JPH11274048A - パターン形成状態検出装置及びそれを備えた露光装置 - Google Patents

パターン形成状態検出装置及びそれを備えた露光装置

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JPH11274048A
JPH11274048A JP10075985A JP7598598A JPH11274048A JP H11274048 A JPH11274048 A JP H11274048A JP 10075985 A JP10075985 A JP 10075985A JP 7598598 A JP7598598 A JP 7598598A JP H11274048 A JPH11274048 A JP H11274048A
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pattern
optical system
signal waveform
state
light
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JP10075985A
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Nobuyuki Irie
信行 入江
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Original Assignee
Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスク上に特別なパターンを設けることな
く、投影光学系の高精度な結像位置検出を可能にするパ
ターン形成状態検出装置及び露光装置を提供する。 【解決手段】 ウェハW上に形成されたパターンを照明
光学系28により照明すると、そのパターンの形成状態
に応じて散乱光、回折光を含む反射光が発生する。その
反射光を集光対物レンズ29を介してその集光対物レン
ズ28の瞳位置に配置された撮像素子30で検出する。
主制御系44において、前記反射光の検出信号から反射
光の光強度分布に関する信号波形を算出する。そして、
前記散乱光の強度に応じて変化する前記信号波形のピー
ク幅からパターンのデフォーカス状態を、複数の次数の
回折光に基づく各ピーク間の距離からパターンピッチ
を、それぞれ求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、半導体
集積回路等の製造過程のフォトリソグラフィ工程におい
て、基板上に形成されたパターンの形成状態を検出する
ためのパターン形成状態検出装置及びマスク上に形成さ
れたパターンを前記基板上に転写露光するための露光装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、液晶表示素子又は薄膜磁気
ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程にお
いては、フォトマスク、レチクル等のマスク上の微細な
線幅の回路パターンをフォトレジスト等の感光材料が塗
布されたウェハ、ガラスプレート等の基板上に投影転写
する露光工程が介在される。この露光工程での露光動作
により、前記基板上にパターンが形成する。
【0003】以下、レチクル上の回路パターンをウェハ
上の投影転写する場合を例として説明する。この種の露
光を行う装置として、従来からウェハが載置されたウェ
ハステージを歩進(ステッピング)させて、レチクルに
形成された回路パターンを、高解像度の投影光学系を介
して、ウェハ上の各ショット領域に順次露光する露光装
置が知られている。この露光装置は、いわゆる「ステッ
プ・アンド・リピート方式」の「ステッパ」と呼ばれる
ものである。
【0004】このステッパにおいては、近年における半
導体装置の高集積化の流れの中で、一層の高解像度化要
求が高まっている。この高解像度化要求に対応して、投
影光学系のレンズの開口数(N.A.)が大きくなる傾
向にある。このように開口数が大きくなると、前記投影
光学系の焦点深度が浅くなるため、露光時における前記
ウェハの結像位置への合わせ込み管理をより厳密に行う
必要が生じている。
【0005】また、半導体装置の高集積化のために、1
枚のウェハ上に複数の回路パターンが重畳形成されるよ
うになってきている。この場合、各層のパターンを正確
に位置合わせする必要があるとともに、各層の転写露光
時においてレチクル上の回路パターンの投影像をウェハ
上に正確に形成する必要がある。ところで、前記ステッ
パにおいて、何らかの原因、例えば環境温度の微妙な変
動等のために、投影光学系の内部状態が変動して、その
ディストーションやベストフォーカスの変化が生じ、前
記投影像及びパターンプロファイル変化の伸び縮みや歪
み等が発生することがある。
【0006】これらのため、露光装置の始動時または露
光条件の変更時等には、実際に製品の製造に供されるデ
バイスパターンまたはテストレチクルパターンを用いて
試し露光が行われる。その試し露光により形成されたウ
ェハ上のパターンを、例えば走査型電子顕微鏡(SE
M)等を用いて観察し、前記パターンの形成状態の検出
が行われている。そして、この検出結果に基づいて、前
記露光装置の結像位置への合わせ込み管理が正常に作動
しているかどうか、また正確な投影像の形成されている
かどうかが検査される。
【0007】このパターンの形成状態の検出方法につい
て、さらに詳述すれば、まず複数の前記ショット領域毎
に、仮想的な結像位置を中心としてウェハを前記投影光
学系に対し段階的に近接又は離隔させて露光を行う。こ
の露光により、複数の合わせ込み位置毎のパターンを形
成する。次に、オペレータが前記各パターン毎の線幅を
SEMで観察しながら計測し、その計測結果から線幅の
変化に関する放物線状の近似曲線を求める。そして、線
幅の目標値に対して、所定のずれを持った位置で前記近
似曲線をスライスし、前記近似曲線とスライスした直線
との2つの交点の間の中点に対応する合わせ込み位置を
結像位置としている。
【0008】また、前記形成されたパターン内の周期性
のあるライン・アンド・スペース・パターン(以下、
「L/Sパターン」とする)部分について、SEM等を
用いて各ラインのピッチの計測を行う。その計測結果に
基づいて、パターンが設計通りに形成されているかどう
かが評価される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、若干
デフォーカス状態で露光が行われても、パターンの断面
形状は変化するものの、線幅自体の変化が小さなフォト
レジストが開発されてきている。このようなフォトレジ
ストの塗布された基板では、パターンの形成状態の検出
を、前記のように形成されたパターンの線幅の変化から
精度よく行うことが困難になるおそれがある。言い換え
ると、前記パターンの線幅の変化に基づいて、最適な合
わせ込み位置を精度よく求めることが困難になるおそれ
がある。そして、ひいては、前記露光装置の合わせ込み
管理の評価が困難となるという問題点があった。
【0010】また、前記従来のパターンの形成状態の検
出方法においては、結像位置の検出あるいは周期性のあ
るパターンの各ラインのピッチ計測のいずれであって
も、SEM観察により行っていた。このため、SEM観
察に先立って現像されたパターン上に、例えば蒸着等に
より金属等の導電性物質の被膜を形成する必要があり、
その処理が煩わしいという問題点があった。しかも、オ
ペレータが複数のパターンにつき順次観察し、その線幅
あるいは各ラインの間隔を計測する必要があり、パター
ンの形成状態の検出が非常に煩雑であるという問題点が
あった。
【0011】一方、例えば特開平2−30112号公報
には、次のような露光装置の結像位置の検出方法に関す
る発明が開示されている。すなわち、レチクル上に形成
された2つのL/Sパターンを、互いに所定の角度で交
差するようにウェハ上に二重露光し、ひし形状のマーク
を形成する。このひし形状のマークの形成は、ウェハを
その各ショット領域毎に仮想的な結像位置を中心として
前記投影光学系に対し段階的に近接又は離隔させて行
う。そして、各ひし形状のマークの長さを露光装置に装
備されているアライメントセンサ等を用いて計測する。
この従来構成では、前記ひし形状のマークの長さが合わ
せ込み位置の変化に対して敏感に変化し、その長さが最
も長くなったときのウェハの前記投影光学系に対する位
置を最適な合わせ込み位置とするものである。
【0012】ところが、前記公報に記載の従来構成を採
用しようとする場合には、前述のようにレチクル上に所
定の角度をなすように配置された2つのL/Sパターン
を設けておく必要がある。言い換えると、レチクル上に
前述のような特別のパターンが存在しない限り、前記従
来構成により露光装置の合わせ込み管理ができず、その
適用範囲が限定されるという問題があった。
【0013】また、前記ひし形マークは、前記の2つの
L/Sパターンを二重露光することにより形成されるも
のである。このため、前記ひし形マークを形成するため
に、各ショット領域毎に、2つのL/Sパターンの位置
合わせと2回の露光動作とが必要となり、焦点検出のた
めの所要時間が長くなるという問題があった。
【0014】さらに、前記従来構成の検出方法において
は、大きくデフォーカスしたショット領域には、前記ひ
し形状のマークが非常に小さくなってかつ孤立した状態
で形成される。このため、前記ひし形状のマークがウェ
ハ表面からはがれて、ゴミとなりやすくなり、その後の
ウェハの露光時に不都合を生じせしめるおそれがあると
いう問題があった。
【0015】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
しては、マスク上に特別なパターンを設けることなく、
投影光学系の高精度な結像位置検出を可能にするパター
ン形成状態検出装置を提供することにある。また、投影
光学系の結像位置の検出を精度よく行うことのできる露
光装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、パターン形成状態検出装置に係る本願請求項1の発
明は、基板(W)上に所定の条件で形成されたパターン
(49a、49b)を照明する照明光学系(28)と、
前記パターン(49a、49b)で反射した光束を集光
する集光光学系(29)と、前記反射した光束を前記集
光光学系(29)の瞳位置で検出する検出装置(30)
と、前記検出装置(30)の検出結果に基づいて前記パ
ターン(49a、49b)の形成状態を評価する評価手
段(44)とを備え、前記評価手段(44)は、前記反
射した光束に含まれる散乱光の強度に基づいて、前記パ
ターン(49a、49b)の形成状態を評価することを
要旨としている。
【0017】フォトレジストが塗布された基板上に、マ
スク上の孤立線パターンまたはL/Sパターンを投影転
写した後、現像してパターンを得たとする。このパター
ンが合焦状態で投影転写されたものであれば、そのパタ
ーンに含まれる各ラインの上面の両エッジ部分は、直角
に近いものとなる。これに対して、前記パターンがデフ
ォーカス状態で投影転写されたものである場合、前記エ
ッジ部分が、デフォーカスの度合いに応じて丸くなる。
このようなパターンのエッジ部分の形状の変化は、近年
の線幅制御性の改善されたフォトレジストであっても観
察される。
【0018】ここで、このパターンを所定の条件で照明
すると、その照明に基づいてパターンで反射された光束
に含まれる散乱光の発生状況が前記エッジ部分の形状に
応じて変化する。すなわち、散乱光の強度が、合焦状態
のパターンでは小さくなり、逆にデフォーカス状態では
デフォーカスの度合いが進むに従って大きくなる。
【0019】本願請求項1の発明においては、前述のよ
うに、この散乱光の強度を検出することにより、前記パ
ターンの形成状態を評価するようになっている。この散
乱光の検出対象となるパターンは、例えばデバイスパタ
ーンに頻繁に出現するL/Sパターン等でよく、マスク
上の特定のパターンを二重露光して基板上に特定のマー
クを形成する必要がない。また、投影光学系の焦点検出
を行うために、現像後のパターンを直接SEM観察した
りする必要もない。しかも、前記結像位置の検出を現像
後のパターンに含まれるラインの線幅を計測することな
く行うことができる。従って、パターンの形成状態、特
にパターンのデフォーカス状態の検出を短時間で容易に
かつ精度よく行うことができる。そして、このパターン
形成状態検出装置を露光装置に適用した場合には、投影
光学系の結像位置の検出を短時間で、容易かつ正確に行
うことができる。
【0020】また、同じくパターン形成状態検出装置に
係る本願請求項2の発明は、基板(W)上に形成された
周期性のある周期パターン(49a、49b)を照明す
る照明光学系(28)と、前記周期パターン(49a、
49b)で反射した光束を集光する集光光学系(29)
と、前記反射した光束を前記集光光学系(29)の瞳位
置で検出する検出装置(30)と、前記検出装置(3
0)の検出結果に基づいて前記周期パターン(49a、
49b)の形成状態を評価する評価手段(44)とを備
え、前記評価手段(44)は、前記反射した光束に含ま
れる前記周期パターン(49a、49b)からの複数の
次数の回折光に基づいて、前記周期パターン(49a、
49b)の形成状態を評価することを要旨としている。
【0021】フォトレジストが塗布された基板上に、マ
スク上の周期性のあるL/Sパターンを投影転写した
後、現像して周期パターンを得たとする。このような周
期パターンを所定の条件で照明し、その照明に基づいて
前記周期パターンで反射した光束を所定の条件で結像さ
せると、複数の次数の回折光に基づく複数の像が顕れ
る。この複数の像の相対位置は、前記周期パターンにお
けるラインの周期性、つまり前記周期パターンの各ライ
ン間のピッチに応じて変化する。
【0022】本願請求項2の発明においては、前述のよ
うに、前記周期パターンで反射した光束に含まれる複数
の次数の回折光に基づいて、前記周期パターンの形成状
態を評価するようになっている。この回折光の検出対象
となる周期パターンは、例えばデバイスパターンに頻繁
に出現するL/Sパターン部分等であってもよい。この
ため、周期パターンのピッチ計測を行うために、現像後
の周期パターンをSEM観察し、その周期パターンに含
まれるL/Sパターン部分のピッチを直接計測する必要
がない。従って、周期パターンの形成状態、特にピッチ
の計測を短時間で、容易かつ正確に行うことができる。
【0023】また、本願請求項3の発明は、前記請求項
1または請求項2に記載の発明において、前記検出装置
が撮像素子(30)を有してなることを要旨としてい
る。この本願請求項3の発明によれば、前記請求項1ま
たは請求項2に記載の発明の作用に加えて、パターンか
ら発生する散乱光あるいは回折光の光強度分布を容易に
電気的な信号波形に変換することができる。このため、
前記散乱光の強度分布及び前記複数の次数の回折光に基
づく像の相対位置の検出を容易かつ確実に行うことがで
きる。
【0024】また、本願請求項4の発明は、前記請求項
3に記載の発明において、前記評価手段(44)は、前
記撮像素子(30)の検出信号に基づいて、前記反射し
た光束の強度分布に関する信号波形を算出する信号波形
算出手段(44、S102)と、その信号波形の1つま
たは複数のピークを所定の位置でスライスするスライス
手段(44、S102)を備え、前記スライス手段(4
4、S102)によりスライスされた前記ピーク毎にお
ける信号波形とスライス線との2交点間の距離を算出す
るピーク幅算出手段(44、S102)を含むことを要
旨としている。
【0025】ここで、前記パターンのデフォーカス状態
に応じて、散乱光の強度分布が変化すると、その変化に
伴って前記パターンで反射した光束の強度分布が変化す
る。この本願請求項4の発明によれば、前記請求項3に
記載の発明の作用に加えて、これらの反射した光束の強
度分布の変化を、撮像素子の検出信号に基づいて得られ
る光強度分布の信号波形の形状変化として捉えることが
できる。そして、この信号波形の形状変化を、各ピーク
の所定位置でスライスしたときの幅を検出することで、
容易かつ正確に数値化することができる。従って、前記
パターンのデフォーカス状態を容易に数値化することが
できる。
【0026】また、本願請求項5の発明は、前記請求項
3または請求項4に記載の発明において、前記評価手段
(44)は、前記撮像素子(30)の検出信号に基づい
て、前記反射した光束の強度分布に関する信号波形を算
出する信号波形算出手段(44、S107)と、その信
号波形の1つまたは複数のピークを所定の位置でスライ
スするスライス手段(44、S107)を備え、前記ス
ライス手段(44、S107)によりスライスされた前
記ピーク毎における信号波形とスライス線との2交点間
の中点の位置を算出する中点算出手段(44、S10
7)を含むことを要旨としている。
【0027】ここで、前記周期パターンのピッチに応じ
て、複数の次数の回折光の強度分布が変化すると、その
変化に伴って前記パターンで反射した光束の強度分布が
変化し、複数の次数の回折光に基づく複数の像の相対位
置が変化する。この本願請求項5の発明によれば、前記
請求項3または請求項4に記載の発明の作用に加えて、
この反射した像の相対位置の変化を、前記信号波形の複
数のピークの相対位置の変化として捉えることができ
る。そして、この各ピークの相対位置の変化を、各ピー
クの所定位置でスライスしたときの中点位置を検出する
ことで、容易かつ正確に求めることができる。従って、
前記周期パターンのピッチを容易に計測することができ
る。
【0028】また、露光装置に係る本願請求項6の発明
は、マスク(R)のパターンを投影光学系(21)によ
り基板(W)に露光する露光装置において、請求項1〜
請求項5のうちいずれか一項に記載のパターン形成状態
検出装置(27)を備えたことを要旨としている。
【0029】この本願請求項6の発明においては、前記
請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のパター
ン形成装置を備えているため、投影光学系の結像位置の
検出及びマスク上のパターンピッチの設計値からのずれ
を、短時間で正確かつ容易に把握することができる。
【0030】また、本願請求項7の発明は、前記請求項
6に記載の発明において、前記パターン形成状態検出装
置(27)の検出結果に基づいて、前記投影光学系(2
1)の結像状態を調整することを要旨としている。
【0031】このため、本願請求項7の発明において
は、前記請求項6に記載の発明の作用に加えて、そのと
きの投影光学系の状態に応じて、正確な結像位置への合
わせ込み及びマスクパターン再描画の判断基準に使用で
きる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、マスクとして
のレチクルR上の回路パターンを投影光学系21を介し
て基板としてウェハW上に投影露光する際に使用される
パターン状態検出装置及び露光装置(ステッパ)に具体
化した一実施形態について図1〜図10に基づいて説明
する。
【0033】まず、ステッパの全体構成の概略について
説明する。図1に示すように、投影光学系21の上方に
は、その投影光学系21の光軸AXに直交するようにレ
チクルRが配置されている。一方、前記投影光学系21
の下方には、ウェハWを載置するためのウェハステージ
22が配置されている。レチクルRとウェハWとは、前
記投影光学系21に関して共役な位置に維持されてい
る。そして、前記レチクルR上に形成された回路パター
ンが、図示しない照明光学系によって照明され、前記投
影光学系21を介して、その投影光学系21の縮小倍率
に応じて、ウェハW上に縮小投影されるようになってい
る。
【0034】前記ウェハステージ22は、前記投影光学
系21の光軸AXに対して直交する平面上のX、Yの2
軸方向に移動可能なXYステージ23と、そのXYステ
ージ23上に配置され、前記光軸AXと平行なZ軸方法
に移動可能なZステージ24とを備えている。前記ウェ
ハWは、このZステージ23上に真空吸着により固定保
持されている。前記ウェハW上には、複数のショット領
域SAnが区画されている。その各ショット領域SAn
への投影露光が終了する毎に、前記XYステージが前記
投影光学系21の露光視野が次のショット領域Snに対
応するように歩進的に移動(ステッピング)して、投影
露光が繰り返し行われる。このように、本実施形態のス
テッパは、ステップ・アンド・リピート方式により露光
装置となっている。
【0035】次に、パターン形成状態検出装置27につ
いて説明する。パターン形成状態検出装置27は、照明
光学系28、集光光学系としての集光対物レンズ29、
検出装置として撮像素子30及び主制御系44を含んで
いる。
【0036】前記照明光学系28は、ウェハWの斜め上
方に配置され、ウェハW上に形成されたパターンを照明
するものである。この照明光学系28は、光源33、コ
ンデンサレンズ34、微小開口を有する絞り35、ミラ
ー36、第1リレーレンズ37、照明視野を制限する視
野絞り38、第2リレーレンズ39及び照射対物レンズ
40とからなっている。
【0037】この照明光学系28においては、前記光源
33の像は前記コンデンサレンズ34により前記絞り3
5上に形成され、その絞り35上に焦点を有する前記第
1リレーレンズ37によって平行光束が前記視野絞り3
8に供給される。なお、この間、前記ミラー36によ
り、光路方向が変更される。前記視野絞り38上には、
例えば矩形状の開口41が設けられており、前記平行光
束はこの開口41を通過することによりその断面形状が
矩形状に整形される。前記第2リレーレンズ39の後側
焦点と前記照射対物レンズ40の前側焦点とが一致する
ように両レンズ39、40が配置され、前記断面矩形状
に整形された平行光束が、斜め上方からウェハW上に供
給されるようになっている。
【0038】前記集光対物レンズ29は、前記照明光学
系28による照明に基づいて前記ウェハW上に形成され
たパターンで反射された光束を集光するためのものであ
る。この集光対物レンズ29は、前記結像面ISに対し
て前記照射対物レンズ40と対称となる位置に配置され
ている。
【0039】前記撮像素子30は、前記集光対物レンズ
29の瞳位置に配置され、前記集光対物レンズ29で集
光された前記反射された光束を前記集光光学系29の瞳
位置で検出するためのものである。そして、この撮像素
子30の受光面には、前記ウェハWの上面で反射された
前記絞り35の像が結像されるようになっている。この
受光面上に結像された反射像は、その撮像素子30内で
検出信号に光電変換される。なお、図2は、ウェハW上
の所定の領域が矩形状の視野絞り38の像により照明さ
れるとともに、その照明により生じる反射像を撮像素子
30により検出する様子を模式的に示したものである。
なお、この図2においては、第2リレーレンズ39及び
照射対物レンズ40を省略して示している。
【0040】主制御系44は、ステッパ全体を制御する
ものであり、特に本実施形態においてはウェハWに形成
されたパターンの評価をしている。その主制御系44に
は前記撮像素子30から検出信号が入力されるようにな
っている。主制御系44は、前記ウェハWの複数のショ
ット領域についての検出信号から、前記投影光学系21
の結像位置、つまり前記結像面ISの位置を検出する。
また、主制御系44は、前記ウェハW上のショット領域
のうち、特に周期性のあるL/Sパターン部分が照明さ
れたときの検出信号から、そのL/Sパターン部分の各
ライン間のピッチを検出するようになっている。すなわ
ち、主制御系44は、ウェハW上のパターンの形成状態
を評価する評価手段を構成している。
【0041】前記主制御系44は、前記結像面ISの位
置の検出結果に基づいて、その結像面ISとウェハWの
上面とを一致させるべく、駆動装置45に対して前記Z
ステージ24の高さ位置及び傾斜の変更するによう指令
する。これにより、ウェハWの結像位置への合わせ込み
を行うようになっている。
【0042】また、前記主制御系44は、前記各ライン
間のピッチの計測結果に基づいて、調整装置46に対し
て前記投影光学系21の内部状態を変更してディストー
ション等を調整すべく、投影光学系21内の各レンズ等
の光学素子間に介在される気体の温度及び圧力、各光学
素子の相対位置等を調整するよう指令する。これによ
り、前記投影光学系21の結像状態が調整されるように
なっている。なお、この調整装置46としては、例えば
特開平5−251299号公報に詳細に開示されてお
り、ここではその説明を省略する。
【0043】次に、前記パターン形成状態検出装置27
により、前記投影光学系21の結像位置を求める方法に
ついて説明する。まず、主制御系44は、駆動装置45
を介して仮想的な結像位置に対応するウェハWと前記投
影光学系21との間隔、つまりZステージ24の高さ位
置を仮定する。次いで、主制御系44は、図3に示すよ
うに、その仮想的な結像位置を中心として、各ショット
SA1〜SA15毎にZステージ24の高さ位置を所定
量、例えば0.2μmずつ変更し、レチクルR上のデバ
イスパターンを投影露光する。この図3においては、前
記Zステージ24をショット領域SA8を前記仮想的な
結像位置とし、ショット領域SA1〜SA7ではウェハ
Wと投影光学系21とが離間する方向に、ショット領域
SA9〜SA15ではウェハWと投影光学系21とが近
接する方向に、それぞれ0.2μmずつ移動させて、投
影露光を行う例を示している。
【0044】前記投影露光によりパターンの潜像が形成
されたウェハWを、図示しないデベロッパに導入し、パ
ターンの現像を行う。主制御系44は、パターンの現像
が行われたウェハWがZステージ24に載置された後
に、各ショット領域SA1〜SA15毎に、そのパター
ン表面を前記照明光学系28を用いて照明し、各パター
ンにおける絞り35の投影像の反射像を前記撮像素子3
0にて検出させる。
【0045】ここで、ウェハWの高さ位置が前記投影光
学系21の結像面ISに一致している状態、すなわちベ
スト・フォーカス位置にある状態で投影露光を行った場
合には、図4に示すようにパターン49aの各ライン5
0aは、その断面がほぼ矩形状をなすように形成され
る。つまり、各ライン50aの上面の両側縁のエッジ部
分51aがほぼ直角に形成される。このようなパターン
49aを前記照明光学系28により斜め方向から照明し
たとき、前記エッジ部分51aにおける散乱光の発生は
ごくわずかである。このため、そのパターン49aから
の反射光を前記集光対物レンズ29を介して撮像素子3
0で検出すると、図5(a)に示すようにその受光面に
は前記絞り35の投影像がほぼそのままの状態で結像さ
れる。
【0046】このときの撮像素子30の受光面での検出
像を光電変換すると、図5(b)に示すような矩形状の
ピークを有する光強度分布に関する信号波形が得られ
る。この信号波形のピークをそのベースラインから所定
の高さ位置でスライスし、そのスライス線と信号波形と
の2交点間の距離を計測して得られたピーク幅は最小の
値となる。
【0047】なお、これらの前記信号波形の算出からピ
ーク幅の算出に至るまでの処理は、いずれも主制御系4
4内で実行されるものである。一方、ウェハWの高さ位
置が前記投影光学系21の結像面ISからずれている状
態、例えばウェハWと投影光学系21とが近接する方向
にデフォーカス(+デフォーカス)している場合には、
図6(a)及び(b)に示すように、パターン49bの
各ライン50bの上面の両側縁のエッジ部分51bが曲
面状に形成される。この曲面状のエッジ部分51bはデ
フォーカスの度合いが大きくなるに従って大きくなり、
逆にデフォーカスの度合いが小さくなるに従って小さく
なる。一方、ウェハWと投影光学系21とが離間する方
向にデフォーカス(−デフォーカス)している場合に
は、図6(c)及び(d)に示すように、パターン49
bの各ライン50bの下面の両側縁のエッジ部分51
b’が曲面状に形成される。
【0048】このようなパターン49bを前記照明光学
系28により斜め方向から照明したときには、前記エッ
ジ部分51bにおいて散乱光が発生し、その散乱光の強
度は前記デフォーカスの度合いに応じて変化する。すな
わち、前記デフォーカスの度合いが大きくなるに従って
散乱光の強度が増大し、デフォーカスの度合いが小さく
なるに従って散乱光の強度が小さくなる。
【0049】このため、そのパターン49bからの反射
光を前記集光対物レンズ29を介して撮像素子30で検
出すると、図7(a)に示すようにその受光面には前記
絞り35の投影像とほぼ同様の像と、その像を取り囲む
ように散乱光の像が形成される。このとき、この散乱光
の像の幅は、前記散乱光の強度に応じて増減される。
【0050】このときの撮像素子30の受光面での検出
像を光電変換すると、図7(b)に示すような台形状の
ピークを有する光強度分布に関する信号波形が得られ
る。次いで、この信号波形のピークをそのベースライン
から所定の高さ位置でスライスし、そのスライス線と信
号波形との2交点間の距離を計測してピーク幅を求め
る。この場合のピーク幅は、前記デフォーカスの度合い
が進むにつれて大きくなる。
【0051】そして、図8に示すように、前記Zステー
ジ24の高さ位置を横軸とするとともに、前記信号波形
のピーク幅を縦軸とした座標系に、ウェハWの各ショッ
ト領域SA1〜SA15におけるピーク幅の測定結果を
プロットする。このプロット結果から、二次関数の近似
曲線を求め、その近似曲線の極小値に対応するZステー
ジ24の高さ位置を投影光学系21の結像位置として算
出する。
【0052】なお、図8の例は、前記仮想的な結像位置
が前述のように算出された結像位置と一致している場合
を示している。ここで、前記仮想的な結像位置と、前記
算出された結像位置とが一致しない場合には、その算出
された結像位置に対して前記Zステージ24を移動させ
て、前記投影光学系21の結像面ISへの合わせ込みを
行う。このZステージ24の移動により、主制御系44
は投影光学系の結像状態を調整している。
【0053】次に、前記パターン形成状態検出装置27
による、周期パターンの各ライン間のピッチ(間隔)を
計測する方法について説明する。例えばレチクルR上の
デバイスパターンを投影露光後、主制御系44は、現像
したパターン内の周期性のあるL/Sパターン部分を、
前記照明光学系28により照明させる。この照明によ
り、前記L/Sパターン部分を構成する各ライン間のピ
ッチに応じて、複数の次数の回折光が発生する。主制御
系44は、この回折光を含む前記パターンからの前記絞
り35の投影像の反射像を前記撮像素子30にて検出さ
せる。
【0054】ここで、前記複数の次数の回折光として0
次光及び±1次光である場合には、前記撮像素子30の
受光面に、図9(a)に示すように3つの前記絞り35
に対応する像が結像される。この3つの像は、それぞ
れ、0次光に対向する中央の像が最も光強度が大きく、
±1次光に対応する両側の像は前記中央の像に比べて若
干光強度の小さなものとなる。
【0055】このときの撮像素子30の受光面での検出
像を光電変換すると、図9(b)に示すような3つのほ
ぼ矩形状のピークを有する光強度分布に関する信号波形
が得られる。この信号波形のピークを、そのベースライ
ンから所定の高さ位置でスライスし、そのスライス線と
信号波形との2交点間の中点の位置を算出する。次い
で、隣接する2つの中点間の距離を算出し、前記L/S
パターン部分を構成する各ライン間のピッチを求める。
【0056】そして、このように求められた各ライン間
のピッチと、主制御部44内に予め格納された各ライン
間のピッチの設計値または同ピッチの前回の測定値とを
比較する。この比較において、一致が見られない場合に
は、レチクルR上のパターンが設計値通りのピッチで描
画されていないと判断して、レチクルRの作り直しを行
う。
【0057】なお、これらの前記信号波形の算出から前
記2つのピッチの値の比較に至るまでの処理は、いずれ
も主制御系44内で実行されるものである。以上で説明
した主制御系44による前記投影光学系21の結像位置
の検出と周期パターンのピッチ計測との実使用時におけ
るシーケンスの一例について、図10のフローチャート
に基づいて説明する。このシーケンスは、例えば主制御
系44に予め格納されたプログラムに基づいて、主制御
系44の制御のもとに実行される。
【0058】Zステージ24にウェハWが載置される
と、オペレータの設定指示に基づいて、投影光学系21
の結像位置の検出を行うか否かが判断される(S10
1)。このS101において、結像位置の検出を行うと
判断されたときには、S102に移行して、所定の合わ
せ込み位置、つまりZステージ24の高さ位置で露光し
たショット領域SAnについて、パターン形成状態検出
装置27を作動させる。これにより、撮像素子30にお
いて、絞り35の投影像のパターンからの反射像の検出
を行い、その検出信号から信号波形を算出する。次い
で、その信号波形のピークを所定の高さ位置でスライス
し、そのスライス線と前記信号波形との2交点間の距離
を算出することで、信号波形のピーク幅を求める(S1
02)。
【0059】次に、S103にて、設定された全ての計
測点、つまり前記所定の合わせ込み位置で露光した全て
のショット領域SAnについて、前記ピーク幅の算出が
実行されたか否かが判断される(S103)。ここで、
全てのショット領域SAnについて、前記算出動作が実
行されていないと判断された場合には、S102に戻っ
て、前記算出動作が全てのショット領域SAnについて
終了するまで繰り返される。
【0060】そして、前記算出動作が全てのショット領
域SAnについて終了すると、全計測データ、つまり全
てのショット領域SAnに関する前記ピーク幅から、近
似曲線を求めて、その極小値に対応するZステージ24
の高さ位置を最適結像位置とする(S104)。そし
て、結像位置の検出結果をステッパ本体に装備されたデ
ィスプレイ等に表示するとともに、同結果を主制御系4
4内に格納する(S105)。
【0061】前記S101において、結像位置の検出を
行わないと判断されたときには、S102〜S105の
処理を迂回し、直ちに次のS106に移行する。次に、
オペレータの設定指示に基づいて、L/Sパターンのピ
ッチ計測を行うか否かが判断される(S106)。この
S106において、前記ピッチ計測を行うと判断された
ときには、S107に移行して、所定の合わせ込み位置
で露光したあるショット領域SAn、または、前記S1
04にて求めた最適結像位置に最も近い合わせ込み位置
のショット領域SAnのL/Sパターン部分について、
パターン形成状態検出装置27を作動させる。これによ
り、撮像素子30において、絞り35の投影像のパター
ンからの反射像の検出を行い、その検出信号から信号波
形を算出する。次いで、その信号波形の各回折光に対応
するピークを所定の高さ位置でスライスし、各ピーク毎
にそのスライス線と前記信号波形との2交点の中点の位
置を求める(S107)。
【0062】そして、その中点の位置から各ピーク間の
距離を算出し(S108)、そのピーク間の距離を主制
御系44に予め格納された回路パターンの設計データを
用いて、ウェハW上の各ラインの間のピッチに換算する
(S109)。そして、ピッチ計測結果をステッパ本体
に装備されたディスプレイ等に表示するとともに、同結
果を主制御系44内に格納し(S110)、処理を終了
する。
【0063】前記S106において、ピッチ計測を行わ
ないと判断されたときには、S107〜S110の処理
を迂回し、直ちに処理を終了する。以上のように構成さ
れたこの実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0064】(a) 本実施形態のステッパにおいて
は、それぞれ異なる合わせ込み位置にて露光した複数の
ショット領域SA1〜SA15のパターン49a、49
bを、視野絞り38で断面形状を矩形状に整形した平行
光で照明し、その照明に基づくパターン49a、49b
からの反射光を撮像素子30にて検出している。この反
射光は、前記パターン49a、49bの各ライン50
a、50bの上面のエッジ部分51a、51bから発生
する散乱光を含み、この散乱光はデフォーカスの度合い
に応じてその強度が変化する。そして、このステッパに
おいては、前記撮像素子30での検出結果から求めら
れ、散乱光の強度変化に対応して変化する光強度分布波
形のピーク幅から投影光学系21の結像位置を求めるよ
うになっている。
【0065】このため、前記投影光学系21の結像位置
の検出を、前記パターン49a、49bの線幅のSEM
での直接観察によることなく、自動化することができ
る。これにより、現像後のパターンに金属等の導電性膜
を形成したり、オペレータが直接1ショット領域ずつ観
察したりする必要がなく、結像位置の検出を短時間で容
易かつ正確に行うことができる。
【0066】また、パターン49a、49bの線幅を直
接計測することがないため、近年の線幅制御性の改善さ
れたフォトレジストを使用してパターン49a、49b
の形成を行う場合であっても、容易かつ正確に前記結像
位置の検出を行うことができる。
【0067】さらに、結像位置の位置の検出には、製品
製造に供されるデバイスパターンに頻繁に出現する、例
えばL/Sパターン等を用いればよく、レチクルR上に
特別のパターンを形成しておく必要もない。しかも、通
常の製品ウェハの露光工程中においても、容易にステッ
パの合わせ込み動作が正常に行われているかどうかを確
認することができる。
【0068】(b) 本実施形態のステッパにおいて
は、所定の合わせ込み位置にて露光したショット領域S
A1〜SA15のパターン49a、49bのL/Sパタ
ーン部分を、視野絞り38で断面形状を矩形状に整形し
た平行光で照明し、その照明に基づくパターン49a、
49bからの反射光を撮像素子30にて検出している。
この反射光は、周期性のある前記L/Sパターン部分か
ら発生する複数の次数の回折光を含み、この回折光に基
づいて前記撮像素子30で検出される複数の検出像の間
隔は前記L/Sパターンの各ライン50a、50b間の
ピッチに依存する。そして、このステッパにおいては、
この複数の検出像の検出結果から求められる光強度分布
波形のピークの間隔からL/Sパターンのピッチを計測
するようになっている。
【0069】このため、前記L/Sパターンのピッチ計
測を、前記パターン49a、49bのSEMでの直接観
察によることなく、自動化することができる。これによ
り、現像後のパターンに金属等の導電性膜を形成した
り、オペレータが直接観察したりする必要がなく、周期
パターンのピッチ計測を短時間で容易かつ正確に行うこ
とができる。従って、その周期パターンのピッチ計測の
結果と設計上のピッチと比較することで、確実かつ容易
に、レチクルR上のパターンピッチの設計値からのずれ
を把握することができる。
【0070】また、前記ピッチ計測には、製品製造に供
されるデバイスパターンに頻繁に出現するL/Sパター
ンを用いればよい。従って、通常の製品ウェハの露光工
程中においても、容易に正確なパターンの投影露光動作
が行われているかどうかを確認することができる。
【0071】(c) 本実施形態のステッパにおいて
は、前記パターン形成状態検出装置27において、前記
パターン49a、49bからの反射光を空間像として撮
像素子30を用いて検出している。このため、前記反射
光に含まれる散乱光あるいは回折光の光強度分布を容易
に電気的な信号波形に変換することができる。前記散乱
光の強度分布、及び、前記複数の次数の回折光に基づく
像の相対位置の検出を容易かつ確実に行うことができ
る。
【0072】(d) 本実施形態のステッパにおいて
は、パターン形成状態検出装置27による最適結像位置
の検出結果に基づいて、Zステージ24の最適結像位置
への合わせ込みが行われるようになっている。また、同
パターン形成状態検出装置27による周期パターンのピ
ッチ計測結果に基づいて、レチクルR上のパターンピッ
チの設計値からのずれが判定できるようになっている。
従って、そのときの投影光学系21の状態に応じて、正
確な結像位置への合わせ込みを行うことができる。ま
た、レチクルRの描画誤差の程度を判定でき、レチクル
再描画の判断基準に使用できる。
【0073】(e) 本実施形態のステッパにおいて
は、撮像素子30の検出信号に基づく信号波形のピーク
を所定の高さ位置でスライスし、前記信号波形とスライ
ス線との2交点間の距離からピーク幅を算出している。
【0074】ここで、前記パターン49bのデフォーカ
ス状態に応じて散乱光の強度分布が変化すると、その変
化に伴って前記パターン49bからの反射光の強度分布
が変化する。この反射光の強度分布の変化は、前記の通
り撮像素子30の検出信号に基づいて得られる光強度分
布の信号波形の形状変化として捉えることができる。そ
して、この信号波形の形状変化は、各ピークをその所定
位置でスライスしたときの幅を検出することで、容易か
つ正確に数値化することができる。従って、前記パター
ン49bのデフォーカス状態を容易に数値化することが
できる。
【0075】(f) 本実施形態のステッパにおいて
は、撮像素子30の検出信号に基づく、パターン49
a、49bからの反射光の強度分布に関する信号波形を
算出するし、その信号波形のピークを所定の位置でスラ
イスし、各ピーク毎の信号波形とスライス線との2交点
間の中点の位置を算出している。
【0076】ここで、周期パターンのピッチに応じて、
前記反射光に含まれる複数の次数の回折光の相対位置が
変化すると、その変化に伴って前記信号波形における各
ピークの相対位置が変化する。この各ピークの相対位置
の変化は、各ピークの所定位置でスライスしたときの中
点位置を検出することで、容易かつ正確に求めることが
できる。従って、前記周期パターンのピッチを容易に計
測することができる。
【0077】(g) 本実施形態のステッパにおいて
は、前記照明光学系28は、前記パターン49a、49
bを斜め方向から照明している。このため、前記パター
ン49bのエッジ部分で発生する散乱光を精度よく検出
することができる。
【0078】(変更例)前記実施形態は、以下のように
変更することもできる。 ・ 製品ウェハの連続露光中にステッパの動作状態を確
認するような場合には、全ショット領域SAnとも同一
の合わせ込み位置で露光を行った製品ウェハWを再度ス
テッパにロードして、パターンの形成状態の検出を行っ
てもよい。この場合、同一ロット内の製品ウェハWの品
質を容易に管理することができる。
【0079】・ 前記撮像素子30において検出された
反射光の光強度分布に関する信号波形をスライスする際
に、複数の高さ位置で前記信号波形をスライスし、複数
のピーク幅を求め、それらの値をそのまま、あるいは、
異常値を除いて平均し、その平均値を近似曲線の算出に
用いてもよい。このようにした場合、より正確な近似曲
線を得ることができて、より正確な結像位置の検出を行
うことができる。
【0080】・ 前記視野絞り38の開口41を前記実
施形態に記載された矩形状以外の、例えば円形状あるい
は多角形状に変更してもよい。 ・ また、前記実施形態においては、ステップ・アンド
・リピート方式のステッパに具体化したが、本発明はレ
チクルRとウェハWとを同期移動してレチクルRのパタ
ーンをウェハWに露光するステップ・アンド・スキャン
方式の露光装置に具体化してもよい。
【0081】・ また、前記実施形態においては、デバ
イス・パターンを用いて結像位置の検出または周期パタ
ーンのピッチ計測のためのパターン形成を行ったが、ス
テッパの動作状態検査用のテスト・レチクル・パターン
を用いて行ってもよい。
【0082】・ また、前記パターン形成状態検出装置
27を、露光機能を持たない、例えばウェハ検査装置等
に適用してもよい。この場合には、投影光学系21が存
在しないため、照明光学系28、集光対物レンズ29及
び撮像素子30を検査対象のウェハWのほぼ上方に配置
してもよい。
【0083】・ また、前記実施形態においては、半導
体素子製造用のステッパに具体化したが、液晶表示素
子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等製造用の露光装置に具
体化してもよい。
【0084】これらのように構成しても、前記実施形態
と同様の効果を得ることができる。なお、前記実施形態
からは、以下に記載の技術的思想をも抽出することがで
きる。
【0085】(1) 前記評価手段は、前記中点算出手
段において前記パターンに対応する複数の信号波形から
算出された前記2交点と中点とから二次関数によりなる
近似曲線を求め、その近似曲線の変曲点を最適結像位置
と決定する結像位置決定手段を含む請求項5に記載のパ
ターン形成状態検出装置。
【0086】このように構成した場合、最適結像位置を
正確に検出することができる。 (2) 前記評価手段は、前記中点算出手段により算出
された各ピークの中点間の距離を算出する中点間距離算
出手段を含む請求項5又は前記(1)に記載のパターン
形成状態検出装置。
【0087】このように構成した場合、各ピークの中点
間の距離は周期パターンのピッチに対応しており、同ピ
ッチを容易を求めることができる。 (3) 前記照明光学系は、前記パターンを斜め方向か
ら照明する請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記
載のパターン形成状態検出装置。
【0088】このように構成した場合、前記パターンの
エッジ部分で発生する散乱光を精度よく検出することが
できる。 (4) 請求項1〜請求項5、前記(1)〜(3)のい
ずれか一項に記載のパターン形成状態検出装置の検出方
法において、基板上に所定の条件で形成されたパターン
を照明し、その照明に伴い前記パターンで反射した光束
を集光し、前記反射した光束を集光光学系の瞳位置で検
出装置により検出し、前記検出装置で検出された前記反
射した光束に含まれる散乱光の強度に基づいて前記パタ
ーンの形成状態を評価する検出方法。
【0089】このように構成しても、前記請求項1の発
明とほぼ同様の効果を得ることができる。 (5) 請求項1〜請求項5、前記(1)〜(3)のい
ずれか一項に記載のパターン形成状態検出装置の検出方
法において、基板上の周期性のある周期パターンを照明
し、その照明に伴い前記周期パターンで反射した光束を
集光し、前記反射した光束を集光光学系の瞳位置で検出
装置により検出し、前記検出装置で検出された前記反射
した光束に含まれる複数の次数の回折光に基づいて前記
パターンの形成状態を評価する検出方法。
【0090】このように構成しても、前記請求項2の発
明とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0091】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば
以下の優れた効果を奏する。請求項1の発明によれば、
現像後のパターンに後処理を施したり、オペレータが直
接SEM観察したりする必要がない。従って、パターン
の形成状態、特にデフォーカス状態の検出を、短時間で
容易にかつ精度よく行うことができる。また、優れた線
幅制御性を有するフォトレジストを用いたパターンであ
っても、パターンの前記デフォーカス状態の検出を、精
度よく行うことができる。
【0092】請求項2の発明によれば、周期パターンの
形成状態、特にピッチの計測を短時間で、容易かつ正確
に行うことができる。請求項3の発明によれば、前記請
求項1または請求項2の発明の効果に加えて、散乱光の
強度分布及び複数の次数の回折光に基づく像の相対位置
の検出を容易かつ確実に行うことができる。
【0093】請求項4の発明によれば、前記請求項3の
発明の効果に加えて、パターンのデフォーカス状態を容
易に数値化することができ、そのデータに基づいてより
正確な最適結像位置の検出を行うことができる。
【0094】請求項5の発明によれば、前記請求項3ま
たは請求項4の発明の効果に加えて、撮像素子で得られ
た反射光の信号波形から、その各ピークの相対位置の変
化を容易かつ正確に求めることができる。従って、前記
周期パターンのピッチを容易に計測することができる。
【0095】請求項6の発明によれば、投影光学系の結
像位置の検出及びマスク上のパターンピッチの設計値か
らのずれを、短時間で正確かつ容易に把握することがで
きる。
【0096】請求項7の発明によれば、前記請求項6の
発明の効果に加えて、そのときの投影光学系の状態に応
じて、正確な結像位置への合わせ込みを行うことができ
る。また、マスクパターンの再描画の判断基準に使用で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の露光装置の一実施形態をパターン形
成状態検出装置を中心に示す構成図。
【図2】 パターン形成状態検出装置の概略を示す斜視
図。
【図3】 結像位置検出時におけるウェハの各ショット
領域の合わせ込み位置に関する説明図。
【図4】 最適結像位置で露光したパターンの断面図。
【図5】 (a)は撮像素子の受光面における図4のパ
ターンからの反射光の結像状態を示す説明図、(b)は
(a)の光強度分布に関する信号波形を示す説明図。
【図6】 デフォーカス位置で露光したパターンの断面
図。
【図7】 (a)は撮像素子の受光面における図6のパ
ターンからの反射光の結像状態を示す説明図、(b)は
(a)の光強度分布に関する信号波形を示す説明図。
【図8】 最適結像位置を求めるための近似曲線を示す
説明図。
【図9】 (a)は撮像素子の受光面における周期パタ
ーンからの反射光の結像状態を示す説明図、(b)は
(a)の光強度分布に関する信号波形を示す説明図。
【図10】 結像位置の検出及びピッチ計測のシーケン
スに関するフローチャート。
【符号の説明】 21…投影光学系、28…照明光学系、29…集光対物
レンズ、30…撮像素子、44…主制御系、49a、4
9b…パターン、R…レチクル、W…ウェハ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に所定の条件で形成されたパター
    ンを照明する照明光学系と、 前記パターンで反射した光束を集光する集光光学系と、 前記反射した光束を前記集光光学系の瞳位置で検出する
    検出装置と、 前記検出装置の検出結果に基づいて前記パターンの形成
    状態を評価する評価手段とを備え、 前記評価手段は、前記反射した光束に含まれる散乱光の
    強度に基づいて、前記パターンの形成状態を評価するパ
    ターン形成状態検出装置。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された周期性のある周期パ
    ターンを照明する照明光学系と、 前記周期パターンで反射した光束を集光する集光光学系
    と、 前記反射した光束を前記集光光学系の瞳位置で検出する
    検出装置と、 前記検出装置の検出結果に基づいて前記周期パターンの
    形成状態を評価する評価手段とを備え、 前記評価手段は、前記反射した光束に含まれる前記周期
    パターンからの複数の次数の回折光に基づいて、前記周
    期パターンの形成状態を評価するパターン形成状態検出
    装置。
  3. 【請求項3】 前記検出装置が撮像素子を有してなる請
    求項1または請求項2に記載のパターン形成状態検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記評価手段は、前記撮像素子の検出信
    号に基づいて、前記反射した光束の強度分布に関する信
    号波形を算出する信号波形算出手段と、その信号波形の
    1つまたは複数のピークを所定の位置でスライスするス
    ライス手段を備え、前記スライス手段によりスライスさ
    れた前記ピーク毎における信号波形とスライス線との2
    交点間の距離を算出するピーク幅算出手段を含む請求項
    3に記載のパターン形成状態検出装置。
  5. 【請求項5】 前記評価手段は、前記撮像素子の検出信
    号に基づいて、前記反射した光束の強度分布に関する信
    号波形を算出する信号波形算出手段と、その信号波形の
    1つまたは複数のピークを所定の位置でスライスするス
    ライス手段を備え、前記スライス手段によりスライスさ
    れた前記ピーク毎における信号波形とスライス線との2
    交点間の中点の位置を算出する中点算出手段を含む請求
    項3又は請求項4に記載のパターン形成状態検出装置。
  6. 【請求項6】 マスクのパターンを投影光学系により基
    板に露光する露光装置において、 請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のパター
    ン形成状態検出装置を備えた露光装置。
  7. 【請求項7】 前記パターン形成状態検出装置の検出結
    果に基づいて、前記投影光学系の結像状態を調整する請
    求項6に記載の露光装置。
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