JPH11281299A - 高速飛翔体 - Google Patents

高速飛翔体

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JPH11281299A
JPH11281299A JP10085940A JP8594098A JPH11281299A JP H11281299 A JPH11281299 A JP H11281299A JP 10085940 A JP10085940 A JP 10085940A JP 8594098 A JP8594098 A JP 8594098A JP H11281299 A JPH11281299 A JP H11281299A
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payload
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稔 織田
Katsuhiro Yamazaki
勝広 山▲崎▼
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
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Abstract

(57)【要約】 【目的】砲弾等の高速飛翔体を利用して、目標地点にお
ける迅速で且つ正確な情報を長時間にわたって得られる
高速飛翔体を提供する。 【構成】砲弾等の高速飛翔体(1) の高速飛翔中に、同高
速飛翔体(1) に内蔵される少なくとも折り畳まれて収納
された気球(22)と、同気球(22)を膨張させる軽ガスの発
生源(50)と、同気球(22)の膨張時期等を制御する制御部
とを有するぺイロードを、目標地点で分離放出すると共
に、前記気球(22)を前記軽ガス発生源(5) から自動的に
放出して膨張させて空中に浮遊或いは飛行させ、その浮
遊中に気球(22)に連結されたセンサ部(40)に搭載された
各種の探査機器をもって、周辺の情報を送受信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然災害による状
況探査や、保安・防衛などの軍事分野、とりわけ偵察、
早期警戒に有効な探査機器を備えた、例えば砲弾などの
高速飛翔体に関し、高速飛翔体を目標地域の上空まで飛
翔させ、同飛翔体から空中浮遊体を放出して、同浮遊体
によりその地域の状況を探査することを可能にした高速
飛翔体に関する。
【0002】
【従来の技術】山火事や震災などの自然災害の発生時に
は、それらの状況を早期に把握すると共に、時々刻々と
変化する状況を常時把握しておく必要がある。従来も、
小型のヘリコプターなどによりそれらの状況を把握して
いるが、一刻も早く、それらの状況を知ることは、多く
の人命などに係わる場合には、特に重要である。
【0003】また、軍事面から見ると、広域かつ大規模
な戦闘においては、多様な種類の軍事車両などが投入さ
れるため、軍事衛星、航空機等により情報を得ることも
可能であるが、極く限られた局地戦、とりわけ砲兵部隊
単位での野戦において、対峙する部隊の動向を監視する
ことは極めて多くの困難を伴う。このため、通常FOと
呼ばれる偵察部隊による監視活動が行われている。しか
し、近年の部隊は高機動力化されており、正確な情報を
得ることは非常に困難になりつつある。また火砲陣地が
発見された場合には直ちに攻撃・撃破される危険性があ
るため、野戦部隊は数10キロメートル前方の対峙する
部隊の動静、情報をいち早く入手し、しかるべき戦術を
取る必要があり、そのために如何に早く正確な情報を得
られるかが、戦況を大きく左右する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のような自然災害
や局地戦を想定して、迅速で且つ正確な情報を入手する
ため、様々な情報の入手手段が開発されている。例え
ば、無人飛行機や無人ヘリコプター等による情報入手手
段がある。これらは無人機に画像データを送信するシス
テムを組み合わせたものであるが、数10キロメートル
前方まで飛翔させる能力を付与することは装置が大掛か
りになり実現は難しい。また、それらの機器を数10キ
ロメートル前方まで搬送して飛翔させるには迅速性の確
保が難しいという間題点がある。
【0005】一方、情報の入手の迅速性を確保するた
め、砲弾内部に画像データを取り込むシステムとデータ
の送信器を内蔵し、飛翔しながら取得した画像データを
送信する観測砲弾も検討されている。しかし、砲弾は毎
秒数100回転しながら安定性を確保しているため、正
確な観測を実現するためには種々の技術課題があると言
われている。また、砲弾は秒速が数100メートルで飛
翔するため、観測時間が極めて短いという問題点もあ
る。
【0006】最も実現性あるシステムとしては、砲弾内
に画像データを取り込むシステムとデータ送信機を内蔵
し、所定の高度で砲弾弾底部から放出してパラシュート
により落下させながらデータを送信するシステムがあ
る。迅速で且つほぼ正確な情報が得られる利点がある反
面、パラシュートの落下時間内しか情報が得られないと
いう問題点がある。
【0007】本発明は上記従来技術の課題に鑑み、その
具体的な目的は砲弾等の高速飛翔体を利用して、目標地
点における迅速で且つ正確な情報を長時間にわたって得
られる高速飛翔体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者等は上
述のごとき従来の課題を踏まえて、多角的な検討を加え
た結果、空中に長時間滞留させる手段として気球を使う
ことが有効であることに着眼した。通常、気球にはヘリ
ウムガスが使用されている。これは不活性であり、しか
も単分子の元素からなり、しかも分子量が小さく、同一
容積内の気球のペイロードを大きく設計できる利点があ
る。このため、民生用途、とりわけ商業宣伝分野におい
て多用されている。
【0009】しかし、ヘリウムガスを減容する手段とし
ては、液体ヘリウムとする以外に方法がなく、これを液
体ガスボンベに収容して搬送する必要がある。しかも、
液体ヘリウムは絶対零度近くの温度まで冷却する必要が
あり、そのためには大掛かりな装置が必要である。従っ
て、小型砲弾等の限られたスペース内に軽ガス発生源を
設け、飛翔中に気球に軽ガスを供給する利用分野におい
ては、液体ヘリウムは事実上利用することは困難であ
る。
【0010】一方、ヘリウムガスを高圧に保持する方法
にあって、例えば3立方メートルのヘリウムガスを3リ
ットルに圧縮すると1000気圧となり、この圧力を保
持する客器としてアルミニウム合金(A7075TE−
T62 耐力500N/mm2 )を用いた場合、容器外形を
140ミリメートル、安全率を2倍として、肉厚27.
5ミリメートルが必要となる。従って、容器の内径は8
5ミリメートルとなり、3リットルの容積を実現するた
めには最低でも長さ53センチメートルが必要である。
このサイズは通常のりゅう弾砲内に収納可能ではある
が、他のペイロードを収納するスペースが確保できない
ことが判明した。
【0011】このヘリウムガスに変わる気体としては水
素ガスがある。水素ガスはヘリウムガスに比べて爆発等
の危険性は高いが、かって飛行船等にも用いられた実績
を持つ。しかも、近年、水素吸蔵合金と呼ばれる金属水
素化物の形で水素が様々な分野において採用されてお
り、例えば、ヒートポンプ、燃料電池、ニッケル水素電
池などの分野で盛んに利用されつつある。この水素吸蔵
合金は単位体積当たり液体水素と同等以上の水素を貯蔵
できる能力があり、水素の吸蔵放出の平衡圧力・温度も
合金の組成を適宜選択することにより、ある程度自由に
調整できる。かかる理由から、この水素吸蔵合金を採用
することが最も有利であると考えた。勿論、砲弾等の高
速飛翔体のスペース内に収容が可能であるなら、前述の
液体ヘリウムガスを採用することもできる。
【0012】すなわち、本発明は砲弾等の高速飛翔体の
限られたスペース内に軽ガス発生源を設けると共に、折
り畳まれた気球を収納し、更には時限起爆装置や多様な
観測機器等を作動制御するための制御部を内蔵させる可
能性について鋭意検討し、本発明に到達したものであ
る。
【0013】本件の請求項1に係る発明は、砲弾等の高
速飛翔体がぺイロードを分離放出する機構を有し、 前
記ぺイロードは、少なくとも折り畳まれて収納された気
球と、同気球を膨張させる軽ガスの発生源と、同気球の
膨張時期等を制御する制御部とを有してなることを特徴
としている。以下に、高速飛翔体に収容する前記ペイロ
ードの各構成要素に対する検討結果を示す。
【0014】1.「ガス発生源」としての水素吸蔵合金
を用いた水素発生装置 一般的な水素吸蔵合金を用いて、150リットル (H2)
/Kg(合金)の水素吸蔵が可能である。いま、3立方
メートルの水素ガスを発生させるためには約20Kgの
水素吸蔵合金が必要となる。同合金の比重は8程度なの
で、合金容積は2.5リットルと見積もられる。内径1
40ミリメートルの砲弾内に厚み5ミリメートルの容器
を設けて合金を収納させる場合、長さ19センチ程度の
容積が必要となる。この寸法は、前述のヘリウムガスボ
ンベの長さに比べて約1/3程度である。
【0015】このような寸法であれば、砲弾内に収納す
るスペースの間題は解消されるため、水素発生源として
水素吸蔵合金を用いる場合、水素を放出させるための熱
源を如何に確保するかが、次の課題となる。通常の水素
吸蔵合金は水素を放出させるために水素1モル当たり7
Kca1程度の熱量が必要であると言われている。標準
状態の水素ガス3立方メートル(=134モル)では、
940Kcalの熱量となる。
【0016】そこで、本発明にあっては、請求項7に記
載したとおり、前記軽ガスの発生源として水素吸蔵合金
を採用する。この水素吸蔵合金としては、請求項8に挙
げたように、チタンマンガン系、チタン鉄系、マグネシ
ウムニッケル系、カルシウムニッケル系、ランタンニッ
ケル系、ミッシュメタルニッケル系、ランタンリッチミ
ッシュメタルニッケル系から選ばれた合金からなる、請
求項9に係る発明は、前記水素吸蔵合金の加熱源とし
て、酸化還元反応による反応熱を利用することを規定し
ている。すなわち、水素吸蔵合金から水素を放出させる
に必要な熱量を確保するために酸化還元反応による反応
熱を用いることが最良の選択である。一般に酸化還元反
応は大きな反応熱が得られる反面、酸化剤と還元剤が共
存するため貯蔵安定性に問題があり、また、反応が急激
すぎて制御が難しい場合が多い。そこで、請求項10に
係る発明では、前記水素吸蔵合金と酸化剤とが金属板か
らなる隔壁を介して分離されるように構成して、前記水
素吸蔵合金と酸化剤との接触が阻止する。
【0017】また、酸化還元反応は、反応に伴って低沸
点成分(炭酸ガスなどの気体や水)を発生する反応系、
反応を開始するためにマグネシウムと酸素が必要な反応
系などがほとんどである。その中で着目した反応系は、
過塩素酸塩と金属粉末の反応系である。とりわけ過塩素
酸カリウムと鉄の組合せにおいて、第3成分として塩化
カリウムを添加した反応系は、貯蔵安定性に優れ、過激
な反応を第3成分として添加した塩化カリウムにより、
より穏やかな反応にできる利点がある。純粋な鉄と過塩
素酸カリウムの組合せでは鉄1モル当たり200Kca
1に近い反応熱が得られる点も魅力的である。
【0018】2.高速飛翔体からのペイロード放出機構 砲弾等の高速飛翔体に内蔵したペイロードを、同飛翔体
から放出する方法は近年開発されたカーゴ弾の機構があ
る。本機構は砲弾先頭部に取り付けられた信管部に時限
機構を設け、発射するときの加速度により時限機構が作
動し、発射時に砲身内に設けられたライフルにより砲弾
が高速回転して、信管内のセーフ/アーム切替機構をア
ーム状態にロックし、所定時間に達すると信管内の起爆
機構が電気的に発火し、伝爆機構を伝わり、メインの火
薬を爆発させて弾底部を破壊してペイロードを放出する
機構である。本発明の気球放出機構に対しても同様な機
構が採用できる。
【0019】3.放出後の減速機構 砲弾の飛翔時の速度は、通常、数百メートル/秒であ
る。これを減速させる方法としては、ロケットモータの
使用、パラシュート等の使用などが考えられるが、出来
るだけ容積を占めないためには、後者の方が有利であ
る。しかし、砲弾は飛翔を安定させるために、通常、高
速でスピンしている。そのため、放出されるペイロード
も同様のスピン運動を続けるため、通常の落下傘をロー
プ等で固定した方式ではロープによじれが発生し、落下
傘が開傘しないと考えられる。請求項2に係る発明は、
放出直後の前記気球が落下傘形態を有しており、軽ガス
が供給されたのちには膨張して気球形態となる。
【0020】また、請求項3に係る発明は、更に減速を
確実にするため、前記ペイロードは補助傘を有してお
り、その好ましい形態はRAID傘形態であり、ペイロ
ードの放出と同時に前記補助傘が開傘する。更に、請求
項4に係る発明では、前記ペイロードが高スピン状態を
減スピンさせるための抵抗翼を有すると共に、同抵抗翼
を開翼する機構を有していることを規定している。そし
て、請求項11に係る発明にあっては、前記ペイロード
が所定の落下速度とスピン数に達した後、前記気球を放
出するように制御する。
【0021】なお、一部の砲弾には飛翔を安定させるた
め、安定翼を持つものがある。これらは火砲から放出直
後もしくは飛翔中に安定翼を開翼し、砲弾自身のスピン
を積極的に止め、もしくはスロースピン状態で飛翔し続
ける。また、ロケットモータで推進するミサイルも安定
翼により飛翔の安定性を得ている。これらの高速飛翔体
に対しては前述のごとく落下傘及びロープのよじれ現象
は起こりにくいと考えられるが、音速を越える高速で飛
翔している状態で落下傘形状の減速機構を作動させるこ
とは、落下傘、ロープ等の強度的な制約が発生する可能
性が高い。このため、減速機構を2段で作動させるため
に、第一段目の減速機構としてRAID傘を開傘する方
式を採用して、第2段で放出直後は落下傘形態をもつ気
球をもって減速を確実にする。
【0022】請求項13に係る発明は、気球に対する水
素ガスの供給時期を規定しており、前記気球と軽ガス発
生源とのスピン数が同期した後、前記水素吸蔵合金から
水素が気球に供給されるものであり、請求項14に係る
発明によれば、所定の水素ガスが気球に供給された後、
軽ガス発生源を切り離す機構と、前記軽ガス発生源の切
り離し後に、気球のガス導入部を密封する機構とを有し
ている。そして、これらの作動タイミングは、上記制御
部に設置されるタイマーや送受信器への外部からの送信
などにより決められる。更に、探査範囲を拡大するため
に、請求項16に係る発明では、前記気球が高度方向及
び/又は水平方向の移動手段を有している。
【0023】4.放出後の減スピン機構 通常スピン数を減じる方法としては抵抗翼が考えられ
る。円周等配に配置した複数枚の抵抗翼を飛翔中に開翼
する。開翼方式としては、蝶番式に取り付けられた抵抗
翼が遠心力の作用により開翼する方式、ボルト等で取り
付けられていた固定ピンを火薬力により吹き飛ばし、遠
心力の作用により開翼する方式など種々の方式がある。
これらの技術をペイロード部に適用して、ペイロードの
減スピンを可能にする。
【0024】なお、前述の安定翼を持つ砲弾等において
は、砲弾自身が十分に減スピンしている場合、放出後の
減スピン機構は必ずしも必要ないことは明らかである。
通常、放出後の減スピン機構が必要なスピン数は数10
回転/秒以上であると考えられる。
【0025】5.クラッチブレーキ機構 上記技術を組み合わせて、放出後のペイロードの速度と
スピン数とを減少させた後には、ペイロードの速度が数
10メートル/秒、スピン数が数10回転/秒となる。
この状態で気球の放出を行うと、ガスを導入する導入部
のよじれが発生し、本発明の実現化が難しい。このた
め、気球をパラシュート状に放出し、先ず十分な減速を
行う必要がある。一方、マスの大きな水素発生装置側は
回転運動を持続するようとし、気球部は空気抵抗を受け
て徐々に回転数を減ずる方向に向かう。このためペイロ
ードを2つのパートに分割し、それぞれのパート間に回
転数を同期する機構を挿入する必要がある。
【0026】請求項12に係る発明は、前記気球の放出
後、気球と軽ガス発生源とのスピン数を同期させるため
のクラッチブレーキ機構を有していることを規定してい
る。すなわち、気球と軽ガス発生源とのスピン数を同期
させるための最も単純で且つ確実に機能する機構とし
て、クラッチブレーキ機構を採用することが最良と判断
した。このクラッチ機能により、気球部放出後、さらな
る減速と減スピンを行い、砲弾から放出後10秒程度
で、ペイロードの速度が約10メートル/秒、数回転/
秒のスピン数が実現できる。
【0027】請求項4に係る発明は、前記ペイロード
は、更に各種の探査手段を有しており、前記探査手段と
しては、全方位測位装置、撮影装置、情報処理装置、送
受信装置、中継装置から選ばれた1種類以上の装置から
なることを請求項5により規定している。更に、請求項
6に係る発明では、前記ペイロードが、更に各種の薬剤
散布手段を有しており、例えば山火事などの発生時に、
前記探査手段によりその火災の状況とかを把握する共
に、消化剤を上空から散布して、消火始動の迅速化を図
る。
【0028】
【発明の実施形態】以下、本発明の好適な実施の形態を
添付図面を参照しつつ具体的に述べる。図1は本発明の
高速飛翔体の内部構造を模式的に示しており、同図によ
れば高速飛翔体として砲弾1を利用しており、因みにそ
の弾殻の全長が800ミリメートル、弾頭1a以外の空
洞部分1bの外径は155ミリメートル、同空洞部分1
bの空洞長さは600ミリメートルである。
【0029】図示例による本発明に係る高速飛翔体は、
同図に示すように補助傘部10、気球部20、クラッチ
ブレーキ部30、センサ部40並びに水素発生源50
が、前記弾殻1の空洞部分1bにその弾底から弾頭に向
けて順次配されている。前記センサ部40は図示せぬ制
御部を含んでいる。次に、本発明の第1実施例に係る高
速飛翔体の細部について具体的に説明する。
【0030】「補助傘部10」補助傘部10は、図1に
模式的に示すように気球部20に連結されており、その
形態は図2に示すように開傘したときに底部開口が狭く
て天井部が広い逆円錐台形状となる内部が空洞な強靱な
織布からなり、その逆円錐台部分11の周面に底部が開
いた3角巾様のヒレ体12が円周方向に複数取り付けら
れ、そのヒレ体12の内部対応する前記逆円錐台部分1
1には空気取入口11aが形成されている。いま補助傘
部10が砲弾1から放出されると同時に同補助傘10a
が開き、前記ヒレ体12から前記空気取入口11aから
空気を取り込み、同補助傘10aの膨張形態を維持し
て、急速に落下速度を低下させる。
【0031】補助傘10aの材質は機械的強度に優れた
ポリエステル系の織布が用いられる前述の形態を得るた
め、布地の合わせ部を縫合し、空気の透過性を減ずるた
め、合成樹脂を塗布する。開傘時の大きさは、直径約7
00ミリメートルである。なお、補助傘10aの大きさ
は、砲弾のサイズやペイロードの重量等により、適宜決
定される。
【0032】ペイロードは、砲弾1が所望の高度及び所
望の距離に達すると、時限信管機構により放出薬を発火
させ、砲弾底部から放出される。放出されたペイロード
は放出された加速度によりセンサ部40に内蔵された時
限信管機構が計時を開始し、以下すべての動作は時限機
構により時間制御される。
【0033】補助傘10aには補助傘用カバー10bが
被着されており、同カバー10bは、図3に示すように
同カバー10bと気球部20とを接続しているボルト1
3、同ボルト13をロックしているロックピン14によ
り固定されており、同ロックピン14を火薬力等により
破壊することにより、固定ボルト13とボルト孔に配置
された圧縮バネ15の復元力により吹き飛ばされる。前
記火薬力の起動は、周辺の条件に基づき様々に制御で
き、前記ロックピン14を破壊する時期は任意に調節す
ることが可能である。ペイロードの放出後、直ちに補助
傘カバー10bが吹き飛ばされ、補助傘10aが開傘す
ると同時に、気球部20のケース外周面に数箇所配置さ
れた抵抗翼21aが開翼する。本実施例では4個の抵抗
翼21aが配設されている。
【0034】「気球部20」図1に示すように、気球部
20は、円筒状の気球収納ケース21と、その外周面の
周方向に等配されて取り付けられる抵抗翼21aと、前
記ケース21に折り畳まれた状態で収納された気球22
とからなり、前記気球22のガス導入部22aが上記軽
ガス発生源50のガス放出部51aと連結されている。
【0035】前記気球22の材質には上記補助傘10a
と同様に機械的強度に優れたポリエステル系の織布が用
いられる。ポリエステル織布だけでは気体の透過性がか
なり高いので、通常、ハングライダー、パラシュート等
で行われている目止め処理がなされる。その目止め処理
材にはウレタン等が用いられている。なお、ポリエステ
ル織布の重量は35g/m2 を用いた。
【0036】気球22の大きさは、搭載するセンサ部4
0の重量や体積により、増減することは当然である。い
ま、3kg重のセンサ部40を搭載する場合、気球22
の半径は球状の場合に約900ミリメートルであるが、
前述のごとく気球22の放出時にはパラシュート形状の
ままで放出する必要があるため、半径約1150ミリメ
ートルの半球状をなしており、そのセンサ部側に軽ガス
を導入する導入部22aが付属されている(図1)。こ
のガス導入部22aは、図4及び図5に示すようにトラ
ンペット状の形態をなしており、先端径が約50ミリメ
ートルである。
【0037】この気球22は、水素ガスが導入されて膨
張が完了するまでは水素発生源50とジョイントしてお
り、砲弾1から放出されて補助傘10aがペイロードか
ら切り離された直後には、図4に示すようにパラシュー
ト形態を保持し、水素ガスが導入されると、図5に示す
ように膨張した完全な気球形態となる。
【0038】「抵抗翼21a」本実施例による気球部2
0のケース21の外周部に等配された抵抗翼21aは、
遠心力の作用で開翼する方式を採用している。すなわ
ち、図1に略示するように前記ケース21の外周面から
突出する支持部と同支持部に抵抗翼21aの一端が回動
自在にピン支持され、ケース21のスピンにより遠心力
で開翼する。しかして、この抵抗翼21aは上記補助傘
カバー10bと同様に、一定時間を折り畳まれた状態で
飛翔し、その後所望の時間で自動的に開翼する方式を取
ることも可能である。
【0039】抵抗翼21aの材質は、軽量なアルミニウ
ム合金の他に、SUS、高張力鋼など種々な金属を挙げ
ることができる。発射諸元(砲弾の速度、スピン数の影
響)、ペイロードの重量等から強度計算し、これらの材
料から適切な材料を選定する。
【0040】「クラッチブレーキ機構部30」図6は気
球部20、クラッチブレーキ機構部30及びセンサ部4
0の構造を模式的に示している。クラッチブレーキ31
は、同図に示すように中心部に気球部20の上記ガス導
入部22aが貫挿され、その外周部に気球部20と一体
化されたフランジ付きの円筒状ハウジング32と、前記
センサ部40の中央を貫通し、前記ハウジング32の円
筒部32aに外嵌されたフランジ付きの円筒部材33
と、前記ハウジング32のフランジ部32b及び前記円
筒部材33のフランジ部33bの間にあって、前記フラ
ンジ部32bの裏面側に配された皿バネ34と、同皿バ
ネ34及び前記円筒部材33のフランジ部33bの間に
配された第1摺接摩擦板35と、前記フランジ部33b
及び前記センサ部40の間に配された第2摺接摩擦板3
6とから構成される。
【0041】前記皿バネ34により前記第1摺接摩擦板
35を前記円筒部材33のフランジ部33b及び第2摺
接摩擦板36を介して前記センサ部40に常に強く押し
付けている。前記ハウジング31に外嵌された円筒部材
33は水素発生源50の水素ガス放出部51と接続され
ている。第1及び第2摺接摩擦板35,36は同一材料
からなり、通常、乾式クラッチで採用される各種の摺動
材料が用いられる。本実施例ではLBC(鉛青銅)を用
いている。
【0042】「水素発生源50」図7は水素発生源50
である水素発生装置を模式的に示している。同図によれ
ば、円筒状密閉タンクからなる外容器51に収容された
発熱剤層52と水素吸蔵合金層53とが多重円筒状に交
互に配され、発熱剤層には選択した鉄/過塩素酸カリウ
ム/塩化カリウムの組合せからなる発熱剤が充填されて
おり、前記水素吸蔵合金層52には水素吸蔵合金が充填
されている。そして、前記発熱剤層52と水素吸蔵合金
層53とは金属隔壁54をもって完全に隔絶されてい
る。水素吸蔵合金層53の厚さと発熱剤層52の厚さ、
及び両者の位置関係は、熱収支から最適になるように工
夫されている。
【0043】前記外容器51にはSUS304が使わ
れ、隔壁54にはSUS316が使われている。勿論、
他の適当な材質を選択することもできる。外容器51の
外径を140ミリメートル、内径を130ミリメート
ル、長さを290ミリメートルとして計算した結果、発
熱剤の重量は約3.2Kg、水素吸蔵合金は21.2K
gが収納可能である。このときの水素ガスの発生量は
3.2立方メートルを確保でき、発生熱量は約3Mca
1となる。この熱量は水素吸蔵合金の水素放出時の吸熱
反応熱(940Kca1)を補い、さらにケーシング等
の金属部材を300℃以上に加熱するのに十分な発熱量
である。
【0044】本実施例によれば、発熱剤及び水素吸蔵合
金からなる水素発生源50は、外径140ミリメート
ル、内径130ミリメートルの外容器51内に上述のご
とく収納されており、そのガス放出部51aはセンサ部
40を貫通して延びる上記ガス導入用の円筒部材33を
介して気球22に接続されている。
【0045】既述したように、砲弾からペイロード部が
放出され、10秒程度を経過した時点で気球部20と水
素発生装置50のスピン数が同期する。この時点で発熱
剤層52の発熱が始まり、水素吸蔵金属層53から水素
ガスの放出が開始される。図示せぬ着火パッドの中心部
に着火することにより発熱は同心円状に配された多重層
の中心部側から開始する。着火後の1秒以内に300℃
以上まで加熱が進行する。
【0046】着火後、約3分経過した時点で、水素発生
装置50のガス放出部51aと上記円筒部材33とのジ
ョイント部の接合を火薬力により吹き飛ばし、重量のあ
る水素発生装置の切り離しを行う。なお、ジョイント部
の構造は、図8に示すように、円筒部材33の水素発生
装置側の端部にフランジ33cを形成すると共に、同フ
ランジ33cを前記水素ガス放出部51aの端部フラン
ジ51a′に突き合わせ、これを蝶番構造を持つカバー
54で固定している。カバー54を固定している火薬入
りボルト55を火薬力で除去することにより、前記円筒
部材33と前記ガス放出部51aとを容易に切り離すこ
とができる。この切り離し後に、ジョイント部に内蔵さ
れたバルブ機構が自動的に管路を密封し、ガスの流出を
防止する。
【0047】図9及び図10は、前記バルブ機構の例を
示している。図9に示すバルブ機構によれば、前記円筒
部材33の内部にピン37を径方向に回転自在に支持さ
せており、そのピン37には円筒部材33の内径を有す
る円板38が一体に固着されている。また、前記円板3
8が前記ピン34を中心として回転するとき、その回転
角が制限される。そのため、前記円筒部材33の内壁面
には、その円周方向に延びるリング状又は円弧状のスト
ッパ39が突設されている。前記円板38が回転してい
ない状態にあるときは、同円板38の板面は軸線方向に
平行に向けられており、前記円筒部材33と前記ガス放
出部51aとが切り離されると、例えば前記円板38に
偏心して一端を固着したワイヤなどにより引っ張られ
て、円板38を回転させて、円筒部材33の管路を閉塞
する。この閉塞姿勢にある円板38の姿勢を維持させる
ために、同円板38に前記ストッパ39と係合する係合
手段を取り付けておくことも可能である。図10に示す
バルブ機構は、前記円筒部材33の管路中にチェック弁
38′を介装するものである。
【0048】「センサ部40」センサ部40には、本発
明でいう各種の「探査手段」を搭載している。この探査
手段としては、情報の伝達を主目的とするCCDカメ
ラ、画像処理装置、送受信装置、中継装置、全方位測位
器、各種の情報処理装置、制御部等がコンパクトに治め
られており、その探査の目的に応じて、前記各種の機器
を単独に或いはそれらの機器のうち必要なものを組み合
わせて搭載すればよい。また、前記制御部は各種のデー
タ処理を行うとともに、それらの処理結果に基づき前記
機器類やペイロードの作動装置に作動信号を送る。
【0049】上述のような装置、構成部材を組合せ、一
連の手順に従って空気中を高速で飛翔する飛翔体には多
様な探査機能を期待できる。すなわち、飛翔体を目標地
に高速で飛翔させ、所定の時間を経過したのち同飛翔体
からペイロードを放出させると同時に補助傘10aを開
傘させ、ペイロードを所定の減速と減スピンを達成させ
たのちに、気球20に水素ガスを送り込み膨張させて、
空中を浮遊させる。このとき、例えば地上の観測用飛翔
体であれば、センサ部40に内蔵された可視CCDカメ
ラ或いはIRカメラなどにより地上の画像データを取得
して、これを所定の観測本部に送信する。また、飛翔体
が各種データの中継用であれば、前記センサ部40に内
蔵する送受信装置や情報処理装置によって、地上或いは
海上に設置され或いは散布されたた各種センサからの受
信情報を中継し、或いは空中を浮遊する気球22に連設
されたセンサ部40が取得する各種情報を所定の基地に
直接伝達する。
【0050】更には、上記センサ部40を介して伝達さ
れた情報により、地上に散布及び/または設置されたセ
ンサを活性化させて、光、音、ミリ波など所定の応答信
号を発するようにさせることもできる。また、飛行機、
ヘリコプター、気球など空中飛翔体及び/又は浮遊体か
らの情報を受信し、遠方の情報処理装置に情報を伝達す
ることができ、またその逆も可能である。
【0051】次に、本発明の他の実施例について簡単に
説明する。図11は、本発明による高速飛翔体の他の実
施例を示している。この実施例にあって、前記実施例と
異なる主な点は、砲弾1の外周部に4枚の安定翼2を有
する点である。
【0052】弾頭先端部にある信管3の時限機構の働き
により、火砲から放出された後、所定時間の経過後に安
定翼2が火薬力の作用により開翼し、主に砲弾1のスピ
ン数のみが減少する。本実施例の場合、飛翔距離15キ
ロメートルで開翼させた。開翼時の高度はおよそ5.8
キロメートル、このときの砲弾の飛翔速度は毎秒290
メートル、スピン数は毎秒200回転である。
【0053】砲弾1のスピン数は単調に減少し、飛翔距
離約18キロメートルでスピン数は10数回転にまで低
下する。このときの砲弾の速度は毎秒約300メート
ル、高度は約3000メートルである。この時点で内蔵
したペイロードの放出を行った。
【0054】「補助傘部10」補助傘10aは前記実施
例と同様の材質、形状、大きさのものを用いた。この補
助傘10aにぶら下がる気球部20、センサ部40、水
素発生装置50の重量は約40Kgであって、空気抵抗
係数を1.126とすると、最終的こ毎秒40メートル
弱まで減速される。
【0055】「抵抗翼21a」スピン数をより減じるた
めの抵抗翼21aは、本実施例の上記安定翼2を有した
砲弾であって、しかも十分に減スピンした状態で気球部
20の放出を行う場合には必ずしも必要としない。この
程度の回転数に対しては、次に作動するクラッチブレー
キ機構により、十分対処できるためである。
【0056】「気球部20」気球部20の材質、形状、
大きさは、上記実施例と同一のものを使用した。半径約
1150ミリメートルの半球状の気球が受け持つ重量は
約40Kgであるので、空気抵抗係数を1.126と仮
定すると、最終的に毎秒12メートル程度まで減速され
る。このときの高度は約2千数百メートルである。
【0057】「クラッチブレーキ機構部30」上記実施
例と同じ構造、寸法のものを採用した。重量のある水素
発生装置50のスピン数が気球部20と同じ回転数に低
下するまでの時間は約2秒である。
【0058】「水素発生装置50」水素発生装置も前記
実施例と同様の外径140ミリメートル、内径130ミ
リメートルの円筒状の金属ケース入りのものを使用し
た。水素吸蔵合金はランタンニッケルアルミニウムを主
成分とするAB5型合金で、水素吸蔵量は150リット
ル/合金Kgである。また、発熱剤は鉄/過塩素酸カリ
ウム系で第3成分として塩化カリウムを混合したもので
ある。組成は鉄1.05、過塩素酸カリウム1.00、
塩化カリウム1.0のモル比であり、反応は過塩素酸カ
リウムの量で律速するように工夫されている。なお、水
素吸蔵合金は本実施例以外にも多数の種類があり、上記
材料に限定したものではない。同様に発熱剤の好ましい
組合せは、本実施例以外にも多数あり、上記成分や組成
に限定するものではない。
【0059】水素発生装置の一方の端には発熱剤を活性
化する(着火する)ための電気式発火装置が設けられて
おり、約1アンペアの電流を加えることにより、内部の
ピエゾ素子が発熱し発火させる構造を採用している。
【0060】着火後、約3分が経過すると、水素発生装
置50と気球部20の中間に設けられ、既述した構造を
有するジョイント部の接合を火薬力により吹き飛ばし、
重量のある水素発生装置50の切り離しを行う。なお、
切り離し後の円筒部材33の管路は同円筒部材に内蔵さ
れた上述のバルブ機構により自動的に閉塞され、ガスの
流出を防止する。
【0061】通常、砲弾は同一条件下で何発か発射する
場合は極めて精度が高く、例えば射程30キロメートル
においても公差は射程の数百分の1以内といわれてい
る。このため目標の風上側で気球を展開すれば、ほぼ確
実に目標を捕捉することが可能である。いま、視野角8
°と仮定すると、地上から300メートル上空からの画
像データは半径21メートル、500メートル上空では
半径35メートルのデータが得られ、上空1000メー
トルからは半径70メートルのデータが得られる。これ
らの数値は静止目標に対しては十分と思われる。従つ
て、気球部20もしくは前述のジョイント部に内蔵され
たバルブ機構などに気球内部の水素ガスを放出する機構
を設け、高度を徐々に低下させながら地上観測すること
も可能である。
【0062】しかし、移動目標に対してはこのような運
用では目標を見失う可能性が高い。例えば、時速40キ
ロメートルで移動中の車両が半径70メートルの円内を
通過する時間は12.6秒であり、この間の情報だけで
移動中の車両の将来位置を予測することは困難である。
このときは、気球に高度を変化させる装置を付設するこ
とが重要である。飛行船ではバロネットと呼ばれる空気
室を設け、この小室の空気圧を変化させて浮力の調節を
行っている。本実施例における気球部20にも同様の機
構を設けることが好ましいが、スペース上の制約を受け
るため、前記空気室を付設することは難しい。これに代
わるものとして、回転翼による高度変更装置が有効であ
る。
【0063】いま、複数枚のブレードからなるロータを
考える。ロータの回転面を一種の作動円盤と見なしたと
き、円盤面積Sを単位時間に通過する空気の質量mは、
空気密度をρ、空気の通過速度をVとすると、m=ρS
Vなる式で与えられる。また、回転円盤の推力Tは円盤
を通過する際に空気に与えられる速度の増分を2vとす
ると、T=2mvで与えられる。ここで、半径5センチ
メートルのブレードで毎秒50センチメートルの空気を
通過させると、推力Tは0.01キログラム・メートル
/秒2となる。ペイロードが約3キログラムなので、こ
の推力により発生する加速度は3.4×10-3メートル
/秒2 となる。空気抵抗等を無視すれば、その加速度を
用いれば、500メートル上昇するために約385秒が
必要である
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高速飛翔体の代表的な砲弾構造例を模
式的に示す縦断面図である。
【図2】前記高速飛翔体に内蔵される補助傘の開傘形態
例を模式的に示す立体図である。
【図3】前記高速飛翔体に内蔵される補助傘と気球の連
結構造例を模式的に示す説明図である。
【図4】前記気球の膨張前の形態例を示す正面図であ
る。
【図5】同気球の膨張後の形態を示す正面図である。
【図6】高速飛翔体に内蔵される気球部、クラッチブレ
ーキ、センサ部の構造例を示す断面図である。
【図7】前記気球部に接続される水素発生装置の内部構
造例を模式的に示す構造説明図である。
【図8】水素ガス導入部と同ガス放出部との接合構造例
を模式的に示す構造説明図である。
【図9】水素ガス導入部と同ガス放出部との切り離し後
に作動するバルブ構造例を示す説明図である。
【図10】同じく他のバルブ例を示す断面図である。
【図11】本発明の高速飛翔体の他の実施例を模式的に
示す外形図である。
【符号の説明】
1 砲弾(高速飛翔体) 1a 弾頭 1b 空洞部分 2 安定翼 10 補助傘部 10a 補助傘 10b 補助傘用カバー 11 逆円錐台部分 11a 空気取入口 12 ヒレ体 13 ボルト 14 ロックピン 15 圧縮バネ 20 気球部 21 気球収納ケース 21a 抵抗翼 22 気球 22a ガス導入部 30 クラッチブレーキ部 31 クラッチブレーキ 32 ハウジング 32a 円筒部 32b フランジ部 33 円筒部材 33a 円筒部 33b フランジ部 33c フランジ 34 皿バネ 35 第1摺接摩擦板 36 第2摺接摩擦板 37 ピン 38 円板 38′ チェック弁 39 ストッパ 40 センサ部 50 水素発生源(水素発生装置) 51 外容器 51a ガス放出部 51a′ 端部フランジ 52 発熱剤層 53 水素吸蔵合金層 54 金属隔壁 55 火薬入りボルト 56 カバー

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砲弾等の高速飛翔体がぺイロードを分離
    放出する機構を有し、前記ぺイロードは、少なくとも折
    り畳まれて収納された気球と、同気球を膨張させる軽ガ
    スの発生源と、同気球の膨張時期等を制御する制御部と
    を有してなることを特徴とする高速飛翔体。
  2. 【請求項2】 放出直後の前記気球が落下傘形態を有し
    てなる請求項1記載の高速飛翔体。
  3. 【請求項3】 前記ペイロードは補助傘を有し、ペイロ
    ードの放出と同時に前記補助傘が開傘する請求項1記載
    の高速飛翔体。
  4. 【請求項4】 前記ペイロードが高スピン状態を減スピ
    ンさせるための抵抗翼を有すると共に、同抵抗翼を開翼
    する機構を有してなる請求項1記載の高速飛翔体。
  5. 【請求項5】 前記ペイロードは、更に各種の探査手段
    を有してなる請求項1記載の高速飛翔体。
  6. 【請求項6】 前記探査手段が、全方位測位装置、撮影
    装置、情報処理装置、送受信装置、中継装置から選ばれ
    た1種類以上の装置からなる請求項5記載の高速飛翔
    体。
  7. 【請求項7】 前記ペイロードは、更に各種の薬剤散布
    手段を有してなる請求項1又は5記載の高速飛翔体。
  8. 【請求項8】 前記軽ガスの発生源が水素吸蔵合金を備
    えてなる請求項1記載の高速飛翔体。
  9. 【請求項9】 前記水素吸蔵合金が、チタンマンガン
    系、チタン鉄系、マグネシウムニッケル系、カルシウム
    ニッケル系、ランタンニッケル系、ミッシュメタルニッ
    ケル系、ランタンリッチミッシュメタルニッケル系から
    選ばれた合金からなる請求項8記載の高速飛翔体。
  10. 【請求項10】前記水素吸蔵合金の加熱源が酸化還元反
    応による反応熱である請求項8記載の高速飛翔体。
  11. 【請求項11】前記水素吸蔵合金と酸化剤とが金属板か
    らなる隔壁を介して分離され、前記水素吸蔵合金と酸化
    剤との接触が阻止されてなる請求項10記載の高速飛翔
    体。
  12. 【請求項12】前記ペイロードが所定の落下速度とスピ
    ン数に達した後、前記気球が放出される請求項1記載の
    高速飛翔体。
  13. 【請求項13】前記気球の放出後、気球と軽ガス発生源
    とのスピン数を同期させるためのクラッチブレーキ機構
    を有してなる請求項12記載の高速飛翔体。
  14. 【請求項14】前記気球と軽ガス発生源とのスピン数が
    同期した後、前記水素吸蔵合金から水素が気球に供給さ
    れる請求項13記載の高速飛翔体。
  15. 【請求項15】 所定の水素ガスが気球に供給後、軽ガ
    ス発生源を切り離す機構と、同気球のガス導入部を密封
    する機構を有してなる請求項14記載の高速飛翔体。
  16. 【請求項16】前記気球が高度方向及び/又は水平方向
    の移動手段を有してなる請求項1記載の高速飛翔体。
  17. 【請求項17】前記高度方向及び又は水平方向の移動手
    段が、翼の回転力を用いたことを特徴とする観測システ
    ム。
  18. 【請求項18】 特許請求範囲第14項記載の高度方向
    の移動手段およびまたは水平方向の移動手段として、ガ
    スの放出により行うことを特徴とする気球システム。
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