JPH11285319A - 育苗ポットへの培地装填方法 - Google Patents

育苗ポットへの培地装填方法

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JPH11285319A
JPH11285319A JP10090186A JP9018698A JPH11285319A JP H11285319 A JPH11285319 A JP H11285319A JP 10090186 A JP10090186 A JP 10090186A JP 9018698 A JP9018698 A JP 9018698A JP H11285319 A JPH11285319 A JP H11285319A
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JP
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seedling
compression
culture medium
pot
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Application number
JP10090186A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Tachibana
俊彦 立花
Kosen Kamiya
弘践 上谷
Kenji Yoshinari
賢治 吉成
Shunichi Suzuki
俊一 鈴木
Hiroshi Suzuki
宏 鈴木
Yoshihisa Ishiyama
佳寿 石山
Hideaki Fukuyama
英昭 福山
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Publication date
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 この種の従来例としては、育苗ポットにピー
トモス等を所定の形状に圧縮成形した人口培地を手で1
個づつ装填していた。併し乍ら、所定の形状に圧縮成形
した人口培地を適正な姿勢で装填する作業は、非常に作
業効率が悪く、然も、適正な姿勢で装填したつもりで
も、育苗ポット内で培地が回転してしまい不適正な姿勢
になっていることがあった。尚、不適正な姿勢のままで
水を加えて復元すると、適切な形状の復元が行なえず、
播種作業が行なえなくなる。 【解決手段】 育苗ポット5に所定の形状に成形した圧
縮成形培地を入れた後に、該育苗ポット5の底側から水
又は空気を入れて、圧縮成形培地を適正な姿勢にする育
苗ポットへの培地装填方法としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、野菜や水稲や花
卉等の播種時に、育苗ポットに圧縮成形培地を装填する
方法に関する。
【0002】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】この種の従
来例としては、育苗ポットにピートモス等を所定の形状
に圧縮成形した人口培地を手で1個づつ装填していた。
併し乍ら、所定の形状に圧縮成形した人口培地を適正な
姿勢で装填する作業は、非常に作業効率が悪く、然も、
適正な姿勢で装填したつもりでも、育苗ポット内で培地
が回転してしまい不適正な姿勢になっていることがあっ
た。尚、不適正な姿勢のままで水を加えて復元すると、
適切な形状の復元が行なえず、播種作業が行なえなくな
る。
【0003】
【課題を解決するための手段】従来の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、育苗ポット5に所定の形
状に成形した圧縮成形培地1を入れた後に、該育苗ポッ
ト5の底側から水又は空気を入れて、圧縮成形培地1を
適正な姿勢にする育苗ポットへの培地装填方法としたも
のであり、請求項2記載の発明は、中途部まで水を入れ
た状態の育苗ポット5に所定の形状に成形した圧縮成形
培地1を入れて、圧縮成形培地1を適正な姿勢にする育
苗ポットへの培地装填方法としたものであり、請求項3
記載の発明は、底側から空気を入れた状態の育苗ポット
5に所定の形状に成形した圧縮成形培地1を入れて、圧
縮成形培地1を適正な姿勢にする育苗ポットへの培地装
填方法としたものである。
【0004】
【発明の作用効果】請求項1記載の発明は、育苗ポット
5に所定の形状に成形した圧縮成形培地1を入れた後
に、該育苗ポット5の底側から水又は空気を入れて、圧
縮成形培地1を適正な姿勢にする育苗ポットへの培地装
填方法としたものであるから、容易に育苗ポット5内の
不適正な姿勢の圧縮成形培地1が適正な姿勢になるの
で、育苗ポットへの培地装填作業が効率良く行なえる。
従って、水を加えることにより、育苗ポット5内で圧縮
成形培地1が適切な形状に復元し、適切な播種作業が行
なえる。
【0005】請求項2記載の発明は、中途部まで水を入
れた状態の育苗ポット5に所定の形状に成形した圧縮成
形培地1を入れて、圧縮成形培地1を適正な姿勢にする
育苗ポットへの培地装填方法としたものであり、請求項
3記載の発明は、底側から空気を入れた状態の育苗ポッ
ト5に所定の形状に成形した圧縮成形培地1を入れて、
圧縮成形培地1を適正な姿勢にする育苗ポットへの培地
装填方法としたものであるから、容易に育苗ポット5内
に適正な姿勢で圧縮成形培地1を装填することができ、
非常に作業効率が良い。
【0006】
【発明の実施の形態】この発明の実施の一形態であるレ
タス・白菜・キャベツ・ブロッコリー・玉葱・ネギ等の
野菜苗や水稲の成苗を播種育苗する場合について、以下
に詳述する。図1に示すものは、圧縮成形した培地(圧
縮成形培地)1の一実施例で、タブレット(錠剤)の形
状に成形したものである。そして、この培地1の材料と
なる植物繊維を含む材料としては、ピートやヤシ類の果
実繊維(ヤシの実の果肉部の繊維を圧搾裁断したも
の)、おが屑、樹皮(バーク)などを用いることができ
る。特に、好ましいのはピートであって、しかもそのう
ち、ミズゴケ類が堆積してできたピートモスが最も好ま
しい。尚、ピートモスとヤシ類の果実繊維等を混合した
材料を用いることもできる。
【0007】以下に、最適のピートモスにて圧縮成形培
地を形成する例を説明する。ピートモスは、含水率約3
0%以下に乾燥すると撥水性が顕著となる。そのため、
ピートモスを圧縮成形する材料に使用する場合は、それ
が乾燥していると、圧縮成形後使用時に水で膨張させる
とき、その水が吸収されにくくなり、取扱いが不便とな
る。そこで、圧縮成形前にピートモスの内部(ピートモ
スの内部には、網の目状に小さな空間が仕切られて多数
存在する)にベントナイト或はモンモリロナイト或はカ
オリン等の粘土質材(ホルマイト系鉱物でも良い)を入
れて、それを乾燥して圧縮成形すれば、圧縮成形された
ピートモスが乾燥していても非常に吸水しやすいものと
なり、上記問題は解消される。また、ベントナイト或は
モンモリロナイトは粘土成分の一種で天然の物から抽出
できるものであるが、化学物質のものを用いるならば、
アルキレンオキサイド系やエステル系の非イオン活性剤
等の界面活性剤を撥水防止剤として用いることができ
る。
【0008】また、ピートモスは、一般にpH3.5〜
5.5と、pHが低いため、消石灰や生石灰、苦土石
灰、炭酸カルシウムなどでpH調節を行う。尚、取扱易
さと効果の面から消石灰が好ましい。ところで、上記ベ
ントナイト或はモンモリロナイトは、ピートモスを圧縮
成形する時のバインダーとして作用する粘結剤にもな
り、成形時の粘結効果を高めるものとなる。更に、バイ
ンダーとしてアルギン酸ナトリウム等を添加しても良
い。
【0009】また、圧縮成形した培地1が水を含んで膨
張するときの膨張倍率を大きくするため、前記ピートモ
ス等の植物繊維を含む材料に、市販の高吸水性ポリマー
等を混入させて用いることもできる。次に、上記の培地
を圧縮成形する例を説明すると、圧縮成形にはプレス機
を用い、下型2の円筒状の穴内に材料(ピートモスの内
部空間にベントナイト等粘土質材又は界面活性剤を入れ
て乾燥させたもの、尚、ピートモスの表面は当然粘土質
材又は界面活性剤にて被膜されている)を詰めて上型3
の円筒状突部が上方から下降して圧縮成形する(図2参
照)。このときの圧縮する圧力は、材料の含水率によっ
て異なるが、50〜300kg/cm2 の圧力で圧縮す
ると良好に圧縮成形できる。また、圧縮する材料の含水
は、ピートモスの圧縮の場合、繊維質を傷めないよう、
45〜60%の含水率のものが好ましい。
【0010】また、具体的な寸法を示すと、圧縮成形培
地1の大きさは、直径D1=15mm、高さH1=15
mmの円筒形状に圧縮成形されている。そして、上記の
ように成形された培地1は、ビニール袋に入れた状態で
段ボール箱に梱包して輸送する。次に、図3の斜視図・
図4の平面図・図5の底面図に示す育苗トレイ4は、発
砲スチロールを材料として成形したもので、図6及び図
7に示されるような平面視が円形で断面形状がコップ状
の育苗ポット5…を多数設けたものである。そして、各
育苗ポット5には、内側面5aから底面5bに到るL字
状の溝9・9・9・9が複数箇所(図面では4箇所)形
成されており、その底部には育苗時の水抜け孔であり、
苗育苗後に苗を押し出す為に苗押出し棒7や指等を差し
込むことのできる孔6…が開けられている。尚、各溝9
・9・9・9は、育苗ポット5の上部からこの孔6まで
連通しており、苗を育苗するときに、空気が自由に育苗
ポット5の上部から各溝9・9・9・9及び孔6を通っ
て下部まで流れるようになっている(勿論、逆に、空気
が自由に育苗ポット5の下部から孔6及び各溝9・9・
9・9を通って上部まで流れるようになっている)。ま
た、育苗の灌水時には、育苗ポット5内の培地に上面及
び各溝9・9・9・9から側面に水が浸透するので灌水
も容易であり、また、余分な水は各溝9・9・9・9及
び孔6から排水されるので水が過分に溜って根腐れを起
こすことの防止にもなる。
【0011】そして、育苗ポット5の内容部の大きさ
は、具体的な寸法を示すと、底部直径D3=18mm、
上端開口部の口径D2=23mm、深さH2=37mm
に形成されている。次に、図8に示す底面灌水装置10
は、育苗トレイ4が1つ入る大きさの水を貯めておくこ
とができる箱状のプール部11と、該プール部11に水
を入れる給水部12と、プール部11内の水を底面より
排水する排水部13とより構成されている。そして、給
水部12には給水弁12aが設けられており、水の給水
及び停止が手動で行なえるようになっており、排水部1
3には排水弁13aが設けられており、水の排水及び停
止が手動で行なえるようになっている。また、プール部
11には、プール部11内に水が貯められた時に育苗ト
レイ4が浮き上がるのを育苗トレイ4の上面を係止して
止める固定係止板14・14と可動係止板15・15と
が設けられている。尚、固定係止板14・14は、プー
ル部11の外側面に基部が固定されたL字状に構成され
ている。また、可動係止板15・15は、プール部11
の外側面に固定された基部に対して回動自在に構成さ
れ、プール部11の外側面と平行な起立した状態から図
8の係止状態になる方向に巻きバネにて付勢されてい
る。
【0012】ここで、図8〜図11に基づいて、上記の
育苗トレイ4の各育苗ポット5…内に圧縮成形培地1を
各々装填して、底面灌水装置10にて圧縮成形培地1を
復元する作業状態を説明する。先ず、育苗トレイ4の各
育苗ポット5…内に圧縮成形培地1を培地装填装置や手
作業で各々1個づつ装填する。この圧縮成形培地1を装
填した場合、育苗ポット5内で圧縮成形培地1は図9に
示すように色々な姿勢になっている(図9で、右端が適
正な姿勢、左端と中央は不適正な姿勢)。
【0013】そして、底面灌水装置10の可動係止板1
5・15を手で起立させた状態にして全ての育苗ポット
5…内に圧縮成形培地1が装填された育苗トレイ4をそ
の上面が固定係止板14・14に係止された状態にして
底面灌水装置10内に載置し、可動係止板15・15か
ら手を離して育苗トレイ4の上面が固定係止板14・1
4と可動係止板15・15とで係止された状態にする。
【0014】次に、給水弁12aを操作して、給水部1
2より水をプール部11内に図10に示す水位まで給水
する。すると、図10のように、各育苗ポット5…内で
圧縮成形培地1は浮き上がり(主成分がピートモスであ
るから、水に浮く)、不適正な姿勢のものが適正な姿勢
となる。そして、排水弁13aを操作して、図11に示
す水位まで排水部13より水を排水する。すると、図1
1に示すように全ての育苗ポット5…内の圧縮成形培地
1…は適正な姿勢となり、そのまま水を吸収して膨張
し、図12に示すように育苗ポット5の内側面との間に
少し空隙が残り、上端開口部からH3=1〜2mm突出
するような大きさの培地1’になる。このとき、圧縮成
形培地1…は、ピートモスの内部空間にベントナイト等
の粘土質材が入り込んでいると共に、その表面には粘土
質材の微粒子が付着して被膜が形成されているので、急
速に水を吸収して膨張する。
【0015】このように、非常に容易に、育苗ポット5
内での圧縮成形培地1の復元を適正な姿勢で行なえる。
尚、上記実施例では、給水弁12a及び排水弁13aを
手動にて操作する例を示したが、箱状のプール部11に
水位センサーを設けて、プール部11に育苗トレイ4を
載置すると、自動的に給水弁12a及び排水弁13aを
制御して水位が自動的に変わるように構成しても良い。
また、プール部11に複数の育苗トレイ4を並列して載
置する構成にしても良い。
【0016】一方、上記実施例では、育苗ポット5…内
に圧縮成形培地1…を装填した後に、底側から水を入れ
て不適正な姿勢の圧縮成形培地1を適正な姿勢にする例
を示したが、先に、育苗ポット5…に図10の水位まで
水を入れた状態にしておいて、その上方から圧縮成形培
地1を入れても良い。その場合、育苗ポット5内で圧縮
成形培地1は適正な姿勢で水に浮かぶので、その後、図
11の水位まで排水して復元させれば、容易に、育苗ポ
ット5内での圧縮成形培地1の復元を適正な姿勢で行な
える。
【0017】そして、可動係止板15・15を手で起立
させた状態にして、育苗トレイ4をプール部11から取
り出す。その後、平坦な場所に置いて、各育苗ポット5
…に対応する押圧突起49を有する一般的なポット用鎮
圧ローラー47にて、育苗トレイ4の育苗ポット5…内
の膨張した培地1…を上から押圧作用して図13のよう
に鎮圧し、圧縮成形培地1…間の内部の空隙を無くして
ポット内形状の培地1’にすると共に、その突起49が
表面に播種穴50を形成する(図14)。
【0018】最後に、各育苗ポット5…内の培地1’の
播種穴50に播種し、覆土65する(図15)。尚、野
菜の場合は、覆土65にバーミキュライトを用いると、
比重が軽いので、種子が出芽し易く出芽率が向上し、ま
た、保水性が良いので育苗も容易である。このようにし
て播種作業を終えた育苗トレイ4は、格子状若しくは網
状の台の上に載置して、灌水して育苗される。その時、
上記のように各育苗ポット5に適切な培地の充填がなさ
れるのであるが、仮に、培地1の角が欠けていて、膨張
後に押圧しても適切な培地の充填が行なわれなかった場
合にも、バーミキュライトや土等の覆土65で育苗ポッ
ト5内の培地を適切な量に補正できて、個々の苗が不均
一に成長したり苗の育苗に支障を来したりすることな
く、良好な育苗が行なえて、良質の苗を得ることができ
る。そして、適度に成長した苗は栽培圃場に移植される
が、このとき、育苗ポット5…の底部の孔6…に苗押出
し棒7…を差し込むか指で押し上げることにより育苗ポ
ット5…内に収容された苗を押し出すと容易に苗を育苗
トレイ4の育苗ポット5…から取り出すことができる
(図16)。尚、覆土65にはバーミキュライトを用い
ると、比重が軽いので、種子が出芽し易く出芽率が向上
し、また、保水性が良いので育苗も容易である。
【0019】そして、育苗時には、ポット内の培地1’
の主成分がピートモスであるので、保水性が良くて育苗
作業が容易であり、良質の苗を簡単に育成でき、然も、
育苗が終了した苗を圃場への移植の為に圃場まで運ぶ際
にも、軽量であるから、従来の土のように重労働ではな
く非常に作業が容易である。また、野菜苗の場合、圃場
は畑であるが、この育苗された苗は根部に培地1’の主
成分である保水性の良いピートモスを持ったまま移植さ
れるので、苗は容易に圃場に活着する(移植後に雨が降
らなくて、多少、圃場が乾いても、苗の根部の培地1’
は保水性が良い為)。従って、良好なる野菜作が行なえ
る。
【0020】また、この育苗トレイ4の各育苗ポット5
…には溝9…が設けられており、培地1’が膨張時に溝
9…内に入り込んで溝を埋めてしまわないので、溝9…
内には空間が形成されている。従って、育苗時に、苗の
根が伸長して培地内から溝9…内に出て伸びようとした
とき、エアープルーニング効果により、そこで根の伸長
が止まる。よって、根が培地外周面に沿って過密に巻い
た状態になるのが防止されることと併せて、溝9…部で
根の伸長が止まる分、培地内で側根の成育が旺盛となる
ので、圃場へ移植したときの苗の活着が良好となる。
(尚、根が伸長し過ぎて培地外周面に沿って過密に巻い
た状態になると、移植後、圃場に活着しようとする新し
い根が培地外周面に過密に巻いた根に阻止されて、培地
の外の土壌に根が伸長しにくくなり活着しにくくなる問
題がある。)また、上記のような育苗上の効果を有する
育苗ポット5…を形成した育苗トレイ4を用いた育苗を
行うとき、圧縮成形培地1は、育苗ポット5に合わせた
円柱形状であるから、水を含んで膨張した時に溝9…内
を培地が塞ぐことがない。特に、前記のように、圧縮成
形培地1を、その圧縮された方向が上下方向となる姿勢
で各育苗ポット5内に入れ、そのように入れた圧縮成形
培地1に水を含ませることで培地1を各育苗ポット5内
で膨張させて充満させ、育苗ポット5内に培地を充填す
る方法をとると、その圧縮成形培地1は、水を含むと水
平方向には大きく膨張せず上下方向に大きく膨張するか
ら、溝9…内を埋めるように培地が入り込むことがなく
溝9…内に空間が形成される状態に培地を育苗ポット5
内に充填することが容易に行なえる。従って、この育苗
ポット5…の溝9…によるエアープルーニング効果を充
分に奏する状態での播種、育苗が容易に行なえるものと
なる。
【0021】尚、植物繊維を含む材料を圧縮成形した培
地1には、圧縮成形後、水を含ませて膨張させると、圧
縮成形時の圧縮方向とは略々反対方向に向かう膨張が大
きいという特性がある。例えば、図1に示すタブレット
の形状の圧縮成形培地1を、ピートモスを用いて、上下
方向から圧縮して成形したところ、圧縮成形時の大きさ
が直径15mm×高さ15mmの大きさのものが、水を
含んで膨張すると、圧縮方向の反対方向の膨張が、高さ
15mmから高さ38〜39mmとなって約2.5倍の
膨張となり、圧縮方向に交差する方向の膨張が、直径1
5mmから直径18〜19mmとなって約1.2倍の膨
張となった。
【0022】一方、育苗トレイ4は、発砲スチロールを
材料として成形され各育苗ポット5の内側面5aと底面
5bとで培地1’を覆った状態になっているので、断熱
性が良くて根部の温度が必要以上に上がることが防止さ
れ、夏場の熱い時期に苗を育苗しても、苗がひょろ長く
伸びてしまう徒長を防止でき、健全な苗の育成が行なえ
ると共に、育苗トレイ4の各育苗ポット5の各苗を均一
に成育させることができる。
【0023】そして、圧縮成形培地1は、前記のよう
に、水を含むと圧縮方向とは略々反対方向に大きく膨張
するが、その膨張後の培地1’は、膨張方向(上下方
向)の剪断に対しては強く、その膨張方向と交差する方
向(左右方向)の剪断に対しては弱い特性がある。従
来、エアープルーニング効果により根巻きが起こってい
ない苗の茎を持って上方に引っ張って抜こうとすると、
根が培地に絡んでいないため苗だけが引き抜かれてしま
って培地ごと苗を引き抜くことはできにくく、また、育
苗ポットの底部の孔に棒を押し込んで培地ごと苗を取り
出そうとしても、根が培地に絡んでいないため底部に押
し込んだ棒が土を崩してしまい培地ごと苗を押し上げる
ことはできにくい問題がある。
【0024】そこで、圧縮成形培地1…をその圧縮され
た方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポット5…内に入
れ、該培地1…に水を含ませて培地1…を各育苗ポット
5…内で膨張させて充満させ、その後、該膨張後の培地
1’…に播種して育苗する育苗方法をとることにより、
各育苗ポット5…内で育苗された苗の培地1は上下方向
の剪断に対して強いことになるから、苗の茎を持って上
方に引っ張って抜くことができ、また、育苗ポット5…
の底部の孔6…に苗押出し棒7…を差し込んで育苗ポッ
ト5…内に収容された苗を押し出すときに培地1が崩れ
にくく、苗の根があまり伸びていないときでも、従来に
比べて苗を育苗ポット5…から取り出しやすくなる。従
って、移植機にて苗の植付けができる適応性の高い苗
(各育苗ポット5…内から上方に引き抜く装置や下方か
ら押し出す装置にて抜きやすい苗)を育成することがで
きる。
【0025】次に、圧縮成形培地1の他の例として図1
7に示すものは、内部にLPコート肥料16(肥料の表
面を加水分解する物質でコーティングしたもので、コー
ティングが加水分解した後に肥料が利きだすもの。)を
内装した状態で、培地1をタブレット(錠剤)の形状に
圧縮成形した例を示す。そして、このLPコート肥料1
6は、培地1の中心位置Oの真下の位置に内装されてい
るので、その重心は中心位置Oよりも下方位置になって
いる。この例によると、培地1は主成分がピートモスで
あるから水持ちが良くて通水性も良いために、育苗初期
の成育スピードが早い。ところが、この通水性が良いこ
とが禍して肥料切れが起こり易いという欠点がある。そ
こで、例えば、葉菜類にはコーティングが育苗時の灌水
により20日で加水分解して肥料が利きだすものを用い
ると、育苗時において、発芽時には肥料が無いので発芽
が良く、苗の成育が進んでからコーティングの加水分解
により肥料が利くので、苗の成育調整が任意に行なえて
育苗が容易となる。尚、玉葱・ネギ等の場合には、コー
ティングが育苗時の灌水により60日で加水分解して肥
料が利きだすものを用いると良い。
【0026】一方、前記底面灌水装置10にて圧縮成形
培地1を復元する場合に、給水部12より水をプール部
11内に図10に示す水位まで給水して、各育苗ポット
5…内で圧縮成形培地1が浮き上がった時、その重心は
中心位置Oよりも下方位置になっているので、不適正な
姿勢のものが容易に且つ確実に適正な姿勢となる。尚、
重心を中心位置Oよりも下方位置にする方法としては、
図2の圧縮形成時に、圧縮成形培地1の底部に砂等の重
い材質を入れるか、底部のベントナイトの量を多くして
も良い。
【0027】尚、育苗ポット5が平面視円形なので、上
記圧縮成形培地1の平面視形状も円形のものを用いる
が、育苗ポットが平面視四角形であれば、それに入れる
圧縮成形培地の平面視形状も四角形のものを用いると、
育苗ポット内に入れた培地に水を含ませて膨張させたと
き、適確に育苗ポット内に培地が充満する。よって、圧
縮成形培地の平面視形状は、それを入れる育苗トレイの
育苗ポットの平面視形状に合わせたものとすると、良好
に育苗ポット内に培地を充満させられる。このように、
培地は、錠剤状、円柱状、球状、又は平板状の如何なる
形状に圧縮成形しても良い。
【0028】尚、上記の例においては、育苗トレイ4と
して育苗ポット5を多数配列した例を示したが、植木鉢
のような一つの育苗ポットよりなる育苗トレイに本願発
明を用いても良いことは、謂うまでもない。次に、育苗
トレイ4の各育苗ポット5…に圧縮成形培地1…を装填
する培地装填装置20について説明する。
【0029】21は透明の合成樹脂板で形成された箱状
培地装填体で、一定のピッチで培地装填孔22…が形成
された底板23と横側板24・24と縦側板25・25
とにより構成されている。26はこれも透明の合成樹脂
板で形成された板状の培地装填体で、前記箱状培地装填
体21の縦側板25・25の下端と底板23との間に形
成された挿通孔27・27に挿通し、底板23と接して
左右方向にのみスライド可能に設けられている。そし
て、この板状の培地装填体26にも培地装填孔28…が
前記培地装填孔22…と同一のピッチで設けられてお
り、この両培地装填孔22…と28…とが合致する状態
と合致しない状態とに培地装填体26は箱状培地装填体
21に対してスライドできるように構成されている。
【0030】尚、培地装填孔22は、培地装填孔28よ
りもその直径は大きく形成されている。そして、培地装
填孔28の直径と圧縮成形培地1との具体的な寸法関係
は、圧縮成形培地1の側面視の対角距離Lよりも培地装
填孔28の直径の方が大きく、且つ、培地装填孔28の
直径の半分よりも圧縮成形培地1の高さH1の方が大き
い関係になっている。即ち、培地装填孔28の直径の半
分よりも圧縮成形培地1の高さH1の方が大きいので、
培地装填孔28内に圧縮成形培地1が2つ入ることは無
く、圧縮成形培地1の側面視の対角距離Lよりも培地装
填孔28の直径の方が大きいので、培地装填孔28内で
圧縮成形培地1が適正な姿勢に容易に回転できて(図2
0参照)、培地装填孔28…への圧縮成形培地1…の適
正な装填が容易に行なえて作業性及び作業効率が良い。
【0031】29は板状の培地装填体26の一側に一体
的に形成された把持部であり、該把持部29には貫通孔
が設けられており、箱状培地装填体21の縦側板25に
設けられた貫通孔とにボルト30・30を挿通してナッ
ト31・31を締め付けて固定し、更に、把持部29と
縦側板25との間のボルト30・30外側に圧縮バネ3
2・32を装着し、把持部29を持って培地装填体26
を箱状培地装填体21に対してバネ32・32に抗して
スライドできるように構成している。
【0032】この培地装填装置20を用いて育苗トレイ
4の各育苗ポット5…に圧縮成形培地1…を装填する方
法を説明すると、先ず、培地装填装置20の箱状培地装
填体21内に圧縮成形培地1…を入れて、培地装填孔2
8…の全てに1個づつ圧縮成形培地1を入れる。このと
き、培地装填孔28の直径の半分よりも圧縮成形培地1
の高さH1の方が大きいので、培地装填孔28内に圧縮
成形培地1が2つ入ることは無く、圧縮成形培地1の側
面視の対角距離Lよりも培地装填孔28の直径の方が大
きいので、培地装填孔28に圧縮成形培地1が倒れた不
適正な姿勢で入っても、培地装填孔28内で圧縮成形培
地1が適正な姿勢に容易に回転できて(図20参照)、
培地装填孔28…への圧縮成形培地1…の適正な装填が
容易に行なえて作業性及び作業効率が良い。
【0033】次に、余った圧縮成形培地1…を横端側の
孔のない部分に寄せて、培地装填装置20を水平状にし
て育苗ポット5…に培地装填孔22…が対応するように
して重ね合わせて、バネ32に抗して把手29を押し、
培地装填体26をスライドさせる。すると、培地装填孔
28…と培地装填孔22…とが合致して培地装填孔28
…に入っていた圧縮成形培地1が培地装填孔22…を通
過して、各育苗ポット5…内に装填される。従って、こ
の培地装填装置20を用いれば、育苗トレイ4の各育苗
ポット5…への圧縮成形培地1…の装填作業が効率良く
行なえる。
【0034】最後に、上記の培地装填装置20にて圧縮
成形培地1…を育苗トレイ4の各育苗ポット5…へ装填
する場合や作業者が手で圧縮成形培地1…を育苗トレイ
4の各育苗ポット5…へ1個づつ装填した時に、育苗ト
レイ4の各育苗ポット5…に圧縮成形培地1…が適正な
姿勢で装填されない場合が多々有る。この場合には、育
苗トレイ4の各育苗ポット5…のピッチに合わせて送風
孔40が開けられた送風装置41の上に、図21のよう
に育苗トレイ4を載置して、育苗トレイ4の各育苗ポッ
ト5…内に底側から送風してやると、圧縮成形培地1…
がその風圧で回転して適正な姿勢になる。また、育苗ト
レイ4の各育苗ポット5…のピッチに合わせて送風孔4
0が開けられた送風装置41の上に図21のように育苗
トレイ4を載置して、育苗トレイ4の各育苗ポット5…
内に底側から送風している状態で、圧縮成形培地1を…
各育苗ポット5…に入れてやると、容易に風圧で適正な
姿勢で圧縮成形培地1が装填される。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮成形培地1の一例を示す斜視図である。
【図2】圧縮成形培地1の圧縮成形の一例を示す側面図
である。
【図3】育苗トレイ4の一例を示す斜視図である。
【図4】育苗トレイ4の平面図である。
【図5】育苗トレイ4の底面図である。
【図6】育苗トレイ4の育苗ポット5の平面図である。
【図7】図6のS1−S1断面図である。
【図8】底面灌水装置10の作用説明斜視図である。
【図9】育苗ポット5内に装填された圧縮成形培地1の
姿勢を示す作用説明図である。
【図10】底面灌水装置10に載置された育苗ポット5
内の圧縮成形培地1の姿勢を示す作用説明図である。
【図11】底面灌水装置10に載置された育苗ポット5
内の圧縮成形培地1の姿勢を示す作用説明図である。
【図12】育苗ポット5へ装填した圧縮成形培地1が水
を含んで膨張が終了した状態を示す断面側面図である。
【図13】ポット用鎮圧ローラー47による作用説明側
面図である。
【図14】播種穴50が形成された状態を示す断面側面
図である。
【図15】播種穴50に播種して覆土65した状態を示
す断面側面図である。
【図16】苗が成育した状態を示す断面側面図である。
【図17】圧縮成形培地1の他の例を示す側面図であ
る。
【図18】培地装填装置20の平面図である。
【図19】培地装填装置20の側面図である。
【図20】培地装填装置20の作用を説明する要部拡大
側断面図である。
【図21】送風装置41の作用を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮成形培地 4 育苗トレイ 5 育苗ポット 10 底面灌水装置 20 培地装填装置 41 送風装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 俊一 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 鈴木 宏 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 石山 佳寿 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 福山 英昭 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 育苗ポット5に所定の形状に成形した圧
    縮成形培地1を入れた後に、該育苗ポット5の底側から
    水又は空気を入れて、圧縮成形培地1を適正な姿勢にす
    ることを特徴とする育苗ポットへの培地装填方法。
  2. 【請求項2】 中途部まで水を入れた状態の育苗ポット
    5に所定の形状に成形した圧縮成形培地1を入れて、圧
    縮成形培地1を適正な姿勢にすることを特徴とする育苗
    ポットへの培地装填方法。
  3. 【請求項3】 底側から空気を入れた状態の育苗ポット
    5に所定の形状に成形した圧縮成形培地1を入れて、圧
    縮成形培地1を適正な姿勢にすることを特徴とする育苗
    ポットへの培地装填方法。
JP10090186A 1998-04-02 1998-04-02 育苗ポットへの培地装填方法 Pending JPH11285319A (ja)

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