JPH11276504A - 歯列矯正用ブラケットおよびその製造方法 - Google Patents

歯列矯正用ブラケットおよびその製造方法

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JPH11276504A
JPH11276504A JP8717698A JP8717698A JPH11276504A JP H11276504 A JPH11276504 A JP H11276504A JP 8717698 A JP8717698 A JP 8717698A JP 8717698 A JP8717698 A JP 8717698A JP H11276504 A JPH11276504 A JP H11276504A
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JP
Japan
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bracket
zirconia
orthodontic
adhesive
base portion
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Application number
JP8717698A
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English (en)
Inventor
Tomohiko Ogata
知彦 尾形
Kenichi Yanagihara
健一 柳原
Fumio Yoshida
文男 吉田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Dental Tools And Instruments Or Auxiliary Dental Instruments (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】歯牙の表面に接着剤によって接着され、所
定の歯牙間に掛け渡した歯列矯正用ワイヤーを保持する
ための歯列矯正用ブラケットであって、歯牙面に接着さ
れるベース部に切り欠き溝部を有することを特徴とする
歯列矯正用ブラケット。 【効果】本発明により、金属にない耐磨耗性、耐食性、
耐薬品性、審美感を持ち合わせ、かつ、機械的強度に優
れ、衝撃によって欠損や亀裂が発生がなく、接着強度に
も優れ、脱落のないセラミックス製ブラケットを提供す
ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度に優れ、歯牙
との接着性が良好な歯列矯正用ブラケットに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】歯列矯正用ブラケットは一般的に金属で
形成され、通常は歯牙に直接接着される。したがって、
歯列矯正用ブラケットと歯牙との間を良好に接着するこ
とが重要である。金属ブラケットでは長期間にわたり改
良が繰り返され、接着自体は概ね許容できるレベルに達
している。近年、美的感覚の占める要素が大きくなり、
金属に替わってセラミックスが用いられることが多くな
った。しかしながら、セラミックス材料は歯牙への固定
が難しいため、接着力を向上するための多くの工夫が提
案されている。ブラケットの基部内にアンダーカットを
設けたり、特開平5−64644のようにブラケット側
の接着面に微細なセラミックス粒子をグリーンの段階で
貼付け、焼成によって拡散接合し、接着面に起伏を設け
る方法などが提案されている。ブラケット基部内に不用
意にアンダーカットを設けることは、接合強度を改善す
る反面、ブラケット自体の強度を低下させてしまう。ま
た、微細なセラミックス粒子による接着面の表面起伏
は、粒子と歯牙表面との接着強度に対して、粒子とブラ
ケット表面との強度が相対的に小さくなって、剥がれや
すくなるという欠点が生じる。
【0003】また、ブラケットに用いるセラミックスに
ついても、せとものと称される磁器、陶器では強度が不
十分で、ワイヤーで締め付ける際に破損してしまう可能
性が高い。ファインセラミックスの中では、アルミナ、
ムライトなどが用いられる場合もあるが、ブラケット自
体の形状が複雑であり、特に狭搾した部分に応力集中し
やすい構造になっているため、部分的に破損することが
多かった。さらに、美的観点からは白色が基本である
が、歯牙に似せるために、極めて近い微妙な色調と透光
性があるものは皆無であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した問題
を解決し、歯牙との接着強度を良好に維持できる歯列矯
正用ブラケットの素材、構造およびその製造方法を提供
することにある。
【0005】近年、金属製ブラケットに替わって、セラ
ミックス製ブラケットが使用されるようになった。セラ
ミックスは金属にない耐食性、審美感を持ち合わせるも
のの、成形が難しく、製造工程が複雑なためにコスト的
に高いものになっている。しかしながら、従来のセラミ
ックス製ブラケットはアルミナが主成分のものであり、
わずかな衝撃によって欠損や亀裂が生じるか、接着が弱
い場合には脱落するという問題があった。
【0006】本発明はこれらの問題点を解決し、耐摩耗
性、耐蝕、耐薬品性に優れたブラケットを提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記欠点
のない歯列矯正用ブラケットについて、鋭意検討した結
果、次の発明に到達した。すなわち、歯牙の表面に接着
剤によって接着され、所定の歯牙間に掛け渡した歯列矯
正用ワイヤーを保持するための歯列矯正用ブラケットで
あって、歯牙面に接着されるベース部に切り欠き溝部を
有することを特徴とする歯列矯正用ブラケットである。
【0008】さらに、このブラケットの製造において、
ジルコニアまたはジルコニアを含む複合セラミックを大
気中で焼成する工程、さらに酸素1〜20%を含むガス
雰囲気下で熱間静水圧成形焼結する工程、焼成後腐食性
溶液に浸漬して、接着剤が充填されるブラケットベース
表面に起伏を設ける工程、および起伏を設けた部分以外
のブラケット表面を研磨する工程からなることを特徴と
する歯列矯正用ブラケットの製造方法によって、上記問
題が解決される。
【0009】
【発明の実施の形態】歯牙の表面に接着剤によって接着
される歯列矯正用ブラケットにおいて、歯牙面に接着さ
れるベース部に切り欠き溝部を形成し、ベース部の裏面
に塗布された接着剤を切り欠き溝部で引係るようにする
こと、さらには、歯牙面に接着されるベース部に設けた
切り欠き溝部の内部がベース部の裏面側の入口径よりも
広くなった状態で形成されているか、ベース部の内部が
ベース部の裏面側入口より大きな径となって傾斜してい
ることが好ましい。
【0010】上記ワイヤーを案内するブラケットのベー
ス部に上記切り欠き溝部を形成し、ほぼ矩形のベース部
の縁部に形成する歯列矯正用ブラケットである。これに
よって従来の問題を解決し、目標とする性能を達成する
ことができる。
【0011】とりわけ、ブラケット素材としては、平均
粒子径が1μm以下の部分安定化ジルコニアまたは部分
安定化ジルコニアを含む複合セラミックスからなること
が好ましく、焼結体密度は相対密度で99%以上、すな
わち部分安定化ジルコニアの実測密度としては6.02
g/cm3 以上であって、空隙率が1%以下であること
が好ましい。
【0012】以下、本発明を実施するための具体的方法
について、部分安定化ジルコニアセラミックスで歯列矯
正用ブラケットを製造する場合について説明する。
【0013】[粉末の種類および合成方法]純度99.
9%のオキシ塩化ジルコニルと塩化イットリウム溶液を
ジルコニア(ZrO2 )およびイットリア(Y2 3
としてのモル比率が95:5から98:2となるように
混合調整する。調整された混合溶液から100℃前後の
温度に設定したオートクレーブ中で結晶質水和ジルコニ
アを得る加水分解法、またはアンモニア水などを添加す
ることによって中和させて溶解度を低くし、非晶質の水
酸化ジルコニウムと水酸化イットリウムを沈殿析出させ
る中和共沈法などの方法により、ジルコニア前駆体を得
た後、焼成して高強度ジルコニア粉末原料とする。
【0014】[粉末の性状、物性]粉末の1次粒子径は
焼成温度に影響され、800〜1000℃にて焼成を行
うと、0.01〜0.2μmの範囲に分布し、平均1次
粒子径は約0.1μmとなる。2次粒子径はレーザー回
折法により測定し、0.01〜30μmの範囲に分布
し、平均2次粒子径は約0.5〜2μmの範囲となるよ
うに粉砕調整する。
【0015】[造粒、成形方法]上記調製した粉末にバ
インダーの他に分散剤、離型剤、消泡剤を適量添加し、
スラリーを調製する。スラリー中の固形成分の量は、粉
末100重量部に対し、15〜20重量%の範囲で調整
する。バインダーはワックス系、アクリル系などのうち
一般的なものを用いて行う。
【0016】このスラリーをニーダーにより混練し、一
般的には射出成形法によってブラケットを成形する。こ
の方法は、小型で複雑形状のものを成形するのに最も適
しており、量産化、低コスト化が容易である。
【0017】射出成形の成形条件は、140〜160
℃、射出圧力50〜60kg/cm2の範囲で行う。
【0018】[焼結方法]射出成形後のブラケットは多
くのバインダー等の有機成分を含んでいるため、脱脂が
必要である。脱脂条件は350〜800℃の範囲で、脱
脂割れが生じないように十分時間をかけて加熱、冷却す
ることが望ましい。
【0019】脱脂後の成形体は、大気中または酸素を含
む雰囲気下で、1300〜1500℃の範囲で30分か
ら3時間焼成することによって、緻密な焼結体を得るこ
とができる。焼結には、通常の常圧焼結法のほか加圧焼
結法を用いることができる。
【0020】また、焼結温度と時間は、ZrO2 の平均
結晶粒径が1μm以下、望ましくは0.6μm以下で、
焼結体密度が5.90g/cm3 以上で、空隙率が5%
以下となるように制御する。焼結時の冷却速度が遅すぎ
ると単斜晶のZrO2 が多く析出するため、5℃/分以
上の速度で冷却することが好ましい。
【0021】このようにして得られた上記焼結体は、平
均結晶粒径が1μm以下で、焼結体密度が6.02g/
cm3 以上で、空隙率が1%以下であれば、特に問題な
く加工工程に持ち込むことができるが、さらに歯牙と同
様の色調を得るために、雰囲気を制御して再焼結する。
再焼結の条件は、酸素1〜20%を含むガス雰囲気下
で、1〜20MPaで熱間静水圧成形焼結するとよい。
この方法によって、極めて自然な歯牙の色調を得ること
が可能であり、同時に緻密質となることで強度、靭性な
どの機械的性質が向上する利点もある。
【0022】[加工方法]焼成後のブラケット焼結体
は、腐食性溶液に浸漬して、接着剤が充填されるブラケ
ットベース表面に起伏を設ける。腐食性溶液は酸、塩基
いずれでもよいが、処理時間を短くするために酸化力の
強い熱濃硫酸、弗酸、王水などが適している。
【0023】次に接着面以外のブラケット表面を研磨す
る。研磨方法は特に問わないが、接着面に入り込まない
サイズの粉砕媒体を用いてバレル研磨するのが一般的で
ある。
【0024】以上の工程を経て本発明のセラミックス製
ブラケットが製造できる。
【0025】〔焼結体の組織、物性〕ジルコニア製ブラ
ケットについて上述したが、本発明の歯列矯正用ブラケ
ットの代表的素材として、ジルコニアの他にアルミナ−
ジルコニア系複合セラミックスがある。アルミナ−ジル
コニア複合セラミックスでは、特に限定されるものでは
ないが、アルミナは0.1〜85重量%であることが好
ましく、15〜80重量%であることがより好ましい。
また、アルミナは、純度が高い方が好ましく、特に限定
されるものではないが、純度は、99.8重量%以上で
あることが好ましい。残部の15〜99.9重量%はジ
ルコニアであり、ジルコニア中には、安定化剤としてY
2 3 、CeO2 の1種または2種をジルコニアに対し
1.5〜5モル%含み、ジルコニアの平均結晶粒径が1
μm以下、アルミナの平均結晶粒径が1μm以下であ
り、ジルコニアの体積比で50%以上が室温で準安定な
正方晶で存在するアルミナ−ジルコニアセラミックス素
材からなるものが好ましい。
【0026】また、アルミナ以外のセラミックスであっ
ても、ジルコニアが15〜85%含むものであれば同様
に複合セラミックスとして十分使用に耐えうる。
【0027】好ましくは、本発明のブラケット素材は、
ビッカース硬度が1300kgf/mm2 以上であるセ
ラミックス素材であることが望ましい。硬度が1300
kgf/mm2 未満では、十分な硬度がないので、使用
中に摩耗が著しく生じてしまう。
【0028】本発明のブラケットで用いるセラミックス
の中には、15〜99.9重量%のジルコニアを含む素
材がある。ジルコニアが15重量%未満であれば、正方
晶から単斜晶への応力誘起変態により強度向上に寄与す
るジルコニアの量が少ないため、本素材で重要な強度向
上の効果が達成できない。
【0029】また、ジルコニアの焼結性を向上する目的
で0.1〜5重量%の範囲でアルミナを添加することが
できる。
【0030】本発明の素材では、ジルコニア中に、安定
化剤としてY2 3 、CeO2 の1種または2種をジル
コニアに対し1.5〜5モル%含んでいる。1.5モル
%未満であれば、ジルコニア中の正方晶が安定化されず
室温において単斜晶で存在する割合が多くなり高強度が
期待できない。5モル%を超えると逆に正方晶が完全に
安定化される方向になり、室温における応力誘起変態が
起こらず、強度が向上しない。より好ましくは、安定化
剤としてY2 3 をジルコニアに対して2〜3.5モル
%含んでいることが望ましい。
【0031】本発明では、ジルコニアの平均結晶粒径
は、1μm以下である。粒径が1μmを超えると冷却時
にジルコニアが単斜晶に変態し、強度が向上せず、ま
た、硬度も高くならない。なお、好ましい平均結晶粒径
は0.2〜0.8μmであり、より好ましい結晶粒径の
範囲は、0.2〜0.6μmである。
【0032】本発明では、アルミナが含まれる場合は、
その平均結晶粒径は1μm以下であることが好ましい。
1μmを超えると硬度が低下し、また、アルミナ基質の
強度が低下すると共にジルコニアの単斜晶への変態を抑
えることができず、強度が大きく低下するようになる。
より好ましい平均結晶粒径は0.5〜1.0μmであ
る。
【0033】本発明では、ジルコニアの体積比で好まし
くは50%以上が室温で準安定な正方晶である。正方晶
が体積比で50%未満である場合は、正方晶から単斜晶
への応力誘起変態による強度向上が期待できない。さら
に好ましくは95%以上が望ましい。
【0034】本発明において、焼結体のビッカース硬度
が好ましくは1300kgf/mm2 以上としたとき、
耐摩耗性が一層向上する。ビッカース硬度が1300k
gf/mm2 未満では、本素材の耐摩耗性が著しく低下
する。
【0035】さらに、焼結体の曲げ強度が65kgf/
mm2 以上であることが望ましい。この値以上の強度
で、衝撃に対する抵抗の大きい丈夫なブラケットを実現
することができる。より好ましくは、曲げ強度が80k
gf/mm2 以上である。
【0036】また、JISR1607に準拠した予亀裂
導入破壊試験法による破壊靱性値が4MPa・m1/2
上のセラミックスからなるセラミックスを用いることが
好ましい。これにより長期間の使用によっても欠損や亀
裂の発生などの事故がなく、耐久性のあるブラケットが
提供できる。
【0037】さらに、焼結体は粉末X線回折により結晶
構造を解析することによって、実質的に単斜晶を含まな
い正方晶系ジルコニアを含むセラミックスであることが
望ましい。
【0038】上記のように、本発明におけるセラミック
ス素材について、強度と適度な耐摩耗性を有するセラミ
ックス素材ならば特に限定されるものではないが、具体
例を挙げるならば、部分安定化ジルコニア、特に正方晶
系ジルコニア、ジルコニア−アルミナ複合素材、アルミ
ナ、ムライト等を用いることができる。アルミナは耐摩
耗性の尺度となる硬度が高く、1600〜2000kg
f/mm2 であるが、曲げ強度は50kgf/mm2
後と幾分低い。アルミナ−ジルコニア複合素材は曲げ強
度は80kgf/mm2 前後でアルミナより大きく、且
つ硬度も1400kgf/mm2 以上と高く、耐摩耗性
もある。正方晶のジルコニアは平均粒径1μm以下の固
溶化したY2 3 を1.5〜5モル%含み、平均粒径
0.5〜2μmからなるものが好ましい。正方晶ジルコ
ニアは曲げ強度が100kgf/mm2 以上で、硬度は
1200〜1400kgf/mm2 のものを用いるのが
好ましい。アルミナ−ジルコニア複合素材(ZTA)で
は、結晶構造として50体積%以上が正方晶であるZr
2 を15〜99.9重量%の範囲で含み、かつ、Al
2 3 の平均粒径が1μm以下、ZrO2 の平均粒径が
1μm以下の範囲であることが好ましい。
【0039】[ブラケットの構造]本発明のブラケット
の構成は、図1に示すように、ベース部1、支柱部2、
ガイド溝3、ガイド翼部4、切り込み部5および切り欠
き溝部6からなる。
【0040】ベース部は接着面全体を指すが、接着面は
図2のようにフラットな単純平滑面でもよいが、外枠部
分を厚くし、接着面を窪んだ状態にした図3のようなリ
ム構造にするのが好ましい。この構造にすると、接着剤
が凹部に入り込みやすくなって接着が安定する。さら
に、接着面となる凹部に梁となるような補強を施し、図
4のようなフレーム構造とするとさらに好ましい。この
状態で、接着面積は梁の部分だけ小さくなってしまう
が、接着面を腐食液で適度に荒らした後にバレル研磨す
る際、媒体が接着面を直接研磨することがなく、接着面
の表面起伏が研磨後も保たれる利点がある。このため、
ブラケット自体の強度も十分保たれた上、接着強度も良
好なものが得られる。
【0041】さて、接着剤をブラケット接着面に塗布し
て歯牙と接着しようとする際、接着面は歯牙の形状に合
わせて湾曲しているために、完全に接着面全面に接着剤
が充填されることは難しい。特に犬歯などの小さく曲率
の大きなところでは、接着剤がうまく充填できずブラケ
ットが脱落しやすくなる。そこで、ブラケットのベース
部1に歯牙面に接着されるベース部1に切り欠き溝部6
を形成し、ベース部の裏面に塗布された接着剤を切り欠
き溝部6で引係るようにする。これによってブラケット
と接着剤、歯牙と接着剤の間の接着強度が向上する。
【0042】また、ブラケットの外枠部分を厚くし、リ
ムを設けることによって接着面を窪んだ状態にすると、
接着剤がこの窪んだ部分に入り込んで接着面が安定しや
すくなる。しかしながら、いわばブラケットの接着部分
が空洞化することによって、接着剤の粘度が高い場合な
どは逆に隅の部分に入り込みにくくなり、空気が内在す
ることによって接着剤とブラケットとの間に十分な接着
強度が得られない結果となる。これを改善するために、
ブラケットの接着面に適度な表面凹凸を設け、接着剤を
ブラケットに引っ係りやすくすることが望ましい。接着
表面に凹凸をつけるには、腐食液または熱処理によって
エッチングする方法が簡便で望ましいが、腐食液による
化学的エッチングの方が表面状態は角が立って良好な状
態となるのでより望ましい。
【0043】さらに、このリムの部分に適度な寸法でア
ンダーカット状の切り込み溝を設け、接着剤とブラケッ
トの引っ係りを増強し、接着強度を向上することができ
る。アンダーカットは歯牙面に接着されるベース部に設
けた切り欠き溝部6の内部がベース部の裏面側の入口径
よりも広くなった状態で形成されているか、ベース部の
内部がベース部1の裏面側入口より大きな径となって傾
斜していることを特徴とする。さらに、この切り込み溝
によって、接着剤の充填時に内包した空気を外に逃が
す、いわばエア抜きの役割を持たせることができる。こ
のようにリム部に切り込み溝を設けることは極めて簡単
で、これによって接着剤とブラケットの接着強度が向上
することができる。
【0044】とりわけ、上記切り欠き溝部6を矩形のベ
ース部の対向する縁部に形成すると、金型に細工するこ
とができ、図5のように射出時にアンダーカットのリム
を有するブラケットが成形される。図5のブラケットを
射出成形する際の金型について示す。ハッチング部分が
金型に相当する。図のように組み合わさった金型の上部
または下部の金型から粉末スラリーが射出される。この
図で重要なことはブラケットのベース部にアンダーカッ
ト部分を設けると下部の金型パンチが下方向には抜けな
いので、紙面に垂直な方法にスライドするように設計し
なければならない。
【0045】さらに、接着面となる凹部にフレームを設
けることによってブラケット自体の強度を向上させるこ
とができるのでさらに好ましい。この状態で、接着面積
はフレーム部分だけ小さくなってしまうが、接着面を腐
食液で適度に荒らした後にバレル研磨する際、媒体が接
着面を直接研磨することがなく、接着面の表面起伏が研
磨後も保たれる利点がある。
【0046】なお、これら形状は焼結後加工してもよい
が、焼結後のセラミックスは極めて硬度が高く、またブ
ラケットのような小さな製品にミクロンオーダーの加工
を施すのは難しいのでグリーン成形時に加工するのが望
ましい。その方法は、例えば射出成形を用いる場合は予
め金型のリムの部分にアンダーカットとなるような切り
込み溝6を設けるか、または射出成形後、上記形状の切
り込み溝6を設けてもよい。
【0047】このような加工を施した後、表面研磨を行
うが、表面粗さは中心線平均粗さで0.2μm以下とな
るようにする。この程度の表面粗さでは、違和感のない
自然の歯牙に近い表面状態が実現できる。表面粗さの測
定は触針式またはレーザーなどの光学系位相差を用いて
測定する方法でもよいが、検出精度に限界がある場合
は、原子間力顕微鏡や複数の検出器のある走査型電子顕
微鏡により、表面粗さを測定する方法が再現性よく高精
度の測定が可能となるので好ましい。
【0048】
【物性測定の方法】ブラケット素材の密度、空隙率、平
均結晶粒径、ビッカース硬度および素材中に含まれるジ
ルコニアの正方晶率は以下のようにして求めた。
【0049】(1)密度 密度はアルキメデス法により求めた。
【0050】(2)空隙率 空隙率は、アルミナ−ジルコニアセラミックスの場合、
ジルコニアの理論密度を6.10g/cm3 、アルミナ
のそれを3.99g/cm3 として配合比により複合セ
ラミックスの理論密度を求め、先に求めたアルキメデス
法の値をこの理論密度の値で割ることにより求めた。
【0051】(3)平均結晶粒径 平均粒子径は、ジルコニア表面を研磨した後エッチング
し、そのエッチング面の走査型電子顕微鏡を用いて、1
000〜20000倍の写真において、結晶粒の円相当
径の数平均径を画像処理にて求めた。
【0052】(4)曲げ強度 JIS R 1601の3点曲げ強度試験方法に準拠し
て行った。
【0053】(5)ビッカース硬度 ビッカース硬度は、セラミックス表面を注意深く鏡面研
磨し、そこにビッカース圧子を、加重P[kgf]でセ
ラミックス表面に圧入したときにできる圧痕の対角線の
長さをd[mm]とすると、下式Hv[kgf/m
2 ]=1.85437×P/d2によって求め、7点
測定した後、最高値と最低値を除く5点の平均値とし
た。
【0054】(6)正方晶ジルコニア率 正方晶ジルコニア率は、素材表面を注意深く鏡面研磨
し、X線回折法によって分析したとき、2θ=30.2
°付近に現れる正方晶の(111)面の回折ピークの積
分強度T(111)と、2θ=28.2°付近に現れる
単斜晶の(111)面の回折ピークの積分強度M(11
1)と、2θ=31.5°付近に現れる単斜晶の(11
- )面の回折ピークの積分強度M(111- )とか
ら、下式 T(111)/{T(111)+M(111)+M(1
11- )}×100 [体積%]によって求めた。なお、1- は、−1を表
す。
【0055】(7)接着強度 表面を600番砥石によって仕上げた牛歯エナメル質を
リン酸処理後、水洗、乾燥しておく。次にブラケット接
着面の部分に接着剤を盛りつけ、30分間エナメル質面
に圧接する。0℃から80℃のヒートサイクルを500
0回繰り返した後、剪断試験を行って接着強度を評価し
た。剪断試験の方法はエナメル質の板を治具に固定し、
試験機の上パンチをブラケットに接触してから0.2m
m/分の速度で降下させる。ブラケットが脱落したとき
の荷重、接着部の面積から接着強度を計算する。単位は
kgf/cm2 である。とりわけ代表的な接着剤として
は、クラレ(株)製“バナビア”21やサンメディカル
社製“スーパーボンドC&B”がよく用いられるが、適
宜他の接着剤を用いてもよい。
【0056】
【実施例】以下に、本発明について、下記実施例を用い
て、具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定さ
れない。
【0057】実施例1 純度99.9%のオキシ塩化ジルコニウムと塩化イット
リウム溶液をジルコニアおよびイットリアに換算して、
モル比率97.25:2.75となるように混合調製
し、これにさらにAl2 3 換算で0.5重量%となる
ように塩化アルミニウムを添加する。調製された混合溶
液から、95℃に設定したオートクレーブ中でジルコニ
ア前駆体となる結晶質水和ジルコニアを得た。これを8
00℃にて焼成し、平均粒子径0.12μmの粉末原料
とする。
【0058】これに粉末固形分100重量部に対して、
ワックスバインダーを18重量部を加えてニーダーを用
いて混練し、射出成形した。成形体に切り欠き溝が形成
されるように、金型のブラケット外枠に逆テーパ状のピ
ンを設け、上述したリムとフレームからなる構造とし
た。
【0059】成形体は、500℃にて脱脂後、大気中1
400℃、1時間焼成した後、1400℃、1時間、2
000気圧にて、酸素を5%含むアルゴンガス雰囲気下
で熱間静水圧成形することによって、密度6.08g/
cm3 、空隙率0.3%の緻密な焼結体を得ることがで
きた。これを40%弗酸溶液で腐食した後、バレル研磨
によって最終的に最大粗さ0.03μmの鏡面に仕上げ
た。
【0060】ZrO2 の平均結晶粒径:0.3μm ZrO2 の正方晶の割合:100体積% ビッカース硬度 :1350kgf/mm2 焼結体の表面粗さは、原子間力顕微鏡により測定した。
平均表面粗さは5.4nmで、最大粗さが76nmであ
った。また、観察したボールの表面において、巾0.5
μm以上で、かつ、深さ0.35μm以上、長さ10μ
m以上の研磨傷はなかった。
【0061】焼結体を粉末X線回折により結晶構造を解
析した結果、実質的に単斜晶を含まない正方晶100%
のジルコニアであった。
【0062】接着試験用の接着剤はサンメディカル社製
“スーパーボンドC&B”を用いた。接着強度の測定結
果は、206±55kgf/cm2 であった。従来型の
接着強度は150kgf/cm2 レベルであるから、強
度としては30%以上の向上が見られた。
【0063】実施例2 平均粒径が0.3μmで純度が99.8%であるアルミ
ナ粉末を70重量%、3モル%のイットリアを含む平均
粒径0.1μmのジルコニア粉末を30重量%の割合
で、媒体攪拌型ミルを用いて、3時間、純水中で湿式混
合粉砕して、平均凝集粒径を0.6μmに調製した後、
アクリルバインダーを粉末固形分100重量部に対して
17重量部加え、ニーダーより混練し混合粉末を得た。
【0064】次に、射出成形によって所定形状のブラケ
ットを作製する。成形体に切り欠き溝が形成されるよう
に、金型のブラケット外枠に逆テーパ状のピンを設け、
上述したリムとフレームからなる構造とした。
【0065】成形体は、500℃にて脱脂後、大気中1
550℃、1時間焼成した後、1500℃、1時間、2
000気圧にて、酸素を5%含むアルゴンガス雰囲気下
で熱間静水圧成形することによって、密度4.54g/
cm3 、空隙率0.4%の緻密な焼結体を得ることがで
きた。これを40%弗酸溶液で腐食した後、バレル研磨
によって最終的に最大粗さ0.05μmの鏡面に仕上げ
た。
【0066】上記成形体を、大気中にて1550℃、2
時間焼結し、アルミナ−ジルコニア複合セラミックス製
ブラケットを得た。
【0067】Al2 3 の平均結晶粒径:0.8μm ZrO2 の平均結晶粒径 :0.5μm ZrO2 の正方晶の割合 :100体積% ビッカース硬度 :1710kgf/mm2 接着試験用の接着剤はサンメディカル社製“スーパーボ
ンドC&B”を用いた。接着強度の測定結果は、166
±44kg/cm2 であった。従来型の接着強度は15
0kg/cm2 レベルであるから、強度としては10%
の向上が見られた。
【0068】
【発明の効果】本発明により、金属にない耐磨耗性、耐
食性、耐薬品性、審美感を持ち合わせ、かつ、機械的強
度に優れるため衝撃によって欠損や亀裂が発生がなく、
接着強度にも優れるので脱落のないセラミックス製ブラ
ケットを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯列矯正用ブラケットの一例を示す模
式図である。
【図2】本発明の歯列矯正用ブラケットのベース部が単
純平滑面である一例を示す模式図である。
【図3】本発明の歯列矯正用ブラケットのベース部が窪
んだ状態である一例を示す模式図である。
【図4】本発明の歯列矯正用ブラケットのベース部が窪
んだ状態で梁を施した一例を示す模式図である。
【図5】本発明の歯列矯正用ブラケットを射出成型法に
よって製造する一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1:ベース部 2:支柱部 3:ガイド溝 4:ガイド翼部 5:切り込み部 6:切り欠き溝部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯牙の表面に接着剤によって接着され、
    所定の歯牙間に掛け渡した歯列矯正用ワイヤーを保持す
    るための歯列矯正用ブラケットであって、歯牙面に接着
    されるベース部に切り欠き溝部を有することを特徴とす
    る歯列矯正用ブラケット。
  2. 【請求項2】 歯牙面に接着されるベース部に設けた切
    り欠き溝部の内部がベース部の裏面側の入口径よりも広
    くなった状態で形成されているか、ベース部の内部がベ
    ース部の裏面側入口より大きな径となって傾斜している
    ことを特徴とする請求項1に記載の歯列矯正用ブラケッ
    ト。
  3. 【請求項3】 ベース部が矩形であって、その縁部に切
    り欠き溝部を有することを特徴とする請求項1または2
    に記載の歯列矯正用ブラケット。
  4. 【請求項4】 平均粒子径が1μm以下の、ジルコニア
    またはジルコニアを含む複合セラミックスからなること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の歯列矯正
    用ブラケット。
  5. 【請求項5】 複合セラミックスの相対密度が99%以
    上であって、空隙率が1%以下であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の歯列矯正用ブラケッ
    ト。
  6. 【請求項6】 ブラケットの製造において、ジルコニア
    またはジルコニアを含む複合セラミックを大気中で焼成
    する工程、さらに酸素1〜20%を含むガス雰囲気下で
    熱間静水圧成形焼結する工程、焼成後腐食性溶液に浸漬
    して、接着剤が充填されるブラケットベース表面に起伏
    を設ける工程、および起伏を設けた部分以外のブラケッ
    ト表面を研磨する工程からなることを特徴とする歯列矯
    正用ブラケットの製造方法。
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