JPH11278929A - 一体焼成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物 - Google Patents
一体焼成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物Info
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- JPH11278929A JPH11278929A JP10084310A JP8431098A JPH11278929A JP H11278929 A JPH11278929 A JP H11278929A JP 10084310 A JP10084310 A JP 10084310A JP 8431098 A JP8431098 A JP 8431098A JP H11278929 A JPH11278929 A JP H11278929A
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- piezoelectric actuator
- porcelain composition
- laminated piezoelectric
- composition
- integrally
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、内部電極として安価なＡｇ
／Ｐｄ等を使用することができる低い温度範囲での焼成
が可能な一体焼成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成
物を提供することにある。 【解決手段】 本発明の一体焼成型積層圧電アクチュエ
ータ用磁器組成物は、一般式 【化１】ｘＰｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ3−ｙＰｂＴｉＯ3
−ｚＰｂＺｒＯ3で表され、且つＰｂ(Ｚｎ1／3Ｔ
ａ2／3)Ｏ3をｘ、ＰｂＴｉＯ3をｙ、ＰｂＺｒＯ3をｚと
するモル比で表す三成分系の三角図表でＡ(ｘ、ｙ、ｚ)
＝(０.４５、０.３３、０.２２) Ｂ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.４７、０.２２) Ｃ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４７、０.５０) Ｄ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４０、０.５７) Ｅ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.１０、０.３３、０.５７) Ｆ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.３０、０.４０) の各点で囲まれる領域からなり、これに、Ｗ、Ｎｂ及び
Ｆｅからなる群から選択される１種または２種以上の成
分を0.1〜2.0モル％含有してなることを特徴とする。
／Ｐｄ等を使用することができる低い温度範囲での焼成
が可能な一体焼成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成
物を提供することにある。 【解決手段】 本発明の一体焼成型積層圧電アクチュエ
ータ用磁器組成物は、一般式 【化１】ｘＰｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ3−ｙＰｂＴｉＯ3
−ｚＰｂＺｒＯ3で表され、且つＰｂ(Ｚｎ1／3Ｔ
ａ2／3)Ｏ3をｘ、ＰｂＴｉＯ3をｙ、ＰｂＺｒＯ3をｚと
するモル比で表す三成分系の三角図表でＡ(ｘ、ｙ、ｚ)
＝(０.４５、０.３３、０.２２) Ｂ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.４７、０.２２) Ｃ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４７、０.５０) Ｄ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４０、０.５７) Ｅ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.１０、０.３３、０.５７) Ｆ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.３０、０.４０) の各点で囲まれる領域からなり、これに、Ｗ、Ｎｂ及び
Ｆｅからなる群から選択される１種または２種以上の成
分を0.1〜2.0モル％含有してなることを特徴とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、一体焼成型積層圧
電アクチュエータ用磁器組成物に関するものである。
電アクチュエータ用磁器組成物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一体焼成型積層圧電アクチュエータは、
図１に示すような構成を有するものであり、ここで、１
は圧電体層、２は外部電極、３は絶縁体、４は内部電極
を示す。このような構成を有する一体焼成型積層圧電ア
クチュエータは、電歪効果を示す材料と有機物で形成さ
れたグリーンシートに内部電極材料をスクリーン印刷等
で形成し、積層・圧着後、一体焼成し、側面に形成され
た外部電極により一層おきに内部電極を接続した構造を
有している。
図１に示すような構成を有するものであり、ここで、１
は圧電体層、２は外部電極、３は絶縁体、４は内部電極
を示す。このような構成を有する一体焼成型積層圧電ア
クチュエータは、電歪効果を示す材料と有機物で形成さ
れたグリーンシートに内部電極材料をスクリーン印刷等
で形成し、積層・圧着後、一体焼成し、側面に形成され
た外部電極により一層おきに内部電極を接続した構造を
有している。
【０００３】従来、グリーンシートには、Ｐｂ(Ｎｉ
1／3Ｎｂ2／3)Ｏ3−ＰｂＴｉＯ3−ＰｂＺｒＯ3系、Ｐｂ
(Ｍｇ1／3Ｎｂ2／3)Ｏ3−ＰｂＴｉＯ3−ＰｂＺｒＯ3系
などのＰｂＴｉＯ3−ＰｂＺｒＯ3系を主成分とし、複合
ペロブスカイト等の第三成分を添加した圧電性磁器組成
物が使用されていた。ところが、近年、圧電アクチュエ
ータの小型化、低電圧駆動化、高速駆動化が要求される
に伴い、圧電アクチュエータの小型化、多積層化、更に
は、積層間隔の薄肉化が進んできたため、圧電アクチュ
エータの低容量化、低損失化、低発熱が望まれるように
なった。
1／3Ｎｂ2／3)Ｏ3−ＰｂＴｉＯ3−ＰｂＺｒＯ3系、Ｐｂ
(Ｍｇ1／3Ｎｂ2／3)Ｏ3−ＰｂＴｉＯ3−ＰｂＺｒＯ3系
などのＰｂＴｉＯ3−ＰｂＺｒＯ3系を主成分とし、複合
ペロブスカイト等の第三成分を添加した圧電性磁器組成
物が使用されていた。ところが、近年、圧電アクチュエ
ータの小型化、低電圧駆動化、高速駆動化が要求される
に伴い、圧電アクチュエータの小型化、多積層化、更に
は、積層間隔の薄肉化が進んできたため、圧電アクチュ
エータの低容量化、低損失化、低発熱が望まれるように
なった。
【０００４】上述のような圧電性磁器組成物を使用した
圧電アクチュエータの大容量化、高速駆動時における発
熱の問題、更には、圧電アクチュエータの電気歪のヒス
テリシス、ドリフトの問題を解決するために、特開平２
−６７７７３号公報には、一般式
圧電アクチュエータの大容量化、高速駆動時における発
熱の問題、更には、圧電アクチュエータの電気歪のヒス
テリシス、ドリフトの問題を解決するために、特開平２
−６７７７３号公報には、一般式
【化２】ｘＰｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ3−ｙＰｂＴｉＯ3
−ｚＰｂＺｒＯ3 で表され且つＰｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ3をｘ、ＰｂＴ
ｉＯ3をｙ、ＰｂＺｒＯ3をｚとするモル比で表す三成分
系の三角図表で Ａ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.４５、０.３３、０.２２) Ｂ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.４７、０.２２) Ｃ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４７、０.５０) Ｄ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４０、０.５７) Ｅ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.１０、０.３３、０.５７) の各点で囲まれる領域からなることを特徴とするアクチ
ュエータ用圧電性磁器組成物が開示されている。
−ｚＰｂＺｒＯ3 で表され且つＰｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ3をｘ、ＰｂＴ
ｉＯ3をｙ、ＰｂＺｒＯ3をｚとするモル比で表す三成分
系の三角図表で Ａ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.４５、０.３３、０.２２) Ｂ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.４７、０.２２) Ｃ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４７、０.５０) Ｄ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４０、０.５７) Ｅ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.１０、０.３３、０.５７) の各点で囲まれる領域からなることを特徴とするアクチ
ュエータ用圧電性磁器組成物が開示されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】該公報に開示されてい
るアクチュエータ用圧電性磁器組成物は、圧電アクチュ
エータ用材料として電気歪が大きく、低誘電率、低損
失、更には、電気歪のヒステリシス、ドリフトが小さい
という優れた特徴を有するものであるが、圧電アクチュ
エータを作製する際に、１２００〜１３００℃の焼成温
度を必要とする。圧電アクチュエータは上述のように内
部電極を印刷したシートを積層して焼成する一体焼成に
より製造されるが、焼成温度が１２００〜１３００℃と
高いと、内部電極に使用できる金属がＰｔ等の高価な金
属に限定されてしまい、コスト等の点で問題を有するも
のであった。
るアクチュエータ用圧電性磁器組成物は、圧電アクチュ
エータ用材料として電気歪が大きく、低誘電率、低損
失、更には、電気歪のヒステリシス、ドリフトが小さい
という優れた特徴を有するものであるが、圧電アクチュ
エータを作製する際に、１２００〜１３００℃の焼成温
度を必要とする。圧電アクチュエータは上述のように内
部電極を印刷したシートを積層して焼成する一体焼成に
より製造されるが、焼成温度が１２００〜１３００℃と
高いと、内部電極に使用できる金属がＰｔ等の高価な金
属に限定されてしまい、コスト等の点で問題を有するも
のであった。
【０００６】従って、本発明の目的は、内部電極として
安価なＡｇ／Ｐｄ等を使用することができる低い温度範
囲での焼成が可能な一体焼成型積層圧電アクチュエータ
用磁器組成物を提供することにある。
安価なＡｇ／Ｐｄ等を使用することができる低い温度範
囲での焼成が可能な一体焼成型積層圧電アクチュエータ
用磁器組成物を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、一般式
【化３】ｘＰｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ3−ｙＰｂＴｉＯ3
−ｚＰｂＺｒＯ3 で表され、且つＰｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ3をｘ、Ｐｂ
ＴｉＯ3をｙ、ＰｂＺｒＯ3をｚとするモル比で表す三成
分系の三角図表で Ａ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.４５、０.３３、０.２２) Ｂ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.４７、０.２２) Ｃ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４７、０.５０) Ｄ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４０、０.５７) Ｅ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.１０、０.３３、０.５７) Ｆ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.３０、０.４０) の各点で囲まれる領域からなり、これに、Ｗ、Ｎｂ及び
Ｆｅからなる群から選択される１種または２種以上の成
分を０.１〜２.０モル％含有してなることを特徴とする
一体焼成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物にあ
る。
−ｚＰｂＺｒＯ3 で表され、且つＰｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ3をｘ、Ｐｂ
ＴｉＯ3をｙ、ＰｂＺｒＯ3をｚとするモル比で表す三成
分系の三角図表で Ａ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.４５、０.３３、０.２２) Ｂ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.４７、０.２２) Ｃ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４７、０.５０) Ｄ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４０、０.５７) Ｅ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.１０、０.３３、０.５７) Ｆ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.３０、０.４０) の各点で囲まれる領域からなり、これに、Ｗ、Ｎｂ及び
Ｆｅからなる群から選択される１種または２種以上の成
分を０.１〜２.０モル％含有してなることを特徴とする
一体焼成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物にあ
る。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明の一体焼成型積層圧電アク
チュエータ用磁器組成物は、Ｐｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ
3をｘ、ＰｂＴｉＯ3をｙ、ＰｂＺｒＯ3をｚとするモル
比で表す図２に示す三成分系の三角図表で Ａ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.４５、０.３３、０.２２) Ｂ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.４７、０.２２) Ｃ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４７、０.５０) Ｄ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４０、０.５７) Ｅ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.１０、０.３３、０.５７) Ｆ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.３０、０.４０) の各点で囲まれる領域からなる組成物に、Ｗ、Ｎｂ及び
Ｆｅからなる群から選択される１種または２種以上の成
分を０.１〜２.０モル％含有してなるものである。
チュエータ用磁器組成物は、Ｐｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ
3をｘ、ＰｂＴｉＯ3をｙ、ＰｂＺｒＯ3をｚとするモル
比で表す図２に示す三成分系の三角図表で Ａ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.４５、０.３３、０.２２) Ｂ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.４７、０.２２) Ｃ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４７、０.５０) Ｄ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４０、０.５７) Ｅ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.１０、０.３３、０.５７) Ｆ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.３０、０.４０) の各点で囲まれる領域からなる組成物に、Ｗ、Ｎｂ及び
Ｆｅからなる群から選択される１種または２種以上の成
分を０.１〜２.０モル％含有してなるものである。
【０００９】ここで、図２に示す三角図表において、Ｐ
ｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ3、ＰｂＴｉＯ3、ＰｂＺｒＯ3
をそれぞれ点Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ及びＦで囲まれた組成
としたのは、この範囲外では電気歪が４５０×１０−12
ｍ／Ｖ未満と小さく、一体焼成型積層圧電アクチュエー
タ用磁器組成物としては適さないためである。
ｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ3、ＰｂＴｉＯ3、ＰｂＺｒＯ3
をそれぞれ点Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ及びＦで囲まれた組成
としたのは、この範囲外では電気歪が４５０×１０−12
ｍ／Ｖ未満と小さく、一体焼成型積層圧電アクチュエー
タ用磁器組成物としては適さないためである。
【００１０】更に、本発明の一体焼成型積層圧電アクチ
ュエータ用磁器組成物には、上記組成のＰｂ(Ｚｎ1／3
Ｔａ2／3)Ｏ3、ＰｂＴｉＯ3、ＰｂＺｒＯ3成分に加え
て、Ｗ、Ｎｂ及びＦｅからなる群から選択される１種ま
たは２種以上の成分を０.１〜２.０モル％含有してな
る。Ｗ、Ｎｂ及び／またはＦｅを配合することにより、
積層圧電アクチュエータを作製するために焼成する際
に、焼成温度を１０００〜１１５０℃程度、好ましくは
約１１００℃以下にまで下げることができ、それによっ
て積層圧電アクチュエータの内部電極材料として、Ｐｔ
などに比べて安価なＡｇ／Ｐｄ等を使用可能とするもの
である。なお、Ｗ、Ｎｂ及び／またはＦｅの配合量が
０.１モル未満であると、焼成温度を内部電極としてＡ
ｇ／Ｐｄ等が使用可能な１０００〜１１５０℃の温度範
囲にまで下げることができないために好ましくない。ま
た、Ｗ、Ｎｂ及び／またはＦｅの配合量が２.０モルを
超えると、電気歪が小さくなり、圧電特性が劣化するた
めに好ましくない。
ュエータ用磁器組成物には、上記組成のＰｂ(Ｚｎ1／3
Ｔａ2／3)Ｏ3、ＰｂＴｉＯ3、ＰｂＺｒＯ3成分に加え
て、Ｗ、Ｎｂ及びＦｅからなる群から選択される１種ま
たは２種以上の成分を０.１〜２.０モル％含有してな
る。Ｗ、Ｎｂ及び／またはＦｅを配合することにより、
積層圧電アクチュエータを作製するために焼成する際
に、焼成温度を１０００〜１１５０℃程度、好ましくは
約１１００℃以下にまで下げることができ、それによっ
て積層圧電アクチュエータの内部電極材料として、Ｐｔ
などに比べて安価なＡｇ／Ｐｄ等を使用可能とするもの
である。なお、Ｗ、Ｎｂ及び／またはＦｅの配合量が
０.１モル未満であると、焼成温度を内部電極としてＡ
ｇ／Ｐｄ等が使用可能な１０００〜１１５０℃の温度範
囲にまで下げることができないために好ましくない。ま
た、Ｗ、Ｎｂ及び／またはＦｅの配合量が２.０モルを
超えると、電気歪が小さくなり、圧電特性が劣化するた
めに好ましくない。
【００１１】本発明の一体焼成型積層圧電アクチュエー
タ用磁器組成物は、電気歪、比誘電率及び誘電損失が特
開平２−６７７７３号公報に記載されているそれらとほ
ぼ同等であるという良好な特性を維持しつつ、積層圧電
アクチュエータを作製する際の一体焼成の温度を１００
０〜１１５０℃の温度範囲にまで低下することが可能で
あり、それによって安価な内部電極材料を使用可能とな
るため積層圧電アクチュエータ用磁器組成物として最適
である。
タ用磁器組成物は、電気歪、比誘電率及び誘電損失が特
開平２−６７７７３号公報に記載されているそれらとほ
ぼ同等であるという良好な特性を維持しつつ、積層圧電
アクチュエータを作製する際の一体焼成の温度を１００
０〜１１５０℃の温度範囲にまで低下することが可能で
あり、それによって安価な内部電極材料を使用可能とな
るため積層圧電アクチュエータ用磁器組成物として最適
である。
【００１２】本発明の一体焼成型積層圧電アクチュエー
タ用磁器組成物は通常のニューセラミックス製造方法に
より得ることができる。例えば、ＰｂＯ、ＴｉＯ2、Ｚ
ｒＯ2、ＺｎＯ、Ｔａ2Ｏ5、ＷＯ3、Ｎｂ2Ｏ5、Ｆｅ2Ｏ3
を上述の一般式に規定した範囲内にあるように所定の割
合で秤量し、混合する。次に、得られた混合物を８００
〜１０００℃の温度範囲で１〜６時間仮焼後、粉砕する
ことにより得ることができる。
タ用磁器組成物は通常のニューセラミックス製造方法に
より得ることができる。例えば、ＰｂＯ、ＴｉＯ2、Ｚ
ｒＯ2、ＺｎＯ、Ｔａ2Ｏ5、ＷＯ3、Ｎｂ2Ｏ5、Ｆｅ2Ｏ3
を上述の一般式に規定した範囲内にあるように所定の割
合で秤量し、混合する。次に、得られた混合物を８００
〜１０００℃の温度範囲で１〜６時間仮焼後、粉砕する
ことにより得ることができる。
【００１３】上述のようにして得られた本発明の一体焼
成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物用い、通常の
一体焼成型積層圧電アクチュエータの製造方法に従って
一体焼成型積層圧電アクチュエータを作製することがで
きる。例えば、本発明の一体焼成型積層圧電アクチュエ
ータ用磁器組成物に所定量のバインダーを添加してグリ
ーンシートを作製し、得られたグリーンシートに内部電
極材料をスクリーン印刷等で形成し、積層・圧着後、１
０００〜１１５０℃の温度範囲で一体焼成することによ
り、一体焼成型積層圧電アクチュエータを製造すること
ができる。
成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物用い、通常の
一体焼成型積層圧電アクチュエータの製造方法に従って
一体焼成型積層圧電アクチュエータを作製することがで
きる。例えば、本発明の一体焼成型積層圧電アクチュエ
ータ用磁器組成物に所定量のバインダーを添加してグリ
ーンシートを作製し、得られたグリーンシートに内部電
極材料をスクリーン印刷等で形成し、積層・圧着後、１
０００〜１１５０℃の温度範囲で一体焼成することによ
り、一体焼成型積層圧電アクチュエータを製造すること
ができる。
【００１４】なお、本発明の一体焼成型積層圧電アクチ
ュエータ用磁器組成物の原料としては加熱により上記酸
化物に分解する化合物またはそれら化合物相互の化合物
も使用することができる。これらの原料としては例えば
炭酸塩、酢酸塩等を使用することができる。
ュエータ用磁器組成物の原料としては加熱により上記酸
化物に分解する化合物またはそれら化合物相互の化合物
も使用することができる。これらの原料としては例えば
炭酸塩、酢酸塩等を使用することができる。
【００１５】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の一体焼成型積
層圧電アクチュエータ用磁器組成物を更に説明する。 実施例 ＰｂＯ、ＴｉＯ2、ＺｒＯ2、ＺｎＯ、Ｔａ2Ｏ5、Ｗ
2Ｏ3、Ｎｂ2Ｏ5、Ｆｅ2Ｏ3を原料とし、表１に示す組成
となるように秤量し、ポットミルを用いて湿式混合した
後、９００℃で２時間仮焼した。この仮焼粉末２００ｇ
にバインダーとしてポリビニルアルコールを５ｇ添加
し、造粒後、１トン／ｃｍ2の成形圧で直径３０ｍｍ、
厚さ２ｍｍの円板に成形した。この成形体を１１００℃
の温度で２時間焼成することにより円板状の焼結体を得
た。なお、焼成後の焼結体の直径は約２４ｍｍであっ
た。次に、得られた焼結体の両面を研磨して厚さ１.０
ｍｍとした後［図３の（５）］、電極（銀）図３の
（６）］を焼き付けて供試体を得た。得られた供試体を
シリコンオイル中で６０℃、２０ｋＶ／ｃｍの電界を印
加することにより分極処理を行った。
層圧電アクチュエータ用磁器組成物を更に説明する。 実施例 ＰｂＯ、ＴｉＯ2、ＺｒＯ2、ＺｎＯ、Ｔａ2Ｏ5、Ｗ
2Ｏ3、Ｎｂ2Ｏ5、Ｆｅ2Ｏ3を原料とし、表１に示す組成
となるように秤量し、ポットミルを用いて湿式混合した
後、９００℃で２時間仮焼した。この仮焼粉末２００ｇ
にバインダーとしてポリビニルアルコールを５ｇ添加
し、造粒後、１トン／ｃｍ2の成形圧で直径３０ｍｍ、
厚さ２ｍｍの円板に成形した。この成形体を１１００℃
の温度で２時間焼成することにより円板状の焼結体を得
た。なお、焼成後の焼結体の直径は約２４ｍｍであっ
た。次に、得られた焼結体の両面を研磨して厚さ１.０
ｍｍとした後［図３の（５）］、電極（銀）図３の
（６）］を焼き付けて供試体を得た。得られた供試体を
シリコンオイル中で６０℃、２０ｋＶ／ｃｍの電界を印
加することにより分極処理を行った。
【００１６】上述のようにして分極処理した供試体につ
いて、密度、比誘電率、誘電損失、電気歪及びｄ33を測
定した。得られた結果を以下の表１に記載する。なお、
表１中、＊印は、比較品を示す。
いて、密度、比誘電率、誘電損失、電気歪及びｄ33を測
定した。得られた結果を以下の表１に記載する。なお、
表１中、＊印は、比較品を示す。
【００１７】
【表１】
【００１８】
【表２】
【００１９】表１中、誘電損失は、ＬＣＺメータで測定
したものある。また、比誘電率は、ＬＣＺメータで静電
容量を測定し、以下の式に従って算出したものである：
したものある。また、比誘電率は、ＬＣＺメータで静電
容量を測定し、以下の式に従って算出したものである：
【数１】εr＝（Ｃｆ×ｔ）／（Ｓ×ε0） 式中、Ｃｆ：静電容量（Ｆ） ｔ ：電極間隔（ｍ） Ｓ ：電極面積（ｍ2） ε0 ：真空中の誘電率［８.８５４×１０−12（Ｆ／
ｍ）］ 更に、電気歪は、０.０１μｍの変位量の分解能を有す
る光学式非接触変位計（８）を用いた図４に示すような
構成で供試体（７）に１０００Ｖの電圧を印加した時の
変位量を測定したものである。また、ｄ33は、電気歪の
測定値から下記の式に従って算出したものである：
ｍ）］ 更に、電気歪は、０.０１μｍの変位量の分解能を有す
る光学式非接触変位計（８）を用いた図４に示すような
構成で供試体（７）に１０００Ｖの電圧を印加した時の
変位量を測定したものである。また、ｄ33は、電気歪の
測定値から下記の式に従って算出したものである：
【数２】ｄ33＝［電気歪（μｍ）］／［電圧歪測定時の
印加電圧（Ｖ）］×１０−6（ｍ／Ｖ）
印加電圧（Ｖ）］×１０−6（ｍ／Ｖ）
【００２０】表１から明らかなように、本発明の一体焼
成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物は、１１００
℃という低温で焼成した供試体において、厚さ方向（分
極方向）に１０００Ｖの電圧を印加したときの電気歪が
０.４５〜０.７３μｍと大きく、比誘電率は１５５０以
下と低く、また、誘電損失も２.６％以下と低いもので
あった。
成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物は、１１００
℃という低温で焼成した供試体において、厚さ方向（分
極方向）に１０００Ｖの電圧を印加したときの電気歪が
０.４５〜０.７３μｍと大きく、比誘電率は１５５０以
下と低く、また、誘電損失も２.６％以下と低いもので
あった。
【００２１】
【発明の効果】以上、本発明の一体焼成型積層圧電アク
チュエータ用磁器組成物を使用して一体型積層圧電アク
チュエータを作製すれば、小形低容量、低電圧駆動、大
変位の積層圧電アクチュエータを得ることができ、しか
も、積層圧電アクチュエータの高速駆動時の発熱量は、
特開平２−６７７７３号公報に記載された組成物のそれ
を維持しつつ、内部電極材料としてＡｇ／Ｐｄのような
安価な材質を使用することが可能となる。
チュエータ用磁器組成物を使用して一体型積層圧電アク
チュエータを作製すれば、小形低容量、低電圧駆動、大
変位の積層圧電アクチュエータを得ることができ、しか
も、積層圧電アクチュエータの高速駆動時の発熱量は、
特開平２−６７７７３号公報に記載された組成物のそれ
を維持しつつ、内部電極材料としてＡｇ／Ｐｄのような
安価な材質を使用することが可能となる。
【図１】一体焼成型積層圧電アクチュエータの概略図で
ある。
ある。
【図２】本発明の一体焼成型積層圧電アクチュエータ用
磁器組成物におけるＰｂ(Ｚｎ1 ／3Ｔａ2／3)Ｏ3成分、
ＰｂＴｉＯ3成分及びＰｂＺｒＯ3成分のモル比を表す三
成分系の三角図表である。
磁器組成物におけるＰｂ(Ｚｎ1 ／3Ｔａ2／3)Ｏ3成分、
ＰｂＴｉＯ3成分及びＰｂＺｒＯ3成分のモル比を表す三
成分系の三角図表である。
【図３】実施例で得られた供試体の概略図である。
【図４】実施例において、供試体の電気歪を測定するた
めの装置の概略図である。
めの装置の概略図である。
１ 圧電体層 ２ 外部電極 ３ 絶縁体 ４ 内部電極 ５ 焼結体 ６ 電極 ７ 供試体 ８ 光学式非接触変位計
Claims (3)
- 【請求項１】 一般式 【化１】ｘＰｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ3−ｙＰｂＴｉＯ3
−ｚＰｂＺｒＯ3 で表され、且つＰｂ(Ｚｎ1／3Ｔａ2／3)Ｏ3をｘ、Ｐｂ
ＴｉＯ3をｙ、ＰｂＺｒＯ3をｚとするモル比で表す三成
分系の三角図表で Ａ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.４５、０.３３、０.２２) Ｂ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.４７、０.２２) Ｃ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４７、０.５０) Ｄ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.０３、０.４０、０.５７) Ｅ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.１０、０.３３、０.５７) Ｆ(ｘ、ｙ、ｚ)＝(０.３０、０.３０、０.４０) の各点で囲まれる領域からなり、これに、Ｗ、Ｎｂ及び
Ｆｅからなる群から選択される１種または２種以上の成
分を０.１〜２.０モル％含有してなることを特徴とする
一体焼成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物。 - 【請求項２】 組成物が１０００〜１１５０℃の焼成温
度で焼成可能である、請求項１記載の一体焼成型積層圧
電アクチュエータ用磁器組成物。 - 【請求項３】 焼成品の電気歪が４５０×１０-12ｍ／
Ｖ以上であり、比誘電率が２０００以下であり、且つ誘
電損失が２.５％以下である、請求項１または２記載の
一体焼成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10084310A JPH11278929A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 一体焼成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10084310A JPH11278929A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 一体焼成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11278929A true JPH11278929A (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=13826937
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10084310A Pending JPH11278929A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 一体焼成型積層圧電アクチュエータ用磁器組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11278929A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7514854B2 (en) | 2005-03-30 | 2009-04-07 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric element, liquid-jet head using piezoelectric element and liquid-jet apparatus |
-
1998
- 1998-03-30 JP JP10084310A patent/JPH11278929A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7514854B2 (en) | 2005-03-30 | 2009-04-07 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric element, liquid-jet head using piezoelectric element and liquid-jet apparatus |
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