JPH11280547A

JPH11280547A - エンジンのバッフルプレート

Info

Publication number: JPH11280547A
Application number: JP7897598A
Authority: JP
Inventors: Akihiro Ishimatsu; 昭浩石松
Original assignee: Suzuki Motor Corp
Current assignee: Suzuki Motor Corp
Priority date: 1998-03-26
Filing date: 1998-03-26
Publication date: 1999-10-12

Abstract

(57)【要約】【課題】エンジンのシリンダブロック下端のオイルパ
ンに装着され、サクションパイプを挿通する貫通孔を形
成したエンジン用バッフルプレートの共振振動を抑え
る。【解決手段】バッフルプレート５に形成した、長形の
サクションパイプ孔部８と該孔部の短縁に連結して丸形
のストレーナ孔部９とを有する貫通孔６を、ストレーナ
孔部９の円弧に接し、かつ、サクションパイプ孔部８の
先端縁部と接する直線状開口縁14を含む形状に形成し
た。突出した孔縁ａを直線状に切除して剛性を上げ、固
有振動数を高めたことにより共振を防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】エンジンはシリンダブロック
に取り付けたオイルパン内の潤滑油を各部に供給させ、
回転をスムーズにさせている。本発明は、オイルパン内
に装着するエンジンのバッフルプレートに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】エンジンのバッフルプレートは、オイル
パン内に装着してオイルパン内の潤滑油の揺れを安定に
させ、空気を吸引せず潤滑油の供給を確実に行うように
したものである。オイルパンにはシリンダブロックまた
はオイルポンプにつながるサクションパイプが入り込む
ので、バッフルプレートの中央部に孔を形成してサクシ
ョンパイプを貫通させ、バッフルプレートの周縁部はオ
イルパンの内壁に溶接、またはボルトで取り付けられ
る。オイルパン内の潤滑油はサクションパイプの先端の
ストレーナから吸引されエンジンに供給される。また、
潤滑油に空気が混じって吸引されるのを防止するため
に、バッフルプレートとエンジンのバランス軸のロアカ
バーを協働させる構造が提案されている（実開平5-2490
5 号公報参照）。

【０００３】図６に示すエンジンのシリンダブロック１
を例にすると、下部にオイルパン２が装着され、サクシ
ョンパイプ３がオイルパン２内に侵入し、サクションパ
イプ３の下端に装着したストレーナ４はオイルパン２の
底面まで降りている。そして、オイルパン２に装着され
たバッフルプレート５にはサクションパイプ３およびス
トレーナ４が通過するように形状に合わせた貫通孔６が
開けられている。なお、オイルパン２の底部にはオイル
ドレーン７が設けられている。

【０００４】バッフルプレート５の貫通孔６は、図７に
示すように、細長いサクションパイプ孔部８と円形のス
トレーナ孔部９とを、サクションパイプ孔部８の短縁で
連結した形状にされている。また、バッフルプレート５
の中央部に貫通孔６が形成されており、図７、図８に示
すビード5aを貫通孔６の周囲に形成し、また、バッフル
プレート５を僅かに弯曲させて剛性を持たせている（実
開平5-1808号公報参照）。また、貫通孔６のストレーナ
孔部９とサクションパイプ孔部８との連結部分は使用勝
手により面取り加工（最小の円弧）が施されている。な
お、符号10は溶接代である。

【０００５】エンジン稼働時にバッフルプレート５はエ
ンジンの回転一次あるいは二次励起振動力によりバッフ
ルプレート５の振動モードの最低次の固有振動数が合致
すると、バッフルプレート５が共振して、バッフルプレ
ート５に高い応力が発生し、疲労破壊を起こす。そこ
で、ビード5aを付けたり、バッフルプレート５を弯曲さ
せたりして剛性を上げて対処していた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のバッ
フルプレート５は、貫通孔６により大別した平面部は３
つに分かれ、円形孔（ストレーナ孔部９）で区分された
上プレート部11とさらに長孔（サクションパイプ孔部
８）で区分された左プレート部12と右プレート部13とか
らなっている。そして、３つの平面部のうち、面積が一
番広く、一部が突出して孔縁となっている部分を含む右
プレート部13が、区分別の振動モードにおいて、共振す
る最も低い固有振動数（バッフルプレート５の一次振動
数）を有している。このため、エンジンの爆発力によっ
て励起され、周辺が振動し、その周波数がバッフルプレ
ート５の一次振動数と一致すると、バッフルプレート５
は右プレート部13を中心として大きく振動し、機能を損
なう虞がある。このため、局部的に大きく振動すること
を防ぐ必要があり、そこで、バッフルプレート５の最低
固有振動数をエンジンの最大回転時の回転二次周波数よ
りも高くすることが望まれている。

【０００７】本発明は、貫通孔の突出した孔縁を整形し
て剛性を上げると共に、潤滑油吸引に影響がでないよう
にしたエンジンのバッフルプレートを提供することを目
的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、請求項１の発明は、エンジンのシリンダブ
ロック下端に取り付けられるオイルパンに装着されるバ
ッフルプレートに、長形のサクションパイプ孔部と該孔
部の短縁に連結して丸形のストレーナ孔部とを有する貫
通孔を形成したエンジンのバッフルプレートにおいて、
前記貫通孔を、ストレーナ孔部の円弧に接し、かつ、サ
クションパイプ孔部の先端縁部と接する直線状開口縁を
含む形状に形成したことを特徴とする。

【０００９】請求項２の発明は、エンジンのシリンダブ
ロック下端に取り付けられるオイルパンに装着されるバ
ッフルプレートに、長形のサクションパイプ孔部と該孔
部の短縁に連結して丸形のストレーナ孔部とを有する貫
通孔を形成したエンジンのバッフルプレートにおいて、
前記貫通孔を、サクションパイプ孔部の長縁と接する円
弧状開口縁と該円弧状開口縁と連続にストレーナ孔部の
円弧に接する開口縁を含む形状に形成したことを特徴と
する。

【００１０】請求項３の発明は、請求項２において、円
弧状開口縁と連続なストレーナ孔部の円弧に接する開口
縁を、直線状もしくは前記円弧状開口縁と同心の円弧状
に形成したことを特徴とする。

【００１１】請求項４の発明は、請求項２において、円
弧状開口縁と連続なストレーナ孔部の円弧に接する開口
縁を、ストレーナ孔部の曲率より小さく、かつ、ストレ
ーナ孔部の円弧と同方向に凹状とする円弧状に形成した
ことを特徴とする。

【００１２】なお、細長いサクションパイプ孔部の長縁
と接するには円弧状の孔縁を形成させ、これに連続して
丸形のストレーナ孔部の円弧と接触するラインは直線と
凸状円弧と凹状円弧との組み合わせにより任意に構成で
きるが、請求項１記載の直線状の孔縁を持つ貫通孔より
孔面積は小さくしている。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図１に示すバッフルプレート
５は周縁のほとんどを装着するオイルパン２に溶着さ
れ、中央部に貫通孔６が開けられている。貫通孔６は細
長いサクションパイプ孔部８の短縁にストレーナ孔部９
の円弧を連結させた形状がベースになって連結箇所のく
びれの大きい方（右プレート部13）に、くびれを解消す
る直線状の開口縁14を形成してなるものである。直線状
の開口縁14はサクションパイプ孔部８とストレーナ孔部
９を接線で結びこの接線上を切断したもので、共振する
固有振動数を低くする要因箇所（孔中央に向け突出した
箇所ａ）を切り取ることになる。また、図２に示すよう
に、右プレート部13では直線状の開口縁14に直交するビ
ード15を形成させている。

【００１４】よって、図５に示すように、従来の固有振
動数Ｐがエンジンの最高回転時の回転二次周波数Ｅより
低いものであったが、バッフルプレート５の固有振動数
（バッフルプレート５の一次振動数）Ａが高く設定さ
れ、共振振動を低減するという効果が得られることにな
る。

【００１５】次に第２の実施の形態を図３を参照して説
明する。バッフルプレート５の貫通孔６の形状は、右プ
レート部13の突出箇所ａをサクションパイプ孔部８の長
縁8aと接し、しかもストレーナ孔部９に接する円弧Ｒ１
（または円弧Ｒ２）で切り取ったもので、単一の円弧状
の開口縁16を形成させている。この場合、くびれの曲率
を緩めるように必要最小限だけバッフルプレート５の突
出箇所ａを切り取ることができ、潤滑油の吸引時におい
て、空気の混入を抑える機能への影響が少ない。この場
合は図５に示す固有振動数Ｂとなる。なお、図示は略す
が、開口縁14に直交するビード15を形成させても良い。

【００１６】このほか、第３の実施の形態においては図
４に示すように、バッフルプレート５の貫通孔６の形状
は、サクションパイプ孔部８に接する円弧Ｒ３と、円弧
Ｒ３とは逆方向に曲がり、かつ、ストレーナ孔部９に接
し、ストレーナ孔部９の曲率より小さい円弧Ｒ４とを組
み合わせた逆Ｓ状開口縁17を有している。この貫通孔６
の形状は図５に示す固有振動数Ｃを持っている。そし
て、これらの貫通孔６の形状は固有振動数（Ｂ＜Ｃ＜
Ａ）と空気の混入を抑える機能とを考慮して車種に応じ
て選択することができる。また、円弧Ｒ４を直線に置き
換えて円弧Ｒ３と組み合わせることも可能である。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、以上のように、オイルパンに
装着するバッフルプレートのサクションパイプを通過さ
せる貫通孔の形状を、固有振動数を低くする要因の突出
箇所を切断して滑らかな開口縁にしたことにより、振動
モードの最低次固有振動数を大きく高められ、共振振動
を軽減することができる。また、上記開口縁を直線状に
することで切離量が多く、軽量化を図ることができる。
また、上記開口縁を単一の円弧状にすることで空気混入
防止に対して影響が少なく、複数の円弧状で開口縁を形
成した場合にはその中間の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による実施の形態のエンジンのバッフル
プレートの平面図である。

【図２】図１のバッフルプレートの細部を一部断面で示
した平面図である。

【図３】他の実施の形態のバッフルプレートの平面図で
ある。

【図４】他の実施の形態のバッフルプレートの平面図で
ある。

【図５】バッフルプレートの振動モードを従来と本発明
とで比較したグラフである。

【図６】従来のエンジンのシリンダブロックとオイルパ
ンの内部を示す側断面図である。

【図７】従来のバッフルプレートの平面図である。

【図８】図７に示すＡ−Ａ断面図である。

【符号の説明】

１シリンダブロック２オイルパン５バッフルプレート６貫通孔８サクションパイプ孔部９ストレーナ孔部 14 直線状開口縁 16 円弧状開口縁 17 逆Ｓ状開口縁

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】エンジンのシリンダブロック下端に取り
付けられるオイルパンに装着されるバッフルプレート
に、長形のサクションパイプ孔部と該孔部の短縁に連結
して丸形のストレーナ孔部とを有する貫通孔を形成した
エンジンのバッフルプレートにおいて、前記貫通孔を、ストレーナ孔部の円弧に接し、かつ、サ
クションパイプ孔部の先端縁部と接する直線状開口縁を
含む形状に形成したことを特徴とするエンジンのバッフ
ルプレート。
【請求項２】エンジンのシリンダブロック下端に取り
付けられるオイルパンに装着されるバッフルプレート
に、長形のサクションパイプ孔部と該孔部の短縁に連結
して丸形のストレーナ孔部とを有する貫通孔を形成した
エンジンのバッフルプレートにおいて、前記貫通孔を、サクションパイプ孔部の長縁と接する円
弧状開口縁と該円弧状開口縁と連続にストレーナ孔部の
円弧に接する開口縁を含む形状に形成したことを特徴と
するエンジンのバッフルプレート。
【請求項３】円弧状開口縁と連続なストレーナ孔部の
円弧に接する開口縁を、直線状もしくは前記円弧状開口
縁と同心の円弧状に形成したことを特徴とする請求項２
記載のエンジンのバッフルプレート。
【請求項４】円弧状開口縁と連続なストレーナ孔部の
円弧に接する開口縁を、ストレーナ孔部の曲率より小さ
く、かつ、ストレーナ孔部の円弧と同方向に凹状とする
円弧状に形成したことを特徴とする請求項２記載のエン
ジンのバッフルプレート。