JPH11270967A - 連続乾燥装置 - Google Patents

連続乾燥装置

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JPH11270967A
JPH11270967A JP29170398A JP29170398A JPH11270967A JP H11270967 A JPH11270967 A JP H11270967A JP 29170398 A JP29170398 A JP 29170398A JP 29170398 A JP29170398 A JP 29170398A JP H11270967 A JPH11270967 A JP H11270967A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレーク状又は粒状固形物を移送中に周囲気
体と十分に接触させ、かつ移送速度を自由に調節しうる
連続乾燥装置を提供する。またこれにより、風味と保存
性の良い乾燥食品を効率良く製造しうる連続乾燥装置を
提供する。 【解決手段】 被乾燥物の供給・排出手段と加熱・乾燥
手段を有する横置きの半円筒状の乾燥機本体と、その軸
上に配された回転速度可変な回転軸と、支柱を介して回
転軸に取り付けられたコイル状の送り具と、該送り具の
コイルの外周に沿ってコイルピッチ間を架橋するによう
にコイル又は回転軸に取り付けられた多数の棒状又はブ
レード状の攪拌部材とを有し、該攪拌部材のコイルに対
する傾斜角をコイルの軸方向に対する傾斜角より大きく
して、被乾燥物に後退運動を与えるようにした連続乾燥
装置。また、攪拌部材の傾斜角を可変にした上記の乾燥
装置。さらに、遠赤外線ヒーター又は/及び通風しつつ
減圧する手段を有する上記の乾燥装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレーク状又は粒
状固形物の連続乾燥装置に関し、とくにスライスした野
菜、果実類やお茶の葉等のフレーク状の食品や豆類、穀
類等の粒状の食品を効率良く乾燥するための連続乾燥装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】粉粒体を攪拌しつつ移送し、効率良くそ
の乾燥を行なう手段として、種々の形式の横置きのドラ
ムミキサーを用いた連続乾燥装置が、従来から数多く提
案されている。図10は、従来のドラムミキサーの代表
例を示す断面概要図で、図10(a)はスクリューミキサ
ーの例を、図10(b)はパドルミキサーの例を示す。
【0003】スクリューミキサーは、図10(a)に示す
ように、横置きした円筒状容器30の軸心部に回転軸3
1を設置し、この回転軸にらせん状のリボンスクリュー
32を取り付けて、このスクリューにより固形物を攪拌
しかつ一方向に移送するものである。また、パドルミキ
サーは、図10(b)に示すように、リボンスクリューに
替えて、回転軸31に対して一定方向に傾斜した多数の
攪拌翼(パドル)33を取り付けたものである。
【0004】いずれの場合も、円筒状容器30内に熱風
を流通させ、又は円筒状容器30をその外部から加熱し
て、スクリュー32又はパドル33により被乾燥物を容
器の一端から他端へ移送する間に、その乾燥を行うもの
である。しかし、スクリューミキサーやパドルミキサー
を用いた連続乾燥装置は、攪拌を強化しようとして回転
軸の回転速度を大きくすると、被乾燥物の移送速度も大
きくなる。そのため、強攪拌しかつ被乾燥物の円筒状容
器内の滞留時間すなわち乾燥時間を自由に制御すること
が難しいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】風味のよい乾燥食品を
得るためには、適正な温度でその乾燥を行なうことが必
要である。一般的には、できるだけ室温に近い温度で緩
やかに乾燥することが望ましい。乾燥中の食品が比較的
高い温度、例えば50℃以上になると、酵素の働きが活
溌になり、食品中の有用成分や香りの成分が酸化された
り、分解し易くなったりする。また、乾燥温度が高い
と、乾燥ムラや過乾燥の部分が生じ、食品が変色した
り、その食感(歯ざわり)が悪くなったりする。
【0006】しかし、乾燥温度が室温に近い低い温度、
例えば40℃以下の場合には、乾燥速度が著しく低下す
るため、できるだけ被乾燥物と周囲の空気との接触を良
くして、乾燥速度を大きくすることが必要になる。
【0007】また、野菜、果実、魚類等の乾燥において
は、乾燥後の食品中の残留水分量を適正に調節する必要
がある。過度に乾燥すると食品の風味が低下し、乾燥不
足では長期間の保存が難しくなる。したがって、残留水
分量を狭い範囲に調節する必要があり、そのためには乾
燥時間を精度良く制御することが重要になる。前述した
ように、従来のドラムミキサーでは、固形物の攪拌を強
化しかつその移送速度を自由に調節するという二つの目
的を両立させることが難しいという問題があった。
【0008】そこで本発明は、フレーク状又は粒状固形
物を連続的に乾燥するに際して、被乾燥物の移送速度を
大きくすることなくその攪拌を強化しうる手段を提供
し、これにより、被乾燥物と周囲気体との接触を良くし
て、その乾燥速度を大幅に増大し得る乾燥手段を提供す
ることを目的とする。
【0009】また本発明は、このような強攪拌の条件下
においても、被乾燥物の移送速度を任意に制御し、乾燥
室内の滞留時間すなわち乾燥時間を所要の値に調節しう
る手段を提供することを目的とする。
【0010】さらに本発明は、上記のような攪拌手段と
適切な加熱手段とを組み合わせることにより、フレーク
状又は粒状の食品を低い乾燥温度で効率良くかつ均一に
乾燥して、保存性に富みかつ風味のよい乾燥食品を得る
手段を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明は、 (1)フレーク状又は粒状固形物の連続乾燥装置であっ
て、その一端に被乾燥物を供給する手段と他端にこれを
排出する手段とを有し、底部内面の形状が半円筒形で略
水平に設置された乾燥機本体と、該乾燥機本体内の被乾
燥物を加熱する手段又は/及び乾燥機本体内に乾燥用気
体を供給する手段と、該乾燥機本体の底部半円筒の軸上
に配され、回転速度可変な駆動装置により回転駆動され
る回転軸と、その外径が前記乾燥機本体の底部半円筒の
径よりやや小さい円筒形のコイルからなり、支柱を介し
て前記回転軸に取り付けられてその回転により被乾燥物
を移送するコイル状の送り具と、該送り具のコイルの外
周に沿ってコイルピッチ間を架橋するような位置に配置
され、前記コイル又は前記回転軸に取り付けられた多数
の棒状又はブレード状の攪拌部材とを有し、該攪拌部材
のコイルに対する傾斜角がコイルの軸方向に対する傾斜
角より大きくなるように攪拌部材をコイル又は回転軸に
取り付けて、該攪拌部材により被乾燥物に後退運動を与
えるように構成したことを特徴とする連続乾燥装置であ
る。
【0012】(2)上記の連続乾燥装置において、前記攪
拌部材の傾斜角が可変になるような固定手段を用いて、
攪拌部材をコイル又は回転軸に取り付けて、該傾斜角を
変更することにより被乾燥物の移送速度を変更可能にし
たことを特徴とする連続乾燥装置である。
【0013】(3)フレーク状又は粒状の食品を乾燥する
ための連続乾燥装置であって、前記乾燥機本体の天井面
のほぼ全面を覆うように遠赤外線放射体とその背部に加
熱源とを配し、該遠赤外線放射体からの輻射熱により被
乾燥食品を加熱することを特徴とする上記第(1)項1又
は第(2)項記載の連続乾燥装置である。
【0014】(4)フレーク状又は粒状の食品を乾燥する
ための連続乾燥装置であって、前記乾燥機本体を気密に
形成し、乾燥用空気を該乾燥機本体内に供給する給気手
段とその内部の空気を排出する排気手段とを配し、給気
量および排気量を調節することにより、該乾燥機本体内
の圧力を大気圧以下に維持しうるようにしたことを特徴
とする上記第(1)項から第(3)項までのいずれかに記載
の連続乾燥装置である。
【0015】本発明の構成において、被乾燥物は前記送
り具により前進運動を与えられるとともに、前記攪拌部
材により、乾燥機本体の内壁面に沿って掻き上げられ
る。攪拌部材のコイルに対する傾斜角がコイルの軸方向
に対する傾斜角よりも大きいため、本体の内壁面に沿っ
て上昇する攪拌部材は、被乾燥物の前進方向と逆の方向
に傾斜している。そのため、攪拌部材によって掻き上げ
られた被乾燥物は、攪拌部材の上面に沿って流下し、後
退運動が与えられる。
【0016】本発明の連続乾燥装置においては、被乾燥
物は上記のように前進ー掻き上げー後退という運動を繰
り返し、この循環運動の際に、周囲の乾燥用気体と十分
に接触する。また、攪拌部材により後退運動するため、
回転軸の回転速度を大きくしても、被乾燥物の平均移送
速度はあまり大きくならない。
【0017】また、上記第(2)項の構成において、攪拌
部材のコイルに対する傾斜角を大きくすれば、被乾燥物
の後退速度が大きくなる。したがって、攪拌部材の傾斜
角を変更可能にすることにより、被乾燥物の平均移送速
度を任意に調節しうる。
【0018】上記第(3)項及び第(4)項の本発明は、フ
レーク状又は粒状の食品の乾燥に適した連続乾燥装置を
提供するものである。上記第(3)項の構成において、被
乾燥食品は、その表面全体を遠赤外線により均一かつ緩
やかに輻射加熱される。フレーク状又は粒状の固形物は
その比表面積が大きく、かつ周囲の気体と十分に接触す
るため、乾燥温度が比較的低くても、乾燥速度をかなり
大きくすることができる。このような遠赤外線による加
熱方式によれば、食品の乾燥ムラを少くし、かつ有用成
分や香りの成分の分解を抑制して、風味のよい乾燥食品
を得ることができる。
【0019】また、上記第(4)項の構成によれば、乾燥
機本体内には外部の新鮮な空気が常に供給され、かつ本
体内が減圧に保たれるため、本体内の空気の水蒸気分圧
が低くなり、これにより乾燥速度をさらに大きくするこ
とができる。乾燥機本体内の雰囲気圧力を、大気圧より
10mb(ミリバール)以上低い減圧状態に維持すれ
ば、十分に乾燥速度を大きくする効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、実施例の図面に基いて本発
明を詳細に説明する。図1は本発明の実施例である連続
乾燥装置の内部構造を説明するための斜視概要図、図2
(a)は同じ装置の正面概要図、図2(b)は側面概要図で
ある。
【0021】横長の乾燥機本体1(以下、単に本体1と
いう)は下部の内面形状が半円筒状で、略水平に設置さ
れている。この本体1内に配された回転軸2に、コイル
状の(ソレノイド状の)送り具3が支柱4により取付け
られている。回転軸2は軸受5により支持され、その軸
心が半円筒状の本体1の中心軸(断面下部円弧の中心を
結ぶ線)と略一致するように取付けられている。また、
回転軸2は変速機6を介してモーター7により回転駆動
される。
【0022】送り具3のコイルの外径rは、本体1の底
部円弧の内径Rよりやや小さくし、かつ支柱4の高さは
一定とする。これにより、送り具3のコイル外面と本体
1の内壁面の間は、一定の間隔(R−r)となり、送り
具3による被乾燥物の送りがスムーズに行われる。図1
及び2の例では、軸受5は本体1の両端に設けた仕切り
板8a、8bに取付けられているが、軸受5の取付け位
置は、本図の例に限られない。
【0023】本体1の一端の上部には被乾燥物の供給ホ
ッパー9が、他端には排出口10が設けられている。ま
た、図示していないが、本体1には被乾燥物を加熱する
手段又は/及び乾燥用気体を供給する手段が配設されて
おり、本体1を乾燥室として用いて、その内部を通過す
る被乾燥物を連続的に乾燥する。
【0024】図3は、図1の実施例におけるコイル状の
送り具3の部分拡大図である。支柱4により回転軸2に
取付けられた送り具3には、複数の棒状の攪拌部材11
が固定具12により固定されている。攪拌部材11は、
コイル外周に沿って、コイルピッチ間を架橋するように
配置されている。本図の例においては、攪拌部材11の
一端のみがコイルに固定されているが、その両端をコイ
ルに固定してもよい。
【0025】図4は、本発明の他の実施例におけるコイ
ル状の送り具3の拡大部分図である。この例において
は、複数のブレード状の攪拌部材11が固定具12と支
柱13により回転軸2に固定され、コイル外周に沿っ
て、コイルピッチ間を架橋するように配置されている。
【0026】図3及び図4の送り具3のいずれも、1コ
イルピッチ(距離l)間の攪拌部材11の本数はとくに
限定する必要はないが、通常は4〜12本程度とする。
また、攪拌部材11のコイルに対する傾斜角αは、コイ
ルの回転軸方向に対する傾斜角θより大きくする。
【0027】図5は、本体1内における被乾燥物の運動
の説明図である。フレーク状又は粒状の被乾燥物は、本
体1の内壁底面及び側面で、送り具3によって矢印A方
向に前進し、かつ攪拌部材11によって矢印B方向に掻
き上げられる。掻き上げられた被乾燥物は、本体内壁側
面のある高さ迄上がったところで、攪拌部材11の傾斜
に沿って矢印C方向へ流下し、後退運動をするようにな
る。
【0028】このように、各コイルピッチ内で、被乾燥
物は上記のような前進−掻き上げ−後退の循環運動を繰
返し、これにより周囲の気体と十分接触するようにな
る。攪拌部材11のコイルに対する傾斜角αをコイルの
軸方向に対する傾斜角θより大きくして、攪拌部材11
の傾斜により、被乾燥物に後退運動を与えるようにした
ことが、本発明の特徴である。
【0029】本発明の連続乾燥装置においては、回転軸
2の回転数を大きくした時に、被乾燥物は、一方的に前
進するのではなく、後退運動も大きくなるため、平均の
移送速度はあまり大きくならない。したがって、回転数
を大きくして被乾燥物の循環運動を促進し、固気接触効
率を高めることができる。
【0030】図6は、図3の送り具において、攪拌部材
11をコイルに取り付ける方法を示す説明図である。固
定具12はコイルに接合されたスリーブ14と複数の止
めねじ15からなり、丸棒状の攪拌部材11をスリーブ
14に嵌入して、止めねじ15により着脱自在に固定す
ることができる。図6に示したように、取付け側端部付
近で屈曲した攪拌部材11に交換すれば、攪拌部材のコ
イルに対する傾斜角αを任意に変更することができる。
【0031】また図7は、図4の送り具において、攪拌
部材11を回転軸2に取り付ける方法を示す説明図であ
る。固定具12は攪拌部材11に接合されたスリーブ1
4と複数の止めねじ15からなり、回転軸2に固定され
た支柱13をスリーブ14に嵌入し、止めねじ15によ
り固定して傾斜角αを任意に変更することができる。な
お、図6及び図7に示す攪拌部材の取付け方法は例示で
あって、この取付け方法に限定されるものではない。
【0032】上記のような構成により、攪拌部材11の
コイルに対する傾斜角αを任意に変更することができ
る。傾斜角αを大きくすれば、被乾燥物の後退速度が大
きくなって、平均の移送速度が低下する。このように、
攪拌部材のコイルに対する傾斜角αを変更可能にして、
被乾燥物の移送速度を自由に調節しうるようにしたこと
が本発明の第2の特徴である。
【0033】なお、連続乾燥装置の定常運転時には、被
乾燥物の供給速度(したがって排出速度)をほぼ一定に
するが、移送速度が低下すれば装置内の滞留量が増加
し、その結果滞留時間すなわち乾燥時間が延長される。
被乾燥物の移送速度は、回転軸2の回転速度や本体内の
滞留量にも依存するが、傾斜角αと回転速度の両者を適
正に選択することにより、精度良く乾燥時間を調節する
ことができる。
【0034】本発明において、送り具3や攪拌部材11
の断面形状は、円形(棒状)でも矩形(リボン状又はブ
レード状)でも良く、両者を同じにする必要はない。ま
た、送り具3のコイルピッチlもとくに限定する必要は
ないが、通常はコイルの外径2rの0.3〜2倍程度と
する。コイルの外周とケーシング1の内壁面との間隔
(R−r)は、被乾燥物の粒度・形状等を考慮して定め
ればよいが、通常は0.5〜5mm程度とする。
【0035】本発明の連続乾燥装置は、下記の特徴を有
するため食品の乾燥に適する。 (1)被乾燥物が、周囲の気体とよく接触するため、乾燥
温度が比較的低くても乾燥速度を大きくすることができ
る。 (2)被乾燥物が十分に攪拌されるため、乾燥ムラが生じ
にくい。 (3)攪拌部材の傾斜角や回転軸の回転速度を調節するこ
とにより、被乾燥物の送り速度、すなわち乾燥時間を適
正に制御することができる。
【0036】また、対象とする固形物が粒状であっても
フレーク状であっても、スムーズに流動し、よく攪拌さ
れる。したがって、本発明の連続乾燥装置は、豆類、穀
類等の粒状の食品の他、スライスした野菜、果実、魚肉
類等のフレーク状の食品の乾燥にも適する。
【0037】本発明において、被乾燥物を加熱し乾燥す
る手段はとくに限定する必要はない。例えば、本体1の
上部に電熱ヒーターや赤外線ヒーターを配して、被乾燥
物を加熱してもよい。また、本体1の内壁面を熱伝導の
よい材料で構成し、その背部に電熱ヒーターやスチーム
ヒーターを埋設してもよい。或いは、本体1の内部に熱
風を流通させてよく、熱風の流通と上記のような加熱手
段とを併用してもよい。
【0038】しかし、食品の乾燥において、より風味の
良い乾燥食品を得るためには、上述した被乾燥物を攪拌
する手段に加えて、適切な加熱手段を選択することが望
ましい。望ましい加熱手段の一つが、遠赤外線による輻
射加熱である。
【0039】図8は、本発明の他の実施例である食品の
連続乾燥装置の説明図である。図8において、本体1内
のフレーク状又は粒状の食品は、攪拌部材11を有する
送り具3により攪拌されると共に、天井面のほぼ全面を
覆うように配した遠赤外線ヒーター16により加熱され
る。遠赤外線ヒーター16は、遠赤外線放射体17と、
その背面に配したシースヒーター18と、その外側の断
熱材19及びカバー20等から構成されている。
【0040】遠赤外線放射体17は、下面にセラミック
コーティング層を有する金属板からなり、シースヒータ
ー18により加熱されて、遠赤外線を放射する。セラミ
ックスは遠赤外線放射率の高い物質、例えばアルミナ、
チタニア、ジルコニア等の単体、混合物またはこれらの
複合酸化物を用い、その粉末をプラズマ溶射等の方法に
より、金属板の表面にコーティングする。
【0041】シースヒーター18は、電力調節器を有す
る電源(図示していない)に接続され、被加熱食品が適
正な温度、例えば40〜50℃になるように加熱電力を
調節する。本乾燥装置においては、食品はその表面全体
から均一かつ緩やかに加熱されるので、乾燥ムラが生じ
にくい。フレーク状又は粒状の食品は比表面積が大き
く、かつ周囲の気体と良く接触するので、上記のような
低い乾燥温度でも、その乾燥速度を大きくすることがで
きる。
【0042】すでに述べたように、野菜や果実等の乾燥
において、風味の良い乾燥食品を得るには、乾燥温度を
できるだけ室温に近い温度、例えば35〜40℃以下に
することが望ましい。このような低い温度で乾燥速度を
大きくするためには、本体1内に新鮮な空気を供給する
とともに、本体内を減圧状態に維持して、雰囲気中の水
蒸気分圧を低くすることが望ましい。
【0043】図9は、本発明の第3の実施例である食品
の連続乾燥装置の説明図である。本実施例においては、
本体1は気密に形成され、その一端に給気用ファン21
と他端に排気用ファン22がダクトを介して連結されて
いる。給気用ファン21は外部の新鮮な空気を本体内に
供給し、排気用ファン22は本体内の湿分の多い空気を
排出して、本体内には空気流が形成される。
【0044】給気用ファン21と排気用ファン22は共
に、風量制御手段(図示していない)により空気流量を調
節することができる。排気流量を給気流量より大きくす
ることにより、本体内は減圧状態に維持される。本発明
者の知見によれば、本体内の雰囲気圧力を大気圧より1
0mb以上低い減圧状態に維持すれば、食品の温度が3
0〜40℃でも、大気圧下で40〜50℃の温度で乾燥
した時と同等の乾燥速度が得られることが確められた。
【0045】このような低い温度で乾燥すれば、酵素の
働きによる食品の変質や雑菌の繁殖を抑制することがで
き、元の生鮮食品と同じような風味を有する乾燥食品が
得られる。
【0046】本発明の連続乾燥装置は、さつまいも、じ
ゃがいも、人参、大根、かぼちゃ等の野菜をスライスし
た細片、きゃべつ、もやし、たまねぎ等の野菜を細断し
たフレーク状の細片、りんご、パイナップル等の果実の
細片や鮭、鯖、鮪、たこ、いか、あわび、ほたて等の魚
介類をスライスした細片等の乾燥に適する。
【0047】同様に、米穀類、豆類等の粒状食品や、芋
類、根菜類等を賽の目切りした粒状食品の乾燥にも適す
る。これらのフレーク状又は粒状の食品を、比較的低温
でムラなく乾燥し、かつ乾燥時間を制御して残留水分量
を適正に調節することができる。これにより、元の食品
の風味を残しかつ長期保存可能な乾燥食品を製造するこ
とができる。
【0048】
【発明の効果】本発明の連続乾燥装置では、フレーク状
又は粒状の固形物を、局所的な停滞部が生じることなく
全体を良く攪拌して、周囲気体との接触を十分に行わせ
ることができ、かつ移送速度(滞留時間)を自由に調節す
ることができる。
【0049】本発明の連続乾燥装置は、低い加熱温度で
も乾燥速度を高めることができ、かつ乾燥ムラや過度の
乾燥を避けることができるという特徴からフレーク状又
は粒状の食品の乾燥に適しており、本装置により、元の
食品の風味を残しかつ長期保存可能な乾燥食品を製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である連続乾燥装置の内部構造
を説明するための斜視概要図である。
【図2】図1の連続乾燥装置の正面概要図及び側面概要
図である。
【図3】図1の実施例におけるコイル状の送り具の部分
拡大図である。
【図4】本発明の他の実施例におけるコイル状の送り具
の部分拡大図である。
【図5】乾燥機本体内における被乾燥物の運動の説明図
である。
【図6】図3の送り具において、攪拌部材をコイルに取
り付ける方法の例を示す説明図である。
【図7】図4の送り具において、攪拌部材をコイルに取
り付ける方法の例を示す説明図である。
【図8】本発明の他の実施例である食品の連続乾燥装置
の説明図である。
【図9】本発明の第3の実施例である食品の連続乾燥装
置の説明図である。
【図10】従来のドラムミキサーの代表例を示す断面概
要図である。
【符号の説明】
1:乾燥機本体、 2:回転軸、 3:コイル状の
送り具、 4:支柱、5:軸受、 6:変速機、
7:モーター、 8a、8b:仕切り板、9:供給ホ
ッパー、 10:排出口、 11:攪拌部材、1
2:固定具、 13:支柱、 14:スリーブ、
15:止めネジ、16:遠赤外線ヒーター、 1
7:遠赤外線放射体、18:シースヒーター、 1
9:断熱材、 20:カバー、21:給気用ファン、
22:排気用ファン、 30:円筒状容器、3
1:回転軸、 32:スクリュー、 33:パド
ル、r:送り具のコイル外径、 R:乾燥機本体の底部
円弧内径、l:コイルピッチ、α:攪拌部材のコイルに
対する傾斜角、θ:コイルの回転軸方向に対する傾斜角

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーク状又は粒状固形物の連続乾燥装
    置であって、その一端に被乾燥物を供給する手段と他端
    にこれを排出する手段とを有し、底部内面の形状が半円
    筒形で略水平に設置された乾燥機本体と、該乾燥機本体
    内の被乾燥物を加熱する手段又は/及び乾燥機本体内に
    乾燥用気体を供給する手段と、該乾燥機本体の底部半円
    筒の軸上に配され、回転速度可変な駆動装置により回転
    駆動される回転軸と、その外径が前記乾燥機本体の底部
    半円筒の径よりやや小さい円筒形のコイルからなり、支
    柱を介して前記回転軸に取り付けられてその回転により
    被乾燥物を移送するコイル状の送り具と、該送り具のコ
    イルの外周に沿ってコイルピッチ間を架橋するような位
    置に配置され、前記コイル又は前記回転軸に取り付けら
    れた多数の棒状又はブレード状の攪拌部材とを有し、該
    攪拌部材のコイルに対する傾斜角がコイルの軸方向に対
    する傾斜角より大きくなるように攪拌部材をコイル又は
    回転軸に取り付けて、該攪拌部材により被乾燥物に後退
    運動を与えるように構成したことを特徴とする連続乾燥
    装置。
  2. 【請求項2】 前記攪拌部材の傾斜角が可変になるよう
    な固定手段を用いて、攪拌部材をコイル又は回転軸に取
    り付けて、該傾斜角を変更することにより被乾燥物の移
    送速度を変更可能にしたことを特徴とする請求項1記載
    の連続乾燥装置。
  3. 【請求項3】 フレーク状又は粒状の食品を乾燥するた
    めの連続乾燥装置であって、前記乾燥機本体の天井面の
    ほぼ全面を覆うように遠赤外線放射体とその背部に加熱
    源とを配し、該遠赤外線放射体からの輻射熱により被乾
    燥食品を加熱することを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の連続乾燥装置。
  4. 【請求項4】 フレーク状又は粒状の食品を乾燥するた
    めの連続乾燥装置であって、前記乾燥機本体を気密に形
    成し、乾燥用空気を該乾燥機本体内に供給する給気手段
    とその内部の空気を排出する排気手段とを配し、給気量
    および排気量を調節することにより、該乾燥機本体内の
    圧力を大気圧以下に維持しうるようにしたことを特徴と
    する請求項1から請求項3までのいずれかに記載の連続
    乾燥装置。
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