JPH1128325A - 板状濾材 - Google Patents

板状濾材

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JPH1128325A
JPH1128325A JP9187048A JP18704897A JPH1128325A JP H1128325 A JPH1128325 A JP H1128325A JP 9187048 A JP9187048 A JP 9187048A JP 18704897 A JP18704897 A JP 18704897A JP H1128325 A JPH1128325 A JP H1128325A
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由治 奥村
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裕平 前田
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克典 松田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】差圧30mmH2O時における通気量が0.5〜1
0L/cm2/minである主として金属繊維よりなる板状濾材
において、金属繊維の表面が実質的に耐熱性樹脂で被覆
されていることを特徴とする板状濾材。 【効果】異物による濾圧上昇や生成異物の脱落による製
品への混入を低減でき、高効率の濾過を長期間にわたっ
て安定に行うことが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は板状濾材、詳しくは主と
して金属繊維より構成され、重合体の製造時および紡
糸、製膜などの成形時に使用される濾過精度に優れ濾圧
上昇の小さい改良された板状濾材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル、ナイロン、アクリ
ルなどの重合時、及び重合されたこれらのポリマーを用
いて製糸あるいは製膜などの成形を行う際にはポリマー
中の異物を除去する目的で濾過が行われている。
【0003】濾過の方法としては、一般に粒状のサンド
を濾材として用い、サンド層を把持するための金網を併
用する方法が多く用いられてきたが、近年では金属粒子
を焼結して成型したもの、金属繊維を焼結して成型した
もの、あるいはこれらを積層したものなど濾材そのもの
を板状に成型した板状濾材が多く用いられている。この
うち、金属繊維からなる濾材、特に不織布状の細い金属
繊維を焼結して得られる板状濾材は3次元的に金属繊維
がランダムに且つ密に圧縮積層されており、ポリマー中
の異物除去性能が高く、他の濾材と比較して濾圧も小さ
いことからポリマー用濾材として最近多く使用されてい
る。このような板状濾材を使用し、製糸などの成形を安
定に行うためには板状濾材にはより精度が高く(絶対濾
過径が小さく)、また経時的な濾圧上昇が小さいという
特性を有することが要求される。この要求に応えるため
に、例えば特開昭62−125013号公報では、ポリ
エステルの紡糸パック内で使用するステンレススチール
繊維からなる不織布濾材の絶対濾過径を巻き取り糸条の
単繊維繊度にあわせて設定することにより濾圧の上昇を
抑制する方法が記載されている。しかし、該公報に記載
されている方法は単に紡糸に使用する濾材の選択に当た
り、要求される精度以上に高度な濾材を使用することに
よって生じる不必要な濾圧上昇トラブルを回避ための濾
材の選択方法を述べているにすぎず、より高い製糸安定
性を目指して濾過を強化した際の濾圧の上昇に対して何
ら解決のための方法を示唆するものではない。
【0004】他の例として、特開平4−174706号
公報には圧縮強度が大きく、濾圧による圧縮変形を受け
にくいステンレススチール不織布からなる濾材が記載さ
れている。かかる濾材を使用すると濾材の圧縮変形に起
因する濾圧の上昇については抑制できるものの、濾圧上
昇要因の本質である濾材中の異物による濾圧の上昇を抑
制する効果は期待できない。
【0005】このように絶対濾過精度の高い金属不織布
濾材を用いてポリマーなどの濾過を行う際に生じる濾圧
の上昇を、濾過精度を損ねることなく抑制する手法につ
いては知られていないのが現状であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは従来の主
にステンレススチールが使用されている焼結された金属
不織布濾材を用いたポリマーの濾過において、経時的に
濾圧上昇が起こる原因について鋭意検討を行った。その
結果、かかる濾圧上昇の原因としては従来より知られて
いる捕捉異物、具体的にはポリマーの熱劣化物や非溶解
物あるいは重合工程で添加される各種添加物、触媒残渣
やその凝集物がポリマーとともに流れてきて濾材上ある
いは濾材内部で捕捉されたもの以外に、多くの場合にお
いて濾材を形成する金属繊維表面において、金属繊維表
面上に析出する形で異物が生成、成長し、濾圧上昇の原
因となっていることを見いだした。すなわち、ポリマー
中に存在していた固体異物以外に濾材自身が異物生成箇
所となり、濾材を構成する金属繊維表面で生成した異物
により空隙率や空孔径が小さくなり濾圧の上昇につなが
ることを見いだしたのである。金属繊維表面で発生する
異物は金属繊維の比表面積が大きいほど、すなわち、繊
維径の小さな高精度濾過用の濾材ほど発生しやすく、さ
らにこのような繊維径の小さな濾材では空孔径が小さい
ため異物成長による濾圧が顕著に上昇することから大き
な問題となる。
【0007】また、異物を除去すべき濾材自身が異物生
成源となることは濾材で発生した異物が脱落して下流部
へ流出する可能性を含んでおり、濾材の本来の目的であ
る異物除去の観点からも問題である。
【0008】このことから、本発明者らは特に濾過精度
の高い濾材の濾圧上昇を抑制し、経時的に安定な濾過を
行うためには単に使用する金属繊維の径やその充填率を
最適化するだけでは不十分であり、金属繊維表面での異
物生成を抑制する必要があるとの結論に達したのであ
る。
【0009】本発明の目的はこのように従来の金属繊維
を使用したポリマー濾過で問題であった、高精度な濾過
における経時的圧力上昇を抑制し、濾過特性と濾材寿命
を向上させる改良された金属繊維よりなる板状濾材を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明は次の構成を有する。すなわち、差圧30mmH2
O時における通気量が0.5〜10L/cm2/minである主と
して金属繊維よりなる板状濾材において、金属繊維の表
面が実質的に耐熱性樹脂で被覆されていることを特徴と
する板状濾材である。
【0011】本発明は板状濾材を構成する金属繊維の表
面を耐熱性に優れる樹脂で被覆することによりポリマー
と金属繊維表面との接触を絶ち、金属とポリマーの反応
による金属繊維表面における異物生成を抑制するもので
あり、本発明の効果が良好に発揮されるのは通常濾圧上
昇が生じやすい濾過精度の高い板状濾材についてであ
る。濾過精度の目安として通気量を用いた場合の、本発
明の効果が良好に発揮されるための通気量範囲としては
差圧30mmH2O時において0.5〜10L/cm2/minである
ことが必要であり、好ましくは0.7〜7L/cm2/minさ
らに好ましくは1〜5L/cm2/minである。通気量が10L
/cm2/minを越える板状濾材では繊維間隙が大きく、金属
繊維上への析出物などによる濾圧上昇がもともと生じに
くいため得られる効果が小さくなる。一方、通気量が
0.5L/cm2/min未満の板状濾材では処理し得るポリマ
ー量が少なくなる。
【0012】かかる本発明の効果が良好に発揮される板
状濾材の濾過精度は、処理し得るポリマー量が少なくな
るのを防ぐ一方、一定の濾過効果を奏させる観点から、
JISB 8356に記載の方法で測定して3μm以上50μm
以下、さらには5μm以上30μm以下とするのが好ま
しい。本発明の板状濾材に使用される金属繊維の金属種
としては各種ステンレス素材のほかニッケル、クロムな
どを使用することができ、特に限定されるものではない
が、硬度が高く細い繊維径のものが安定に得られること
からステンレス素材が好ましい。
【0013】より高い濾過精度と長い寿命を達成するた
めに、金属繊維よりなる板状濾材は焼結された金属繊維
不織布であることが好ましい。焼結された金属繊維不織
布は単一の構成を有するものであってもよいが、さらに
濾過精度と寿命を向上するために金属繊維不織布として
繊維径および/または空隙率の異なる複数枚の金属繊維
不織布層の積層体を使用することが好ましい。また、金
属繊維不織布はその片面あるいは両面に予備濾過あるい
は金属繊維不織布の保護、補強などの目的で金網状濾材
を積層して使用してもよい。濾過精度の高い板状濾材の
方が本発明の効果を良好に得やすいことは上述した通り
であるが、処理し得るポリマー量が少なくなるのを防ぐ
一方、一定の濾過効果を奏させる観点から、板状濾材と
して金属繊維不織布を使用する場合にはその平均繊維径
が、繊維径の異なる複数枚の金属繊維不織布を積層して
使用する場合には濾材を構成する層のうち、最も繊維径
の小さな金属繊維不織布層を構成する繊維の平均径を5
〜30μm、さらには8〜25μmとするのが好まし
い。
【0014】板状濾材に使用される金属繊維不織布の空
隙率としては、目詰まりによる濾圧上昇を防ぐ一方、金
属繊維不織布の圧縮強度が低下し、濾過中の濾圧によっ
て変形しやすくなるのを防ぐ観点から、60〜90%、
さらには70〜85%とするのが好ましい。
【0015】板状濾材の厚さ、目付量については目的に
応じて適宜選択され得るものであるが、本発明において
は、高い濾過精度と長寿命とを両立させる一方、製造コ
ストが高くなる割に性能の向上が得られにくくなるのを
防ぐ観点から、厚さ0.2〜4mm、目付量400〜60
00g/cm2、さらには、厚さ0.4〜3mm、目付量50
0〜4000g/cm2とするのが好ましい。
【0016】また、上記より明らかなように濾過に板状
濾材を使用していても板状濾材が実質的に濾過精度を決
定していないような場合、例えば主たる濾材として粒状
濾材を使用し、粒状濾材の流出を防止する目的で粒状濾
材の下流側に補助的に板状濾材が用いられている場合
(通常板状濾材としては通気量が10L/cm2/min以上の
ものが使用される)などでは本発明の効果は得られにく
い。
【0017】本発明の板状濾材においては、板状濾材を
構成する金属繊維の表面が実質的に耐熱性の樹脂で被覆
処理されている必要がある。これにより金属繊維表面と
ポリマーとの反応が阻害され、金属繊維表面とポリマー
との反応による異物生成の抑制および生成異物による濾
圧上昇の抑制が可能になる。
【0018】ナイロン、ポリエステルなどのポリマーの
溶融成型は通常250〜300℃の高温で行われるた
め、金属繊維表面の被覆に使用される樹脂は十分な耐熱
性を有する必要がある。使用される樹脂の耐熱性として
は300℃以下に融点を有さないことが必要であり、さ
らには実質上融点を有さない架橋性の樹脂を使用するこ
とが好ましい。融点以外の耐熱性の指標としては熱減量
が挙げられるが、必要に応じて加熱などにより架橋を行
った後、さらに300℃で24時間の熱処理を行った
際、熱処理の前後における重量減率が30%以下の樹脂
が本発明の耐熱性樹脂としては好ましく、このような樹
脂として、具体的には耐熱性樹脂としてシリコーン樹
脂、ポリイミド樹脂が好適に使用できる。
【0019】本発明に使用するシリコーン樹脂は耐熱性
を有し、安定に被膜を形成できるものであれば特に限定
されるものではなく、メチル系シリコーンレジン、フェ
ニル系シリコーンレジン、シリコーン変性レジン、アル
コール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カル
ビノール変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、メチ
ル水素シリコーンなどを使用することができる。シリコ
ーン樹脂の被膜はシリコーン樹脂を溶解あるいはエマル
ジョンとして含む溶液を塗布あるいは吹き付けるか、ま
たは溶液中に板状濾材を浸漬した後乾燥、必要に応じて
加熱架橋することによって得られる。
【0020】ポリイミド樹脂を被膜するには、ポリアミ
ック酸の溶液をシリコーン樹脂の場合と同様の方法で板
状濾材に塗布し、乾燥後熱処理する事によって得られ
る。本発明で使用されるポリアミック酸も特にその組成
が限定されるものではないが、ポリアミック酸を構成す
るジアミン成分としては例えばp−フェニレンジアミ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどが挙げ
られ、酸二無水物成分としてはピロメリット酸二無水
物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物などが挙げられる。
【0021】被膜の厚さは、均一な膜形成を容易とする
とともに、部分的に金属繊維表面とポリマーとの隔離が
不十分になるのを防ぐ一方、被覆した膜によって初期濾
圧が高くなるのを防ぐ観点から、0.01〜3μm、さ
らには0.02〜1μmが好ましい。好ましい厚さの膜
を金属繊維表面に形成することができた場合には、初期
濾圧の上昇をほとんど生じることなく、金属繊維上での
異物生成による濾圧の上昇を効果的に抑制することが可
能になる。
【0022】板状濾材が複数の層から構成される場合に
は、その全ての層に耐熱性樹脂の被覆を行うことが好ま
しいが、特定の層のみに被覆処理を行ってもよい。この
際には濾過精度が高く、全体の濾過精度を決定する層の
被覆処理を行うことが必要であり、例えば板状濾材が金
属繊維不織布と粗い金網の積層体のような場合には少な
くとも通常濾過精度を決定する層である金属繊維不織布
層に被覆処理が施されていなければならない。
【0023】本発明の板状濾材はフラットなディスク形
状のフィルターとして使用されてもよいし、他のさまざ
まな形に成型されてもよい。板状濾材が成型される形状
としてはリーフディスク形状、円筒形状、プリーツ付き
円筒形状などが挙げられる。
【0024】本発明の板状濾材を使用後洗浄し、再使用
する場合には洗浄の度に被膜形成処理を施してもよい
し、洗浄後も安定に被膜が残っている場合には毎回被膜
形成処理を行うことなく、繰り返し使用することもでき
る。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、本明細書中に記載した特性などの測定方法は
以下の通りである。
【0026】(1)硫酸相対粘度 試料2.5gを98%硫酸25ccに溶解し、オストワ
ルド粘度計を用いて25℃で測定する。
【0027】(2)極限粘度 試料8gをオルソクロロフェノール100mlに溶解
し、その溶液粘度(η)をオストワルド粘度計を用いて
25℃で測定し、次の式から極限粘度(IV)を算出す
る。
【0028】IV=0.0242η+0.2634 (3)濾圧 板状濾材上流側の静圧を隔膜式圧力計で測定する。
【0029】(4)通気量 板状濾材(測定面70mmφ)に板状濾材の両側の圧力差
をマノメーターで計測しながら濾材に空気を通過させ、
マノメーターの示す圧力差が30mmH2O時における通気
量(L/cm2/min)を測定する。
【0030】[実施例1]メチル系シリコーンレジン
(東レ・ダウコーニングシリコーン製SR2400)をトルエ
ンで固型分濃度0.2%に希釈した溶液に、直径25m
m、長さ600mmの筒状に成型され、ステンレス不織
布を主濾材として使用した板状濾材を30秒間浸漬した
後風乾し、180℃のオーブン中で30分キュアするこ
とにより金属繊維の表面がシリコーン樹脂で被覆された
板状濾材を得た。差圧30mmH2Oにおける通気量は3.
2L/cm2/minであった。板状濾材の構成、処理前後の板
状濾材の諸特性を表1に示す。
【0031】
【表1】 重合触媒として三酸化アンチモン300ppm、リン酸
150ppmを使用してポリエチレンテレフタレートの
連続重合を行い、連続重合装置の最終段に得られた板状
濾材を使用して重合されたポリエチレンテレフタレート
の連続濾過を行った。重合後のポリマーのIVは0.7
0であり、色調調整のための無機粒子添加は行わなかっ
た。板状濾材を通過するポリマー量は1日、板状濾材1
本当たり200kgであった。
【0032】重合開始直後と重合開始30日後、60日
後の濾圧を表2に示す。
【0033】表面が樹脂被覆された板状濾材を使用する
ことにより、濾圧の上昇が小さく、さらに長期間にわた
って安定な重合を行うことができた。
【0034】
【表2】 [比較例1]表面に樹脂被覆を行なわない以外は、実施
例1と同じ板状濾材を使用して実施例1と同じ装置を使
用し同じ条件でポリエチレンテレフタレートの連続重合
・濾過を行った。重合開始直後と重合開始30日後の濾
圧を表2に併せて示す。樹脂被覆処理を行っていない板
状濾材を使用した場合には濾圧の上昇が大きく、30日
以上の連続重合・濾過を行うことができなかった。
【0035】[実施例2]フェニル系シリコーンレジン
(東レ・ダウコーニングシリコーン製SH840)をトルエ
ンで固型分濃度0.3%に希釈した溶液に、直径150
mmの平板状のステンレス不織布を主濾材として使用し
た板状濾材を30秒間浸漬した後風乾し、180℃のオ
ーブン中で30分キュアすることにより金属繊維の表面
がシリコーン樹脂で被覆された板状濾材を得た。差圧3
0mmH2Oにおける通気量は2.1L/cm2/minであった差圧
30mmH2Oにおける通気量は3.2L/cm2/minであった。
板状濾材の構成、処理前後の板状濾材の諸特性を表1に
併せて示す。
【0036】得られた板状濾材を使用し、色調調整のた
めの無機粒子を含まないIV=1.20のポリエチレン
チレフタレートの溶融紡糸を実施した。フィルターを通
過するポリマー量は1日当たり720kgであった。
【0037】紡糸開始直後と紡糸開始7日後、14日後
の濾圧を表3に示す。
【0038】表面が樹脂被覆された板状濾材を使用する
ことにより、濾圧の上昇が小さく、さらに長期間にわた
って安定な紡糸を行うことができた。
【0039】
【表3】 [比較例2]表面に樹脂被覆を行なわない以外は、実施
例2と同じ板状濾材を使用して実施例2と同じ装置を使
用し同じ条件でポリエチレンテレフタレートの紡糸を行
った。
【0040】紡糸開始直後と紡糸開始7日後の濾圧を表
3に併せて示す。
【0041】樹脂被覆処理を行っていない板状濾材を使
用した場合には濾圧の上昇が大きく、7日以上の連続紡
糸を行うことができなかった。
【0042】[実施例3]メチル水素シリコーン(東レ
・ダウコーニングシリコーン製SH1107)をイソプロピル
アルコールで固型分濃度0.5%に希釈した溶液に、直
径150mmのステンレス不織布を主濾材として使用し
た平板状の板状濾材を30秒間浸漬した後風乾し、18
0℃のオーブン中で30分キュアすることにより金属繊
維の表面がシリコーン樹脂で被覆された板状濾材を得
た。差圧30mmH2Oにおける通気量は2.8L/cm2/minで
あった。板状濾材の構成、処理前後の板状濾材の諸特性
を表1に併せて示す。
【0043】得られた板状濾材を使用し、酸化防止剤と
してヨウ化銅を300ppm含み、色調調整のための無
機粒子を含まない硫酸相対粘度3.6のナイロン6,6
の溶融紡糸を実施した。フィルターを通過するポリマー
量は1日当たり500kgであった。
【0044】紡糸開始直後と紡糸開始7日後、14日後
の濾圧を表3に併せて示す。
【0045】表面が樹脂被覆された板状濾材を使用する
ことにより、濾圧の上昇が小さく、さらに長期間にわた
って安定な紡糸を行うことができた。
【0046】[実施例4]ポリイミドワニス(東レ
(株)製トレニース#3000)をN-メチル-2-ピロリドン
固型分濃度0.3%に希釈した溶液に、実施例3と同じ
板状濾材30秒間浸漬した後風乾し、180℃のオーブ
ン中で30分キュアすることにより金属繊維の表面がポ
リイミド樹脂で被覆された板状濾材を得た。差圧30mm
H2Oにおける通気量は2.8L/cm2/minであった。得られ
た板状濾材を使用して実施例3と同じ装置を使用し同じ
条件でナイロン6,6の溶融紡糸を行った。
【0047】紡糸開始直後と紡糸開始7日後、14日後
の濾圧を表3に併せて示す。
【0048】表面が樹脂被覆された板状濾材を使用する
ことにより、濾圧の上昇が小さく、さらに長期間にわた
って安定な紡糸を行うことができた。
【0049】[比較例3]表面に樹脂被覆を行なわない
以外は、実施例3と同じ板状濾材を使用して実施例3と
同じ装置を使用し同じ条件でナイロン6,6の溶融紡糸
を行った。
【0050】紡糸開始直後と紡糸開始7日後の濾圧を表
3に併せて示す。
【0051】樹脂被覆処理を行っていない板状濾材を使
用した場合には濾圧の上昇が大きく、7日以上の連続紡
糸を行うことができなかった。
【0052】
【発明の効果】本発明の表面が耐熱性樹脂で被覆された
金属繊維からなる板状濾材を用いることによって、金属
繊維表面とポリマーの反応を抑制し、金属繊維表面とポ
リマーの反応により生成する異物による濾圧上昇や生成
異物の脱落による製品への混入を低減することができ
る。その結果、高効率の濾過を長期間にわたって安定に
行うことが可能になる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】差圧30mmH2O時における通気量が0.5
    〜10L/cm2/minである主として金属繊維よりなる板状
    濾材において、金属繊維の表面が実質的に耐熱性樹脂で
    被覆されていることを特徴とする板状濾材。
  2. 【請求項2】金属繊維表面を被覆している耐熱性樹脂が
    シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載
    の板状濾材。
  3. 【請求項3】金属繊維表面を被覆している耐熱性樹脂が
    ポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載
    の板状濾材。
  4. 【請求項4】金属繊維よりなる板状濾材が焼結された金
    属繊維不織布であることを特徴とする請求項1に記載の
    板状濾材。
  5. 【請求項5】金属繊維よりなる板状濾材が焼結された金
    属繊維不織布と金網状濾材の積層体であることを特徴と
    する請求項1に記載の板状濾材。
  6. 【請求項6】焼結された金属繊維不織布が、繊維径およ
    び/または空隙率の異なる複数枚の金属繊維不織布層の
    積層体であることを特徴とする請求項4または5に記載
    の板状濾材。
  7. 【請求項7】最も繊維径の小さな金属繊維不織布層を構
    成する繊維の平均径が5〜30μmであることを特徴と
    する請求項4〜6のいずれかに記載の板状濾材。
  8. 【請求項8】厚さが0.2〜4mm、目付量が400〜6
    000g/cm2であることを特徴とする請求項1に記載の
    板状濾材。
  9. 【請求項9】リーフディスク形状に成形されたことを特
    徴とする請求項1に記載の板状濾材。
  10. 【請求項10】円筒形状に成形されたことを特徴とする
    請求項1に記載の板状濾材。
  11. 【請求項11】プリーツ付き円筒形状に成形されたこと
    を特徴とする請求項1に記載の板状濾材。
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Cited By (7)

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