JPH1127663A - 符号化画像データの復号・表示装置 - Google Patents

符号化画像データの復号・表示装置

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JPH1127663A
JPH1127663A JP17423297A JP17423297A JPH1127663A JP H1127663 A JPH1127663 A JP H1127663A JP 17423297 A JP17423297 A JP 17423297A JP 17423297 A JP17423297 A JP 17423297A JP H1127663 A JPH1127663 A JP H1127663A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細画像の符号化画像データの復号・表示
に際し、メモリの容量を低減するとともに、処理回路の
回路規模を低減して低コスト化する。 【解決手段】 入力符号化データは、可変長復号ユニッ
ト6,IQ・IDCTユニット7で復号処理が開始さ
れ、画素削減フィルタ8で図示しない表示装置の水平画
素数以下の水平画素数に制限された後、動き補償ユニッ
ト9で画素シフトフィルタ10からの参照画像データで
動き補償される。水平画素数が制限されて動き補償され
た復号画像データはメモリ2に格納され、表示画像デー
タとして読み出される。この表示画像データは、走査線
変換フィルタ13で上記表示装置に合致した走査線数と
走査タイプの画像データに変換され、さらに、水平画素
補間フィルタ12で、水平画素数が少ないとき、表示装
置の水平画素数に合致するように水平画素補間処理さ
れ、表示ユニット11を介して表示装置に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ISO/IECの
国際規格やMPEG−2などの規格に基いて高能率符号
化された画像データを復号し、表示させるようにした復
号・表示装置に係り、特に、高精細画像の符号化画像デ
ータに好適な復号・表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、データ量が膨大な画像データを伝
送もしくは記録するに当り、冗長性などを除去してデー
タ圧縮符号化する高能率符号化が用いられるようにな
り、伝送もしくは記録コストの低減が図られている。こ
のような高能率符号化としては、例えば、「テレビジョ
ン学会誌」第49巻 第4号(1995年)pp.435−
466などで概説されているように、ISO/SC29
/WG11で標準化されたMPEG方式がよく知られて
おり、また、特開平8−18953号公報や特開平8−
23514号公報などで、このMPEG方式によるMP
EGストリームの復号・表示装置の例が開示されてい
る。
【0003】MPEG方式に基づく符号化では、画像デ
ータの各フレームを、予測値として参照する参照フレー
ムを持たずに符号化するIフレーム(Intra Picture)
や過去のフレーム(即ち、表示順で当該フレームよりも
前方に配列されるフレームのみ)を参照フレームとし、
この参照フレームをもとに符号化するPフレーム(Pred
ictive Picture)、過去のフレームと未来のフレーム
(即ち、表示順で当該フレームよりも後方に配列される
フレームのみ)とを参照フレームとし、これら参照フレ
ームをもとに符号化するBフレーム(Bidirectional Pi
cture)とに区分される。Bフレームの実際の符号化に
際しては、このBフレームの符号化時点で過去のフレー
ムによる参照フレームと未来のフレームによる参照フレ
ームとが存在していることが必要であり、このため、表
示順に配列されているフレームの順序を巧みに入れ替え
てから符号化がなされる。
【0004】このため、かかる符号化された画像データ
の復号・表示装置では、フレームの符号化順に送られて
くる符号化画像データが順次復号されるが、復号された
各フレームをもとの表示順に従うように並び替える必要
があり、このため、復号画像データは一旦メモリに蓄え
られる。
【0005】また、I,Pフレームの復号画像データ
は、その後のBフレームの復号の参照データとして用い
る必要があり、このため、必ず2フレーム分の画像デー
タを上記のメモリ内に蓄えている必要がある。上記の復
号画像データのフレーム順の並び替えは、この2フレー
ム分のメモリを利用して行なわれる。
【0006】さらに、画像データは1フレーム単位で符
号化されているために、テレビジョン信号のように、1
フレームがインタレースした2つのフィールドで構成さ
れる場合、たとえBフレームであっても、復号して直ち
に表示できるわけでなく、復号されたフレームの画像デ
ータはフィールドデータに変換される必要がある。この
ためにも、1フレーム分程度のメモリが必要となる。
【0007】図10はMPEG方式による画像サイズの
制約と符号化画像データの復号に際しての必要なメモリ
容量を示した図である。
【0008】同図において、MPEG方式に基いてデー
タ圧縮符号化する画像信号は幾つかのカテゴリに分類さ
れており、特に、メインレベル(ML)とハイレベル
(HL)と称する2つのカテゴリは、応用面から特に重
要視されている。
【0009】メインレベル(ML)は、水平720画素
×垂直480走査線×フレーム周波数30HzのNTS
C方式の映像信号に相当するものであり、衛星ディジタ
ル放送に採用されている。また、ハイレベル(HL)
は、水平1920画素×垂直1080走査線×フレーム
周波数30Hzのような高精細画像に対応したものであ
り、高画質な放送サービスを行なうことを目的とした米
国の地上波ディジタル放送に採用が決定している。な
お、この米国の地上波ディジタル放送については、例え
ば、「日経マイクロデバイス」1997年5月号 pp.4
7−53に紹介されている。
【0010】図10に示した必要なメモリ容量は、上記
の3フレーム分の容量に加え、復号に際し、符号化画像
データを一時蓄えるためのデータバッファ分を加えて計
算される。この符号化画像データバッファ(VBV)の
容量は、メインレベル(ML)で1,835,008ビ
ットであり、ハイレベル(HL)で9,781,248
ビットである。この容量値は、製造者が異なる符号化装
置と復号・表示装置との組み合わせでも適切な符号化・
復号化が保証されるように、必ず守らなくてはならない
必要最小限の容量として、MPEG規格で定められてい
る。
【0011】また、メモリとしては、16Mビット(=
2Mバイト)の容量のメモリが汎用のメモリチップとし
て様々な分野で利用されており、復号・表示装置を構成
するに際しても、コスト面での優位性から、この汎用メ
モリが使用される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高精細
画像である上記のハイレベル(HL)に対応した復号・
表示装置では、メモリが12Mバイトも必要であり、さ
らには、1フレーム当り1920×1080画素もの画
像データをこのメモリに書き込んだり、読み出したりす
る必要があり、このため、このメモリの制御回路も大規
模なものとなる。
【0013】また、「日経マイクロデバイス」1997
年5月号 pp.47−53に紹介されているように、符号
化画像データの画像フォーマットは多岐にわたってい
る。従って、特定の表示装置でこれら全ての画像フォー
マットに対応して復号された画像データを表示させるに
は、この表示装置として、これら全ての画像フォーマッ
トが表示できるものを用いるか、復号・表示装置と表示
装置との間にフォーマット変換装置を用いる必要があ
る。
【0014】このように、ハイレベル(HL)に対応し
たディジタル放送の実用化にあたっては、装置の規模や
コストなどの面で大きな問題があった。
【0015】本発明の目的は、かかる問題を解消し、符
号化画像データがハイレベル(HL)に対応したものであ
っても、規模の拡大を抑えて低コストで復号・表示を可
能とした符号化画像データの復号・表示装置を提供する
ことにある。
【0016】本発明の他の目的は、さらに、表示装置の
画像フォーマットに応じて表示する画像サイズを任意に
かつ容易に設定することができるようにした符号化画像
データの復号・表示装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、符号化画像データの復号段階で復号する
画像データの水平方向の画素数を低減するものであり、
これにより、復号画像データを格納するメモリ手段の容
量を低減することができる。
【0018】上記他の目的を達成するために、本発明
は、符号化画像データの復号段階で復号する画像データ
の水平方向の画素数を低減し、復号画像データをメモリ
手段に格納するとともに、該メモリ手段から読み出され
た該復号画像データに対し、表示装置での表示画像フォ
ーマットに合致するように、走査線数の変換や画素補間
を行なうものであり、走査線数変換手段や画素補間手段
をメモリ手段の後段に設けているので、該メモリ手段の
容量を低減しながら、表示手段の表示画像フォーマット
に合致した画像サイズの表示画像データを得ることがで
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図1は本発明による符号化画像データ
の復号・表示装置の第1の実施形態を示すブロック図で
あって、1は復号・表示演算制御部(以下、デコーダと
いう)、2はメモリ、3は入力バッファメモリ、4は復
号バッファメモリ、5はメモリコントローラ、6は可変
長復号ユニット、7は逆量子化・逆離散コサイン変換
(以下、IQ・IDCTという)ユニット、8は画素削
減フィルタ、9は動き補償ユニット、10は画素シフト
フィルタ、11は表示ユニット、12は水平画素補間フ
ィルタ、13は走査線変換フィルタ、14はタイミング
発生ユニット、15はタイミングバス、16はメモリバ
スである。
【0020】同図において、符号化画像データは、デコ
ーダ1の入力バッファメモリ3に供給される。このデコ
ーダ1内には、メモリバス16とタイミングバス15の
2つのバスが設けられており、入力バッファメモリ3は
入力した符号化画像データを一時蓄え、タイミングバス
15を介して与えられるタイミング発生ユニット14か
らの指示タイミングでこの符号化画像データを読み出
し、メモリバス16を介してメモリコントローラ5に供
給する。メモリコントローラ5は、さらに、この符号化
画像データをメモリ2の符号化画像データバッファ領域
に格納する。
【0021】タイミング発生ユニット14は、上記の符
号化画像データのメモリ2への書込タイミングの生成に
加え、復号処理や表示処理に付随する全てのメモリ2へ
のアクセスタイミングや表示用同期信号などを生成す
る。メモリ2へのアクセスタイミングは、上記の符号化
画像データの書込みのほか、メモリバス16を介した後
述する符号化画像データの読出しや復号画像データの書
込み,参照画像データや表示画像データの読出しを設定
するのであるが、メモリ2へのこれらアクセスを復号処
理及び表示処理に合わせ、かつ互いに競合することな
く、行なわせる。例えば、表示同期信号に基づいて細か
くタイムスロットを定義し、これらのタイムスロットを
上記夫々のアクセスに割り当てることにより、復号処理
及び表示処理が必要なデータを適切なタイミングで得る
ことができる。
【0022】メモリ2に格納された符号化画像データ
は、メモリコントローラ5によって再び読み出され、メ
モリバス16を介し、復号バッファメモリ4に供給され
て蓄えられる。復号バッファメモリ4は、一時的に他の
メモリアクセスのためにメモリ2から符号化画像データ
を読み出すことができない状態でも、次段の可変長復号
ユニット6の要求信号req に応じて、常に、符号化画像
データを供給可能とするためのものである。
【0023】可変長復号ユニット6は、復号バッファメ
モリ4から符号化画像データの供給を受け、可変長符号
化されたこの符号化画像データを可変長復号し、その復
号されて離散コサイン変換係数からなる画像データをI
Q・IDCTユニット7に供給するとともに、この符号
化画像データから量子化情報や画像サイズ情報,動きベ
クトル情報を抽出し、夫々IQ・IDCTユニット7や
動き補償ユニット9,表示ユニット11に供給する。
【0024】図2の右側部分に米国での高精細地上波デ
ィジタル放送で定められている画像フォーマット、即
ち、画像サイズ(水平画素数,垂直走査線数,走査方
式,アスペクト比)の例を示している。ここでは、画像
データのサイズは、1フレーム当り、例えば、水平19
20画素(有効分)×垂直1080走査線(有効分)
(1920(H)×1080(V)という。以下同様)
を最大としており、この実施形態では、そのいずれの画
像サイズの符号化画像データも復号可能とするものであ
る。上記画像サイズ情報は入力される符号化画像データ
のかかる画像サイズを表わなものであって、後述するよ
うに、画素削減フィルタ8や走査線変換フィルタ13,
水平画素補間フィルタ12による画像サイズの変換に際
しての指標として用いられる。
【0025】IQ・IDCTユニット7では、供給され
た離散コサイン変換係数の画像データが量子化情報に基
づいて逆量子化演算され、さらに、逆離散コサイン変換
されて、動き補償前の画像データが得られる。
【0026】一方、メモリ2は、図10で示した192
0(H)×1080(V)のハイレベル(HL)に対応した1
2Mバイトもの容量を備えるものではなく、例えば、1
280(H)×1080(V)に対応した8Mバイトに削減
させた容量を備えさせているに過ぎない。
【0027】画像削減フィルタ8は、メモリ2が備えて
いる容量よりも大きな画像サイズの画像データを復号す
る場合、上記のIQ・IDCTユニット7で得られた動
き補償前の画像データの水平方向の画像サイズ(水平画
素数)を削減するフィルタとして動作する。これによ
り、画像サイズが低減されてメモリ2の容量の削減を可
能とするとともに、メモリ2で読み書きする画素データ
の総数を低減し、メモリコントローラ5の回路規模を小
さくさせる。
【0028】動き補償ユニット9は、画素削減フィルタ
8で画像サイズ(即ち、水平画素数)が削減された画像デ
ータを受け取り、これに動きベクトル情報に基いて動き
補償を行なって復号された画像データを得るものであ
り、これをメモリ2に設けられた3つのフレームメモリ
に順次書き込む。これら3つのフレームメモリのうちの
2つは、参照フレームメモリとして、符号化されたIフ
レームやPフレームの復号画像データを専用に格納す
る。これら2つのフレームメモリは、IフレームやPフ
レームにかかわらず、時間的な順序で交互にかかるフレ
ームの読み書きを行なう。残りの1つのフレームメモリ
はBフレーム専用である(なお、このフレームメモリ
を、以下、Bフレームメモリという)。
【0029】動き補償を行なうに際し、動き補償ユニッ
ト9は、上記の水平画素数が削減された画像データに加
算する参照画像データを、メモリコントローラ5を介し
て、メモリ2から読み出す。Pフレームに対する参照画
像データは、1つ前のIもしくはPフレームの復号画像
データであり、上記の2つの参照フレームメモリのうち
のIもしくはPフレームの復号画像データの書込みを行
なわない方の参照フレームメモリから読み出す。また、
Bフレームに対しては、2つの参照フレームメモリから
IもしくはPフレームの参照画像データを読み出す。
【0030】また、これら参照画像データの読出しに際
し、参照フレームメモリ内のどの位置の画像データを読
み出すかを決定するのが動きベクトル情報である。符号
化画像データから抽出される動きベクトルは、符号化さ
れている画像サイズに対応して、その整数画素の精度及
び1/2画素の精度で与えられているが、メモリ2に
は、既に水平画素数が削減された状態で参照画像データ
が格納されており、動き補償ユニット9は、水平画素数
の削減レシオを換算した動きベクトル値をメモリコント
ローラ5に供給することにより、位置関係の概ね正しい
参照画像データの読出しを可能としている。
【0031】画素シフトフィルタ10は、画像削減フィ
ルタ8からの動き補償前の画像データとメモリ2から読
み出す参照画像データとが動きベクトルで与えられる正
確な位置関係となるように、メモリ2から読み出した参
照画像データを水平方向に位置シフトさせるフィルタで
あり、動き補償ユニット9は、この位置シフトされた参
照画像データを画像削減フィルタ8からの画像データに
加算して復号画像データを得るものである。この復号画
像データは一旦メモリ2に格納され、タイミング発生ユ
ニット14で設定されるタイミングで表示画像データと
して読み出される。
【0032】ところで、この実施形態では、先に説明し
たように、図2に示すような種々の画像サイズの符号化
画像データを復号可能であるが、デコーダ1に接続され
る表示装置は、種々のタイプのうちの1つのものであ
る。このため、メモリ2から読み出されるこの表示画像
データは、その画像サイズが接続された表示装置の表示
画像フォーマットに一致しないタイプのものであると
き、その画像サイズの変換が必要となる。この実施形態
では、この画像サイズの変換を、画素削減フィルタ8に
加え、走査線変換フィルタ13と水平画素補間フィルタ
12とで行なうものである。
【0033】図2は、また、デコーダ1に接続した表示
装置を1280(H)×720(V)のプログレッシブスキ
ャンタイプでアスペクト比16:9の表示装置として、
図示される様々な画像フォーマットをこの表示装置に対
応させたときの図1における画素削減フィルタ8の画素
数削減比,走査線変換フィルタ13の走査線変換比及び
水平画素補間フィルタ12の画素補間比の具体的な数値
例を示している。
【0034】同図において、例えば、符号化画像データ
が1920(H)×1080(V)のインタレーススキャン
タイプの画像データを符号化したものである場合、画素
削減フィルタ8により、水平方向の画像サイズ(画素
数)をこのタイプの表示装置に一致させることができる
が、画素削減フィルタ8は、垂直方向の走査線数の削減
は行なっていないため、垂直方向の画素サイズ(走査線
数)をこの表示装置に一致させることができない。画素
削減フィルタ8が垂直方向の走査線数の削減を行なわな
いのは、符号化画像データがインタレーススキャンに対
応してものである場合、フィールドタイプの動きベクト
ルとフレームタイプの動きベクトルが混在するためであ
る。
【0035】そこで、メモリ2,表示ユニット11間に
走査線変換フィルタ13を設けており、これにより、垂
直方向1080走査線のインタレーススキャンタイプの
画像データを720走査線のプログレッシブスキャンタ
イプに変換するために、1フィールド当り540走査線
を4/3倍して720走査線に変換する。
【0036】また、上記表示装置の垂直方向の走査線数
720よりも少ない走査線数の、例えば、720(H)×
480(V)のインタレーススキャンタイプの画像データ
の場合には、その各フィールドからプログレッシブスキ
ャンタイプの1280(H)×720(V)の1画面を形成
するものであるから、走査線変換フィルタ13でインタ
レーススキャンの1フィールド当り240走査線が、図
2に示すように、3逓倍されて720走査線になる。
【0037】また、メモリ2と表示ユニット11との間
に水平画素補間フィルタ12が設けられており、表示画
像データの水平方向の画素数を表示装置のそれに合わせ
るようにしている。例えば、720(H)×480(V)の
インタレーススキャンタイプの画像データのように、デ
コーダ1に接続される1280(H)×720(V)のプロ
グレッシブスキャンタイプの表示装置よりも水平画素数
が少ない画像データに対しては、この水平画素補間フィ
ルタ12が、水平方向の画素補間(水平720画素から
水平1280画素への変換)を行ない、この表示装置の
タイプとデコーダ1から出力される画像データのタイプ
とを一致させる。例えば、この720(H)×480(V)
のインタレーススキャンタイプの画像データの場合、こ
の画素補間処理により、水平方向の画素数が16/9倍
される。
【0038】なお、図2での1280(H)×720
(V),プログレッシブスキャンタイプ,アスペクト比で
ある画像データを復号し、また、デコーダ1に接続され
る表示装置がこれと同じタイプの1280(H)×720
(V)のプログレッシブスキャンタイプである場合には、
画素削減フィルタ8や走査線変換フィルタ13,水平画
素補間フィルタ12は、その機能を停止し、入力をその
まま出力する。
【0039】また、図2において、「−」で示した欄は
夫々、対応する画素数削減,走査線変換,水平画素補間
の処理を行なわないことを示している。また、アスペク
ト比4:3の画像データを表示させる上記の表示装置で
表示させる場合には、16:9のアスペクト比の画面の
中心に表示させる、いわゆるサイドパネル表示を行なわ
せている。
【0040】表示ユニット11は、上記のようにして、
水平画素数や走査線数がデコーダ1に接続される図示し
ない表示装置のタイプに合わせられた表示画像データが
供給され、これをタイミング発生ユニット14から供給
される表示用同期信号に合わせて整列し、デコーダ1の
出力画像データとしてこの表示装置に出力する。
【0041】次に、デコーダ1に接続される表示装置
を、上記のように、1280(H)×720(V)のプログ
レッシブタイプでアスペクト比16:9とし、また、デ
コーダ1で復号される画像データが図2に示す1920
(H)×1080(V)のインタレースタイプでアスペクト
比16:9の画像データであるとして、図1における各
部の具体例とその動作を説明する。但し、画素シフトフ
ィルタ10や走査線変換フィルタ13,水平画素補間フ
ィルタ12のフィルタ係数値を適宜切り替え設定するこ
とにより、他のタイプの表示装置や他のタイブの画像デ
ータにも対応可能であることはいうまでもない。
【0042】図3は図1における画素削減フィルタ8の
具体例についての説明図であって、同図(a)はその動作
原理を示す図、同図(b)はその回路構成を示すブロック
図、同図(c)はその動作を示すタイミング図である。
【0043】ここでは、水平方向の画素数を1920画
素から1280画素に変換する場合を例にとって説明し
ているが、後述する画素シフトフィルタ10や走査線変
換フィルタ13,水平画素補間フィルタ12も、同様
に、フィルタ係数値を適切に選ぶことにより、例示した
もの以外にも対応可能である。
【0044】図3(a)において、上段のa0,a1,a2,
……は水平方向1920画素の場合の画素系列(192
0画素系列という。以下同様)の順次の画素を、中段の
数値はフィルタ係数値を、下段のb0,b1,b2,……は1
280画素系列の順次の画素を夫々示しており、画素削
減比を2/3とする。従って、基本的には、1920画
素系列の1.5画素毎に1個ずつ1280画素系列の画
素を生成することになる。このために、画素削減フィル
タ8は、図中矢印で示される方向に1920画素系列の
各画素にフィルタ係数値を重みとして乗算し、1280
画素系列の画素に集まる矢印全部の重み付けされた画素
を加算する。
【0045】具体的には、1920画素系列を3画素ず
つにグループ化し、これらグループ毎に夫々の画素に重
み付けして加算することにより、1280画素系列の1
つおきの画素とし、また、1920画素系列の隣り合う
2つのグループ間で先行するグループの最後の画素とこ
れに続くグループの先頭の画素とを夫々重み付けして加
算し、1280画素系列の他の1つおきの画素とするも
のである。
【0046】いま、1920画素系列の1つおきのi番
目(但し、i=1,2,3,……)のグループについて、
このグループでの画素を先頭からa3i-4,a3i-3,a3i-2
とすると、このグループ内において、 (1/8)×a3i-4+(3/4)×a3i-3+(1/8)×a3i-2 の演算を行ない、これを1280画素系列の1つおきに
配列される(2i−1)番目の画素b2i-2とする。192
0画素系列の次の(i+1)番目のグループの画素は先
頭からa3i-1,a3i,a3i+1であるから、i番目のグル
ープの最後の画素a3i-2と次の(i+1)番目のグループ
の先頭の画素a3i-1とについて、 (1/2)×a3i-2+(1/2)×a3i-1 の演算を行ない、これを1280画素系列の他の1つお
きに配列される2i番目の画素b2i-1とする。例えば、
1280画素系列の1番目の画素b0は、i=1とし
て、 (1/8)×a-1+(3/4)×a0+(1/8)×a1 ……(1) の演算で求められ、また、次の2番目の画素b1は、同
じくi=1として、 (1/2)×a1+(1/2)×a2 ……(2) の演算で求められる。このようにして、1920画素系
列の3画素毎に1280画素系列の2画素が生成され、
従って、水平方向の画素数が2/3となる。
【0047】次に、図3(b)により、かかる画素数削
減を行なう画素削減フィルタ8の一具体例を説明し、そ
の動作を図3(c)により説明する。但し、図3(b)
において、8a,8bは遅延回路、8c〜8eは乗算
器、8dは加算器、8gはフリップフロップ回路、8h
は係数メモリ部である。なお、図3(c)において、図
3(b)に対応するデータには同一符号を付けている。
【0048】以下では、動き補償前の画像データが画素
-1,a0,a1からなる最初のグループから入力される
ものとして、この具体例の動作を説明する。
【0049】図3(b),(c)において、IQ・IDC
Tユニット7(図1)から1920画素系列の動き補償
前の画像データ(これは、図3(a)での1920画素
系列の画像データに対応するものであって、以下、入力
画像データという)Aが復号クロックφに位相同期して
入力され、遅延回路8aでこの復号クロックφの周期
(=入力画像データaの画素周期)分遅延され、さら
に、遅延回路8bで復号クロックφの1周期分遅延され
る。そして、入力画像データAは乗算器8cに、遅延回
路8aからの遅延画像データAD は乗算器8dに、遅延
回路8bからの遅延画像データA2Dは乗算器8eに夫々
供給される。
【0050】一方、係数メモリ部8hには、上記のフィ
ルタ係数値1/8,3/4,1/2及び0が格納されてお
り、復号クロックφに位相同期して入力される位置情報
1に応じたフィルタ係数値がこの復号クロックφに同
期して読み出され、乗算器8c,8d,8eに供給され
る。この位置情報P1は、図3(a)で説明したように入
力画像データAを3画素毎にグループ化した場合、各グ
ループについて、先頭の画素a-1,a2,a5,……を表わ
す位置情報Pos1と最後の画素a1,a4,a7,……を表わ
す位置情報Pos0とからなり、かかる先頭の画素が入力
されるときには位置情報Pos1が、最後の画素が入力さ
れるときには位置情報Pos0が夫々入力される。
【0051】そこで、いま、入力画像データAの最初の
グループの最後の画素a1が入力されたとすると、遅延
画素データA2Dでのそのグループの先頭の画素a-1が乗
算器8eに、遅延画素データAD での2番目の画素a0
が乗算器8dに、最後の画素a1が乗算器8cに夫々同
時に供給される。このときには、位置情報Pos1が係数
メモリ部8hに供給されるが、係数メモリ部8hでは、
この位置情報Pos1によって1/8と3/4のフィルタ係
数値が読み出され、1/8のフィルタ係数値が乗算器8
c,8eに、また、フィルタ係数値3/4が乗算器8dに
夫々供給される。これにより、乗算器8cからは(1/
8)×a1が、乗算器8dからは (3/4)×a0が、乗算
器8eからは(1/8)×a-1が夫々得られる。これら乗
算値は加算器8fで加算され、上記式(1)で示す128
0画素系列の最初の画素b0が得られる。
【0052】次に、入力画像データAの次のグループの
最初の画素a2が入力されると、乗算器8cにこの画素
2が、乗算器8dに1つ前のグループの最後の画素a1
が、乗算器8eにさらにその1つ前の画素a0が夫々供
給される。このときには、係数メモリ部8hに上記の位
置情報Pos0が供給され、これによって1/2と0のフィ
ルタ係数値が読み出され、1/2のフィルタ係数値が乗
算器8c,8dに、0のフィルタ係数値が乗算器8eに
夫々供給される。これにより、乗算器8cからは(1/
2)×a2が、乗算器8dからは(1/2)×a1が、乗算器
8eからは0×a-1が夫々得られる。これら乗算値は加
算器8fで加算され、上記式(2)で示す1280画素系
列の2番目の画素b1 が得られる。
【0053】次いで、入力画像データAの次の画素a3
が入力されると、乗算器8cにこの画素a3 が、乗算器
8dに1つ前の画素a2 が、乗算器8eにさらに1つ前
の画素a1が夫々供給される。このときには、係数メモ
リ部8hに位置情報P1が供給されず、これにより、0
のフィルタ係数値が読み出されて乗算器8c,8d,8e
に夫々供給される。このため、乗算器8c,8d,8eの
乗算値は全て0となり、加算器8fからは画素が得られ
ない。
【0054】以上の3つの動作が1920画素系列の画
素が入力する毎に順に繰り返され、これにより、順次生
成された画素からなる1280画素系列の画像データ
b'がフィルタ出力として得られることになる。なお、
この1280画素系列では、上記のように、2画素毎に
1画素分の空白が生ずる。この画像データb’は、復号
クロックφに対して位相がずれており、このため、フリ
ップフロップ回路8gによって復号クロックφに位相同
期させる。そして、このフリップフロップ回路8gから
の画像データbが、図1において、画像削減フィルタ8
の出力として動き補償ユニット9に供給される。
【0055】なお、上記の復号クロックφは1920画
素系列の画像データaに対応したクロックであり、ま
た、クロックの共有化による回路構成の簡素化を図るた
め、上記のように、画素数が削減された1280画素系
列の画像データbもこの復号クロックφにタイミングを
合わさせている。従って、乗算器8c〜8eなどによる
フィルタ計算はこの復号クロックφの3クロックに2回
行なえばよく、これに合わせて、位置情報P1やフィル
タ出力b',画素削減データbも2クロック期間は確定
したデータとなるが、残り1クロック期間は「don't ca
re」(図中×印)でよい。
【0056】図4は図1における画素シフトフィルタ1
0の一具体例の説明図であって、同図(a)はその動作
原理を示す図、同図(b)はその具体例を示すブロック
図、同図(c)はその動作を示すタイミング図である。
【0057】この画素シフトフィルタ10には、動き補
償ユニット9で画素削減フィルタ8からの画素数削減さ
れた画像データBの動き補償しようとする単位領域とし
てのマクロブロックに動きベクトルによって対応付けら
れる参照画像データのマクロブロックがメモリ2の参照
フレームメモリから読み出されて供給され、この参照画
像データのマクロブロックが画像データBの上記マクロ
ブロックと精度良く合致するように、動きベクトルを目
安にして、この参照画像データのマクロブロックを水平
方向にシフトするものである。
【0058】なお、ここでは、図3で説明した画素削減
フィルタ8と同様、1920画素系列を1280画素系
列に画像データの画素数削減した場合を例にして説明し
ている。この場合、メモリ2から読み出される参照画像
データも1280画素系列の画像データである。しか
し、それ以外についても、フィルタ係数値を適切に選ぶ
ことにより対応可能である。
【0059】ここで、上記の動きベクトルは、1920
画素系列の画像データに対して1/2画素の精度を有し
ているが、画像データを1920画素系列から1280
画素系列に画素数削減したことにより、1280画素系
列の画像データに対しては、この画素数削減率(=2/
3)に応じて換算されたものである。そこで、1920
画素系列の画像データに対して1/2画素の精度を有し
ているということは、1280画素系列の画像データに
対しては1/3画素の精度を有していることになる。
【0060】この場合、動き補償ユニット9で動き補償
しようとするマクロブロックとメモリ2からこれに対応
して読み出された参照画像データのマクロブロックとの
間には、画素位置のずれ状態として3通りあり、図4
(a)には、これらに対する画素シフト処理を夫々位
置:1,位置:2,位置:3として示している。なお、
ここで、黒丸は、1920画素系列の画像データの2つ
の画素a0',a1'とかかる画素間の中間位置にある仮想
画素とを示しており、白丸は、この1920画素系列の
画像データを図3で説明した画素数削減処理によって得
られる1280画素系列の画像データのマクロブロック
に対応するメモリ2から読み出された参照画像データの
マクロブロックの2つの画素b0',b1'を示している。
【0061】図4(a)において、位置:1は、メモリ
2から読み出された参照画像データのマクロブロックと
画素削減フィルタ8から動き補償ユニット9に供給され
る画素数削減された画像データBの動き補償すべきマク
ロブロックとで、それらの画素の位置が一致する場合を
示すものであり、この場合には、参照画像データの画素
0',b1',……に夫々1のフィルタ係数値が乗算され、
シフトされた画素c0,c1,……として動き補償ユニッ
ト9に供給される。
【0062】位置:2は、動きベクトルが、1920画
素系列の画像データでみたとき、メモリ2から読み出さ
れる参照画像データのマクロブロックが動き補償される
マクロブロックに対して1/2画素分ずれていることを
示す場合である。この場合には、動き補償ユニット9で
の画素数削減された画像データの動き補償すべきマクロ
ブロックに対し、メモリ2から読み出された参照画像デ
ータのマクロブロックが、1280画素系列の画像デー
タにおいて、1/3画素分ずれていることになる。従っ
て、参照画像データのマクロブロックの各画素b0',
1',……毎にそれから1/3画素分遅れた画素を生成す
るのであるが、図示する画素b0',b1'の間の画素c0
生成する場合を例にすると、先行する画素b0'に2/3
のフィルタ係数値を、また、次の画素b1’にフィルタ
係数値1/3を夫々乗算し、夫々の乗算値を加算して1/
3画素分シフトした画素c0を得る。従って、この画素
0は、 c0=(2/3)×b0'+(1/3)×b1' である。
【0063】位置:3は、動きベクトルが、1920画
素系列の画像データでみたとき、メモリ2から読み出さ
れる参照画像データのマクロブロックが動き補償される
マクロブロックに対して1画素分ずれていることを示す
場合である。この場合には、動き補償ユニット9での画
素数削減された画像データの動き補償すべきマクロブロ
ックに対し、メモリ2から読み出された参照画像データ
のマクロブロックが、1280画素系列の画像データに
おいて、2/3画素分ずれていることになる。従って、
参照画像データのマクロブロックの各画素b0',b1',…
…毎にそれから2/3画素分遅れた画素を生成するので
あるが、図示する画素b0',b1'の間の画素c0を生成す
る場合を例にすると、先行する画素b0'に1/3のフィ
ルタ係数値を、また、画素b1'にフィルタ係数値2/3
を夫々乗算し、夫々の乗算値を加算して2/3画素分シ
フトした画素c0を得る。従って、この画素c0は、 c0=(1/3)×b0'+(2/3)×b1' である。
【0064】このようにして、画素シフトフィルタ10
では、動き補償ユニット9での動き補償前の1280画
素系列の画像データの動き補償すべきマクロブロック
に、これに対してメモリ2から読み出される1280画
素系列の参照画像データのマクロブロックを、画素毎の
タイミングで、一致させることができる。
【0065】なお、図3に示した画像削減フィルタ8で
は、復号クロックφ毎にフィルタ係数値が異なるもので
あったが、この画素シフトフィルタ10では、同じマク
ロブロックでは動きベクトルが同じであるから、同じマ
クロブロック内では、使用するフィルタ係数値は同じで
ある。勿論、位置:1,2,3に応じてフィルタ係数値
が異なることはいうまでもない。
【0066】次に、図4(b)により、かかる画素シフト
処理を行なう画素シフトフィルタ8の一具体例を説明
し、かつその動作を図4(c)により説明する。但し、図
4(b)において、10aは遅延回路、10b,10cは
乗算器、10dは加算器、10eはフリップフロップ回
路、10fは係数メモリ部である。なお、図4(c)にお
いて、図4(b)に対応するデータには同一符号を付けて
いる。
【0067】以下では、参照画像データB”が画素
0’,b1’,b2’,……の順に入力されるものとす
るが、図3(b),(c)で説明したように、画素数削
減された1280画素系列の画像データは、2画素おき
に1画素分の空白期間がある。ここでは、この空白期間
にその直後の同じ画素が繰り返されるようにしている。
従って、ここでは、b0’,b1’,b2’,b2’,
3’,b4’,b4’,……の順にメモリ2から読み出
された参照画像データB”のマクロブロックの画素が画
素シフトフィルタ10に入力されるものとする。
【0068】図4(b),(c)において、参照画像デ
ータB”のマクロブロックの画素が復号クロックφに同
期して順次入力され、乗算器10bに供給されるととも
に、遅延回路10aで復号クロックφの1周期分遅延さ
れて乗算器10cに供給される。また、この参照画像デ
ータB"の画素の入力毎に、換算された動きベクトルに
応じた位置情報P2が係数メモリ部10fに供給され
る。
【0069】ここで、係数メモリ部10fには、図4
(a)に示したようなフィルタ係数値1,1/3,2/
3及び0が格納されており、図4(a)に示した位置:
1,2,3に応じて位置情報P2の値Posが異なること
により、この値Posに応じたフィルタ係数値が読み出さ
れる。
【0070】いま、図4(a)での位置:1の場合に
は、このときの位置情報P2の値Posにより、係数メモ
リ部10fから0と1のフィルタ係数値が読み出され、
この0のフィルタ係数値は乗算器10cに、このマクロ
ブロックの期間、常時供給される。従って、この乗算器
10cからは画素が出力されない。また、乗算器10b
には、この1のフィルタ係数値が供給されるのである
が、上記の同じ画素が再度供給されるときには、0のフ
ィルタ係数値が供給される。このため、入力される画像
データB”の画素列が遅延乗算器10bを介して出力さ
れるが、この画像データB”での繰り返される画素
2’,b4’,……の1つずつが取り除かれる。この乗
算器10bの出力画像データは加算器10dを介し、フ
ィルタ出力C’としてフリップフロップ回路10eに供
給され、復号クロックφに位相同期した画素シフトデー
タCが得られる。
【0071】図4(a)での位置:2の場合には、位置
情報P2 の値Pos により、係数メモリ部10fから2/
3,1/3及び0のフィルタ係数が読み出される。そし
て、2/3のフィルタ係数値が乗算器10cに、1/3の
フィルタ係数値が乗算器10bに夫々供給されるが、同
じ画素が再度入力されるときには、乗算器10b,10
cに0のフィルタ係数値が供給され、それらの出力を0
とする。これにより、乗算器10cに画素b0’が、乗
算器10bに画素b1’が夫々供給されると、夫々から
(2/3)×b0’,(1/3)×b1’の乗算値が出力され、
これらが加算器10dで加算される。また、次の復号ク
ロックφの周期で乗算器10cに画素b1’が、乗算器
10bに画素b2’が夫々供給されると、夫々から(2/
3)×b1’,(1/3)×b2’の乗算値が出力され、これ
らが加算器10dで加算される。そして、さらに次の復
号クロックφの周期では、乗算器10bに同じ画素
2’が繰り返し供給され、また、乗算器10cにもこ
れと同じ画素b2’が供給される。このときには、これ
ら乗算器10b,10cに0のフィルタ係数値が供給さ
れることになり、従って、乗算器10b,10cからは
出力が得られず、空白期間となる。
【0072】以下同様にして、2画素期間上記の乗算,
加算の演算が行なわれて次の1画素期間が空白期間とな
る動作が繰り返され、加算器10dからは、このように
2画素期間おきに1画素分の空白期間となるフィルタ出
力C’が得られる。このフィルタ出力C’がフリップフ
ロップ回路10eで復号クロックφと位相同期化され、
画素シフトデータCとして動き補償ユニット9に供給さ
れる。
【0073】図4(a)での位置:3の場合では、図4
(a)での位置:2の場合とは逆に、乗算器10bに2/
3のフィルタ係数値が供給され、乗算器10cに1/3
のフィルタ係数値が供給されるが、この点を除いて、こ
の位置:2の場合と同様である。
【0074】このようにして、この画素シフトフィルタ
10では、動き補償ユニット9での動き補償前の128
0画素系列の画像データの動き補償すべきマクロブロッ
クに画素毎のタイミングで一致した1280画素系列の
参照画像データのマクロブロックが得られる。
【0075】図5は図1における走査線変換フィルタ1
3の一具体例の説明図であって、同図(a)はその原理
図、同図(b)はその回路構成を示すブロック図である。
【0076】この具体例は、1080走査線でインタレ
ーススキャンタイプに対応したものを、720走査線で
ノンインタレーススキャンであるのプログレッシブスキ
ャンタイプに対応したものに変換するものとし、インタ
レーススキャンの各フィールドを夫々プログレッシブス
キャンでの1画面とするものであるから、走査線数を7
20/(1080÷2)=4/3倍にすることになる。従っ
て、インタレーススキャンの各フィールド毎に、3走査
線からプログレッシブスキャンでの4走査線を形成する
ことになる。
【0077】図5(a)には、インタレーススキャンで
の第1,第2フィールド毎に走査線変換を示しており、
夫々において、H1,H2,H3,……は夫々インタレー
ススキャンの第1のフィールドでの走査線を、H1’,
2’,H3’,……は夫々インタレーススキャンの第1
のフィールドでの走査線を、h1,h2,h3,……はイ
ンタレーススキャンでの第1フィールドの走査線から生
成されるプログレッシブスキャンの走査線を、h1’,
2’,h3’,……はインタレーススキャンでの第2フ
ィールドの走査線から生成されるプログレッシブスキャ
ンの走査線を夫々示している。
【0078】また、インタレーススキャンでの1フィー
ルドの540走査線がプログレッシブスキャンでの1画
面の720走査線に変換されるものであるから、プログ
レッシブスキャンの画面での走査線間隔はインタレース
スキャンの1フィールド画面での走査線間隔の2/3倍
となる。また、インタレーススキャンでは、第2フィー
ルドの走査線は、第1フィールドの走査線の間に位置し
ている。従って、図5(a)においては、破線で示すよ
うに、インタレーススキャンでの走査線の間を4等分し
て示している。
【0079】まず、図5(a)での第1フィールドにつ
いて、図5(b)に示す具体例の動作を説明する。但
し、図5(b)において、13a,13bは乗算器、1
3cは加算器、13dはフリップフロップ回路、13e
は係数メモリ部である。
【0080】乗算器13aにインタレーススキャンタイ
プの画像データD1が、乗算器13bにこれを1走査線
期間遅延した同じ画像データD2が夫々供給される。ま
た、係数メモリ部13eには、3/4,1/2,1/4の
4種類のフィルタ係数値が格納されており、画像データ
1の1走査線期間のデータが入力される毎に供給され
る位置情報P3の値Pos0,Pos1,Pos2,Pos3に応じ
たフィルタ係数値が読み出され、乗算器13a,13b
に供給される。
【0081】ここで、インタレーススキャンの第1のフ
ィールドの場合、位置情報P3が値Pos0であるときに
は、係数メモリ部13eから1/2のフィルタ係数値が
読み出され、乗算器13a,13bに供給される。位置
情報P3が値Pos1のときには、係数メモリ部13eから
1/4,3/4のフィルタ係数値が読み出され、1/4の
フィルタ係数値が乗算器13bに、3/4のフィルタ係
数値が乗算器13aに夫々供給される。位置情報P3
値Pos2のときには、係数メモリ部13eから1/2のフ
ィルタ係数値が読み出され、乗算器13a,13bに供
給される。位置情報P3が値Pos3のときには、係数メモ
リ部13eから3/4,1/4のフィルタ係数値が読み出
され、3/4 のフィルタ係数値が乗算器13aに、1/
4のフィルタ係数値が乗算器13bに夫々供給される。
【0082】また、図3及び図4で説明したように、1
920画素系列から1280画素系列に画像データが画
素数削減処理されたときには、3画素期間中(復号クロ
ックφの3周期中)2つの画素期間に夫々画素が存在
し、残りの1画素期間は空白期間となっていた。この場
合、1走査線の時間長は1920画素系列での1走査線
の時間長と等しく、そこでの画素数が2/3倍となって
いる。このようにして動き補償ユニット9から得られる
1280(H)×1080(V)の復号画像データはメ
モリ2に書き込まれ、また、表示のために読み出される
が、このとき、上記の3画素期間中1画素期間の余白期
間は書き込まれないようにする。そして、これを読み出
すときには、各走査線毎に画素が、上記の空白期間を生
じさせることなく、連続して読み出すようにする。この
ため、メモリ2から読み出される表示用の画像データで
は、1走査線の時間幅が1920画素系列の場合の2/
3倍となる。従って、このように読み出される1280
画素系列の画像データの4走査線期間の時間幅が192
0画素系列の画像データの3走査線期間の時間幅に等し
くなり、走査線変換回路13で走査線数を1フィールド
540本から1画面720本と4/3倍に変換するため
に、メモリ2から1280画素系列の画像データを上記
のように読み出すときに、3走査線分読み出す毎に最後
の走査線をさらに1回繰り返し読み出すようにする。
【0083】そこで、図5(a)の第1フィールドにお
いて、走査線H1の画像データが2回繰り返し読み出さ
れ、次に走査線H2,H3の画像データを読み出される
と、走査線H4の画像データが2回繰り返し読み出さ
れ、さらに、図示しないが、走査線H5,H6の画像デー
タが読み出されると、その次の走査線H7の画像データ
が2回繰り返し読み出される。以下同様に読み出しが行
なわれる。
【0084】図5(b)において、このようにメモリ2
から読み出された1280画素系列の画像データD1
乗算器13aに供給され、これより1走査線期間遅延さ
れた遅延画像データD2が乗算器13bに供給される。
メモリ2から走査線H1の画像データが2回続けて読み
出されたときには、乗算器13a,13bに同じ走査線
1の画像データD1,遅延画像データD2が供給される
ことになり、このときには、供給される位置情報P3
値はPos0であり、係数メモリ部13eから1/2のフィ
ルタ係数値が読み出されて乗算器13a,13bに供給
される。従って、乗算器13a,13bから夫々(1/
2)×H1が出力され、加算器13cで加算されて2×
(1/2)×H1=1×H1が得られる。これがフリップフ
ロップ回路13dで復号クロックφと同期化され、走査
線変換画素データEの走査線h1として出力される。こ
の場合には、走査線H1の入力画像データが1のフィル
タ係数値で変換されたことになる。
【0085】次に、走査線H2の画像データがメモリ2
から読み出され、画像データD1として乗算器13aに
供給されると、乗算器13bには、走査線H1の画像デ
ータが遅延画像データD2として供給されることにな
る。このとき、位置情報P3の値はPos1であって、これ
によって係数メモリ部13eから1/4,3/4のフィル
タ係数値が読み出され、1/4の係数値は乗算器13b
に、3/4のフィルタ係数値は乗算器13aに夫々供給
される。そこで、乗算器13aからは(3/4)×H2が、
乗算器13bからは(1/4)×H1が夫々出力され、これ
らが加算器13cで加算されて(3/4)×H2+(1/4)
×H1が得られる。この加算器13cの出力はフリップ
フロップ回路13dで復号クロックφと位相同期化さ
れ、走査線変換画素データEの走査線h2 として出力さ
れる。
【0086】このようにして得られた走査線h2 は、も
との走査線H1 ,H2間でその間隔の3/4だけ走査線H1
から離れた位置での情報をもつ画素列からなるものとな
る。
【0087】次に、走査線H3の画像データがメモリ2
から読み出され、画像データD1として乗算器13aに
供給されると、乗算器13bには、走査線H3の画像デ
ータが遅延画像データD2として供給されることにな
る。このとき、位置情報P3の値はPos2であり、これに
よって係数メモリ部13eから1/2のフィルタ係数値
が読み出され、乗算器13a,13bに夫々供給され
る。そこで、乗算器13aからは(1/2)×H3が、乗算
器13bからは(1/2)×H2が夫々出力され、これらが
加算器13cで加算されて(1/2)×H3+(1/2)×H2
が得られる。この加算器13cの出力はフリップフロッ
プ回路13dで復号クロックφと位相同期化され、走査
線変換画素データEの走査線h3 として出力される。
【0088】このようにして得られた走査線h3 は、も
との走査線H2と走査線H3との中間位置での情報をもつ
画素列からなるものとなる。
【0089】次に、走査線H4の画像データがメモリ2
から読み出され、画像データD1として乗算器13aに
供給されると、乗算器13bには、走査線H3の画像デ
ータが遅延画像データD2として供給されることにな
る。このとき、位置情報P3の値はPos3であり、これに
よって係数メモリ部13eから1/4,3/4のフィルタ
係数値が読み出され、1/4の係数値は乗算器13a
に、3/4のフィルタ係数値は乗算器13bに夫々供給
される。そこで、乗算器13aからは(1/4)×H4が、
乗算器13bからは(3/4)×H3が夫々出力され、これ
らが加算器13cで加算されて(3/4)×H3+(1/4)
×H4が得られる。この加算器13cの出力はフリップ
フロップ回路13dで復号クロックφと位相同期化さ
れ、走査線変換画素データEの走査線h4 として出力さ
れる。
【0090】このようにして得られた走査線h4 は、も
との走査線H3 ,H4間でその間隔の1/4だけ走査線H3
から離れた位置での情報をもつ画素列からなるものとな
る。
【0091】次に、走査線H1と同様に、同じ走査線H4
の画像データがメモリ2から再度読み出され、画像デー
タD1として乗算器13aに供給される。このとき、乗
算器13bには、同じ走査線H4の画像データが遅延画
像データD2として供給されることになる。このときの
位置情報P3の値はPos0であり、これによって係数メモ
リ部13eから1/2のフィルタ係数値が読み出されて
乗算器13a,13bに供給される。そこで、乗算器1
3a,13bからは夫々(1/2)×H4が出力され、これ
らが加算器13cで加算されて2×(1/2)×H4=1×
4が得られる。即ち、走査線H4の画像データに1の変
換係数が乗算された画像データが得られる。この加算器
13cの出力はフリップフロップ回路13dで復号クロ
ックφと位相同期化され、走査線変換画素データEの走
査線h5 として出力される。
【0092】このようにして得られた走査線h5は、も
との走査線H4と同じ情報をもつ画素列からなるものと
なる。
【0093】以下同様の変換処理が繰り返され、これに
より、入力される画像データD1の3走査線毎に走査線
変換画素データEの4走査線が形成され(図5(a)の
第1フィールドの図示した部分について示すと、走査線
1〜H3に対し、走査線h1〜h4 が生成される)、従
って、走査線数540本の第1フィールドが走査線数7
20本のフレームに変換されることになる。
【0094】以上は図5(a)に示す第1フィールドにつ
いてであったが、次に、図5(b)に示す第2フィールド
の走査数変換について説明する。
【0095】インタレーススキャンの場合、第2フイー
ルドの走査線H1',H2',H3',……は、図示するよう
に、第1フィールドの走査線H1,H2,H3,……夫々
の間の中間に位置する。プログレッシブスキャンでは、
各フィールド毎に画面上での走査線の位置が一致しなけ
ればならないから、第2フィールドの走査線H1',H2',
3',……からも、上記のようにして第1フィールドの
走査線H1,H2,H3,……から得られた走査線h1 ,h
2 ,h3 ,……と画面上での位置が一致する走査線 h1',
2',h3',…… が得なければならない。
【0096】まず、メモリ2から最初の走査線H1'の画
像データが読み出され、画像データD1として乗算器1
3aに供給されると、このときの位置情報P3の値がP
os2であることから、係数メモリ部13eから1/2の変
換係数が読み出され、乗算器13a,13bに供給され
る。これにより、乗算器13aから(1/2)×H1’が出
力され、加算器13cに供給される。このとき、走査線
1’の前に仮想的な走査線があるものとし、この仮想
走査線の画像データが遅延画像データD2として乗算器
13bに供給され、1/2のフィルタ係数値が乗算され
て加算器13cに供給される。加算器13cの出力はフ
リップフロップ回路13dで復号クロックφと同期化さ
れ、これにより、走査線変換画素データEの最初の走査
線h1’が得られる。
【0097】この走査線h1’は上記の仮想走査線と走
査線H1’との中間の情報をもつ画素列からなり、従っ
て、第1フィールドで得られる走査線h1と画面上で位
置が一致する。なお、この仮想走査線とは、走査線
1’がメモリ2から読み出されて乗算器13aに供給
されるときに乗算器13bに供給されるものであり、実
際には、この走査線H1’よりも前にある走査線ではな
いため、得られる走査線h1’は正しい情報をもつもの
ではないが、この走査線h1’は画面上での上端部に位
置されるので、その表示情報が目立つことがない。
【0098】次に、走査線H2'の画像データがメモリ2
から読み出され、画像データD1として乗算器13aに
供給されると、乗算器13bには、走査線H1'の画像デ
ータが遅延画像データD2として供給されることにな
る。このとき、位置情報P3の値はPos3であり、これに
よって係数メモリ部13eから1/4,3/4のフィルタ
係数値が読み出され、1/4の係数値は乗算器13a
に、3/4のフィルタ係数値は乗算器13bに夫々供給
される。そこで、乗算器13aからは(1/4)×H2
が、乗算器13bからは(3/4)×H1’が夫々出力さ
れ、これらが加算器13cで加算されて(3/4)×H1'
+(1/4)×H2'が得られる。この加算器13cの出力
はフリップフロップ回路13dで復号クロックφと位相
同期化され、走査線変換画素データEの走査線h2'とし
て出力される。
【0099】このようにして得られた走査線h2’は、
もとの走査線H1’,H2’間でその間隔の1/4だけ走
査線H1'から離れた位置での情報をもつ画素列からなる
が、走査線H1’は第1フィールドの走査線H1,H2間の
中間に位置し、また、これらから得られた走査線h2
走査線H1,H2間でその間隔の1/4だけ走査線H2から
離れた位置にあるから、走査線h2’は走査線h2と画面
上での位置が一致することになる。
【0100】次に、同じ走査線H2'の画像データがメモ
リ2から再度読み出され、画像データD1として乗算器
13aに供給される。このとき、乗算器13bには、同
じ走査線H2'の画像データが遅延画像データD2として
供給されることになる。このとき、位置情報P3の値は
os0であり、これによって係数メモリ部13eから1/
2のフィルタ係数値が読み出され、乗算器13a,13
bに供給される。そこで、乗算器13a,13bからは
夫々(1/2)×H2'が出力され、これらが加算器13c
で加算されて2×(1/2)×H2'=1×H2'が得られ
る。即ち、走査線H2'の画像データに1の変換係数が乗
算された画像データが得られる。この加算器13cの出
力はフリップフロップ回路13dで復号クロックφと位
相同期化され、走査線変換画素データEの走査線h3'と
して出力される。
【0101】このようにして得られた走査線h3'は、も
との走査線H2'と同じ情報をもつ画素列からなるもので
あり、この走査線H2'は第1フィールドの走査線H2
3間の中間位置にあって、これらから形成される走査
線h3と画面上で同じ位置にあるから、走査線h3',h3
は画面上で同じ位置にあることになる。
【0102】次に、走査線H3'の画像データがメモリ2
から読み出され、画像データD1として乗算器13aに
供給されると、乗算器13bには、走査線H2'の画像デ
ータが遅延画像データD2として供給されることにな
る。このとき、位置情報P3の値はPos1であり、これに
よって係数メモリ部13eから1/4,3/4のフィルタ
係数値が読み出され、1/4の係数値は乗算器13b
に、3/4のフィルタ係数値は乗算器13aに夫々供給
される。そこで、乗算器13aからは(3/4)×H3'
が、乗算器13bからは(1/4)×H2'が夫々出力さ
れ、これらが加算器13cで加算されて(3/4)×H3'
+(1/4)×H2'が得られる。この加算器13cの出力
はフリップフロップ回路13dで復号クロックφと位相
同期化され、走査線変換画素データEの走査線h4'とし
て出力される。
【0103】このようにして得られた走査線h4'は、も
との走査線H2',H3'間でその間隔の1/4だけ走査線
3'から離れた位置での情報をもつ画素列からなるが、
走査線H2'は第1フィールドの走査線H2 ,H3間の中間
に、走査線H3'は第1フィールドの走査線H3 ,H4間の
中間に夫々位置し、また、走査線H3 ,H4から得られた
走査線h4は走査線H3 ,H4間でその間隔の1/4だけ走
査線H3から離れた位置にあるから、走査線h4'は走査
線h4と画面上で位置が一致することになる。
【0104】次に、走査線H4'の画像データがメモリ2
から読み出され、画像データD1として乗算器13aに
供給されると、乗算器13bには、走査線H3'の画像デ
ータが遅延画像データD2として供給されることにな
る。このとき、位置情報P3の値はPos2であり、これに
よって係数メモリ部13eから1/2のフィルタ係数値
が読み出され、乗算器13a,13bに夫々供給され
る。そこで、乗算器13aからは(1/2)×H4'が、乗
算器13bからは(1/2)×H3'が夫々出力され、これ
らが加算器13cで加算されて(1/2)×H4'+(1/2)
×H3'が得られる。この加算器13cの出力はフリップ
フロップ回路13dで復号クロックφと位相同期化さ
れ、走査線変換画素データEの走査線h5'として出力さ
れる。
【0105】このようにして得られた走査線h5'は、も
との走査線H3',H4'間の中間位置での情報をもつ画素
列からなるが、走査線H3',H4’の中間位置に第1フ
ィールドの走査線H4が位置し、また、この走査線H4
同じ位置にこれから得られた走査線h5があるから、走
査線h5'は走査線h5と画面上で位置が一致することに
なる。
【0106】この走査線h5'の生成処理は最初の走査線
1'がメモリ2から読み出されて乗算器13aに供給さ
れたときと同様の処理であり、以下、以上の変換処理が
繰り返される。このようにして、第2フィールドにおい
ても、メモリ2から読み出される画像データの3走査線
毎に4走査線が形成され、しかも、形成される走査線は
第1フィールドで得られる走査線と画面上で位置が一致
する。従って、720走査線でプログレッシブスキャン
タイプの画像データが得られることになる。
【0107】図6は図1における水平画素補間フィルタ
12の一具体例の説明図であり、同図(a)はその原理
図、同図(b)はその構成を示すブロック図、同図
(c)はその動作を示すタイミング図である。
【0108】上記のような1920(H)×1080(V)
でインタレーススキャンタイプの画像データを画素削減
フィルタ8と走査線変換フィルタ13とで画像サイズの
変換を行なった場合、デコーダ1に接続される上記の1
280(H)×720(V)でプログレッシブスキャンタイ
プの表示装置に対しては、水平画素の補間処理は必要で
はなく、水平画素補間フィルタ12は走査線変換フィル
タ13からの表示画像データをそのまま表示ユニット1
1に供給する。そこで、この具体例では、走査線変換フ
ィルタ13から供給される画像データが720画素系列
であるとし、これを1280画素系列の画像データに変
換する場合を例にとって説明する。
【0109】例えば、復号画像データが図2に示す72
0(H)×480(V)でインタレーススキャンタイプの画
像データである場合、画素削減フィルタ8では水平方向
の画素数の削減は行なわれず(この場合には、図3(b)
において、例えば、乗算器8cに1のフィルタ係数が、
また、乗算器8d,8eに夫々0のフィルタ係数値が供
給される)、また、走査線変換フィルタ13では、各フ
ィールド毎に、240走査線が3逓倍されて720走査
線となる(この場合、隣接する走査線間に2つの走査線
が形成されるのであるが、これら2つの走査線は、これ
らを挟む2つの走査線から、1/3,2/3のフィルタ係
数値をもって形成される)。このように画像サイズが変
換された表示画像データが水平画素補間フィルタ12に
供給される。この場合、この水平画素補間フィルタ12
では、水平方向の画素数を720画素から1280画素
に変換するので、図2に示すように、水平補間比は16
/9である。
【0110】このように、水平補間比が16/9の場
合、720画素系列の9画素当り1280画素系列の1
6画素を形成することになるが、 16/6=(18−2)/9=2−(2/9) であることから、720画素系列で9画素を単位とし
て、その単位において、1画素当り1280画素系列の
画素を2個ずつ形成すると2画素多く形成されてしまう
ことになる。従って、720画素系列での9画素の単位
において、そのうちの7画素については、1画素当り1
280画素系列の画素を2個ずつ形成し、残りの2画素
については、1画素当り1280画素系列の画素を1個
ずつ形成するようにする。
【0111】図6(a)はこのように720画素系列を
1280画素系列に変換する場合の原理を示しており、
0,a1,a2,……は入力される720画素系列の順
次の画素を、b0,b1,b2,……はこの具体例で生成
される1280画素系列の順次の画素を表わしている。
ここで、水平補間比が16/9ということは、また、7
20画素系列の画素間隔をΔTとすると、1280画素
系列の画素間隔がこの画素間隔ΔTの9/16倍である
ということである。なお、図面の都合上、720画素系
列では、画素a0〜a5 しか示していない。
【0112】そこで、破線で図示するように、720画
素系列の画素a0,a1,a2,……の夫々の画素間ΔT
を16個の区間に等分し、その9区間毎に1280画素
系列の画素b0,b1,b2,……が存在するように画素
補間すればよい。その補間方法としては、図5で説明し
た走査線数変換と同様に、隣接画素に補間する画素に対
する位置関係に応じたフィルタ係数値を用いて演算処理
する方法を用いることができる。
【0113】そこで、図6(a)において、720画素系
列の画素a0を1280画素系列の画素b0としたとき、
画素a0,a1間の画素b0から間隔(9/16)×ΔT離れ
た時点で次の画素b1が形成されることになるから、7/
16,9/16のフィルタ係数値を用い、(7/16)×a
0+(9/16)×a1としてこの画素b1を得る。次の画素
2は、この画素b1から間隔(9/16)×ΔT離れた時
点で形成されなければならないから、画素a1,a2間で
この画素a1から(2/16)×ΔT離れた位置にある。従
って、2/16,14/16のフィルタ係数値を用い、
(14/16)×a1+(2/16)×a2としてこの画素b2
を得ることができる。
【0114】以下同様にして、720画素系列の画素に
対し、形成する1280画素系列の画素の位置関係に応
じたフィルタ係数値を用いることにより、720画素系
列の順次の画素が得られる。この場合、フィルタ係数値
としては、1/16,2/16,3/16,……,16/16
(=1)の16通りが必要となる。
【0115】また、画素a0〜a7の8個の画素は、72
0画素系列での隣り合う2つの画素間に2個ずつ形成さ
れるものであり、これは、上記の720画素系列での画
素1個当り2個ずつ1280画素系列の画素が形成され
ることに相当する。これに対し、720画素系列での画
素a4 ,a5 間には、1280画素系列の画素が画素b8
と1個しか形成されない。これは、上記の720画素系
列での画素1個当り1280画素系列の画素が1個形成
されることに相当する。図6(a)の場合、図示しない
が、720画素系列での画素a8,a9間でも、1280
画素系列の画素が画素b15と1個だけ形成される。
【0116】次に、かかる補間動作を行なう水平画素補
間フィルタ12の一具体例を図6(b),(c)により
説明する。但し、12aは遅延回路、12b,12cは
乗算器、12dは加算器、12eはフリップフロップ回
路、12fは係数メモリ部である。
【0117】走査線変換フィルタ13の出力が画像デー
タFとして入力し、乗算器12bに供給されるととも
に、遅延回路12aでクロックφ1の1周期分遅延さ
れ、遅延画像データFD として乗算器12cに供給され
る。
【0118】ここで、この入力画像データFについて説
明する。
【0119】いま、図6(a)に示すように画素補間処理
を行なうものとすると、720画素系列での隣り合う2
つの画素から1280画素系列の2つの画素を形成する
のであるから、乗算器12b,12cに同時に供給され
る2つの画素の同じ組み合わせが少なくとも2回続けて
現われなければならない。例えば、乗算器12bに画素
2が供給され、これと同時に乗算器12cに画素a1
供給されたとすると、次のクロックφ1のタイミング
で、乗算器12cの画素a2が供給されるが、これと同
時に、乗算器12bに画素a1が供給されなければなら
ない。つまり、このように画素データFが供給されるも
のとすると、その画素配列はa1,a2,a1となり、この
ように、メモリ2から読み出されることになる。これ
が、画素a1,a2間の画素b2,b3を形成するのに用い
るものである。
【0120】また、この続きをみると、さらに次のクロ
ックφ1のタイミングでは、乗算器12cに画素a1が供
給されるが、次の画素a2,a3間の画素を形成するため
に画素a2が必要であり、このため、この画素a2がメモ
リ2から読み出されて乗算器12bに供給されることに
なる。但し、このときには、1280画素系列の画素を
形成する必要がない。そして、さらに次のクロックφ1
のタイミングで、乗算器12cに画素a2が供給され、
これと同時に次の画素a3が乗算器12bに供給される
ようにする。これによって次の画素a2,a3間での12
80画素系列の画素の形成処理に移るようにする。
【0121】以上のことからして、入力される画素デー
タFとしては、2つの画素を組としてこの組が2回ずつ
画素配列となっており、従って、1280画素系列での
16個の画素を形成する上記単位となる720画素系列
の9個の画素a0〜a9の入力順を示すと、次の表1に示
すようになる。
【0122】
【表1】
【0123】読出しが2度繰り返される組となる2つの
画素を下線,上線で示しており、このような画素配列の
画像データが図6(b),(c)での画像データFである。
図6(c)では、この表1で示す画素列のうちの画素a3
までを示している。また、遅延回路12aはかかる画像
データFをクロックφ1の1周期分遅延し、図6(c)で
一部示す遅延画像データFDが得られて乗算器12cに
供給される。
【0124】ここで、メモリ2から720画素系列の画
素a0〜a9を読み出すのに、上記表1に示すように、7
20画素系列の画素a0〜a9の9画素期間に24個の画
素を読み出すことになる。従って、この場合の読出しク
ロックの周波数は、書込みクロック(この場合、720
画素系列の画素に同期したその復号クロックφ)の周波
数の24/9=8/3倍である。従って、このクロック
は、720×8/3=1920画素系列での復号クロッ
クφに等しい周波数であり、これが図6(b),(c)にお
けるクロックφ1 である。
【0125】図6(b),(c)において、係数メモリ部1
2fには、0のフィルタ係数と上記の16通りのフィル
タ係数値が格納されている。いま、上記表1の順に72
0画素系列の画素がクロックφ1に同期して入力される
ものとすると、まず、入力画素データFが画素a0であ
るとき、この画素a0は乗算器12bに供給される。こ
れと同時に、乗算器12cには、1つ前の画素a-1が供
給される。このときには、位置情報P4は供給されず、
係数メモリ部12fからは0のフィルタ係数が出力され
て乗算器12b,12cに供給される。従って、これら
乗算器12b,12cの出力は0である。
【0126】次のクロックφ1のタイミングで入力画素
データFとして画素a1が入力され、乗算器12bに供
給されると、乗算器12cに画素a0が供給される。こ
のときの位置情報P4の値Pos0により、係数メモリ部1
2fから1(=16/16)と0のフィルタ係数値が読み
出され、1のフィルタ係数値が乗算器12cに、0のフ
ィルタ係数値が乗算器12bに夫々供給される。従っ
て、乗算器12cから画素a0が出力され、加算器12
dを介し、さらに、フリップフロップ回路12eでクロ
ックφ1と同期化されて、水平補間画素データGとし
て、この場合、1280画素系列の画素b0として出力
される。
【0127】次のクロックφ1のタイミングで入力画素
データFとして画素a0が再び入力され、乗算器12b
に供給されると、乗算器12cに画素a1が供給され
る。このときの位置情報P4の値Pos1により、係数メモ
リ部12fから7/16,9/16のフィルタ係数値が読
み出され、7/16のフィルタ係数値が乗算器12b
に、9/16のフィルタ係数値が乗算器12cに夫々供
給される。従って、乗算器12bから(7/16)×a
0が、乗算器12cから(9/16)×a1が夫々出力さ
れ、これらが加算器12dで加算されてフィルタ出力
G’となる。このフィルタ出力G'は、さらに、フリッ
プフロップ回路12eでクロックφ1と同期化されて、
水平補間画素データGとして、この場合、1280画素
系列の画素b1として出力される。
【0128】次のクロックφ1のタイミングで入力画素
データFとして画素a1が再び入力され、乗算器12b
に供給されると、乗算器12cに画素a0が供給され
る。このとき、位置情報P4は供給されず、係数メモリ
部12fからは0のフィルタ係数値が読み出されて乗算
器12b,12cに夫々供給される。従って、乗算器1
2b,12cの出力は0であり、水平補間画素データG
は出力されない。
【0129】以上は図6(a)における画素a0,a1
繰り返し入力されることによる画素b0,b1の形成処理
であり、画素a1,a2、画素a2,a3、画素a3,a4
ついても、フィルタ係数値が図6(a)に示すように異
なるだけで、夫々毎に1280画素系列の画素が2つず
つ形成される。
【0130】入力画素データFとして、画素a4の次に
画素a5が乗算器12bに供給されると、乗算器12c
に画素a4が供給される。このときの位置情報P4の値P
os8(図示せず)により、係数メモリ部12fから1/2
(=8/16)のフィルタ係数値が読み出され、乗算器1
2b,12cに夫々供給される。このため、乗算器12
bからは(1/2)×a5が、乗算器12cからは(1/2)
×a4が夫々出力され、乗算器12dで加算されてフィ
ルタ出力G'となる。このフィルタ出力G'は、さらに、
フリップフロップ回路12eでクロックφ1と同期化さ
れて、水平補間画素データGとして、この場合、128
0画素系列の画素b8として出力される。
【0131】次のクロックφ1では、入力画素データF
として画素a6(図示せず)が乗算器12bに供給され、
これと同時に、乗算器12cに画素a5が供給される。
このときの位置情報P4の値Pos9により、15/16,1
/16のフィルタ係数値( 図示せず)が読み出され、こ
の15/16のフィルタ係数値が乗算器12cに、1/1
6のフィルタ係数値が乗算器12bに夫々供給される。
これにより、乗算器12bからは(1/16)×a6が、乗
算器12cからは(15/16)×a5が夫々出力され、乗
算器12dで加算されてフィルタ出力G’となる。この
フィルタ出力G’は、さらに、フリップフロップ回路1
2eでクロックφ1と同期化されて、水平補間画素デー
タGとして、この場合、1280画素系列の画素b9
して出力される。
【0132】次のクロックφ1では、入力画素データF
として画素a5(図示せず)が再び乗算器12bに供給
され、これと同時に、乗算器12cに画素a6が供給さ
れる。このときの位置情報P4の値Pos10により、10/
16,6/16のフィルタ係数値(図示せず)が読み出
され、この10/16のフィルタ係数値が乗算器12c
に、6/16のフィルタ係数値が乗算器12bに夫々供
給される。これにより、乗算器12bからは(6/16)
×a5が、乗算器12cからは(10/16)×a6が夫々
出力され、乗算器12dで加算されてフィルタ出力G’
となる。このフィルタ出力G'は、さらに、フリップフ
ロップ回路12eでクロックφ1と同期化されて、水平
補間画素データGとして、この場合、1280画素系列
の画素b10として出力される。
【0133】次のクロックφ1では、入力画素データF
として画素a6(図示せず)が再び乗算器12bに供給さ
れ、これと同時に、乗算器12cに画素a5が供給され
るが、このときには、係数メモリ部12fから乗算器1
2b,12cに0のフィルタ係数値が供給され、従っ
て、水平補間画素データGは出力されない。
【0134】以上のことから、画素b8,b9,b10はク
ロックφ1毎に続けて得られることになる。これは、画
素b8が画素a4,a5間で形成された唯1つの画素であ
ることにより、上記表1に示したように、これら画素a
4,a5が繰り返されないことによるものである。
【0135】これ以降は、上記の720画素系列の2つ
の画素間に2個ずつ1280画素系列の画素が形成され
るのと同様であり、その後、画素a9が画素データFと
して乗算器12bに供給されると、画素a9と画素a8
から1/2のフィルタ係数値を用いて1つの画素b15
形成される。
【0136】このようにして、1280画素系列の画素
データが得られるが、この得られた画素データの16個
の画素b0〜b15 の配列をクロックφ1 のタイミングで
示すと、次の表2で示すようになる。
【0137】
【表2】
【0138】ここで、□はクロックφ1 の1周期の空白
期間であり、図6(c)の水平補間画素データGでの×
で示す期間に相当するものである。
【0139】以上のようにして、1280(H)×720
(V)の表示装置よりも水平画素数が少ない720画素系
列の画像データを、1280画素系列の画像データに変
換することができる。
【0140】なお、図2に示した640画素系列の復号
画像データを1280画素系列の表示装置で表示させる
場合には、水平補間比が1280/640=2である。
この場合には、640画素系列の画素1個当り1280
画素系列の画素2個を形成することになる。従って、こ
の場合の水平画素補間を図6(b)で示す具体例で行な
う場合には、例えば、この640画素系列の各画素に同
期した復号クロックφの2倍の周波数のものを上記クロ
ックφ1とし、このクロックφ1でメモリ2から640画
素系列の各画素を2回ずつ繰り返し読み出し、これを乗
算器12b,12cに供給するとともに、これら乗算器
12b,12cに1/2のフィルタ係数値を供給するよ
うにすればよい。
【0141】以上は、図2に示した各画像サイズの符号
化データを復号し、1280(H)×720(V)でプログ
レッシブスキャンタイプの、かつアスペクト比16:9
の表示装置で表示させる場合の画像サイズの変換につい
てのものであったが、図7は図2に示したのと同じ符号
化データを復号し、720(H)×480(V)でプログレ
ッシブスキャンタイプの、かつアスペクト比16:9の
表示装置で表示させる場合の画像サイズの変換について
示したものである。
【0142】この場合には、表示装置よりも水平画素数
が多い1920画素系列,1280画素系列の符号化デ
ータについては、画素削減フィルタ8により、図7に示
す画素削減率で水平画素数の削減を行ない、表示装置よ
りも水平画素数が少ない640画素系列の符号化データ
については、水平画素補間フィルタ12により、図7に
示す水平補間比に応じて水平画素数の補間を行なう。ま
た、表示装置よりとは異なる走査線数の符号化データに
ついては、走査線変換フィルタ13により、図7に示す
走査線変換比に応じて走査線数の変換を行なう。
【0143】このように、いずれの画像サイズの符号化
データについても、これが復号してメモリ2に格納する
ときには、このメモリ2に格納する前に画素削減フィル
タ8で処理されるので、水平方向の画素数は720以下
であり、従って、メモリ2に格納させる画像サイズは1
フレーム当り最大720(H)×1080(V)であ
り、そのメモリ容量としては、6Mバイトとさらに低減
されることになる。
【0144】なお、この場合、表示装置のアスペクト比
は16:9であるから、アスペクト比4:3の符号化デ
ータについては、この表示装置で画面の両側で非表示部
が生ずるようなサイドパネル表示を行なう。
【0145】また、図8は図2に示したのと同じ符号化
データを復号し、720(H)×480(V)でインタレー
ススキャンタイプの、かつアスペクト比4:3の表示装
置で表示させる場合の画像サイズの変換について示した
ものである。
【0146】この場合でも、符号化データの水平画素
数,走査線数に応じて表示装置に合うように画素数削減
や水平画素補間,走査線数変換を行なうが、さらに、プ
ログレッシブタイプの符号化データは、復号後、走査線
変換フィルタ13により、インタレーススキャンタイプ
への変換も行なう。
【0147】このインタレーススキャンタイプへの変換
は、プログレッシブスキャンタイプの画像データの順次
のフレームをインタレーススキャンタイプの第1のフィ
ールド,第2のフィールドと交互に変換するものである
が、その変換は、要するに、図5(a)とは逆の変換に
なる。
【0148】この場合も、図7の場合と同様、メモリ2
での1フレーム当りのメモリ容量を低減することができ
る。
【0149】また、この場合、表示装置のアスペクト比
は4:3であるから、アスペクト比16:9の符号化デ
ータについては、この表示装置で画面の上下で非表示部
が生ずるようなレターボックス表示を行なう。
【0150】なお、以上の説明において、上記の画素削
減フィルタ8や画素シフトフィルタ10,走査線変換フ
ィルタ13,水平画素補間フィルタ12の具体例は、い
ずれも回路構成の簡単なものである。しかし、回路構成
が簡単なフィルタは、フィルタの遮断特性が緩やかであ
り、このため、折り返し歪みの残余による画質劣化が一
部発生する可能性がある。これを避けるためには、回路
構成が複雑になるが、トレードオフとして、より高次の
フィルタ構成とすることも可能である。
【0151】また、逆に、上記各フィルタの回路構成を
より簡単にすることも可能である。具体的には、図6に
示した水平画素補間フィルタ12の具体例において、上
記のように、水平補間比を16/9としたとき、フィル
タ計算の種類としては、1280画素系列の画素データ
の位置が720画素系列の画素間を16等分したいずれ
かの位置に相当する分を準備するのではなく、例えば、
8等分の位置に近似したり、4等分の位置に近似させる
ようにしてもよく、これにより、フィルタの計算の種類
は夫々8種類,4種類に限定できて回路規模を縮小する
ことができる。このようなことは、変換比が複雑になり
やすい640(H)×480(V)の画像サイズの画像デー
タに対する水平画素補間フィルタ12の簡易化にも適用
できる。
【0152】図9は本発明による符号化画像データの復
号・表示装置の第2の実施形態を示すブロック図であっ
て、17はフィルタ係数値設定バスであり、図1に対応
する部分には同位置符号を付けて重複する説明を省略す
る。
【0153】図1に示した第1の実施形態は、各フィル
タ8,10,12,13のフィルタ係数値は、これに接続
される表示装置のタイプによって決められたものであ
り、従って、接続される表示装置は決まったタイプのも
のだけであった。これに対し、この第2の実施形態は、
異なるタイプの表示装置を接続することができ、この接
続される表示装置のタイプに応じて、各フィルタ8,1
0,12,13のフィルタ係数値を適宜選択できるように
したものである。
【0154】同図において、図示しないが、MPU(マ
イクロプロセッサユニット)が設けられており、このM
PUは、接続された図示しない表示装置のタイプを表わ
すディスプレイ情報を取り込むとともに、可変長復号ユ
ニット6で符号化データから分離されたこの符号化デー
タの画像サイズ情報も取り込んで、これらから画素削減
フィルタ8や画素シフトフィルタ10,走査線変換フィ
ルタ13,水平画素補間フィルタ12のフィルタ係数値
を決定し、フィルタ係数設定バス17を介して夫々画素
削減フィルタ8の係数メモリ部8h(図3(b))や画素シ
フトフィルタ10の係数メモリ部10f(図4(b)),走
査線変換フィルタ13の係数メモリ部13e(図5
(b)),水平画素補間フィルタ12の係数メモリ部12
f(図6(b))に格納する。
【0155】また、この変形例として、画像サイズ情報
の出力線とフィルタ係数設定バス17とを統合したMP
Uバスを用い、これを直接MPUに接続する構成として
もよい。
【0156】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
使用する表示装置の解像度が低い場合には、それに応じ
てメモリの容量やメモリコントロール回路の規模を低減
して高精細画像の符号化データの復号及び表示が可能と
なる。
【0157】また、本発明によると、使用する表示装置
に応じてメモリの容量を決定させるハードウェアスケー
ラブルな高精細画像の符号化データの復号及び表示も可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による符号化画像データの復号・表示装
置の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示した実施形態で1280(H)×720
(V)のプログレッシブスキャンタイプの表示装置を用い
た場合の各画像サイズの復号画像データに対する画素削
減比,走査線変換比及び水平画素補間比の一具体例を示
す図である。
【図3】図1における画素削減フィルタの一具体例の説
明図である。
【図4】図1における画素シフトフィルタの一具体例の
説明図である。
【図5】図1における走査線変換フィルタの一具体例の
説明図である。
【図6】図1における水平画素補間フィルタの一具体例
の説明図である。
【図7】図1に示した実施形態で720(H)×480
(V)のプログレッシブスキャンタイプの表示装置を用い
た場合の各画像サイズの復号画像データに対する画素削
減比,走査線変換比及び水平画素補間比の一具体例を示
す図である。
【図8】図1に示した実施形態で720(H)×480
(V)のインタレーススキャンタイプの表示装置を用いた
場合の各画像サイズの復号画像データに対する画素削減
比,走査線変換比及び水平画素補間比の一具体例を示す
図である。
【図9】本発明による符号化画像データの復号・表示装
置の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図10】MPEG−2画像符号化規格におけるカテゴ
リ制約の説明図である。
【符号の説明】
1 復号・表示演算制御部(デコーダ) 2 メモリ 5 メモリコントローラ 6 可変長復号ユニット 7 IQ・IDCTユニット 8 画素削減フィルタ 8a,8b 遅延回路 8c,8d,8e 乗算器 8f 加算器 8g フリップフロップ回路 8h 係数メモリ部 9 動き補償ユニット 10 画素シフトフィルタ 10a 遅延回路 10b,10c 乗算器 10d 加算器 10e フリップフロップ回路 10f 係数メモリ部 11 表示ユニット 12 水平画素補間フィルタ 12a 遅延回路 12b,12c 乗算器 12d 加算器 12e フリップフロップ回路 12f 係数メモリ部 13 走査線変換フィルタ 13a,13b 乗算器 13c 加算器 13d フリップフロップ回路 13e 係数メモリ部 14 タイミング発生ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲田 圭介 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所マルチメディアシステム 開発本部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高能率符号化手段によって符号化して得
    られる符号化画像データを復号してメモリ手段に格納
    し、該メモリ手段から復号された該画像データを読出し
    て表示する符号化画像データの復号・表示装置におい
    て、 符号化画像データの復号処理段階で該画像データの水平
    方向の画素数を低減する画素低減手段を設け、 画素数低減された復号画像データを該メモリ手段に格納
    するようにしたことを特徴とする符号化画像データの復
    号・表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の符号化画像データの復
    号・表示装置において、 前記画素削減手段は、前記復号画像データの表示手段で
    の水平方向の画素数よりも大きい水平方向の画素数の前
    記符号化画像データに対し、画素数の削減を行なうこと
    を特徴とする符号化画像データの復号・表示装置。
  3. 【請求項3】 可変長復号手段と画像データ逆変換手段
    と動き補償手段と参照画像データの位置シフト手段とか
    らなり、高能率符号化手段によって符号化して得られた
    符号化画像データを復号する復号処理手段と、該復号手
    段で得られた復号画像データを格納するメモリ手段と、
    該メモリ手段から該復号画像データを読み出し、表示の
    ための処理を行なって表示手段に供給する表示処理手段
    とを備えた符号化画像データの復号・表示装置におい
    て、 該復号処理手段に、復号処理される画像データの水平方
    向の画素数を削減する画素削減手段を設けるとともに、 該表示処理手段に、該復号画像データを該表示装置での
    走査線数に合致する走査線数の画像データに変換する走
    査線変換手段と、該復号画像データを該表示手段での水
    平方向の画素数に合致する画素数の画像データに変換す
    る画素補間手段とを設けたことを特徴とする符号化画像
    データの復号・表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の符号化画像データの復
    号・表示装置において、 前記画素削減手段は、前記画像データ逆変換手段と前記
    動き補償手段との間に設けられ、前記画像データ逆変換
    手段の出力画像データの水平方向の画素数の削減を行な
    い、画素数削減された該画像データを前記動き補償手段
    に供給することを特徴とする符号化画像データの復号・
    表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の符号化画像デ
    ータの復号・表示装置において、 前記画素削減手段は、前記表示手段での水平方向の画素
    数よりも大きい水平方向の画素数の前記符号化画像デー
    タに対し、画素数の削減を行ない、 前記画素補間手段は、前記表示手段での水平方向の画素
    数よりも小さい水平方向の画素数の前記復号画像データ
    に対し、画素補間を行ない、 前記走査線変換手段は、前記表示手段での走査線吸うと
    ことなる走査線数の前記復号データに対し、走査線数の
    変換処理を行なうことを特徴とする符号化画像データの
    復号・表示装置。
  6. 【請求項6】 請求項3,4または5に記載の符号化画
    像データの復号・表示装置において、 前記画素削減手段,前記位置シフト手段,前記走査線変
    換手段及び前記画素補間手段は、共通のクロックで動作
    することを特徴とする符号化画像データの復号・表示装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項3,4,5または6に記載の符号
    化画像データの復号・表示装置において、 前記可変長復号手段で前記符号化画像データから抽出さ
    れる画像サイズ情報と前記表示手段の画像表示仕様とか
    ら、前記画素削減手段,前記位置シフト手段,前記走査
    線変換手段及び前記画素補間手段夫々の動作パラメータ
    を設定する手段を設けたことを特徴とする符号化画像デ
    ータの復号・表示装置。
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