面の
屈曲面に当接する。このためチューブは、中心がガイド
穴中心線と一致する態勢を、切断中保持する。即ち、被
切断チューブは、帯鋸で切断される間中、進行のセンタ
リングを保証される。

【００１６】本発明においては、帯鋸がチューブを切断
する領域の入り側及び出側の双方又は少なくとも何れか
に、該領域の帯鋸に指向する空気噴射ノズルを配置する
ことが好ましい。このケースでは、前記ノズルからの噴
射空気により、切り屑が吹き払われると共に、チューブ
切断部が冷却される。即ち、前記空気噴射ノズルが、切
り屑詰まりの回避及びチューブ切断部の冷却に寄与し、
合目的の下に、チューブの縦割り切断成果が良化され
る。

【００１７】本発明では、被切断チューブ押し棒がロー
プで前方へ牽引されるようになっている（この点を構成
Ｂとする）ことが望ましい。構成Ｂは構成Ａとの併合
で、次の成果をもたらす。

【００１８】ロープ牽引システムは、構造簡単、メンテ
ナンスが容易、コストが安価等の点で有用である。半
面、ロープでの牽引は、被切断チューブを直進させる機
能を欠く。

【００１９】この点の欠如を本発明では構成Ａが補う。
構成Ａは、チューブ進行のセンタリングを保証するた
め、ロープ牽引によるチューブ直進機能の欠如を補う役
割をする。

【００２０】これと異なり、構成Ａを欠く穴型ガイドに
よる案内の下に、構成Ｂで被切断チューブを前進させる
様式（この様式に相当するのが、前示特許発明のチュー
ブ押し棒牽引システムである。）では、チューブ進行の
センタリングが崩れることがあるので、ロープ牽引での
チューブ直進機能の欠如を補うまでには至らない。

【００２１】このように本発明で、ロープ牽引でのチュ
ーブ直進機能の欠如を補うことは、被切断チューブのた
めのロープ牽引システムの前示有用性を高め得る意義が
ある。

【００２２】前記ロープはドラムで巻き上げられるよう
になっていて、そのドラムが多段的に駆動速度変更可能
であるのがよい。このケースによると、被切断チューブ
の材質、肉厚、硬さ等の状況に応じて、ドラムによるロ
ープの巻き上げ速度、換言すれば被切断チューブの進行
速度を調節できる。

【００２３】本発明において帯鋸は、多段的に駆動速度
変更可能であることが好ましい。このケースでは、被切
断チューブの材質、肉厚、硬さ等の状況に応じて、帯鋸
の駆動速度を調節できる。

【００２４】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態につき、図面を
参照して、次に説明する。金属チューブ縦割り切断機に
は、総括的に参照符号Ｉを付した。 金属チューブ縦割
り切断機Ｉは、金属の被切断チューブＴを前方へ押すた
めの押し棒１、チューブＴを挿通して進行を案内する穴
型ガイド２、チューブＴを縦割りに切断するための帯鋸
３を具有する。

【００２５】帯鋸３は、既述した理由により、多段的に
駆動速度を変更し得るタイプのものを適用するとよい。

【００２６】押し棒１は、先端部をチューブＴの一端部
に差し入れて、チューブＴを他端側（前方）へ押す第１
の部位１ａと、該部位１ａの後端に一端が連なり他端が
前方に延びる第２の部位１ｂとを有する。第２の部位１
ｂの先端には、ロープ４端末のループ部４ａを引っ掛け
る凹窪部１ｃが形成されている。

【００２７】ガイド２は、図示の例では、入り口部に該
口部の横断方向に割れた割り溝２２（図４参照）がある
前側ガイド２ー１と、該前側ガイド２ー１の後方に間隔
をおいて配置された後側ガイド２ー２とを包含する形式
になっている。またガイド２は、ガイド穴２ａが帯鋸刃
部３ａの走行方向へ一列に並んだ形式になっている。

【００２８】帯鋸３は、刃部３ａの一部が前側ガイド２
ー１の割り溝２２中を通るように配置されている。帯鋸
３は図１（Ａ）の反時計回り方向に駆動される。

【００２９】ガイド穴２ａは、帯鋸刃部３ａの走行前側
の側面が、ガイド穴２ａ中心線上で挟角に交わる屈曲面
２０，２０に形成されている。該中心線は、帯鋸刃部３
ａの走行線と平行する。

【００３０】前記ロープ４の始端は牽引機５の巻上げド
ラム６に係着されている。牽引機５は、巻上げ機を適用
できる。

【００３１】金属の被切断チューブＴは、ガイド２のガ
イド穴２ａに、チューブＴ一端側を図１（Ｂ）の下方か
ら上方へ挿通する。このチューブＴの後端に押し棒１の
第１の部位１ａ先端部を差し入れ、該押し棒１の第２の
部位１ｂの凹窪部１ｃにロープ４端末のループ部４ａを
引っ掛ける。

【００３２】こうして、切断機Ｉへの被切断チューブＴ
のセッティングが終わると、牽引機５の巻上げドラム６
を駆動する。

【００３３】すると、牽引機５のロープ４で押し棒１が
前方（図１（Ｂ）上方へ牽引され、該押し棒１で被切断
チューブＴがガイド２の穴２ａ中を前方へ進行される。

【００３４】押し棒１をロープ４で牽引し、そのロープ
４をドラム５で巻上げるようにする場合、既に述べた理
由により、該ドラム５は多段的に駆動速度を変更し得る
タイプのものであることが望ましい。

【００３５】このガイド穴２ａ中を進行するチューブＴ
は、該チューブを横断して走る帯鋸３により縦割りに切
断される。

【００３６】切断中、チューブＴは、ガイド２の所定側
の側面に形成した所定態様の屈曲面２０，２０により、
進行をセンタリングされる。

【００３７】前述した理由により、帯鋸３におけるチュ
ーブＴ切断領域の入り側及び出側の双方又は少なくとも
何れかに、該領域の帯鋸に指向する空気噴射ノズル７を
配置することが好ましい。

【００３８】

【発明の効果】上述したところから明らかなように、本
発明は次の効果を奏する。

【００３９】１．帯鋸で被切断チューブを切断する間
中、該チューブ進行のセンタリングを保証する。 ２．帯鋸におけるチューブ切断領域の入り側及び出側の
双方又は少なくとも何れかに、該領域の帯鋸に指向する
空気噴射ノズルを配置するときは、その空気噴射ノズル
が、切り屑詰まりの回避及びチューブ切断部の冷却に寄
与し、合目的の下に、チューブの縦割り切断成果を良化
できる。

【００４０】３．押し棒をロープで前方へ牽引する場
合、ロープ牽引でのチューブ直進機能の欠如を補う。即
ち、被切断チューブのためのロープ牽引システムの有用
性を高め得る。

【００４１】４．ドラムで巻き上げられて押し棒を前方
へ牽引するロープを更に具有し、該ドラムが多段的に駆
動変更可能であるときは、被切断チューブの材質、肉
厚、硬さ等に応じて、被切断チューブの進行速度を調節
できる。

【００４２】５．帯鋸が多段的に駆動速度変更可能であ
るときは、被切断チューブの材質、肉厚、硬さ等に応じ
て、被切断チューブの進行速度を調節できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（Ａ）は本発明に係る金属チューブ縦割り
切断機の一例を示す正面図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）の
平面図である。

【図２】図１に示された切断機の側面図を示す。

【図３】図１に示された切断機におけるガイド穴の拡大
図である。

【図４】ガイド穴に被切断チューブを挿通した状態の縦
断側面図を示す。

【図５】押し棒の一例を示す側面図である。

【図６】空気噴射ノズルの配置態様を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

Ｔ 被切断チューブ １ 押し棒 ２ ガイド ２０ 屈曲面 ２ａ ガイド穴 ３ 帯鋸 ３ａ 帯鋸刃部 ４ ロープ ５ 牽引機 ６ 巻上げドラム ７ 空気噴射ノズル

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】押し棒により後端側で被切断チューブを前
   方へ押し、該チューブを、前記押し棒前方の穴型ガイド
   への挿通下に前進させ、該チューブのラジアル方向へ刃
   部が走る帯鋸で、被切断チューブを縦割りに切断するよ
   うになっている金属チューブ縦割り切断機において、前
   記ガイドの穴は、前記帯鋸刃部走行方向前側の側面が、
   該帯鋸刃部の走行線と平行するガイド穴中心線上で挟角
   に交わる屈曲面になっていることを特徴とする金属チュ
   ーブ縦割り切断機。
2. 【請求項２】帯鋸におけるチューブ切断領域の入り側及
   び出側の双方又は少なくとも何れかに、該領域の帯鋸に
   指向して配置された空気噴射ノズルを更に具有する請求
   項１記載の金属チューブ縦割り切断機。
3. 【請求項３】請求項１または２記載の金属チューブ縦割
   り切断機において、押し棒を前方へ牽引するロープを更
   に具有する金属チューブ縦割り切断機。
4. 【請求項４】押し棒を前方へ牽引するロープがドラムで
   巻き上げられるようになっており、該ドラムが多段的に
   駆動速度変更可能である請求項３記載の金属チューブ縦
   割り切断機。
5. 【請求項５】帯鋸が多段的に駆動速度変更可能である請
   求項１から４の何れかに記載の金属チューブ縦割り切断
   機。