JPH11282097A - 写真焼付装置および電子画像入力装置 - Google Patents

写真焼付装置および電子画像入力装置

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JPH11282097A
JPH11282097A JP27136698A JP27136698A JPH11282097A JP H11282097 A JPH11282097 A JP H11282097A JP 27136698 A JP27136698 A JP 27136698A JP 27136698 A JP27136698 A JP 27136698A JP H11282097 A JPH11282097 A JP H11282097A
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JP
Japan
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light
printing
light source
led
photosensitive material
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Withdrawn
Application number
JP27136698A
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English (en)
Inventor
Yuji Yamamoto
有治 山本
Hidetoshi Nishikawa
英利 西川
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Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
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Publication date
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  • Light Sources And Details Of Projection-Printing Devices (AREA)
  • Control Of Exposure In Printing And Copying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源の出射光の利用効率や光束の密度を上げ
ることによって、ムラの無い良好な焼き付け状態で露光
時間を短縮できる写真焼付装置と、ムラの無い明るい撮
像状態を得ることができる電子画像入力装置とを提供す
る。 【解決手段】 大サイズの印画紙の縦横比率に応じた縦
横比率の領域内に集光光用LED群22を配列して、ネ
ガフィルムの原画像を印画紙に焼き付ける光を発する光
源とする。小サイズの焼付けを行うときには、小サイズ
の印画紙の縦横比率に応じた縦横比率の領域内に配列さ
れた小サイズ用LED群22aのみを発光させる。ま
た、小サイズ用LED群22aは、その光出射の指向方
向が、光軸Mと交わるように、傾けた状態で基板21に
取り付けられている。これにより、光源の出射光の利用
効率を上げながら、ムラの無い露光を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば写真処理装
置や写真プリンタ等に備えられる写真焼付装置および電
子画像入力装置に関し、特に、原画像を記録したネガフ
ィルム、あるいは、原画像に応じた画像信号によって駆
動される液晶表示素子、PLZT露光ヘッド、DMD
(デジタル・マイクロミラー・デバイス)等の情報保持
体を介して感光材料に光を照射することによって、感光
材料に上記原画像を焼き付ける写真焼付装置と、上記情
報保持体を介して撮像素子に光を照射することによっ
て、上記原画像のモニタないし記録媒体への記録等を行
う電子画像入力装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば原画像を記録したネガ
フィルムを感光材料の前面に配置し、上記ネガフィルム
を介して感光材料に光を照射することにより、感光材料
に原画像を焼き付ける写真焼付装置が種々提案されてい
る。
【0003】このような写真焼付装置では、感光材料を
照射する光の光源として、主にハロゲンランプが使用さ
れている。そして、赤、緑、青の各色に対応した、互い
に分光特性の異なる3種類の調光フィルタを光路中に挿
入することにより、ハロゲンランプの光を焼き付けに適
した光に調整するようになっている。
【0004】しかし、光源としてハロゲンランプを使用
した写真焼付装置では、以下のような不都合が生じる。
【0005】ハロゲンランプは、写真焼き付けに不要
な多くの熱を発するため、例えば冷却ファンのような強
制冷却手段が必要となる。冷却ファンを配設した場合、
周辺のホコリが光学系に巻き込まれるので、良好な焼き
付けを阻害する。
【0006】ハロゲンランプの分光特性を安定化させ
るための直流安定電源や、調光フィルタ並びに赤外光や
紫外光を除去するためのカットフィルタが別途必要とな
るため、装置が大型化する。
【0007】ハロゲンランプは、点灯直後の特性が変
動するため、焼き付けを行わない場合でもハロゲンラン
プを常に点灯させておく必要がある。このため、ハロゲ
ンランプの消費電力が増大する。また、感光材料とハロ
ゲンランプとの間にシャッタ機構を配置して、焼き付け
を行わない場合に光を遮断する必要があり、構成部品が
増加する。
【0008】光軸とその周辺とにおける光量差が大き
いので、ハロゲンランプからの光を拡散させて焼き付け
に必要な面光源を作る拡散装置を構成した場合、光量ロ
スが大きくなる。
【0009】ハロゲンランプを常に点灯させておくと
すれば、焼き付けの枚数が多い場合に、ハロゲンランプ
の熱がネガフィルムに悪影響を及ぼす。
【0010】これに対して、例えば特開平8−2208
1号公報に開示された写真プリンタでは、光源として、
分光特性の互いに異なる複数の発光ダイオード(以下、
単にLEDと略記する)を用いており、これによって、
ハロゲンランプに起因する上述の不都合を回避してい
る。以下、上記公報に開示された写真プリンタの露光投
影部の構成について概略的に説明する。
【0011】図21に示すように、上記写真プリンタ
は、露光投影部として、LED光源51、拡散板52、
および焼付レンズ53を備えている。また、拡散板52
と焼付レンズ53との間には、焼き付けを行おうとする
ネガフィルム54の1コマ分が、焼付レンズ53の光軸
Aと交わる位置に配される。さらに、焼付レンズ53に
対してネガフィルム54と反対側には、感光材料である
カラーペーパー55が配されるようになっている。
【0012】上記LED光源51には、赤、緑、青各色
の光をそれぞれ出射する複数のLED51aが、例えば
縦横等間隔のマトリクス状に配置されている。このと
き、各LED51aは、同図に示すように、指向方向が
光軸Aと平行となるように設けられている。また、各L
ED51aは、図示しない光源駆動部により個別にON
/OFF制御されており、さらに各LED51a毎に発
光時間および/または発光輝度が制御されている。
【0013】上記拡散板52は、例えば微細な凹凸を形
成したガラス板(いわゆるスリガラス)であり、LED
光源51からの出射光を拡散させる目的で、LED光源
51の光出射側に配置されている。
【0014】このような構成において、LED光源51
の各LED51aを点灯させると、各LED51aから
出射された光は、拡散板52にて拡散された後、プリン
ト位置にセットされたネガフィルム54、焼付レンズ5
3を順に透過し、カラーペーパー55に到達する。これ
により、ネガフィルム54に記録された1コマ分の原画
像が、カラーペーパー55に結像され、プリントされ
る。
【0015】このように、光源として、ハロゲンランプ
に代えてLED群を用いたことにより、上述したハロゲ
ンランプに固有の問題は次のように解決される。
【0016】(a) LEDはハロゲンランプに比べて発熱
量が少ないので、冷却ファンや熱線吸収フィルタが不要
になる。このため、露光投影部の構成を簡素化すること
ができる。また、冷却ファンが必要無いので、周辺のホ
コリを光学系に巻き込むような問題が生じない。さら
に、焼き付けの枚数が多い場合でも、光源の熱によって
ネガフィルムが損傷するのを回避することができる。
【0017】(b) LEDの消費電力が小さいため、直流
電源にIC(integrated circuit)コントロール基板レ
ベルの単純な回路構成を採用できる。また、赤、緑、青
各色のLEDの発光輝度、発光時間を制御することで、
容易に調光管理を行うことができるので、調光フィルタ
やカットフィルタが不要になる。この結果、装置の小型
・軽量化を図ることができる。
【0018】(c) 光軸とその周辺とにおける光量差がハ
ロゲンランプほど大きくはないため、光源としてハロゲ
ンランプを用いたときよりも拡散板の拡散率が小さくて
済み、光量ロスを低減することができる。
【0019】(d) LEDはON/OFF制御により瞬時
に分光特性が安定化するので、必要時以外は点灯させな
くても済む。したがって、ハロゲンランプを用いた場合
よりも光源の消費電力を大幅に低減することができる。
また、焼き付けを行わない場合には、LEDをOFFに
するだけでよいので、光源と感光材料との間にシャッタ
機構を設ける必要がない。その結果、装置構成を一層簡
素化することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところが、LEDを光
源に用いた上記従来の写真プリンタでは、上記拡散板5
2の拡散率を高くしなければ実用にならないので、拡散
板52による光量ロスが大きくなる結果、露光時間が長
くなるという問題点が有る。この理由を具体的に説明す
ると以下のとおりである。
【0021】すなわち、図21を参照して説明したよう
に、指向方向が光軸と平行となるように各LED51a
が設けられているので、拡散板52が設けられていない
とすれば、図22に示すように、カラーペーパー55を
照射する光の強度分布は、各LED51aの配置に対応
してスポット状に点在する。図22に示す同心多重円の
1組は、1つのLED51aによる光の強度分布を示し
ており、中心付近では強度が強く、中心から遠ざかるに
つれて強度が弱まることを示している。
【0022】このような強度分布のムラは、焼付状態に
おいても水玉模様が散在したような色ムラとなって現れ
る。したがって、色ムラの発生を完全に抑えるために
は、LED51aとして指向性(または視野角ともい
う)の広いものを用いると共に、拡散板52の拡散率を
非常に高く設定して拡散光を一様に発する面光源を作ら
なければならない。すなわち、拡散板52にスリガラス
を用いるとすれば、肉眼では透視が全くできない程度の
粗度を持つスリガラスを用いなければ、スポット状の強
度分布のムラを消すことができない。
【0023】この結果、拡散板52に起因する光量ロス
が大きくなるので、例えばカラーペーパー55の露光時
間が長くなる等の問題が不可避的に発生することとな
る。
【0024】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、LEDを光源に用いた写
真焼付装置および電子画像入力装置において、光源の出
射光の利用効率を高めることによって、あるいは焼き付
けに用いる光束の密度を上げることによって、ムラの無
い良好な焼き付け状態を短い露光時間で得ることができ
る写真焼付装置と、撮像素子への入射光量を高めながら
ムラの無い良好な撮像状態を得ることができる電子画像
入力装置とを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る写
真焼付装置は、上記の課題を解決するために、原画像情
報を保持した情報保持体に光を照射する光源を備え、上
記情報保持体を介して感光材料(例えば、印画紙)に光
を照射することにより、感光材料に上記原画像を焼き付
ける写真焼付装置において、上記光源は、分光特性の互
いに異なる発光手段(例えば、発光ダイオード)が面上
に複数配列されてなり、焼き付けサイズ(例えば、標準
サイズまたはパノラマサイズ)に応じたサイズの領域内
に配列された発光手段を発光させることによって、焼き
付けを行うことを特徴としている。
【0026】上記の構成によれば、焼き付けのサイズに
応じたサイズの領域内に配列された発光手段を発光させ
るので、特に大サイズの焼き付けを行う場合に不足しが
ちな感光材料の周辺部における光量を、効果的に増大さ
せることができる。その上、複数の発光手段の発光が重
畳することによって生成される照度分布の一様な領域
を、焼き付けのサイズに適合したサイズにすることがで
きる。
【0027】したがって、照度分布が一様な領域で、適
合したサイズの焼き付けを行うことができるので、光源
の出射光を効率よく焼き付けに利用することができる。
この結果、分光特性の互いに異なる発光手段を光源に用
いた写真焼付装置において、露光時間の短縮を図ること
ができる。
【0028】なお、上記発光手段の少なくとも一部が、
光源と感光材料とを結ぶ光軸と交わるような指向方向の
光を出射するように構成してもよい。光軸と交わるよう
な指向方向の光を出射する発光手段とは、平面基板に所
定の傾き角で取り付けた発光手段でもよく、あるいは光
軸を中心として球面上または放物面上に配列させた発光
手段でもよい。
【0029】この場合、指向方向が光軸に平行な光を発
する発光手段のみで光源を構成した場合と比較して、感
光材料の配置位置に形成される光スポットを、他の発光
手段の発光による光スポットと大きな割合で重畳させる
ことができる。この重畳の度合い、すなわち指向方向が
光軸と交わる発光手段の個数や光軸に対する傾きの度合
いや、個々の発光手段の発光量を調整することによっ
て、感光材料の配置位置に照度分布が一様で、焼き付け
に充分な照度を持ち、かつ広い面積の領域を作り出すこ
とができる。このことは、従来の技術として既に説明し
たとおり、指向方向が全て光軸と平行な複数の発光手段
の場合には、水玉模様の照度分布ムラが多く出現するこ
とと比較すれば、容易に理解される。
【0030】したがって、指向方向が全て光軸と平行な
複数の発光手段のみで光源を構成する場合よりも、照度
分布が一様な領域を得やすいため、光源の前に配置する
拡散板の拡散率を下げることが可能になり、感光材料に
対する光量増加を一層促進することができる。
【0031】なお、光源からの光が供給される上記情報
保持体としては、例えば、原画像そのものを記録したフ
ィルム、原画像に対応した画像信号に応じて光の透過ま
たは反射を制御する液晶表示素子、光出力部が二次元配
列のPLZT露光ヘッド、DMD(デジタル・マイクロ
ミラー・デバイス)等が挙げられる。情報保持体として
上記のフィルム、透過型液晶表示素子またはPLZT露
光ヘッドを用いた場合は、光源からの光が上記情報保持
体を透過して感光材料に導かれ、これによって上記フィ
ルムに記録された原画像あるいは上記透過型液晶表示素
子に表示された原画像が感光材料に焼き付けられる。一
方、情報保持体として反射型液晶表示素子あるいはDM
Dを用いた場合は、光源からの光が上記情報保持体にて
反射されて感光材料に導かれ、これによって上記情報保
持体が保持する画像情報に対応する原画像が感光材料に
焼き付けられる。
【0032】請求項2の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、複数種類の分光特性を個別
に備えた発光手段によって、原画像情報を保持した情報
保持体に光を照射する光源を備え、上記情報保持体を介
して感光材料に光を照射することにより、感光材料に上
記原画像を焼き付ける写真焼付装置において、上記感光
材料の配置位置において照度分布が一様となる領域を形
成すると共に、該領域に感光材料を内接させるような光
束を生成する光学系を備えたことを特徴としている。
【0033】上記の構成によれば、照度分布が一様な領
域に感光材料を内接させるので、照度分布が一様な領域
を焼き付けに最大限利用することができる。これによ
り、光源の出射光を効率よく焼き付けに利用することが
できる。この結果、分光特性の互いに異なる発光手段を
光源に用いた写真焼付装置において、濃度ムラや色ムラ
の無い焼き付け状態を得つつ、露光時間の短縮を図るこ
とができる。
【0034】なお、上記の光学系は、例えば、複数の発
光手段の少なくとも一部に、光軸と交わるような指向方
向の光を出射する発光手段を含んだ光源と、焦点距離、
倍率、開口等が適宜選択可能なレンズ系とによって構成
することができる。
【0035】請求項3の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、複数種類の分光特性を個別
に備えた発光手段によって、原画像情報を保持した情報
保持体に光を照射する光源を備え、上記情報保持体を介
して感光材料に光を照射することにより、感光材料に上
記原画像を焼き付ける写真焼付装置において、上記情報
保持体に入射する光の入射角度は変えずに、上記発光手
段の出射光を直接受光して集光する集光手段(例えば、
凹レンズまたは凸面鏡)を備えたことを特徴としてい
る。
【0036】上記の構成によれば、集光手段は発光手段
の出射光を直接受光して集光するので、集光手段を新た
な光源とみなすことができる。しかもその集光機能によ
り、集光手段を設けない場合より、発光手段の配設数を
増やすことができる。この結果、焼き付けを行う光の光
量を増大させることができる。
【0037】また、集光手段を設けない場合の発光手段
が、集光手段の配設位置を照射するとしたときの照射面
積と、発光手段の配設数を増やして集光手段を設けたと
きの集光手段の出射面積とを等しくすれば、情報保持体
に入射する光の入射角度を変えないという条件を満たす
ことは容易である。すなわち、集光手段として、例えば
光の反射または屈折の少なくとも一方を利用した光学手
段を用いれば、反射角または屈折角の選択によって、情
報保持体に入射する光の入射角度を変えないようにする
ことができるからである。
【0038】このように、情報保持体に入射する光の入
射角度を変えずに光量のみ増加させることができるの
で、光源および集光手段以外の光学系を変更することな
く、各種の焼き付けサイズに対する露光時間を短縮する
ことができる。
【0039】請求項4の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、請求項3に記載の集光手段
が、光の反射または屈折の少なくとも一方を利用した光
学手段であることを特徴としている。
【0040】上記の構成により、請求項3の構成による
作用を説明したとおり、光学手段での反射角または屈折
角の選択によって、情報保持体に入射する光の入射角度
を変えずに、光量のみ増加させ、光源および光学手段以
外の光学系をそのまま利用して、各種の焼き付けサイズ
に対する露光時間を短縮することができる。
【0041】請求項5の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、請求項4に記載の光学手段
が、凹レンズまたは凸面鏡の少なくとも一方であること
を特徴としている。
【0042】上記の構成によれば、光学手段として凹レ
ンズを採用することで、凹レンズの屈折による集光機能
を利用して、凹レンズの光入射側に対向する球面または
放物面等の内面に、発光手段を多数配列させることがで
きる。これにより、比較的簡単な光学設計によって、各
種の焼き付けサイズに対する露光時間を短縮することが
できる。
【0043】また、光学手段として凸面鏡を採用するこ
とで、凸面鏡の反射面を感光材料側に向け、凸面鏡の反
射面に対向する球面または放物面等の内面に、発光手段
を多数配列させることができる。これにより、発光手段
の光は、感光材料の配設側と反対側に向けて出射される
ことになるので、凹レンズを採用した構成よりも焼き付
けに不要な迷光を減らしやすくなる。
【0044】請求項6の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、複数種類の分光特性を個別
に備えた発光手段によって、原画像情報を保持した情報
保持体に光を照射する光源を備え、上記情報保持体を介
して感光材料に光を照射することにより、感光材料に上
記原画像を焼き付ける写真焼付装置において、上記光源
と感光材料とを結ぶ光軸に沿って、上記発光手段を多段
重ねに配設したことを特徴としている。
【0045】上記の構成によれば、発光手段の光透過率
が0でさえなければ、発光手段を光軸に沿って多段重ね
に配設することによって、感光材料に向けた出射光量を
増大させることができる。この結果、各種の焼き付けサ
イズに対する露光時間を短縮することができる。
【0046】請求項7の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、複数種類の分光特性を個別
に備えた発光手段によって、原画像情報を保持した情報
保持体に光を照射する光源を備え、上記情報保持体を介
して感光材料に光を照射することにより、感光材料に上
記原画像を焼き付ける写真焼付装置において、上記光源
から情報保持体に至る光路上に、拡散率が選択可能な拡
散板を設けたことを特徴としている。
【0047】上記の構成において、通常、焼き付けサイ
ズが変われば、感光材料と光源との間の距離が変わる
か、あるいは感光材料に入射する光の画角(広がり)が
変わるため、感光材料に到達する入射光の光束密度が変
わる。そこで、本発明では、拡散板の拡散率が選択可能
になっているので、光束密度が相対的に低下する、例え
ばパノラマサイズの焼き付けの場合に、拡散率を低く設
定するようにして、露光時間の増加を防止することがで
きる。すなわち、1種類の拡散率を持つ拡散板を複数種
類の焼き付けサイズに使用する場合に比べて、露光時間
を各種焼き付けサイズで最短にすることができる。
【0048】なお、拡散率が選択可能な拡散板とは、拡
散率が異なる領域を複数備えたような拡散板のみなら
ず、高分子分散型液晶のように、印加電圧によって拡散
率を変更することができるような高機能材料を用いた拡
散板をも対象としている。
【0049】請求項8の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、請求項7に記載の拡散板
は、拡散率が異なる領域を複数備えていることを特徴と
している。
【0050】上記の構成によれば、所望の拡散率を有す
る領域を選択することによって、拡散率を簡単に変更す
ることができる。上記領域の選択は、拡散板のスライド
や回転等、比較的簡易な機構によって実現することがで
きる。
【0051】請求項9の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1ないし8のいずれ
かに記載の発光手段が、発光ダイオードであることを特
徴としている。
【0052】上記の構成によれば、発光ダイオードは、
輝度や発光時間を制御しやすいため、発光量を変えて濃
度ムラや色ムラを調整することが容易になる。また、発
光ダイオードの視野角を適宜選択することが可能である
と共に、基板に対する発光ダイオードの取り付け角度を
変えて、光軸に対する指向方向の傾き角を簡単に変える
ことができる。これによって、特に請求項1および2に
ついて説明した照度分布が均一な領域の広がりを適切に
設定することが容易となる。
【0053】また、ハロゲンランプに比べて、発熱量や
消費電力が小さく、分光特性が安定しているので、冷却
ファン、熱線吸収フィルタ、調光フィルタ、カットフィ
ルタ等の部品が不要となる。また、消費電力が小さく、
分光特性が安定しているので、直流安定電源は不要であ
り、かつ集積回路を用いた単純な直流電源を使用するこ
とができる。これにより、写真焼付装置の小型化・軽量
化を実現できる。また、分光特性が安定しているので、
必要なときに随時ON/OFF制御することが可能とな
る。これにより、感光材料の前にシャッタ機構を設ける
必要が無くなると共に、消費電力を一層小さくすること
ができる。
【0054】請求項10の発明に係る電子画像入力装置
は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし9の
いずれかに記載の写真焼付装置に、上記情報保持体を介
して得られる上記発光手段からの光を撮像する撮像手段
(例えば、CCDカメラ)を備えてなることを特徴とし
ている。
【0055】上記の構成によれば、請求項1または9の
いずれかに記載の構成と組み合わせることにより、感光
材料を撮像手段に置き換えれば、各種焼き付けサイズ毎
に、光源の出射光の利用効率が最も高い状態で、しかも
濃度ムラや色ムラの無い状態で、情報保持体の保持する
画像情報に対応した原画像を撮像することができる。こ
の結果、例えば撮像手段の出力に基づいて画像を表示す
るモニタの画面を従来より明るくすることができる。
【0056】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図10に基づいて説明すれ
ば、以下のとおりである。
【0057】図2に示すように、本実施形態に係る写真
プリンタ1は、本発明の写真焼付装置に相当する焼付部
2、現像部3、乾燥部4および本発明の光源に相当する
後述の光源部5(図4参照)を内蔵した焼付光学系6を
一体的に備え、ネガフィルムの画像を感光材料にプリン
トするための一連の処理を行うものである。焼付部2
は、後で詳述するように、ネガフィルムを介して感光材
料の露光を行う系である。現像部3は、焼付部2で焼き
付けを終えた感光材料を各種処理液槽に順番に浸漬し、
現像処理を行う系である。乾燥部4は、現像処理済みの
感光材料を乾燥させ、コマ毎に切り離して完成した写真
プリントを排出する系である。
【0058】上記焼付部2は、図3に示すように、上記
焼付光学系6、ネガフィルム7(図4参照)の図示しな
い送り機構、感光材料としての印画紙8の搬送機構とで
構成されている。焼付光学系6は、写真プリンタ1の長
手方向と交叉するように、例えば直角に配設され、原画
像を記録したネガフィルム7に光を照射するものであ
る。この場合、ネガフィルム7は、原画像情報を保持し
た情報保持体として機能している。なお、焼付光学系6
の詳細な構成については後述する。
【0059】印画紙8の搬送機構は、印画紙8をロール
状に収納するペーパーマガジン9a・9bと、複数の搬
送ローラ10a〜10eとを備えている。ペーパーマガ
ジン9a・9bは、写真プリンタ1で取り扱う印画紙8
のサイズの種類に合わせて焼付部2の上部に配設され、
互いに異なるサイズの印画紙8を収納している。ペーパ
ーマガジン9aまたは9bに収納された印画紙8は、搬
送ローラ10a・10b・10c・10dの回転によっ
て結像位置に搬送され、露光後、現像部3に送出され
る。なお、プリント対象となる印画紙8のサイズは、操
作者によって適宜選択してもよいし、ネガフィルム7に
撮影時に記録されたサイズ情報や、写真プリンタ1に外
部から入力されるサイズ情報に基づいて、自動的な切り
換えを行ってもよい。
【0060】次に、上述した焼付光学系6の構成につい
て詳細に説明する。本発明の焼付光学系6は、図4に示
すように、上記光源部5としての集光光用LED(Ligh
t Emitting Diode)光源11および拡散光用LED光源
12、ミラートンネル13、集光レンズ14、ANM
(Auto Nega Mask)15、焼付レンズ16および反射ミ
ラー17を、光の進行方向に沿って光軸M上に順に備え
ている。集光光用LED光源11および拡散光用LED
光源12の光の出射面には、それぞれ拡散板18(拡散
手段)が一体的に配設されている。なお、集光光用LE
D光源11、集光レンズ14、焼付レンズ16および拡
散板18は、請求項に記載の光学系を構成する。
【0061】上記集光光用LED光源11は、主として
ネガフィルム7の原画像を印画紙8へ焼き付ける光(集
光光)を出射する役割を持ち、焼き付けサイズに応じて
光軸M上を進退するようになっている。上記拡散光用L
ED光源12は、主としてネガフィルム7に付いた傷等
の凹凸部を印画紙8へ発色させて焼き付ける光(拡散
光)を出射する役割を持ち、光軸M上の位置は固定され
ている。
【0062】なお、一般的に、集光光のみによる焼き付
けを行うと、ネガフィルムの傷やゴミのような異常部位
が印画紙に写り込み、集光光に拡散光を加えると、ネガ
フィルムの傷やゴミが写りにくくなるということは、写
真業界においてよく知られている。
【0063】上記ミラートンネル13は、内面が鏡にな
った四角錐台形の筒であり、拡散光用LED光源12が
発した拡散光を効率良くネガフィルム7に導く機能を有
している。また、ミラートンネル13の上底部には集光
レンズ14を固設して、ミラートンネル13から出射さ
れる光をANM15によって搬送されるネガフィルム7
に集光するようになっている。これにより、光の利用効
率が上がり、光量ロスが非常に小さくなる。集光レンズ
14を用いた場合、光源部5は、焼付レンズ16と集光
レンズ14との位置関係および焦点距離を考慮し、集光
式の光源設計に基づいて位置決めされる。
【0064】なお、集光レンズ14以外に、例えば凹面
鏡を用いることによって光源部5からの光を集光させて
もよい。しかし、この場合には、凹面鏡の配置に伴う光
学系のレイアウトが非常に複雑となる。したがって、集
光手段として集光レンズ14を用いることにより、光学
系の構成を簡素化することができる。
【0065】上記ANM15は、ネガフィルム7の自動
搬送機能と露光領域の限定機能とを有している。さら
に、露光領域の可変機能を持たせることもできる。ネガ
フィルム7の目的とするコマ画像は、ANM15の自動
搬送機能によりANM15の開口部に搬送され、ANM
15によって検出され停止される。そして、全てのコマ
画像の搬送、露光を終えたネガフィルム7は、ANM1
5から排出される。
【0066】上記焼付レンズ16は、ネガフィルム7を
透過した光を印画紙8に結像させるものである。本実施
形態では、焼付レンズ16は、印画紙8のサイズに応じ
て複数設けられており、光源部5と印画紙8との間の光
路中であって、印画紙8から所定の距離となる位置に、
適宜挿抜されるようになっている。なお、印画紙8のサ
イズに応じて単一の焼付レンズ16を光軸Mに沿って移
動させるズームレンズとしてもよい。
【0067】上記反射ミラー17は、焼付レンズ16を
透過した光の進路を直角に折り曲げて印画紙8に導くた
めに備えられている。これにより、図2を参照して説明
したように、写真プリンタ1の長手方向に対し、光源部
5を横付けするレイアウトを採用することができる。こ
のようなレイアウトは、本実施の形態のように、集光光
用LED光源11を光軸Mに沿って進退可能とし、焼付
部2の光軸M方向の長さを長く確保する必要が有る場合
に適している。
【0068】次に、集光光用LED光源11の構成をさ
らに詳細に説明する。図1(a)に示すように、集光光
用LED光源11は、矩形状の基板21上に、一例とし
て30個のLEDが密集して取り付けられた集光光用L
ED群22(発光手段)を備えている。この図1(a)
における集光光用LED群22を光出射側から見たとき
の平面図を図5(a)に示す。同図に示すように、集光
光用LED群22は、赤、緑、青色の光をそれぞれ出射
する複数のLEDから構成されている。つまり、これら
のLEDは、各色に対応して分光特性が互いに異なって
いる。
【0069】さらに、集光光用LED群22の中央部近
傍には、図1(b)および図5(b)に示すように、小
サイズの焼き付けを行うための集光光を出射する小サイ
ズ用LED群22a(発光手段)として、各色毎に同数
個のLEDが、合計12個密集して配されている。な
お、集光光用LED群22の全LEDを発光させた場合
には、後で詳述するように、大サイズの焼き付けが行わ
れる。
【0070】小サイズ用LED群22aでは、図6に示
すように、中央部の周囲に4個の赤LED22R1 〜R
4 が互いに接した状態で配され、さらに赤LED22R
1 〜R4 の周囲に接した状態で、4個の緑LED22G
1 〜G4 が点対称(換言すれば、焼付レンズ16の光軸
Mについて対称的)に配されると共に、4個の青LED
22B1 〜B4 が点対称に配されている。これにより、
例えば赤LED22R1 、緑LED22G1 、青LED
22B1 の3個が1組をなしている。残りのLEDにつ
いても、各色毎に3個で1組をなし、合計4組のLED
によって小サイズ用LED群22aが構成されている。
【0071】この3個1組をなすLEDは、後で詳述す
るように、その指向方向が光軸Mと交叉するように基板
21に傾けて取り付けられることによって、印画紙8の
特定の領域に対応付けられ、その対応する領域を主とし
て照射するようになっている。具体的には、図4に示す
ように、印画紙8を光の進行方向に見て、光軸Mを中心
として右上の象限から反時計回りに象限I〜IVを定めた
場合に、象限Iに赤LED22R1 ・緑LED22G1
・青LED22B1 が対応付けられている。同様に、象
限IIには、赤LED22R2 ・緑LED22G2 ・青L
ED22B2 、象限III には、赤LED22R3 ・緑L
ED22G3 ・青LED22B3 、象限IVには、赤LE
D22R4 ・緑LED22G4 ・青LED22B4 が、
それぞれ対応付けられている。
【0072】次に、小サイズ用LED群22aを構成す
るそれぞれのLEDは、既に触れたとおり、焼付レンズ
16の光軸Mに向かって指向するように、光軸Mに対し
て所定の角度だけ傾けて基板21に取り付けられてい
る。この点を図7を用いて説明する。
【0073】図7は、説明の便宜上、印画紙8の象限IV
に対応付けられた小サイズ用LED群22aの一部だけ
を抜粋した斜視図を示している。同図に示すように、小
サイズ用LED群22aの1つ1つのLEDが、光軸M
に対して角度θの傾きを有している。すなわち、同図中
の水平投影面Xを見れば分かるように、小サイズ用LE
D群22aの1つ1つのLEDが、光軸Mに対して水平
方向に角度θ1 だけ傾いていると共に、垂直投影面Yを
見れば分かるように、光軸Mに対して垂直方向にも角度
θ2 だけ傾いている。なお、角度θ1 =角度θ2 であっ
ても構わない。
【0074】なお、上記角度θは、使用するレンズの焦
点距離、口径、プリントサイズ、焼き付け倍率等の諸条
件を考慮し、0〜30度の範囲で適宜選択される。
【0075】このように配設された小サイズ用LED群
22aが発光することによって、例えば、図4に示すよ
うに、横W×縦V1 が89mm×127mmの標準サイ
ズの印画紙8′に対して焼き付けを行う。焼き付けに際
し、赤、緑、青各色LEDの発光量(輝度と発光時間の
積)は、通常、赤色:緑色:青色=5〜6:2:1とな
るように制御される。この比率は、写真焼き付けにおい
て赤色光の光量が最も不足することと、青色光が最も感
光性が高いこととに基づいて設定されている。
【0076】一方、前述のように、集光光用LED光源
11の基板21には、合計30個のLEDが取り付けら
れている。したがって、12個のLEDから成る上記小
サイズ用LED群22aを除く18個のLEDから成る
大サイズ専用LED群22b(発光手段)は、図5
(a)(b)に示すように、小サイズ用LED群22a
の両翼に9個ずつ配置されていることになる。これらの
個数は、単なる一例であって、基板21の縦×横のサイ
ズと使用するLED単品のサイズとによって、LEDを
配置し得る個数が規定されている。例えば、基板21の
縦×横のサイズは、図4に示すように、パノラマサイズ
の印画紙8の横W×縦V2 =89mm×254mmを基
準として選択されている。
【0077】また、上記大サイズ専用LED群22b
は、小サイズ用LED群22aのように光軸Mに対して
傾いてはおらず、光軸Mに平行をなすように、基板21
に取り付けられている。この方が、基板21に対する取
り付け工程および品質管理が簡易になるが、発光量を調
整しさえすれば、小サイズ用LED群22aと同様の傾
きを有していても構わない。
【0078】さらに、大サイズ専用LED群22bの一
翼における9個のLEDの内、8個が赤LEDであり、
残り1個が基板21の端部中央に配置された緑LEDで
ある。これにより、集光光用LED群22全体として、
赤、緑、青各色LEDの個数比が、赤色:緑色:青色=
20:6:4=10:3:2となり、上記した赤色:緑
色:青色=5〜6:2:1の比率にほぼ等しくなってい
る。
【0079】なお、本実施の形態では図示をしていない
が、基板21のLED取り付け面に反射膜を形成してお
くことによって、焼き付け時に集光光用LED群22が
発する光の利用効率を高めることができる。
【0080】次に、拡散光用LED光源12の構成の細
部を説明する。拡散光用LED光源12は、図1(a)
に示すように、中央に矩形状の開口が形成された矩形枠
状の基板23に、多数のLEDから成る拡散光用LED
群25が取り付けられている。基板23の上記開口は、
その中心が光軸Mに一致しており、集光光用LED群2
2の出射光をそのまま通過させるために設けられてい
る。また、図4に示すように、拡散光用LED群25の
前面を覆う拡散板18の中央にも、同様の目的で矩形状
の開口が形成されている。なお、拡散光用LED群25
の各LEDは、指向方向が光軸Mに平行をなすように、
基板23に取り付けられている。
【0081】次に、拡散光用LED群25を構成する赤
・緑・青各色LEDの配列について説明する。図5
(a)に示すように、拡散光用LED群25のLED数
は、集光光用LED群22のLED個数の4倍程度であ
り、例えば120個になっている。そして、基板23に
おける矩形の開口の4辺に対し、1辺あたり30個ずつ
のLEDが4段積みに配列されている。すなわち、1段
目、2段目に各10個のLEDが配列され、3段目に8
個、4段目に2個のLEDが配列されている。このよう
に多数のLEDを多段に配列することによって、ネガフ
ィルムの傷等の凹凸が印画紙に焼き付けられるのを防ぐ
ばかりではなく、焼き付けを終えたプリントの硬さ、言
い換えれば、プリントされた画像がシャープかソフトか
という度合いを意味する鮮明度を調整することが容易に
なる。
【0082】なお、赤・緑・青各色LEDの個数比率
は、既に説明したように、光量が不足する赤LEDを多
め、感光性の高い青LEDを少なめ、緑LEDをそれら
の中間に設定すればよい。ただし、発光量については、
輝度と発光時間との積が、赤色:緑色:青色=5〜6:
2:1となるように制御される。また、赤・緑・青各色
LEDの位置関係については、光軸Mの近くに赤LED
を多めに配し、青LEDを相対的に光軸Mから最も遠ざ
けるようにすればよい。したがって、青LEDは、基板
23における矩形の開口の1辺に対し、4段目に配され
ている。
【0083】ところで、基板21と同様に、基板23の
LED取り付け面にも反射膜を形成しておくことによっ
て、拡散光用LED群25が発する光の利用効率を高め
ることができる。
【0084】上記の構成において、写真プリンタ1によ
る焼き付け、現像を行う前に、必要に応じてテストプリ
ントが行われる。このテストプリントでは、例えば写真
プリンタ1の立ち上げ時に、ネガフィルム7を光路中に
挿入せずに印画紙8の露光を行うか、またはグレー1色
のテストプリント専用のネガフィルムを光路中に挿入
し、光源部5からの光によりグレー色を印画紙8の一面
に焼き付ける処理(以下、グレープリントと呼ぶ)を行
うようになっている。
【0085】この後、当該印画紙8を現像して得られる
テストプリントの濃度分布を前述した象限毎に濃度計等
によって検出し、その結果に基づいて濃度ムラを無くす
ように、集光光用LED群22の各LEDの輝度および
発光時間が自動的に、あるいは補正量の手動入力によっ
て調整される。
【0086】その後、ネガフィルム7を光路中に挿入
し、焼き付けを行うコマの位置決めを行うと共に、ネガ
フィルム7の露光範囲をANM15の作動により適正に
制限する。続いて、焼き付けのサイズに応じて、ペーパ
ーマガジン9aまたはペーパーマガジン9bが選択さ
れ、大サイズの印画紙8または小サイズの印画紙8′が
露光位置に搬送される。
【0087】これと同時に、例えば小サイズの焼き付け
を行う場合、集光光用LED光源11および焼付レンズ
16のそれぞれを、光軸M上における小サイズ焼き付け
用の位置に位置決めする。すなわち、図8(a)および
図9(b)に示すように、絞り16aと組み合わせた焼
付レンズ16を、大サイズの焼き付けを行う場合より印
画紙8′に近い位置に配置し、集光光用LED光源11
を集光レンズ14に近い最前方進出位置に位置決めす
る。
【0088】なお、拡散光用LED光源12、ミラート
ンネル13、集光レンズ14、ネガフィルム7、反射ミ
ラー17および印画紙8′の光軸M上の位置は、常に固
定されている。
【0089】このように、露光系各部の設定が完了する
と、通常の焼付処理が行われる。すなわち、小サイズの
焼き付けを行う場合には、図5(b)に示すように、小
サイズ用LED群22aおよび拡散光用LED群25が
点灯される。すなわち、大サイズ専用LED群22bは
OFF状態に制御される。なお、図5(b)では、拡散
光用LED群25について、基板23の開口の四隅近傍
のLEDが一部OFF状態に制御されているが、以下で
説明するように、拡散光用LED群25の発光量は、所
望するプリントの硬さに応じて設定される。
【0090】最初に、拡散光用LED群25の働きにつ
いて説明する。拡散光用LED群25の出射光は、拡散
板18で拡散された後、ミラートンネル13によって反
射され、ランダムな入射角でネガフィルム7を効率良く
照射する。ネガフィルム7に傷やゴミのような凹凸が存
在する場合には、該凹凸にて入射光の一部は屈折され、
印画紙8′に到達する。これにより、該凹凸の像は白抜
けにならず、発色するので目立たなくすることができ
る。
【0091】また、拡散光用LED群25の出射光の一
部は、小サイズ用LED群22aの出射光に重畳され、
ネガフィルム7を照射した後、印画紙8′に結像され
る。したがって、拡散光用LED群25の発光量を小サ
イズ用LED群22aの発光量との兼ね合いで調整する
ことにより、プリントの硬さを変えることができる。よ
り具体的には、硬いプリント(輪郭の鮮明なプリント)
を得るには、拡散光用LED群25の発光量を少なくす
ればよく、柔らかいプリント(輪郭をぼかしたプリン
ト)を得るには、同発光量を多くすればよい。
【0092】次に、小サイズ用LED群22aが発した
光が、印画紙8′を照射する状態について説明する。図
9(a)には、光軸Mに対して偏心した12個の多重円
が示されている。各円は、小サイズ用LED群22aの
12個のLEDの1つ1つが、光軸M上の印画紙8′の
位置に形成する光スポットを表している。
【0093】各円が偏心しているのは、図7で説明した
ように、小サイズ用LED群22aの12個のLED
が、光軸Mに対して互いに対称的に傾けられているから
である。すなわち、赤LED22R1 ・緑LED22G
1 ・青LED22B1 の出射光による光スポットの中心
は、印画紙8′の象限I〜IVの中で、相対的に象限Iに
偏在している。同様に、赤LED22R2 ・緑LED2
2G2 ・青LED22B2 の出射光による光スポットの
中心は、相対的に象限IIに偏在し、赤LED22R3
緑LED22G3 ・青LED22B3 の出射光による光
スポットの中心は、象限III に、赤LED22R4 ・緑
LED22G4 ・青LED22B4 の出射光による光ス
ポットの中心は、象限IVに、それぞれ偏在している。
【0094】この結果、各円が光軸Mに対して偏心して
いるからこそ、12個の多重円の中央には、全ての円が
重なり合った小円領域D1 が形成される。このような小
円領域D1 では、照度の分布がほぼ一様になっている。
【0095】この点に着眼し、上記小円領域D1 内に小
サイズの印画紙8′がほぼ一杯に納まるように、すなわ
ちほぼ内接するように、集光レンズ14および焼付レン
ズ16の焦点距離および倍率を設定すると共に、小サイ
ズ用LED群22aの各LEDの光軸Mに対する傾き角
を設定することによって、濃度ムラや色ムラの無い小サ
イズの焼き付けが可能になり、さらに、小サイズ用LE
D群22aの光を最も効率的に利用することができる。
換言すれば、小サイズの焼き付けにおいて、濃度ムラや
色ムラの無い状態での露光時間を最も短くすることがで
きる。
【0096】次に、大サイズの焼き付けを行う場合に
は、図8(b)および図10(b)に示すように、集光
光用LED光源11および焼付レンズ16のそれぞれ
を、光軸M上における大サイズ焼き付け用の位置に位置
決めする。すなわち、図8(b)に示すように、焼付レ
ンズ16を、小サイズの焼き付けを行う場合より印画紙
8から遠い位置に配置し、集光光用LED光源11を集
光レンズ14から遠い後方位置に位置決めする。
【0097】こうして、露光系各部の設定が完了する
と、図5(a)に示すように、大サイズ専用LED群2
2bも含めて集光光用LED群22の全てが点灯され
る。なお、拡散光用LED群25の働きについては、小
サイズの焼き付けの場合に説明したとおりである。
【0098】ここで、小サイズ用LED群22aの場合
と同様に、集光光用LED群22が発した光が、印画紙
8を照射する状態について説明する。図10(a)に
は、光軸Mに対して偏心した30個の多重円が示されて
いる。各円は、集光光用LED群22の30個のLED
の1つ1つが、光軸M上の印画紙8の位置に形成する光
スポットを表している。図10(a)の多重円は、図9
(a)の12個の多重円に、大サイズ専用LED群22
bの18個のLEDによって形成される多重円を重ね合
わせたものである。
【0099】この結果、小サイズ用LED群22aによ
って形成される各円が光軸Mに対して偏心していると共
に、集光光用LED群22を大サイズの印画紙8の縦横
比率に合わせて横長矩形状の基板21に配設したからこ
そ、30個の多重円の中央には、全ての円が重なり合っ
た縦長の略楕円形領域D2 が形成される。このような略
楕円形領域D2 では、照度の分布がほぼ一様になってい
る。
【0100】この点に着眼し、上記略楕円形領域D2
に大サイズの印画紙8がほぼ一杯に納まるように、すな
わちほぼ内接するように、集光レンズ14および焼付レ
ンズ16の焦点距離および倍率を設定すると共に、小サ
イズ用LED群22aの各LEDの光軸Mに対する傾き
角および基板21の縦横比率を設定することによって、
濃度ムラや色ムラの無い大サイズの焼き付けが可能にな
り、さらに、集光光用LED群22の光を最も効率的に
利用することができる。換言すれば、大サイズの焼き付
けにおいて、濃度ムラや色ムラの無い状態での露光時間
を最も短くすることができる。
【0101】このように、本発明の写真プリンタ1で
は、小サイズ用LED群22aをたった12個のLED
で構成しても、あるいは集光光用LED群22をたった
30個のLEDで構成しても、印画紙8′または印画紙
8の焼き付け領域の濃度分布を均一にすることができ
る。したがって、制御すべきLEDの個数が少なくて済
むため、各LEDの輝度や発光時間の制御によって、濃
度ムラや色ムラを補正することが極めて容易になるとい
う効果も得られる。
【0102】しかも、従来の光源に用いているLEDよ
り狭い指向性を持つ(例えば、視野角が45度以下とな
る)LEDを使用しても、各LEDの発光による照射領
域を、図9(a)または図10(a)のように制限する
ことによって、均一な濃度分布の領域(D1 、D2 )を
得ることができる。この結果、拡散板18の拡散率を低
くすることも同様に可能となるので、集光光用LED群
22の光量ロスを抑制することができる。これにより、
集光光用LED群22を構成するLEDの個数が少なく
ても、露光時間を充分短縮することができる。
【0103】なお、拡散板18として、肉眼でほぼ透視
できるくらいの粗度を有するスリガラスを用いることが
できるが、適切な視野角(例えば180度前後)を有す
るLEDを使用すれば、集光光用LED群22の前面か
ら拡散板18を省略することができる。
【0104】また、均一な濃度分布の領域(D1
2 )を得ることができる限り、小サイズ用LED群2
2aの光軸Mに対する傾きを任意に定めることができ
る。
【0105】さらに、小サイズ用LED群22aにおけ
る赤・緑・青3個1組のLEDが、印画紙8の各象限I
〜IVに対応付けられているので、各組における各色LE
Dの発光量を変えることによって、各象限I〜IV毎にY
(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)濃度を自
由に変更することもできる。
【0106】以上のように、本発明の光源部5の構成に
よれば、LEDを光軸に平行に配列した従来の光源のよ
うに、焼き付け状態に濃度ムラや色ムラが出ないように
するために、多数のLEDの前面に拡散率の高い拡散板
を設ける必要が無い。また、LEDを光軸に平行に配列
した場合、光学系の設計によって発生する収差等の影響
により、印画紙の辺縁部が、中央部よりも相対的に光量
不足となるため、印画紙の辺縁部を照射するLEDの発
光量を大きくする必要が有るといった制御の煩雑さの問
題も、本発明の光源部5の構成では生じることがない。
【0107】なお、本実施の形態では、小サイズ用LE
D群22aについて、指向方向が光軸Mに対して傾いた
状態の光を発するように構成したが、この構成は、本発
明にとって本質的ではない。すなわち、本発明に必須の
構成は、集光光用LED群22を焼き付けサイズに適合
したサイズの基板21上に配列した点である。したがっ
て、小サイズ用LED群22aを光軸Mに平行となるよ
うに基板21に取り付けてもよい。この場合には、色ム
ラ防止のために拡散板18の拡散率を上げる必要が有る
とはいうものの、集光光用LED群22の全体を発光さ
せることによって、大サイズの印画紙8の周辺に起こり
がちな光量不足を従来より効果的に補うことができる。
【0108】また、標準サイズの焼き付けの場合にも、
小サイズ用LED群22aのみならず大サイズ専用LE
D群22bをも適宜発光させることによって、同様に、
標準サイズの印画紙8の周辺の光量を効果的に増大させ
ることができると共に、露光時間の短縮を図ることがで
きる。
【0109】さらに、大サイズ専用LED群22bの基
板21に対する取り付けを、光軸Mに平行とする以外
に、光軸Mに対して傾けてもよい。この場合には、小サ
イズ用LED群22aの傾きによる効果を抑えるよう
に、小サイズ用LED群22aの傾き角を小さめに設定
するとよい。
【0110】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について、図11ないし図14に基づいて説明すれば、
以下のとおりである。なお、前記した実施の形態1で説
明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号
を付記し、その説明を省略する。
【0111】本実施の形態に係る焼付光学系6は、集光
光用LED光源の構成において、実施の形態1とは異な
っている。すなわち、本実施の形態の集光光用LED光
源11′は、図11(a)ないし(c)に示すように、
実施の形態1における集光光用LED群22の代わりに
LEDの個数を増やした集光光用LED群26(発光手
段)を備え、拡散板18と集光光用LED群26との間
に、集光光用LED群26の出射光を集光する凹レンズ
27(集光手段)が設けられた構成となっている。
【0112】上記集光光用LED群26は、凹レンズ2
7を取り囲むように配置されている。換言すると、集光
光用LED群26の各LEDは、凹レンズ27を介して
拡散板18に集光されるような入射光の入射範囲全体に
わたって、かつ各LEDの指向方向が凹レンズ27から
入射側へ放射状に拡がる複数の入射光路に一致するよう
に、配列されている。
【0113】より具体的には、例えば、各LEDの基部
または頭部を、球面状あるいは放物面状に配置すること
ができる。これにより、光の出射方向を凹レンズ27に
向け、集光光用LED群26が発する光を効率良く凹レ
ンズ27に入射させることができると共に、各LEDの
頭部から凹レンズ27までの距離をほぼ等しく設定する
ことができるので、各LEDの凹レンズ27に対する入
射光量をほぼ一定にすることができる。また、各LED
の基部または頭部を球面状に配置した場合には、各LE
Dの基板への取り付け工程が簡易になるという効果が加
わる。
【0114】なお、集光光用LED群26のLED個数
は、図5(a)に示す集光光用LED群22のLED個
数を、水平方向および垂直方向のどちらにも等倍したも
のとなっている。さらに、各LEDの赤、緑、青色別個
数比率についても、図5(a)に示す集光光用LED群
22について説明したものと変わらない。
【0115】上記の構成によれば、集光光用LED群2
6から出射された光は、凹レンズ27を透過し、拡散板
18に集光される。ここで、集光光用LED光源11′
を実施の形態1の集光光用LED光源11に置き換えた
図12に示す構成を参照して、拡散板18に入射する光
束の密度を比較すると、拡散板18に入射する光束の、
拡散板18の面に対する入射角度は変わらないにもかか
わらず、集光光用LED光源11′の方が、LEDの配
設個数が増えた分、光束の密度が増大することがわか
る。すなわち、図12に示す構成と同様、印画紙8上で
の光源ムラ、濃度ムラまたは色ムラが生じず、しかも印
画紙8の受光量が向上することになる。
【0116】比較例として、凹レンズ27を設けずに、
集光光用LED群26のLED個数のみ増やした場合
に、拡散板18から出射される光の分散のようすを図1
3(a)ないし(c)に示す。なお、図中において、T
1 、T2 は、光軸M上のLED素子の基部と拡散板18
との距離を表し、拡散板18から集光レンズ14の方向
に描かれている曲線図形は、その面積が拡散板18から
出射される光の分散の広がりを示し、拡散板18から曲
線までの長さが、出射された光の強さを模式的に表して
いる。
【0117】図13(b)に示す構成は、基本の状態で
ある図13(a)に示す構成において、距離T1 は変化
させずに、集光光用LED群26のLED個数を増やし
たものである。この場合、LED個数を増やしても、拡
散板18から出射される光の分散が広がるだけで、光束
密度は増加しない。
【0118】また、図13(c)に示す構成は、基本の
状態である図13(a)に示す構成において、距離T1
よりも長い距離T2 とし、LED個数を増やしたもので
ある。この場合、拡散板18から出射される光の分散
は、図13(b)のように広がりはしないが、各LED
と拡散板18との距離が長くなるため、拡散板18に到
達するまでに光量ロスが生じる。このため、光束密度の
上昇はあまり期待できない。
【0119】すなわち、図11(a)ないし(c)に示
すように、凹レンズ27を配置することによって、拡散
板18から出射する光の光束密度を効率的に上昇させる
ことができる。
【0120】次に、光源ムラの調整について、以下に説
明する。図11(a)において、集光レンズ14より入
射側で、かつ二点鎖線K1 、K2 で挟まれた領域は、集
光レンズ14に入射した光がネガフィルム7の下端を透
過した後、焼付レンズ16によって印画紙8の上端に届
くような入射光の範囲を示している。同様に、図11
(b)において、集光レンズ14より入射側で、かつ二
点鎖線K3 、K4 で挟まれた領域は、印画紙8の中央に
集光される入射光の範囲を示し、図11(c)におい
て、集光レンズ14より入射側で、かつ二点鎖線K5
6 で挟まれた領域は、印画紙8の下端に集光される入
射光の範囲を示している。
【0121】また、図11(a)ないし(c)におい
て、拡散板18の上端の点Pから描かれている複数の矢
印は、この点Pにおける光の分散の方向および強さを示
している。この点Pにおける光は、集光光用LED群2
6の最上部に位置するLED素子から出射したものであ
る。点Pにおける光の強度分布は、凹レンズ27から拡
散板18の点Pに入射する光の方向に近い方向であるほ
ど、強くなっている。
【0122】図11(a)において、点Pにおける光の
分散のうち、強度分布が最も強い方向の光成分が、二点
鎖線K1 で示す光路を進み、印画紙8の上端の点を照射
している。図11(b)においては、点Pにおける光の
分散のうち、図11(a)の場合よりも強度分布がやや
弱い方向の光成分が、二点鎖線K3 と光軸Mとの間の光
路を通って、印画紙8の中央の点を照射している。図1
1(c)においては、点Pにおける光の分散のうち、強
度分布がかなり弱い方向の光成分が、二点鎖線K5 、K
6 の中央線と二点鎖線K5 との間の光路を通って、印画
紙8の下端の点を照射している。
【0123】すなわち、印画紙8の上端部付近は、集光
光用LED群26の上部付近(図11(a)中ではU1
で示す領域)に位置するLEDからの照射が支配的であ
ることがわかる。同様に、印画紙8の中央部付近は、集
光光用LED群26の中央部付近(図11(a)中では
2 で示す領域)に位置するLEDからの照射が支配的
になり、印画紙8の下端部付近は、集光光用LED群2
6の下部付近(図11(a)中ではU3 で示す領域)に
位置するLEDからの照射が支配的になる。
【0124】したがって、光源ムラが生じている領域に
応じて、該領域を支配的に照射する領域のLEDの発光
量を個々に制御することにより、光源ムラの調整を行う
ことができる。
【0125】なお、図14(a)ないし(c)に示すよ
うに、上記凹レンズ27の代わりに、凸面鏡28を集光
手段として用いて光源の光を拡散板18に集光する構成
とすることもできる。この場合には、凸面が拡散板18
を向くように、凸面鏡28を光軸M上に配置すると共
に、集光光用LED群26′(発光手段)は、凸面鏡2
8の凸面側を取り囲むように配置される。また、拡散板
18は、凸面鏡28に対して、集光光用LED群26′
と同じ側に配置される。すなわち、集光光用LED群2
6′は、その中央部に開口部が形成されており、集光光
用LED群26′から出射した光は、凸面鏡28で反射
されて、上記開口部を通って拡散板18に集光される。
このような構成においても、上記の凹レンズ27を備え
た構成と同様の作用・効果を奏する。
【0126】以上のように、本実施形態に係る写真焼付
装置では、拡散板18と集光光用LED群26との間に
凹レンズ27を配置し、該凹レンズ27を取り囲むよう
な形状で集光光用LED群26を設けることによって、
LED個数を増加させている。すなわち、集光光用LE
D群26におけるLED個数を増やすことにより、拡散
板18に入射する光量を増加させている。また、凹レン
ズ27によって集光することにより、拡散板18での光
束密度を向上させている。これにより、印画紙8上での
光源ムラが生じず、さらに、印画紙8上での輝度を向上
させることができる。
【0127】また、印画紙8上の領域と、集光光用LE
D群26におけるLEDの配設領域との間に対応関係が
あるので、光源ムラの状態に応じて、LED素子の発光
量を調整することにより、光源ムラの補正を行うことが
できる。
【0128】〔実施の形態3〕本発明のさらに他の実施
の形態について、図15に基づいて説明すれば、以下の
とおりである。なお、前記した各実施の形態で説明した
構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
【0129】本実施の形態に係る焼付光学系6は、集光
光用LED光源の構成において、実施の形態1とは異な
っている。すなわち、本実施の形態の集光光用LED光
源31は、図15(a)ないし(c)に示すように、L
EDを多段重ねにして数を増やした集光光用LED群3
2(発光手段)を備えている。この集光光用LED群3
2の構成は、LED本体が透明であることに着眼したも
のであり、例えば2段重ねの場合には、下の段に配列さ
れたLEDから出射した光は、上の段に配列されたLE
Dを透過して、拡散板18に入射する。拡散板18から
印画紙8に到達するまでの光の経路は、実施の形態2に
おける、図11(a)ないし(c)に基づく説明と全く
同様になる。
【0130】図12に示す集光光用LED光源11と比
較して、集光光用LED光源31の発光面積は大差ない
ので、拡散板18に入射する光束の、拡散板18の面に
対する角度はほとんど変わらないにもかかわらず、その
光束密度を向上させることができる。すなわち、図12
に示す構成と同様に、印画紙8上での光源ムラが生じ
ず、さらに、印画紙8上での輝度が向上することにな
る。
【0131】また、実施の形態2と同様に、印画紙8の
上端部付近は、集光光用LED群32の上部付近(図1
5(a)中ではW1 で示す領域)に位置するLEDから
の照射が支配的であることがわかる。同様に、印画紙8
の中央部付近は、集光光用LED群32の中央部付近
(図15(a)中ではW2 で示す領域)に位置するLE
Dからの照射が支配的になり、印画紙8の下端部付近
は、集光光用LED群32の下部付近(図15(a)中
ではW3 で示す領域)に位置するLEDからの照射が支
配的になる。
【0132】したがって、光源ムラが生じている領域に
応じて、該領域を支配的に照射する領域のLEDの発光
量を個々に制御することにより、光源ムラの調整を的確
に行うことができる。
【0133】なお、本実施の形態では、集光光用LED
群32におけるLEDを2段重ねにした構成であった
が、3段以上に重ねた構成にすることも可能である。
【0134】以上のように、本実施の形態に係る写真焼
付装置は、集光光用LED群32におけるLEDを多段
重ねにすることで、集光光用LED光源31におけるL
EDの数を増加させている。すなわち、集光光用LED
光源31におけるLEDの数を増加させることにより、
拡散板18に入射する光量を増加させている。また、拡
散板18への光の入射角度は変化しないので、拡散板1
8への入射光量が正味増大し、光束密度が上昇する。こ
れにより、印画紙8上での光源ムラが生じず、さらに、
印画紙8上での輝度を向上させることができる。
【0135】また、印画紙8上の領域と、集光光用LE
D群32におけるLEDの配設領域との間に対応関係が
あるので、光源ムラの状態に応じて、LEDの発光量を
個別に調整することにより、光源ムラの補正を的確に行
うことができる。
【0136】〔実施の形態4〕本発明のさらに他の実施
の形態について、図16に基づいて説明すれば、以下の
とおりである。なお、前記した各実施の形態で説明した
構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
【0137】本実施形態に係る焼付光学系6は、集光レ
ンズ14を用いない点で、実施の形態2と異なってい
る。すなわち、図16(a)に示すように、集光レンズ
14を用いない代わりに、ネガフィルム7と拡散板18
との間隔を非常に狭くすることによって、拡散板18か
ら出射された光がロス無くネガフィルム7を照射する構
成となっている。
【0138】本実施の形態においても、実施の形態2お
よび3と同様に、印画紙8の上端部付近は、集光光用L
ED群26の上部付近(図16(a)中ではZ1 で示す
領域)に位置するLEDからの照射が支配的であること
がわかる。同様に、印画紙8の中央部付近は、集光光用
LED群26の中央部付近(図16(a)中ではZ2
示す領域)に位置するLEDからの照射が支配的にな
り、印画紙8の下端部付近は、集光光用LED群26の
下部付近(図16(a)中ではZ3 で示す領域)に位置
するLEDからの照射が支配的になる。
【0139】したがって、光源ムラが生じている領域に
応じて、該領域を支配的に照射する領域のLEDの発光
量を個々に制御することにより、光源ムラの調整を的確
に行うことができる。
【0140】また、図16(b)に示すように、集光光
用LED群26と拡散板18との間に、実施の形態2と
同様に、凹レンズ27を配置し、集光光用LED群26
でのLED個数を増やした構成とすることもできる。こ
の構成によれば、実施の形態2における説明と同様に、
拡散板18での光束密度を効率的に上昇させることがで
きる。なお、図16(b)に図示したZ4 、Z5 、Z6
で示す領域は、それぞれ上記Z1 、Z2 、Z3 で示す領
域に対応している。
【0141】また、図14(a)ないし(c)に示す構
成のように、凹レンズ27の代わりに凸面鏡28を備え
た構成や、実施の形態3のように、集光光用LED群3
2におけるLEDを多段重ねにする構成とすることも可
能である。
【0142】以上のように、本実施の形態に係る写真焼
付装置は、実施の形態1ないし3における構成による作
用効果と同等の作用効果を得ながら、集光レンズ14を
設けない分、光学設計を容易にし、かつ写真焼付装置自
体のコストを低減することができる。
【0143】〔実施の形態5〕本発明のさらに他の実施
の形態について、図17に基づいて説明すれば、以下の
とおりである。なお、前記した各実施の形態で説明した
構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
【0144】本実施の形態に係る焼付光学系6は、図1
7(a)(b)に示すように、実施の形態1の構成にお
いて、集光光用LED光源11に取り付けた拡散板18
を、プリントサイズに応じて拡散率を変化させることの
できる拡散板33(拡散手段)に置き換えた構成となっ
ている。
【0145】本実施の形態では、例えば標準サイズとパ
ノラマサイズの2種類の印画紙8′・8に対して焼き付
けを行うので、それに応じて、拡散板33の拡散率を2
種類に変化させることができる。より具体的には、拡散
板33は、拡散率の異なる2つの領域を有しており、該
拡散板33をスライドさせることによって、あるいは光
軸Mに平行な軸の周りに拡散板33を回転させることに
よって、集光光用LED光源11の光が透過する領域を
変化させ、拡散率を変化させる。
【0146】なお、拡散率の異なる領域を拡散板33に
2つ以上形成しても、スライドまたは回転によって、所
望の領域を光軸M上に配置できるのはいうまでもない。
さらに、拡散板33の1つの領域に1種類の拡散率を設
定するのみならず、例えば1つの領域の外周部における
拡散率を低くし、中央部近傍における拡散率を高くする
等のように、1つの領域内で拡散率を変えた領域を用意
してもよい。
【0147】上記の構成によれば、パノラマサイズの印
画紙8に対して焼き付けを行う際には、図17(b)に
示すように、集光光用LED光源11を集光レンズ14
から遠ざける。よって、この場合には、拡散板33での
光源ムラを生じさせないために必要な拡散率は、図17
(a)に示すような、標準サイズの印画紙8′に対する
焼き付けを行う場合よりも小さくてよい。すなわち、集
光光用LED光源11と集光レンズ14とが遠い程、集
光レンズ14における入射光量が減るので、パノラマサ
イズの印画紙8に対する焼き付け時には、拡散板33に
おける拡散率の低い領域を使用して光の拡散を抑えるの
が良い。これにより、標準サイズの印画紙8′に対する
焼付時に対応した拡散率の拡散板を使用する場合、ある
いは標準、パノラマ両サイズに適応する中間レベルの拡
散率を持つ拡散板を使用する場合と比べて、集光光用L
ED群22の出射光を効率的に利用することができ、露
光時間を短縮することができる。
【0148】なお、本実施の形態では、拡散率を変化さ
せる手段として、拡散板33を使用したが、拡散効果を
有するものであれば他の手段でも良く、また、例えば高
分子分散型液晶のように、意図的に拡散率を変えられる
素材であれば、拡散板の交換は不要になる。
【0149】〔実施の形態6〕本発明のさらに他の実施
の形態について図18ないし図20に基づいて説明すれ
ば、以下のとおりである。なお、先の実施の形態で用い
た構成と同一の機能を有する構成には同一番号を付記
し、その説明を省略する。
【0150】本実施の形態では、図18(a)(b)ま
たは図19に示すように、実施の形態1〜5で説明した
焼付光学系6において、印画紙8とは別に、ネガフィル
ム7を透過した光を撮像するCCD(charge coupled d
evice)カメラ42(撮像手段)を配置して、電子画像入
力装置を構成する場合について説明する。
【0151】まず、図18(a)(b)に示すCCDカ
メラ42は、絞り16aと組み合わされた焼付レンズ1
6と共に保持部43内に内蔵、並置されており、保持部
43を光軸Mに対し垂直にスライドさせることによっ
て、光源部5と印画紙8とを結ぶ光路中に挿抜されるよ
うになっている。この保持部43は、焼付レンズ16が
光軸M上に位置するように保持部43がスライドしたと
きに光源部5からの光が焼付レンズ16を透過して印画
紙8に到達できるように、焼付レンズ16の光入射側に
開口部43aを、焼付レンズ16の光出射側に開口部4
3bをそれぞれ有している。また、保持部43は、CC
Dカメラ42が光軸M上に位置するように保持部43が
スライドしたときに光源部5からの光がネガフィルム7
を透過してCCDカメラ42に導かれるように、CCD
カメラ42の光入射側に開口部43cを有している。
【0152】また、上記のように、焼付レンズ16とC
CDカメラ42とをユニット化する代わりに、図19に
示すように、焼付レンズ16とCCDカメラ42とを独
立して設け、CCDカメラ42専用の集光光用LED光
源11aおよび集光レンズ14aを設けてもよい。この
場合、印画紙8に対して光軸Mを中心とするプリント系
と、CCDカメラ42に対して光軸M′を中心とするモ
ニタ系とに、共通のネガフィルム搬送路wを設けること
もできるし、プリント系とモニタ系とで異なるネガフィ
ルムを搬送する搬送路をそれぞれに設けることもでき
る。
【0153】上記CCDカメラ42は、光軸Mまたは
M′に沿って移動可能なズーム式の対物レンズ44とC
CD45とからなっている。対物レンズ44は、入射光
をCCD45に結像させる。CCD45は、複数の受光
素子を有しており、対物レンズ44を介して入射した光
の光量を受光素子ごとに検出する。上記各受光素子は、
上記光量に応じた電気信号を画像表示制御部等へ出力
し、これに基づいてモニタ表示が行われる。
【0154】上記の構成において、図18(b)に示す
ように、保持部43の移動によってCCDカメラ42が
光軸M上に挿入される。このとき、保持部43が印画紙
8へ向かう光を遮断するシャッタとなるので、印画紙8
を光軸M上に配置しておいても構わない。
【0155】濃度ムラや色ムラの補正を行う場合には、
グレー1色のネガフィルム7を光軸M上に配置した上
で、図20に示すフローに従って、以下のような手順で
補正の処理が実行される。まず、光源部5が点灯される
と(ステップ11、以下S11のように略記する)、光
源部5からの光が、集光レンズ14、ネガフィルム7、
対物レンズ44を介してCCD45に入射する。ここ
で、CCD45は、受光素子毎に入射した光の光量を検
出し、受光量に応じた検出信号を制御部へ出力する(S
12)。これにより、制御部は、CCD45の受光面に
おける濃度分布を認識する。
【0156】次に、制御部は、上記濃度分布をもとに、
濃度ムラおよび色ムラが許容範囲内であるか否かを判断
する(S13)。S13にて、上記各ムラが許容範囲内
であれば、ムラの補正を行わず、処理自体が完了する
(S14)。
【0157】一方、S13にて、各ムラが許容範囲内で
なければ、濃度ムラおよび/または色ムラが補正される
ように、例えば制御部が光源部5の各LEDの発光量を
制御する(S15)。また、操作者が、CCDカメラ4
2の撮像した画像をモニタ上で確認しながら、補正デー
タを手動入力してもよい。
【0158】このように、S15にて、ムラの補正を行
った場合には、各ムラが許容範囲内となるまで、S11
〜S13およびS15の処理が繰り返され、補正の処理
が完了する(S14)。
【0159】次に、光源部5が一旦OFFにされた後、
図18(a)に示すように、保持部43の移動によって
焼付レンズ16が光軸M上に挿入される。続いて、光源
部5をONにし、印画紙8への焼き付けを行う。
【0160】図18に示す構成は、焼き付け前に濃度ム
ラおよび色ムラの補正を行っておき、補正終了後に、各
コマ画像の焼き付けを一括して連続的に行う場合に適し
ている。
【0161】一方、図19に示す構成は、焼き付け前に
濃度ムラおよび色ムラの補正を行う上に、各コマ画像毎
にCCDカメラ42の撮像した画像をモニタ上で確認し
ながら、補正データを手動入力する場合に適している。
なぜなら、図18に示す構成で、各コマ画像毎に補正デ
ータを手動入力しようとすると、各コマ画像毎に保持部
43を往復移動させなければならないが、図19に示す
構成によれば、焼き付けとモニタに基づく補正とを同時
に行うことが可能だからである。
【0162】以上のように、CCDカメラ42を備えた
構成により、本発明の適用範囲を次のように拡張するこ
とができる。
【0163】第1に、印画紙8への焼き付けを行う前
に、CCDカメラ42を光軸MまたはM′上に配置する
ことにより、実施の形態1で説明したグレープリントに
よる濃度ムラのチェックおよび各LEDの発光量の調整
を、CCD45の出力に基づいて直接的に行うことがで
きる。また、操作者が補正量を手動で入力する際にも、
モニタに表示された画像を見ながら、同時に調整を行う
ことができる。これにより、調整に要する時間を短縮す
ることができる。この結果、本発明により、集光光用L
ED群22を構成するLEDの数が減ったことにより、
濃度ムラや色ムラの調整が容易になった効果を、一段と
高めることができる。
【0164】第2に、ネガフィルム7やポジフィルムの
コマ画像をモニタ表示することができるので、写真プリ
ントとして印画紙8に焼き付けなくても、モニタ画像を
多人数で一度に見ることができる。これにより、鑑賞や
会議のためのプレゼンテーションに利用することができ
る。
【0165】第3に、濃度ムラや色ムラが無いようにL
EDの発光量が適正に制御された状態で、CCDカメラ
42を通して得た画像データを、MO(光磁気記録媒
体)、DVD(デジタルビデオディスク)等の記録媒体
に記録して、写真アルバムの代わりに保存することも可
能となる。さらに、LEDの発光量を制御して、視覚効
果を様々に変化させた画像データを、上記記録媒体に記
録することもできる。
【0166】なお、光源部5に拡散光用LED光源12
が配されていることにより、ネガフィルム7に付いた傷
等の凹凸が、CCD45に結像する画像に含まれない効
果や、CCD45に結像する画像の鮮明度を変更するこ
とができる効果を、実施の形態1と同様に得ることがで
きるのはいうまでもない。
【0167】なお、以上で説明した各実施の形態では、
原画像情報を保持した情報保持体として、原画像そのも
のを記録したネガフィルム7を取り上げたが、これに限
定されるわけではない。情報保持体としては、例えば、
原画像に対応した画像信号に応じて光の透過または反射
を制御する液晶表示素子、PLZT露光ヘッド、DMD
(デジタル・マイクロミラー・デバイス)等であっても
よい。
【0168】上記の液晶表示素子は、例えばアクティブ
素子であるTFT(Thin Film Transistor)が各画素に
対応してマトリクス状に配置された透明基板(TFT基
板と称する)と、対向電極の形成された透明な対向基板
とで液晶層を挟持してなるものであり、反射型液晶表示
素子の場合は、さらに上記液晶パネルの外側に反射板を
配置した構造となる。このような液晶表示素子では、原
画像に対応する画像信号に応じて液晶層に印加する電圧
を画素ごとに制御し、液晶層を透過する光源部5からの
光の透過率を画素ごとに変化させることで、原画像が表
示される。したがって、この表示された原画像を印画紙
8に焼き付けることが可能となる。なお、上記液晶パネ
ルがR、G、Bのカラーフィルタを備えていれば、カラ
ー画像の焼き付けを行うことができる。なお、上記の液
晶パネルとしては、TN(Twisted Nematic )液晶パネ
ル、STN(Super Twisted Nematic )液晶パネル等で
あってもよい。
【0169】また、上記のPLZT露光ヘッドとは、透
明強誘電性セラミックス材料であるPLZT素子を一対
の偏光板(偏光子と検光子)の間に配し、画像信号に応
じて光の透過を制御する複数のシャッタ部(光出力部)
を備えたものであり、本発明では上記シャッタ部を二次
元的に有するものが好適である。上記のPLZT素子と
は、ジルコン酸鉛(PbZrO3 )とチタン酸鉛(Pb
TiO3 )とを適当な比率で固溶体としたもの(PZ
T)に、ランタンを添加してホットプレスして得られる
(Pb1-x Lax )(Zry Ti1-y 1-x/4 3 系固
溶体である。一方、DMDとは、微小サイズの揺動自在
なマイクロミラーを二次元的に複数配置し、画像データ
に応じて個々のマイクロミラーの傾きを調節して光の反
射方向を変えることで、感光材料への光の供給を制御す
るものである。
【0170】情報保持体として透過型液晶表示素子また
はPLZT露光ヘッドを用いた場合は、光源部5からの
光が上記情報保持体を透過して印画紙8に導かれる一
方、情報保持体として反射型液晶表示素子あるいはDM
Dを用いた場合は、光源部5からの光が上記情報保持体
にて反射されて感光材料に導かれ、いずれにしても、上
記情報保持体が保持する画像情報に対応する原画像が感
光材料に焼き付けられることになる。
【0171】以上に示した各実施の形態は、ほんの一例
であり、各部材の形状や構造、個数等は以上に限ったも
のではなく、また、各実施の形態の構成を組み合わせる
ことも可能である。
【0172】
【発明の効果】請求項1の発明に係る写真焼付装置は、
以上のように、光源は、分光特性の互いに異なる発光手
段が面上に複数配列されてなり、焼き付けサイズに応じ
たサイズの領域内に配列された発光手段を発光させるこ
とによって、焼き付けを行う構成である。
【0173】それゆえ、感光材料の配置位置に、照度分
布が一様で、焼き付けに充分な照度を持った領域を焼き
付けのサイズに適合したサイズで形成することができ
る。したがって、光源の出射光を効率よく焼き付けに利
用することができる。この結果、分光特性の互いに異な
る発光手段を光源に用いた写真焼付装置において、露光
時間の短縮を図ることができるという効果を奏する。
【0174】請求項2の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、上記感光材料の配置位置において照度分布
が一様となる領域を形成すると共に、該領域に感光材料
を内接させるような光束を生成する光学系を備えた構成
である。
【0175】それゆえ、照度分布が一様な領域に感光材
料を内接させるので、照度分布が一様な領域を焼き付け
に最大限利用することができる。これにより、光源の出
射光を効率よく焼き付けに利用することができる。この
結果、分光特性の互いに異なる発光手段を光源に用いた
写真焼付装置において、濃度ムラや色ムラの無い焼き付
け状態を得つつ、露光時間の短縮を図ることができると
いう効果を奏する。
【0176】請求項3の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、情報保持体に入射する光の入射角度は変え
ずに、上記発光手段の出射光を直接受光して集光する集
光手段を備えた構成である。
【0177】それゆえ、情報保持体に入射する光の入射
角度を変えずに光量のみ増加させることができるので、
光源および集光手段以外の光学系を変更することなく、
各種の焼き付けサイズに対する露光時間を短縮すること
ができるという効果を奏する。
【0178】請求項4の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、請求項3に記載の集光手段が、光の反射ま
たは屈折の少なくとも一方を利用した光学手段であるこ
とを特徴としている。
【0179】それゆえ、請求項3の構成による効果に加
えて、光学手段での反射角または屈折角の選択という比
較的簡単な光学設計によって、光源および光学手段以外
の光学系をそのまま利用して、各種の焼き付けサイズに
対する露光時間を短縮することができるという効果を奏
する。
【0180】請求項5の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、請求項4に記載の光学手段が、凹レンズま
たは凸面鏡の少なくとも一方であることを特徴としてい
る。
【0181】それゆえ、凹レンズの屈折特性や、凸面鏡
の反射特性を適宜選択するという比較的簡単な光学設計
によって、各種の焼き付けサイズに対する露光時間を短
縮することができる。また、光学手段として凸面鏡を採
用することで、発光手段の光を感光材料の配設側と反対
側に向けて出射させることができるので、凹レンズを採
用した構成よりも焼き付けに不要な迷光を減らしやすく
なるという効果を併せて奏する。
【0182】請求項6の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、上記光源と感光材料とを結ぶ光軸に沿っ
て、上記発光手段を多段重ねに配設した構成である。
【0183】それゆえ、発光手段の光透過率が0でさえ
なければ、発光手段を光軸に沿って多段重ねに配設する
ことによって、感光材料に向けた出射光量を増大させる
ことができ、各種の焼き付けサイズに対する露光時間を
短縮することができるという効果を奏する。
【0184】請求項7の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、上記光源から情報保持体に至る光路上に、
拡散率が選択可能な拡散板を設けた構成である。
【0185】それゆえ、1種類の拡散率を持つ拡散板を
複数種類の焼き付けサイズに使用する場合に比べて、露
光時間を各種焼き付けサイズで最短にすることができる
という効果を奏する。
【0186】請求項8の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、上記拡散板は、拡散率が異なる領域を複数
備えた構成である。
【0187】それゆえ、所望の拡散率を有する領域を選
択することによって、拡散率を簡単に変更することがで
きる。上記領域の選択は、拡散板のスライドや回転等、
比較的簡易な機構によって実現することができるという
効果を、請求項7に記載の構成による効果に加えて奏す
る。
【0188】請求項9の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、請求項1ないし8のいずれかに記載の発光
手段が、発光ダイオードであることを特徴としている。
【0189】それゆえ、発光ダイオードは、輝度や発光
時間を制御しやすいため、発光量を変えて濃度ムラや色
ムラを調整することが容易になる。また、発光ダイオー
ドの視野角を適宜選択することが可能であると共に、基
板に対する発光ダイオードの取り付け角度を変えて、光
軸に対する指向方向の傾き角を簡単に変えることができ
る。これによって、特に請求項1および2について説明
した強度分布が均一な領域の広がりを簡単に変えること
ができる。また、ハロゲンランプに比べて、発熱量や消
費電力が小さく、分光特性が安定していることにより、
ハロゲンランプの様々な問題点を解決することができる
という効果を、請求項1ないし8のいずれかに記載の構
成による効果に加えて奏する。
【0190】請求項10の発明に係る電子画像入力装置
は、以上のように、請求項1ないし9のいずれかに記載
の写真焼付装置に、上記情報保持体を介して得られる上
記発光手段からの光を撮像する撮像手段を備えた構成で
ある。
【0191】それゆえ、請求項1または9のいずれかに
記載の構成と組み合わせることにより、感光材料を撮像
手段に置き換えれば、各種焼き付けサイズ毎に、光源の
出射光の利用効率が最も高い状態で、しかも濃度ムラや
色ムラの無い状態で、フィルムの原画像を撮像すること
ができる。この結果、例えば撮像手段の出力に基づいて
画像を表示するモニタの画面を従来より明るくすること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は、本発明に係る写真焼付装置の
光源の一構成例を示す斜視図である。
【図2】上記光源を内蔵する写真プリンタの外観を示す
斜視図である。
【図3】上記写真焼付装置における印画紙の搬送機構を
概略的に示す説明図である。
【図4】上記写真焼付装置の焼付光学系の一構成例を光
軸との関係で概略的に示す説明図である。
【図5】(a)は、上記光源におけるLEDの配列を平
面的に示す説明図であり、(b)は小サイズの焼き付け
時に点灯しないLEDを示す説明図である。
【図6】上記光源において、小サイズの焼き付け時に点
灯するLEDの配列を発光色別に示す説明図である。
【図7】図6に示すLEDの光軸に対する傾きを、3次
元的に投影して示す斜視図である。
【図8】(a)(b)は、上記焼付光学系の構成を光軸
および焼き付けサイズとの関係で模式的に示す断面図で
ある。
【図9】(a)は、小サイズの焼き付け時における照射
領域を模式的に示す説明図、(b)は、上記焼付光学系
の要部を光軸との関係で模式的に示す斜視図である。
【図10】(a)は、大サイズの焼き付け時における照
射領域を模式的に示す説明図、(b)は、上記焼付光学
系の要部を光軸との関係で模式的に示す斜視図である。
【図11】(a)ないし(c)は、焼き付け用の光を発
する集光光用LED光源の一構成例を、印画紙に対する
入射光路との関係で示す説明図である。
【図12】図4に示す集光光用LED光源と、印画紙に
対する入射光路との関係を示す説明図である。
【図13】(a)ないし(c)は、集光光用LED光源
に凹レンズを設けない場合に、光束が分散する様子を集
光光用LED光源の構成との関係で示す説明図である。
【図14】(a)ないし(c)は、上記集光光用LED
光源の他の構成例を、印画紙に対する入射光路との関係
で示す説明図である。
【図15】(a)ないし(c)は、上記集光光用LED
光源のさらに他の構成例を、印画紙に対する入射光路と
の関係で示す説明図である。
【図16】(a)(b)は、図11に示す集光光用LE
D光源を使用して、集光レンズを用いずに焼付光学系を
構成した例を示す説明図である。
【図17】(a)(b)は、上記焼付光学系において、
焼き付けサイズに応じて拡散板の拡散率を変更する構成
例を示す概略断面図である。
【図18】(a)(b)は、電子画像入力装置を並置し
た焼付部の主要部を、印画紙への焼き付けの場合および
電子画像入力装置での撮像の場合に分けて示す説明図で
ある。
【図19】電子画像入力装置専用の光学系を配置した焼
付部の主要部を、印画紙への焼き付けの場合および電子
画像入力装置での撮像の場合に分けて示す説明図であ
る。
【図20】上記電子画像入力装置において、ムラの補正
処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】従来の写真プリンタにおける焼付部の主要部
を示す説明図である。
【図22】上記従来の写真プリンタにおいて、カラーペ
ーパーに照射された各LED光の強度分布を示す説明図
である。
【符号の説明】
2 焼付部(写真焼付装置) 5 光源部(光源) 7 ネガフィルム(情報保持体) 8 印画紙(感光材料) 8′ 印画紙(感光材料) 11 集光光用LED光源(光源、光学系) 11a 集光光用LED光源(光源、光学系) 11′ 集光光用LED光源(光源、光学系) 14 集光レンズ(光学系) 14a 集光レンズ(光学系) 16 焼付レンズ(光学系) 18 拡散板(拡散手段、光学系) 22 集光光用LED群(発光手段) 22a 小サイズ用LED群(発光手段) 22b 大サイズ専用LED群(発光手段) 22R1 、22R2 、22R3 、22R4 赤LED
(発光ダイオード) 22G1 、22G2 、22G3 、22G4 緑LED
(発光ダイオード) 22B1 、22B2 、22B3 、22B4 青LED
(発光ダイオード) 26 集光光用LED群(発光手段) 26′ 集光光用LED群(発光手段) 27 凹レンズ(集光手段、光学手段) 28 凸面鏡(集光手段、光学手段) 31 集光光用LED光源(光源、光学系) 32 集光光用LED群(発光手段) 33 拡散板(拡散手段、光学系) 42 CCDカメラ(撮像手段) M 光軸 M′ 光軸

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原画像情報を保持した情報保持体に光を照
    射する光源を備え、上記情報保持体を介して感光材料に
    光を照射することにより、感光材料に上記原画像を焼き
    付ける写真焼付装置において、 上記光源は、分光特性の互いに異なる発光手段が面上に
    複数配列されてなり、焼き付けサイズに応じたサイズの
    領域内に配列された発光手段を発光させることによっ
    て、焼き付けを行うことを特徴とする写真焼付装置。
  2. 【請求項2】複数種類の分光特性を個別に備えた発光手
    段によって、原画像情報を保持した情報保持体に光を照
    射する光源を備え、上記情報保持体を介して感光材料に
    光を照射することにより、感光材料に上記原画像を焼き
    付ける写真焼付装置において、 上記感光材料の配置位置において照度分布が一様となる
    領域を形成すると共に、該領域に感光材料を内接させる
    ような光束を生成する光学系を備えたことを特徴とする
    写真焼付装置。
  3. 【請求項3】複数種類の分光特性を個別に備えた発光手
    段によって、原画像情報を保持した情報保持体に光を照
    射する光源を備え、上記情報保持体を介して感光材料に
    光を照射することにより、感光材料に上記原画像を焼き
    付ける写真焼付装置において、 上記情報保持体に入射する光の入射角度は変えずに、上
    記発光手段の出射光を直接受光して集光する集光手段を
    備えたことを特徴とする写真焼付装置。
  4. 【請求項4】上記集光手段は、光の反射または屈折の少
    なくとも一方を利用した光学手段であることを特徴とす
    る請求項3に記載の写真焼付装置。
  5. 【請求項5】上記光学手段は、凹レンズまたは凸面鏡の
    少なくとも一方であることを特徴とする請求項4に記載
    の写真焼付装置。
  6. 【請求項6】複数種類の分光特性を個別に備えた発光手
    段によって、原画像情報を保持した情報保持体に光を照
    射する光源を備え、上記情報保持体を介して感光材料に
    光を照射することにより、感光材料に上記原画像を焼き
    付ける写真焼付装置において、 上記光源と感光材料とを結ぶ光軸に沿って、上記発光手
    段を多段重ねに配設したことを特徴とする写真焼付装
    置。
  7. 【請求項7】複数種類の分光特性を個別に備えた発光手
    段によって、原画像情報を保持した情報保持体に光を照
    射する光源を備え、上記情報保持体を介して感光材料に
    光を照射することにより、感光材料に上記原画像を焼き
    付ける写真焼付装置において、 上記光源から上記情報保持体に至る光路上に、拡散率が
    選択可能な拡散板を設けたことを特徴とする写真焼付装
    置。
  8. 【請求項8】上記拡散板は、拡散率が異なる領域を複数
    備えていることを特徴とする請求項7に記載の写真焼付
    装置。
  9. 【請求項9】上記発光手段は、発光ダイオードであるこ
    とを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の写
    真焼付装置。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9のいずれかに記載の写
    真焼付装置に、上記情報保持体を介して得られる上記発
    光手段からの光を撮像する撮像手段を備えてなることを
    特徴とする電子画像入力装置。
JP27136698A 1998-01-27 1998-09-25 写真焼付装置および電子画像入力装置 Withdrawn JPH11282097A (ja)

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JP1464798 1998-01-27
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012220566A (ja) * 2011-04-05 2012-11-12 Ricoh Co Ltd 原稿照明装置、走査光学ユニット、画像読取装置および画像形成装置

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